買い物客に商品をPRする学生インターン

就業体験で味噌醤油 需要調査〜女学生が藤勇醸造で、商品売り込みにも挑戦

 買い物客に商品をPRする学生インターン

買い物客に商品をPRする学生インターン

 

 釜石市大渡町のみそ、しょうゆ製造販売業、藤勇醸造(藤井徳之社長)は3日、学生インターンによる店頭販売を港町のイオンタウン釜石で行った。県内の民間企業で学生が就業体験を行う「IWATE実践型インターンシップ」(NPO法人wiz主催)の一環で、受け入れ先となった同社が学生に託したミッションは「老舗醸造会社のマーケティング」。これに応え、2人の学生が買い物客にアンケート調査を行いながら同社の商品を売り込んだ。

 

 同社でのインターンシップに参加するのは、一橋大社会学部2年の佐藤冬佳さん(北海道札幌市出身)と立教大経営学部1年の宮﨑まはるさん(愛媛県松山市出身)。8月中旬から1カ月間釜石に滞在し、市内飲食店へのしょうゆ・みその使用状況調査や販促活動に取り組んでいる。

 

 店頭販売はこの日で3回目。同社が8月から発売を始めた「本醸造かけしょうゆ」(210ミリリットル)を紹介しながら買い物客に積極的に声を掛け、普段使っているしょうゆのボトルサイズや商品を選ぶ基準などを聞き取った。

 

 宮﨑さんは普段学んでいることに生かせると参加。「地域の生の声を聞けるので楽しい。消費者の顔が見える仕事もいいなと実感。こうしたコミュニケーションは将来、働いた時にきっと役立つ。人を幸せにする仕事に就きたい」と職業観を広げた。

 

 店頭での調査は今回で一段落。今後は消費者を招いた座談会を企画中で、佐藤さんは「立案、進行など全てを任せてもらい、実践できるチャンス。学生インターンならではの視点と切り口で関わった結果を資料としてしっかり残したい」と意気込んだ。

 

 創業115年になる同社では震災以降、創業当初からのロングセラー商品を消費者ニーズや健康志向に配慮して販売手法を変えたり、「十割糀(こうじ)みそ」「しょうゆ糀」など新たな発酵食品やスイーツなど商品開発に力を入れている。こうした攻めの取り組みの根底にあるのは「しょうゆ・みそ市場の縮小や発酵食文化の衰退への懸念などの危機感だ」と小山和宏専務。今回初めて学生インターンを受け入れ、初となるマーケティングを行っているところだが、手応えを感じた様子。「聞き取った一言一言が参考になる。データとしてまとめ報告してもらうことで、商品開発につながるヒントをもらえれば」と期待している。

 

 学生2人が企画する座談会「藤勇ティータイム」は9月12日午後3時から大町の小島カフェで開催。オリジナル発酵食などを提供することにしており、現在参加者を募っている。参加費は無料。問い合わせ、参加申し込みは藤勇醸造(電話0193・22・4177)へ。

 

(復興釜石新聞 2017年9月9日発行 第619号より)

 

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広報かまいし2017年9月15日号(No.1672)

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2017年9月15日号(No.1672)

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【目次】
表紙:東日本大震災復興土俵入り
P02:釜石市民ホール
P05:国際交流員の紹介など
P06:防災行政無線
P07:釜石市産直スタンプラリーなど
P08:赤ちゃんの笑顔育み事業
P09:犬の登録と狂犬病予防注射など
P10:釜石まるごと味覚フェスティバル&
ラグビーワールドカップ2019™ファンゾーンプレイベント
P12:まちの話題
P14:保健案内板
P16:市民の広場
P17:まちのお知らせ
P20:胃がん検診など

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1212544_2596.html
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
Meetup Kamaishi 2017 Autumn

【9/30~10/15】『Meetup Kamaishi 2017 Autumn』

【9/30~10/15】『Meetup Kamaishi 2017 Autumn』

 

釜石シティプロモーション推進委員会では、平成29年9月30日から10月15日の期間で、「オープンシティフォーラム2017」、「KAMAISHI NIGHT -Meetup Kamaishi 参加者交流会-」、市民が鉄人として、釜石の人や歴史、文化、食といった様々な魅力を体感できる28の観光体験プログラムを提供する「Meetup Kamaishi」などで構成するイベント「Meetup Kamaishi 2017 Autumn」を開催いたします。

 

市内外からの沢山のご参加を心よりお待ちしております。

 

オープンシティ釜石

オープンシティ釜石公式サイト
リンク


 

Meetup Kamaishi 2017 Autumn パンフレット

Meetup Kamaishi 2017 Autumn パンフレット

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1. オープンシティフォーラム2017

私たちの暮らしやビジネスは、今後どのように変化していくのか。ポスト復興を見据えた持続可能なまちづくりとは、何を意味するのか。グローバルな視点から、釜石市の地方創生ビジョン「オープンシティ戦略」を見つめ直し、具体的なエピソードとともに地域社会の未来と可能性を探求します。

 

日時

平成29年10月7日(土)15時~17時30分(開場:14時30分)

場所

チームスマイル・釜石PIT(釜石情報交流センター内)

入場

入場無料(申込不要・入退場自由)

内容

■キーノートスピーチ
「持続する地域のための観光のあり方」
【講師】
坂元 英俊 氏(一般社団法人島原半島観光連盟専務)
「シェアリングエコノミーが変える、ビジネスと人々の暮らし」
【講師】
佐別当 隆志 氏(一般社団法人シェアリングエコノミー協会事務局長)
■パネルディスカッション
「持続可能な世界と、地域と、私たち。」
【パネリスト】
荒井 一洋 氏(NPO法人エコツーリズムセンター理事)
川久保 俊 氏(法政大学デザイン工学部建築学科専任講師)
藤井 サヱ子 氏(創作農家こすもす/釜石市甲子地区活性化協議会会長)
山田 周生 氏(一般社団法人United Green代表理事)
戸塚 絵梨子 氏(株式会社パソナ東北創生代表取締役)
【モデレーター】
石井 重成(釜石市オープンシティ推進室長)

問合せ

釜石市オープンシティ推進室
TEL:0193-27-8463

 

2. KAMAISHI NIGHT – Meetup Kamaishi 参加者交流会 -

観光体験プログラムやフォーラムなどに参加し、釜石を訪れた皆様と釜石市民の交流会を開催します。皆様と釜石のご縁に感謝し、新しい出会いや絆が生まれる場です。

 

日時

平成29年10月7日(土)18時30分~20時30分(開場:18時~)

場所

釜石ベイシティホテル 2階

会費

3,500円 ※会費は当日会場で承ります。

申込締切

10月2日(月)

申込方法

以下の申込フォーム又は電話にてお申込み下さい。
【申込フォーム】 https://goo.gl/69wCTs
【電話】 釜石市オープンシティ推進室 0193-27-8463

 

3. ラグビーカフェ釜石 ルール講習会&チャレンジウォークラリー

2019年のラグビーワールドカップ™までに「ラグビーのルールを覚えて楽しみたい」という人のために特別企画を実施します。ゲスト講師による「ラグビーの楽しみ方!今さら聞けないルール講習会」や、クイズに答えて、ラグビーTシャツやボールなどが当たるウォークラリー。ラグビー観戦初心者も大歓迎です。

 

日時

平成29年10月9日(月・祝)13時~15時

場所

ラグビーカフェ釜石(シープラザ釜石2階)

参加費

無料

講師

藤原 誠 氏(元釜石シーウェイブスRFC)

問合せ

ラグビーカフェ釜石
TEL:080-4689-1123

 

4. 釜石おさかな発見伝 かまりば×さかなまみれプロジェクトコラボ企画

釜石漁火酒場「かまりば」にて、Meetup Kamaishiの期間限定で、「どん肝」「マグロの胃袋」を使った料理が楽しめます。

 

期間

平成29年9月30日(土)~10月15日(日)

場所

釜石漁火酒場「かまりば」

備考


提供店舗はMeetup Kamaishi 2017 Autumnパンフレット等でご確認願います。

この記事に関するお問い合わせ
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〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話: 0193-27-8463 / Fax: 0193-22-2686 メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/keikaku_torikumi/chihousousei/detail/1212395_3278.html
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「これからがスタート。まちの力になりたい」と前を向く人首廣作さん

アンジェリック 大町に本設店舗、再出発〜人首さん、支援に感謝 お菓子で表す

「これからがスタート。まちの力になりたい」と前を向く人首廣作さん

「これからがスタート。まちの力になりたい」と前を向く人首廣作さん

 

 東日本大震災の津波で釜石市嬉石町にあった店舗が全壊し、大只越町の仮設店舗などで営業を続けてきた洋菓子店「アンジェリック」が7日、大町の本設店舗に移り再スタートを切った。13日からはケーキの販売を始め、本格的にオープンする。店主の人首(ひとかべ)廣作さん(54)は「これからどうするか。うれしさよりも経営の不安が大きい」としつつ、「多くの人の支援でここまで来た。まちなかに店を構えることができたから精いっぱいやらせてもらう。終わりではなくスタート。まちをにぎやかにするため力になりたい」と意気込む。

 

 嬉石町の店舗は父親の金平さんが1961年、和洋菓子を製造する「朝日屋菓子店」として創業した。人首さんは首都圏で電気設備の整備修理などを行う会社で働いていたが、将来は古里に戻るとの思いもあり転職。首都圏の洋菓子店で8年修業し、30歳の時に古里に戻り、朝日屋の洋菓子部「アンジェリック」をスタートさせた。

 

 震災の津波では店舗兼工房が全壊。菓子づくりの道具や設備、レシピをすべて失った。金平さん(享年75歳)と共に母親の英子さん(同71歳)も亡くした。

 

 当初は生活することで精いっぱいだったが、震災直後、がれきとなった店舗の様子を見に行った時、当時幼稚園児だった長男の颯眞君から「パパ、ケーキ作るんだよね」と聞かれ、「もう一度働く姿を見せたい」と再建を決意。2011年12月、鈴子町の商業施設と大只越町の仮設商店街に工房や店舗をオープンした。

 

 その際、修業時代の仲間らから菓子づくり設備の提供を受けるなどの支援を受けた。以前雇っていた従業員らからは、レシピのメモ書きなども寄せられた。人のつながりをこれまで以上に感じ、感謝の気持ちを表すため、「釜石をPRし、まちに貢献できる商品を作りたい」と考えながら営業を続けた。

 

 再開から1年ほどは仮営業でも客足は順調だったが、まちの復興が徐々に進み、立ち寄ることのできる場所が増えると、人の流れが分散。ケーキなどの生菓子だけでは長く続けられないとの思いから、焼き菓子など日持ちし、お土産やギフト用の商品づくりに力を入れ、鉄鉱石をイメージさせる菓子や地元企業と連携した新商品を開発、販売してきた。

 

「アンジェリック」と大きな文字が目を引く新店舗

「アンジェリック」と大きな文字が目を引く新店舗

 

 それから6年。ようやくこぎつけた本設店舗でのプレオープンに、人首さんは「本設での出発でも、たくさんの人に助けてもらった。自分にできることは、おいしいものをつくること。小さい力だが、地域のため力になれることがあるはず。しっかり前を向いていく」と力を込めた。

 

 新店舗は市街地中心部の大町にあり、周辺には居酒屋、ホテル、復興公営住宅などが建ち並ぶ。生前、金平さんは「(人首さんが作った)ケーキをまちなかで売れば喜ばれるのに」と、よく口にしていたという。「よくやった、良かったな」。そんな両親の喜ぶ姿を思い浮かべ、13日のグランドオープンを迎える。

 

 13日〜15日はケーキなどをオープン価格で販売。来店者へ記念品も用意。営業時間は午前9時から午後7時。

 

(復興釜石新聞 2017年9月9日発行 第619号より)

 

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釜石駅前に立ち、TCリーグ開幕をPRする「V7戦士」の坂下功正さん(左)ら新日鉄釜石ラグビー部OB

「鉄人伝承」トップリーグ昇格応援〜ラグビーV7ら、釜石シーウェイブスの挑戦後押し

 釜石駅前に立ち、TCリーグ開幕をPRする「V7戦士」の坂下功正さん(左)ら新日鉄釜石ラグビー部OB

釜石駅前に立ち、TCリーグ開幕をPRする「V7戦士」の坂下功正さん(左)ら新日鉄釜石ラグビー部OB

 

 今月10日にラグビートップチャレンジ(TC)リーグの初戦を地元で迎える釜石シーウェイブス(SW)RFCを応援しようと、新日鉄釜石ラグビー部のOB有志が2日から釜石駅前で街頭宣伝活動を始めた。ラグビー日本一7連覇に輝く「V7戦士」らが先頭になり、釜石に住むOB約30人がSWのトップリーグ(TL)昇格を力強く後押し。開幕戦がある10日まで連日街頭に立ち、当日は2千人の観客動員を目指す。

 

 同部OBを中心に活動するNPO法人スクラム釜石(石山次郎代表)が協力し、初日は黄金期のスクラムハーフ(SH)として活躍した坂下功正さん(58)ら9人が参加。釜石駅前の国道283号をはさみ、道行く車に「一人でも多く足を運び、SWを応援しよう。みなさんの声援が力になります」と呼び掛けた。

 

 釜石ラグビー部のOBが、こうした形で街頭宣伝に取り組むのは初めて。現在はSWのアドバイザーを務める坂下さんは赤いジャージーを着て街頭に立ち、「相手は強いが、勝ってほしいし、勝てるぐらいの力は付いてきている。100%の力を出し切れば、きっと勝てる」とSWの初戦勝利に期待を込める。

 

 同部の初代主将で地元OB会の会長を務める三浦達夫さん(82)は「新リーグ開幕に合わせ、〝ラグビーのまち釜石〟を広く全国に知ってもらおうと赤いジャージーを取り出した。2年後には釜石でラグビーW杯もある。SWの躍進で市民にもっとラグビーの魅力を知ってもらいたい」と先頭に立つ。

 

 釜石SWのTCリーグ初戦は10日午後3時から、甲子町松倉の市球技場に三菱重工相模原を迎え撃つ。

 

(復興釜石新聞 2017年9月6日発行 第619号より)

 

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復興事業で完成した根浜の高台造成地をバックに繰り広げられるバイクレース

復興後押しトライアスロン、根浜に195人集う〜昨年の岩手国体を弾みに

海岸に打ち寄せる波を越えスイムに挑む選手ら=午前8時

海岸に打ち寄せる波を越えスイムに挑む選手ら=午前8時

 

 第23回釜石はまゆりトライアスロン国際大会(同実行委主催)は3日、釜石市鵜住居町の根浜海岸特設会場を発着点に開かれた。同大会は東日本大震災で中断を余儀なくされたが、関係者の熱意でいち早く復活への取り組みに着手。震災から3年後の2014年には競技全3種目の復活大会にこぎつけ、昨年の希望郷いわて国体同競技の釜石開催を成功に導いた。2年ぶりの今大会は、震災前と同じ総距離51・5キロで実施。全国から集まったアスリートに復興の進展を印象づけた。

 

 北海道から佐賀県まで195人がエントリー。51・5キロ(スイム1・5キロ、バイク40キロ、ラン10キロ)を個人で競うスタンダードに151人、2~3人で3種目を分担するリレーに8チーム23人、各種目半分の距離で競うスプリント(総距離25・75キロ)に21人が出場した。スプリントは同大会初の試み。

 

 午前8時、スイム(水泳)からスタート。三陸沖を通過した台風15号の影響で高波が押し寄せ、水温も17度(午前6時現在)と低めだったため、不安な人は事前にバイク(自転車)からのスタートに切り換える措置も講じられた。バイクは根浜から箱崎町を折り返し、橋野町を経由して根浜に戻るコース。橋野町を折り返すコースは震災後初めてで、沿道の地域住民らが熱い声援を送り大会を盛り上げた。ラン(長距離走)は根浜―箱崎間を周回した。

 

復興事業で完成した根浜の高台造成地をバックに繰り広げられるバイクレース

復興事業で完成した根浜の高台造成地をバックに繰り広げられるバイクレース

 

 注目を集めたのは、08年の北京五輪で5位入賞を果たした井出樹里さん(34)=神奈川県=。男子選手とスタンダード上位争いを繰り広げ、女子トップでゴール(2時間11分14秒)後は、ゴール地点で後続の選手を出迎えた。井出さんは「トライアスロンが大好きな人たちと一緒に、この地で大会ができたことは自分にとってもプラスで、ありがたい経験。大会の雰囲気も温かい。ぜひ、また来たい」と声を弾ませた。

 

ゴール後、充実の笑顔を輝かせる井出樹里さんと小林会長

ゴール後、充実の笑顔を輝かせる井出樹里さんと小林会長

 

 男子スタンダード1位(2時間02分12秒)に輝いたのは、大船渡市出身で昨年の国体に本県代表として出場した寺澤光介さん(23)=東京都=。高校1年の時に初めて挑んだのが同大会で、震災後も出場を続ける。「国体では思うような結果が出せなかった。今年はそのリベンジも込め全力で臨んだ。今後は東京とその次の五輪を見据え、海外レースでも経験を積みたい」とさらなる飛躍を誓った。

 

トリーズさん、12年ぶりエントリー

 

 リレーの部には、国際大会の冠が付いた第3回大会から出場し、同大会の発展に大きく貢献してきたトリーズ・マイケルさん(55)=東京都=が、妻りえ子さん(40)、競技仲間の丹内心悟さん(39)=愛知県=とチームを組んで出場。トリーズさんらは震災後、「Tri4Japan」の名で、被災地支援活動を展開し、毎年釜石を訪れている。

 

 05年以来の出場となったトリーズさんは「天気も良くて楽しかった。痛めている腰が治ったら、3種目フルで出たい」、2年ぶりの出場となったりえ子さんは「ビーチや緑地広場が戻って本当に良かった。沿道の皆さんの笑顔も温かくて、やっぱり釜石っていいな」と大会復活を喜び、「震災前のような完全な形になるまで、応援を続けたい」と夫婦で〝釜石愛〟をにじませた。

 

トリーズさん、12年ぶりエントリー

手を取り合ってゴールしたトリーズさん夫妻と丹内心悟さん(右)

 

 大会総括責任者の釜石トライアスロン協会、小林格也会長は「台風の影響も最小限で、無事終えられた。今年は初心者が参加しやすいようスプリントも設けたが、今後は子どもたちにもトライアスロンの面白さを知ってもらい、底辺拡大につなげたい。今年から始まったオープンウォータースイミングとともに根浜を拠点としたスポーツ振興にもつなげられれば」と意欲を見せた。

 

(復興釜石新聞 2017年8月6日発行 第619号より)

 

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「くまモン」をもみくちゃにして歓迎する釜石市内の幼稚園児ら

全国行脚のくまモン釜石へ〜支援に感謝 思い共有、ラグビーW杯へエール交換

釜石のマスコットキャラクター「かまリン」とエールを交換する「くまモン」

釜石のマスコットキャラクター「かまリン」とエールを交換する「くまモン」

 

 昨年4月の熊本地震での支援活動に感謝するため、熊本県のマスコットキャラクター「くまモン」が8月30日、釜石市鈴子町のシープラザ釜石2階にあるラグビーカフェを訪れた。熊本は釜石市と並び、2年後のラグビーワールドカップ(W杯)開催地の一つ。市内の幼稚園児らの歓迎を受けたくまモンは、愛らしい風貌とコミカルな動きで楽しませ、「共に力を合わせ、ラグビーW杯を成功させよう」とエールを交換した。

 

 3年かけて46都道府県を回り、被災地支援に対してお礼を伝える「全国行脚」の一環。熊本地震の被災地に、釜石でキッチンカー事業を運営する三塚浩之さん(54)が支援に駆け付け、被災事業者らにノウハウを伝えたことに感謝の気持ちを伝えようと、釜石まで足を延ばしたという。

 

 くまモンから野田武則市長にお礼の色紙を贈呈。三塚さんには感謝状を贈った。野田市長は「熊本でもラグビーW杯が開かれる。釜石市民と思いを共有し、熊本にも元気になってほしい」とエール。支援のため熊本まで7回も足を運び、義援金も届けた三塚さんは「東日本大震災で被災した私たちも思いは同じ。共に未来に向かってがんばろう」と呼び掛けた。

 

 「くまモン」をもみくちゃにして歓迎する釜石市内の幼稚園児ら

「くまモン」をもみくちゃにして歓迎する釜石市内の幼稚園児ら

 

 くまモンは、集まった人たちと感謝のハグを交わした。かまいしこども園の園児ら30人と一緒に「くまモン体操」も楽しんだ。同園の菊池あかりちゃん(5)は「くまモンにさわった。かわいかったよ」と目を丸くして喜んだ。

 

 昨年11月から感謝の全国行脚をスタートしたくまモンは、これまでに20都道県を回り、今回は8月28日に本県入り。30日は宮古市を訪ねたあと釜石に入り、甲子町松倉の市球技場にも訪れた。

 

(復興釜石新聞 2017年8月30日発行 第617号より)

 

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動画制作ワークショップ

《イベント報告》市民がつくる釜石シーウェイブスRFCのプロモーションビデオが完成しました

動画制作ワークショップ 編集風景

 

釜石シーウェイブスRFCが参戦する「ジャパンラグビートップチャレンジリーグ」がついに今週末に開幕します!

 

【釜石シーウェイブス】鉄人伝承〜魂をつなぐ男たちの戦い ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2017

【釜石シーウェイブス】鉄人伝承〜魂をつなぐ男たちの戦い ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2017

リンク


 

これに先がけまして、釜石情報交流センターにて開かれた「動画制作ワークショップ」で製作した作品をご紹介します。

 

動画制作ワークショップは釜石情報交流センターの市民スタジオを会場に開催された、動画づくりを学ぶ市民参加型のワークショップです。

 

動画制作ワークショップ 編集風景

 

「市民の手で、釜石シーウェイブスRFCを応援する動画を作ろう」という募集のもと、お集まりいただいた10名で動画制作を進めました。

 

動画制作にあたっては、釜石出身として活躍される以下の3名を講師としてお招きしました。

 

・県内の放送局で報道カメラマンとして活躍されている木下義則氏。
・“いわて動画コンテスト2016”で自主製作動画が最優秀賞を受賞した、写真家の菊池賢一氏。
・多くの観光雑誌への写真提供など、世界的に活躍される写真家の岩間幸司氏。

 

動画制作ワークショップ シーウェイブス練習風景撮影

 

市民スタジオで脚本のノウハウや撮影の工夫などを3名の講師に教わりつつ、撮影では釜石シーウェイブスRFCの練習風景を撮影しにいきました。

 

選手の身体がぶつかり合う”音”は非常に迫力があり、参加者の皆様とともに貴重な体験をすることができました。

 

市民が作る釜石シーウェイブスRFCプロモーションビデオ

参加者みなさまの魅力あるカットを用いつつ、講師3名の脚本・編集によって作られた作品をどうぞお楽しみください!

 

 

9月10日(日)には、いよいよ三菱重工相模原ダイナボアーズ戦を迎えます!
釜石市球技場でのホームゲームとなり、様々な催しも行われます。ぜひ会場で釜石シーウェイブスRFCを応援しましょう!

 

動画制作ワークショップは今後も続けていく予定です。次回の予定は縁とらんすにてお知らせしますので、ぜひこちらもご参加ください。

 

ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2017

釜石市球技場でのホームゲームは9月に2試合行われます。
第1節 9月10日(日)15時キックオフ vs三菱重工相模原ダイナボアーズ 
第3節 9月24日(日)12時キックオフ vs九州電力キューデンヴォルテクス

また試合当日は、会場周辺で「にぎわいイベント」が行われます。こちらもぜひみんなで楽しみましょう!

 

釜石SW にぎわいイベント

 

縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

釜石港に今季初水揚げされたサンマ=8月30日午前5時50分(写真説明)

『秋の主役』サンマ初水揚げ〜不漁予測も釜石に活気

釜石港に今季初水揚げされたサンマ=8月30日午前5時50分(写真説明)

釜石港に今季初水揚げされたサンマ=8月30日午前5時50分(写真説明)

 

 釜石市の新浜町魚市場に8月30日朝、秋の訪れを告げるサンマが今季初めて水揚げされた。昨年の初船を上回る34トンを水揚げ。例年と比べ魚体は小さめというものの、待ちに待った〝秋の主役〟の到来に浜は活気づいた。

 

 水揚げしたのは、富山県の大型サンマ船第8珠の浦丸(199トン、17人乗り組み)。北海道の東方沖で操業し、2昼夜をかけて釜石まで運んできた。入札の結果、型が小さいこともあり、昨年より260~150円安い1キロ当たり370~350円で取引された。

 

 待ちに待ったサンマの初水揚げに野田武則市長らも駆け付け、飲み物などを差し入れて船を歓迎。「製氷施設も新しく造った。今後も釜石港にサンマを水揚げしてほしい」と期待した。

 

 同船は昨季も釜石にサンマを8千万円近く水揚げしている。猟田雄輔漁労長(64)は「昨年より漁模様が薄く、魚体も小ぶり。他の船も仕方なく小さいのを水揚げしている」と心配するものの、「釜石にはよくしてもらっており、昨季は花咲港(北海道)よりも多く水揚げした。今後も釜石に水揚げしたい」と話した。

 

 釜石魚市場のサンマの水揚げ量は、東日本大震災があった2011年は2171トン(2億4710万円)、翌12年は2436トン(1億3735万円)、13年は1053トン(1億4093万円)と低迷。14年は5260トン(5億199万円)と大きく回復したものの、15年は2224トン(3億8879万円)、昨年は1841トン(4億84万円)と再び下降線を描いている。

 

(復興釜石新聞 2017年8月30日発行 第617号より)

 

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暮らしと復興の意識調査について結果を報告する神戸大の平山教授(右)と東大の佐藤教授(中)

「危機対応学」めぐり意見交わす、東大社会科学研究所〜意識調査を市民生活向上に

暮らしと復興の意識調査について結果を報告する神戸大の平山教授(右)と東大の佐藤教授(中)

暮らしと復興の意識調査について結果を報告する神戸大の平山教授(右)と東大の佐藤教授(中)

 

 「危機対応学」をテーマにした公開シンポジウムが26日、釜石市大町の情報交流センター釜石PITで開かれた。2005年から釜石を舞台に「希望学」の研究に取り組んできた東京大学社会科学研究所が、16年度から新たにスタートした全所的プロジェクトの一環。東大と神戸大を中心とする全国の研究者グループが、東日本大震災で被災した釜石市民を対象に11年度から実施した暮らしと復興についての意識調査の結果を報告。被災者や市民の生活向上へ、どのように役立てるか意見を交わした。シンポジウムには市民ら約90人が参加し、耳を傾けた。

 

 調査は被災者の生活再建に向け、被災の実態、住まいや生活の状況と今後の見通し、考え方を明らかにするため11年から5回にわたって実施。仮設住宅、みなし仮設住宅、復興公営住宅で暮らす延べ5500人から回答を得た。

 

 シンポジウムでは、調査グループの共同代表を務めた東大の佐藤岩夫教授と神戸大の平山洋介教授がそれぞれ、調査で浮き彫りとなった問題点などについて報告した。

 

 佐藤教授は、昨年行った5回目の調査について「復興が進む中で、将来に向けた希望や明るい見通しは傾向が大きく分かれるが、『復興』の言葉が用いられるのは意外に少ない。震災の記憶がうまく継承されていないのではないか」と説明。その背景には、思うように進まないことへのいらだちがあることを指摘し、「見通しの不透明さが生む不安や不満がある。被災経験には複数の時間が流れている。この流れを量的ではなく、質的に捉える見方も必要ではないか」と示唆した。

 

 阪神大震災を経験した平山教授は、今回は住まいの再生を重点に調査。被災者の間に孤立化や高齢化への不安が広がっていることを指摘し、「被災者の生活再建に揺らぎが見える中で、過去、現在、未来をつなぎ合わせる住まいの改善が求められる。被災者の実態を踏まえた制度改善を」と訴えた。「住宅再建の補助は、1回きりをせめて2回に」と持続的制度の必要性も指摘した。

 

 参加した市民の中からは「津波災害からの復興の歴史と見比べると、今回の震災では他人の力を求め過ぎている気がする。地域全体で〝自力力〟を持たなければならないのでは」という声もあった。

 

 佐藤教授は「どうにもならない場面もいろいろある。個人の努力も要るが、手助けする社会の仕組みづくりは必要だ」、平山教授は「ともかく現場に足を運ぶことが支援になる。多くの人に現状を見てもらうことが被災者の力になる」と強調した。

 

(復興釜石新聞 2017年8月30日発行 第617号より)

 

復興釜石新聞

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《インタビュー》釜石シーウェイブスRFC 桜庭吉彦GM

《インタビュー》釜石シーウェイブスRFC 桜庭吉彦GM【9/10 釜石SW開幕戦@松倉】

《インタビュー》釜石シーウェイブスRFC 桜庭吉彦GM

 

今季から新設された社会人ラグビーリーグ 3地域(関東・関西・九州)合同リーグ『ジャパンラグビートップチャレンジリーグ』に参戦する釜石シーウェイブスRFC。(以下釜石SW)

 

新リーグは、8チーム総当たりの1stステージの後、上位・下位4チームずつに分かれての2ndステージで最終順位が決定する。

 

【釜石シーウェイブス】鉄人伝承〜魂をつなぐ男たちの戦い ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2017

【釜石シーウェイブス】鉄人伝承〜魂をつなぐ男たちの戦い ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2017

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リーグ設立にあたり、昨年の順位を単純に反映させた場合の釜石SWの順位は7位。ここからトップリーグ昇格を目指し新たなスタートを切ります。

 

縁とらんすでは、開幕を間近に控えたチームから、ゼネラルマネージャー(GM)の桜庭吉彦さんにお話を伺って来ました。

 

まずは、今季コーチングスタッフ体制が大きく変わって迎えた、ここまでのチーム作りについて

 

コーチングの面で言うと、まったく新しい事をするというよりは、今まで築いてきたものを活かしながら、改めて“勝つ”チームづくりを進めてきてもらっています。

 

ここまで、順調な点もそうではない点も色々ありましたが、開幕が迫った今、シーズンが楽しみだなと感じる段階までになってきています。

 

新リーグへの参戦が決まり、もしかしたら地元で試合が無いのでは・・・と心配していたのですが、釜石で試合(1stステージ内2試合)があり、ファンの一人としてホッとしています。

 

我々としても開幕を釜石で迎える事が出来て非常に嬉しく感じています。また、シーズン序盤に地元で比較的強いチームと対戦することをプラスにとらえています。地の利を活かし、地元の声援を力に変えて臨みたいです。

 

《インタビュー》釜石シーウェイブスRFC 桜庭吉彦GM

 

また、市内の色々な場所でたくさんの告知ポスターを目にしますね。

 

今年も、目を引く良いデザインのものを作っていただきました。まずは興味を持って頂き、試合があるという事を知って頂く事が第一歩だと思っています。

 

そして、そこから実際に会場に足を運んでいただけるよう市民の皆さんの近くに出向き、さらにPR活動していこうと考えています。

 

釜石シーウェイブス2017

 

最後に、これを読んで下さっている方々へメッセージをお願いします。

 

ラグビーに親しんで頂くこともそうですが、地元のチームが、関東や九州の大都市の強豪チームに立ち向かって行く姿を観て、何かを感じて頂ければと思っています。

 

「地元のチームが頑張っている」、そんな胸に響くような時間を共有して頂き、それが故郷に誇りを持ってもらえることに少しでも繋がってくれたら、これほど嬉しいことはありません。

 

皆さんの声援が選手の背中、スクラムを押す力になります。ぜひ会場で応援をよろしくお願いします。

 

釜石シーウェイブスRFC 桜庭吉彦GM

 

ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2017

釜石市球技場でのホームゲームは9月に2試合行われます。
第1節 9月10日(日)15時キックオフ vs三菱重工相模原ダイナボアーズ 
第3節 9月24日(日)12時キックオフ vs九州電力キューデンヴォルテクス

また試合当日は、会場周辺で「にぎわいイベント」が行われます。こちらもぜひみんなで楽しみましょう!

 

釜石SW にぎわいイベント

 
 

チームの先頭に立ち、積極的に色々な場所へ顔を出している桜庭GM。地元のチームとして、市民の皆さんに親しみを持ってもらう為にどのような活動をして行くかを日々考えていらっしゃるそうです。

 

特に子供たちにラグビーの魅力を伝えることはもちろん、ラグビーを通じて地元愛を育んでもらえるような活動にさらに力を入れていきたいと話されていました。

 

また、桜庭さんおすすめの試合観戦のポイントを教えて下さいとお聞きした所、即答で「スクラムですね!スクラムを押しているかどうかを観て下さい」という答えが。ぜひスクラムに注目して試合観戦しましょう。

 

桜庭吉彦(さくらば・よしひこ) 
1966年、秋田県生まれ。身長192cm。 秋田工業高2年の時にラグビーを始める。3年時に全国高校ラグビー大会優勝。高校卒業後 新日本製鉄釜石製鐵所に入社、同ラグビー部入部。2006年現役引退。ポジションはロック。日本代表キャップ数43。ワールドカップに3回出場。そして、2019年ラグビーワールドカップアンバサダーも務めるラグビー界のレジェンド。

 

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縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

「こんな所があったんだ!」。郷土の素晴らしい自然に感激しながら川遊びを楽しむ子ども

川遊び キャンプ 野趣満喫〜岩場からダイビング、雨で延期も晴天に恵まれ

 「こんな所があったんだ!」。郷土の素晴らしい自然に感激しながら川遊びを楽しむ子ども

「こんな所があったんだ!」。郷土の素晴らしい自然に感激しながら川遊びを楽しむ子ども

 

 地元の野趣あふれる川で子どもたちに思い切り遊んでもらう「さんつなくらぶ 川あそび日帰りキャンプ」が27日、釜石市橋野町で行われた。鵜住居町の一般社団法人三陸ひとつなぎ自然学校(伊藤聡代表理事)が主催。釜石、大船渡両市の小学生18人が参加し、大自然の醍醐味(だいごみ)を味わった。

 

 参加者は旧橋野へき地保育所で安全に関する事前レクチャーを受けた後、ウエットスーツに着替え、車で体験場所に向かった。到着したのは鵜住居川支流の「沢桧川」中流域。史跡「栗橋分工場跡」近くの西側斜面を下ると、木々の緑が水面に反射する美しい渓流が姿を現した。

 

 水の冷たさに体を慣らした後、事前に教わった、下流に足を向けあお向けで流れに身をまかせる安全姿勢を体験。水中で動く感覚をつかむと、顔を水に付けて魚などを観察した。深さ3メートルほどの淵では岩場からの飛び込みにも挑戦。大人のサポートで傾斜のある水流を滑り落ちるウオータースライダーも体験した。

 

 大船渡市から参加した水島康晴君(猪川小5年)は「いろいろな川の自然と触れ合えて、すごく楽しい。来年もまた来たい」と大喜び。佐々木渚央さん(小佐野小3年)は「水がきれいでびっくり。10~20センチぐらいの魚も見えた。地元の川を守るため、ごみを捨てたりしないようにしたい」と誓った。

 

 川遊びは2012年から毎年実施。川の気持ち良さ、面白さを体感し地元の魅力に気づくことで、地域を愛し、自然と向き合って生きる力を育む狙いがある。今年は夏休み期間中の9、10、11日に予定していたが、台風5号の影響で中止を余儀なくされた。当初、各日20人の定員に40人ほどの申し込みがあったという。

 

 仕切り直したこの日は、長期間続いた雨天の憂鬱(ゆううつ)さを吹き飛ばすような晴天に恵まれ、夏休み中、外遊びをできなかった子どもたちに思い出の一日をプレゼントした。

 

 キャンプ開始当初から講師を務める長谷川孝一さん(64)は、神奈川県鎌倉市で子どもたちに水辺の自然体験プログラムを提供する一般社団法人地球の楽校の代表理事。「川遊びは子どもたちのチャレンジを生み、『できた』という気持ちが次のやる気につながる。自然の中だと心が開くのでさまざまな良い影響がある」と話した。

 

(復興釜石新聞 2017年8月30日発行 第617号より)

 

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