鵜住居町の仮設団地で住民と触れ合った間寛平さん(2列目右から3人目)ら
タレントの間寛平さん(68)ら吉本興業の芸人が震災からの復興を願って福島・宮城・岩手3県を駅伝形式で縦断する「RUN FORWARD KANPEI みちのくマラソン」が23日、釜石市に入った。間さんらは施設訪問として鵜住居町田郷の仮設団地で住民らとの触れ合いを楽しんだほか、鵜住居復興スタジアム(仮称)建設現場を見学し、「しっかり完成したら希望になるな。楽しみやな」と期待した。
同マラソンは、2012年から毎年行い、今年で6回目。12日に福島県富岡町を出発し、芸人ら約40人と住民でたすきをつなぎ、24日に宮古市の千徳小でゴールする。今回は避難指示が続く福島県沿岸部の住民が避難する同県会津若松市にもコースを延ばし、過去最長となる約800キロを走る。
スタートから12日目のこの日は、宮川花子さんらが第1走者として大船渡市を出発した。第4走者として世界ボクシング評議会(WBC)スーパーフライ級王者、盛岡出身の佐藤洋太選手も唐丹町―平田間の約6・5キロを力走。釜石市役所などを経て、第10走者の間さんが大槌町の吉里吉里仮設団地でゴールテープを切った。
仮設団地を訪れたのは間さんのほか、石田靖さん(51)、若手芸人ら5人。「大変だったけど落ち着いた?」「仮設は過ごしやすいんか?」などと住民を気遣い、「元気でいてくださいね」と言葉を掛けた。
会話の合間に入る間さんのギャグや、石田さんとのユーモアあふれるトークが繰り広げられ、住民らはたくさんの笑顔と笑い声を広げた。藤原唯さん(25)は4女の奏心(かなみ)ちゃん(生後4カ月)と参加。今後の生活に不安もあったというが、「気分転換、息抜きになった。楽しかった。寛平さんに抱っこされた娘は幸せ者で、輝ける未来が待っている」と感激していた。
スタジアム建設現場にも立ち寄った5人
一行は、スタジアム建設現場にも立ち寄り、現場を見渡すやぐらに上って周辺の復興状況を確認。間さんは、同マラソンを通じて見られる被災3県の復興状況の違いを感じつつも、「仮設の皆さんはみんな元気。ぼくらも負けんよう、一生懸命できること、明るさと笑いを届け続ける。うんばらば~」とエールを送った。
(復興釜石新聞 2017年8月26日発行 第616号より)
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