釜石と東京の絆を結ぶ花苗を植えた鈴子町内会会員と県職員ら
東日本大震災の被災地と東京都を花苗の育成、植栽活動でつなぐ「岩手×東京 花のみちプロジェクト」が今年で4年目を迎える。18日、プロジェクトに協力する釜石市の鈴子町内会(澤田政男会長、54会員)が、釜石駅周辺の花壇に花苗を植えた。釜石で育てた花を東京に送るためのポットへの植え付けも行われ、両都県の花による交流が今年もスタートした。
花のみちプロジェクトは、「被災地を花のあるまちに」と願う東京都と公益財団法人東京都道路整備保全公社が被災3県と連携し、震災後に始めた活動。本県では2014年から釜石市で始動し、昨年から大船渡市でも実施されている。東京から培養土や肥料などの提供を受け、県が花苗を用意。市内の町内会の協力を得て、道路沿いを花で彩る活動を続けている。
今年は鈴子、大渡の両町内会が合わせて12種類、3300株を植える計画で、3週連続で日曜日に作業を実施。初日は鈴子町内会会員と県職員17人が、ローソン釜石駅前店前と大渡橋手前の交差点付近に8種類を植えた。ローソン前の花壇では、2年後に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)を盛り上げようと、「RWC2019」の文字とW杯のロゴマークが浮き出るようにマリーゴールド、ペチュニア、ニチニチソウの苗を配置した。町内会は今後、水やりや雑草取りも行う。
鈴子町の高橋光子さん(69)は「手入れをしていると、道行く市民から『ありがとう』、『いつも楽しませてもらっている』と声を掛けられ、こちらもうれしくなる」と作業の励みになっている様子。
同プロジェクトでは、被災地で育てた花を東京都庁前に定植したり、8月に新宿駅西口広場で開く都のイベントで展示したりし、被災地から復興支援への感謝の気持ちを発信する。都民に東北への関心を持ち続けてもらう機会にもしている。今年は釜石から350株を東京に送る予定で、鈴子で150株、大渡で200株を受け持ち、8月上旬まで各家庭などで育成することにしている。
県沿岸広域振興局土木部の横澤和志主任は「昨年のイベントには約2万人が来場(主催者発表)。東北へ応援メッセージをくれたり、植栽に協力してくれる人も多かった。都は20年の東京五輪を”復興五輪”と位置付ける。両地域の絆を育む一環として、この活動が継続されれば」と話した。
25日には大渡橋に飾るハンギングバスケット55個を両町内会合同で製作する予定。来月2日に大渡町内会が橋の欄干にバスケットを設置するほか、イオンタウン釜石入り口交差点までの県道沿いに花を植える。
(復興釜石新聞 2017年6月24日発行 第599号より)
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