子どもらの力強いスクラムに笑顔で応戦するマコウさん(左)、マコーミックさん
「ラグビー史上最高の選手」と言われるニュージーランド(NZ)代表の元主将リッチー・マコウさん(36)が27日、2年後にラグビーワールドカップ(W杯)の試合が行われる釜石市を訪れ、ラグビースクールで活動する子どもや市民と交流。海辺に建設が進む釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)まで子どもらと一緒に大漁旗を掲げて行進し、東日本大震災から本格的な復興へと向かう地域に「強くあれ」とエールを送った。
マコウさんは2011、15年のラグビーW杯でNZ代表を大会史上初の連覇に導いた名選手。被災児童を支援するサポート・アワ・キッズ実行委員会(東京都)の招きで来日。15年W杯日本代表の小野晃征さん(30)、釜石シーウェイブス(SW)RFCでも活躍したアンドリュー・マコーミックさん(50)、大槌町出身で女子日本代表経験もある平野恵理子さん(25)とともに鵜住居小・釜石東中を訪れ、歓迎イベントに臨んだ。
勇壮な「釜石虎舞」に驚くマコウさん
地元住民など約200人が歓迎。野田武則市長は「スタジアムも少しずつ形が見えてきた。これからが新たなスタート」と決意を伝えた。釜石東中の生徒は歌と吹奏楽の演奏で歓迎。勇壮な「釜石虎舞」も披露された。
マコウさんは子どもらとパスを回し、数人掛かりのスクラムにも応戦。頼もしい子どもらに「被災した釜石でW杯が行われることはすばらしい。ラグビーを楽しむことを忘れず、世界に夢や希望を広げてほしい」と呼び掛けた。
釜石シーウェイブスジュニアの土橋一陽(かずはる)君(釜石小6年)は「体が大きくて力強さを感じた。マコウさんのようになりたい」と、あこがれの選手に目を輝かせた。
建設中の復興スタジアムへ大漁旗を掲げて行進するマコウさんら
大漁旗を掲げて復興スタジアムまで行進したマコウさんらは、NZの原住民マオリ族の言葉で「強くあれ」を意味する「キアカハ」の掛け声に合わせ、色とりどりの風船を空に放った。「2年後、W杯がもたらす瞬間を共に楽しめることを願う」とマコウさん。W杯に向けて英会話を学び始めた釜石中3年の会田茉白(ましろ)さんは「通訳やおもてなしで大会を支えたい」と思いを膨らませた。
(復興釜石新聞 2017年5月31日発行 第592号より)
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