使いなれた食材の普段とは違った調理法の料理が並び、参加者は興味津々

海・山の幸 魅惑のマッチング、生産者と加工者が距離縮め〜地元食材の魅力、試食会で再発見

 使いなれた食材の普段とは違った調理法の料理が並び、参加者は興味津々

使いなれた食材の普段とは違った調理法の料理が並び、参加者は興味津々

 

 地元の海と山の食材を使った料理を紹介する「釜石魅惑の試食会」(釜石市、沿岸広域振興局、釜石・大槌地域産業育成センター主催)は25日、嬉石町のエア・ウォーター物流釜石低温センターで開かれた。地域資源の農林水産物を活用した特産品の開発を目指す地域資源活用研究会の本年度1回目として実施。市内外の生産者、企業、行政関係者ら約50人が参加し、首都圏で活躍する料理研究家が考案した料理に舌鼓を打った。

 

 料理研究家の山崎志保さん(料理山研究所代表)が釜石産の食材を使い、趣向を凝らしたメニューを考案。茎ワカメのかき揚げ、ホタテと茎ワカメを使った酸味と辛みが特徴のスープ、シイタケをパンに見立ててチーズを挟んだフライ、甲子柿シェイク、梅酒で使われた実を使ったスイーツなど計13品が提供された。

 

 参加者は一品一品をじっくりと味わい、地元食材のおいしさや幅広い調理法などを再発見した。

 

 釜石産食材の新たな魅力を引き出そうと、料理研究家が考案したアイデア料理

釜石産食材の新たな魅力を引き出そうと、料理研究家が考案したアイデア料理

 

 オキアミの一種イサダを使った料理に、漁家の松本ミサヲさん(70)は「使わないだけで、いい食材になると分かった。新鮮なものはうまみがあり生臭くなく、加工品として売り出していける」と高く評価。イサダは養殖魚や釣りの餌などになり、地元で揚がっても出回ることは少ないというが、食用としての可能性を認識し期待感を高めた。

 

 橋野町で野菜などの栽培や農家レストランの運営を行っている小笠原静子さん(75)は「主婦と専門家の発想の違いを感じた。紹介された調理法を参考に、自分なりのアレンジを加えた料理を考えたい」と刺激を受けていた。

 

 「地域の中にいると当たり前すぎて良さが分からない。外からの目線で新しい面、素晴らしさを伝える機会になれば」と山崎さん。▽釜石ならではの独自のスタイルを打ち出す▽写真に撮りたくなる、面白いと人の輪が広がる視点からのアプローチ―などメニューづくりも助言。「釜石には魅力ある食材がたくさんあった。どんどん発信してほしい」と参加者に呼び掛けた。

 

 試食会を企画した市農林課の伏見七夫主査は「生産者と調理、加工者、行政の距離を縮め、同じ方向を見て取り組むきっかけになれば」と期待。今後、地元食材の魅力・価値を磨きながら、活用方法について関係機関で検討する予定だ。

 

 また、2019年のラグビーワールドカップ(W杯)に向けたおもてなしとして、食の充実に寄せる期待も大きい。市産業振興部の似内敏行部長は「釜石を訪れた人の胃袋を満たす、満足させる、魅力ある料理づくり、釜石ならではの土産物づくりにつながってほしい」と話していた。

 

(復興釜石新聞 2017年5月27日発行 第591号より)

 

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参加者は市民ホールの完成を待ちわびながら、"大キャンバス"にのびのびと好きな絵を描いた

市民ホール工事現場、絵で飾る〜子どもら楽しく共同作業、目抜き通りに活気

 参加者は市民ホールの完成を待ちわびながら、"大キャンバス"にのびのびと好きな絵を描いた

参加者は市民ホールの完成を待ちわびながら、”大キャンバス”にのびのびと好きな絵を描いた

 

 釜石市大町1丁目に建設が進む「釜石市民ホール」の工事現場の仮囲いを市民の絵で飾る催しが21日、行われた。同ホールの今秋の完成に向け、盛り上げを図るプレイベントの第3弾。新施設誕生への期待が込められたカラフルな絵は、囲いが外される8月ごろまで目抜き通りを行き交う人々の目を楽しませる。

 

 絵が描かれたのは、市民ホール建設現場を囲う工事用外壁のうち主要地方道釜石港線に面した部分。横45メートルにわたるキャンバスに見立てた壁面を使い、参加者が思い思いにペンキで絵を描いた。人物や花、魚、虹など釜石の明るい未来を感じさせる楽しい絵が連なり、通りに心弾む雰囲気を醸し出した。

 

 それぞれの絵には作者の名前や作品についてのコメントが添えられている

それぞれの絵には作者の名前や作品についてのコメントが添えられている

 

 バレエを習っているという大渡町の菊池すずちゃん(5)は、踊っている自分の姿をかわいらしい絵で表現。「新しいホールができたら?」との問いに、「バレエの発表会をやりたい」とにっこり。母真輝さん(42)は「震災時は、この建設現場の敷地内に住まいがあり、建物が津波で被災。この子は震災があった年に生まれた」と特別な思いを寄せ、「(すずちゃんが)このホールの舞台で踊るのを楽しみにしている」と仲良く共同作業を進めた。

 

楽しみながら仮囲いに絵を描く参加者ら

楽しみながら仮囲いに絵を描く参加者ら

 

 大ホールのほか、小ホール、ギャラリー、練習室などを備えた市民ホールは順調に工事が進み、10月末には建物が完成する見込み。12月の「かまいしの第九」演奏会で”こけら落とし”を祝い、来年3月まで設備訓練を兼ねて市の行事を開催していく。一般向けの使用開始は4月からになる見通し。

 

 市生涯学習文化スポーツ課の村上純幸課長は「仮囲いの絵で通りがにぎやかになり、人通りが多くなれば。市民が待ちに待った施設なので、こうしたイベントを通じて完成までの気持ちを高めていけたら」と願った。

 

(復興釜石新聞 2017年5月24日発行 第590号より)

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岩手大学釜石キャンパス開設記念フォーラム

岩手大学釜石キャンパス開設記念フォーラムの開催について【釜石市制施行80周年記念事業】

岩手大学釜石キャンパス開設記念フォーラム

 

市と岩手大学は、岩手大学農学部食料生産環境学科水産システム学コース及び大学院総合科学研究科地域創生専攻の設置に伴い、市内平田地区に「岩手大学釜石キャンパス」が開設されたことを記念し、フォーラムを開催します。

 

日時

平成29年6月11日(日)13時30分~16時 受付13時~

会場

陸中海岸グランドホテル(釜石市港町1-2-3)

対象

どなたでも(定員100名)

内容

① 講演「岩手大学の産学官連携と釜石市との関わりについて(仮)」
講師:岩渕 明 氏(岩手大学学長)
② 農学部食料生産環境学科水産システム学コース及び大学院総合科学研究科地域創生専攻の概要説明
③ 所属学生からの報告

申込み

チラシ裏面に必要事項をご記入いただき、FAXまたはE-mailにて6月2日(金)までに 市総合政策課 企画調整係 宛にお申し込みください。

 

ー釜石市制施行80周年記念事業ー 岩手大学釜石キャンパス開設記念フォーラム チラシ

ー釜石市制施行80周年記念事業ー 岩手大学釜石キャンパス開設記念フォーラム チラシ

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この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 総合政策課 企画調整係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話 0193-27-8413 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/daigaku_renkei/detail/1210156_2611.html
釜石市

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満開の八重桜の下で、季節感たっぷりの郷土料理を味わう研究会のメンバー=橋野町青ノ木で

橋野町青ノ木で季節感たっぷり 山菜料理を味わう〜釜石大槌 郷土料理研究会、八重桜 山里の春を満喫

満開の八重桜の下で、季節感たっぷりの郷土料理を味わう研究会のメンバー=橋野町青ノ木で

満開の八重桜の下で、季節感たっぷりの郷土料理を味わう研究会のメンバー=橋野町青ノ木で

 

 八重桜が満開となった釜石市橋野町青ノ木で21日、釜石・大槌郷土料理研究会(前川良子会長、12人)が主催する「郷土料理バイキングを楽しむ会」が開かれた。会員や家族連れなど市内外から約30人が参加。餅つきを楽しみ、手作りの山菜料理を味わうなど、遅れてやって来た「山里の春」を満喫した。

 

 世界遺産「橋野鉄鉱山」のそばで会員の小笠原静子さんが経営する「峠の茶屋」で餅つき。「よいしょ、よいしょ」の掛け声に合わせ、子どもらも元気に杵(きね)を振るった。大槌高でボランティア活動に取り組む藤原さくらさん(18)は「餅つきは初めて。杵がとっても重くって…」と、さわやかに笑った。

 

 一関市大東町出身で大槌町内の老人ホームで暮らす菊池安子さん(88)は家族に伴われて足を運び、あずき餅の作り方を参加者に手ほどき。孫で、釜石市内の病院で看護師を務める柏﨑沙織さん(30)は「おばあちゃんが作るあずき餅の味は格別。おいしそう」と、安子さんの手元を見ながら餅を丸めた。

 

あずき餅づくりを手ほどきする菊池安子さん(左)

あずき餅づくりを手ほどきする菊池安子さん(左)

 

 バイキングで味わう郷土料理は8種類ほど。タラノメ、コゴミ、ウド、シドケにアケビの若芽などを加えた山菜天ぷら、ワラビのおひたし、ワカメのサラダ、手作りのトコロテンも並んだ。八重桜が咲く芝生の広場に移り、お待ちかねの昼食。友人に誘われ大船渡市から参加した公務員、川原和也さん(26)は「どの料理も自然の味そのまま。しかも、こんな桜の下で味わえるなんて、最高」と舌鼓を打った。

 

市内外から参加した若者らも心づくしの郷土料理を満喫

市内外から参加した若者らも心づくしの郷土料理を満喫

 

 同研究会が青ノ木の八重桜が開花する時期に食事会を行うようになったのは、震災後。不自由な避難所生活を送る被災者を招き、餅つきをしたのが始まりだった。苦しい時期に希望の光となった餅つき交流は形を変え、研究会の恒例行事として定着した。 

 

 釜石・大槌地区の農漁家の女性たちが中心となって結成された研究会は今年で13年目。当初から活動する佐々木カヨさん(65)は「ヨモギの天ぷら、おいしいよ」と参加者にすすめた。前川会長(65)は「今年も八重桜の満開と重なり、とても良かった。未来を担う子どもたちと一緒に昔の食べ物を味わい、郷土料理を伝承していきたい。海と山のおかあさんたちと手を携え、頑張っていく」と意欲を示した。

 

(復興釜石新聞 2017年5月24日発行 第590号より)

 

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釜石はしのうえ朝市

釜石はしのうえ朝市

釜石はしのうえ朝市

 

昨年開催して大盛況だった「釜石はしのうえ朝市」が今年も行われます。早起きして、大渡橋へお出かけしましょう。

 

日時

平成29年6月11日(日)6時~9時

内容

マイ茶碗を持参された方・先着400名様にごはんを無料で提供いたします。出店者が用意するおかずをのっけて「釜石のっけ丼」を作ってみませんか?その他、地元の農水産物や加工品料理なども並びます。

注意事項

会場には駐車場がございません。公共交通機関をご利用いただくか、市営駐車場をご利用ください。橋の上での停車、車の乗り降りはご遠慮ください。

主催およびお問い合わせ先

主催: 釜石はしのうえ朝市実行委員会
お問い合わせ先: 釜石市商業観光課観光おもてなし係

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 商業観光課 観光おもてなし係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8421 / Fax 0193-22-2762 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/tanoshimu/kanko/matsuri_event/detail/1210140_2438.html
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坂本さん(左端)が寄贈した装いで横断幕を掲げる「釜石B・F・C」の児童と関係者

少年消防クラブに装備品〜「子どもは宝」寄贈の坂本さん

 坂本さん(左端)が寄贈した装いで横断幕を掲げる「釜石B・F・C」の児童と関係者

坂本さん(左端)が寄贈した装いで横断幕を掲げる「釜石B・F・C」の児童と関係者

 

 4月に発足した釜石市少年消防クラブ(会長=番田健児釜石消防署長、6校)に17日、市消防団本部分団長・本部長の坂本晃さん(63)=大只越町=から装備品が贈られた。市役所で行われた贈呈式には野田武則市長ら防災関係者が立ち会い、4小学校の児童代表にクラブ旗などを贈呈。児童らは防災意識を高めることを誓った。

 

 贈呈式には釜石小ぼうさい安全少年団の金野怜佳さん、双葉小防災クラブの佐々木駿君、甲子小少年少女防災クラブの千代川陽琉さん、鵜住居小ぼうさい少年団の大丸碧仁君の各リーダーのほか、クラブ代表者の各校長も出席した。

 

 坂本さんは児童にクラブ旗、横断幕、はんてんと帽子20組を贈った。横断幕は横3メートル、縦80センチ。同クラブの英語表記と呼称は「釜石・ボーイズ&ガールズ・ファイア・クラブ」とし、全国統一の頭文字はB・F・Cとなる。

 

 野田市長は「さまざまな災害に敏感になり、自分なりに考えてほしい。活動を学校や地域に示し、市民全体の防災意識が高まるよう期待する」と激励した。釜石大槌地区行政事務組合消防本部の菊地秀明消防長、市消防団の山崎長栄団長も期待を寄せるとともに、番田会長は「自分や地域を災害から守る意識を高めてほしい」とエールを送った。

 

 大丸君は「(火災になるような)危険な行動をしないよう積極的に呼び掛ける」、金野さんは「震災で分かったことを大事にして防災に取り組む」、佐々木君は「震災の教訓を生かす」、千代川さんは「震災の体験を風化させない」と、それぞれ決意を表明した。

 

 装備品を贈った坂本さんは消防団員歴44年余。東部中心街の防災を担う第1分団第3部部長、同分団長を経て2年前から現職。経営する坂本電気は市の消防団協力事業所の表示証を受け、社員4人が団員として活動する。

 

 坂本さんは「多くの火災や災害に向き合ったが、震災には心が折れそうになった。子どもは地域の宝。自分にも3人の孫がいる。子どもたち自身が災害から身を守り、釜石を守る心が育ってほしい」と期待した。

 

 これら寄贈品は事務局の釜石消防署が管理し、同クラブの活動に提供する。 

 

(復興釜石新聞 2017年5月20日発行 第589号より)

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式典には漁師らも祝いの大漁旗を掲げて新しい魚市場に駆け付けた

「魚のまち」再興へ〜釜石魚市場 新施設完成、新浜町と2場体制で

供用が始まった釜石魚市場

供用が始まった釜石魚市場

 

 東日本大震災の津波で被災し、釜石市が新築復旧を進めてきた釜石魚市場の魚河岸地区荷さばき施設が完成し、16日、現地で供用開始式典が行われた。鳥獣の侵入を防ぎ、殺菌冷海水や排ガスの出ない運搬車を導入するなど衛生管理機能を高めた新市場の稼働により、魚市場機能が本格的に回復し、産地魚市場としての機能も強化。2013年4月に再開した新浜町地区の施設と併せて「魚のまち釜石」の復興加速に期待がかかる。

 

 魚河岸地区の施設は鉄骨造り2階建て、延べ床面積約6500平方メートル。建物幅約165メートル、奥行き約35メートルと旧市場と同規模で整備。鳥獣などが入らないようシャッターで囲われた閉鎖型の構造を採用した。排ガスが出ないバッテリー式フォークリフトや殺菌冷海水の供給設備を導入し、衛生管理を徹底。陸揚げから選別・計量、陳列・販売(入札)、出荷に至る区画を直線的に配して作業を効率化し、魚介類の鮮度を保つよう工夫した。

 

 整備事業費は約36億7500万円。水産庁の水産基盤整備事業費、復興特別交付税を活用し、市の負担は約5千万円。管理運営は釜石市漁業協同組合連合会が担う。

 

 釜石魚市場の年間水揚げ額は、最盛期の1980年代に100億円を超えていたが年々減少。魚のまちを復活させるため魚河岸地区と2場体制にしようと、震災前から新浜町地区に大型漁船の水揚げ拠点として荷さばき施設の整備を進めていた。完成間近だったが、震災の津波で両施設とも被災。比較的被害が少なかった市漁連が運営する第2魚市場を11年8月に再開、代替えとして活用しながら、新浜町地区の魚市場も再開させた。

 

式典には漁師らも祝いの大漁旗を掲げて新しい魚市場に駆け付けた

式典には漁師らも祝いの大漁旗を掲げて新しい魚市場に駆け付けた

 

 魚河岸魚市場は2015年2月に着工し、今年3月に完成した。これにより2場体制が復活。魚河岸地区は定置網を中心とした地元漁船、水深の深い新浜町地区ではサンマ船など大型船の水揚げに対応し、機能を分担する。

 

 震災前の旧市場の水揚げは30億円程度で推移していたが、震災のあった11年には14億円台まで落ち込んだ。その後も低調に推移し、昨年は約17億円と伸び悩んでいる。市は市場周辺に水産加工など4事業者を誘致し、水産業の復興を推進。海産物を食べたり買ったりできる、にぎわい創出施設の整備計画もあり、当面の目標は「年間水揚げ量2万トン、水揚げ額36億円」としている。

 

関係者がテープカットで祝う

関係者がテープカットで祝う

 

 式典には関係者ら約100人が出席し、テープカットして完成を祝った。野田武則市長が「2場体制で水産業の本格復興を図りたい」とあいさつ。市漁連の小川原泉会長は「震災から6年が経過する中、この日を迎えることができ、喜びに堪えない。生産者、連合会一丸となって水揚げ増加に取り組み、新鮮で安心安全な魚介類を消費者に届けていきたい」と力を込めた。

 

(復興釜石新聞 2017年5月20日発行 第589号より)

 

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しっとりと雨に濡れ開花を待ちわびる八重桜の枝

八重桜咲き始め、橋野鉄鉱山でまつり〜地域の魅力発信、餅まきで

しっとりと雨に濡れ開花を待ちわびる八重桜の枝

しっとりと雨に濡れ開花を待ちわびる八重桜の枝

 

 釜石市橋野町青ノ木の春を彩る「橋野鉄鉱山八重桜まつり」は14日、橋野鉄鉱山インフォメーションセンター周辺で開かれた。同所が誇る八重桜並木は花が咲き始めたばかりで、この日はあいにくの雨模様。満開の花を見ることはできなかったが、高炉場跡の見学や餅まき、豚汁のお振る舞いで来場者を迎え、世界遺産を盛り上げる地元住民の心意気を示した。

 

 同まつりは、橋野町振興協議会(和田松男会長)、栗橋地区まちづくり会議(遠野健一議長)が共催する「はしの四季まつり」の一つ。橋野鉄鉱山の世界遺産登録後は2回目の開催で、主催者が運行する無料貸し切りバスやマイカーなどで、多くの人たちが足を運んだ。

 

 高炉場跡の見学は、釜石観光ボランティアガイド会(三浦達夫会長)の協力を得て、約1時間のガイドツアーを実施。地元在住のガイドらが見学者を案内し、当時の操業の様子などを分かりやすく解説した。

 

 恒例の餅まきは1500個の餅を用意。一部に産直施設「橋野どんぐり広場」で利用できる商品券を入れ、誘客につなげた。豚汁は300食分を地元の女性たちが手作り。地場の野菜、山菜が入った豚汁は毎年来場者から好評で、肌寒かったこの日は特にもうれしい一杯となった。

 

餅まきを楽しみ季節外れの寒さを吹き飛ばす来場者

餅まきを楽しみ季節外れの寒さを吹き飛ばす来場者

 

 青ノ木地区は、大型連休期間中は好天に恵まれたが、その後の1週間は気温が低めに推移し、八重桜の開花も足踏み状態。祭り当日は前日からの雨が降り続き、日中の気温も9度ほどで、花びらがしっかり開いた花は少なかった。

 

 天神町仮設団地に暮らす高橋啓子さん(67)は「八重桜の花を楽しみにして来たが残念。今度、花が咲いている時に来てみたい」と次の機会に期待。釜石市ウォーキング協会が企画した青ノ木周辺を歩く例会に参加し、同まつりも楽しんだ盛岡市ウォーキング協会の川守睦子さん(64)は、昨年訪れた仲間から評判を聞いて来釜。「山あいを歩くのが好き。雨は残念だけど、おいしい豚汁や餅をいただき、とてもいい日でした。来年もぜひ」と再来を願った。

 

 釜石観光ボランティアガイド会会員の菅原真子さん(50)は自身の勉強も兼ねて、ガイドツアーに参加。「橋野在住のガイド三浦勉さんは、難しくなりがちな鉄の話に当時の生活の様子を織り交ぜるなど、親しみやすい説明が聞いてて楽しい。参考にしたい」と今後の活動への意欲を高めた。

 

 「尾崎半島の山林火災の鎮圧につながり、八重桜も長く楽しめる恵みの雨と捉えたい。天候が回復すれば花も咲きそろうと思うので、また見に来てほしい」と和田会長。一昨年4月、世界遺産登録を祈念し新たに植えた八重桜140本も花をつけ始めており、年を増すごとに立派に育っていくのを心待ちにした。

 

 また、夏のラベンダーまつり復活に向け、一昨年夏、スケート場跡地に植えた300株のラベンダーも順調に生育中。和田会長は「四季折々のイベントを通じ、地域の魅力発信に努めたい。栗橋地区には多くの史跡や大自然の景観があるので、もっとPRしていければ」と思いを新たにした。

 

(復興釜石新聞 2017年5月17日発行 第588号より)

 

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釜石SWが帝京大ゴールまで迫ったのは前後半合わせても数度に終わる=盛岡市・いわぎんスタジアム

釜石シーウェイブス 帝京(大学王者)に完敗、IBC杯ラグビー〜小村HC、多難な船出

釜石SWが帝京大ゴールまで迫ったのは前後半合わせても数度に終わる=盛岡市・いわぎんスタジアム

釜石SWが帝京大ゴールまで迫ったのは前後半合わせても数度に終わる=盛岡市・いわぎんスタジアム

 

 県ラグビー90周年記念、第52回IBC杯招待試合は14日、盛岡市のいわぎんスタジアムで行われ、釜石シーウェイブス(SW)RFCは帝京大に0―52と大敗した。大学選手権8連覇中の”絶対王者”を前半は1トライに抑えたものの、後半はディフェンスが崩れ一方的に7トライを浴びた。新しいシーズンに向けた調整ぶりを占うIBC杯ラグビーで釜石が完封を喫したのは新日鉄釜石時代を含めて初めて。

 

 「タックルミスが多く、これではトップチャレンジ(TC)リーグで通用しない。基本的な部分をもう少ししっかりやらないと…」

 

 新設のTCリーグを勝ち抜きトップリーグ昇格を目指す小村淳・新ヘッドコーチ(HC)にとっては多難の船出となった。

 

 風上に立った前半はキックで敵陣に攻め込みゴールまで迫る場面があったものの、後半はスピード感あふれる帝京大アタックの防戦に追われた。複数の主力がけがや体調不良で欠場するなどの準備不足も大敗に影響した。

 

 「相手キックのチェイス(追跡)を怠り、点差を広げられた。もっとハードワークしないと」と小村HCは厳しく指摘。一方で、「限られたメンバーの中でスクラムは健闘したのではないか」と収穫も挙げた。

 

 チーム最年長、46歳になっても現役を続行する伊藤剛臣は「7年ぶり」というナンバー8のポジションで奮闘。FW最後列から「最後まであきらめるなよ」とメンバーに声を掛け、先頭に立ってボールを追い続けた。

 

 神戸製鋼で伊藤とチームメートだった小村HCは「若い連中は、もっと見習わないと」と苦言。「歴史あるチームにやって来て、ファンの声援の熱気を感じた。大味なゲームになってしまい申し訳ない」とチームの改革へ向け意を新たにした。

 

■釜石SW出場メンバー
①高橋拓也②吉田竜二③水本裕也④畠山克己⑤佐々木陽丞⑥佐々木拓磨⑦木村優太⑧伊藤剛臣⑨南篤志⑩中村良真⑪菅原祐輝⑫森山裕樹⑬村田オスカロイド⑭関東申峻⑮村井佑太朗【交代】權正赫(森山)ロコツイ・シュウペリ(関東)マヘ・トゥビ(吉田)伊藤大輝(佐々木拓)井上益基也(村井)小野航大(村田)佐々木和樹(水本)井越慎介(佐々木陽)前川紘(南)

 

(復興釜石新聞 2017年5月17日発行 第588号より)

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設定した研究テーマの予備実験をする生徒

科学技術系人材育成を目標に、釜石高さらに5カ年〜スーパーサイエンスハイスクールに再び指定

地域課題について理解を深める講演会

地域課題について理解を深める講演会

 

 2012年度から5カ年にわたり文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)校に指定されていた県立釜石高校(佐藤一也校長、生徒510人)が本年度から再び、21年度まで5カ年の指定を受けた。2期目の目標も変わらず科学技術系人材の育成に据えているが、前年度まで5カ年にわたる活動の成果を踏まえ課題研究に取り組む対象を理数科3年生だけでなく学校全体に広げ、さらなる発展を目指す。11日には、1年生が探究活動を行うための準備として、研究課題を見つけるきっかけにしてもらう地域課題講演会を開催。2、3年生は探究活動チーム(ゼミ)に分かれ、研究テーマの設定や本格的な活動を始める準備などに取り組んだ。

 

 SSHは、将来の国際的な科学技術系人材を育成することを目指し、理数系教育に重点を置いた研究開発を行うべく、文部科学省が2002年度から実施している事業。指定期間は5年間で、現在は全国で約200の中・高校が指定されている。17年度に新規指定を受けたのは全国で約70校。県内では釜石高のほか、水沢高も指定を受けた。

 

 釜石高では、1期目は「三陸地域の科学教育中核拠点として、グローバルな視点から被災地の復興と持続的発展に寄与する科学技術人材の育成」を研究開発課題とし、理数科3年生を対象に課題研究、海外研修などに取り組み、文科省から評価を得た。

 

 同校では1期目の活動の中で、「表現力やプレゼンテーション力、論理的思考力、国際性、自分たちで取り組む姿勢」などSSHが生徒に及ぼす好影響を強く感じていたといい、2期目はこれをさらに発展させ、学校全体で取り組むことにし、「学年間連携による協働的ゼミ活動を中心とした科学技術人材育成のカリキュラム開発」との課題を設定した。探究の時間を木曜日の6・7校時とし、学年を縦割りにしてゼミを編成。一つのゼミは、生徒4人程度で編成された2~4の研究グルーブで構成される。グループは学年ごとにつくるが、上級生が研究の進め方といった手本を見せ、ノウハウを伝えることで下級生がイメージをつかみやすくし、それぞれの研究の質も高める態勢をつくった。

 

 海外の先端科学技術に触れ見識を深める研修は2年生を対象に実施予定。研修先をアジア圏にし、より多くの生徒を派遣できるようにする。

 

対象を全校に広げ、ゼミ形式で深化図る

 

 SSHは生徒への好影響がある半面、文科省への報告書作成や研究活動の準備など教諭への負担は大きいという。新年度からの継続指定については、「大学入試に向けた基礎力を付ける方がいいのでは」という声もあったが、生徒同士が学び合うことの教育効果に期待し、昨年6月に職員会議で意思統一を図った。

 

 同校SSH推進室の吉田英男教諭は「部活動のような形にすることで、答えがないものにチャレンジし、協力して解決していこうという気持ちを上級生から下級生につなげてほしい。伝統をつなげることが持続可能な取り組みになる」と期待する。

 

設定した研究テーマの予備実験をする生徒

設定した研究テーマの予備実験をする生徒

 

 地域課題講演会には1年生160人、ゼミ活動の2、3年生約20人が参加。使用した廃油を回収、精製してバイオディーゼル燃料として利用し、エネルギー循環型まちづくりにつなげる活動などを展開する一般社団法人ユナイテッドグリーンの山田周生代表を講師に、自然環境やエネルギーの自給自足などについて理解を深めた。

 

 2、3年生は8教科に分かれてゼミ活動を行った。理科・生物班の女子生徒4人のグループは「走った後、瞳孔がどれくらい開くか」をテーマに設定。音楽のゼミでは幼稚園を訪問する予定を組み、「年齢によるリズムの差」「音楽と記憶力」といったテーマで研究するための小道具づくりに取り組んだ。「ミルククラウンを牛乳以外でも作れるか」「腹持ちのいい食べ物」などをテーマにしたグループもあった。

 

 吉田教諭は「何事も研究する心を持ってほしい。課題解決に向けたプロセスが、人生で答えのない問題にぶつかったときに乗り越える力になれば」と生徒たちを見守った。

 

(復興釜石新聞 2017年5月13日発行 第587号より)

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