祭りを盛り上げたジャグリングパフォーマンス
釜石市大平町の釜石大観音仲見世通りで10日、「第1回えんむすびまつり」が開かれた。縁結びの隠れスポットが点在するとされ、「恋人の聖地」にも選定された大観音にあやかり、さまざまな出会いの場を提供しようと、釜石大観音仲見世リノベーションプロジェクト(宮崎達也代表、10人)が主催。”縁”をテーマにした多彩な企画で来場者を楽しませた。
同プロジェクトは、より良い釜石実現を目指した「釜石○○(まるまる)会議」から生まれた市民グループで、空き店舗が目立つ同仲見世通りを再生させ、にぎわいや交流の場を創出する活動を行う。今回は、昨年8月の流しそうめん祭り、10月のハロウィーンイベントに続く第3弾のイベントとなった。
山門前に並んだ飲食ブースでは、イカぽっぽ焼きや生ビールを販売。地元のキッチンカーや販売店は祭りを記念したメニューを提供し、縁結びにちなんだ5円玉付きの新米塩(えん)むすび、ハート型パンなどで幸運を呼び込んだ。
大観音の縁結びスポットを巡るガイドツアーでは照井良知総務部長が、仏舎利塔の地下に安置されている縁結びの神「愛染明王」など、5つのポイントを紹介。観音像入り口にある「伝説のロープ」は、東日本大震災の津波に耐えた船の係留ロープと同素材で作られ”切れない縁”を象徴、今月4日にお披露目されたばかりの「恋人の聖地」モニュメントの”幸せの鐘”は願いがかなうとされ、参加者は写真を撮りながら楽しんだ。
釜石湾の絶景に映える「恋人の聖地」モニュメントを見学するツアー参加者。新たに生まれた”縁結び”スポットは、さっそく拝観者の注目を集めている
初めて釜石を訪れた東京都の森本夏実さん(35)は「思った以上にいろいろな観音様があり、展望台からの景色もきれい。ご利益があればいいですね」とツアーを満喫。照井部長は縁結びツアーの企画に「魅力あるスポットを知ってもらう良い機会。若者特有の情報発信に期待したい。恋人の聖地を生かし、(震災後の2012年に行ったような)市民結婚式にも取り組めれば」と話した。
祭りではこのほか、弾き語りやジャグリング、クイズ大会、フォークダンスなども行われた。
「昨年からのイベントで仲見世に目を向けてもらう機会が増えた」と宮崎代表。プロジェクトでは通りの景観改善にも取り組み、空き店舗を活用した織物工房の内装リノベーションなども手がける。今後はリノベーション勉強会も開きたいとし、関係者と連携した仲見世再生に意欲を見せた。
(復興釜石新聞 2016年9月14日発行 第520号より)
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