「恋人の聖地」選定記念、釜石大観音にモニュメント〜”幸せの鐘”とカモメをデザイン、新たな観光スポットに期待


2016/09/12
復興釜石新聞アーカイブ #観光

「恋人の聖地」モニュメントの完成を喜ぶ藤原綾子さん(右から2人目)ら式の出席者

「恋人の聖地」モニュメントの完成を喜ぶ藤原綾子さん(右から2人目)ら式の出席者

 

 プロポーズにふさわしいロマンチックな場所として今年4月、「恋人の聖地」に選定された釜石市大平町の釜石大観音に、記念のモニュメントが設置された。大きなハートに2羽のカモメが寄り添い、願いをかなえる〝幸せの鐘〟を配したデザイン。4日、市民ら約130人が出席して除幕式が行われ、釜石らしい新たな観光スポットの誕生を華やかに祝った。

 

 「恋人の聖地」の選定は、全国の観光地に新たな魅力を創出し地域活性化や少子化対策につなげようと、NPO法人地域活性化支援センター(静岡市)が2006年から実施。釜石大観音は慈愛の観音像として長年親しまれ、震災後の2012年に被災したカップルら6組の市民結婚式の会場となったことなどが評価され、全国140カ所の聖地の一つに選ばれた。

 

 モニュメントは、大観音を運営する宗教法人石応禅寺の都築利昭住職らによる法要後、関係者の除幕で、お披露目された。都築住職は「恋愛成就のデートスポット、婚活イベントや市民結婚式の会場に利用していただき、思い出の場所として記念日に訪れてもらえる施設を目指したい」とあいさつ。野田武則市長は「モニュメントの前で多くの方々が新しい人生をスタートさせ、観音様の愛に育まれ幸せに暮らせることを祈る」と祝辞を述べた。

 

除幕式には、2012年に行われた大観音での市民結婚式で結婚した夫婦らも参加。愛の絆を確かめ合う場所の誕生を祝った

除幕式には、2012年に行われた大観音での市民結婚式で結婚した夫婦らも参加。愛の絆を確かめ合う場所の誕生を祝った

 

 モデルカップルとして鐘の鳴らし初めを行った釜石出身の久保優太さん(18)、砂金珠里さん(18)は、「恋人の聖地」選定委員の桂由美さん(ブライダルファッションデザイナー)がデザインした宝船のあしらわれた祝い着姿で登場。「モニュメントは釜石をアピールできる良い素材。訪れる人の思い出になれば」と期待を込めた。

 

 同法人が観音像の足元の展望台に設置したモニュメントは高さ2メートル70センチ。御影石の台座にステンレス製のハート型オブジェを配置し、恋人に見立てた2羽のカモメが背景の釜石湾に映えるシンプルでモダンなデザイン。台座には桂由美さんの名前が入った銘板が飾られた。市民結婚式を行う際には祭壇の背景にも活用できる。市内の元持、仲野石材店が施工した。

 

 デザインを担当したのは、震災直後から「釜石サポートプロジェクト」を立ち上げ、市民結婚式の実現にも尽力した「釜石応援ふるさと大使」の藤原綾子さん(東前町出身、ユミカツラインターナショナルアクセサリーデザイナー)。釜石湾、観音像のどちらを背景にしても美しい記念写真が撮れるよう設置場所にもこだわった。「天気がいい時はハート部分がきれいに反射し、まるで白いカモメが飛んでいるよう。何度でも足を運んでほしい」と藤原さん。「市民で祝う結婚式をここでできれば、市内の関連業者にも波及効果が生まれ市全体が活気づく。魅力あるロケーションをもっとPRし、年末年始以外にも市民に訪れてもらえる機会が増えれば」と願った。

 

 藤原さんはこの日、釜石大観音の「恋人の聖地」グッズとして企画されたHELLO KITTYの”ご当地キティ”商品(クリアファイル、アクリルキーホルダー、ハンドタオル)のデザインも発表した。商品の売り上げの一部は釜石の復興支援に役立てられるもので、11月半ばに販売開始予定。

 

(復興釜石新聞 2016年9月7日発行 第518号より)

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釜石大観音 公式サイト
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