釜石出身の石川選手(前列左から3人目)ら大会入賞者

根浜で”泳ぐマラソン” オープンウォタースイミング〜国体本番へリハーサル大会

国体OWS会場となる根浜の海上で競技に挑む男子の選手ら

国体OWS会場となる根浜の海上で競技に挑む男子の選手ら

 

 希望郷いわて国体(第71回国民体育大会)でオープンウォータースイミング(OWS)競技が行われる釜石市。9月6日の競技本番に向けたリハーサル大会「釜石OWS大会」が10日、鵜住居町根浜海岸の特設会場で開かれた。同国体釜石市実行委(会長=野田武則市長)が主催。水泳連盟関係者らと国体の競技運営をシミュレーションし、本番への課題を確認した。

 

代表内定の石川選手(釜石出身)も出場

 

 OWSは本国体から正式競技として初めて採用される。海など自然の水域で長距離を泳ぎ順位を競う同競技は、持久力に加え潮流や風向を考慮したレース展開、駆け引きなどが求められ、「泳ぐマラソン」とも言われる。国体では5キロ競技が行われる。

 

スタート地点に向かう選手を送り出す競技開始前の大会会場

スタート地点に向かう選手を送り出す競技開始前の大会会場

 

 リハ大会には東北4県の水泳連盟が推薦した選手、男女各4人がエントリー。オープン参加の3人、日本水泳連盟のテストスイマー7人を加え、男女別に9人でレースを行った。本県の男子は一関広域消防本部の菅原和也選手(27)と盛岡南高3年の桑添陸選手(17)=オープン参加=が出場。今大会が県代表を決める選考レースとなった。女子は代表に内定した釜石市出身で至学館大(愛知県)4年の石川舞花選手(21)が出場した。テストスイマーには世界で戦う選手も。女子は今年のリオデジャネイロ五輪日本代表の貴田裕美選手(31)=群馬県、KONAMI=も出場した。

 

 競技は4地点のブイを角とする1周995メートルのコースを5周回し、残り25メートルを進んでゴールゲートをタッチする。男子トップの青木陽佑選手(新潟医療福祉大職員)は1時間01分27秒、女子トップの貴田選手は1時間02分37秒でゴールした。

 

 貴田選手は「ある程度の波があり、泳ぎやすかった。国体採用を機にOWS競技を多くの人たちに知ってもらえれば」と期待。前回のロンドン大会に続き2回目の五輪出場に「前回よりも良い成績を残し、国内の競技人口拡大につなげたい。東京五輪に向け、若手選手にどんどん競技を盛り上げてほしい」と願った。

 

釜石出身の石川選手(前列左から3人目)ら大会入賞者

釜石出身の石川選手(前列左から3人目)ら大会入賞者

 

 エントリー選手4人で競った優勝を手にした女子の石川選手は「最初出遅れたが、終盤で前の選手が見えてきて、ラスト2周で少しテンポを上げ抜くことができた。総合で4位も良いほう」と手応えを実感。OWSは釜石での国体開催が決まってから挑戦を決意し、昨年から本格的に練習を始めたという。地元での国体に「震災もあり開催できるとは思っていなかったので、すごくうれしい。釜石の人たちに元気を与えられるよう、少しでも上位に入ってみんなを喜ばせたい」と健闘を誓った。

 

入賞者は次の通り。
【男子】
①木村雅人(宮城県水連)1時間03分27秒
②菅原和也(岩手県同)1時間03分32秒
③和田玄太郎(福島県同)1時間03分38秒
【女子】
①石川舞花(岩手県同)1時間07分04秒
②鈴木冬乃(福島県同)1時間08分17秒
③高橋美香(宮城県同)1時間09分07秒 

 

(復興釜石新聞 2016年7月13日発行 第503号より)

 

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復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

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終盤のピンチ。内野陣が岩間投手に駆け寄り、肩をほぐして緊張をやわらげる

夏の高校野球県大会、釜石 春夏甲子園ならず〜2回戦 延長13回、激闘実らず 一関学院に1-2

終盤のピンチ。内野陣が岩間投手に駆け寄り、肩をほぐして緊張をやわらげる

終盤のピンチ。内野陣が岩間投手に駆け寄り、肩をほぐして緊張をやわらげる=11日、盛岡市の県営球場

 

 第98回全国高校野球選手権岩手大会は8日から盛岡市の県営球場などで行われ、春、夏連続の甲子園出場を目指す釜石は2回戦で第1シードの一関学院に1-2で敗れ、連続出場はならなかった。惜しくも敗れはしたものの、春の県大会の覇者を相手に延長十三回までもつれ込む激闘を演じた。甲子園1勝の立役者となった岩間大(3年)が153球を熱投。バックも最後まで集中力を切らさず、堅い守りでエースを盛り立てた。文武両道、理想の高校野球を体現した釜石はファンに強烈な記憶を残し、短い”夏”を終えた。春の県大会でベスト8まで進み、シード校として夏に臨んだ釜石商工は2回戦で一関一に1-3で逆転負け。甲子園出場の夢は初戦で散った。

 

理想の高校野球を体現 さわやか、球史に記憶残す

 

◇2回戦(11日/県営)
一関学院
0000100000001 2
0001000000000 1
釜石
(延長十三回)

 

(一)大竹―斎藤
(釜)岩間―大尻
▽本塁打 大竹(一)
▽三塁打 千葉愛(一)新沼(釜)
▽二塁打 小椋(一)

 

 釜石は四回、大尻(2年)の左越え本塁打で1点を先制したが、五回に岩間(3年)が本塁打を浴び同点とされる。その後は双方が譲らず、延長にもつれ込んだ十三回、一関学院が1死満塁から中犠飛で勝ち越し、そのまま逃げ切った。

 

 釜石は九回、新沼(2年)が右中間を破り、守備の乱れを突いて本塁を狙うもタッチアウト。十回、十三回にも出塁したが、あと1本が出なかった。

 

 2時間48分に及ぶ激闘。153球を投げ抜いたエース岩間を、佐々木偉彦監督は「ワクワクするような試合にしてくれた。最後まで彼らしいピッチングだった」とたたえた。エースの熱投を堅守で盛り立てたナインについては、「本当に下手くそだが、気持ちの強い子どもたち。個性にあふれた彼らが最後にその気持ちを見せてくれた」。そう言うと、監督も涙をこらえることができなかった。

 

 春夏甲子園出場に向け、早くも2戦目で当たった第1シードの壁。九回には新沼が右中間を深々と破り、ランニング本塁打であわやサヨナラ勝ちかと興奮させる場面もあった。佐々木監督は「普通に勝って、もう一度甲子園に行こう」と選手を送り出した。ナインもこれに応え、最後まで落ち着いてプレー。相手を上回る10安打を放ち成長を示したが、夢の再現はかなわなかった。

 

熱投岩間 153球投げ抜く

 

 不動のエース岩間大が夏の大一番で、センバツ1勝の熱投を体現して見せた。帽子に書いた「強気」の文字を見ては気持ちを奮い立たせ、強力打線に立ち向かった。

 

 先頭打者を三振に打ち取ると波に乗った。伸びのある直球を内外角に投げ分け、スライダー、チェンジアップでタイミングを外す絶妙の投球術で第1シードを苦しめた。延長に入るあたりから肩が張り、足もつりそうになったが、こらえて延長十三回を投げ抜いた。

 

延長十三回、153球を投げ抜いた岩間大投手

延長十三回、153球を投げ抜いた岩間大投手。センバツ1勝の快投を再現した

 

 選抜大会から帰った後は疲労で投げられない時期が続き、春の大会ではエースナンバーを譲りベンチから戦況を見守った。夏の初戦ではスタミナ不足も懸念されたが、その不安も吹き飛ばす激投。先制本塁打で岩間を助けた大尻悠矢捕手は「直球のスピードはセンバツを前にした昨年秋より増していた」と目を丸くする。

 

 強気の配球も岩間がリード。最後は「自分の弱さが負けにつながった」と声を詰まらせたが、2年の大尻は「岩間さんに厳しく、こうしろと言われて目が覚めた。強気の攻めを引き継いでいく」と誓う。

 

 打っては3安打の大活躍。延長十三回には右前打で出塁。意地で同点の好機をつくったが、あと1本が出なかった。

 

 父母会長を務める父、金田茂さん(48)は「小学校から続けてきた野球の集大成。肘の痛みも口にせず、最後まで意地と覚悟で投げ抜いた。敗れはしたが悔いはない。よくやってくれた」と息子の粘投をねぎらった。

 

(復興釜石新聞 2016年7月13日発行 第503号より)

 

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チームスマイルpresents “わたしの夢”応援プロジェクトvol.5 「布袋寅泰、釜石で“夢”を語る。」@シープラザ釜石

チームスマイルpresents “わたしの夢”応援プロジェクトvol.5 「布袋寅泰、釜石で“夢”を語る。」@シープラザ釜石

チームスマイルpresents “わたしの夢”応援プロジェクトvol.5 「布袋寅泰、釜石で“夢”を語る。」@シープラザ釜石

 

一般社団法人チームスマイルは、東日本大震災の被災地のみなさまの「心の復興」を支援するため、豊洲(東京)、いわき(福島)、釜石(岩手)、仙台(宮城)の4地区に開設したイベントホール「PIT(ピット)」や、PITにとどまらない周辺の会場でのエンタテインメント活動を通じて、若い世代、特に子どもたちの夢や才能を養い、被災地の方々が夢を持って元気に立ち上がれるようなイベントを企画制作・運営しています。

 

このたび、チームスマイルでは、その活動趣旨にご賛同頂いた「東北PIT応援団」のお一人である、ギタリストの布袋寅泰さんのご協力を得て、岩手県釜石市で、布袋さんのトークイベントを実施することになりました。開催日は8/7(日)、布袋寅泰さんの「釜石PIT」での初のライブ公演を当日の夜に控え、リハーサル前の貴重な時間を縫って、東北の若い世代に向けて、熱く“夢”を語ります。

 

つきましては、本イベントの一般観覧ご希望者(50名)を募集します。下記の要項をご覧の上、ふるってご応募ください。お待ちしています!!

 

開催日時

2016年8月7日(日)13時30分~14時30分

会場

シープラザ釜石1F・イベント広場
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町22-1

エントリー方法

入場は無料ですが、事前申込抽選制(限定50名)のイベントです。観覧をご希望の方は、下記アドレスまで、観覧希望のメールをお送りください。

 

■エントリーおよびお問合せ専用メールアドレス

entry87@team-smile.org

 

■エントリー期間
2016年7月16日(土)10時~8月1日(月)17時まで

 

メールには、以下の項目をご記入ください。
1. 代表者(来場者)のお名前
2. お名前のフリガナ
3. 年齢
4. 性別
5. ご来場者数(1組2名まで)
6. お住まい(市区町村のみで結構です⇒例:釜石市)

 

お申し込み多数の場合は、抽選となります。当選された方にのみ、8月2日(火)18時までにメールにてご連絡いたします。落選された方へのご連絡はいたしませんので、ご了承ください。

 

ドメイン指定受信を設定されている場合、メールが正しく届かないことがございます。「@team-smile.org」のドメインを受信できるように設定してください。また、PCメールアドレスをご利用の方は、「迷惑メール」と認識され、メールが届かない場合があります。「迷惑メールフォルダー」等をご確認いただくか、お使いのサービス、ソフトウェアの設定をご確認ください。

 

備考

イベント当日、会場に、ムービー(動画)およびスチール(静止画)の撮影カメラが入ります。撮影された画像は、報道等に使用される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

 

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

タグラグビーでトヨタ自動車の選手らに挑む子どもたち

ラグビー復興支援マッチ、若手主体 前半は善戦 トヨタに7-59 〜 トヨタと釜石SW 力合わせラグビー教室も開催

釜石は敵陣ゴール前のモールを押し込み、フッカー中村彰がトライ

前半35分、釜石は敵陣ゴール前のモールを押し込み、フッカー中村彰がトライ。村井佑太朗のゴールも決まり、7-14と追い上げる=2日、盛岡市・いわぎんスタジアム

 

 釜石シーウェイブス(SW)RFCとトップリーグ(TL)のトヨタ自動車が対戦する復興支援マッチ(トヨタ自動車など主催)は2日、盛岡市のいわぎんスタジアムで行われ、釜石は7-59(前半7-14)で敗れた。若手主体で臨んだ釜石は前半、昨季TL5位のトヨタに果敢に挑戦。2トライを先に奪われたが、35分に敵陣ゴール前のモールを押し込み、フッカー中村彰がトライ。FB村井佑太朗が難しい位置からゴールを決め、7-14で折り返した。しかし後半はタックルが甘くなったところを突かれ、立て続けに7トライを献上。攻めてもノートライに封じられ、完敗に終わった。

 

 春のオープン戦を締めくくる復興支援マッチ。釜石は前週の東芝戦に続き、TL強豪の胸を借りた。

 

復興支援マッチは希望郷いわて国体のPR支援も兼ね、達増拓也知事が野田武則・釜石市長とともに選手を迎える<

復興支援マッチは希望郷いわて国体のPR支援も兼ね、達増拓也知事が野田武則・釜石市長とともに選手を迎える

 

 須田康夫主将ら主力をけがで欠き、新加入の外国人選手がまだ合流していないなど、チームの骨格が整わないまま若手主体で挑んだ。後半は崩れたものの、三浦健博ヘッドコーチ(HC)は「若手主体の先発メンバーで、ある程度やれた」と収穫を挙げる。中でもプロップ高橋拓也、フッカー中村、フランカー木村優太、ダラス・タタナのワークレート(仕事量)の多さを評価した。

 

 前半は鋭いタックルで粘り強く守り、スクラムも安定。簡単にゴールを割らせず、ほぼ互角に渡り合った。35分、得意のモールからトライを決めると、約800人の観客が大いに沸いた。

 

 しかし、メンバーを入れ替えながら戦った後半は、1本のタックルミスをきっかけに崩れる。集中力が途切れると、傷口は一気に広がった。

 

 宮古市出身の2年目、WTBで先発した関東申峻(宮古高―慶大)は果敢なアタックで地元ファンを喜ばせたが、「後半はタックルミスもあった。80分間、集中を継続していかないと、秋(トップイーストリーグ)は厳しい」と反省を口にした。

 

トヨタ、釜石SW 力合わせラグビー教室

 

タグラグビーでトヨタ自動車の選手らに挑む子どもたち

タグラグビーでトヨタ自動車の選手らに挑む子どもたち

 

 復興支援マッチで戦ったトヨタ自動車と釜石シーウェイブスの選手によるラグビー教室が3日、釜石市球技場で開かれた。

 

 釜石や宮古のラグビースクールで活動する子どもたちなど、幼稚園児から中学生まで約100人が県内各地から参加。トヨタから12人、釜石は20人の選手が協力した。

 

 子どもたちは、楕円(だえん)のボールを受け渡すゲームやタグラグビーなどで選手と交流。ゴールキックを競い、ボールが飛ぶと大きな歓声を上げた。

 

 東日本大震災後、トヨタ自動車が被災地で展開する復興支援活動の一環。現役時代はFWのロックで活躍したトヨタ自動車ラグビー部の亀川正広部長(48)は「岩手には工場もあり、ラグビー教室は恩返し活動の一つだが、ウチの選手の方が元気をもらって帰れそうだ」と目を細める。

 

 前日の復興支援マッチでFWのプロップとして先発した高橋洋丞選手(25)は「前半は激しい攻撃を受け、ペースがつかめなかった」と釜石SWの健闘をたたえた。ラグビー教室では小さな子どもたちの人気を集め、「こんなに喜んでもらえて本当にうれしい。釜石はとってもいい所。3年後のラグビーワールドカップもきっと成功するでしょう」とエールを送った。

 

 このほかラグビー部のスタッフやトヨタ自動車の社員ら40人が、鵜住居町の「にこにこ農園」で草取りなどのボランティア活動に取り組んだ。

 

(復興釜石新聞 2016年7月9日発行 第502号より)

復興釜石新聞

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広報かまいし2016年7月15日号(No.1644)

広報かまいし2016年7月15日号(No.1644)

広報かまいし2016年7月15日号(No.1644)

広報かまいし2016年7月15日号(No.1644)

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【目次】
表紙:消防はおらたちに任せろ!
P02:かまいし健康チャレンジポイント事業スタート
P04:市職員を募集します
P05:オープンシティの実現に向けた「つながり人口」との連携、釜石・大槌地域産業育成センター情報便12
P06:7月下旬に国保高齢受給者証などを発送します、国民健康保険税の制度が変わりました、8月1日から医療費助成制度の現物給付を開始します
P07:市内路線バス8月1日ダイヤ改正、介護保険の説明会を開催します
P08:保健案内板
P10:まちの話題
P12:市民のひろば
P13:まちのお知らせ
P16:日赤の活動をお知らせします

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-22-2111 / 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1202740_2596.html
釜石市

釜石市

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命を守る避難訓練検討専門委員会

命を守る避難訓練へ〜検討専門委員会設置、齋藤さん(岩手大名誉教授)危機管理アドバイザーへ

命を守る避難訓練検討専門委員会

地域の実態に即した避難訓練について話し合う専門委員会

 

 釜石市は5日、効果的な津波避難訓練の在り方について話し合おうと、市防災会議に「命を守る避難訓練検討専門委員会」を設置し、市役所で初会合を開いた。市内の自主防災組織や漁協、福祉関係者ら約30人が出席し、委員長に片岸町自主防災会の山﨑長也会長、副委員長には松原町自主防災会の柴田渥事務局長が就任。二度と津波による犠牲者を出さないため、各地域の実態に即した訓練について意見を交わした。 

 

 委員会を前に、地域防災の専門家として岩手大名誉教授の齋藤徳美さん(71)に市防災・危機管理アドバイザーを委嘱した。齋藤さんは地下計測学・地域防災学を専門とし、地震・火山・津波の研究と津波被災地の復興に関する研究に携わっている。鵜住居地区防災センターの津波被災調査委員長として、調査の取りまとめと提言に尽力。市の震災前後の状況を理解しており、今後の実効性、即応性のある防災体制と危機管理体制の対応能力の向上について、専門的立場から指導、助言する。任期は2018年7月4日までの、2年間。

 

防災危機管理アドバイザーに就任した齋藤徳美さん

防災危機管理アドバイザーに就任した齋藤徳美さん(右)

 

 会合では、同委員会アドバイザーも務める齋藤さんが「命を守る避難訓練の必要性」と題して講話。三陸沿岸部での過去の津波被害や対策について話し、「やれるだけのことはやってきたが、いつかまた必ず津波は襲来する。『避難のみが生命を守る』に尽きる。行政職員と住民双方の防災意識、防災力を底上げすることが必要」と訴えた。

 

 市が20日に予定する津波を想定した避難訓練について説明。全市民の参加を目指しているが、消防団関係者からは「団員の多くが仕事を掛け持ちし、平日の訓練では会社を休む必要がある。被災して地域を離れている人もいる。多くの参加を期待するなら休日に行ってほしい」と声が上がった。

 

 福祉関係者は高齢者や障害者など要支援者の避難行動の難しさを指摘。漁協関係者は「海上では震度5の地震も気付かない。小型船へ地震を知らせる防災無線を半島部に数カ所設置してくれると助かる」と要望した。

 

 箱崎町自主防災会の荒屋正明会長は「避難所となる集会所が再建できておらず、避難場所がない。今回の津波が来なかった人は避難する必要がないと考えている人も多い。住民より工事関係者が多いので、そういう人が参加できるようにした方がいいのでは」と提案。尾崎白浜婦人消防協力隊の佐々木淳子隊長は「避難訓練をしてすぐに解散しているが、炊き出し練習や消火訓練も併せて行ってはどうか」とアイデアを出した。

 

 齋藤さんは「従来の発想では多くの犠牲者を出した震災と同じ結果になる。思い切った取り組みが必要。『日本一安全なまち釜石』にするために、市民総出の避難訓練を行い、課題を掘り起こし、議論し、見直し続けることが大切」と助言した。

 

 野田武則市長は「誰一人として被災しない、犠牲にならないまちをつくっていくため、今を生きる人が助かる、次につながる訓練にしたい」と協力を求めた。

 

 委員会は今後も定期的に開き、将来的に避難計画に反映させたい考え。次回は9月を予定し、20日に行う訓練の結果を踏まえて意見を交わす。

 

(復興釜石新聞 2016年7月9日発行 第502号より)

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問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

釜石市津波避難訓練を実施します

市は、「海の日(7月の第3月曜日)」にちなみ津波避難訓練を実施します。

 

「海の日」は、海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う日です。しかし、海は多くの恩恵をもたらす一方、津波や高潮などの災害をもたらす側面もあります。過去の津波災害で大きな被害に見舞われた当市は、その二面性を意識なければなりません。

 

いつかまた必ず来襲する津波に備え、二度と犠牲者を出さないために、市民・企業・団体の皆さんの訓練への協力と参加をお願いします。

 

日時

7月20日(水) 9時~9時40分(予定)

想定内容

7月20日9時に釜石市で震度5強の地震を観測。
9時3分に岩手県沿岸に大津波警報が発表。
当市への津波到達予想時刻は9時33分頃、巨大な津波が予想されると発表された。

訓練内容

1. 9時に、防災行政無線で緊急地震速報の警報音を鳴らします。
2. 落下物などから身を守る行動を取ってください。
3. 沿岸部の人は、地震の揺れがおさまったら、避難の呼び掛けを待たず、直ちに近くの高台か津波避難場所に避難してください。
4. 防災行政無線で数回、大津波警報のサイレンを鳴らし、避難指示を伝達します。
5. いったん、高台や津波避難場所に避難したら、訓練終了の放送があるまで低い所には戻らないでください。
6. 市内陸部の集会施設を管理している町内会などの人は、避難者が来ることを想定して施設の鍵を開けて受け入れ態勢を取ってください。
7. 市は、市長などの不在を想定した災害対策本部の参集・初動対応訓練を行います。

避難場所

津波避難場所の位置は、各地区生活応援センターまたは市ホームページで確認することができます。

 

【津波災害緊急避難場所(津波避難場所)】

 

※平成28年6月に鵜住居町の「長内集会所付近三陸道管理施設敷地(避難階段使用)」を新たに指定し、根浜の「根浜富王姫神社境内」を指定解除しています。

注意事項

1. 避難するときは、車を使わないでください。
2. 訓練中は、緊急地震速報の警報音やサイレンが鳴りますが、実際の災害と間違わないでください。
3. この訓練は、実際の災害と違い、エリアメール・緊急速報メールの配信は行いません。
4. 実際に災害が予想される場合など、状況によっては訓練を中止する場合があります。

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 危機管理監 防災危機管理課
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-22-2221 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/kurasu/bosai_saigai/oshirase/detail/1202404_2223.html
釜石市

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釜石てっぱん映画祭〜プレ上映会

釜石てっぱん映画祭〜プレ上映会

釜石てっぱん映画祭〜プレ上映会

 

来る7月31日(日)、「釜石てっぱん映画祭」では、8月の本祭に先立ってプレ上映会を開催いたします。上映作品は、熊本出身の監督、俳優、スタッフが製作した「うつくしいひと」と、第39回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作「海街diary」の2本。

 

「うつくしいひと」の鑑賞料(300円)収益はすべて熊本の被災地に届けるチャリティー上映会でもあります。本編の上映前には三木真冴さん(シャンティ国際ボランティア会)による熊本現地レポ、行定勲監督と俳優・高良健吾さんのビデオメッセージもあります。

 

日時

2016年7月31日(日) 開場11:00
①11:15-12:15 「うつくしいひと」(鑑賞料300円)
②12:30-14:45 「海街diary」(鑑賞料無料) 日本アカデミー賞最優秀作品賞上映会
③15:00-16:00 「うつくしいひと」(鑑賞料300円)
 
①③では本編上映前に、三木真冴さん(シャンティ国際ボランティア会)による熊本現地レポ、行定勲監督と俳優 高良健吾さんのビデオメッセージ上映あり。

 

会場

チームスマイル・釜石PIT
釜石市大町1-1-10(釜石情報交流センター内)

 

お問い合わせ先

釜石てっぱん映画祭実行委員会(担当:平松)
TEL 080-1823-1571 / Mail kamaishiteppaneigasai@gmail.com

 

主催:釜石てっぱん映画祭実行委員会
共催:釜石シネクラブ、三陸映画上映ネットワーク(一般社団法人コミュニティシネマセンター、みやこ映画生協) 
後援:釜石市、釜石市教育委員会、社会福祉法人釜石市社会福祉協議会、釜石市芸術文化協会、釜石まちづくり株式会社、特定非営利活動法人カリタス釜石
協力:日本アカデミー賞協会、東宝株式会社、三陸みらいシネマパートナーズ、てっぱんかまいし
支援:芸術文化振興基金

 

釜石てっぱん映画祭 公式サイト
釜石てっぱん映画祭 Facebookページ

 

 

 

釜石シネクラブ

釜石シネクラブ

釜石シネクラブは、映画上映などの文化活動を通じて人と人をつなぎ、釜石の映画文化の再生を目指す市民グループです。
問い合わせ:〒026-0022 釜石市大只越町2-4-4 カリタス釜石内 / TEL 0193-27-0903 / FAX 0193-27-8070 / Facebookページ / メール
ほたる娘コンテストでアピールする小佐野小の女子児童

中小川で「ほたるの里まつり」、ホタルの見ごろ今月中旬まで〜水辺の環境保護、継続確認

ほたる娘コンテストでアピールする小佐野小の女子児童

ほたる娘コンテストでアピールする小佐野小の女子児童

 

 ゲンジボタルの生息地で知られる釜石市の甲子川支流、小川川流域の中小川で2日、「ほたるの里まつり」が開かれた。今年で4回目。地元や仮設住宅の住民が歌や踊りを楽しみ、ホタルが生息する、きれいな水辺の環境を守る活動の継続を確認し合った。

 

 会場は中小川集会所前にある甲子町第4仮設団地の駐車場で、紅白の幕で飾った仮設ステージが設けられた。主催する小佐野地域会議の岩切潤議長があいさつ。「市内にはホタルを見ることができるスポットはたくさんあるが、住宅の近くで楽しめるのはここ、小川川が一番だと思う。これから暑くなるが、一緒に歌い、笑って、夏を元気に過ごしましょう」と呼びかけた。

 

 ほたる娘コンテストで幕開け。エントリーした小佐野小の女子児童6人は、「ホタルに名前を付けるとしたら」「ホタルを守るために頑張ること」など審査員の質問に答えて個性をアピール。「誰とホタルを見たいか」との問いに、「いつか恋人と見たい」などと答える子もいて、会場の笑いを誘った。

 

 地元の女性合唱団によるオリジナル曲「蛍の里」、尾崎都さんの歌、舞踊が次々に披露された。飛び入りで踊り出す住民の姿もあり、祭り気分が上昇。小川鹿踊りは華やかに、勇壮に演じられ、会場から大きな拍手が送られた。

 

歌ったり、踊ったり。集まった住民らは一体となって祭りを楽しんだ

歌ったり、踊ったり。集まった住民らは一体となって祭りを楽しんだ

 

 コンテストでは例年、3人がほたる娘に選出されるが、今年は6人全員が選ばれた。出演者への応援など祭りの盛り上げに積極的に取り組んだことが評価。3回目の挑戦で初めてほたる娘になったと大喜びする川端心さん(4年)は「ホタルは光ってきれい。いつまでも光ってほしいから、きれいな川にいるホタルのため、川にごみを捨てない」と意識を高めた。

 

 会場となった仮設団地で暮らす佐々木君子さん(67)は、松原町に整備される県営の災害公営住宅への入居を予定しており、「祭りはやっぱり楽しいね。つられて体が動く。来年は参加できないかもしれない。せっかく知り合いになったから、もう少しみんなと仲良く頑張っていきたい」と話した。

 

 小川川のゲンジボタルは、流域住民の協力で生息環境が守られてきた。今年は6月下旬ごろから発光が見られ、地元住民によると、見ごろは今月中旬までだという。

 

(復興釜石新聞 2016年7月6日発行 第501号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

「明治維新について紹介したい」と意欲を話す大島輝洋さん

鉄の歴史館、展示の充実へ〜大島輝洋さん(高任の玄孫)常勤館長に

「明治維新について紹介したい」と意欲を話す大島輝洋さん

「明治維新について紹介したい」と意欲を話す大島輝洋さん

 

 釜石市は1日、市鉄の歴史館名誉館長、釜石応援ふるさと大使を務めている大島輝洋さん(68)=東京都武蔵野市在住=に、常勤職となる同館館長を併せて委嘱した。期間は来年3月末まで。

 

 市役所で委嘱状交付式が行われ、野田武則市長から委嘱状を受け取った大島さんは「世界遺産登録1周年に合わせ、微力ながらお役に立てれば。歴史館に寄託した資料などをより近いところで守っていくことになる。きちんと整理、管理し、展示の充実を図っていければ」と抱負を述べた。

 

 大島さんは、「日本の近代製鉄業の父」といわれる大島高任の玄孫(やしゃご)。祖父は八幡製鉄所の初代技監を務めた大島道太郎で、父は「戦後日本のオートメーションのリーダー」とされる大島康次郎(東大名誉教授)。大学卒業後、横河電機に入社し、エンジニアとして制御用コンピューター開発に従事。現在は不動産管理会社の代表を務める。2008年からは同大使も務め、昨年5月に同館名誉館長に就任した。

 

 常勤の館長職も兼ねることになり、「条件が整えば釜石への移住もありうるが、焦らず、時間をかけて今まで以上に釜石のみなさんと信頼関係を築きながら仕事をしていきたい」と大島さん。高任に関する資料や遺品などを整理する中で見えてきた明治維新の隠された秘話なども紹介したいと気持ちを新たにしていた。

 

(復興釜石新聞 2016年7月6日発行 第501号より)

 

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地元の誇り「橋野鹿踊り」で世界遺産を盛り上げる保存会のメンバー

橋野で「うみやま郷土芸能」競演、世界遺産登録1周年記念〜文化交流300人が楽しむ

地元の誇り「橋野鹿踊り」で世界遺産を盛り上げる保存会のメンバー

地元の誇り「橋野鹿踊り」で世界遺産を盛り上げる保存会のメンバー

 

 「橋野鉄鉱山」世界遺産登録1周年を記念した「釜石うみやま郷土芸能大競演祭」が2日、釜石市橋野町青ノ木の橋野鉄鉱山インフォメーションセンター付近の特設会場で開かれた。釜石うみやま連携交流推進協議会(柏﨑龍太郎会長)が主催。橋野、鵜住居、箱崎白浜の郷土芸能3団体と釜石での復興支援活動を継続する拓殖大(東京都)が、自慢の演舞、パフォーマンスで登録1周年を華やかに彩り、地域の宝でつなぐ文化交流を約300人が楽しんだ。

 

 郷土芸能は、橋野鹿踊り(橋野鹿踊り・手踊り保存会)、外山鹿踊(外山鹿踊保存会)、白浜虎舞(白浜虎舞好友会)が出演。地域の山間部と海岸部に伝わる勇壮な舞で、観客を魅了した。

 

 世界遺産の地元に伝わる「橋野鹿踊り」は、同鉄鉱山の高炉が稼働したのと同時期の江戸時代末期、現在の遠野市附馬牛町東禅寺から指導者を招き、稽古したのが始まりとされる。5年前の震災以降、保存会の活動は休止状態にあったが、地域に大きな歴史を刻む世界遺産登録を契機と捉え、復活に向け始動。昨夏の地域の祭りで盛大にお披露目し、住民らに希望を与えた。

 

 同競演祭では、伝承する9演目から「館褒め」「小切り」「会鹿」「礼踏み」など一連の舞を披露。子どもから大人まで35人が踊りやお囃子(はやし)で躍動した。

 

 鹿を演ずる伊藤和也さん(31)は「世界遺産が橋野全体を知ってもらうきっかけになれば。鹿踊りも若い世代のメンバーが増えてもっと盛んになっていくことを願う」と期待。保存会の和田松男会長(72)は「昨年の体制整備で太鼓や笛の後継者育成も進み、盤石な形ができつつある。地元として登録1周年を祝うことができて良かった」と喜び、「世界遺産を栗橋から鵜住居地域のまちづくりに生かせれば。知恵を出し合って取り組みたい」と地域の未来を描いた。

 

 拓殖大からは、吹奏楽部とチアリーディング同好会、馬頭琴演奏を行う留学生が出演。若さあふれる演奏やダンス、悠久の音色で復興に向かう釜石を元気づけた。

 

拓大チアリーディング同好会と吹奏楽部

弾ける笑顔と見事なパフォーマンスで祭りの開幕を飾った拓大チアリーディング同好会と吹奏楽部

 

 2013年に設立した同協議会は、鵜住居川流域と箱崎半島における農水産物の付加価値化、郷土芸能による地域活性化、地域間交流などに取り組む。郷土芸能主体のイベントは今回で4回目。昨年と今年は、「橋野鉄鉱山」世界遺産登録の記念行事として開催した。

 

 「他行事が重なるなどし、郷土芸能の出演は当初予定より少なくなってしまったが、拓大の協力で新たな交流、発信の形が生まれた。今後も、芸能を含めた地域資源を体感できるイベントを継続し、復興への足取りを確かなものにしていきたい」と柏﨑会長。来年は、被災した鵜住居小・釜石東中の新校舎が完成することから、祝いのイベント開催にも意欲を見せた。

 

(復興釜石新聞 2016年7月6日発行 第501号より)

平成28年度 釜石うみやま郷土芸能大競演祭 | 縁とらんす

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