国体OWS会場となる根浜の海上で競技に挑む男子の選手ら
希望郷いわて国体(第71回国民体育大会)でオープンウォータースイミング(OWS)競技が行われる釜石市。9月6日の競技本番に向けたリハーサル大会「釜石OWS大会」が10日、鵜住居町根浜海岸の特設会場で開かれた。同国体釜石市実行委(会長=野田武則市長)が主催。水泳連盟関係者らと国体の競技運営をシミュレーションし、本番への課題を確認した。
代表内定の石川選手(釜石出身)も出場
OWSは本国体から正式競技として初めて採用される。海など自然の水域で長距離を泳ぎ順位を競う同競技は、持久力に加え潮流や風向を考慮したレース展開、駆け引きなどが求められ、「泳ぐマラソン」とも言われる。国体では5キロ競技が行われる。
スタート地点に向かう選手を送り出す競技開始前の大会会場
リハ大会には東北4県の水泳連盟が推薦した選手、男女各4人がエントリー。オープン参加の3人、日本水泳連盟のテストスイマー7人を加え、男女別に9人でレースを行った。本県の男子は一関広域消防本部の菅原和也選手(27)と盛岡南高3年の桑添陸選手(17)=オープン参加=が出場。今大会が県代表を決める選考レースとなった。女子は代表に内定した釜石市出身で至学館大(愛知県)4年の石川舞花選手(21)が出場した。テストスイマーには世界で戦う選手も。女子は今年のリオデジャネイロ五輪日本代表の貴田裕美選手(31)=群馬県、KONAMI=も出場した。
競技は4地点のブイを角とする1周995メートルのコースを5周回し、残り25メートルを進んでゴールゲートをタッチする。男子トップの青木陽佑選手(新潟医療福祉大職員)は1時間01分27秒、女子トップの貴田選手は1時間02分37秒でゴールした。
貴田選手は「ある程度の波があり、泳ぎやすかった。国体採用を機にOWS競技を多くの人たちに知ってもらえれば」と期待。前回のロンドン大会に続き2回目の五輪出場に「前回よりも良い成績を残し、国内の競技人口拡大につなげたい。東京五輪に向け、若手選手にどんどん競技を盛り上げてほしい」と願った。
釜石出身の石川選手(前列左から3人目)ら大会入賞者
エントリー選手4人で競った優勝を手にした女子の石川選手は「最初出遅れたが、終盤で前の選手が見えてきて、ラスト2周で少しテンポを上げ抜くことができた。総合で4位も良いほう」と手応えを実感。OWSは釜石での国体開催が決まってから挑戦を決意し、昨年から本格的に練習を始めたという。地元での国体に「震災もあり開催できるとは思っていなかったので、すごくうれしい。釜石の人たちに元気を与えられるよう、少しでも上位に入ってみんなを喜ばせたい」と健闘を誓った。
入賞者は次の通り。
【男子】
①木村雅人(宮城県水連)1時間03分27秒
②菅原和也(岩手県同)1時間03分32秒
③和田玄太郎(福島県同)1時間03分38秒
【女子】
①石川舞花(岩手県同)1時間07分04秒
②鈴木冬乃(福島県同)1時間08分17秒
③高橋美香(宮城県同)1時間09分07秒
(復興釜石新聞 2016年7月13日発行 第503号より)
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