鉄の歴史館、展示の充実へ〜大島輝洋さん(高任の玄孫)常勤館長に
「明治維新について紹介したい」と意欲を話す大島輝洋さん
釜石市は1日、市鉄の歴史館名誉館長、釜石応援ふるさと大使を務めている大島輝洋さん(68)=東京都武蔵野市在住=に、常勤職となる同館館長を併せて委嘱した。期間は来年3月末まで。
市役所で委嘱状交付式が行われ、野田武則市長から委嘱状を受け取った大島さんは「世界遺産登録1周年に合わせ、微力ながらお役に立てれば。歴史館に寄託した資料などをより近いところで守っていくことになる。きちんと整理、管理し、展示の充実を図っていければ」と抱負を述べた。
大島さんは、「日本の近代製鉄業の父」といわれる大島高任の玄孫(やしゃご)。祖父は八幡製鉄所の初代技監を務めた大島道太郎で、父は「戦後日本のオートメーションのリーダー」とされる大島康次郎(東大名誉教授)。大学卒業後、横河電機に入社し、エンジニアとして制御用コンピューター開発に従事。現在は不動産管理会社の代表を務める。2008年からは同大使も務め、昨年5月に同館名誉館長に就任した。
常勤の館長職も兼ねることになり、「条件が整えば釜石への移住もありうるが、焦らず、時間をかけて今まで以上に釜石のみなさんと信頼関係を築きながら仕事をしていきたい」と大島さん。高任に関する資料や遺品などを整理する中で見えてきた明治維新の隠された秘話なども紹介したいと気持ちを新たにしていた。
(復興釜石新聞 2016年7月6日発行 第501号より)
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