エアロビックチームならではの振り付けも入れたわんこダンスでイベントを盛り上げた「DA★DA」
10月に本大会が行われる「希望郷いわて国体」(第71回国民体育大会)まで半年を切り、釜石市実行委員会は10日、200日前記念イベントをイオンタウン釜石で開いた。関係者や一般市民ら約200人が参加し、東日本大震災復興のシンボルとして開催される国体の成功へ機運を高めた。
国体を盛り上げようと県下で普及活動が進められてきた「わんこダンス」を、市内のエアロビックチーム「DA★DA」が披露。小学1年生から中学2年生の10人が躍動的なダンスでオープニングを飾った。
トークショーには、釜石での実施競技の一つ、オープンウォータースイミング(OWS=遠泳)の国内第一人者、大貫映子さん(55)=東京都=がスペシャルゲストに招かれた。大貫さんは早稲田大在学中、イギリス―フランス間のドーバー海峡(33キロ)横断泳に日本人として初めて成功。釜石市出身の及川文寿さん(67)から水泳の指導を受け、小学生のころから釜石の市営プールで合宿を行い、ドーバー海峡挑戦前には釜石湾で練習を重ねた。
国体OWS競技について話す大貫映子さん(中央)
震災後は、根浜海岸で行われる「はまゆりトライアスロン」復活大会にも出場。新日鉄釜石ラグビー部のトレーナーも務めた及川さんとのつながりで、日本一7連覇の主力として活躍した石山次郎さん(58)らとリレーチームを組み、2013年から3年連続で大会に出ている(13年はアクアスロン)。
OWS競技は、いわて国体で初めて導入され、正式競技として実施される(9月6日、根浜海岸)。日本水泳連盟OWS委員を務める大貫さんは「甚大な被害を被った場所でありながら、地元から開催の意志を示していただき、連盟も深く感謝している。海での5キロ競泳は選手にとっても大きなチャレンジ。震災犠牲者の冥福を祈り、頑張る姿を見せること、全国から多くの関係者が来ることで釜石の応援ができれば」と思いを述べた。
ドーバー海峡完泳後、ヨーロッパ各地のOWS大会に招待された大貫さんと及川さんは、当時、日本ではなじみの無かった同競技に刺激を受けた。その後、日本でも大会が始まり、世界選手権、五輪出場選手を輩出するなど競技環境が整っていった。
2人の遠泳練習地、国体OWS第1回開催地が釜石と、深い縁を感じる大貫さんは「釜石は、いわば(国内OWS)発祥の地とも言えるのでは」とし、競技の認知、普及に期待。実行委は7月10日、本番を想定したプレ大会を東北6県の選手らを集めて行う予定だという。
国体で釜石ではほかに、トライアスロン(10月2日、根浜海岸)、ラグビー(7人制)成年(10月4~7日、市球技場)が行われる。トライアスロンと女子ラグビーはいわて国体から正式競技に採用される。
イベントでは、国体のイメージソングを歌う臼澤みさきさん(大槌町出身)のライブや餅まきも行われた。
(復興釜石新聞 2016年4月16日発行 第479号より)
復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)
復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。
問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3