幅広い年代の愛好者が対局し交流を深めた市長杯争奪将棋大会
日本将棋連盟釜石支部(土橋吉孝支部長)主催の「第1回釜石市長杯争奪世代間交流将棋大会」が3日、中妻公民館(上中島復興住宅2期3号棟1階)で開かれた。小学3年生から90歳まで幅広い将棋愛好者30人が参加。団体戦で市長杯の栄冠を目指した。
大会は3人1チームの団体戦で、対局では段や級など棋力差による駒落ちハンデが採用された。10チームが5回戦リーグ戦を実施。こども将棋教室や高校将棋部、高齢者の将棋愛好グループのメンバー、仮設団地入居者らが仲間とチームを組み参戦した。
大船渡市から妹と参加した畠山公君(盛小6年)は将棋を始めて5年。普段は大船渡支部で指導を受け、さまざまな年代の人たちと対局する機会も多いという。「釜石支部の人はハンデがあっても強く、平手でも小さい隙を見つけて指さないと勝つのが難しいので勉強になる。倉敷王将戦(小学生対象の将棋全国大会)の県代表になるのが目標」とさらなる精進を誓った。
釜石支部では12、3年前まで個人戦の市長杯大会を開いていたが、新たに企画した今大会は、初心者など誰でも参加できるように団体戦の形をとった。会場では各チームが真剣勝負に挑み、静かなる熱戦が繰り広げられた。
大会で注目を集めたのは、昨年の全日本アマチュア名人戦全国大会で見事、県勢初の優勝を果たした鵜住居町出身の小山怜央さん(六段)。この春、怜央さんと同じ県立大に進学した弟の真央さん(五段)、甲子町の仮設住宅で暮らす母聖子さん(2級)とチームを組み、久しぶりの地元大会を楽しんだ。
家族と地元大会を楽しむ昨年のアマ名人・小山怜央さん(左)
「小さいころから知っている顔ぶれがそろい、やっぱり良いですね」とうれしそうな怜央さん。恩師の土橋支部長らがこども教室などを開き、釜石の将棋文化を盛り上げていることに、「自分より下の世代からも強い人が出てほしい」と期待。自身については、「もう少し安定した成績を残せるようにしていきたい。他のアマチュアタイトルも取り、プロでの活躍を目指したい」と将来を見据えた。
今大会の結果は次の通り。
▽団体戦
【優勝】釜石市役所・市議(菊池孝、川畑裕也、藤原洋一)5戦全勝
【準優勝】小山家(小山怜央、小山真央、小山聖子)4勝1敗
【3位】将棋教室B(山口真弥、永井直人、柏舘優作)3勝2敗
▽全勝者=小山怜央(小山家)、山口真弥(将棋教室B)
(復興釜石新聞 2016年4月9日発行 第477号より)
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