復興加速へ高まる期待〜釜石トンネル完成、釜石山田道路 住吉町と八雲町結ぶ


2016/04/02
復興釜石新聞アーカイブ #地域

式には施工した東急建設関係者、地元住吉町の住民などが出席。トンネルの無事完成を祝った

式には施工した東急建設関係者、地元住吉町の住民などが出席。トンネルの無事完成を祝った

 

 「復興道路」として国が整備する三陸沿岸道路釜石山田道路(釜石市甲子町―山田町船越、23キロ)の釜石トンネル(住吉町―八雲町、延長873メートル)が貫通し、20日、トンネル坑内で完成式が行われた。釜石山田道路の市内の工事中区間6本のトンネルは、これで全て貫通。2018年度に予定する全線開通へ一層、期待が高まる。

 

 完成式は八雲側の終点坑口付近で行われ、関係者約100人が出席。八雲神社の成瀬幸司宮司による神事に続き、式典が行われた。国土交通省南三陸国道事務所の佐藤和徳所長、野田武則市長ら代表7人が幕を引き貫通披露。地元の八雲神楽、唐丹町本郷の桜舞太鼓が祝いの演舞、演奏で盛り上げた。

 

トンネル完成式を地元の伝統芸能で盛り上げた「八雲神楽」

トンネル完成式を地元の伝統芸能で盛り上げた「八雲神楽」

 

 釜石トンネルは釜石山田道路の最も南に位置するトンネルで、新町に整備される釜石中央インターチェンジ(IC、仮称)と高架橋を経てつながる。住吉町の山の斜面に作業道などを整備し、昨年3月の着工式を経て、八雲側に向かって掘り進めた。現場は住宅地が近いことから、防音対策を二重にするなど市民生活に配慮。周辺住民と頻繁にコミュニケーションを取りながら工事を進めた。八雲側は今後、整備される跨(こ)道橋で八雲第1トンネル(仮称)とつなぐ。

 

 住吉町内会の佐々木幸三郎副会長(68)は「現場を見て驚いた。早い完成に住民も喜んでいると思う。残りの工事も事故なく進めてほしい」、八雲神楽保存会の佐々木清海代表(68)は「こんなに早くつながるとは。地元はもちろん釜石全体のためにも良いこと。復興が加速すれば」と願った。

 

 釜石山田道路は両石町水海―片岸町間4・6キロが11年3月5日に開通。6日後に発生した東日本大震災では、津波で寸断された国道45号に代わり同地の往来を可能にした。同道路が全て開通すれば防災対策、産業、観光振興など多方面で整備効果が期待される。

 

 野田市長は「被災した三陸全体の発展に必要不可欠な道路。共に手を携えて一層の進展を図り、横断道とつなげていただくことを願う」とあいさつ。佐藤所長は「釜石中央IC周辺の用地買収を地域、関係機関の協力を得ながら進め、復興道路を一日も早く使っていただけるよう努力していく」と決意を述べた。

 

(復興釜石新聞 2016年3月26日発行 第473号より)

 

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