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「ラグビーの聖地」釜石で“不惑”仲間が交流試合 3回目のマスターズ大会

晴天の下、行われたラグビーマスターズ交流会=11日、根浜シーサイド

晴天の下、行われたラグビーマスターズ交流会=11日、根浜シーサイド

 
 不惑ラグビーの仲間が2年ぶりに釜石集結―。第3回KAMAISHIマスターズ交流会(実行委主催)は11、12の両日、釜石市鵜住居町の根浜シーサイド多目的グラウンドと釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。関東、関西エリアと地元岩手から計8チーム、約110人が参加。新日鉄釜石・日本一7連覇、ラグビーワールドカップ(W杯)開催のレガシー(遺産)が残る“聖地”で試合を楽しみ、ラグビー人の絆を深めた。
 
 同交流会はラグビーW杯日本大会が行われた2019年に、東北唯一の試合会場となった同市を盛り上げようと企画され、同年3月に初開催。翌20年11月に2回目が行われたが、昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止されていた。
 
2年ぶりの交流会開催を喜ぶ参加チームの選手ら

2年ぶりの交流会開催を喜ぶ参加チームの選手ら

 
 本大会には、各地で活動するマスターズチームや名門高校のOBチームなど多彩な顔ぶれがそろった。初日の交流戦は根浜シーサイドが会場。20分ゲームを9試合行った。メンバーが足りないチームは他チームからの助っ人もOK。40~60代の選手が入り乱れ、試合を楽しんだ。マスターズ現役の選手、久しぶりにプレーする選手…。試合中は真剣勝負ながら和気あいあい。好プレー、珍プレーも飛び出した。
 
 本県から唯一参加の岩手チームは、新日鉄釜石OB3人、釜石シーウェイブス(SW)OB6人を筆頭に、各地で活動する不惑仲間で構成。見事な連携プレーでトライを奪うなど地元の意地を見せた。
 
新日鉄釜石V7戦士の泉秀仁さん(白ジャージー中央)、釜石SWの主将を務めた篠原洋介さん(同右)

新日鉄釜石V7戦士の泉秀仁さん(白ジャージー中央)、釜石SWの主将を務めた篠原洋介さん(同右)

 
釜石SW元選手で、現アンバサダーの向井陽さんも気迫のプレー(白ジャージー中央)

釜石SW元選手で、現アンバサダーの向井陽さんも気迫のプレー(白ジャージー中央)

 
 新日鉄釜石時代、フランカーとして活躍した氏家靖男さん(66)=釜石市甲子町=は、今も不惑ラグビーでプレー。同交流会は19年以来の参加で、「体がなかなかついていけないが、若い人に紛れて何とかごまかしました(笑)」。前人未到の7連覇から37年―。「当時のことを覚えていて『釜石に来たかった』と言ってくれる人もいる。ありがたい」と感謝。「早くコロナがおさまって多くのラグビー仲間が来られるようになるといい。地域経済活性化にも貢献してもらえれば」と願った。
 
新日鉄釜石V7当時の主軸選手の一人、氏家靖男さん(手前中央)

新日鉄釜石V7当時の主軸選手の一人、氏家靖男さん(手前中央)

 
試合後は対戦チームで記念撮影(岩手チーム&惑惑クラブ)

試合後は対戦チームで記念撮影(岩手チーム&惑惑クラブ)

 
 奈良県の天理高OBチームは全日制、定時制両ラグビー部の同窓生で結成。関西、名古屋、東京などに散らばる13人が駆け付けた。山本寛さん(55)は「今回は40代半ばのメンバーが増え、世代間交流も図られている。大会は天理同窓生が集まる機会にもなる」と歓迎。他チームから入ってもらった助っ人には「天理のジャージーを着られて感慨深い」との声ももらった。「天理のラグビーに興味を持ってくださる方がいること、この釜石で全国の仲間とプレーできることが何よりうれしい」と山本さん。
 
シンボルの白ジャージーで戦う天理高OBチーム

シンボルの白ジャージーで戦う天理高OBチーム

 
 2日目は復興スタジアムでトーナメント戦が行われ、茗溪学園OBチーム(茨城県)が優勝した。

リポビタンDチャレンジカップ2022が開催されます!!

リポビタンDチャレンジカップ2022が開催されます!!

リポビタンDチャレンジカップ2022が開催されます!!
 

ラグビー日本代表が世界の強豪国と戦う「リポビタンDチャレンジカップ2022」が開催されます!

ラグビーワールドカップ2023フランス大会を見据えて日本代表戦が開催されます。
ラグビー日本代表は2019年7月27日に、ウルグアイ代表は2019年9月25日に、共に釜石鵜住居復興スタジアムで熱戦を繰り広げ、多くの市民へ勇気と希望を与えていただいた大切なチームです。 両チームをみんなで応援しましょう。

日程

6月18日(土)日本代表 対 ウルグアイ代表 15:00キックオフ 秩父宮ラグビー場
6月25日(土)日本代表 対 ウルグアイ代表 15:00キックオフ ミクニワールドスタジアム北九州
7月2日(土)日本代表 対 フランス代表   15:00キックオフ 豊田スタジアム
7月9日(土)日本代表 対 フランス代表   14:50キックオフ 国立競技場
 
チケット購入はこちらから

パブリックビューイングの開催

日本代表 対 ウルグアイ代表の試合に合わせてパブリックビューイングを開催します。
 
6月18日(土)15:00 キックオフ(開場14:30)
シープラザ釜石2階ラグビーカフェ情報発信コーナー
 
6月25日(土)15:00 キックオフ(開場14:30)
釜石市民ホールTETTOホールB
 
 

※日本代表は2019年7月27日に釜石鵜住居復興スタジアムで開催されたリポビタンDチャレンジカップ パシフィックネーションズ2019日本ラウンドでフィジー代表と対戦し、34対21で勝利しました!
https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2020040900014/
 
※ウルグアイ代表は2019年9月25日に釜石鵜住居復興スタジアムで開催されたラグビーワールドカップ2019日本大会でフィジー代表と対戦し30対27で勝利しました!
https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2020041000034/

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 文化スポーツ部 スポーツ推進課 ラグビーのまち推進係
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町22番1号 シープラザ釜石2F
電話:0193-27-5712 / Fax 0193-31-1170 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2022060700025/
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
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熱い応援ありがとう! 釜石SW 感謝イベントで選手がファンと交流

3年ぶりの開催!ファンクラブ会員を対象に開かれた感謝イベント

3年ぶりの開催!ファンクラブ会員を対象に開かれた感謝イベント

 
 釜石シーウェイブス(SW)RFCはリーグワン初年度のシーズンを終えるにあたり、3日夜、釜石PITでファン感謝イベントを開いた。ファンクラブ会員を対象とし、オンライン参加を含め約70人が参加。選手、スタッフとともに今季の試合を振り返り、来季の勝利へ思いを共有した。
 
 シーズンダイジェストムービーを上映後、首脳陣4人があいさつ。坂下功正総監督は「最後の日野戦で一丸となって勝てたのもファンの皆さんのおかげ。17人の退団選手は今日でSWの現役を終える。チームに残した功績を残るメンバーが引き継ぎ、力を蓄えて来季に向かいたい」と述べた。
 
 最も活躍した選手に贈られる年間MOT(マン・オブ・ザ・チーム)は、SH村上陽平選手が受賞。最終の日野戦で見せた華麗な2トライなど、絶妙なサポートが光った村上選手は「ファンの応援がなければここまで頑張ってこられなかった。最後の勝利で少しでも皆さんの応援に応えられたことをうれしく思う」と感謝。「来季はもっと勝利してSWとして強くなっていかなければ」と決意を示した。
 
チーム年間MOTを受賞したSH村上陽平選手

チーム年間MOTを受賞したSH村上陽平選手

 
 1月に海底火山噴火による津波被害を受けたトンガへの支援活動として、チャリティーTシャツの販売と募金を行ってきたSW。これまでの総額は213万円を超えた。6月に一般社団法人ジャパンラグビーリーグワンを通じて寄付する予定。トンガ出身のマヘ・トゥビ主務は「被害を受けた多くの皆さんに大きな力を与えてくれる。今後とも応援よろしくお願いします」と感謝の気持ちを表した。
 
 退団選手が一人一人あいさつ。出席できなかった選手はビデオメッセージなどを寄せた。釜石での思い出やチーム、ファンへの感謝を述べ、残るメンバーに思いを託す選手たち。現役引退、次のステージ進出と今後の道はさまざまだが、SWのさらなる成長と活躍を願いエールを送った。
 
 2015年から7年間在籍した宮古市出身のWTB関東申峻選手は「小さいころから憧れていたSWでプレーできたことは本当に幸せ。これからは自分を成長させてくれたラグビーに恩返しできるよう何かしら貢献していきたい」。17年から5年間プレーしたWTB氏家柊太選手(福島県いわき市出身)は「高1の時に震災を経験。たくさんの方に支えられ、ここまでラグビーを続けてこられた。競技に出会わせてくれた両親に感謝したい。SWは1部に上がれるチーム。これからも熱い応援を」と願った。
 
現役引退を表明したWTB氏家柊太選手。自身のラグビー人生を振り返り言葉を詰まらせる場面も

現役引退を表明したWTB氏家柊太選手。自身のラグビー人生を振り返り言葉を詰まらせる場面も

 
ビデオメッセージを寄せたSOブレット・キャメロン選手

ビデオメッセージを寄せたSOブレット・キャメロン選手

 
 ファンからの質問コーナーではプレーに関すること以外に、プライベートなどさまざまな質問が…。選手の人柄もにじみ出る答えに会場は笑いに包まれた。4月に入団したばかりの新規加入3選手も紹介された。
 
ファンからの質問コーナーは大盛り上がり。楽しい時間を共有した

ファンからの質問コーナーは大盛り上がり。楽しい時間を共有した

 
今年4月に入団した新加入3選手もあいさつした

今年4月に入団した新加入3選手もあいさつした

 
 最後は小野航大主将が決意表明。「来季はさらにレベルアップしたSWを見せたい。うのスタを満員にできるような、試合を見たいと思うような熱いゲームができるようチーム一丸となって頑張る」と力を込めた。
 
 小学2年からラグビーを始め、今はSWアカデミーでプレーする前川航紳君(釜石中2年)は「選手たちのプレーは参考になる。もっと地元で試合をやってほしい」と熱望。自身と同じポジション、SHの村上陽平選手の活躍に憧れを抱き、「来季は全試合勝てるように頑張ってほしい」とチームに期待した。母奈津江さん(50)は「地元に密着し、仕事をしながら頑張っている選手たち。市民にとっては励みになる存在。子どもたちに活躍する姿をもっともっと見せて、ラグビー人口が増えていけば」と願った。
 
イベント後、オンライン参加者も含め全員で記念撮影。チームとファンの一体感を高めた

イベント後、オンライン参加者も含め全員で記念撮影。チームとファンの一体感を高めた

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釜石SW リーグワン2部5位で今季終了 首脳陣らシーズン報告会見

桜庭吉彦GM(左)らによる釜石SWシーズン終了報告会見=3日

桜庭吉彦GM(左)らによる釜石SWシーズン終了報告会見=3日

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の釜石シーウェイブス(SW)RFCは3日、釜石市大町の釜石PITで今季終了の報告会見を行った。新リーグ初年度を6チーム中5位という成績で終えたSW。首脳陣らは「目標としていた3位以上は達成できなかったが、強豪チームの中で戦い抜けたことは大きな成果。来季につながる」と話した。選手17人の退団も発表。来季に向けたチーム編成を進行中であることを明かした。
 
 釜石SWは今季、レギュラーシーズン1勝9敗(不戦敗1)、順位決定戦1勝1敗で、来季も2部で戦うことが決まった。坂下功正総監督は「2部に残れたことが一番の成果」、須田康夫ヘッドコーチ(HC)は「大敗が続き苦しかったが、2部残留を自らつかみとったことは来季へのプラス要素」と振り返った。
 
 新リーグのレベルの高さを実感したという小野航大主将は「特に接点の部分。体へのダメージがかなりあり、けが人も出てしまった。ぶつかり合いはラグビーの根本。そこで対等に戦うために体づくりはもちろん、そのレベルに慣れることが一番大事。スタンダードにしないといけない」と述べた。
 
新リーグで戦った所感を述べる小野航大主将

新リーグで戦った所感を述べる小野航大主将

 
 主力を担った外国人選手を含む17人の退団理由について坂下総監督は「けがが一番大きく、社業への専念など自らの進む道での判断もある」と説明。1部から1チーム、3部から2チームが参入し、大きく顔ぶれが変わる来季の2部は「チームレベルが相当高くなる」と予想し、今後の補強ポイントとして「FWはセットプレーをしっかりできる選手、バックスはフィニッシャーで得点を取れる選手」の獲得を挙げた。
 
来季に向けた選手の補強について語る坂下功正総監督

来季に向けた選手の補強について語る坂下功正総監督

 
 釜石鵜住居復興スタジアムを会場とした今季のホストゲームは5試合。1試合2千人の集客を目標としていたが、実績としては1千人弱にとどまった。SWは昨年10月から新たな会員制度として「ファンクラブ」をスタート。県外の加入者数は伸びているが、市内、県内は伸び悩んだ。桜庭吉彦ゼネラルマネジャー(GM)は「コロナ禍で市民との接点が持てなかったのも要因。感染状況次第だが、地域行事への参加などでチームを身近に感じてもらうことが加入者増、試合の集客にもつながっていく」と今後を見据えた。
 
 チームは夏以降にトレーニングを再開。プレシーズンマッチ(練習試合)や合宿などを計画し、来季のリーグ開幕に向けた準備を進める。桜庭GMは「さらにチームを強化し、皆さんと一緒に地域を盛り上げていく存在になりたい」と決意を示した。

リーグワン2部残留をかけ、日野と対戦する釜石SW(白ユニホーム)=8日

釜石SW 気迫の戦いで2部残留獲得 今季初のホーム戦勝利にファン歓喜

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リーグワン2部残留をかけ、日野と対戦する釜石SW(白ユニホーム)=8日

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の釜石シーウェイブス(SW)RFCは8日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで行われた4~6位の順位決定戦で、日野レッドドルフィンズと対戦。22-19(前半12-5)で日野を下し、5位(1勝1敗、勝ち点5)で2部残留を決めた。レギュラーシーズンの2試合で50点以上を取られて大敗した日野に“今季最高のゲーム”で競り勝ち、地元ファンに大きな感動と喜びを与えた。
 
 勝たなければ3部との入れ替え戦に回る釜石。この日は最初から互いを鼓舞する掛け声が飛び交い、勝利への闘志が随所で光った。流れを引き寄せたのは前半12分。日野の反則で敵陣ゴール前のスクラムを選択。アドバンテージからの攻防でWTB加賀亮太郎が左隅に飛び込んでトライ(ゴール失敗)。先制点を挙げ勢いに乗る。
 
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前半12分、先制のトライを決めるWTB加賀亮太郎(右)

 
 攻守で狙い通りの展開を見せる釜石は前半37分、自陣でのターンオーバーからナンバー8上田宥人が右サイドのFBキャメロン・ベイリーにノールックパス。2人引きつけたベイリーが左でサポートしていたSH村上陽平につなぎ、約40メートルを走り抜いた村上が右中間にトライ(ゴール成功)。前半終了間際の日野のトライで12-5、釜石7点リードで折り返した。
 
 後半も釜石のテンポのいい攻撃が続く。4分、敵陣10メートルライン付近でSOブレット・キャメロンのパスを受けたCTBヘルダス・ファンデルボルトが縦に切り込み、またもいい位置でサポートしていた村上にパス。相手を寄せ付けず中央に走り込んだ村上がこの日、自身2本目のトライ(ゴール成功)を挙げ、19-5とさらに引き離した。17分にはPGも決めた。20分までに日野に2トライ(ゴール成功)を許したが、3点リードを守り切り、22-19で競り勝った。
 
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後半4分、絶妙なサポートでゴール真下にトライを決めたSH村上陽平(中央)

 
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釜石SWの2部残留決定に沸くスタンド。チームメンバー、ファンらが大歓喜

 
 ノーサイドの瞬間、釜石フィフティーンは喜びを爆発させ、互いに肩を抱き合い貴重な勝利をかみしめた。スタンドではサポーターが大漁旗を振り、大きな拍手で2部残留を決めた選手らをたたえた。
 
 試合後、須田康夫ヘッドコーチ(HC)は「選手たちがフィジカルバトルで勝って、見事勝利を収めてくれた。今季ナンバーワンのゲーム」、CTB小野航大主将は「チーム全員で最高の準備ができた結果。試合中のコミュニケーションも良く、プレー選択もほぼ間違いなかった」と振り返った。レギュラーシーズンで大敗した日野に勝つため見直したのはプロセス(過程)。「一人一人が自分の役割をしっかり理解し、目の前のプレーにフォーカスして臨む」。チームとしての意思統一が劇的勝利を導いた。
 
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選手それぞれが役割を意識し挑んだ順位決定戦

 
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激闘の試合を勝利で飾り笑顔を輝かせるSW選手

 
 最も活躍した選手に贈られるプレーヤー・オブ・ザ・マッチを獲得したSH村上陽平選手は「先週負けてからきつかったと思うが、挽回してこんなにいいゲームができた。“釜石、やればできる”ということを証明できた」と自信をつけた様子。新加入で司令塔としてもチームに貢献した今季。「常にサポートプレーを意識し、トライにつながったのがうれしい。早い球さばきを心がけ試合ができたことは非常にいい経験。来季にもつながると思う」と実感を込めた。
 
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著しい成長を見せた新加入の村上選手(中央)

 
 リーグワン初年度を終え、須田HCは「フィジカルのベースラインを知り、チームに必要なことを学べた。来季、2部でしっかり戦って勝っていける体作りをやっていければ」、小野主将は「今季当初の目標“トップ3”を達成できるよう精進していく」と今後を見据えた。
 
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降りしきる雨の中、行われたリーグワン2部順位決定戦 釜石SW対広島=1日

釜石SW 2部残留へ要の一戦 広島に20-21で惜敗 8日の順位決定戦は日野と

降りしきる雨の中、行われたリーグワン2部順位決定戦 釜石SW対広島=1日

降りしきる雨の中、行われたリーグワン2部順位決定戦 釜石SW対広島=1日

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の釜石シーウェイブス(SW)RFCは1日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで4~6位の順位決定戦に臨み、マツダスカイアクティブズ広島と対戦。勝てば2部残留が確定する試合を20-21(前半12-14)で惜しくも落とした。釜石は8日に対戦する日野レッドドルフィンズに勝てば残留が決まるが、引き分け以下の場合は3部の上位チームと入れ替え戦を戦うことになる。
 
 あいにくの雨の中で行われた釜石の順位決定戦初戦。レギュラーシーズンでは1勝1敗だった広島を初めてホームに迎えての試合となった。釜石は前半5分、ハーフウェイライン付近からSH村上陽平のうまい判断でCTBヘルダス・ファンデルボルトに短いパス。ファンデルボルトは相手を引きつけてからボールを離し、これを受けたWTB吹越大清がタッチライン際を独走しトライ(ゴール失敗)。5-0と先制した。
 
前半5分、ファンデルボルトからのパスを受け独走トライを決めたWTB吹越大清(左)

前半5分、ファンデルボルトからのパスを受け独走トライを決めたWTB吹越大清(左)

 
 その後、広島が強いアタック力を発揮し2トライ(ゴール成功)。5-14とリードを許した釜石は前半35分、得意のモール攻撃で本領を発揮。広島のオフサイドにより敵陣ゴール前5メートルのラインアウトを得ると、すかさずモールを形成し、じわじわと前進。そのままゴールポスト付近に押し込み、フッカー伊藤大輝のトライ(ゴール成功)で、前半を12-14で折り返した。
 
前半35分、ラインアウトからのモール攻撃で2本目のトライ。12-14と釜石が追い上げる

前半35分、ラインアウトからのモール攻撃で2本目のトライ。12-14と釜石が追い上げる

 
雨の中、ボールを得ようと奮闘する両チーム。後半の攻防

雨の中、ボールを得ようと奮闘する両チーム。後半の攻防

 
 後半も一進一退の攻防が続く。釜石は15分にSOブレット・キャメロンのPGで15-14と逆転。広島は9分にナンバー8がレッドカード(危険なタックル)の判定で退場処分。1人少ない状況ながら20分にトライ(ゴール成功)を決め、15-21と再び勝ち越した。追加点が欲しい釜石は28分、前半同様、ラインアウトからのモールに持ち込み素早く展開。フランカー河野良太のトライ(ゴール失敗)で1点差に詰め寄った。逆転勝利への最後のチャンスはロスタイムのキャメロンのPG。選手、観客が息をのんで見つめたボールはわずかに右にそれ、この日の残留決定はかなわなかった。
 
後半28分、敵陣ゴール前のモールを押し込み釜石3本目のトライ。釜石20-21広島

後半28分、敵陣ゴール前のモールを押し込み釜石3本目のトライ。釜石20-21広島

 
 釜石SW・須田康夫ヘッドコーチは「地力で負けた印象。プレーの質は相手のほうが上だった。ノットストレート、コラプシングを取られるなど重要なところでのミスが響いた」と振り返り、“勝つしかない”次戦に向けた修正、質の向上を口にした。
 
 CTB小野航大主将は「何としても勝たないといけない試合だった。非常に残念」と悔しさをにじませた。反省点として挙げたのはセットピース(プレー)の不安定さ、細かいエラーの多さ。次の日野戦に向け、「チームとしてやるべきこと、向くべき方向を明確にし、準備できればチャンスはある」と話した。
 
 順位決定戦最終節を前に勝ち点は日野5、広島4、釜石1。釜石は日野戦で勝利し勝ち点4を加えなければ、2戦を終えた広島を上回ることができず、最下位が決定。3部との入れ替え戦に回ることになる。
 
惜しくも敗れたが、80分間の激闘に拍手を送られる釜石SWフィフティーン

惜しくも敗れたが、80分間の激闘に拍手を送られる釜石SWフィフティーン

ラグビーリーグワン2部第10節 釜石シーウェイブス対花園近鉄ライナーズ=10日

釜石SWリーグ最終戦 花園の攻撃力に大敗 順位決定戦5月1日 ホームで広島と

ラグビーリーグワン2部第10節 釜石シーウェイブス対花園近鉄ライナーズ=10日

ラグビーリーグワン2部第10節 釜石シーウェイブス対花園近鉄ライナーズ=10日

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の釜石シーウェイブス(SW)RFCは10日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムでレギュラーシーズン最終戦を迎え、花園近鉄ライナーズと対戦。12―98(前半0-46)の大差で敗れた。釜石は1勝9敗勝ち点7で5位となり、この後、下位3チームが総当たりで4~6位を決める順位決定戦に挑む。

 

 前後半で花園に15トライを奪われた釜石。攻守で厳しい戦いを強いられるきっかけとなったのは、反則による選手の退場。前半6分、ナンバー8サム・ヘンウッドのタックルが危険なプレー(ハイタックル)と判定され、レッドカードで一発退場処分に。1人少ない14人でのプレーが最後まで影響した。

 
 前半開始早々、日本代表CTBシオサイア・フィフィタがノーホイッスルトライで先制し、勢いに乗る花園。ヘンウッドの退場により14人で戦う釜石は、花園の強力な突破、正確で速いパス回しに苦戦し、前半終了までに8トライを献上。敵陣でのアタックチャンスをつかめないまま、0-46で折り返した。

 
CTB小野航大(左)、LO山田龍之介の気迫あふれるタックル=後半

CTB小野航大(左)、LO山田龍之介の気迫あふれるタックル=後半

 
 まずは1トライを返し、流れを変えたい釜石は後半2分、最初のラインアウトからフランカー河野良太がCTBヘルダス・ファンデルボルトにつなぎ、相手守備の弱い部分を突いて左隅にトライ。ゴールは失敗するも待望の得点を挙げ、5-46とした。しかし、数的不利は攻守への影響を避けられず、試合は再び花園ペースに。30分過ぎまでに6トライを奪われた。

 

 釜石最後の見せ場は33分。後半途中出場のプロップ高橋拓也が相手ディフェンスを引きつけたすきに、ファンデルボルトが後から走り込んできた河野にパス。高校時代はWTBという河野は、スピードに乗って相手をかわしながら中央を突破し、ゴール真下にトライ。ゴールも決まって12-88としたが、その後、花園にさらに1トライを許すなどし、12-98で完敗した。

 

後半33分、花園のタックルをかわし、インゴールまで走り抜いたフランカー河野良太(中央)

後半33分、花園のタックルをかわし、インゴールまで走り抜いたフランカー河野良太(中央)

 
釜石SWの2本目のトライに沸くスタンド=後半

釜石SWの2本目のトライに沸くスタンド=後半

 
 「すべてどこをとっても相手のほうが上だった」とCTB小野航大主将。須田康夫ヘッドコーチ(HC)は相手を止めきれなかったタックルについて「1つ1つ課題をつぶし、修正していく」と話した。ただ小野主将、須田HCともに、昨シーズンからの成長という部分ではフィジカルのレベルアップ、試合で通用する手応えを実感。「チャンスをもらって試合で活躍できた若手選手もいて、チームの底上げも図られている」とした。

 

 順位決定戦まで3週間。小野主将は「自分たちのやるべきことを整理することが大切。チームとしてできる準備をしたい」と前を向いた。釜石SWの順位決定戦は2試合とも釜石鵜住居復興スタジアムが会場。5月1日にマツダスカイアクティブズ広島(6位)と、8日に日野レッドドルフィンズ(4位)と対戦する。正午キックオフ。

ラグビーリーグワン2部第9節 釜石シーウェイブス対三重ホンダヒート=2日

釜石SW 格上・三重に1点差の惜敗 開幕戦からの成長ぶり表す

ラグビーリーグワン2部第9節 釜石シーウェイブス対三重ホンダヒート=2日

ラグビーリーグワン2部第9節 釜石シーウェイブス対三重ホンダヒート=2日

 

 NTTジャパンラグビーリーグワン2部第9節、釜石シーウェイブス(SW)RFC対三重ホンダヒート戦は2日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。格上・三重との2戦目をホームで迎えた釜石。地元ファンらに勝利を―と果敢に挑んだが、17-18(前半17-10)、1点差で惜しくも敗れた。1勝8敗勝ち点7で5位。レギュラー最終戦の10日は、同スタジアムで花園近鉄ライナーズと対戦する。

 

 前半、7点差で三重を追う釜石は36分、キックの蹴り合いから敵陣に入ると、SOブレット・キャメロンが相手2人を引きつけ、ナンバー8サム・ヘンウッドに絶妙なパス。サポートしていたフランカー河野良太にボールが渡り、三重ディフェンスを退け、走り切った河野が左中間にトライ。キャメロンのゴールも決まり、10-10と同点に追いついた。

 

前半36分、釜石SWの河野良太(中央)が追いかける三重の選手を振り切って走り抜きトライ

前半36分、釜石SWの河野良太(中央)が追いかける三重の選手を振り切って走り抜きトライ

 
釜石SWの今試合初トライを喜ぶ地元ファンら

釜石SWの今試合初トライを喜ぶ地元ファンら

 

 ロスタイムに入ると同時に、釜石は敵陣ゴール前のラインアウトから素早い攻撃。モールから河野が出したボールをヘンウッドがキャッチし、鋭く切り込んだCTBヘルダス・ファンデルボルトにパス。そのまま、抜け出したファンデルボルトがトライを決め(ゴール成功)、17-10で前半を折り返した。

 

前半40分、釜石SWのヘルダス・ファンデルボルト(中央)が勝ち越しのトライを決め逆転

前半40分、釜石SWのヘルダス・ファンデルボルト(中央)が勝ち越しのトライを決め逆転

 

 前半終了間際、ハイタックルでイエローカードが出された三重は1人少ない状態で後半のキックオフ。この間に追加点をあげたい釜石だったが、反則が多く得点まで至らない。三重は後半22分にトライ(ゴール失敗)、28分にPGを奪い、釜石は17-18と逆転を許した。

 

 最後のチャンスはロスタイム。三重のオフサイドの反則で、釜石はPGを選択。逆転勝利を狙ったキャメロンのキックは惜しくも右にそれ、ノーサイド。わずか1点差、悔しい敗戦となったが、最後まで力の限り戦った選手にスタンドから健闘をたたえる拍手が送られた。

 

ホームでの初勝利は果たせなかったが、80分間の激闘に観客から大きな拍手が送られた

ホームでの初勝利は果たせなかったが、80分間の激闘に観客から大きな拍手が送られた

 

 開幕戦では三重に24-48で敗れた釜石。接戦に持ち込んだ今回について須田康夫ヘッドコーチ(HC)は「前回の反省点を生かしてゲームを進められた。次のプレーに移動するスピードを意識して挑んだ結果」と手応えを実感。CTB小野航大主将は「勝てなかったが、ポジティブなゲームだったと思う。ただ、後半のペナルティーの多さなどは改善点。もう一度一丸となって強いチームを目指す」と次を見据えた。

 

 「けが人も戻り、ベストメンバーに近い状態になってきている。シーズンを通して選手一人一人の成長も大きい」と須田HC。初先発となったプロップ束田涼太、WTB加賀亮太郎、FB中村良真の3選手のチームへのインパクトも「しっかりやってくれた」とたたえた。

ラグビーリーグワン2部 釜石SWホーム初戦 対日野レッドドルフィンズ=12日

釜石SWホーム初戦 気迫あふれるプレーも勝利ならず 日野に7-55

ラグビーリーグワン2部 釜石SWホーム初戦 対日野レッドドルフィンズ=12日

ラグビーリーグワン2部 釜石SWホーム初戦 対日野レッドドルフィンズ=12日

 

 NTTジャパンラグビーリーグワン2部第7節。釜石シーウェイブス(SW)RFCは12日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで、日野レッドドルフィンズと対戦し、7-55(前半7-17)で敗れた。1勝6敗勝ち点5で5位。前日に東日本大震災発生から11年となり、復興の象徴である同スタジアムでの今季初戦を勝利で飾ろうと奮闘したが、力及ばなかった。

 

 前半18分までに2トライ1PGで、0-17と日野にリードを許した釜石は、38分、日野のボックスキックをWTB氏家柊太がキャッチ。自陣10メートル付近から日野を振り切って一気に走り抜け、サポートした新加入のSH村上陽平にパス。村上は左サイドから回り込み、中央にトライ。SOブレット・キャメロンのゴールも決まり、7-17で前半を折り返した。

 

日野のキックをキャッチし、敵陣を目指す氏家柊太選手(左)

日野のキックをキャッチし、敵陣を目指す氏家柊太選手(左)

 

氏家選手からパスを受ける村上陽平選手。そのまま走り切りトライ

氏家選手からパスを受ける村上陽平選手。そのまま走り切りトライ

 

 後半は運動量に勝る日野が着実に得点を重ねた。釜石はゴールライン目前まで攻め込む場面もあったが、得点には結びつかなかった。釜石の2選手にイエローカードが出され、各10分間の一時退場も。悪い流れを断ち切れず、後半は無得点。7-55で試合を終えた。

 

 試合後の記者会見で釜石の須田康夫ヘッドコーチは「自分たちのペースでゲームを進められず、修正できないまま終わってしまった」。ディフェンスでの失点を抑えるために「いろいろなプレッシャーの中での我慢。ブレイクダウンの見極めが鍵」と課題を見据えた。

 

 開幕戦で負傷し、戦線から離れていた小野航大主将は、日野戦から復帰。「震災11年」の翌日、ホーム初戦と、特別な思いを持って臨んだ試合だったが、「ミスも多く、自分たちがやりたいことをできなかった」。残り3試合に向け、「自分たちがやってきたこと、仲間を信じて切り替えたい」と話した。

 

 唯一のトライを決めた村上選手は「勝利することで県民に元気を届けたかったが、かなわず残念」。今季2トライ、司令塔としても注目され、「アタックリズムの強みを全面的に出し、ゲームメークできたら」と意気込んだ。

 

強風の中1040人が観戦。両チームに熱いエールを送った

強風の中1040人が観戦。両チームに熱いエールを送った

 

 釜石SW、第8節は20日、広島市でマツダスカイアクティブズ広島と対戦する。釜石市大町の釜石PITでパブリックビューイングを予定する。

 

日野、釜石 試合前日「3・11」に釜石祈りのパーク訪問

 

東日本大震災の話を聞く日野の選手=11日午後

東日本大震災の話を聞く日野の選手=11日午後

 

 日野レッドドルフィンズの選手、スタッフら約50人は、試合前日の11日、復興スタジアム近くの震災犠牲者慰霊追悼施設「釜石祈りのパーク」を訪問。同市の被災状況などを聞いた後、釜石SWと合同で献花。地震発生時刻の午後2時46分、黙とうをささげた。

 

 震災伝承施設「いのちをつなぐ未来館」スタッフから、同パークの場所にあった鵜住居地区防災センターで多くの住民が津波の犠牲になったこと、全校避難で津波から逃れた釜石東中、鵜住居小跡地に復興スタジアムが建つことなどを聞き、震災の教訓に理解を深めた。チームとして同震災被災地で学ぶのは、日野にとって初めてのことだという。

 

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祈りのパークでは釜石SWと共に震災犠牲者に献花した。撮影:西条佳泰 Grafica Inc.

 

 講話後、日野、釜石両チームは同市の震災犠牲者の名前が刻まれた芳名板の前で白菊を手向けた。地震発生時刻を告げるサイレンが鳴ると一斉に黙とう。犠牲者の冥福を祈った。

 

釜石から恩返し トンガ支援へラグビー応援団がTシャツ販売

 

トンガ支援Tシャツを着用し、販売する応援団員

トンガ支援Tシャツを着用し、販売する応援団員

 

 釜石ラグビー応援団(中田義仁団長)は、1月に海底火山噴火で津波など深刻な被害を受けたトンガを支援しようと、チャリティーTシャツを作成。売上金の一部を寄付するプロジェクトを始動した。12日、釜石SWのホーム初戦が行われた釜石鵜住居復興スタジアムで販売。限定1千枚のTシャツは引き続き、釜石情報交流センター(大町)、かまいし特産店(鈴子町、シープラザ釜石内)、道の駅釜石仙人峠(甲子町)で販売する。価格は2750円(税込み)。

 

 白地の支援Tシャツは、胸元に「#PRAYforTONGA」のロゴと、トンガの国旗、同応援団のマークを刺しゅうであしらった。1枚につき1千円を寄付する。12日は、Tシャツを着用した応援団員がスタジアム内で観戦客に支援への協力を呼び掛けた。

 

Tシャツ販売ブースにはトンガに思いを寄せる人たちが集まった

Tシャツ販売ブースにはトンガに思いを寄せる人たちが集まった

 

 2011年の東日本大震災発生時、釜石SWにはトンガ出身のピタ・アラティニ選手、ルイ・ラタ選手が所属していた。救出にきた大使館職員の帰国要請を断り、自ら釜石に残った両選手は、支援物資の積み降ろしなど被災者のために力を尽くした。その後も何人ものトンガ出身選手が釜石でプレーし、市民との交流を深めた。

 

 中田団長(53)は「今度は私たちがトンガの皆さんを助ける番。多くのラグビーサポーターにとってもトンガはなじみのある国。今日も多くの人たちが協力してくれている」と感謝。さらなる支援の輪の広がりを期待した。寄せられた善意の寄付先は今後、団で相談して決める。

 

釜石SWの支援Tシャツ(右)とコラボ!!

釜石SWの支援Tシャツ(右)とコラボ!!

 

 同応援団は、ラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催のレガシー(遺産)を継承しようと、20年7月に結成。「ラグビーのまち釜石」の発信、地元開催の各種大会のボランティア運営、ラグビーを通じた内外の交流事業などを行う。

専用ヘッドマークを付け運行する「ブルズ列車」

復興祈念試合へ三鉄が応援列車運行 岩手ビッグブルズ(バスケ)とコラボ

専用ヘッドマークを付け運行する「ブルズ列車」

専用ヘッドマークを付け運行する「ブルズ列車」

 

 三陸鉄道(中村一郎社長)は、3月に釜石、宮古両市で復興祈念試合を行うプロバスケットボールチーム・岩手ビッグブルズ(水野哲志社長)を応援しようと、21日から「ブルズ列車」の運行を開始した。専用ヘッドマークを装着した列車は、3月末まで久慈―盛間を毎日運行(1日2往復程度)。東日本大震災から11年となる沿岸被災地を両社のタッグで力付ける。

 

 21日、釜石駅で出発式が行われた。中村社長は6連勝中のブルズのさらなる活躍に期待。「沿岸の皆さんにもぜひ生で試合を見てほしい。列車に乗って会場に足を運び、たくさんの応援を」と呼び掛けた。水野社長は「震災の4カ月前に発足したチームも11年が経過。常に復興を意識し活動してきた。私たちの思いを乗せた列車が走ってくれるのは感動」と喜んだ。関係者のテープカットで運行開始を祝った。

 

三陸鉄道釜石駅駅舎前で出発式が行われ、テープカットで運行開始を祝った

三陸鉄道釜石駅駅舎前で出発式が行われ、テープカットで運行開始を祝った

 

 同列車のヘッドマークには、チームの願い「三陸と共に」という言葉と復興祈念試合の日程が記される。車内には選手15人を紹介するポスターを掲示。顔写真に直筆サインとそれぞれの鉄道や電車の思い出が添えられている。

 

選手のサイン入りポスターで彩られる車内。チームカラーの赤が視線を集める

選手のサイン入りポスターで彩られる車内。チームカラーの赤が視線を集める

 

ポスターには各選手の列車の思い出が添えられる

ポスターには各選手の列車の思い出が添えられる

 

 水野社長と式に出席し、車内を初めて見学した大澤歩選手(30)は「ここで選手を覚えて、会場で実物を楽しんでは」とコラボ企画に笑顔。自身は静岡県出身で、ブルズに移籍して1年目。「復興への思いが強く、共に成長してきたチームだと感じる。3月の祈念試合は何が何でも勝つ。皆さんに勇気と希望を与えられるような試合をしたい」と意気込む。

 

列車内を見学する岩手ビッグブルズの水野哲志社長(左)と大澤歩選手

列車内を見学する岩手ビッグブルズの水野哲志社長(左)と大澤歩選手

 

 復興祈念試合は、日本プロバスケットボール男子Bリーグ3部(B3)に所属するブルズのホーム戦。3月12、13日は宮古市民総合体育館でアルティーリ千葉と、26、27日は釜石市民体育館で東京八王子ビートレインズと対戦する。試合当日、三陸鉄道を利用して会場を訪れた人には、記念缶バッジをプレゼントする。

 

三鉄に乗って会場を訪れた人にプレゼントする缶バッジ。受け取り方は後日、両社のHPで告知

三鉄に乗って会場を訪れた人にプレゼントする缶バッジ。受け取り方は後日、両社のHPで告知

 

 震災後、本県沿岸の被災地で復興祈念試合を継続してきたブルズ。釜石市では2019年12月、鵜住居町に新設された市民体育館のこけら落としで初めて試合を行った。21年2月には、震災10年を機に作成した、同市出身アーティスト小林覚さんの作品をデザインした特別ユニフォームを着用し、試合に臨んだ。今季のユニフォームにも小林さんの作品が採用されており、宮古、釜石両会場の試合で身に着ける。

小泉賞を受けた菊池梢衣さん(左)、白川愛子さん(右)と釜石市ボクシング協会の小泉嘉明会長

3年間の精進たたえるボクシング「小泉賞」 釜石高の部員2人に授与

小泉賞を受けた菊池梢衣さん(左)、白川愛子さん(右)と釜石市ボクシング協会の小泉嘉明会長

小泉賞を受けた菊池梢衣さん(左)、白川愛子さん(右)と釜石市ボクシング協会の小泉嘉明会長

 

 釜石市ボクシング協会(小泉嘉明会長)は17日、高校3年間の部活動で競技に真摯(しんし)に向き合った釜石高の3年生部員2人に「小泉賞」を贈った。中妻町の昭和園クラブハウスで行われた贈呈式には、協会と同校ボクシング部から20人が出席。女子フライ級選手として活躍した菊池梢衣さん(3年)、マネジャーとして選手を支えた白川愛子さん(同)の努力をたたえた。

 

 「小泉賞」は、肉体、精神ともに過酷なスポーツであるボクシング競技に挑み、たゆまぬ精進と学業との両立を成し遂げた高校3年生に贈るもので、1999年に創設。卒業間近の毎年この時期に贈呈式を行っている。

 

 小泉会長は「3年間ごくろうさま。これからも未来を切り開きながら進んでいって」などと声をかけ、菊池さん、白川さんに記念のトロフィーを手渡した。また、「ボクシングは自身を鍛える意味ですごく神聖なスポーツ。個人競技だが、人との結びつきが強い」とし、後輩を含め部員らに人とのつながりの大切さを伝えた。

 

釜石高ボクシング部の後輩らが見守る中、行われた「小泉賞」贈呈式

釜石高ボクシング部の後輩らが見守る中、行われた「小泉賞」贈呈式

 

トロフィーを贈り高校3年間の頑張りをたたえた

トロフィーを贈り高校3年間の頑張りをたたえた

 

 同校ボクシング部は市内唯一の高校ボクシング部で、本年度は1~3年生13人(選手9、マネジャー4)で活動。5月には同校体育館を会場に県高総体が開かれ、菊池さんは女子フライ級で3位入賞を果たした。菊池さん、白川さんは3年生として部をまとめ、後輩らの良き手本となった。

 

 菊池さんは「練習はつらかったが、コーチやOB、顧問の先生の熱心な指導のおかげで続けてこられた。18年間生きてきて一番成長できた3年間だったと思う」と感謝。個人競技から「自分に勝つということを学べた」と実感する。卒業後は東京の国際系専門学校へ進学。将来は人道支援に携わりたいと夢を描く。「これからは自立していかなければならない。いろいろな壁にぶつかると思うが、『自分ならできる』と信じて頑張っていきたい」と前を見据える。

 

厳しい練習を重ね、大きく成長した菊池梢衣さん

厳しい練習を重ね、大きく成長した菊池梢衣さん

 

練習環境を整え、選手を支えてきた白川愛子さん

練習環境を整え、選手を支えてきた白川愛子さん

 

 白川さんは「選手の役に立っているか不安に思うこともあったが、『いつもありがとう』という言葉に自分も助けられた。裏方の大変さも知ることができた」と貴重な経験を心に刻む。部活以外では表に立って活動することも多かった。「サポートしてくれる人たちへの感謝の気持ちを忘れず、これからも歩んでいきたい」。支える、支えられる双方の立場を経験し、大事な人生訓を得た。春からは横浜の大学に進学する。「ジェンダー問題や教育格差について学び、目指す教員の仕事に生かせれば」と白川さん。

 

 2人は先輩や後輩、指導者らに恵まれた3年間を「幸せだった」と振り返り、後輩部員らの今後の活躍に期待。伝統ある同部のさらなる発展を願った。

画面を見つめる釜石市民ら=釜石PIT

釜石SWの奮戦に拍手 地元でパブリックビューイング

画面を見つめる釜石市民ら=釜石PIT 

画面を見つめる釜石市民ら=釜石PIT

 

 ラグビー・リーグワン2部の釜石シーウェイブス(SW)RFCは5日、相模原ギオンスタジアム(神奈川県)で三菱重工相模原ダイナボアーズと対戦。地元釜石市ではファンらが集い、画面越しに声援を送った。試合はSWが14-68で敗れたが、最後まで挑み続ける姿に会場から、「次こそは」と期待する声が上がった。

 

 チーム主催のパブリックビューイング(PV)は今回が2回目。大町の釜石PITで約30人が255インチの大画面で観戦した。SWは相手の守備を崩せず、トライは前半の1回にとどまった。開幕から3連敗となったが、試合が終わると見守ったファンたちは拍手で奮闘をたたえた。

 

 大漁旗をモチーフにしたTシャツに身を包んで応援した鵜住居町の徳増初子さん(71)は「点は離れていたけど、選手たちは強くなっている。次こそは勝って」と願った。新型コロナウイルスの感染流行で現地に出向くのは控えたが、「みんなと一緒に応援できる場を設けてもらってありがたい」と感謝した。

 

 ■トンガ支援 チャリティーTシャツ販売

 
トンガ支援のチャリティーTシャツと募金箱=釜石PIT

トンガ支援のチャリティーTシャツと募金箱=釜石PIT

 

 PV会場の応援席では、赤色のTシャツを着たファンらの姿が目立った。海底火山の大規模噴火で津波や火山灰の被害を受けたトンガを支援しようと、SWが製作したチャリティーTシャツだ。トンガ国旗と赤地に白で「PRAY FOR TONGA」との文字をプリント。3000円で販売し、経費以外がトンガへの義援金として送られる。

 

 SWにはこれまでトンガ出身の選手が何人も在籍していた。現在、チームで主務・通訳を務めるマヘ・トゥビさんも同国出身。そして、東日本大震災時には同国から支援を受けたこともある。桜庭吉彦ゼネラルマネジャーは「困っている人に手を差し伸べる、これがラグビー精神だと思う。できるわずかなことかもしれないが、少しでもトンガの復興が進めば」と祈った。

 

 会場には募金箱も設置し、協力を呼び掛けた。この取り組みは今後も継続する予定だ。