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ラグビーのまちの小学生はつらつプレー!釜石東R杯タグラグビー大会 3年ぶりに

3年ぶりに開催された釜石東ロータリーカップ小学校対抗タグラグビー大会

3年ぶりに開催された釜石東ロータリーカップ小学校対抗タグラグビー大会

 
 釜石東ロータリーカップ2022第4回釜石市小学校対抗タグラグビー大会は13日、釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。釜石ラグビー応援団(中田義仁団長)が主催。市内4校から4年生以上で結成する12チームが参加し、優勝を目指して熱戦を繰り広げた。3年生以下は楕円のボールに親しみ、ラグビーの面白さを体感。2019年のラグビーワールドカップ(W杯)会場となった同スタジアムを、約140人が元気いっぱいに駆け回った。
 
 新型コロナウイルス感染症の影響で2年間の中止を経ての開催。開会式では平田小6年の三浦孝太郎君が「ラグビーのまち釜石に生きる小学生として、みんなでラグビーの楽しさを味わえることに感謝し、チームワークを大切に全力でプレーすることを誓う」と宣誓した。震災復興支援への感謝の気持ちを歌い継ぐ「ありがとうの手紙」を全員で合唱。大会が幕を開けた。
 
高らかに選手宣誓する平田小6年の三浦孝太郎君

高らかに選手宣誓する平田小6年の三浦孝太郎君

 
紅葉に囲まれたスタジアムで大会を楽しんだ児童

紅葉に囲まれたスタジアムで大会を楽しんだ児童

 
 甲子、平田小は各2チーム、小佐野、鵜住居小は各4チームを結成して出場。釜石シーウェイブス(SW)ジュニア(3~5年)の1チームがオープン参加した。2ブロックに分かれて予選リーグ(試合時間6分)を行い、それぞれ上位2チームが決勝トーナメント(前後半5分)に進んだ。選手らは仲間や家族の応援を受けながら練習の成果を発揮。相手にタグを取られないよううまくかわしたり、味方への効果的なパスなどでボールを前に進めトライを勝ち取ると喜びの笑顔を広げた。
 
腰に付けた相手タグを取るのがタックルの代わり

腰に付けた相手タグを取るのがタックルの代わり

 
年代や男女を問わずラグビーの面白さを味わえるタグラグビー

年代や男女を問わずラグビーの面白さを味わえるタグラグビー

 
 決勝は鵜住居小同士の対戦。互いの手の内を知る両チームだが、絶妙なボール運びなどで相手を寄せ付けずトライに持ち込んだ「鵜小JETS」が「鵜小マングース」を10―0で破り、優勝を手にした。鵜住居小は3位以上を独占する活躍を見せた。
 
 優勝したJETSのキャプテン千葉龍希君(6年)は「1回も負けないで優勝できた。決勝は目標の10点を取ることができてうれしい」と完全勝利に胸を張った。12月18日には県知事杯兼サントリーカップ県大会(奥州市水沢・Zアリーナ)に出場する。「今日はタグミスやトライを許すところもあったので、次の大会までに完璧にできるよう修正していきたい。優勝を目指す」と気を引き締めた。同大会には鵜住居小から4チームが出場する予定。
 
決勝は、鵜小JETS(赤ビブス)と鵜小マングース(黄同)の対戦

決勝は、鵜小JETS(赤ビブス)と鵜小マングース(黄同)の対戦

 
確実なパスなどで得点を重ねたJETS(赤)

確実なパスなどで得点を重ねたJETS(赤)

 
1~3位を独占した鵜住居小。12月の県大会出場に向け弾みをつけた

1~3位を独占した鵜住居小。12月の県大会出場に向け弾みをつけた

 
 大会に初めて参加した小佐野小の佐野友悠君(6年)は「タグラグビーは敵の防御を抜けると全力で走れるのが気持ちいい。みんなで協力してゴールまでいけるとすごく楽しいなって思う」。自身は最終学年で大会は最後となったが、後輩たちに向け「これからも協力し合って、大きい大会で優勝してほしい」とエールを送った。
 
 同大会はラグビーW杯の機運醸成を図る一環で17年に開始。年々、参加人数も増えてきていた中でコロナ禍に見舞われた。第3回大会まで釜石東ロータリークラブが主催していたが、本大会から釜石ラグビー応援団が主催を引き継いだ。市、市ラグビーフットボール協会、釜石SWRFCが全面協力するほか、市内外のボランティアが運営を支える。
 
子どもたちの健全育成、「ラグビーのまち釜石」への意識付けにつながるタグラグビー大会

子どもたちの健全育成、「ラグビーのまち釜石」への意識付けにつながるタグラグビー大会

 
 中田団長(大会長)は「2年のブランクはあったが、今回また一からスタートしたいという思いもあり、再開を決めた。子どもたちが笑顔でのびのびとプレーする姿が見られて良かった。競技を楽しんだ思い出は、ラグビーのまちへの誇り、地元愛にもつながっていくと思う。ラグビー人口の底辺拡大という意味でもさらに多くの子どもたちに参加してほしい」と願った。

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W杯から3年「ラグビーのまち釜石」を発信 SW、中学生が交流試合&体験イベント

ラグビーW杯釜石開催から3年を記念した2022ラグビッグドリーム。約1300人が観戦

ラグビーW杯釜石開催から3年を記念した2022ラグビッグドリーム。約1300人が観戦

 
 2022ラグビッグドリーム~RWC MEMORIAL~(釜石ラグビッグドリーム実行委主催)は9日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。2019年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の会場となった同スタジアムで、ジャパンラグビーリーグワン2部の釜石シーウェイブス(SW)RFCと1部の東芝ブレイブルーパス東京が対戦。市内中学校の特設ラグビー部による交流試合も行われた。W杯のレガシー(遺産)継承、台風の影響で中止された「ナミビア対カナダ」の再戦を願い、企画された。
 
 中学生の交流試合は、特設ラグビー部を結成している釜石東中と甲子中の対戦。2週間後に県中総体を控えた両チームにとって力試しの場となった。試合は15分ハーフで行われ、4トライを挙げた釜石東が26-12(前半12-5)で勝利した。3年生を中心に生徒らの強い希望で、数年ぶりにチームを結成した釜石東。黒澤強優主将(3年)は「ボールを手にした一人一人が自信を持って走り抜いたことが勝因」と胸を張った。この日はチームにとって初めての試合。見つかった課題を修正し、最終目標の中総体に挑む。
 
釜石東中、甲子中の特設ラグビー部が対戦した交流試合

釜石東中、甲子中の特設ラグビー部が対戦した交流試合

 
相手ディフェンスを寄せ付けず、インゴールへ走る釜石東の選手(左から2人目)

相手ディフェンスを寄せ付けず、インゴールへ走る釜石東の選手(左から2人目)

 
 市内の現中学生は小学生の時に、同スタジアムで行われたラグビーW杯を観戦した。甲子中特設ラグビー部の悦渕嵩主将(3年)は「W杯が行われた芝生でプレーすることができて光栄。ラグビーは釜石の誇りであり象徴。高校に行っても続けたい。台風でできなかったナミビア対カナダ戦が実現したら仲間と応援に来たい」と願った。
 
 一般来場者がラグビーに親しめる場も設けられた。W杯を機に釜石でも体験機会が増えたストリートラグビーのコーナーは一般社団法人STREET RUGBY ALLIANCE(ストリートラグビーアライアンス、東京都)が開設。幅広い年代がトライを楽しんだ。甲子町の夏目未咲さん(27)は長女梨世ちゃん(4)と体験し、「誰でもできてすごく親しみやすい」と笑顔。W杯や釜石SWの試合にも足を運んでおり、「ラグビーって面白い。地元なのでSWも応援したい」と声を弾ませた。
 
誰でも体験できるストリートラグビーのコーナー

誰でも体験できるストリートラグビーのコーナー

 
子どもたちも笑顔でトライ!「ラグビーって楽しいな」

子どもたちも笑顔でトライ!「ラグビーって楽しいな」

 
 同法人エグゼクティブプロデューサーの出口圭造さんは「釜石は僕らにとっても神聖で特別な場所。来るたびに身が引き締まる思い」と、震災復興、W杯誘致の力を称賛。コロナ禍で同法人の活動も停滞してきたが、「来年のW杯フランス大会に向け、再度ラグビー熱を盛り上げる一助を担えれば。ラグビーの楽しさを感じ、興味を持ってもらえるような場を積極的に提供していきたい」と意気込んだ。
 
 釜石SWとBL東京の試合前には甲子中の生徒が「ハカ」を披露。ラグビーニュージーランド代表(オールブラックス)が国際試合前に見せる先住民マオリの民族舞踊を再現し、両チームを鼓舞した。
 
気合いの入った掛け声とともに甲子中の生徒が披露した「ハカ」

気合いの入った掛け声とともに甲子中の生徒が披露した「ハカ」

 
 釜石SWは前半23分、左ラインアウトモールからつないだCTBヘルダス・ファンデルボルトが相手ディフェンスを突破し初トライ。今季新加入のSOジョシュア・スタンダーのゴールで7-5と逆転したが、前半終了間際に2トライを奪われ、7-19で折り返した。後半、控え選手に次々と交替した釜石は粘り強いディフェンスを続け、相手を1トライに抑えた。アタックはゴール目前のプレーが何度か見られたが、セットプレーのミスやペナルティーなどであと一歩届かず、7-26で敗れた。
 
前半23分、釜石SWのCTBヘルダス・ファンデルボルトが同点のトライ

前半23分、釜石SWのCTBヘルダス・ファンデルボルトが同点のトライ

 
ファンデルボルト(左)は後半も強力な突破でゴールラインに迫った

ファンデルボルト(左)は後半も強力な突破でゴールラインに迫った

 
 釜石SWはプレシーズンマッチ5戦目。格上の1部チームとの試合は3戦目となった。WTB小野航大主将は「コンタクトエリアで劣っている感じはしなかったが、細かい部分で(BL東京の)質は非常に高かった。自分たちとの違いを体で感じられたのは大きい」と収穫を得た様子。須田康夫ヘッドコーチは「ラインスピード、ダブルタックルを意識し、ディフェンスが粘れるようになってきた」。1部チームの接点の激しさ、しつこさを経験し、「プレッシャーの中で、いかに自分たちのゲームができるかが課題」と話した。
 
 ハーフタイムには、市内の中学生が描いた5メートル四方の「釜石の大きな絵」がお披露目された。NPO法人アース・アイデンティティー・プロジェクツ(河原裕子代表、東京都)から同市に「世界一大きな絵」プロジェクトへの参加依頼があり、「復興と世界平和」をテーマに完成させた。
 
虎舞、大観音、ラグビーボールなどが描かれた釜石の大きな絵(右下拡大)。W杯で試合が中止になったナミビア、カナダ国旗とともに披露された

虎舞、大観音、ラグビーボールなどが描かれた釜石の大きな絵(右下拡大)。W杯で試合が中止になったナミビア、カナダ国旗とともに披露された

 
 同プロジェクトは世界中の子どもたちが描いた絵をつなぎ、一枚の大きな絵を作ることで、平和を愛する気持ちを育み、世界的視野で平和と環境を守る機運を広げようとするもの。同市では震災で受けた支援への感謝と、復興を遂げた被災地からの平和への願いを絵に込めた。「世界一大きな絵」はパリ五輪が開催される2024年にフランスで披露される予定。

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うのスタ周辺を老若男女が力走 釜石健康マラソン2年ぶり開催 体力向上の一助に

釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた第48回釜石健康マラソン大会=8日

釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた第48回釜石健康マラソン大会=8日

 
 第48回釜石健康マラソン大会(釜石市体育協会、市陸上競技協会、市主催)は8日、同市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムを発着点に周辺コースで行われた。甲子町の市球技場から会場を移して2回目の開催。新型コロナウイルス感染症の影響で昨年は中止されたため、2年ぶりの大会となった。子どもから大人まで約200人が参加し、秋の気配を感じながら思い思いのペースで完走を目指した。
 
 同大会は体育の日(現スポーツの日)にちなんだ市民総参加のスポーツイベントとして始まり、今に受け継がれる。長年、市陸上競技場(現市球技場)を会場としてきたが、2020年からラグビーワールドカップ日本大会(19年開催)会場の一つとなった同スタジアムで開かれる。
 
 今大会には1歳から78歳までがエントリー。距離、年代、男女別などで13部門が設けられた。開会式の後、時間をずらしながら各部がスタート。1キロ、2キロ、3キロのコースはスタジアム外周と同町新川原地区方面への市道を使って設定された。小学生はバスケットボール、サッカー、ラグビーなどの所属チーム単位での参加が目立ち、そろいのユニホーム姿で存在感を見せた。沿道では家族や仲間が声援を送り、参加ランナーを鼓舞。くじけそうになる子どもたちも力をもらってゴールを目指した。
 
女子の3キロは小学校高学年から一般までが一緒にスタート

女子の3キロは小学校高学年から一般までが一緒にスタート

 
所属スポーツ団体のユニホーム姿で3キロに挑む小学校高学年男子

所属スポーツ団体のユニホーム姿で3キロに挑む小学校高学年男子

 
ゴールまであと少し。最後の力を振り絞って懸命にひた走る=スタジアム西側駐車場入り口

ゴールまであと少し。最後の力を振り絞って懸命にひた走る=スタジアム西側駐車場入り口

 
 競技場内では約200メートルのコースを2周する幼児の部が行われ、父母に手を引かれた子どもたちも元気に“かけっこ”を楽しんだ。小学生チームのリレー(100メートル×4)競技も行われ、白熱したレースを繰り広げた。完走者にはタイムや順位を記載した完走証が発行された。閉会式では各部門の上位者を表彰した。
 
小学校低学年女子1キロのスタート。応援の家族を見つけて手を振る子も

小学校低学年女子1キロのスタート。応援の家族を見つけて手を振る子も

 
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お父さんと一緒に元気にゴール!ほほ笑ましい光景が広がった幼児の部

 
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仲間との絆を深めたリレーの部。日ごろのトレーニングの成果も発揮

 
 団体参加した小佐野ミニバスケットボールスポーツ少年団の主将、岩鼻奏河君(11)は3キロを完走。2年ぶりの大会に「久しぶりなので(3キロは)長く感じた。スタート直後の山際の上り坂が一番つらかった。体力もちょっと落ちていたかも」とブランクを実感。11月にミニバスの大会を控えているといい、「さらに体力をつけて勝ちたい。県大会にいくのが目標」と意気込んだ。
 
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スタジアム裏、山際の上り坂は最初の難関=小学校中学年男子2キロの部

 
 甲子町の平野建さん(39)は長女志凰ちゃん(5)と親子の部1キロに、次男志頼君(3)と幼児の部に参加し、それぞれの手を引いて無事完走。夏休みに練習したという志凰ちゃんは「ちょっぴり疲れた。でも走るのは好き」とにっこり。2回目の参加となった長男志磨君(6)は小学校低学年の1キロに初挑戦し、「途中で歩きたくなったけど頑張った。次は1位を取りたい」と意気揚々。家族でスポーツの秋を満喫した建さんは「普段、子どもと一緒に体を動かす機会は少ない。コロナ下でも大会を開催してもらって感謝。子どもには、回を重ねることで力がついていく感覚も味わってほしい」と願った。
 
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コース沿いにはわが子の頑張りをカメラに収める保護者らが並んだ

 
 同大会はあと2回で50回という大きな節目を迎える。市陸上競技協会の菊池信男会長は「(少子化、人口減などで)参加人数は従来に比べ減っているが、先輩たちがつないできた歴史ある大会。健康づくりのマラソンを意識づけ、細々でも長く大会を続けていければ」と話した。

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ラグビーW杯のレガシーを後世に 「釜石絆の日」イベント 交流の輪広がる

「釜石絆の日」ジュニア(小学生)マッチ=24日、釜石鵜住居復興スタジアム

「釜石絆の日」ジュニア(小学生)マッチ=24日、釜石鵜住居復興スタジアム

 
 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会開催から3年―。競技会場の一つとなった釜石市では、フィジー対ウルグアイ戦が行われた9月25日を「釜石絆の日」とし、震災復興や大会を機に生まれた支援者とのつながりを継承する取り組みを進める。本年度は23日から25日まで、県内外の小中学生や釜石シーウェイブス(SW)RFCのラグビー交流試合などが行われた。官民でつくる釜石ラグビー応援団(中田義仁団長)が主催した。
 
 姉妹都市の愛知県東海市、東日本大震災後の復興支援でつながる静岡県袋井市から小学生と引率者ら計約60人が来釜。23日は鵜住居町の震災伝承施設「いのちをつなぐ未来館」を訪れ、釜石市の被災状況と震災の教訓を学んだ。小中学生が津波から避難した経路も見学し、迅速な高台避難の大切さを実感した。
 
東日本大震災の被災状況を学ぶ袋井市の小学生ら=いのちをつなぐ未来館、23日

東日本大震災の被災状況を学ぶ袋井市の小学生ら=いのちをつなぐ未来館、23日

 
メモを取るなどしながら震災学習に臨む東海市の小学生

メモを取るなどしながら震災学習に臨む東海市の小学生

 
 初めて釜石市を訪れた袋井市の有藤皐君(山名小5年)は「たくさんの人が亡くなり、まちが破壊されたことを聞き、悲しくなった」と震災の悲惨さを実感。地元では南海トラフ地震による津波の危険性もあり、「すぐに山の方に避難するなど、自分の命は自分で守れるようになりたい。釜石で学んだことを家族や友だちにも伝えようと思う」と話した。
 
 24日はW杯会場となった釜石鵜住居復興スタジアムで、3市の小学生によるスポーツ交流が行われた。袋井市の小学生8人はタグラグビークラブで活動する1~6年生。釜石からは鵜住居小のタグラグビーチームに所属する4~6年生22人が参加し、試合で交流を深めた。あいにくの雨模様だったが、子どもたちは元気いっぱい。試合の楽しさを味わった。
 
 鵜住居小6年の千葉龍希君は「友だちとかもできて楽しい。またこういう機会があるといいな」と期待。4年生から始めたタグラグビーは「トライを決めた瞬間が気持ちいい」と話し、冬の県大会に向けて「みんなで協力して勝ちたい」と意気込んだ。
 
タグラグビーの試合を楽しむ袋井市と釜石・鵜住居小の児童=24日

タグラグビーの試合を楽しむ袋井市と釜石・鵜住居小の児童=24日

 
 ラグビーの交流試合は、東海ラグビースクールと釜石SWジュニアの対戦。東海市からは6年生14人が訪れた。12分マッチを3本行った後、両チームの選手を混ぜた即席チームでの対戦も試みた。選手たちは日ごろの練習の成果を発揮しながら、普段対戦機会のない相手のプレーにも刺激を受けた。
 
 東海チームの釜石遠征リーダーを務めた井上咲太郎君(名古屋市立西山小6年)は「さすが“ラグビーのまち釜石”だけあって皆さん強くて、いい練習になった。他地域のチームとの対戦は新しい戦略とかもあってすごく勉強になる」と成果を得た。古くから親交の深い両市について、「これからもずっと交流が続いてほしい。釜石の子どもたちが東海市に来たらぜひ歓迎したい」と目を輝かせた。
 
東海ラグビースクール(赤)と釜石SWジュニアの交流試合。雨天を吹き飛ばす熱戦を繰り広げた

東海ラグビースクール(赤)と釜石SWジュニアの交流試合。雨天を吹き飛ばす熱戦を繰り広げた
 
 「また会おう!」末永い絆を願い笑顔で記念撮影

「また会おう!」末永い絆を願い笑顔で記念撮影

 
 東海市には1964年、製鉄所の合理化に伴い、釜石市から約2300人が移住した。以降、官民の交流が続き、災害時の相互応援協定(2003年)などを経て、07年に姉妹都市提携を結んだ。一方、袋井市は、1880年代に釜石で日本の近代製鉄の基礎を築いた横山久太郎(釜石鉱山田中製鉄所初代所長)の出身地で、震災以降、釜石市に対し多くの支援の手を差し伸べてきた。
 
絆マッチ「釜石SW(赤)-船岡自衛隊ワイルドボアーズ」

絆マッチ「釜石SW(赤)-船岡自衛隊ワイルドボアーズ」

 
 25日は同スタジアムでラグビー絆マッチが行われ、中学生チームの釜石SWアカデミー、レッドファイヤーズRFC(北上市)、弘前サクラオーバルズ(青森県弘前市)が交流した。釜石SWはトップイーストリーグの船岡自衛隊ワイルドボアーズと対戦。17トライを奪い、95-0で勝利した。24日は小学生向けのラグビークリニック、25日は誰でもラグビー体験ができる「ラグビーのまち釜石教室」も行われた。
 
この日の試合は釜石SWのプレシーズンマッチ3戦目。観戦無料で行われた

この日の試合は釜石SWのプレシーズンマッチ3戦目。観戦無料で行われた

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日本スポーツマスターズ岩手大会 軟式野球出場の釜石・ヨーカクラブ 鹿児島代表に善戦

日本スポーツマスターズ岩手大会軟式野球 奄美BBC(鹿児島)―ヨーカクラブ(岩手)

日本スポーツマスターズ岩手大会軟式野球 奄美BBC(鹿児島)―ヨーカクラブ(岩手)

 
 日本スポーツマスターズ2022岩手大会は23日から26日まで県内12市町で11競技を実施。釜石市など沿岸6市町では24日から軟式野球競技が行われた。同市平田総合公園野球場では1回戦から準決勝まで計6試合があり、各都道府県の代表が熱戦を繰り広げた。地元釜石からはヨーカクラブが出場。目標としていた全国の舞台で持てる力を存分に発揮した。マスターズ大会は3年ぶり、本県では初開催となった。
 
 軟式野球は40歳以上の選手で構成する32チームが出場し、トーナメント戦で優勝を競い合った。平田球場の初日は降雨のため、屋内で開始式。第1試合で対戦するヨーカクラブ(開催地枠)と鹿児島県代表の奄美BBC(ベースボールクラブ)が顔をそろえた。大会名誉会長の野田武則釜石市長は、東日本大震災で受けた全国からの復興支援に深く感謝。「全力を尽くして健闘を」と選手らにエールを送った。
 
岩手県野球協会尾形英一副会長が開会宣言。(左から)ヨーカクラブの遠野大輔主将、菅原隆監督

岩手県野球協会尾形英一副会長が開会宣言。(左から)ヨーカクラブの遠野大輔主将、菅原隆監督

 
 始球式には地元の浜っ子野球スポ少、釜石中で5年間野球を続けた佐々木唯さん(20)が登場。その姿を追ってスポ少に入った妹凜さん(釜石商工高3年)が打者、県内唯一の女性審判員として活躍する母美紀さん(45)が球審を務め、式を盛り上げた。
 
始球式で投手を務めた佐々木唯さん(左)。母美紀さん(中)、妹凜さんも協力。写真提供:釜石市野球協会

始球式で投手を務めた佐々木唯さん(左)。母美紀さん(中)、妹凜さんも協力。写真提供:釜石市野球協会

 
 第1試合はグラウンド整備のため1時間余り遅れて開始。両チームの投手は上々の立ち上がりを見せ、味方の堅い守備も手伝って互いに得点を許さない。試合が動いたのは5回裏。ヨーカクラブの先頭打者、9番小笠原大洋が左中間を突く2塁打を放ち、続く1番佐々木博貴の犠打、盗塁で二、三塁の好機に。ここで2番鈴木得之の飛球を一塁手が捕球し損ねる間に小笠原がホームにかえり、待望の先制点。さらに3番阿部裕樹の犠飛で佐々木がホームに滑り込み、2点目を挙げた。
 
ヨーカクラブは5回、鈴木(背26)の打球が相手のミスを誘い、小笠原(背0)がホームにかえり1点を先制

ヨーカクラブは5回、鈴木(背26)の打球が相手のミスを誘い、小笠原(背0)がホームにかえり1点を先制

 
犠飛で三塁の佐々木(背1)がホームに滑り込み追加点。0-2とする

犠飛で三塁の佐々木(背1)がホームに滑り込み追加点。0-2とする

 
 奄美BBCもすかさず反撃。6回表、2安打で出塁後、ヨーカのミスや四球で2点を返し同点に追いつくと、なおも満塁の好機に強打の一発。さらに1点を加え3-2と逆転に成功した。奄美は最終7回にも3本の長打や犠飛で3点を追加。6-2とヨーカを突き放した。
 
 最終回、ヨーカの攻撃は2点を挙げた5回と同じ打順。小笠原の内野安打、佐々木の右前打などでまずは1点。阿部が右翼線に運び追加点を挙げるが、後続が倒れ試合終了。6-4で敗れ、全国大会初勝利は次回への持ち越しとなった。
 
観戦客からは健闘をたたえる拍手が送られた

観戦客からは健闘をたたえる拍手が送られた

 
 早起き野球チームとしてスタートしたヨーカクラブは創部45年。早起き野球は県大会優勝4回、一般(C級)も東北大会出場などを果たすが、全国大会出場は、活動4年目の壮年(40歳以上)チームも含め初めての経験。今大会は、クラブの創始者で昨夏急逝した佐野一男前監督(享年75)の願いをかなえる大舞台となった。
 
試合前、気持ちを一つにするヨーカクラブの選手ら。佐野一男前監督の遺影に黙とうをささげた(左上)

試合前、気持ちを一つにするヨーカクラブの選手ら。佐野一男前監督の遺影に黙とうをささげた(左上)

 
 監督を引き継いだ菅原隆さん(58)は「佐野前監督が口癖のように言っていたのが全国大会出場の夢。一緒に出よう、ヨーカクラブの名を知らしめようと、みんな頑張ってきた。負けたのは残念だが、一つ目標は達成できた」と安堵(あんど)の表情。「来週もOB(壮年)の県大会があるので、今日の悔しさもぶつけて県王者を目指したい」と勢いづいた。
 
 「監督、怒っているだろうな~」。厳しくも選手に慕われた佐野前監督の姿を思い浮かべ、菅原さんと笑顔で口をそろえた佐々木博貴さん(43)。「相手チームは一枚も二枚も上手だったという印象。何とかしがみついてできたのかな」。震災もありながら、野球を楽しめていることに喜びを感じ、「まだまだ強くなれると野球の神様が言ってくれている。釜石のために頑張らねば」と意気込んだ。
 
会場では釜石名物「魚河岸ジェラート」と「仙人秘水」をお振る舞い。参加者の疲れを癒やした

会場では釜石名物「魚河岸ジェラート」と「仙人秘水」をお振る舞い。参加者の疲れを癒やした

 
 3日間の熱戦の結果、優勝したのは愛知県代表の安城ベースボールクラブ。6年ぶり3度目の日本一に輝いた。岩手県代表の永愛友OB、開催地枠の雫石クラブOB、クロニーズは1回戦で敗れた。

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釜石SW 格上・静岡と2年ぶりに交流試合 新戦力活躍で3トライ 防御の課題確認

『黄金の國、いわて。』presentsともだちマッチ2022 釜石SW(赤)―静岡ブルーレヴズ=釜石鵜住居復興スタジアム

『黄金の國、いわて。』presentsともだちマッチ2022 釜石SW(赤)―静岡ブルーレヴズ=釜石鵜住居復興スタジアム

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の釜石シーウェイブス(SW)RFCは11日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで、同1部の静岡ブルーレヴズと交流試合を行った。東日本大震災後の釜石支援を機に交流を続ける両チームの対戦は2年ぶり。格上の静岡相手に釜石は3トライを挙げたが、地力で勝る静岡の猛攻を受け、19-59(前半7-38)で敗れた。
 
 釜石にとっては今季のプレシーズンマッチ2戦目、初のホーム戦となり、約1千人が客席を埋めた。今季、17人の新加入選手を迎えた釜石は、先発7人が新加入。前半、攻撃のペースをつかめず、防戦一方の釜石は、静岡に6トライを奪われるなど苦しい展開となった。終了間際の40分、敵陣22メートルライン内にボールを持ち込んだ釜石は、新加入のCTB石垣航平が強力な突破で相手を振り切り中央にトライ。SO中村良真のゴールも決まって、7-38で前半を折り返した。
 
前半40分、釜石はボールを持ったCTB石垣航平が力強く前進しトライ。初得点を挙げた

前半40分、釜石はボールを持ったCTB石垣航平が力強く前進しトライ。初得点を挙げた

 
 後半開始直後の2分、釜石は石垣のパスを受けた新加入のWTB阿部竜二が絶妙なキックでボールを前に運び、自ら拾って左サイドから回り込んで中央にトライ(ゴール成功)。14-38とした。18分には相手ペナルティーで得たボールを敵陣5メートルラインからSH村上陽平が右に展開。SO中村、ロック/タタナ・ダラスとつなぎ、ダラスが右隅にトライ(ゴール失敗)。19-38と点差を縮めたが、その後は得点に至らず、さらに3トライを重ねた静岡に19-59で敗れた。
 
後半18分、相手タックルをかわしトライを決めた釜石のロック/タタナ・ダラス(左)

後半18分、相手タックルをかわしトライを決めた釜石のロック/タタナ・ダラス(左)

 
 トライを決めた石垣、ダラスは今季、宗像サニックスブルースから移籍(ダラスは2018年以来の釜石復帰)。紫波町出身の阿部は今春、関東学院大を卒業し入団した。試合後の記者会見で石垣選手は「攻めきれない場面が多かったが、ディフェンス、アタックともに前に出ることを意識した。応援してくれる地域の方々のためにもっと頑張りたい」と意を強くした。
 
 須田康夫ヘッドコーチ、小野航大主将は、静岡の激しいブレイクダウン、セットプレーでプレッシャーを受け失点を重ねたことを反省点としながらも、「自分たちがボールを持ち、やりたいことをできた時間帯は通用している感覚があった。そういう時間をどれだけ長くできるかが今後の課題」とし、ディフェンスの修正、集中力の維持など改善点を示した。
 
 小野主将は震災後、交流試合を継続してくれている静岡に感謝。「トップレベルを感じられる機会。近い将来、このグラウンドで(静岡と)公式戦をできるよう、一刻も早く1部に上がりたいという思いが強くなった。チームとして共有し、やっていければ」と願った。
 
観客の前で健闘をたたえ合う釜石、静岡の選手ら

観客の前で健闘をたたえ合う釜石、静岡の選手ら

 
震災を機に結ばれた両チームの絆はさらに強く…

震災を機に結ばれた両チームの絆はさらに強く…

 
 釜石SWのプレシーズンマッチ3戦目は今月25日。同スタジアムで、トップイーストリーグの船岡自衛隊ワイルドボアーズと対戦する(観戦無料)。

釜石大槌地区中学校新人大会 バレーボール競技=10日、甲子中体育館

釜石大槌地区中学校新人戦 コロナ下初 全競技で保護者観戦解禁 選手ら雄姿披露

釜石大槌地区中学校新人大会 バレーボール競技=10日、甲子中体育館

釜石大槌地区中学校新人大会 バレーボール競技=10日、甲子中体育館

  

 2022年度釜石大槌地区中学校新人大会(同地区中学校体育連盟主催)は10日、釜石市、大槌町の各会場で8競技が行われた。新型コロナウイルス感染症の影響で6月の中総体と同様、各種制限下での大会運営が続くが、今大会は初めて全競技で保護者観戦を可能とした(人数制限はあり)。選手たちは日ごろの部活動の成果を家族に見てもらえる機会を喜び、力に変えて試合に挑んだ。

  

 少子化による生徒数の減少で、団体競技は年々、単独校での出場が難しくなっているが、3年生が引退し人数がさらに減る同大会はその状況が一層顕著に。今大会、軟式野球は3校で組んだ合同チーム同士の対戦(釜石・釜石東・大槌―大平・唐丹・甲子)となった。サッカー、バレーボール男子は参加1チームのため、地区予選はなし。剣道男子も団体戦はなく、個人戦のみ行われた。

  

 そのような中で明るい話題があったのが柔道競技。近年は釜石、大槌の2校で部活動が継続され、個人戦のみ行われてきたが、今大会で2013年以来9年ぶりとなる団体戦が復活。観戦可能となった保護者が見守る中、両校各5人で勝敗を決する試合が行われた。結果は4対1で釜石が勝利。地区予選を経ての県大会出場を決めた。

  

9年ぶりに団体戦が行われた柔道競技。選手、関係者の喜びもひとしお=釜石中格技場

9年ぶりに団体戦が行われた柔道競技。選手、関係者の喜びもひとしお=釜石中格技場

  

柔道会場は本年度中総体から保護者観戦が可能に

柔道会場は本年度中総体から保護者観戦が可能に

  

 釜石中柔道部の野嶋晏慈(あんじ)主将(2年)は「みんなで戦う団体戦は楽しい。勝てたので満足」と充実の表情。部員数が少ないことで「自分と同じ階級(60キロ級)の練習相手がいなかったりと苦労する部分もある」が、県大会に向けさらなる精進を誓う。「前回は1回戦負けで終わってしまったので、今回は2回戦に進めるよう頑張る」と意気込んだ。

  

剣道女子、白熱の個人戦。剣道競技も釜石、大槌2校のみが参加=釜石中体育館

剣道女子、白熱の個人戦。剣道競技も釜石、大槌2校のみが参加=釜石中体育館

  

 バレーボール女子は5校によるトーナメント戦が行われた。圧倒的強さを見せたのは釜石東。小学生から競技を継続する主力選手を中心に、強烈なサーブで相手チームを翻弄(ほんろう)。攻守でその実力が光った。小林夏穂主将(2年)は「新人戦に向け、サーブカットとサーブを強化してきた。スパイクの速攻もいいチャレンジができている」と自信をのぞかせた。堂々の優勝を果たし、県大会ベスト8を目標に掲げた。

  

バレーボール女子準決勝・釜石東―甲子は2-0で釜石東(青)が勝利

バレーボール女子準決勝・釜石東―甲子は2-0で釜石東(青)が勝利

  

 バドミントンは鵜住居町の市民体育館が会場。6月の中総体同競技は、3月に発生した地震の影響で同館が臨時休館中だったため、市内2中学校の体育館で男女分散開催。修繕工事が終わり今月から利用可能となったことから、会場を戻しての開催となった。参加人数が多いため、2階観客席は生徒と保護者エリアをきっちり分け、学校単位で割り当て。不要な接触を極力避け、競技の合間の換気も徹底した。

  

バドミントン競技は今月1日から利用が再開された市民体育館で実施

バドミントン競技は今月1日から利用が再開された市民体育館で実施

  

卓球男子の最終試合は全参加者が見守る中で開催

卓球男子の最終試合は全参加者が見守る中で開催

  

 釜石大槌地区の代表が出場する県大会は、前期が10月15、16日(バスケットボール、軟式野球、ソフトテニス、サッカー)、後期が11月19、20日(バレーボール、卓球、バドミントン、剣道、柔道は20日のみ)に県内各会場で開催される。

  

 今大会各競技の結果は大会成績一覧表の通り。地区予選がなかった競技の県大会出場チームは、▽サッカー/釜石東、▽バレーボール男子/釜石・吉里吉里合同、▽剣道男子/釜石。

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釜石SW 今季目標「2部3位以内」 新加入17選手迎え、新シーズン始動

記者会見を行った釜石SW首脳陣(前列)と新規加入選手(後列)

記者会見を行った釜石SW首脳陣(前列)と新規加入選手(後列)

 
 ジャパンラグビーリーグワン2部の釜石シーウェイブス(SW)RFCは1日、釜石市大町の釜石PITで新シーズン始動の記者会見を開き、今季の目標や体制、新加入選手を発表した。チームは昨季同様、1部昇格につながる「2部3位以内」を目標に掲げる。12月中旬に開幕予定の2年目のリーグに向け、目標達成のための準備を重ねる。
 
 桜庭吉彦ゼネラルマネジャー(GM)、坂下功正総監督、須田康夫ヘッドコーチ(HC)、小野航大主将と首脳陣は変わらず、新たに17選手が加入した。活動休止となった3部の宗像サニックスブルースからFWを中心に5人、1部、2部チームから3人、海外チームから3人など。坂下総監督は昨季の戦いを踏まえ、「スクラムとラインアウトの安定性、FWの良しあしで状況がかなり変わる。セットプレーでしっかりボールを出せる選手、バックスは最後に得点(トライ)を取れる選手を迎えた」と補強ポイントを示した。
 
あいさつする新加入のLO西井利宏選手。宗像サニックスブルースから移籍

あいさつする新加入のLO西井利宏選手。宗像サニックスブルースから移籍

 
7年ぶりに釜石SW復帰。アシスタントコーチを兼任するWTB片岡将選手(右)。日野レッドドルフィンズから移籍

7年ぶりに釜石SW復帰。アシスタントコーチを兼任するWTB片岡将選手(右)。日野レッドドルフィンズから移籍

 
 須田HCはディフェンスでの失点が多かった昨季の反省から、「80分間いい状態で戦い抜くためのフィジカルの強化、個々のディフェンス力向上、攻撃時間の増加を念頭に、さらに成長できるよう取り組みたい」と話した。
 
 釜石SWは昨季、6チーム中5位(1勝9敗)。1部との入れ替え戦に臨める3位以内という目標は達成できなかった。小野主将は「昨シーズン以上にレベルの高いリーグになると思う。新加入選手は経験豊富な選手も多い。チーム力を高め、いい結果を残したい」と意気込んだ。チームスローガンは釜石ラグビー復活を誓う「REVIVE(リバイブ)2」。
 
今季の目標などを発表した釜石SW記者会見

今季の目標などを発表した釜石SW記者会見

 
リーグワン2年目への意気込みを述べる小野航大主将(前列右)

リーグワン2年目への意気込みを述べる小野航大主将(前列右)

 
 昨季、1試合1千人弱にとどまったホストゲームへの集客について桜庭GMは「事業性でも黒字の分岐点となる2千~3千人を目標に取り組む。チケット販売もネットだけでなく、身近に買える手売り環境も整えたい」と話した。
 
 チームは8月1日から全体練習を開始。高い強度のトレーニング、格上チームとの試合経験を重ねながらリーグ開幕に備える。プレシーズンマッチは今月3日の秋田ノーザンブレッツ戦を皮切りに計5試合の決定が発表された。釜石鵜住居復興スタジアムでは11日に静岡ブルーレヴズ戦、25日に船岡自衛隊ワイルドボアーズ戦、10月9日に東芝ブレイブルーパス東京戦が組まれている。

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岩手国体レガシー脈々と 釜石オープンウォータースイミング 最多255人が力泳

夏空の下、開催された第6回釜石オープンウォータースイミング2022根浜

夏空の下、開催された第6回釜石オープンウォータースイミング2022根浜

 
 釜石オープンウォータースイミング(OWS)2022根浜(実行委主催)は7月31日、釜石市鵜住居町の根浜海岸特設会場で開かれた。2016年の岩手国体で同競技会場となったのを機に、翌17年から地元主導で継続される同大会。日本水泳連盟認定サーキット17戦の一つとして年々認知度も高まっており、今年は最多の255人が参加。選手らは自己ベスト更新を目指し、各種目で力泳を見せた。
 
 OWSは海などの自然水域でタイムを競う長距離泳。五輪では08年の北京大会から10キロ競技が、国体では釜石が会場となった岩手国体から5キロ競技が正式種目として採用され、競技人口増加に拍車をかける。
 
 釜石大会は500メートル(小学4~6年)、1キロ(小学生以上)、3キロ(中学生以上)、5キロ(同)の競技を海上に設置したブイを周回するコースで行う。小学3年以上を対象としたOWS検定5級の集団泳は砂浜近くの海域で実施。各競技は年齢や男女別に1~3位までを表彰。新型コロナウイルス対策として今大会の表彰式は省略した。
 
海水浴客の視線を集めながらスタートする1キロの部の選手

海水浴客の視線を集めながらスタートする1キロの部の選手

 
スタートエリアに向かう5キロ日本選手権トライアルの出場選手

スタートエリアに向かう5キロ日本選手権トライアルの出場選手
 
スタートを待つ3キロ(黄色キャップ)と5キロ一般(桃色同)の部の選手

スタートを待つ3キロ(黄色キャップ)と5キロ一般(桃色同)の部の選手

 
 かまいしSC所属の佐々木遥汰君(唐丹小5年)は「海で泳ぐのにも慣れていたほうがいい」と500メートルに初出場。「プールとは違って疲れた。今日の泳ぎは50点ぐらい。もうちょっと早くいけるかな」と自己分析。「大人になっても役立ちそう。また挑戦してみたい」と次を見据えた。
 
 実力者がそろう「5キロ日本選手権トライアル」男子の部で優勝したのは、新潟医療福祉大4年の綿貫慶吾さん(22)。OWS初のレースは17年の釜石大会。コロナ禍でこの2年間、各地の大会が中止されてきた中、「こうして開いてもらえるのはうれしい」と感謝。「根浜の海は泳ぎやすい。今日も水温22度とちょうどいい」と好環境も喜ぶ。出身地の群馬県代表での国体出場を目指しており、「選ばれたら入賞を目標に頑張りたい」と意欲を見せた。
 
5キロ日本選手権トライアル男子1位でゴールした綿貫慶吾選手

5キロ日本選手権トライアル男子1位でゴールした綿貫慶吾選手

 
 同トライアル女子の優勝は、大館桂桜高2年の小笠原佳音さん(17)。昨年に続き2回目の参加で、見事初優勝に輝いた。「タイムも良かったし、順位も予想以上」と満足げ。競技をやっている高校の先輩を見て、「自分も」と挑戦。OWSの魅力を「波に乗って泳ぐ面白さ。景色も見ながら…」と語り、今後の目標として「国体での上位入賞。日本選手権出場」を掲げた。
 
5キロ日本選手権トライアル女子1位の小笠原佳音選手(左)

5キロ日本選手権トライアル女子1位の小笠原佳音選手(左)

 
 今大会には、1982年に日本人初のドーバー海峡横断公認記録(9時間32分)を残した日本遠泳の第一人者、大貫映子さん(62)=日水連OWS委員=が3年ぶりに来場。大貫さんは東日本大震災後、釜石はまゆりトライアスロン国際大会復活に向けたアクアスロン大会(2013年)のリレーに参加。岩手国体OWS競技の実現に大きく貢献し、釜石との深い縁をつなぐ。
 
 釜石での大会継続について、「指導者らの競技普及への熱意が伝わってくる。全国の大会の中でも釜石は子どもたちの参加率が高い。競技に親しんだ子たちが成長して、大会運営にボランティア参加してくれているのも頼もしい」と大貫さん。根浜の復興状況にも目を見張り、「よくぞここまで復活された」と感慨を口にした。
 
開会式であいさつする大貫映子さん(左)

開会式であいさつする大貫映子さん(左)

 
大会は東日本大震災津波被害からの復興が完了した海岸で行われた

大会は東日本大震災津波被害からの復興が完了した海岸で行われた

 
 県水泳連盟は今大会の成績を基に、いちご一会とちぎ国体OWS競技(9月10日、栃木県市貝町)に出場する本県代表選手を決定。男子は舘下温人さん(17、花巻東高)、女子は平賀雛さん(17、花巻南高)が選ばれた。国体は新型コロナの影響で、2020、21年と中止されており、今年予定通り開催されれば3年ぶりの大会となる。

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ラグビー日本代表有志ら 釜石で夢の企画 技術指導&体験教室にファン歓喜

釜石でラグビー教室を開いた(右から)立川理道選手、垣永真之介選手、茂野海人選手、中村亮土選手、堀越康介選手、中野将伍選手

釜石でラグビー教室を開いた(右から)立川理道選手、垣永真之介選手、茂野海人選手、中村亮土選手、堀越康介選手、中野将伍選手

 
 ラグビー男子日本代表選手らによるラグビー教室が7月29、30の両日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。新型コロナウイルスの影響で減ってしまったファンとの交流、競技に励む子どもたちの夢の後押しにと6選手が来釜。2019年のラグビーワールドカップ(W杯)会場となった同スタジアムで、技術指導やプレー体験、サイン会などを行い、「ラグビーのまち釜石」を活気づけた。
 
 釜石を訪れたのはFWの垣永真之介選手(30)、堀越康介選手(27)、BKの立川理道選手(32)、茂野海人選手(31)、中村亮土選手(31)、中野将伍選手(25)。リーグワン1部チーム所属のトップ選手が顔をそろえた。
 
 30日の教室には市内外のジュニアチームに所属する小中学生、一般のラグビーファンら約250人が参加。小学校高学年はパス、中学生はタックルを中心とした技術指導を受け、体験コーナーではハイパントキャッチ、キック、トライ、ラインアウト体験などが行われた。世界を舞台に活躍する選手らの直接指導、触れ合いの機会に参加者は大感激。サイン会や記念撮影の時間も設けられ、最高の笑顔を輝かせた。29日は高校生向けの指導が行われた。
 
茂野海人選手(黒Tシャツ)が見守る中、パス練習に励む小学生

茂野海人選手(黒Tシャツ)が見守る中、パス練習に励む小学生

 
中学生らにタックルの技術指導を行う中村亮土選手(手前左)

中学生らにタックルの技術指導を行う中村亮土選手(手前左)

 
教室ではさまざまな練習メニューも体験した

教室ではさまざまな練習メニューも体験した

 
体験コーナーでキックに挑戦する子どもたち

体験コーナーでキックに挑戦する子どもたち

 
 釜石シーウェイブスアカデミーでプレーする三浦心友姫さん(甲子中2年)は、“世界に通用するタックルスキル”と評される中村選手の指導を受け、「タックルは苦手だったが、入る前の動きなどを教わってすごく納得したし、これからに生かせる」と学びを深めた様子。「19年のW杯で見ていた選手たちに会えて、めっちゃうれしい。こういう機会がもっとあるといい」と望んだ。
 
 千葉県柏市のラグビースクールに通う浅井啓太君(9)は「茂野選手にパスの基本、立川選手にオフロードパスの練習を教えてもらった」と大喜び。日本代表選手らを目の前に「うれしいけど緊張する」と胸を躍らせた。自身の目標は「日本代表になること」。両親は「日本代表になる方は人となりも素晴らしい。技術面はもちろん、そういう部分も見て何か感じてくれたら」と目を細めた。
 
ロッカールームでは日本代表選手が試合で着用したジャージーを着て記念撮影

ロッカールームでは日本代表選手が試合で着用したジャージーを着て記念撮影

 
憧れの選手にサインをもらって記念撮影!

憧れの選手にサインをもらって記念撮影!

 
トークショーでは参加者からのさまざまな質問に答えた

トークショーでは参加者からのさまざまな質問に答えた

 
 今回の企画は立川、垣永両選手が発案。「コロナ禍でもファンとのつながりを」と、2人で始めた音声配信「ハルのいろり話」内で構想が持ち上がった。番組グッズの販売収益を東日本大震災の被災地のために役立てたいとの思いもあり、釜石市を最初の開催地に選んだ。幅広い世代がラグビーを楽しむ姿に、「これがやりたかったこと。実現できてうれしい。トップ選手との触れ合いで、日本代表やリーグワンの選手を目指す子が増えれば」と立川選手。今後は年1回程度の開催を目指し、「ラグビーが盛んでない地域でもできれば」と思いを膨らませた。

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晴れ舞台へ決意 全国に挑む釜石市内の児童生徒ら市長表敬 「悔いが残らないよう頑張る」

全国、東北大会での活躍を誓う釜石市内の小中高生

全国、東北大会での活躍を誓う釜石市内の小中高生

  
 スポーツの全国大会や東北大会に出場する釜石市内の小中学生、高校生らは7月29日、市役所を訪れ、野田武則市長らに晴れの舞台での活躍を誓った。野田市長は「懸命に取り組んできた分、得られものがある。持っている力を出し切って悔いのない大会に」と激励した。
  

インターハイ、高総祭、定通制大会へ釜石高生が意気込み

  
野田市長(左)に大会出場を報告した釜石高の選手代表ら

野田市長(左)に大会出場を報告した釜石高の選手代表ら

  
 四国4県を中心に開催中の2022年度全国高校総合体育大会(インターハイ)、東京都で行われる全国高等学校総合文化祭(高総祭)や全国高校定時制通信制体育大会に釜石高から9人が出場する。
   
 インターハイは空手道男子団体組手に7人が挑む。主将の佐藤蓮太君、岩間武蔵君(ともに3年)は個人組手にも出場。佐藤君は「練習してきたことを最大限出し切ってくる」、岩間君は「高校生活最後の大会。悔いが残らないよう全力を尽くす」と意欲を見せた。
  
 高総祭の弁論部門には千代川陽琉(はる)さん(2年)が参加。「『ガラスの壁』の向こうへ」と題し、ジェンダー平等への思いを発信する。「順位にこだわらず、自分の声を届けてきたい」と胸を張った。
  
 同校定時制の佐藤峻平君(1年)はバドミントン県代表選手団の一員として、個人戦に臨む。「これまで応援してくれた方の期待に応えられるようベストを尽くしたい」と抱負を語った。
 
全国大会に臨む決意を伝えた高校生を野田市長が激励

全国大会に臨む決意を伝えた高校生を野田市長が激励

   
佐藤君、岩間君を除いた空手道の出場者は次の通り。
▽男子団体組手=松田郷佑、坂本嘉之(2年)倉澤威琉、菊池遼誇、岩間瑛心(1年)
▽男子個人形=坂本嘉之
  

釜石、甲子中生は東北大会へ 全国切符を決めた釜石小児童の報告も

  
県大会の成績を手に市役所を訪れた小中学生

県大会の成績を手に市役所を訪れた小中学生

  
 東北各地で開かれる東北中学校体育大会には4競技に釜石中、甲子中から計25人が参加する。釜石中のバスケットボール男子(15人)は、県中総体の決勝で石鳥谷(花巻)と対戦し、延長までもつれる激闘を制して初優勝。キャプテンの鈴木琥太郎君(3年)は「感謝の気持ちを大事にしながら戦い、勝ちにいく」、小澤歩武君(同)は「目標のベスト4達成に向け頑張る」と闘志を燃やした。
  
 釜石中からは剣道男子団体に8人が参加。主将の山陰皇騎(おうき)君(同)は「応援されるチームを目標に最後まで全力でプレーする」と決意を語った。個人戦にも出る佐藤謙眞君(同)は既に全国切符を獲得。小学生の時にも全国大会に出場したが、1回戦で敗退していて、「今度は1回勝って、いい報告ができるようにしたい」と意気込む。柔道男子個人66キロ級に臨む佐々木孝一郎君(2年)は「初めての東北大会。負けないよう頑張る」と気合を入れた。
  
 甲子中の白岩優一朗君(2年)は水泳男子50メートル・100メートル自由形に出場。「練習は大変だけど、タイムが伸びるとうれしい。自己ベストで決勝に残れるよう頑張りたい」と背筋を伸ばした。
  
 7月に開催された県小学校陸上競技交流大会の男子5年100メートルで優勝した釜石小の志士富輝(しととみ・ひかる)君は、8月下旬に神奈川県で開かれる全国小学生陸上競技交流会への出場を報告。「ベスト8に残りたい」と目標を設定した。
  
大会出場に向けた意気込みを伝えた小中学生

大会出場に向けた意気込みを伝えた小中学生

  
出場報告に訪れた選手を除く東北大会参加者は次の通り。
▽バスケットボール=田村優空、小川裕輝、大瀧路羽、長谷川寛太、藤原大成、井上凰、小山多聞、押切康大(3年)川村惺雅、永澤泰雅、小原大空、川口竜馬、堀切奏汰(2年)
▽剣道=岩﨑暖、藤原悠生、宮本一輝(3年)菊池一颯(2年)山陰宗真、平松颯介(1年)

後半24分、齊藤のこの日2本目のトライで逆転

ラグビー女子日本代表 釜石・うのスタで初のテストマッチ 南アフリカに勝利

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ラグビー女子テストマッチ初戦 日本―南アフリカ=24日、釜石鵜住居復興スタジアム

 
 10月のラグビー女子ワールドカップ(W杯)に向けたテストマッチが24日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。世界ランキング12位の日本代表が同13位の南アフリカ代表と初めて対戦し、15-6(前半5-6)で勝利した。日本代表の国内でのテストマッチは5年ぶり。同スタジアムでは初の女子ラグビー国際試合開催となった。
 
 10日から同市で強化合宿を行ってきた女子日本代表。4戦が予定されるテストマッチの初戦を、2019年のW杯(男子)会場となった同スタジアムで迎えた。日本は前半9分、じわじわと相手ゴールに迫り、最後は密集から隙を突いてフランカー齊藤聖奈がトライ。5-0と先制した。その後、南アに2本のPGを決められ、5-6で折り返した。
 
 後半24分には、再びゴールライン付近の攻防から齊藤が抜け出しトライ。ゴールも決まって12-6と逆転した。29分、PGで追加点を挙げた日本は南アをノートライに抑え、15-6で勝利。今後に弾みがつく白星発進となった。
 
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後半の攻防。果敢に攻めるフランカー齊藤聖奈(手前右)

 

後半24分、齊藤のこの日2本目のトライで逆転

後半24分、齊藤のこの日2本目のトライで逆転/撮影:西条佳泰(株式会社Grafica)

 

 2トライを挙げた齊藤選手は「自信を持ってFWでどんどん前に出ていった結果。4年前に比べ、フィジカルは断然、強くなっている。日本も世界レベルに追い付いてきた」と手応えを実感。プロップ南早紀主将は「自陣の苦しい場面でも(強化してきた)攻めるディフェンスで、相手の得点を抑えることができた。ただ、ペナルティーで相手にボールを渡してしまう場面が多くあったのは反省点」とし、次戦に向けた課題の修正を見据えた。
 
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フィジカルが強みの南アフリカに日本FWも負けずに応戦

 
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赤と白の“サクラフィフティーン”ジャージーなどを身に着け、熱いエールを送る観戦客

 
 スタンドでは県内外から訪れた約850人が観戦した。仕事で青森県三沢市に滞在中の樺井仁司さん(50)は元ラガーマン。「女子の試合は初めて見るが、スピードもコンタクトも迫力があった。日本代表にはW杯で予選突破し本選に進んでほしい」と期待。釜石市平田町の50代女性は「接戦の末、勝ち切ったところが面白かった」と、初の女子ラグビー観戦を堪能。「釜石でもこんなにいい試合が見られる。せっかくのスタジアム。市民にもっと足を運んでもらい、釜石のラグビー熱がさらに高まっていけば」と強く願った。
 
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初めて女子ラグビーを観戦した人たちはその迫力に圧倒された

 
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大漁旗を振って選手らをねぎらう地元の応援団

 
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笑顔で健闘をたたえ合う両チームの選手

 
 同テストマッチは30日に南アフリカ戦(埼玉県)、8月20、27日にアイルランド戦(静岡県、東京都)が行われ、W杯出場への代表選考が進められる。

ラグビー女子日本代表 釜石で2年目の強化合宿 地元の温かい歓迎に感謝

 
ラグビー女子15人制釜石合宿練習公開=20日、復興スタジアム/撮影:西条佳泰(株式会社Grafica)

ラグビー女子15人制釜石合宿練習公開=20日、復興スタジアム/撮影:西条佳泰(株式会社Grafica)

 
 ラグビー女子15人制の釜石合宿(強化・TID合同)は、昨年8月、W杯アジア最終予選に向け行われたのに続き2回目。日本代表候補約50人が10日から、釜石鵜住居復興スタジアムや根浜シーサイド多目的グラウンドなどで練習を重ねた。
 
 24日のテストマッチに向け最終調整に入った20日は報道陣に練習を公開。合宿に参加した大槌町出身のバックス平野恵里子選手(アザレア・セブン、釜石高―日体大)は「(2度目の)W杯出場を目指し、自分の強みをしっかりアピールしていきたい」と意気込んだ。平野選手は前回2017年のW杯で代表入り。20年11月から半年間、スペイン1部リーグのチームでプレーした。24日の試合はメンバー入りせず、スタンドから試合を見守った。
 
女子15人制強化合宿に参加した平野恵里子選手(大槌町出身)/撮影:西条佳泰(株式会社Grafica)

女子15人制強化合宿に参加した平野恵里子選手(大槌町出身)/撮影:西条佳泰(株式会社Grafica)

 
 ロック玉井希絵選手(三重パールズ、松阪高―関西学院大)は釜石の練習環境について、「気候が涼しく練習しやすい。自分たちの実力を確認しながらできている」と好印象。市民の温かい歓迎にも感謝し、「私たちの前へ前へ進む姿が被災地の皆さまの明日へのエネルギーになれば。釜石市民の前向きな姿勢から私たちもパワーをもらっている」とスポーツがつなぐ縁を喜んだ。
 
 女子日本代表のW杯出場は2大会連続5回目。10月にニュージーランドで開幕し、12チームが出場する。日本は1次リーグでカナダ、アメリカ、イタリアと同組。