3年ぶりに開催された釜石東ロータリーカップ小学校対抗タグラグビー大会
釜石東ロータリーカップ2022第4回釜石市小学校対抗タグラグビー大会は13日、釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。釜石ラグビー応援団(中田義仁団長)が主催。市内4校から4年生以上で結成する12チームが参加し、優勝を目指して熱戦を繰り広げた。3年生以下は楕円のボールに親しみ、ラグビーの面白さを体感。2019年のラグビーワールドカップ(W杯)会場となった同スタジアムを、約140人が元気いっぱいに駆け回った。
新型コロナウイルス感染症の影響で2年間の中止を経ての開催。開会式では平田小6年の三浦孝太郎君が「ラグビーのまち釜石に生きる小学生として、みんなでラグビーの楽しさを味わえることに感謝し、チームワークを大切に全力でプレーすることを誓う」と宣誓した。震災復興支援への感謝の気持ちを歌い継ぐ「ありがとうの手紙」を全員で合唱。大会が幕を開けた。
高らかに選手宣誓する平田小6年の三浦孝太郎君
紅葉に囲まれたスタジアムで大会を楽しんだ児童
甲子、平田小は各2チーム、小佐野、鵜住居小は各4チームを結成して出場。釜石シーウェイブス(SW)ジュニア(3~5年)の1チームがオープン参加した。2ブロックに分かれて予選リーグ(試合時間6分)を行い、それぞれ上位2チームが決勝トーナメント(前後半5分)に進んだ。選手らは仲間や家族の応援を受けながら練習の成果を発揮。相手にタグを取られないよううまくかわしたり、味方への効果的なパスなどでボールを前に進めトライを勝ち取ると喜びの笑顔を広げた。
腰に付けた相手タグを取るのがタックルの代わり
年代や男女を問わずラグビーの面白さを味わえるタグラグビー
決勝は鵜住居小同士の対戦。互いの手の内を知る両チームだが、絶妙なボール運びなどで相手を寄せ付けずトライに持ち込んだ「鵜小JETS」が「鵜小マングース」を10―0で破り、優勝を手にした。鵜住居小は3位以上を独占する活躍を見せた。
優勝したJETSのキャプテン千葉龍希君(6年)は「1回も負けないで優勝できた。決勝は目標の10点を取ることができてうれしい」と完全勝利に胸を張った。12月18日には県知事杯兼サントリーカップ県大会(奥州市水沢・Zアリーナ)に出場する。「今日はタグミスやトライを許すところもあったので、次の大会までに完璧にできるよう修正していきたい。優勝を目指す」と気を引き締めた。同大会には鵜住居小から4チームが出場する予定。
決勝は、鵜小JETS(赤ビブス)と鵜小マングース(黄同)の対戦
確実なパスなどで得点を重ねたJETS(赤)
1~3位を独占した鵜住居小。12月の県大会出場に向け弾みをつけた
大会に初めて参加した小佐野小の佐野友悠君(6年)は「タグラグビーは敵の防御を抜けると全力で走れるのが気持ちいい。みんなで協力してゴールまでいけるとすごく楽しいなって思う」。自身は最終学年で大会は最後となったが、後輩たちに向け「これからも協力し合って、大きい大会で優勝してほしい」とエールを送った。
同大会はラグビーW杯の機運醸成を図る一環で17年に開始。年々、参加人数も増えてきていた中でコロナ禍に見舞われた。第3回大会まで釜石東ロータリークラブが主催していたが、本大会から釜石ラグビー応援団が主催を引き継いだ。市、市ラグビーフットボール協会、釜石SWRFCが全面協力するほか、市内外のボランティアが運営を支える。
子どもたちの健全育成、「ラグビーのまち釜石」への意識付けにつながるタグラグビー大会
中田団長(大会長)は「2年のブランクはあったが、今回また一からスタートしたいという思いもあり、再開を決めた。子どもたちが笑顔でのびのびとプレーする姿が見られて良かった。競技を楽しんだ思い出は、ラグビーのまちへの誇り、地元愛にもつながっていくと思う。ラグビー人口の底辺拡大という意味でもさらに多くの子どもたちに参加してほしい」と願った。