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色鮮やかな作品が並ぶひなまつり展。来場者の目を楽しませている

華やかつるし飾りに「春を感じて」 手芸教室の女性ら、釜石でひなまつり展

色鮮やかな作品が並ぶひなまつり展。来場者の目を楽しませている

色鮮やかな作品が並ぶひなまつり展。来場者の目を楽しませている

 

 釜石市大町の市民ホールTETTOギャラリーで、釜石や大槌町の女性たちが制作した人形などを紹介する「ひなまつり展」が開かれている。色鮮やかな作品が並び、会場は華やいだ雰囲気。手作りで温かみのある、ひな人形を見つめる人たちが春の暖かさを先取りしている。3月6日まで。

 

 同ホールの主催。ミシン・手芸用品の販売などを行う大町のニコー商会が協力し、同社の里舘恭子さん(61)が2市町で実施する手芸教室に通う50~80代の女性25人ほどが出品。花や動物などが連なるつるし飾りや壁掛け、ちりめん細工の干支(えと)、大小さまざまな人形など200点余りが並んでいる。

 

華やいだ雰囲気のつるし飾りを見つめる人たちにも笑顔が広がる

華やいだ雰囲気のつるし飾りを見つめる人たちにも笑顔が広がる

 
手作り感が魅力のちりめん細工。色とりどりの花が春らしさを感じさせる

手作り感が魅力のちりめん細工。色とりどりの花が春らしさを感じさせる

 

 同じ題材でも作り手によって色合いや表情はさまざま。子どもや孫の成長を願ったり、季節を感じてもらえたら―と、一針一針に込めた思いもそれぞれ。個性がにじむ温かみのある作品ばかりだ。

 

「どんな思いが込められているのかな?」と想像しながら楽しむ

「どんな思いが込められているのかな?」と想像しながら楽しむ

 
愛らしい表情の人形がずらり。今年のえと「トラ」も並ぶ

愛らしい表情の人形がずらり。今年のえと「トラ」も並ぶ

 
 出品者の一人、平田の70代女性は端午の節句にちなんだつるし飾りも作り、「女の子も、男の子も、みんな健やかに大きくなってほしいからね」と願いを託す。毎週木曜日の釜石教室で手芸好きの仲間と集うのを楽しみにしていて、「おしゃべりできるのがいい。ストレス解消になる」と目を細めた。

 

手を動かしつつ会話も弾ませる手芸教室=2月10日、釜石市大町・ニコー商会

手を動かしつつ会話も弾ませる手芸教室=2月10日、釜石市大町・ニコー商会

 

 里館さんは「コロナ禍、少しでもほっこりしてもらえたら。一つひとつ表情が違う作品を見て、春の気分を味わってほしい」と来場を呼び掛ける。手芸教室への参加を随時募集中。問い合わせは同社(電話0193・24・2366)へ。

広報かまいし2022年3月1日号(No.1779)

広報かまいし2022年3月1日号(No.1779)

広報かまいし2022年3月1日号(No.1779)

 

広報かまいし2022年3月1日号(No.1779)

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【P1】
3月11日追悼行事
東日本大震災犠牲者追悼式 他
【P2-3】
市長挨拶 他
【P4-5】
新型コロナワクチン接種(3回目接種)
【P6-7】
まなびぃ釜石
【P8-11】
税の申告期限・納期限
まちのお知らせ 他
【P12】
釜石シーウェイブスRFCリーグ戦 3~4月釜石開催

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釜石市

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専用ヘッドマークを付け運行する「ブルズ列車」

復興祈念試合へ三鉄が応援列車運行 岩手ビッグブルズ(バスケ)とコラボ

専用ヘッドマークを付け運行する「ブルズ列車」

専用ヘッドマークを付け運行する「ブルズ列車」

 

 三陸鉄道(中村一郎社長)は、3月に釜石、宮古両市で復興祈念試合を行うプロバスケットボールチーム・岩手ビッグブルズ(水野哲志社長)を応援しようと、21日から「ブルズ列車」の運行を開始した。専用ヘッドマークを装着した列車は、3月末まで久慈―盛間を毎日運行(1日2往復程度)。東日本大震災から11年となる沿岸被災地を両社のタッグで力付ける。

 

 21日、釜石駅で出発式が行われた。中村社長は6連勝中のブルズのさらなる活躍に期待。「沿岸の皆さんにもぜひ生で試合を見てほしい。列車に乗って会場に足を運び、たくさんの応援を」と呼び掛けた。水野社長は「震災の4カ月前に発足したチームも11年が経過。常に復興を意識し活動してきた。私たちの思いを乗せた列車が走ってくれるのは感動」と喜んだ。関係者のテープカットで運行開始を祝った。

 

三陸鉄道釜石駅駅舎前で出発式が行われ、テープカットで運行開始を祝った

三陸鉄道釜石駅駅舎前で出発式が行われ、テープカットで運行開始を祝った

 

 同列車のヘッドマークには、チームの願い「三陸と共に」という言葉と復興祈念試合の日程が記される。車内には選手15人を紹介するポスターを掲示。顔写真に直筆サインとそれぞれの鉄道や電車の思い出が添えられている。

 

選手のサイン入りポスターで彩られる車内。チームカラーの赤が視線を集める

選手のサイン入りポスターで彩られる車内。チームカラーの赤が視線を集める

 

ポスターには各選手の列車の思い出が添えられる

ポスターには各選手の列車の思い出が添えられる

 

 水野社長と式に出席し、車内を初めて見学した大澤歩選手(30)は「ここで選手を覚えて、会場で実物を楽しんでは」とコラボ企画に笑顔。自身は静岡県出身で、ブルズに移籍して1年目。「復興への思いが強く、共に成長してきたチームだと感じる。3月の祈念試合は何が何でも勝つ。皆さんに勇気と希望を与えられるような試合をしたい」と意気込む。

 

列車内を見学する岩手ビッグブルズの水野哲志社長(左)と大澤歩選手

列車内を見学する岩手ビッグブルズの水野哲志社長(左)と大澤歩選手

 

 復興祈念試合は、日本プロバスケットボール男子Bリーグ3部(B3)に所属するブルズのホーム戦。3月12、13日は宮古市民総合体育館でアルティーリ千葉と、26、27日は釜石市民体育館で東京八王子ビートレインズと対戦する。試合当日、三陸鉄道を利用して会場を訪れた人には、記念缶バッジをプレゼントする。

 

三鉄に乗って会場を訪れた人にプレゼントする缶バッジ。受け取り方は後日、両社のHPで告知

三鉄に乗って会場を訪れた人にプレゼントする缶バッジ。受け取り方は後日、両社のHPで告知

 

 震災後、本県沿岸の被災地で復興祈念試合を継続してきたブルズ。釜石市では2019年12月、鵜住居町に新設された市民体育館のこけら落としで初めて試合を行った。21年2月には、震災10年を機に作成した、同市出身アーティスト小林覚さんの作品をデザインした特別ユニフォームを着用し、試合に臨んだ。今季のユニフォームにも小林さんの作品が採用されており、宮古、釜石両会場の試合で身に着ける。

震災復興への貢献で釜石市から感謝状を受けた市内団体の代表ら(前列)

震災復興支援に感謝 釜石市が市内79非営利団体に感謝状贈呈

震災復興への貢献で釜石市から感謝状を受けた市内団体の代表ら(前列)

震災復興への貢献で釜石市から感謝状を受けた市内団体の代表ら(前列)

 

 釜石市は18日、「東日本大震災復興支援感謝のつどい」を市内のホテルで開き、復興推進に貢献した地域の非営利団体に感謝状を贈った。これまでの復興の歩みを振り返り、今後の支援の在り方を考える意見交換も行われ、会場の模様はユーチューブチャンネルで生配信された。収録映像は3月31日まで配信される。

 

 新型コロナウイルス感染拡大を考慮し、出席者を約20人に制限して開催。感謝状を贈呈する市内79団体のうち5団体の代表が出席し、野田武則市長から感謝状を受け取った。震災直後からボランティアの受け入れや支援活動のコーディネート、被災住民の心のケアなどに取り組んできた各団体。野田市長は「行政だけでは手が届かない部分に尽力してくれたおかげで、ここまで復興が成し遂げられた」と労をねぎらい、市民を代表して感謝の気持ちを伝えた。

 

釜石市社会福祉協議会など5団体に感謝状を贈呈(写真右は社協の丸木久忠会長)

釜石市社会福祉協議会など5団体に感謝状を贈呈(写真右は社協の丸木久忠会長)

 

復興10年の歩みを振り返り、今後の支援の在り方を考えた意見交換会

復興10年の歩みを振り返り、今後の支援の在り方を考えた意見交換会

 

 映像で同市の復興の歩みを振り返った後、5団体の代表と市の幹部職員らが意見交換。支援活動の内容やこの10年で感じたことを共有し、今後の支援について意見を交わした。

 

 釜石市社会福祉協議会によると、同社協が震災直後から開設したボランティアセンターを通じて活動した人は延べ約9万2千人(2020年度末まで)。菊池亮地域福祉課長は、同市におけるボランティア精神の根付きに確かな手応えを実感。丸木久忠会長は震災復興支援を機に、愛知県東海市や東京都荒川区の社協と災害時相互支援協定を結んだことを挙げ、平時の交流促進にも期待を寄せた。

 

 アットマークリアスNPOサポートセンターは、国際NGOなど外部の支援者と地元支援団体をつなぐ役割を担ったほか、市民の協力を得て仮設住宅の見守り活動を行った。川原康信事務局長は「外部支援の受け入れでは、地域の事情を知る地元組織が中間的役割を担うことでトラブル回避につながる」と話した。

 

震災後の支援活動で感じたことを話す市内団体の代表ら

震災後の支援活動で感じたことを話す市内団体の代表ら

 

野田武則市長と市幹部職員らが各団体の話に耳を傾けた

野田武則市長と市幹部職員らが各団体の話に耳を傾けた

 

 釜石支援センター望は仮設、復興住宅でのサロン活動やイベント開催で、住民のコミュニティー形成を後押ししてきた。ここ数年の課題として挙げたのは「支援者の高齢化」。活動を支えるボランティアは今後、減少が見込まれ、担い手不足が懸念される。海老原祐治センター長は「今までのボランティア活動は被災地が作った1つのレガシー(遺産)。これからも続けていけるしくみを市と協力して考えていければ」と願った。

 

 カリタス釜石はカトリック釜石教会(大只越町)を拠点に、ボランティアの受け入れやお茶っこサロンの開設などを行った。道又譲理事は「ボランティアで釜石に来た人たちからまた行きたいとの声をいただく。コロナが収まったら、復興した釜石に来てほしい」とし、まちの魅力発信など新たな形の活動を模索する。

 

 NPOおはこざき市民会議は、箱崎半島部8漁村集落の復興を目的に設立。ハード、ソフト両面の課題解決に取り組んできた。漁業体験、海産物を生かした特産品開発、郷土料理講習会などを継続し、水産業の振興、地域活性化につなげる。佐藤啓太理事長は「漁業体験が海の仕事への関心を高め、将来の担い手育成にもつながっていけば」と期待する。

 

震災から10年が経過し、今後の支援活動はどうあるべきかについても意見を交わした

震災から10年が経過し、今後の支援活動はどうあるべきかについても意見を交わした

 

 各団体が釜石の支援活動の特長としたのが「行政と民間の連携」。市社協は「市のさまざまな部署と情報交換を密にすることで支援ニーズを把握できた」、支援センター望は「行政と社協、各団体の協働が“釜石モデル”として注目されている」とし、これらの経験を未来に生かすことを望んだ。

 

 「コロナ禍で外出機会が減り、心身が衰えてしまう人が多い」との指摘も。今後は被災地域以外にも目を向け、住民の健康づくり、コミュニティー再構築などに取り組んでいく必要があるとの認識も示された。

ウメの木の剪定を学ぶ参加者=釜石市片岸町で

ウメ栽培技術向上へ 生産者ら講習会 剪定作業のポイント学ぶ

ウメの木の剪定を学ぶ参加者=釜石市片岸町で

ウメの木の剪定を学ぶ参加者=釜石市片岸町で

 

 釜石地方梅栽培研究会(前川訓章会長、会員23人)は10日、ウメ栽培の技術講習会を釜石市片岸町の圃(ほ)場などで開いた。安定生産に向けた栽培管理、技術向上を図るため、剪定(せんてい)に適した開花前のこの時期に開いているもので、会員ら約20人が参加。大船渡農業改良普及センター上席農業普及員の昆悦朗さん(53)が座学と実技でポイントを伝えた。

 

 実技講習は会員の山﨑ハル子さんの圃場(約300坪)で行われた。昆さんは剪定の目的について、▽樹勢の調整▽日照条件の改善▽病害虫の発生予防-などと説明。特に重要なのは「作業性の改善」で、樹高を下げ、日当りをさえぎるような枝を整理することで管理がしやすくなると助言した。

 

 「分かっていても、なかなか切ることができない」と会員ら。昆さんはノコギリやハサミを手に「木の勢いを確認し、軸となる枝を決める。流れに逆行している枝は思い切って間引く」などと話しながら、剪定を実演した。

 

ほころび始めた可憐な白い花に会員は意欲を高める=釜石市片岸町で

ほころび始めた可憐な白い花に会員は意欲を高める=釜石市片岸町で

 

 講習場所の畑を管理するのは山﨑さんの息子、元市さん(71)で、40本ほどのウメの木を育てる。日当たりのいい場所にあり、花が2、3輪ほころんでいるものも。「両親が道楽で始めたウメ栽培。自宅でウメを漬けるくらいで、素人も同然。毎年やってみなきゃ、分からない」と試行錯誤している。ポイントを教わる機会になり、「実がなるよう、樹形をイメージしながら枝を切っていく」と、木を見上げた。

 

 座学は鵜住居町の鵜住居地区生活応援センターで行い、剪定や施肥、病害虫防除など栽培管理の技術を学んだ。同会事務局、小川町の酒造会社浜千鳥の奥村康太郎さんが梅酒製造など、ウメを活用した取り組みを報告。梅酒で使われた実の2次利用について、会員らに意見を求める場面もあった。

 

講師の説明を熱心に聞く参加者=釜石市鵜住居町・鵜住居地区生活応援センター

講師の説明を熱心に聞く参加者=釜石市鵜住居町・鵜住居地区生活応援センター

 

 梅酒の原料として、浜千鳥がウメの集荷を始めたのは2010年。当初は生産・出荷者の入れ替わりが多く、不作の年にも当たるなど収量が安定しなかった。同会が設立した14年以降は出荷者が20人前後に定着。2トン弱だった収量は近年、5トン超となる年もあり、講習会の成果が出始めている。同社によると、安定的な梅酒製造には6~7トンが必要で、「生産者の拡大や技術の向上など継続的な取り組みを進めたい」としている。

 

 今年は6月中旬から7月上旬の集荷を見込む。前川会長(75)は「いいウメを育てるには手入れが必要。手間暇はかかるが、楽しみながら生産を続ける。仲間を増やし、地域資源を活用していきたい」と前を向いた。

広報かまいし2022年2月15日号(No.1778)

広報かまいし2022年2月15日号(No.1778)

広報かまいし2022年2月15日号(No.1778)
 

広報かまいし2022年2月15日号(No.1778)

広報かまいし2022年2月15日号(No.1778)

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【P1】
表紙
【P2】
成人式ギャラリー・まちの話題
【P3-7】
【特集】菊池流帆選手 
【P8-9】
新型コロナワクチン3回目接種
【P10-11】
市・県民税の申告
成年年齢の引き下げに伴うトラブルへの注意喚起 他
【P12-14】
こどもはぐくみ通信
市民のひろば 他
【P15-17】
まちのお知らせ
【P18-19】
保健だより
【P20】
東日本大震災犠牲者追悼式
会計年度任用職員の募集

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釜石市

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自治体と大学の連携事例を紹介するフォーラム

地域振興へ連携深化 釜石市と岩手大フォーラム 成果示すパネル展も

自治体と大学の連携事例を紹介するフォーラム

自治体と大学の連携事例を紹介するフォーラム

 

 岩手大学地域連携フォーラム(岩手大、釜石市主催)は3日、釜石市大町の市民ホールTETTOで開かれた。新型コロナウイルスの流行が続く中、オンライン配信を取り入れて行い、会場参加と合わせて約100人が聴講。「ポストコロナにおける新しい地域連携・課題解決-デザイン思考の活用」をテーマに、連携事例の紹介や研究成果の報告、パネル討論が行われた。

 

 同大は2001年に締結した相互協定に基づき、釜石市と共同研究に取り組むとともに、市の職員を大学の共同研究員として受け入れ、多くの分野で連携を重ねてきた。震災後に釜石サテライトを設け、13年には三陸水産研究センターを設置。18年からは農学部食料生産環境学科水産システム学コースの学生が釜石キャンパスを拠点として研究活動に取り組んでいる。20年度には両者と民間企業などが連携し、釜石湾でサクラマスの養殖試験を始めた。

 

学生や教授らの成果報告に耳を傾けた参加者

学生や教授らの成果報告に耳を傾けた参加者

 

 現在、釜石に在住し水産分野の研究や地域連携活動に取り組んでいる学生は24人。同コース4年の古澤直哉さんが、市学生活動支援事業補助金を活用し企画展開した出前授業、定置網見学とすし作り体験ツアーなど市民との交流活動について報告した。魚食の魅力や海の豊かさを発信できたと成果を強調。「企画した交流活動が成功した時の喜びや事前準備の大切さを実感。社会人としての助走の機会になった。人とのつながりを得て、釜石への愛着も湧いた」と充実感を見せた。

 

共同研究員の役割や取り組み事例を報告する佐々木千里さん

共同研究員の役割や取り組み事例を報告する佐々木千里さん

 

 5代目共同研究員として20年4月から同大に派遣されている市職員の佐々木千里さんは、歴代研究員が手掛けた連携事例を紹介。研究員が大学の知見を得たい市内企業と同大を結ぶ窓口となることで、スムーズな連携相談、関係構築が可能になるとし、「効率的、効果的な取り組みができるよう調整役を担っていく」と意欲を示した。

 

 同大理工学部教授らが、商品販売やまちづくりなどのさまざまな課題を解決するための思考方法「デザイン思考」をテーマにした地方創生の取り組み、SDGs(持続可能な活動目標)活動の事例を紹介。釜石の老舗和菓子会社社長らを加えたパネル討論では、この思考法を取り入れた地域振興と人材育成の在り方を共有した。

 

釜石高の探究活動などがパネル展示で紹介された

釜石高の探究活動などがパネル展示で紹介された

 

 文科省のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定されている釜石高はオンラインで参加し、郷土芸能「虎舞」の起源など地域に関わる探究活動の成果を発表した。クジラ資源の利用をテーマに研究に取り組んだグループは「捕鯨問題は世界各国の文化の違いがあり解決は難しいが、全身を余すところなく利用できるクジラは重要な海洋資源となりうる」と考察した。 

 

 同大の小川智学長は「今後も三陸地域の活性化のため、教育をテーマにさまざまな活動を継続する」と強調。野田武則市長は「大学が持つ知に期待。地域振興に向け連携を深めたい」と望んだ。

竹灯籠作り体験=1月30日・根浜レストハウス

3・11追悼、防災の思い新たに 市民手作りの竹灯籠を根浜の避難階段へ

竹灯籠作り体験=1月30日・根浜レストハウス

竹灯籠作り体験=1月30日・根浜レストハウス

 

 東日本大震災から間もなく11年―。震災の津波で大きな被害を受けた釜石市鵜住居町根浜地区で、犠牲者の追悼と防災への願いを込めた竹灯籠を避難階段に設置する準備が進む。根浜海岸観光施設「根浜シーサイド」を管理するかまいしDMC(河東英宜社長)が企画。1月29、30の両日、敷地内のレストハウスで市民向け製作体験会が開かれた。完成した竹灯籠は2月12日に点灯式を行い、震災命日の3月11日までの間、毎週土・日曜、祝日と11日当日、午後5時から同7時までともされる。

 

竹灯籠をともす避難階段(111段)。両側の手すり沿いに設置する

竹灯籠をともす避難階段(111段)。両側の手すり沿いに設置する

 

 竹灯籠は、同施設キャンプ場と高台の市道箱崎半島線をつなぐ避難階段に計46本ともす予定。箱崎町仮宿の住民から寄付された直径10センチ弱の青竹約10本を切り分けて製作。体験会には家族連れなど、2日間で約50人が参加した。取り組んだのは、明かりが漏れるよう竹に穴を開ける作業。模様が描かれた型紙を竹に貼り、電動ドリルの刃を替えながら大きさの違う穴を開けた。持ち帰り用に丈の短い灯籠も作った。

 

スタッフから電動ドリルの扱い方を学ぶ親子

スタッフから電動ドリルの扱い方を学ぶ親子

 

どんな模様になるのかな?お母さんの作業に興味津々の女の子

どんな模様になるのかな?お母さんの作業に興味津々の女の子

 

 平田の福士大成君(8)は家族5人で参加。「ドリルで穴を開ける時の手に伝わる振動がすごく面白い」と夢中。「3・11」や自分の名前も上手に刻んだ。生まれる前に起こった大震災。学校の防災授業や祖母らの話を聞いて、その悲しみや教訓を心にとどめてきた。「自分の命は自分で守り、できれば他の人の命も守りたい」と大成君。母親の優さん(38)は「3・11が近づくと子どもの方から震災のことを聞いてくる。小さいころから復興の様子を少しずつ見ていた。意識してくれているのかな」。大成君が自ら刻んだ「3・11」の文字を感慨深げに見つめた。

 

「3・11」への思いを込め、熱心に作業する福士大成君(中央)

 「3・11」への思いを込め、熱心に作業する福士大成君(中央)

 

家族で参加した福士さん一家。出来上がった灯籠を手に記念の一枚!

家族で参加した福士さん一家。出来上がった灯籠を手に記念の一枚!

 

 観光施設は、被災住民が高台移転した後の集落跡地に整備。キャンプ場のほか天然芝の広場や大型駐車場を備え、2019年8月にオープンした。これまで地震や津波発生時の避難経路は、車両通行が可能な生活道路と近くの神社境内から市道に上がる2ルートだったが、昨春、キャンプ場から直接駆け上がれる避難階段が整備された。

 

 かまいしDMC地域創生事業部の佐藤奏子さん(根浜・箱白地域マネジャー)は「キャンプ場が満区画になると、100人近くがここにいることになる。迅速に避難できる階段を皆さんに知ってもらえたら。3・11に向け、変わらない追悼の思いを共有しながら、防災への意識を高める機会にしたい」と話す。

 

避難階段に設置する竹灯籠。点灯式は2月12日(土)午後5時~

避難階段に設置する竹灯籠。点灯式は2月12日(土)午後5時~

 

 竹灯籠の明かりはLED豆電球を使用。電力は地域から出る廃食油を精製したバイオディーゼル燃料で発電。二酸化炭素を排出しない環境にやさしい燃料で、脱炭素社会実現への願いも発信する。

唐丹公民館で開かれた節分の会。参加者は豆をまいて鬼を退治した

「コロナも鬼も外」鬼退治で世代間交流 きょう節分 唐丹公民館で豆まき

唐丹公民館で開かれた節分の会。参加者は豆をまいて鬼を退治した

唐丹公民館で開かれた節分の会。参加者は豆をまいて鬼を退治した

 

 3日の節分を前に1日、釜石市唐丹町の唐丹公民館で、子どもと住民の交流を図る「節分の会」が開かれた。同館が併設されている復興住宅入居者や地域住民、唐丹児童館の子どもら約30人が参加。新型コロナウイルス退散や1年の健康を願って仲良く豆まきした。

 

 児童館職員と年長の村上波月(はづき)ちゃん(6)が紙芝居で豆まきの由来を説明した後、「心の中にいる悪い鬼を追い出そう」と呼び掛けて豆まきを開始。色画用紙で手作りしたお面をかぶった子どもや高齢のお母さんたちは、こん棒を持った鬼役の住民に向かって「鬼は外」と元気よく豆を投げた。力を合わせて無事に鬼を追い出すと、互いに豆を投げ合い、子どもたちは心の中の「のんびり鬼」「ゲームしすぎ鬼」「言うこと聞かない鬼」、大人は体の不調やコロナ禍の不安を撃退。「残ったのは福の神だ」と明るい声を響かせた。

 

高齢のお母さんたちは子どもたちのかわいらしい姿に顔をほころばす

高齢のお母さんたちは子どもたちのかわいらしい姿に顔をほころばす

 

 さらに福を呼び込もうと、餅つきも。子どもたちは大人の力を借りて「よいしょー」「ソーレ」などと声を掛け合いながら交代できねを振り下ろした。倉又海成ちゃん(5)は「餅をぺったんして楽しかった」とにっこり。鳥居大愛(たお)ちゃん(5)は「おばあちゃんたちとたくさん遊んだ」と満足そうだった。

 

「よいしょ」「ぺったん」と掛け声を合わせて餅つきを楽しむ参加者

「よいしょ」「ぺったん」と掛け声を合わせて餅つきを楽しむ参加者

 

 今春、小学生になる波月ちゃんは「鬼が出てきたときはびっくりしたけど、みんなで倒すことができて良かった」と怖いものを乗り越え、たくましい表情を見せた。復興住宅で暮らす上村ツネ子さん(83)と木村ヨミ子さん(82)は「子どもたちがいると楽しいし、にぎやか。元気をもらって若返る。これからもいろんなことを一緒にやって、コロナを吹き飛ばしたい」と目を細めた。

 

 住民の交流促進、孤立化の予防などを目的に2016年から月例で実施する食事交流会の一環。小正月行事のみずき団子づくりなど季節の行事では今回のように世代間交流も取り入れている。コロナの影響で1年半以上休止。昨年12月のクリスマス会から再開した。今回、子どもたちは食事を控え、おすそ分けされた餅を児童館に持ち帰った。同館の千菅英理子館長は「地域にはいろんな声が響いているのがいい。コロナは長引いているが、うまく付き合っていくしかない。感染対策を徹底し、できるだけ行事は中止せず、交流事業を続けたい」と模索する。

広報かまいし2022年1月15日号(No.1777)

広報かまいし2022年2月1日号(No.1777)

広報かまいし2022年1月15日号(No.1777)

 

広報かまいし2022年1月15日号(No.1777)

広報かまいし2022年2月1日号(No.1777)

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【P1】
虎舞フェスティバル ※開催延期となりました
SL銀河招待企画
【P2-3】
新型コロナワクチン3回目接種
・2回目接種から6カ月で接種可能です
・【遠隔地】送迎バスの運行情報
【P4-7】
各種計画への意見募集
まちのお知らせ
※P4に掲載している後期地域会議・復興まちづくり協議会は開催延期となりました
【P8】
東日本大震災復興支援 感謝のつどい
冬の星空観察会 他

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釜石市の支線部で運行されるコミュニティーバス

釜石市支線部バス4月ダイヤ改正へ 効率運行、利便向上で「住民の足」維持

釜石市の支線部で運行されるコミュニティーバス

釜石市の支線部で運行されるコミュニティーバス

 

 釜石市が市内事業者に委託して運行する支線部バス(4路線)のダイヤが、4月から改正される。利用の少ない便を廃止し、一部区間に新たに予約制を導入。各路線と市教育センター(鈴子町)を結ぶ直通便の復路運行を新設する。料金の一部値上げ、学生への優遇措置も予定。高齢化の進行に伴い、増加が見込まれる運転免許返納者の足の確保、持続可能な公共交通維持のため、地区懇談会(市内18カ所で開催)の意向を踏まえ、事業の見直しを図る。

 

 東日本大震災後の環境変化を受け、2019年6月に再編された市内のバス路線の運行は、国道などの幹線部を岩手県交通が、半島・山間地域の支線部を市が担う。支線部は、鵜住居駅と上平田を幹線との乗り継ぎ拠点とする南北のコミュニティーバス(マイクロバス)、にこにこバス(ハイエース)を運行。ダイヤ改正は20年4月以来、2年ぶりとなる。

 

支線部バスエリア

 

 4路線共通の変更点は2つ。平日の支線部と教育センターを結ぶ直通便(釜石のぞみ病院経由)に同センター発の午後の便を新設し、帰りの足に配慮。1日1往復を確保する。料金は一部区間で100円値上げ。通学利用の負担軽減策として小中高生は上限200円とする優遇措置を講じる。

 

 これまでの利用状況を踏まえ、北部コミュニティーバス(青ノ木・中村方面)は、平日の中村発の始発便と鵜住居駅発の最終便を前後の便に統合。土日祝日の運行は土曜日のみに変更する。南部コミュニティーバス(大石・荒川方面)は、平日の便数を減便(上平田方面行き6→4便、大石・荒川同5→4便)。水曜日の教育センター発の便で、予約による平林への乗り入れを可能とする。

 

市の委託を受けた岩手旅行社が運行する北部コミュニティーバス

市の委託を受けた岩手旅行社が運行する北部コミュニティーバス

 

 箱崎白浜方面から日向、室浜地区を運行するにこにこバスは、箱崎地区の運行経路を見直し、3バス停を新設。片岸、日向地区からの乗車が少ないことから予約制を導入する。尾崎白浜、佐須方面のにこにこバスは、平日の上平田方面行きを1便(午後4時台)減便する。

 

前勝タクシーが委託運行するにこにこバス(箱崎白浜~日向~室浜エリア)

前勝タクシーが委託運行するにこにこバス(箱崎白浜~日向~室浜エリア)

 

 ダイヤ改正を含む2022年度の支線部バス運行計画案は、20日に市民ホールTETTOで開かれた市地域公共交通活性化協議会(会長・晴山真澄副市長、委員31人)で承認された。関係機関への申請、市議会での予算審議を経て4月1日から実施される見通し。

 

支線部バスのダイヤ改正などを承認した市地域公共交通活性化協議会=20日

支線部バスのダイヤ改正などを承認した市地域公共交通活性化協議会=20日

 

 同市の支線部路線は震災以降、仮設住宅を通るバス路線を対象とした国の被災地特例補助金の交付を受け運行してきたが、20年度で同補助は終了。22年度から既存の補助事業を導入し、市の財政負担軽減を図りながら必要な移動手段確保に努めるが、4路線の1便当たりの利用人数は平均1~2人と厳しい状況が続く。担当課の和賀利典生活環境課長は「工夫して効率的な運行体系を構築していく必要がある。将来の路線存続のため、積極的なバス利用を」と呼び掛ける。

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国際協力で地域振興・人材育成を―釜石市とJICA東北、覚書締結

連携に関する覚書を結んだ野田市長(左から2人目)と小林所長(同3人目)、海外協力隊候補生の川松さん(右)ら

連携に関する覚書を結んだ野田市長(左から2人目)と小林所長(同3人目)、海外協力隊候補生の川松さん(右)ら

 

 釜石市と独立行政法人国際協力機構東北センター(JICA東北、宮城県仙台市、小林雪治所長)は14日、国際協力を通じた地域振興や人材育成に取り組むことを目的として「連携に関する覚書」を結んだ。取り組みの第1弾として、JICA海外協力隊の派遣前研修を実施。早速、候補生1人が活動を開始し、海外での協力活動に役立つ地域活性化や地方創生の取り組みについて知見を深める。

 

 JICA東北は東日本大震災の復興支援で釜石入りし、防災や減災のまちづくり、高校生のキャリア教育などに関わる活動で市と協力関係をつないできた。市では、外部との交流で新たな活力を育む「オープンシティ戦略」を掲げ、復興後の持続的成長を導く試みを進めており、今回の覚書もその一環。協働での活動を充実させることで戦略を強化させる。

 

 連携の内容は、▽海外協力隊合格者に対する市内での研修の実施▽帰国した隊員らのIターン促進▽開発途上地域からの技術研修員の受け入れや同地域への専門家の派遣▽市内での国際理解教育や多文化共生の促進-など。最長5年間、取り組みを進める。

 

野田市長(左)と小林所長(右)が覚書に署名した

野田市長(左)と小林所長(右)が覚書に署名した

 

 締結式は釜石市役所で行われ、野田武則市長と小林所長が覚書を取り交わした。野田市長は「復興後の将来を見据えた取り組み、時代の変わり目に合わせた人材が必要になる。互いが持つ知見を生かし、ウィンウィンの形に」と強調。小林所長は「関係人口、UIターンによる人口増加、地域振興の一助になれば。いろんな面で協力を深化させたい」と期待を込めた。

 

 派遣前研修に臨む隊員候補生、川松秀夫さん(61)も同席した。出身地の茨城県で36年間教員(高校)を務め、一昨年定年退職。今年8月以降、理科(専門は生物)分野で南アフリカ共和国への派遣が予定されている。地方創生や地域活性化に関心があり、震災復興の応援にもなればと釜石での研修を希望。高校、大学時代、ラグビーに打ち込んでいたことから、縁も感じている。

 

釜石で研修に臨む意気込みを伝えた川松さん(右)

釜石で研修に臨む意気込みを伝えた川松さん(右)

 

 研修期間は約3カ月間。活動先は市オープンシティ推進室、釜石シーウェイブスRFC、根浜MINDなどで、地域の現状把握や課題解決に向けた事業への理解を深める。川松さんは「地域に溶け込み、コミュニケーションをとりながら状況把握に努める。明るいまちづくりへ貢献できるよう取り組みたい」と意欲を見せた。