釜石発・ラベンダー畑、ただいま整備中! 市民ら植栽 香り、彩り豊かな景色を思い描き
花が香る風景を想像しながら植栽する釜石市民ら
釜石市が整備を進める甲子町の観光農園で10日、ラベンダーの植栽イベントが催された。市、取り組みを後押しするフランスの自然派化粧品メーカーの日本法人「ロクシタンジャポン」(東京都千代田区、木島潤子社長)の共催で、市民ら約150人が参加。地元農家が育てた野菜の販売や木工教室、餅まきなどもあり、豊かな自然の中で交流を楽しんだ。
ラベンダー畑の整備は、釜石の姉妹都市、南仏ディーニュ・レ・バン市でラベンダー栽培が盛んなことがきっかけ。市民が自然に触れる場をつくろうと2021年度に始動し、道の駅釜石仙人峠そばの遊休農地(1.2ヘクタール)で、土づくりと植栽を重ねている。
この取り組みを同社が応援。ディーニュ市が創業者の出身地だったことを縁に東日本大震災の復興支援を継続し、昨年5月には市と観光農園の整備支援を柱とする連携協定を結んでいる。
「ミミズ、見っけ」。苗の植え付けも水やりも楽しんで作業
この日は、みんなで協力し、畑にラベンダー苗約170株を植え付けした。苗は、ディーニュ市から届いた種を地元農家が育成したもの。順調に成育すれば、紫と白の2色のかれんな花を楽しめる。
農園近くに暮らす佐藤節子さん(75)は夫恵寿さん(73)と参加。「ラベンダーはいい香りだし、植えるのも楽しい。元気に育ってほしい」と願った。隣接する市民農園で野菜づくりに挑戦中で、週の半分は通っているといい、「いろいろな人と話したり、情報交換できる場所。花が咲けば、もっといい環境になる。ひとつ楽しみが増えた感じ」と目を細めた。
親子で協力しながら丁寧に苗を植え付けた
かまいしこども園(藤原けいと園長)の年中・年長児約30人がお手伝い。景気づけに、かわいらしい虎舞も披露した。桝澤天真ちゃん(5)と有井洸里ちゃん(6)は「きれいに咲いて、みんな喜ぶように。元気に育ってね」と期待していた。
かわいい虎舞でイベントを盛り上げたかまいしこども園の園児たち
参加者は作業後、釜石地方森林組合による木工教室や同社の空き容器を使ったインテリア小物づくりなども楽しみながら、交流。餅まき、シイタケやブロッコリーなど地場産の野菜まきは盛り上がり、高く手を伸ばした子どもも大人も「とれた」「うれしい」と笑顔だった。
「こっちも」。豪快にまかれた餅や野菜に手を伸ばす参加者ら
ものづくりを楽しむ参加者。ディーニュ市の紹介ブースもあった
市はラベンダー畑を段階的に広げ、2年後のフルオープンを目指している。野田武則市長は「まだまだこれから。ディーニュ市やロクシタンの支援に感謝し、立派な農園にしたい。交流の歴史を市民が理解し、深化させたい」と強調。木島社長は「まるでプロバンス…そんな景色が数年後、釜石に広がるのを夢見ている。景色を楽しむ人の流れを生み出せたら、うれしい」と未来を思い描いた。
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