釜石ワインの誕生と市販開始を喜ぶ関係者、野田市長と市民
釜石産ブドウを100%使ったワインが誕生し、26日、関係者にお披露目された。ワインは初めて、5月5日からイオンタウン釜石のイオンスーパーセンター釜石店で市販される。イオン釜石で開かれた発表会では、ブドウ園「遠野まごころの郷あまほらファーム」を運営するNPO遠野まごころネット(臼澤良一理事長)や支援、醸造、販売にかかわる40人が試飲。地域の活性化につながる事業の今後の展開に期待を高めた。
遠野まごころネット 「白」に限定121本
同ファームは甲子町天洞の民有地約3千平方メートルを借用。2014年、15年と用地を拡大し、ワイン用ブドウの苗木1千本を植えた。一昨年秋には約20キロを収穫、昨年9月には収量を300キロ近くに伸ばした。
長野県東御市でワイナリー「はすみふぁーむ&ワイナリー」を経営する蓮見よしあき(喜昭)さんが栽培から醸造までを指導。市販にこぎ着けた。
生産本数(750ミリリットル入り)は、白が原料約200キロから121本、赤は80キロ以上から55本。今回は、一定の熟成感を得た白のみを市販する。
釜石ワイン・白の名称は「シャルドネ60アッサンブラージュ」。シャルドネ(種)を60%以上使い、ミュラー、ケルナーの2種をブレンドしたワインで、アッサンブラージュはフランス語で「立体的なものを寄せ集め、積み上げる」という意味。アルコール度数は12度。
昨年4月の発表会で、遠野まごころネットとイオングループは販売合意書を取り交わし、世界的金融大手バークレイズは就農支援プログラムを発表している。今回の発表会では野田武則市長、イオンスーパーセンターの東尾啓央社長、植樹からかかわるイオングループの金丸治子環境・社会貢献部長らが期待を述べた。
収穫に参加した大松地区の佐々木美津子さん(74)と制野芳子さん(75)は釜石ワインの誕生に大喜び。「切れ味がある。刺し身とかにも合いそう」と期待を膨らませた。
ワインの味わいは「切れ味がいい」と好評だった
臼澤理事長(68)は「感無量。ラグビーワールドカップ(W杯)がある19年には8千本の販売を目指す」と今後の展開を見据えた。
同ネットは甲子町天洞地区に障害者施設・まごころ就労支援センターを集約。受け入れ規模を現在の16人から26人に拡充する。ブドウの栽培にも大きな戦力になる。遠野市上郷町にも昨年4月、「バークレイズ遠野さむかぜヴィンヤード」を開設し、2種類、1500本を栽培する。ワイン醸造設備・機器の購入も決めている。
「釜石の白」は5月5日午前10時から、イオンスーパーセンター釜石店前のフードコート通路の特設コーナーで販売する。価格は1本税込み2700円。
(復興釜石新聞 2017年4月29日発行 第584号より)
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