タグ別アーカイブ: 産業・経済

地域のスギで国体を応援しようと製作されたキーホルダー

釜石地方森林組合、国体キーホルダーを製作〜市内3競技、120個を販売

地域のスギで国体を応援しようと製作されたキーホルダー

地域のスギで国体を応援しようと製作されたキーホルダー

 

 釜石地方森林組合(佐々木光一代表理事組合長)は「希望郷いわて国体」の開催を記念し、スギの間伐材を加工した「国体キーホルダー」を限定販売している。市内で行われる3競技をデザインした3種類があり、価格はそれぞれ600円(税込み)で、全部で120個を製作。同組合では「釜石に足を運んでもらった記念に手に取ってもらえれば」と、おもてなしの心を伝える土産物としての需要に期待する。

 

 キーホルダーは、大会マスコットキャラクター「わんこきょうだい」をモチーフに、オープンウォータースイミング、トライアスロン、ラグビーフットボールの3競技をそれぞれデザイン。大きさは直径4・8センチ、厚さ0・8センチで、裏面には釜石大観音をあしらい、釜石色をアピールした。

 

 加工は釜石のNPO法人「かだっぺし」が請け負う。障害者や引きこもりがちな人たちの社会参加を支援している団体で、レーザー加工機で形成し、やすりをかけて一つ一つ丁寧に仕上げた。

 

 釜石は海のイメージが強いが、9割が山林。同組合は震災後、木製の避難路づくりや植樹などのボランティアを受け入れてきた。その際、「記念の木製品を」という声があり、昨年から間伐材を加工した一合升、「虎舞ラガーキーホルダー」を開発し販売。地場木材の活用の場を広げ、豊かな森林資源にも理解を深めてほしいとの思いが込められた商品で、森林体験などで釜石を訪れた人が土産物として購入しているという。売り上げの一部は升や虎舞キーホルダーと同様、被災した組合員が山に植樹する際の苗木購入費用に充てられる。

 

 釜援隊から同組合に派遣され、新商品開発に携わる手塚さや香さん(37)は「海はもちろん、豊富な森林資源があることが国体によって全国に伝われば、いいな」と商品をPR。今後も木製品の土産物を増やしたいとの思いを強めていた。

 

 国体キーホルダーは、各競技会場内に設けられる出展ブースで販売するほか、鈴子町のシープラザ釜石内の「かまいし特産店」でも売り出す。片岸町の同組合事務所でも扱うが在庫は少なく、商品に関する問い合わせは同組合(電話0193・28・4244)へ。

 

(復興釜石新聞 2016年9月10日発行 第519号より)

 

復興釜石新聞

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釜石港に初水揚げされたサンマ=4日正午過ぎ

釜石にも秋味 サンマ到来〜初船 28トン水揚げ

釜石港に初水揚げされたサンマ=4日正午過ぎ

釜石港に初水揚げされたサンマ=4日正午過ぎ

 

 釜石市新浜町の魚市場に4日、今漁期初のサンマ28トンが水揚げされた。東北沿岸に初めて上陸した台風10号の影響でほとんど漁のなかった浜は、待ちに待った秋味の到来でにわかに活気づいた。

 

 水揚げしたのは、北海道根室市の第68伊勢丸(179トン、村田多紀夫漁労長ら16人乗り組み)。ロシア領200カイリ内で操業し、3昼夜をかけて釜石まで運んできた。「走り」としてはまずまずの大きさで、入札の結果、1キロ当たり630~500円と、昨年の初水揚げ(330~333円)を大幅に上回る高値で買い取られた。

 

 同船は一昨年も釜石にサンマを水揚げしている。村田漁労長(67)は「型は大きく脂の乗りもいいが、今のところ漁は全然だめ。燃料代は高く付くが、釜石の魚市場は日曜日でも受け入れてくれる。地元の水産加工業者の誘いも熱心で、何とか期待に応えたい」と心意気を示すものの、「サンマがこう高くては、魚ばなれが一層進むのでは」と心配する。

 

 待ちに待ったサンマの初水揚げに野田武則市長も駆け付け、飲み物などを差し入れて歓迎。「条件の悪い釜石に水揚げしてくれ、感謝している。他の漁港との格差が広がるようであれば、市としても対策を考えていかなければならない」と話した。

 

(復興釜石新聞 2016年9月7日発行 第518号より)

 

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「十割糀みそ」(左)を使ったパウンドケーキ(右)

岩手ぅんめぇ〜もんグランプリ優秀賞、藤勇 十割糀みそケーキ 発売〜老舗醸造会社と人気洋菓子店のコラボ

「十割糀みそ」(左)を使ったパウンドケーキ(右)

「十割糀みそ」(左)を使ったパウンドケーキ(右)

 

 釜石市大渡町のみそ、しょうゆ製造販売業、藤勇醸造(藤井徳之社長)は7日から、自社の「十割糀(こうじ)みそ」を使ったパウンドケーキを販売する。東日本大震災で被災した同社が復旧支援への感謝を込めて作り上げたみそに釜石と東京の”発酵女子”が着目し、新しいおいしさを提案しようと開発した。製造は地元のアンジェリック洋菓子店(鈴子町)が担当する。

 
 藤勇醸造の小山和宏専務(51)は「人との出会い、地域のつながりがなければ生まれなかった商品。手作り感、コラボレーションを楽しんでほしい」と力を込める。新しいスイーツの企画にかかわった小山さんの長女、明日奈さん(27)は「ケーキからみそのおいしさを知ってほしい。新しい釜石の土産物になれば」と期待する。

 

釜石と東京の”発酵女子”開発

 

 名称は「藤勇の十割糀みそケーキ」。生地にみその塊を残し、アクセントに香ばしいクルミを練り込んだことで、西洋風のお菓子にほんのり懐かしい味わいがするのが特徴だ。

 

 使われた十割糀みそは県産の米、大豆100%で仕込んだ甘めのみそ。ケーキは材料の小麦粉の半分、卵が県産など、地域食材を主役にしている。

 

 同社は1902年にみそ醸造会社として創業。事業が軌道に乗り、しょうゆづくりも始め、まろやかな甘味が特徴のしょうゆは地元で長く愛されている。

 

 震災では社屋が半壊。仕込み中だったみそ約50トンは廃棄し、しょうゆは約3万本を市民に無償で提供した。被害額が大きく、会社存続の危機もあったというが、「製造を再開して」という顧客らの励ましの声、物資や復旧支援のボランティアらの後押しもあり、最低限の設備を復旧し、約半年後にしょうゆづくりを再開。みそは工場の建て替えが必要となって仕込みが遅れ、出荷が再開できたのは震災から2年半後だった。

 

 しょうゆとみその消費量は、食生活の変化などで震災前から全国的に減少。伝統を守り、支援への感謝を込め、地場食材にこだわった新商品づくりを進める中で生まれたのが十割糀みそだった。

 

 ケーキ開発のきっかけは、食を通じた人とまちのつながりを目的とした東京のシェアキッチン「okatteにしおぎ」に集うメンバーと明日奈さんの出会い。東京と釜石の新しい関係づくりをしようと、十割糀みそを使った商品づくりを始めた。今年2月に東京で開かれたイベントで試験的に販売。評判も上々で、地元での販売を決めた。

 

 先月盛岡で開催された「岩手ぅんめぇ~もん!!グランプリ2016(岩手県ふるさと食品コンクール)」に出品。商品の見せ方、味に高い評価を得、食品企業部門で優秀賞に選ばれた。小山専務は「販売に向け弾みがついた」と喜ぶ。

 

 発酵女子は、みそやぬか床といった発酵食品を自在に使った料理がお得意。「塩麹(こうじ)」や「酒かす」などの発酵食にも注目が集まっている。明日奈さんもその一人で、「(東京のメンバーは)うちのみそを気に入ってくれて、食に興味があり、発酵食の伝統を復活してほしいとの思いも強い。アイデアを出し合い、それぞれの強みを生かし出来上がったもので、本当につながりに感謝。まだ違った形で商品が出てくる可能性も」と目を輝かせた。

 

 ケーキのパッケージには、十割糀みそのロゴマークにもなっている同社の屋号を利用した。富士に見立てた山から、みそだるのイメージを重ねた太陽が昇るデザイン。津波で被災した市内の印刷会社に残っていた木版の中から偶然見つかったことも糀みそ開発のきっかけの一つだったことから、歴史を感じる木版の風合いをケーキにも生かそうと考えた。

 

 小山専務は「みそ造りから始まった伝統を守りたい。社としてまちの力にもなりたい。商品開発が食を通じた地域を支える一つの力になればうれしい」と話す。

 

 価格は1個220円(税別)。市内では道の駅仙人峠、アンジェリック洋菓子店、イオンタウン釜石で販売する。そのほか盛岡市のNanak(ななっく)、特産品プラザらら・いわて盛岡店、カワトクなどにも並ぶ予定。地元の洋菓子店が手作りするため、1回の製造で120個ほどとなり、販売開始直後は品薄となることも見込んでいるが、同社では売れ行きを見ながら進めたいとしている。

 

 あすの販売開始を前に、きょう開かれる「釜石よいさ」に合わせ、大町ほほえむスクエアで100個を限定販売する。「たまにやってくるみそのしょっぱさ、洋風の中にある和テイストを楽しんで」と小山専務。

 

 問い合わせは藤勇醸造(電話0193・22・4177)へ。

 

(復興釜石新聞 2016年8月6日発行 第510号より)

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釜石湾のコンテナ

釜石港 コンテナ定期航路5周年、公共ふ頭でセレモニー〜さらなる利用拡大へ決意新た

くす玉を割り、釜石港コンテナ定期航路5周年を祝う関係者

くす玉を割り、釜石港コンテナ定期航路5周年を祝う関係者

 

 釜石港と京浜地区の国際コンテナ港を結ぶ定期航路=写真=が開設から5周年を迎え、釜石港の公共ふ頭で1日、記念のセレモニーが行われた。コンテナ船は、東日本大震災からの復興はもとより、地域経済の発展を支える重要な物流ツール。釜石港のコンテナ取扱量は震災後、年々増加を続け、2015年は県内主要港の最高記録を更新した。同港には来年度、荷役能力の高い大型のガントリークレーンを県が整備することも決まっており、関係者はさらなる港湾利用の拡大へ決意を新たにした。

 

 セレモニーは、釜石市、釜石港港湾振興協議会(会長・野田武則釜石市長)が主催した。コンテナ船を運航する井本商運(神戸市)の井本隆之社長ら関係者約60人が出席。野田市長が井本商運などに感謝状を贈り、関係者がくす玉を割って定期航路開設5周年を祝った。

 

 野田市長は「釜石港のドラスチックな変化はすべて、5年前のコンテナ定期航路開設から始まった」と感謝。井本商運と連携してコンテナ船を運航する香港の大手海運会社オリエント・オーバーシーズ・コンテナライン・リミテッド(OOCL)日本支社の藤江成宏代表は「初めて釜石港の惨状を見たときは言葉がなかった。何が何でも、ここに荷物を入れると決意して5年。これからも釜石市民になったつもりで、港の発展を祈念しつつ頑張りたい」とあいさつ。井本商運の井本社長は「今後も釜石港の発展に貢献したい」と決意を述べた。

 

釜石港のコンテナ

 

 釜石港へのコンテナ船寄港は、震災前は不定期に行われていた。被災した同港を支援しようとOOCL社がコンテナヤードに指定。井本商運が連携し、11年7月から京浜港との定期運航を始めた。

 

 コンテナ取扱量は、12年1759TEU(20フィートコンテナ換算)、13年2036TEU、14年2631TEUと着実に増加。15年は震災がれきを船で運んだことも加わり、4420TEUと県内港の過去最高記録を更新した。16年は昨年以上の取扱量を目指す。

 

 同港では現在、旋回するアームで荷物をつるジブクレーンが稼働しているが、1時間当たりに運べるコンテナは11~13個にとどまる。県が来年度の稼働を目指して整備を進める橋脚型のガントリークレーンになれば、荷役能力は約3倍にアップする見込み。

 

 県は、冷蔵・冷凍コンテナ用のコンセント増設も進めている。野田市長は「ガントリークレーンの整備は大きな一歩。本県にはまだまだ荷物がある。荷物は岩手の港から―という道筋を付け、釜石港が先進的な役割を果たしていきたい」と意気込む。

 

(復興釜石新聞 2016年8月3日発行 第509号より)

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「かまいし親富幸通り飲食店会」の設立総会

「親富幸通り飲食店会」設立、釜石市大町1丁目界隈〜にぎわい創出へ29店加盟

「親富幸通り」と名称を改め、にぎわい創出を目指して飲食店会が設立された大町1丁目界隈

「親富幸通り」と名称を改め、にぎわい創出を目指して飲食店会が設立された大町1丁目界隈

 

 釜石市大町1丁目界隈(かいわい)、「親不幸通り」の通称で市民に親しまれてきた飲食店街が「親富幸通り」と名称を改め、新たに飲食店会を設立した。東日本大震災後さびれる中心市街地に、にぎわいを取り戻そうと飲食店業者らが立ち上がる。年内にもイベントを企画し、地域活性化に動き出す。

 

 設立総会は7月26日に大町の青葉ビルで開かれ、飲食店の経営者ら15人が出席。設立準備委員会の久保秀俊代表(スリーナイン)は「次の世代へ飲食店街を残す組織にしたい。みんなでやろう」と呼び掛けた。会則などを決め、初代会長には久保さん(68)を選んだ。

 

「かまいし親富幸通り飲食店会」の設立総会

「かまいし親富幸通り飲食店会」の設立総会

 

 今後の活動内容も協議。▽加盟店のステッカー作り▽パンフレット(マップ)作成▽ミュージックコンサート開催▽「はしご酒」やスタンプラリーの実施―などをめぐり意見を交わした。「通りの入り口に看板を」「避難訓練や親睦会、美化運動の実施を」などの要望も出た。

 

 副会長を務める及川繁さん(64)=童里夢=によると、「親不幸通り」の通称で市内最大の飲食店街が形成されたのは戦後間もなくという。飲食店会設立の話は震災前からあったが、震災で大町1丁目界隈の約8割に当たる飲食店が被災。5年余りを経て飲食店街も落ち着きを取り戻し、やっと具体化する。同界隈で営業する飲食店のうち29店が加盟した。

 

 久保会長は「任意団体だが、組織化されれば市など関係行政機関にまとまった要望もできる」とメリットを強調。界隈の飲食店にさらなる加入を呼び掛ける。

 

 親富幸通り商店会の加盟店、役員は次の通り。
 【加盟店】AQUA(アクア)、シルク、アップダウンデイ、麗、さくら、ステラ、ひといろ、彩、新華園支店、PatiO、サン、和っつ、マリア、Gee style(ジースタイル)、帆のか、浜焼太郎三陸釜石店、よさく、祥、スリーナイン、二番街、絵里瑛留、リヴァル、うさぎ、ブルジョア、童里夢、愛子、ラベンダー、Amethyst(アメジスト)、GYARICK(ギャリック)

 

 【役員】▽会長=久保秀俊(スリーナイン)▽副会長=及川繁(童里夢)小澤ひろみ(リヴァル)▽理事=鈴木葉子(絵里瑛留)福士達也(和っつ)▽会計=佐々木悦子(うさぎ)▽監事=伊藤光代(二番街)最上眞知子(祥)

 

(復興釜石新聞 2016年8月3日発行 第509号より)

 

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釜石港でお披露目された新造のサンマ漁船第65欣栄丸=27日

釜石港で25年ぶり 新造船お披露目 ~サンマ漁強化 大型船2隻導入~

釜石港でお披露目された新造のサンマ漁船第65欣栄丸=27日

釜石港でお披露目された新造のサンマ漁船第65欣栄丸=27日

 

 世界の海で遠洋マグロ漁を手掛ける釜石市の浜幸水産(浜川幸雄社長)は新たにサンマ漁船2隻を導入。このうち新造した第65欣栄丸(199トン、山中東一郎漁労長、17人乗り組み)が27日、釜石港でお披露目された。釜石でサンマ船が新造されるのは25年ぶりという。新浜町の第2魚市場で行われたお披露目式には市民や漁業関係者ら約150人が訪れ、新しい船の操業の安全と豊漁を祈った。

 

 神事に続き、浜川社長(74)は「漁業は沖合から近海の時代になった。マグロも養殖に移りつつある。資源を大切にしながら漁業も育てたい」とあいさつ。かまいしこども園の園児らが虎舞を披露した後、餅まきをして船出を景気づけた。

 

 創業から80年にわたり遠洋マグロ漁一筋でやってきた同社は2012年、近海で操業するトロール船2隻を新造。資源管理などのため厳しさを増すマグロ漁の今後を見据え、経営体質を強化しようと昨年からサンマ漁にも乗り出した。昨季は中古船1隻を導入して操業。しかし、水揚げは約1億8千万円と目標(3億円)を大きく下回ったことから、新造と中古の2隻を加え水揚げ額倍増を目指す。

 

餅をまき出漁を景気付ける浜川社長ら

餅をまき出漁を景気付ける浜川社長ら

 

 第65欣栄丸は気仙沼市の業者に発注し、約8億7千万円をかけて静岡県で建造した。集魚灯は全てLED。サンマの魚群を捕らえる最新鋭のハイテク機器を備え、速度も昨年導入した中古船と比べ15%もアップ。浜川幸三専務(41)は「コスト削減効果は大きい」と期待する。

 

 今季のサンマ漁には、新たに石巻市の業者から購入した中古船の第58欣栄丸(196トン、大崎雅仁漁労長、18人乗り組み)と2隻体制で臨む。8月16日に釜石港から出漁。12月初旬までロシア海域から三陸沖にかけて操業する。2隻合わせて35人の乗組員は県内を中心に採用した。

 

(復興釜石新聞 2016年7月30日発行 第508号より)

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浜幸水産株式会社 公式サイト
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道の駅「釜石仙人峠」で本格的に販売を始めた「柿酢サイダー」

甘味すっきり、柿酢サイダー〜ブランド強化、通年販売へ

道の駅「釜石仙人峠」で本格的に販売を始めた「柿酢サイダー」

道の駅「釜石仙人峠」で本格的に販売を始めた「柿酢サイダー」

 

 釜石市の第三セクター釜石振興開発(新里進社長)は釜石・大槌地域産業育成センターと共同で、地元の特産品「甲子柿」で製造した「仙人柿酢」を使った飲料「柿酢サイダー」を開発した。ほのかな柿の甘みとすっきりした味わいが特徴。同社が運営する道の駅「釜石仙人峠」とシープラザ釜石内の「かまいし特産店」で27日から本格販売を始めた。1本340ミリリットル、250円(税込み)。

 

 同センターが地域事業者と共同で新商品の開発やブランド力の強化など地域食産業の活性化を図ろうと取り組む「市海商工連携(6次産業化)推進事業」から生まれた商品。上中島町の「仙人醸造所」の柿酢を使い、仙台市の飲料製造会社に製造を委託した。

 

 甲子柿は、甲子地区で育った渋柿の一種である小枝柿を煙でいぶして甘さを凝縮させたもの。柿酢は、甲子柿と酵母を原料に発酵、熟成させた昔ながらの手作りの醸造酢で、水で薄めて飲んだり、料理にも使えるという。

 

 旬の時期がある甲子柿を通年で味わえ、柿酢をアレンジすることでより多くの人に楽しんでもらいたいと今年3月ごろから開発を開始。酢の強さや飲みやすさなど試行錯誤し、4月から試験的に販売した。試飲や購入者アンケートによると、約6割が「おいしい」と回答。味は変えず、「真っ赤でぷっくりした柿をイメージしたポップなデザイン」にラベルを一新して本格的に売り出した。

 

 「甲子柿を売り込める商品がまた一つ生まれた」と喜ぶのは駅長を務める同社の菊池利教部長。柿が特色の一つでもある地域だが、これまでは旬の10月だけと季節が限定されていた。加工品の開発が進み、5月から冷凍甲子柿やジェラートなどの店頭販売が本格化。「年間を通して味わえるまでに前進した。柿ブランドをどんどん発信していきたい」と意気込む。

 

 開発に携わった同センター総合支援グループの石川学リーダーは「地域にある既存商品をつなぎ、地域の食を盛り上げていければ。仙人秘水を使ったリッチバージョンも作れれば」と、次につながるアイデアを口にした。

 

(復興釜石新聞 2016年7月30日発行 第508号より)

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第2回産直スタンプラリー

第2回産直スタンプラリーを開催します♪

第2回産直スタンプラリーの抽選結果について – 釜石市(2016/11/16 追記)

 

今年もやるよ!「産直スタンプラリー」、市内産直に備え付けのスタンプを3種類集めて応募すれば、豪華な地場産農産物や加工品が抽選でドーンと当たります。

 

『産直大好きな皆さん、是非アタックしてみませんか』

 

第2回産直スタンプラリー

 

実施期間

7月16日(土)から10月31日(月)まで

実施場所

市内産直9か所
①峠の茶屋
②橋野どんぐり広場産直
③甲子フレッシュあぐり直売所
④唐丹産直⑤ミニ産直コスモス
⑥産直ミッキーファーム
⑦ミニ産直柿の里
⑧ふれあい小川産直
⑨道の駅釜石仙人峠産直

 

釜石市産直マップ

釜石市産直マップ

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主催

第36回釜石市農業祭実行委員会

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 農業委員会事務局
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町15番2号
電話:0193-22-0166 / Fax:0193-22-3688 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/kurasu/norin_chikusan/detail/1197344_2291.html
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
協定書に署名後、3者の連携に向け握手を交わす日立製作所の星野達朗東北支社長、野田武則市長、新興事業創出機構の鷹野秀征理事長

オープンシティ戦略推進 日立製作所・JEBDA ~復興から新興へ 3者連携で地域づくり

協定書に署名後、3者の連携に向け握手を交わす日立製作所の星野達朗東北支社長、野田武則市長、新興事業創出機構の鷹野秀征理事長

協定書に署名後、3者の連携に向け握手を交わす日立製作所の星野達朗東北支社長、野田武則市長、新興事業創出機構の鷹野秀征理事長(左から)

 

釜石市と協定結ぶ

 

 釜石市、日立製作所(東京都千代田区)、一般社団法人新興事業創出機構(JEBDA、宮城県仙台市)は14日、地域の活性化に向けた取り組みに関する協定を締結した。昨年度策定した「釜石市オープンシティ戦略(市総合戦略)」を3者の連携で推進し、持続可能な地域社会の実現に貢献するのが狙い。関係者14人が出席し、市役所で協定締結式が行われた。

 

 野田武則市長、日立製作所東北支社の星野達朗支社長、JEBDAの鷹野秀征理事長が協定書に署名した。協定に盛り込まれた連携事項は、地域コミュニティーの活性化、産業振興、人材育成、高齢者・障害者支援に関することなど。復興の先にある釜石の将来像を確かなものとするため、両事業体が持つ知見やネットワーク、課題解決能力を最大限生かし、共に地域づくりを進めていく。

 

 日立とJEBDAは2012年から唐丹町とつながり、ITを活用した地域活性化策を展開。唐丹町漁協のホームページ再構築や水産加工会社釜石ヒカリフーズの業務支援を行う中で住民と絆を深め、地域全体の魅力発信、内外の人的交流促進に貢献してきた。JEBDAは市内企業の販路開拓、ブランド化支援なども手がける。

 

 締結式で星野支社長は「釜石の総合戦略は全国から注目を集める活動と認識している。日立グループのノウハウなどを提供し、市の持続的発展に力を尽くしていきたい」、鷹野理事長は「われわれが法人設立時に掲げた『復興から新興へ、支援から共創へ』という理念のもと、オープンシティ釜石を共に創る心意気でやっていく」と抱負を述べた。

 

 同戦略は、市内外の人たちが相互に連携・協力することで地域内にさまざまな市民・経済活動を生み出し、実人口(住民票)以上の活力を持った地域社会を作ることを目指す。野田市長は、日立とJEBDAのこれまでの取り組みを「まさに戦略に掲げる『つながり人口』そのもので、非常に心強い存在」とし、「協定を契機に連携を一層深め、戦略に掲げた当市の未来づくりに引き続きのご支援をお願いしたい」と協力を求めた。

 

(復興釜石新聞 2016年6月18日発行 第496号より)

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合金コバリオンと木材オノオレカンバを組み合わせて製品化した印鑑「夢結歩」

地元素材(コバルト合金オノオレカンバ)で夢の印鑑〜釜石・大槌新製品研究会、限定200本 予約受け付け

合金コバリオンと木材オノオレカンバを組み合わせて製品化した印鑑「夢結歩」

地元素材の合金コバリオンと木材オノオレカンバを組み合わせて製品化した印鑑「夢結歩」

 

 釜石市と大槌町を中心とした企業12社でつくる「三陸テカルデ(釜石・大槌新製品研究会)」は、釜石産のコバルト合金と地場産木材を組み合わせて作ったオリジナル印鑑「夢結歩(ゆめゆい)」を商品化。希少素材を使用していることから200本に限定し、5月27日から予約販売の受け付けを始めた。開発に携わったメンバーは「地元素材の活用にこだわった。震災に負けない、ものづくり魂を感じてほしい」とアピールする。

 

 夢結歩の印面は直径1・65センチで、側面には手塗りで花々がデザインされている。絵柄は桜や椿、バラ、ユリなど12種類。同研究会の5社と絵付けを担当する盛岡の1社が共同製作。印面に使用するコバルト合金「コバリオン」は釜石市で金属製造を手掛けるエイワが提供し、軸木には大槌産の木材「斧折れ樺(オノオレカンバ)」を使用した。

 

 コバリオンは生体材料のインプラント用に開発された”夢の合金”。耐熱性に優れ、腐食にも強く、強度も非常に高い。オノオレカンバはその名の通り、斧(おの)が折れるほど硬くて丈夫。水に沈むほど重いため、漁具などの素材に使われるという。削るなどの加工が難しいことから製品化まで約1年2カ月もかかったというが、硬く強い素材を組み合わせることで、重量感があり押印しやすいハンコに仕上がった。

 

 同研究会は2013年に発足。釜石・大槌地域産業育成センターの支援を受け、大学や研究機関などと連携しながら地域の製品開発力向上を目指して取り組んでいる。夢結歩は、宝剣「輝の御剣」、酒器「JOIN」に続く新製品第3弾。今回のプロジェクトリーダーとなった籠谷睦美さん(52)=北上市・オフィスキャドムス代表=は「研究会の仲間が夢を結んで一緒に歩みたい、との思いを込めた。ぜひ地元の人たちに使ってもらいたい」と願う。

 

 印面の文字は行書と楷書体から選べるが、他の書体も相談に応じる。価格は3万9800円(税込み)。予約はイオンタウン釜石などで受け付けているが、受注から納品まで1カ月ほどかかるという。

 

(復興釜石新聞 2016年6月1日発行 第491号より)

 

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「釜石ワイン」の誕生を喜ぶ関係者

「釜石ワイン」発表、発売へ〜地元産ブドウ100% 醸造所も計画

「釜石ワイン」の誕生を喜ぶ関係者

「釜石ワイン」の誕生を喜ぶ関係者

 

 遠野市のNPO法人・遠野まごころネット(臼澤良一理事長)は23日、釜石市甲子町の「天洞(あまほら)ヴィンヤード(ブドウ園)」で収穫したブドウを原料に初めて醸造した「釜石ワイン」(仮称)を発表した。同法人は遠野市に醸造所も開く予定で、ワインの一貫生産による東日本大震災被災地の活性化、障害者を中心にした就労・就農支援事業などを推進する。

 

 「あまほらヴィンヤード」は2014年5月に作付け。長野県東御市のワイナリー「はすみふぁーむ」を経営する蓮見よしあきさんが協力し、ボランティアとともにピノ・ノワール、ケルナー、シャルドネなど、赤、白ワインに適した6種類の苗を植えた。翌年も追加し、約3千平方メートルに1050本を育てる。昨年秋、2年目の苗から30キロのブドウを初めて収穫した。蓮見さんが自社で醸造、ロゼ(ピンク色のワイン)10本(1本750ミリリットル)に仕上げた。

 

 発表会はイオンタウン釜石で行われ、協力者やスタッフなどが試飲した。記念の1本が贈られた野田武則市長は「色がきれいで、香りは若々しい。この取り組みが多くの人に良い影響を及ぼしている。民間がやることが大事で、行政は手助けする。それが地域創生につながる」と期待を述べた。

 

 蓮見さんは「今回は収量が少ないのでロゼにした。ワインは地元の食材に合わせて味わう。それが根付くことがワイン文化。時間をかけて取り組んでほしい」とエールを送った。

 

 遠野まごころネットと、イオングループは「釜石ワイン」の販売合意書、世界的金融大手のバークレイズは就農支援プログラムを発表。地元産のリンゴを原料とするシードル(果実酒)の今年の販売計画も発表された。

 

 鵜住居町の二本松農園が生産したジョナゴールドなど3種を使った「釜石林檎シードル」(750ミリリットル)1千本、遠野産の「遠野林檎シードル」(同)700本を5月5日から販売する。いずれも蓮見さんが醸造した。イオンタウン釜石と二本松商店のほか、遠野駅や盛岡駅でも販売する。価格は1本2200円(税別)。

 

5月5日には林檎シードル2種も販売される

5月5日には林檎シードル2種も販売される

 

 「あまほらヴィンヤード」では、併設するレストランのほか、本年度中に「ものづくり棟・就労支援施設」を建設。遠野市綾織町には広さ約1ヘクタールの「寒風(さむかぜ)ヴィンヤード」の整備も予定する。

 

(復興釜石新聞 2016年4月27日発行 第482号より)

 

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省力化、自動化が進んだ最新の製造ライン

岩手缶詰 新工場稼動、30年ぶり 釜石に拠点〜水産業復興加速に期待

岩手缶詰の新工場

浜町に完成し、見学会が行われた岩手缶詰の新工場

 

 釜石市に本社を置く岩手缶詰(石田昭光社長)の新工場が浜町2丁目に完成し、21日、関係者による見学会が行われた。新工場は市が公募した水産業復興支援事業の第1号で、同社が地元釜石に製造拠点を構えるのは30年ぶり。人手確保が難航し、当面は40人程度の従業員で操業を始めるが、最終的には100人規模の雇用を見込む。今秋には隣接地に新魚市場も完成する予定で、市は「魚市場の後背地に整備する水産加工団地のモデルに」と期待する。

 

 新工場は鉄骨造り2階建てで床面積は約4700平方メートル。主にサバやサンマなどの缶詰を製造する。製造ラインは3つあるが、当面は1ラインで稼働。初年度の年間生産額は10億3千万円を見込み、将来的には約20億円を目指す。

 

 津波浸水地にある約9700平方メートルの敷地は市が買い上げた上、1メートル程度かさ上げした。建物や機械などの投資額は約24億7千万円。水産協同利用施設復興整備事業の採択を受け、国と市が8分の7を補助した。用地の一角にあった本社は取り壊し、駐車場として活用。新工場はすでに3月28日から稼働を始めている。

 

 同社は1941年に設立。釜石市嬉石町に創業以来の工場があったが、86年に閉鎖した。震災では大船渡市の2工場が全壊。釜石の本社も3階まで浸水した。両工場は2013年に統合し再建。現在は盛岡市や宮古市など県内5工場で缶詰のほか冷凍食品、ゼリー、ジュース、ワインなどを製造している。

 

 見学会には約100人が参加し、省力化・自動化が進んだ最新の製造ラインを視察。大町のホテルサンルート釜石に会場を移し、竣工(しゅんこう)祝賀会が開かれた。

 

省力化、自動化が進んだ最新の製造ライン

省力化、自動化が進んだ最新の製造ライン

 

 石田社長は「人手不足が課題だが、周囲に復興公営住宅が完成すれば働く人も集まるのではないか」と期待。「地元の水産物を生かした新製品の開発にも力を入れたい」と意欲を示した。

 

(復興釜石新聞 2016年4月20日発行 第480号より)

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