交流人口拡大へ、かまいしDMC設立〜観光地域づくりを推進、体験ツアー企画 イベント誘致


2018/05/18
復興釜石新聞アーカイブ #産業・経済 #観光

観光振興に向け意欲を高める「かまいしDMC」のメンバー(写真説明)

観光振興に向け意欲を高める「かまいしDMC」のメンバー(写真説明)

 

 観光を通じた震災復興を目指す釜石市は、観光地域づくりを推進する新会社「かまいしDMC」(社長・野田武則市長)を設立した。市が新たな観光振興ビジョンとして掲げる「釜石オープンフィールドミュージアム構想」の実現に向け、復興過程にある行政や企業の取り組みから学ぶ機会の提供や釜石の魅力を伝える体験プログラムの企画などに取り組む。7日には新会社の設立記念パーティーが大町の釜石ベイシティホテルで開かれ、関係者ら約70人が出席。釜石観光の振興を担う経営体の誕生に期待を寄せた。

 

 観光庁は地元に精通し、地域と協力して観光資源づくりを担う法人組織「観光地域づくり組織(DMO)」の普及を推進している。かまいしDMCは、この一環。総合的な観光事業を官民一体で進めるため、宿泊や飲食といった市内全域の観光関連業者の調整役を担う。

 

 同構想では市内全域を博物館とみなし、戦災や津波を乗り越えてきた歴史、浜と里山の生活が同居する文化・風土、多様な景観などを資源とする。かまいしDMCは、そうした資源を利用した体験ツアーの企画、釜石へのイベント誘致などに取り組み、市外からの交流人口の増加を図る。

 

 地域商社として特産品の開発、販路開拓といった事業も展開。観光、物産関連のデータ収集・分析、国内外に向けた観光誘致、マーケティング戦略の策定も行う。

 

 来年のラグビーワールドカップ(W杯)開催の好機を生かし、観光受け入れ態勢の整備などを側面からサポート。W杯後の観光産業の振興にもつなげていく。

 

 総合旅行業務取扱管理者の河東英宜(ひでたか)さん(50)が取締役事業部長に就任。若林正義さん(43)、久保竜太さん(34)、藤田沙彩さん(26)の4人体制で業務に当たる。

 

 設立記念パーティーで野田市長は「震災から7年。復興の形が見えてきた。その中で構築した地域資源を活用し、釜石を全国、世界に発信したい」とあいさつ。市議会、県関係者らが祝辞を述べ、地方創生につながる取り組みの推進に期待を寄せた。

 

 河東さんは「人口減少が進む中、観光を通じて交流人口を増やし、地域活性化につながる事業を展開したい」と意気込みを話した。

 

(復興釜石新聞 2018年5月12日発行 第687号より)

 

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