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「第10回かまいし百円市」の出店者を募集します

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釜石まちづくり(株)では、2026年3月29日(日)「第10回かまいし百円市」 (以下、百円市) を開催します。販売商品をすべて100円とするフリーマーケットやバザーのような“100円均一フリマ”といったイメージです。

 

【例えばこのような商品の出品を想定しています!】
リユース可能な子供用品、持て余してしまったお歳暮や引き出物の中身、まだまだ使えるおもちゃ、ダブったガチャガチャ、ちょっとしたコレクションアイテム、端数が残ってしまったパック商品、かつての趣味の名残、ハンドメイド商品、お菓子などの食品・・・などなど、価格を100円として頂ければ、一部の取扱い禁止商品以外は何でもOKです。

 

均一価格のため販売益は限定されるかもしれませんが、以下のような点に意義を見出してくださるご出店者様を募集いたします。
・リユースの促進による社会活動的意義
・みんなで出店する楽しさ
・街の賑わいの場づくり
・ハンドメイド作品などの販売機会 など

 

各種サークル活動などのグループをはじめ、社会福祉法人やNPO等の社会活動団体、町内会やクラブ・少年団活動等の地域活動の一環として、学校や幼稚園・PTAや保護者会の催しとしてなど、皆様のご出店をお待ちしております(個人での出店も可能です)。

開催概要

日時:2026年3月29日(日) 10:00~13:00
場所:釜石市民ホールTETTO・ホール前広場
主催:釜石まちづくり(株)
キャッチコピー:「100円握ってお宝探し!」
 

出店の基本情報

すべての商品を以下の価格で販売すること
・100円(税込)
◎下記の品数をご用意頂けること(多い分には大歓迎!)
・50個以上
◎「出店について」の要件を遵守頂けること
・参加可能枠を超えるご応募があった際は抽選とさせて頂きます
・チャリティ活動(売上は○○へ寄付、○○を支援、教育や社会福祉活動資金に充当)が伴う場合は、条件により別枠での出店が可能ですのでご相談下さい

出店について

◆物品の販売以外のサービスを商品として提供することはできません
(マッサージ、ヘアカット、診断、占いなど ※縁日等に類するものや主催者が要請したものは除く)
◆出店料は以下となります
・500円(税込)
◆出店スペースの広さは、幅2~2.5m×奥行1.5~2mを目安に調整させて頂きます
 また、販売台、シート、釣銭等は各自でご準備下さい(主催者による両替には限りがあります)
◆会場は屋外となりますので、各自で出店時の気候対策等をお願いします
◆駐車場は釜石大町駐車場をご利用ください
◆ペット等を同伴しての出店は禁止です(介助犬等を除く)
◆火器の使用や発電機の持込みは禁止です

取扱い禁止商品

《以下の商品の取扱い及び取引は禁止といたします》
生鮮食品など衛生管理上好ましくない物、その場で調理提供する飲食品(キッチンカーを除く)、ペット等の生き物、偽造品や盗品など法律に抵触する商品、受発注や目録を介しての後日取引を前提とした商品、取扱い資格の必要な危険物や薬品(有資格者でも不可)、公序良俗に反する物、大量の火薬類、再販売やオークション等への出品を前提とした取引
 
※大量の酒類を取り扱う場合は事前にご相談ください
※この他、主催者が不適切と判断した商品については取扱いを中止頂く場合があります

出店の申し込み方法

出店に関しての各種事項(開催概要、基本条件、出店について、取扱い禁止商品)を必ずご確認・ご理解のうえ、下記の出店申込書を記入して釜石まちづくり(株)までお申込み下さい。
 
●釜石まちづくり(株)の社員によるご紹介やご案内をご希望の場合は、直接担当社員(菅原)まで
●それ以外の場合は、下記のいずれかの方法でご送付ください
・釜石まちづくり(株) FAX:<0193-27-8331>
・担当者メールアドレス:s-sugawara@kamaishi.co.jp

※FAXやメールでのお申込みが難しい場合は「釜石情報交流センター(釜石市大町1丁目1-10)」の受付にお越しいただき、出店申込希望の旨をお伝えください。

 
申し込み締切:2026年3月6日(金)
 
問合せ等については、釜石まちづくり(株) TEL<0193-22-3607>までお願いします。

出店概要&申込書

PDF版(1.1MB)
「第10回 かまいし百円市」の出店概要&申込書
 
Word版(272KB)
「第10回 かまいし百円市」の出店概要&申込書

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

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130年の眠りから覚める? 橋野鉄鉱山で「開山碑」発見! 操業開始時期知る貴重な手掛かりに

橋野鉄鉱山で新たに発見された石碑(右)について説明する市教委文化財課世界遺産室の髙橋岳係長(左)

橋野鉄鉱山で新たに発見された石碑(右)について説明する市教委文化財課世界遺産室の髙橋岳係長(左)

 
 昨年、世界遺産登録10周年を迎えた釜石市の「橋野鉄鉱山」で、これまでの調査で確認されていなかった新たな石碑が見つかった。自然石を利用したとみられる碑には「開山」の文字とともに、操業開始当時に関わっていた2人の人物の名前が刻まれる。同鉄鉱山の操業開始は1858(安政5)年であることは分かっているが、月日を示す資料は見つかっておらず、同碑に刻まれる「安政五戊午年 九月十二日」という日付の意味が注目される。
 
 石碑は昨年11月19日、市教委文化財課世界遺産室係長の髙橋岳さんが高炉場跡のモニタリング調査中に発見した。同調査は橋野鉄鉱山構成資産範囲(高炉場、運搬路、採掘場)内にある遺構や周辺景観を定点観測し、保全状況を把握するためのもので、世界遺産登録の翌2016年から毎年11~12月ごろに実施している。
 
「開山碑」とみられる石碑発見の報告は1月31日、鉄の歴史館で行われた

「開山碑」とみられる石碑発見の報告は1月31日、鉄の歴史館で行われた

 
 石碑があった一帯は大きな花こう岩が点在し、タガネで割った跡が見られるなど、高炉建設に必要な石材を切り出していた場所。いつも通り、定点観測用の写真を撮っていた髙橋さん。この日は、石の様子を見ようと近づいて歩いていたところ、一部がこけむした岩の表面に何やら文字らしきものが見えた。周りのコケを取ってみると、梵字と「開山」の文字が…。「たまに気にして見ることはあったが、まさか文字が刻まれているとは!」。偶然の発見に驚きとともに目がくぎ付けになった。現場は山の斜面に残る山神社跡よりさらに高い場所で、見学エリア内の「市之助の墓」から北西に約20メートルの地点。
 
石碑(黄丸)は高炉場ゾーン山神社ブロック西側の国有林内で発見された

石碑(黄丸)は高炉場ゾーン山神社ブロック西側の国有林内で発見された

 
石碑の発見場所と山神社跡など周辺の位置関係図

石碑の発見場所と山神社跡など周辺の位置関係図

 
 髙橋さんが後日、簡易調査したところ、石碑は自然に割れた花こう岩の割れ口の平坦面を利用していて、高さ約259センチ、横幅約176センチ(いずれも最長部分)、奥行き(石の厚さ)は約85~102センチ。人の背丈を優に超える大きさだ。タガネが入った形跡がなく、自然の摂理で生まれた割れ面に文字を刻んだものとみられる。
 
発見時の石碑(左)とコケなどを落とした後の石碑(右)

発見時の石碑(左)とコケなどを落とした後の石碑(右)

 
 記録するため、拓本(乾拓、湿拓)を試みたがうまくいかず、奈良文化財研究所が開発した技術「ひかり拓本」で文字を読み取った。碑の中央には「不動明王」を表す梵字、その下には「開山」と刻まれている。不動信仰に関する文献によると、三陸地方では火をつかさどる神様として不動信仰があり、「おそらく高炉操業の安全祈願として、不動明王を祭ったのではないか」と髙橋さん。1869(明治2)年に建てられた山神社のご神体も不動明王をモチーフにしたものとみられ、共通する。
 
スマホの「ひかり拓本アプリ」を利用し拓本作成。光源をさまざまな方向から石碑に当て写真撮影したものを組み合わせ、文字を浮かび上がらせる方法

スマホの「ひかり拓本アプリ」を利用し拓本作成。光源をさまざまな方向から石碑に当て写真撮影したものを組み合わせ、文字を浮かび上がらせる方法

 
ひかり拓本」で読み取ることができた石碑の文字(右)

「ひかり拓本」で読み取ることができた石碑の文字(右)

 
石碑文字を拡大したもの。左が不動明王を表す梵字と「開山」。右が「田鎖仲 源高守」

石碑文字を拡大したもの。左が不動明王を表す梵字と「開山」。右が「田鎖仲 源高守」

 
 碑の右下には「田鎖仲 源高守」という人物名がある。田鎖仲は高炉建設の技術者で、大島高任の補佐役。田鎖は閉伊氏の末えいで、閉伊氏は元は源氏名を名乗っていたことから“源”姓の名前も併記される。左下には鉱山の事務方を担った「支配人」の(柵山)市之助の名前が刻まれる。
 
 注目は「安政五戊午(つちのえうま)年 九月十二日」という日付だ。前後の文書をひもとくと―。前年の大島高任の大橋高炉での連続出銑成功を受け、盛岡藩は橋野の地に仮高炉を建設するが、その計画を示すのが安政5年5月19日付の南部家文書「覚書」。この中に田鎖仲と市之助の名前がある。地元橋野の和田家に伝わる「和田文書」によると、同年6月初めには大島高任が現地入りしていたとみられる。次に出てくるのが安政6年2月の「大島高任行実」。仮高炉の着工と同時期に安政の大獄があり、大砲製造のための銑鉄の需要が減ってくる中で、すでに着手している高炉事業をどうするかを協議した文書とされる。結果的に事業は継続され、一番高炉、二番高炉の建設につながっていくが…。
 
 これらの文書から推測すると、「仮高炉は安政5年6月ごろに着工。約3カ月で完成し、9月ごろに操業を開始した」との仮説がたつ。明治19年の盛岡藩文書「橋野鉄鉱山書上」には「鉱石の採掘は5~10月に限る」との記述もあり、総合的に考えると、「碑に刻まれている9月12日は仮高炉の操業開始という意味合いを持つのではないか。操業の安全を祈願するため不動明王を山の神として祭り、高炉をスタートした可能性がある」と髙橋さん。今後、専門家に現地を見てもらうなど詳しい調査を進めていきたい考え。
 
 市内で鉄鉱山関連の「開山碑」なるものは、これまで見つかっていなかった。髙橋さんは「将来、鉄鉱山操業時代の文献がさらに見つかっていけば、今回の石碑の関連性も見えてくるかもしれない。橋野鉄鉱山にはまだ見つかっていない遺構があるかもしれず、引き続き調査していきたい」と話す。
 
※記事中の石碑、現地写真、解説図は市教委文化財課世界遺産室提供

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アクシデントも成長の糧!?フランス派遣で得た学び 釜石の中学生、ユーモア交え報告

フランスでの体験学習に参加した釜石市の中学生

フランスでの体験学習に参加した釜石市の中学生

 
 釜石市の中学生海外体験学習事業でフランスに派遣された生徒6人の帰国報告会は7日、同市大町の市民ホールTETTOで開かれた。海外での生活や異文化交流を楽しんだ一方、慣れない異国の地で想定外のアクシデントも発生。体験活動はまちまちとなる中、それぞれが見いだした豊かな学びを、ユーモアを交えて発表した。
 
 この事業は同市の国際化に貢献できる人材の育成を図るため実施。昨年度、姉妹都市提携30周年を迎えた同国ディーニュ・レ・バン市との親交を深めることも目的にする。希望者を募り、6人を選考。7回の事前研修でフランス語や文化、現地で注意すべきことなどを確認しながら準備を進めた。
 
フランスに派遣された中学生の帰国報告会

フランスに派遣された中学生の帰国報告会

 
 派遣期間は1月5日から13日までの9日間。フランスで活動できるのは実質4日半程度で、生徒らはディーニュ市のほかマルセイユ、パリを巡って体験活動に取り組んだ。ディーニュ市では、児童生徒らが放課後の時間を過ごす「学生の家」や中学校、ホームステイ先で同年代の子や現地の人らと交流。姉妹都市提携のきっかけとなったジオパーク資産のアンモナイト化石群、ジオパーク博物館なども見学した。
 
 ディーニュ市に入り、初日の活動を終えた頃に体調不良者が出て、現地の病院を受診。回復した生徒もいれば、新たに体のだるさを伝える子が出たりし、半数は十分な活動ができなくなった。スケジュールを変更しながら、不調がない生徒は活動を継続。歴史的建造物も多い市街地の散策などを楽しんだ。
 
現地で撮った写真を示して印象に残ったことや学びを語る

現地で撮った写真を示して印象に残ったことや学びを語る

 
 派遣された6人はいずれも2年生で、報告会には全員が参加した。全日程で積極的に行動した内川愛優さん(唐丹)は、ホームステイ先で気づいた日本との暮らしや文化の違いを紹介し、学びを得る喜びを言葉にした。体調に不安を抱えつつ活動した川端俐湖さん(釜石)は世界の広さを実感し「違いを認め、受け入れることの大切さを改めて学んだ」と伝えた。
 
 菊池すずさん(釜石)は「インフルエンザになり、思い描いたキラキラした日々を過ごせなかった」と明かしながら、宿泊先のホテルや病院の「窓」から見つめた多様な人種の往来、やりとりを通して考えたことを説明。自身の生活に当てはめ、「現地の小学生の心と、人が持つ回復力を信じた医療がすてきと思えた自分の気持ちを忘れずに人と向き合いたい」と背筋を伸ばした。
 
「プラスになった」。独自の視点で得た学びを伝える生徒

「プラスになった」。独自の視点で得た学びを伝える生徒

 
 佐々木茜さん(釜石)は旅の後半で体調を崩したが、滞在先や病院の待合室での触れ合いを振り返った上で、「人の温かさや笑顔はどこでも通じる。経験を胸に、これからも新しい世界に踏み出していきたい」と力を込めた。音楽を通した交流を楽しんだ一方で、多くの時間が休息に変わってしまった菅原梨花さん(甲子)もたくさんの支えがあったと感謝。「どんな場面でも周りの人に寄り添えるよう視野を広く持ち、日々を過ごしたい」と前を向いた。
 
 ラグビー競技に励む鈴木秋音さん(甲子)にとっては、出会いにあふれた特別な旅になった。2023年にフランスで開催された第1回ワールドアマチュアラグビーフェスティバルで大会実行委員長を務めたジェレミー・テシエさん宅に滞在し、現地の生活を満喫。「一つの共通点だけで楽しく国際交流ができる幸せ」をかみしめた。同大会には釜石から特設チームが派遣されたが、「いつか釜石で開催してもらうこと」が夢になった。19年ラグビーワールドカップが開催された時のように「釜石をラグビーで活気ある街にしたい」と未来を想像した。
 
ホームステイ先での触れ合いなど充実した交流を紹介

ホームステイ先での触れ合いなど充実した交流を紹介

 
 報告を聞き終えた人たちは、異国での苦い経験や帰国後の気持ちの変化、成長した点などについて質問。生徒たちは「出国検査で戸惑った」「かばんが開いていて、すられそうになった。危機感を持つよう気を引き締めた」「コミュニケーション力が向上した」などと答えていた。
 
会場からの要望に応えてフランス国家を歌う場面もあった

会場からの要望に応えてフランス国家を歌う場面もあった

 
「メルC」と手でサインを示し笑顔を見せる生徒たち

「メルC」と手でサインを示し笑顔を見せる生徒たち

 
 小野共市長は「特異な経験を将来に役立ててほしい」と激励。高橋勝教育長は「みんなは自分の力でドアを開けたから、今回の学びにつながった。その力を持ち続けてほしい。そして、誰かのためにドアを開けられるような力も持ってもらえたら」と、さらなる成長を期待した。

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釜石市郷土芸能祭 9団体が熱い演舞 次世代への継承に思い新た 子どもたちも生き生きと

市民ホールTETTOで開かれた「第27回釜石市郷土芸能祭」

市民ホールTETTOで開かれた「第27回釜石市郷土芸能祭」

 
 第27回釜石市郷土芸能祭(市、市教委主催)は8日、同市大町の市民ホールTETTOで開かれた。隔年開催で2年ぶりのステージとなった今回は市内の8団体が出演したほか、特別出演として平泉町から1団体が招かれた。各地に伝わる多彩な芸能が披露され、約1千人が楽しんだ。
 
 同市では神楽、虎舞、鹿踊、手踊りなどさまざまな郷土芸能が伝承され、同祭にはこれまでに59団体が出演している。現在、県の無形民俗文化財に1団体(神楽)、市の同文化財に13団体(神楽4、鹿踊4、虎舞5)が指定される。同祭は市内の豊富な芸能を市民に知ってもらうとともに、活動団体に発表の機会を提供することで、次代への継承、担い手育成につなげようと開催される。1977(昭和52)年度に第1回目が開かれ、回を重ねてきた。
 
 今回は市内から市指定文化財の尾崎町虎舞、錦町虎舞、砂子畑鹿踊、東前太神楽のほか、平田神楽、外山鹿踊、只越虎舞、田郷鹿子踊が出演した。各団体は地域の祭りなどで披露している各種演目を舞台上で見せ、観客から盛んな拍手を送られた。
 
市指定文化財の「錦町虎舞」。錦町は現浜町3丁目の前町名。錦町青年会が継承する

市指定文化財の「錦町虎舞」。錦町は現浜町3丁目の前町名。錦町青年会が継承する

 
虎頭による舞のほか甚句も披露。錦町虎舞は刺鳥舞、おかめ漫才、御祝なども伝承している

虎頭による舞のほか甚句も披露。錦町虎舞は刺鳥舞、おかめ漫才、御祝なども伝承している

 
 栗林町砂子畑地区に伝わる「砂子畑鹿踊」は、江戸時代の元禄・宝永(1688~1711)年間に栗林村(当時)に移り住んだ房州(現千葉県南部)生まれの唯喜伝治という人物から伝えられたとされる。礼儀をただし、勇壮、活発な踊りが特徴。地区内の丹内神社の祭りで奉納される。郷土芸能祭への出演は第23回以来4回目。この日は家々を回って踊る門打ちの演目から▽念仏入羽▽回向(二句)▽庭踊り(両入羽、こぎり…など)▽角かけ―の演目を披露した。
 
市指定文化財の「砂子畑鹿踊」。写真の演目は庭踊りの一つ「両入羽」

市指定文化財の「砂子畑鹿踊」。写真の演目は庭踊りの一つ「両入羽」

 
 踊りの師匠である太夫の小笠原成幸さん(75)は「広く市民に見てもらえるのは張り合いがある。鹿頭の踊り手は今、30~40代のメンバーが担っているが、今後は10~20代につなぎ、伝統ある舞を踊り継いでいきたい」と話す。内陸部の同地区には東日本大震災後、被災地域などから約30世帯が移り住んだ。鹿踊の“刀振り”や“金子”という役は主に子どもたちが担うが、今回出演した子の半数は移住家庭の子たち。金子で参加した鈴木葵衣さん(7)もその一人で、「踊りは初めてやったので難しかった。いっぱい練習した」と話す。被災後、同地区に新居を構えた父勇さん(39)は「地域の人に声をかけていただき(娘が)参加できた。先人が紡いできたものを大事に引き継いでいる。少しでも携われて良かった」と喜び、「鹿踊を続けたい」と話す葵衣さんを温かく見守った。
 
「金子」で躍動する子どもたち。本番に向け、一生懸命練習を重ねてきた

「金子」で躍動する子どもたち。本番に向け、一生懸命練習を重ねてきた

 
クライマックスは1頭の雌鹿を2頭の雄鹿が奪い合う様子を表現した「角かけ」。激しい戦いが見どころ

クライマックスは1頭の雌鹿を2頭の雄鹿が奪い合う様子を表現した「角かけ」。激しい戦いが見どころ

 
 同祭には平成以降、市外の団体も特別出演している。今回は平泉町指定無形民俗文化財「達谷窟(たっこくのいわや)毘沙門神楽」が出演。坂上田村麻呂が801(延暦20)年に創建したと伝えられる同毘沙門堂に奉納された由緒ある神楽だ。この日は式舞の最初に舞う、五穀豊穣、子孫繁栄などを願う「御神楽」に加え、平泉とゆかりが深い源義経(牛若丸)が武蔵坊弁慶に出会った場所として有名な京都「五條の橋」の場面を再現した舞が披露された。
 
特別出演した平泉町の「達谷窟毘沙門神楽」。若手メンバーが源義経関連の演目を披露

特別出演した平泉町の「達谷窟毘沙門神楽」。若手メンバーが源義経関連の演目を披露

 
東前太神楽の代名詞、子どもたちによる「七福神」。市民が楽しみにする演目の一つ

東前太神楽の代名詞、子どもたちによる「七福神」。市民が楽しみにする演目の一つ

 
「通り舞」「クリ(狂い獅子)舞」などを継承する市指定文化財の「東前太神楽」。熟練の舞で観客を魅了

「通り舞」「クリ(狂い獅子)舞」などを継承する市指定文化財の「東前太神楽」。熟練の舞で観客を魅了

 
 同祭に初めて足を運んだ釜石市内の女性(66)は「祭りで郷土芸能は見ているが、舞台で見るとまた違っていいですね。東前の神楽など小さい頃から聞いているお囃子(はやし)のリズムが心地いい。郷土芸能は地域の宝。いつまでも続けば」と願った。ホール入り口のロビーには、出演団体を紹介するポスターが掲示された。釜石高の2年生5人が郷土芸能の担い手育成をテーマに取り組んだゼミ活動で作成したもので、各芸能の歴史、活動情報、参加条件、団体からのメッセージなどを記載。来場者に発信した。
 
釜石高2年生の郷土芸能ゼミが作成した出演団体のポスターに来場者も興味深げに見入った

釜石高2年生の郷土芸能ゼミが作成した出演団体のポスターに来場者も興味深げに見入った

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               

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釜石小「ぼうさい甲子園」で2度目の優秀賞 “災害時は自ら考え行動”命を守る教育、実践評価

2025年度「ぼうさい甲子園」で釜石小が優秀賞。6年生児童が教育長らに受賞報告=3日

2025年度「ぼうさい甲子園」で釜石小が優秀賞。6年生児童が教育長らに受賞報告=3日

 
 全国の防災教育に関する先進的取り組みを顕彰する本年度の1.17防災未来賞「ぼうさい甲子園」(兵庫県など主催)で、釜石市の釜石小(五安城正敏校長、児童66人)が、優秀賞を受賞した。東日本大震災前から継続する防災教育を深化させ、児童らが主体的に考え、家庭や地域を巻き込んだ実践的な活動を行っていることが評価された。1月24日、神戸市で開かれた表彰式には6年生児童が出席。自分たちの活動について発表も行った。
 
 6年生9人は今月3日、同市の教育長、危機管理監らに受賞を報告した。表彰式で行った活動発表を報告の場で披露。釜石小ぼうさい安全少年団の山﨑柊琳団長、佐野楓花副団長がこれまでの取り組みについて発表した。
 
1月24日の表彰式での発表を市、市教委の幹部職員らに披露した

1月24日の表彰式での発表を市、市教委の幹部職員らに披露した

 
 同校では三陸沖地震津波の発生確率が高まる中、2008年から市内小中学校に先駆け、下校時津波避難訓練など本格的な防災教育を開始。11年の震災発生時、児童らは帰宅していたが、自ら判断し高台などへ避難。全児童184人が命をつないだ。その後、多様化する災害を見据え、同教育活動は深化を続ける。
 
 震災発生日の3月11日にちなみ、毎月11日を「釜小ぼうさいの日」とし、少年団団長が校内放送で防災に関するメッセージを発信。同少年団通信として地域住民にもメッセージを届けている。火災、垂直避難、不審者対応の訓練なども実施。6年間かけて行う防災学習では地震津波のほか、土砂災害、河川洪水についても学び、年1回、「いのちの学習参観」として保護者と一緒に防災を考える時間を設けている。児童が防災学習シートを持ち帰り、家族がメッセージを返すことも。
 
写真左上:「釜小ぼうさいの日」に行った火災避難訓練。同右上:児童が作成した「ぼく、わたしのぼうさい安全マップ(写真提供:釜石小)

写真左上:「釜小ぼうさいの日」に行った火災避難訓練。同右上:児童が作成した「ぼく、わたしのぼうさい安全マップ(写真提供:釜石小)

 
 本年度の6年生は5年時に、「市の避難訓練に地域住民の参加が少ない」ことを知り、参加を呼びかけるチラシやポスターを作成。地域住民に配り、市役所などへの掲示も依頼した。本年度、特に力を入れて取り組んだのが「ぼく、わたしのぼうさい安全マップ」の作成。全校児童が家族と一緒に居住地区の危険箇所(地震津波、洪水、土砂災害、クマ出没など)を調査。地区リーダーの6年生は地域住民から釜石の昔の災害について教えてもらう聞き取りも行った。調査内容は横幅5メートルほどのパネルにまとめ、全校児童の前で発表。同パネルは昇降口に掲示し、いつでも見られるようにしている。
 
 震災前から続ける下校時津波避難訓練は、市や消防団の協力を得て実施。事前に地域住民にも知らせ、参加を促している。毎年繰り返すことで、児童らの避難意識は格段に向上。昨年12月8日深夜に発生した青森県東方沖地震で津波警報が出た際も、児童らは家族に「逃げよう」と声をかけ、いち早く避難を開始した。
 
釜石小が震災前から続ける「下校時津波避難訓練(2024年10月撮影)」。自ら判断し、最も近い高台の津波避難場所に向かう

釜石小が震災前から続ける「下校時津波避難訓練(2024年10月撮影)」。自ら判断し、最も近い高台の津波避難場所に向かう

 
 こうした経験を重ねてきた6年生は、「防災について学んだことから自ら判断し、命を守る行動をとる」「命はかけがえのない大切なものと思い続ける」ことなどを肝に銘じ、「これからも校内、地域の人たちとつながり、みんなの役に立つ人になりたい」との思いを強くする。
 
 釜小の校長経験もある髙橋勝教育長は脈々と続く同校の防災教育について、「みんなは形だけでなく、(先輩方の)心も受け継いで防災に取り組んできた。これからも大事にしてほしい。行動を起こすことで現状は変えられる。最初の小さな一歩が大きな力になる」と児童らの取り組みをたたえた。
 
髙橋勝教育長に優秀賞の賞状や盾を見せながら受賞を報告する児童

髙橋勝教育長に優秀賞の賞状や盾を見せながら受賞を報告する児童

 
 同顕彰事業は、阪神・淡路大震災をはじめとする災害の記憶を後世につなぎ、防災教育の推進で未来の安全安心な社会をつくるのが目的。21回目となる本年度は全国111校・団体から応募があり、選考委員会による審査で各賞が決定した。釜石小は小学生部門で、ぼうさい大賞に次ぐ優秀賞を受賞した。同顕彰での同校の受賞は2011年度のぼうさい大賞、12年度の優秀賞、24年度の特別賞(はばタン賞)に続き4回目。
 
関係職員が児童らの取り組みをたたえ、防災への協力に感謝

関係職員が児童らの取り組みをたたえ、防災への協力に感謝

 
 山﨑柊琳団長は「防災の活動を6年間重ねてきた中での受賞なのでうれしい。表彰式では他の地域の発表も聞けて参考になった。今後に生かしたい。後輩たちにもこの活動を引き継いでほしい」と願う。佐野楓花副団長も「釜小の取り組みを全国の人に知ってもらえた」と喜ぶ。生まれる前の大震災で自宅も津波の被害を受けた。「下校時津波避難訓練はすごくためになっている」と話し、次の世代に向け、「小さい頃から防災の学習をして、もしもの時に命が助かれるように行動してほしい」と思いを込める。
 
 11年の震災時も同校にいた“いのちの教育”担当の及川美香子教諭は「防災学習は地域の現状を踏まえ、アレンジしながら継続していくことが大事」と改めて実感。今春、中学に進む6年生に対し、「自分たちがやってきたことを他の小学校出身者にも伝え、みんなでこの地域の命を守れる人になってほしい」と期待した。

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震災15年― 誓う!「津波時は高台へ」 避難の教訓 新春韋駄天競走で釜石から再発信

第13回新春韋駄天競走。震災後に生まれた小学生も津波避難の教訓を学ぶ

第13回新春韋駄天競走。震災後に生まれた小学生も津波避難の教訓を学ぶ

 
 未曽有の被害をもたらした東日本大震災からまもなく15年―。津波で多くの尊い命が奪われた大災害を教訓に、迅速な高台避難を啓発する「新春韋駄天競走」が今年も釜石市で行われた。同市大只越町の日蓮宗仙寿院(芝﨑恵応住職)が主催。2歳から81歳まで計122人が、高台の寺につながる急坂を懸命に駆け上がった。震災の記憶が薄れていく一方で、国内外では自然が猛威をふるう大規模災害が多発。参加者は地震津波以外にも通じる“命を守る行動”の大切さを改めて心に刻んだ。
 
 同寺の節分行事と連携し13回目を迎える韋駄天競走。開催日となった1日は一時、雪がちらつくなど、厳しい寒さとなった。参加者が駆け上がるのは震災時、津波で浸水したエリアから市指定津波避難場所となっている同寺までの286メートル。高低差は約26メートルあり、急坂や急カーブが連続する。スタート前には運営責任者から参加者に「競走はするが、一番の目的は津波避難の練習」との開催趣旨が伝えられた。
 
 年代別に6部門に分かれてスタート。親子の部では幼い子どもの手を引いて高台避難を疑似体験する姿が見られた。小中学生は日頃、運動の機会があるだけに坂道もなんのその。元気にゴールまで走り切った。
 
小学生以下の子どもが父母と参加する親子の部。手をつないで元気にスタート

小学生以下の子どもが父母と参加する親子の部。手をつないで元気にスタート

 
ゴールまであと少し。沿道の声援を受けながら仙寿院境内を目指す親子

ゴールまであと少し。沿道の声援を受けながら仙寿院境内を目指す親子

 
中高生の部は釜石の硬式野球チームの中学生が多数参加。激しいトップ争いを繰り広げる

中高生の部は釜石の硬式野球チームの中学生が多数参加。激しいトップ争いを繰り広げる

 
 一方、大人は…。男女とも先頭では“競走”らしいトップ争いを見せたほか、勢い余って最後の最後に転倒する人も。後続も力の限りを尽くし、それぞれのペースでゴールを目指した。沿道では声援を送ったり、拍手で出迎えたりと参加者を後押し。ゴール近くでは地元の只越虎舞がお囃子(はやし)を響かせて盛り上げた。
 
女性の部は過去の1位経験者らがトップ争い。余裕の表情で駆け上がる

女性の部は過去の1位経験者らがトップ争い。余裕の表情で駆け上がる

 
ゴール前では勢い余って転倒する参加者も…

ゴール前では勢い余って転倒する参加者も…

 
「きっつー!」。最後の上り坂で顔をゆがめる男性参加者

「きっつー!」。最後の上り坂で顔をゆがめる男性参加者

 
 「大変かなと思ったけど、意外に走れた」と笑顔を見せたのは、釜石市の最年少震災語り部、鵜住居小6年の佐々木智桜さん(11)。3年時に母と研修を受け、「大震災かまいしの伝承者」として語り部活動を始めた。震災の教訓を伝える同行事に「こういう経験をしていれば、津波警報や注意報が出た時にすぐ逃げられる。すごくいいと思う」と共感。「中学生になっても語り部を続け、もっと分かりやすくみんなに伝えていきたい」と伝承への思いを強くした。一緒に参加したのは弟の智琉さん(9)。「楽勝っす!」と余裕の訳は、同小で続けられる「てんでんこマラソン」で3年男子の1位になった自慢の脚力。「いざという時は必ず逃げる。この行事でみんなも覚えていてくれると思う」と話した。
 
初参加の行事を楽しんだ佐々木智桜(ちさ)さん、智琉(さとる)さん姉弟。津波から命を守る行動を再確認した

初参加の行事を楽しんだ佐々木智桜(ちさ)さん、智琉(さとる)さん姉弟。津波から命を守る行動を再確認した

 
 昨年から団体参加するのは釜石市国際外語大学校で日本語を学ぶ留学生ら。今年は昨年来日したミャンマー、ネパール出身の1年生男女17人が参加した。釜石に来てから学校の津波避難訓練で震災のことも学んだ学生ら。ミャンマー出身のター トー テイ ザさん(20)は急な坂と厳しい寒さに体力を奪われたようで、「疲れた」と一言。それでも「個人的に練習してきた」という成果を発揮し、男性34歳以下で上位に入る健闘を見せた。同じくミャンマー出身のシュエー ウェー ヤン トゥッさん(20)は「走るのは得意。楽しかった」とにっこり。母国では海のない所にいたため、「津波は怖い。慌てないで避難場所に早く逃げることが大切だと思う」と釜石での学びを脳裏に刻んだ。
 
釜石市国際外語大学校の留学生も必死に坂を駆け上がった。全員無事完走!

釜石市国際外語大学校の留学生も必死に坂を駆け上がった。全員無事完走!

 
女性の留学生からは笑みも…。津波防災を学ぶとともに釜石生活の思い出を作った

女性の留学生からは笑みも…。津波防災を学ぶとともに釜石生活の思い出を作った

 
写真上:各部門で1位になった参加者ら。「福○○」で良き年に期待! 同下:今年も只越虎舞が協力。表彰式の前に演舞し、参加者を楽しませるのが恒例

写真上:各部門で1位になった参加者ら。「福○○」で良き年に期待! 同下:今年も只越虎舞が協力。表彰式の前に演舞し、参加者を楽しませるのが恒例

 
 各部門の1位には「福男」「福女」「福親子」の認定書が贈られた。男性34歳以下で1位となった奥州市の団体職員、田代優仁さん(28)は10年ぶり2回目の参加で2回目の「福男」。山田町出身で震災時は中学1年生。家族は無事だったが、津波で自宅が流失し、盛岡市に転居した。韋駄天競走には高校3年生の時に初参加。陸上競技部で鍛えた足で、男性29歳以下(当時の部門)で1位となった。今回は、転職で地元岩手に戻ってきたこともあり、「大船渡の山火事や能登の地震などさまざまな災害が起こる中で、(震災を経験した身として)避難の意識付けを啓発していく立場でありたい」と参加を決めた。「災害はいつどこで何が起こるが分からない。どんな状態でも逃げられるよう、常に意識を持っておかないと。県人のDNAとして受け継いでいきたい」と後世に伝えたい思いを口にした。
 
10年ぶりの参加で2度目の「福男」となった田代優仁(まさひと)さん(中央)。「いつでも逃げられるように…」と教訓伝承へ思いを強くする1

10年ぶりの参加で2度目の「福男」となった田代優仁(まさひと)さん(中央)。「いつでも逃げられるように…」と教訓伝承へ思いを強くする

 
しっかりと手をつなぎ、ゴールを目指す女性参加者。気持ちを一つに一歩一歩前へ…

しっかりと手をつなぎ、ゴールを目指す女性参加者。気持ちを一つに一歩一歩前へ…

 
 同行事は兵庫県西宮市、西宮神社の新年開門神事「福男選び」を参考に2014年にスタート。同神社開門神事講社の平尾亮講長(49)が釜石を訪れ、運営に協力する。交通事故の後遺症で右足が不自由ながら、毎回、松葉づえをついて参加者と一緒に坂を駆け上がる。起源は鎌倉時代とされる歴史ある同神事に携わるが、「釜石に来ると、皆さんの熱意に『負けとるやないか』と悔しい思いになる。僕らも負けてられへん!」。西宮市は阪神・淡路大震災の被災地でもあり、両震災の教訓継承に思いを同じくする。
 
西宮神社開門神事講社の平尾亮講長。誰もが直面する避難への意識を持ってほしいと毎回、この坂を駆け上がる

西宮神社開門神事講社の平尾亮講長。誰もが直面する避難への意識を持ってほしいと毎回、この坂を駆け上がる

 
海の方角に向かって黙とう。この行事の最後に必ず行う震災犠牲者への祈り

海の方角に向かって黙とう。この行事の最後に必ず行う震災犠牲者への祈り

 
 来月で東日本大震災から15年となる中、仙寿院の芝﨑住職は「(参加者の)皆さんのように津波のことを考えてくれる人たちは少なくなってきた。被災者がつらい思いからまだ抜けきっていないことも多くの人は忘れてしまっている」と警鐘を鳴らし、「津波はいつくるか分からない。『大震災を忘れてはならない』『身を守るには逃げるしかない』ということを声高に伝えてほしい」と願った。

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暮らしと地域社会支えるバス路線維持へ 釜石市が第3期地域公共交通計画案に意見募集

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 釜石市は2026年度から5年間の第3期市地域公共交通計画の策定に向け、同計画案に対する市民の意見を3月2日まで募集している。同市では持続可能な公共交通維持のため、2019年から市内路線バスの幹線部を岩手県交通、支線部を市の委託事業者が運行する体制をとるが、支線部の利用者数は減少傾向が続く。同計画では、高齢者や子どもなど移動手段を持たない市民の暮らし、地域社会を支える基盤として、将来にわたって利用され続ける公共交通体系の再構築を図る。寄せられた意見を踏まえ、3月中の計画策定を目指す。
 
 現在、市が委託運行する支線部バスは、マイクロバスによる北部(青ノ木・中村方面)と南部(大石・荒川方面)のコミュニティバス、ハイエースによる箱崎白浜方面と尾崎白浜方面のにこにこバスの計4路線。1月23日に開かれた市地域公共交通活性化協議会(委員32人、会長:平松福壽副市長)で示された直近1年間(2024年10月~25年9月)の事業評価によると、目標利用者数に対する実績で達成率80%を超えたのは、にこにこバス(尾崎白浜方面)の88.7%のみ(B評価)。他3路線は80%未満(C評価)で、定額運賃のサブスク実証実験を行った南部コミュニティバスでも利用者拡大には至らなかった。要因として、実施事業がニーズにマッチしていないことが考えられ、ニーズの分析・掘り起こし、ダイヤ改正など利用促進への施策が必要とする。
 
支線部を運行するコミュニティバス(上)とにこにこバス(下)=資料写真

支線部を運行するコミュニティバス(上)とにこにこバス(下)=資料写真

 
 地域公共交通の利用者減少は人口減少の影響で一層顕著となっている。特に北部コミュニティバスの利用者は過去5年間で約半数近くにまで減少。長期化する物価高騰や人件費上昇などもあり、厳しい収支状況が続く。それでも市民生活の基盤となる公共交通の維持・確保は不可欠で、限られた交通資源を効率的かつ効果的に活用し、利便性と生産性を高めることが求められる。
 
 市は第3期計画の基本理念に「未来へ続く、暮らしとコミュニティを支える地域公共交通の実現」を掲げる。買い物や通院、通学・通勤といった日常の移動手段確保のほか、地域イベントへの参加や交流機会につながる公共交通環境を整えたい考え。基本目標として▽持続可能な公共交通ネットワークの維持・強化▽地域のニーズに応じた多様な移動手段の確保▽公共交通利用促進と市民意識の醸成―を定める。外出環境の満足度、市民1人当たりの乗り合いバス年間利用回数など各指標で、2030年度までの目標値を設定する。
 
「第3期釜石市地域公共交通計画(案)」などを協議した2025年度第3回釜石市地域公共交通活性化協議会=1月23日

「第3期釜石市地域公共交通計画(案)」などを協議した2025年度第3回釜石市地域公共交通活性化協議会=1月23日

 
 計画には具体的な取り組みとして13項目を示す。収益率が低い支線部バスは一体的に見直しを行い、利用の少ない区間は予約型乗り合いタクシーなどへ段階的に切り替える。学校統合に合わせた支線部バスへの児童生徒の乗り合い化など、通学時の路線バス活用を検討。高齢者の移動手段確保、閉じこもり予防などのため、バス・タクシー共通利用券の交付、予約型乗り合いタクシーの運行を検討し、運転免許返納による交通事故抑止に寄与する。市街地から遠く、交通事業者による運行が困難なエリアでは、「交通空白地自家用有償運送制度」を活用した運行も検討。ドライバーを募り、運行・車両管理をタクシー事業者が担うことで、効率性や安全性を確保する。この他、鉄道事業者との連携、多様な媒体を活用した情報発信で地域公共交通の利用促進を図ることも盛り込む。
 
 計画案は市ホームページのほか、市市民課、各地区生活応援センターなどで閲覧できる。意見は文書にし、持参、郵送、ファックス、メールなどで提出を。
 
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 1月の同協議会では他に、世界遺産「橋野鉄鉱山」への観光客の移動手段確保のため、新たに「事業者協力型自家用有償運送」の導入が提案され、承認された。
 
 同有償運送は、自家用車を使って旅客から対価を受けて行う移動支援制度のうち、地元タクシー事業者などが運行管理に協力するもの。今回の事業では運営主体(ドライバー)が釜石観光物産協会、釜石観光ガイド会。交通空白地有償運送等運転者講習を受講した人が運行する。運行・車両整備管理で協力するのは市内のタクシー事業者スクー。
 
 運行は原則、橋野鉄鉱山インフォメーションセンターの営業時間内(の発着)。釜石駅や鵜住居駅、市内宿泊施設などから客を乗せ、同鉄鉱山(橋野町青ノ木地区)に向かう。鵜住居町寺前交差点~青ノ木間の観光地や店舗などへの立ち寄りも可能。モデルコースを設定し、客に選択してもらう。タクシーよりも割安で利用でき、道中、ガイドの話も聞ける。
 
「事業者協力型自家用有償運送」導入についても協議。事業者協力型は東北初

「事業者協力型自家用有償運送」導入についても協議。事業者協力型は東北初

 
 鉄路などで釜石を訪れた観光客が同鉄鉱山に行くには現状、タクシーやレンタカーしかない。本年度は釜石観光物産協会と県タクシー協会釜石支部が連携し、土日祝日限定で、釜石駅からの相乗りタクシー3時間プランを実施したが、利用は少なかった。新たな制度の導入で、客の選択肢が増え、利便性向上につながるものと期待される。事業は2026年度からスタートする予定。

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つきたてー!モチモチ食感「おいしいね」 親子で楽しく餅つき 釜石・栗林小PTA

きねと臼を使って昔ながらの餅つきを楽しむ栗林小児童ら

きねと臼を使って昔ながらの餅つきを楽しむ栗林小児童ら

 
 釜石市の栗林小(高橋昭英校長、児童25人)で1月31日、同校PTA(栗澤敬太会長)が主催する恒例の餅つき会が開かれた。親子で協力して餅をつき、おいしく味わった。
 
 児童や保護者ら約50人が参加。例年、餅つきに使う道具(臼ときね)は住民から借りていたが、今年は趣向を変え、陸中海岸青少年の家(山田町)の力を借りた。もち米3.3升(約5キロ)はPTAで用意。いつも通り、地元農家から提供された地域米を使った。
 
ふかしたてのもち米を使って餅つきがスタート

ふかしたてのもち米を使って餅つきがスタート

 
 PTAがもち米をふかして準備。粒の形が残る状態からスタートし、大人がある程度ついたあとで、子どもたちにバトンタッチ。低学年は小ぶりで軽いきね、高学年は大人と同じく重たいきねを懸命に持ち上げ、周囲の「よいしょー」「よし!いいぞー」の掛け声に合わせて振り下ろした。
 
豪快、優しく、懸命に…独自のスタイルで餅をつく

豪快、優しく、懸命に…独自のスタイルで餅をつく

 
大人からアドバイスを受けながら餅つきに挑む子どもたち

大人からアドバイスを受けながら餅つきに挑む子どもたち

 
親子で息を合わせたり、友達や保護者に見守られたり

親子で息を合わせたり、友達や保護者に見守られたり

 
仕上げに大人が再登場。子どもたちは掛け声で盛り上げる

仕上げに大人が再登場。子どもたちは掛け声で盛り上げる

 
 「粒がなくなってるね」と児童が確認して完成。あんこや、きな粉を付けて味わった。「つきたての餅はおいしい」と頬張ったのは佐々叶真さん(2年)。「おいしい食べ方、知ってる?」と友達に声を掛けていた子は、あんこときな粉の合わせ技を発見したことを誇らしげに話しながら笑顔を広げていた。
 
みんなでついた、おいしいお餅「いただきまーす」

みんなでついた、おいしいお餅「いただきまーす」

 
お餅「どこまで伸びる⁉」。目線、くぎ付け

お餅「どこまで伸びる⁉」。目線、くぎ付け

 
 餅つき会はコロナ禍の影響を考えつつ、一昨年から再開。昨年までは会食を控えていたが、今年はみんなでモチモチ食感を楽しんだ。児童会長の遠野姫瑠さん(6年)は初めての参加。「一人ではできないこともみんなで協力すればできるからうれしい。地域の人と一緒に楽しむ行事が多くて、いいと思う。いつまでも残ってほしい」と、仲間との友情や地域との関係性を育んだ。
 
ピースサインで気“もち”を合わせる子どもたち

ピースサインで気“もち”を合わせる子どもたち

 
餅つきを通して喜びを共有する栗林小児童と保護者ら

餅つきを通して喜びを共有する栗林小児童と保護者ら

 
 栗澤会長は「餅つきや、もち米、つきたてを食べる機会は少ないから、とても大事にしている行事」と価値を強調する。同校は2027年度に鵜住居小との統合が計画されるが、「統合後も地区ごとにPTAのような形は残るはず」と推測。「栗橋地域ならではの行事を続けていきたい」と先を見据える。子どもたち同様、自身も「生まれも育ちも栗林」。地域に根づく活動を通して積んだ経験を次の世代に伝えていく構えだ。

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人気急上昇!みちのく潮風トレイル 釜石ルートを内外にアピール 第3弾は唐丹 お楽しみグルメも

唐丹町で行われた「第3回みちのく潮風トレイル釜石グルメウオーク」

唐丹町で行われた「第3回みちのく潮風トレイル釜石グルメウオーク」

 
 青森県八戸市から福島県相馬市まで4県29市町村にまたがる太平洋沿岸のトレイルルート「みちのく潮風トレイル」。東日本大震災からの復興の一助にと、環境省が整備した全長約1000キロの自然歩道は、雄大な海景や土地の歴史、文化などに触れることができると国内外から注目を集める。同ルートの一部となっている釜石市では本年度、トレイルと地元の食を組み合わせた「釜石グルメウオーク」(全5回)というイベントを開催中。1月25日、その第3弾として、唐丹町のコースを歩く企画が行われた。
 
 同イベントは地元の観光地域づくり法人かまいしDMCが主催。同市が共催する。昨年4月に市中心市街地の桜スポットなどを巡る約4.7キロ、7月には鵜住居町根浜周辺の約6キロを歩き、それぞれ、釜石ジオ弁当、天然ウニの殻むき・試食が“釜石グルメ”として提供された。
 
 3回目となる今回のコースは唐丹町片岸から本郷を巡る約6キロ。市内外から21人が参加し、釜石観光ガイド会の藤原信孝副会長の案内で歩いた。三陸鉄道唐丹駅を出発した一行は、震災の津波被害を受け、再建された小白浜漁港の防潮堤(高さ14.5メートル)を進んだ。ルートの途中で寄り道したのは盛岩寺。境内には1896(明治29)年、1933(昭和8)年の三陸大津波を伝える石碑が建ち、付近には東日本大震災の津波到達地点も示されている。
 
発着点は三陸鉄道唐丹駅。駅近くの片岸川(写真右下)には以前、サケが大量遡上していた

発着点は三陸鉄道唐丹駅。駅近くの片岸川(写真右下)には以前、サケが大量遡上していた

 
小白浜漁港の防潮堤内側を歩く。進行方向左手の高台には民家が並ぶ

小白浜漁港の防潮堤内側を歩く。進行方向左手の高台には民家が並ぶ

 
盛岩寺境内には明治29年と昭和8年の大津波記念碑がある(大きいのが昭和)。近くには東日本大震災津波の到達点を示す標柱も(右上写真)

盛岩寺境内には明治29年と昭和8年の大津波記念碑がある(大きいのが昭和)。近くには東日本大震災津波の到達点を示す標柱も(右上写真)

 
 参加者を楽しませたのは小白浜と本郷を結ぶ「桜峠」。高低差約30メートル、距離約500メートルの山道で、同トレイルルートであることを示すタグが道なりに取り付けられている。やぶの中を進み、頂上から本郷側に下ると旧国道45号に出た。国道ができる前は、参加者が通ってきた桜峠が人々の往来路。同町で3年に一度、開催される天照御祖神社式年大祭の名物“大名行列”もこの道を通っていたという。
 
今回の目玉「桜峠」を行く。道沿いの木に“みちのく潮風トレイル”のルートであることを示す青タグが取り付けられている

今回の目玉「桜峠」を行く。道沿いの木に“みちのく潮風トレイル”のルートであることを示す青タグが取り付けられている

 
もうすぐ峠の頂上。最後の上り坂を進む。参加者はまだまだ元気

もうすぐ峠の頂上。最後の上り坂を進む。参加者はまだまだ元気

 
本郷側に下る坂道は一部急斜面も。落ち葉のじゅうたんは滑らないよう慎重に…

本郷側に下る坂道は一部急斜面も。落ち葉のじゅうたんは滑らないよう慎重に…

 
 次に向かったのは、祭り行列のルートにもなっている本郷の桜並木。昭和8年の津波後に植樹され、当時の村長が残した「並木より下(低地)に家を建てるな」という教訓が継承される。並木を抜けた先には明治、昭和、平成の大津波の記憶を後世に伝える石碑群がある。参加者はガイド会の藤原副会長の説明を聞きながら、間もなく発災から15年を迎える東日本大震災に思いをはせた。
 
天照御祖神社式年大祭“大名行列”のルートにもなっている本郷の桜並木。古木ながら春には美しい花風景を見せる

天照御祖神社式年大祭“大名行列”のルートにもなっている本郷の桜並木。古木ながら春には美しい花風景を見せる

 
高台から臨む本郷地区。桜並木は当時の柴琢治村長が残した昭和8年の津波の教訓も伝える

高台から臨む本郷地区。桜並木は当時の柴琢治村長が残した昭和8年の津波の教訓も伝える

 
明治、昭和、平成の大津波を伝える石碑群が並ぶ一角。東日本大震災の津波記憶石(2012年6月建立)には地元小中学生のメッセージが刻まれる

明治、昭和、平成の大津波を伝える石碑群が並ぶ一角。東日本大震災の津波記憶石(2012年6月建立)には地元小中学生のメッセージが刻まれる

 
 津波石碑群の背後の高台には、江戸時代に全国を測量して歩き、日本地図の原形を作った伊能忠敬の業績を刻んだ石碑、唐丹の緯度と星座名を刻んだ星座石がある。地元の天文学者葛西昌丕(1765-1836)が残したもので、県指定文化財となっている。参加者のリクエストで市指定文化財の「本郷御番所跡」も巡り、2006年に開通した唐丹さくらトンネルを通って小白浜に戻った。
 
県指定文化財の「星座石」(右上写真)、「測量の碑」も見学。刻まれた文字に興味津々(右下同)

県指定文化財の「星座石」(右上写真)、「測量の碑」も見学。刻まれた文字に興味津々(右下同)

 
「仙台藩本郷御番所跡」を見学後、さくらトンネル、小白浜漁港岸壁を通ってグルメ会場へ…

「仙台藩本郷御番所跡」を見学後、さくらトンネル、小白浜漁港岸壁を通ってグルメ会場へ…

 
 唐丹地区生活応援センターでは今回の釜石グルメ「うにしゃぶ」が提供された。三陸産ウニを使った濃厚でクリーミーなスープに新鮮な魚介類をくぐらせて味わう同市の新名物鍋料理で、この日は唐丹産の生ワカメも具材に。参加者は初めての味わいを楽しみ、地元の食にも理解を深めた。
 
 今回の参加者の半数は市外から訪れた。登山仲間という岩泉町の畠山秀樹さん(61)、大船渡市の伊藤英さん(31)は会話も弾ませながら軽快な足取りで歩みを進めた。畠山さんは「県北のルートはよく行くが、県南はほぼ初。今回はうにしゃぶ目当てで。最後にうどんが欲しかった」とスープのおいしさを堪能。伊藤さんは釜石のルートは別の場所で何回か経験。「いろいろな年代の人が参加するにはちょうどいいコース。歩きやすい。新たな発見も」と初のルートを楽しんだ。
 
魚介類をウニスープで“しゃぶしゃぶ”。初めてのメニューに舌鼓!

魚介類をウニスープで“しゃぶしゃぶ”。初めてのメニューに舌鼓!

 
後半は青空がのぞく時間帯も。冬枯れの景色も眺めつつ一歩一歩前へ…

後半は青空がのぞく時間帯も。冬枯れの景色も眺めつつ一歩一歩前へ…

 
 宮城県仙台市から訪れた女性(68)は同企画2回目の参加。一昨年から同トレイルの面白さにハマり、各地のイベントに足を運ぶ。「いろいろな人に会えるし、地域の歴史や見どころを聞けるのがすごく楽しい。こっちのガイドさんはいろいろなことを説明してくれるので」と声を弾ませる。南から踏破を続け、今のところ最北が釜石。昨年4月の釜石ウオークで知り合った女性と仲良くなり、今回も共に参加。帰り際、「次も来ようね」と約束し、笑顔で別れた。
 
 東京から釜石市内の実家に帰省した大内愛子さん(26)は家族4人で参加。同トレイルは初体験で、「自分では行かないような所を歩けて面白かった。星座石とか、新たに知れたこともあり、歴史ある土地なんだなと感じた。違うコースも歩いてみたい」と興味をそそられた様子。父勇二さん(72)は「距離的にはどうってことないが、ちょっと寒かったね。前から歩いてみたかったので、娘の帰省のタイミングで参加できて良かった」と家族で過ごす休日を喜んだ。
 
唐丹の海をバックに記念撮影。この後、発着点の唐丹駅に向かった。全員完歩!

唐丹の海をバックに記念撮影。この後、発着点の唐丹駅に向かった。全員完歩!

 
 同トレイルは2024年の英タイムズ紙で、「日本で訪れるべき場所14選」に選ばれた。釜石市内では根浜キャンプ場や御箱崎の宿(箱崎白浜)などで、同トレイル目的の外国人客の宿泊が増えているという。市商工観光課の髙橋優哉主事は「地元住民との交流が楽しいというアンケート結果もあり、市民には積極的にコミュニケーションを取ってほしい。今回のような機会を通じてトレイルについて知ってもらい、魅力発信やさらなる誘客につなげられれば」と話す。
 
 本年度残り2回は2月22日、3月14日に実施予定。2月は両石町水海公園から鏡海岸を経て浜町に向かう「鳥谷坂峠」を主とした約12キロのコースを設定。同日行われるサン・フィッシュ釜石の屋台村での飲食を計画する。詳細が決まり次第、ホームページなどで広報。参加者を募集する。

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釜石PIT 2026年2月のスケジュール

 

太字で表示されているイベントは一般の方も参加できます。イベントに関するお問い合わせは、各主催者までお願いいたします。
 
施設に関する詳細はこちらのページをご覧ください。

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

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釜石発!サーモン、ムール貝養殖「おいしいの、できてます」 水産フォーラムで紹介

釜石で進む新規事業が紹介された水産・海洋研究フォーラム

釜石で進む新規事業が紹介された水産・海洋研究フォーラム

 
 水産・海洋研究フォーラム(釜石市など主催)は1月24日、同市大町の釜石PITで開かれ、大学教授ら専門家や漁業者ら4人が研究や新規事業の取り組み事例を発表した。市民ら約60人が聴講。近年、気候や海洋環境の変化によって水産業を取り巻く状況は厳しさを増しており、市内で進む新たな取り組みを知ることで水産業の持続可能性を考える機会にした。
 
 「甲子川発!さけます人工ふ化場産 ご当地サーモンの取り組み」と題して事例を紹介したのは、北里大学海洋生命科学部附属三陸臨海教育研究センター(大船渡市三陸町)の清水恵子さん。助手として三陸各地で事業者らとさまざまな共同研究を進めている。その中で、釜石湾漁協甲子川さけ人工ふ化場(佐々木有賢場長)とタッグを組んで進めるヒメマス養殖の事業化の動きを伝えた。
 
甲子川さけ人工ふ化場の養殖事業を説明する清水恵子さん

甲子川さけ人工ふ化場の養殖事業を説明する清水恵子さん

 
 同ふ化場では大不漁が続く秋サケ(シロザケ)に代わる魚種としてヒメマスに着目し、2020年から陸上養殖に取り組む。同センターとの共同研究は2年ほど前に開始。海面養殖も視野にセンター側は海水適応などに関する分析や小規模飼育試験を進め、ふ化場では種苗生産や親魚養成・採卵を続けている。
 
 ヒメマスは、ベニザケが一生を湖で過ごすようになった陸封型。適水温は10度前後とされるが、「甲子ふ化場の水温は高め」と清水さん。そんな中でも、八幡平で採卵し、甲子ふ化場に移送したもののふ化率(生存率)は93%だったといい、高水温環境で飼育ができる理由や甲子川産の特性を調査していく考えを示した。
 
釜石で育ったヒメマスに関心を示すフォーラム参加者

釜石で育ったヒメマスに関心を示すフォーラム参加者

 
 清水さんは、ヒメマス養殖事業について「サケを人工的にふ化させ放流する技術を継承しながら、減少した収入を穴埋めできる生産システムだ」と可能性を強調した。現在は平均1.8キロ、大きいもので2.5キロに成長。採卵、ふ化も成功させ養殖技術が高まってきたことから数量限定ながら出荷にこぎ着けた。会場には、八幡平で採卵し育成した3歳魚(2キロ超)、“完全”釜石産の2歳魚(1.1キロ)を並べて紹介。「おいしいものができるという話です」と笑顔で締めくくった。
 
 水産資源を生かした新たな養殖事業の取り組みはまだあり、唐丹町漁協に所属する組合員3人で23年1月に設立した「唐丹ムール貝養殖組合」の副組合長、小野寺計さんはブランド化させた「はーとふるムール」をPRした。
 
小野寺計さんは唐丹湾で始めたムール貝養殖への思いを伝えた

小野寺計さんは唐丹湾で始めたムール貝養殖への思いを伝えた

 
 主力とするホタテやワカメの養殖は海水温の上昇などの影響で大量へい死や品質低下が見られ、なりわいの継続に危機感を持つ中で、着目したのがムール貝。養殖施設に付着するこの副産物は地域では「しゅうり貝」として水揚げされ、食されてきた。高水温への適応力があり、唐丹湾でも力強く自生していることから、養殖試験で技術を習得しつつ生産量の増大・安定化を進め、販路の開拓にも挑んできた。
 
唐丹の海と人をつなぐ「はーとふるムール」をPR

唐丹の海と人をつなぐ「はーとふるムール」をPR

 
 人脈を生かし首都圏の大手小売店へ売り込み、クリスマス商戦の需要をつかんだ一方、県内外の飲食店への売り込みは苦戦。それでも熱意を持ち続け、釜石市内の1店との定期取引が実を結んだ。小野寺さんは「はーとふるムールは唐丹の海と人を結ぶ象徴。出荷して終わりではなく、顔の見える関係性を大事にしながら、地域の未来を照らす存在として育てていきたい」と力を込めた。
 
 岩手大学三陸水産研究センター(釜石・平田)の谷田巌准教授はナマコの資源管理を説明し、新規種を用いた人工種苗生産技術の開発に関する研究の一端を紹介。東京大学大気海洋研究所国際・地域連携研究センター大槌研究拠点(大槌町)の藤井賢彦教授は二酸化炭素(CO2)の大量排出が引き起こす地球温暖化、海洋酸性化について解説し、影響の先読みと地域の実情に応じた対策の必要性を指摘した。
 
講演した岩手大学の谷田巌准教授(左)、東京大学の藤井賢彦教授

講演した岩手大学の谷田巌准教授(左)、東京大学の藤井賢彦教授

 
専門家や漁業者の報告に耳を傾け、関心を深めた参加者

専門家や漁業者の報告に耳を傾け、関心を深めた参加者

 
 各講演後には質疑応答の時間があり、聴講した人らが気になったことを問いかけた。「素晴らしい取り組みだ」などと水産業の未来に期待する声も聞かれた。

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広報かまいし2026年2月1日号(No.1873)

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元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2026012700019/
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