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釜石新聞News 2025年プレーバック<その2>

 別れ、積み重ねる歩み、そして新しい挑戦-。主要な出来事を振り返る中で、「入り切らなかったけど、どうしても外せない」場面もあった。静かに、この1年を支えてきた出来事を写真でたどる。
 

惜しまれた別れ

 
 居酒屋「お恵」の店主として釜石の飲食文化を支えてきた菊池悠子さんが12月、急逝した。86歳だった。名物飲み屋街「呑ん兵衛(のんべえ)横丁」でのれんを揺らし、豪快な笑い声とあたたかいもてなしで常連客らに親しまれた。東日本大震災を経験。横丁閉鎖後も市街地で店を営んできたが、持病の悪化などで6月に惜しまれつつ、のれんを下ろした。釜石飲食店組合の組合長を務め地域の飲食文化をけん引し、復興にも尽力したとして、10月に市勢功労者として表彰された。
 
常連客に「お恵さん」と呼ばれ親しまれた菊池悠子さん。左の写真は最終営業の6月25日に店先にのれんを出した菊池さん

常連客に「お恵さん」と呼ばれ親しまれた菊池悠子さん。左の写真は最終営業の6月25日に店先にのれんを出した菊池さん

 

節目を迎えた歩み

 
 釜石市の西の玄関口、道の駅釜石仙人峠は4月で開業10周年を迎えた。釜石自動車道のインターチェンジに隣接する施設は、地元名物の甲子柿や野菜、同市の特産品などを販売。人気の釜石ラーメンを提供する食堂もあり、食や観光の情報発信基地として機能する。和山牧場の管理、運営を担う一般社団法人栗橋地域振興社は創立70周年。牧場地内では肉牛の放牧のほか、風力発電事業が行われている。来年は更新された風車が運転開始予定。新たに養鶏農場も操業する見込みで、参入事業者と手を携えながら牧場の未来を創造する。
 

「開駅10周年」を迎えた道の駅釜石仙人峠。記念の大創業祭は多くの買い物客でにぎわった=4月27日

「開駅10周年」を迎えた道の駅釜石仙人峠。記念の大創業祭は多くの買い物客でにぎわった=4月27日

 

栗橋地域振興社の創立70周年記念式典で万歳三唱する出席者。記念事業で畜産業発展に貢献した先人の業績パネル(右下)を設置=9月28日

栗橋地域振興社の創立70周年記念式典で万歳三唱する出席者。記念事業で畜産業発展に貢献した先人の業績パネル(右下)を設置=9月28日

 

新たな挑戦、ここから

 
 エンターテインメントでまちを盛り上げようと、釜石市初のタレント養成所「C-Zero(シーゼロ)アカデミー」が4月に開校した。演技やダンスなど芸能活動に生かせる知識、技能を学ぶ基礎科に1期生23人が入校。月に8回程度、レッスンを重ねるほか、第一線で活躍する映画監督や演出家らの特別指導を受ける機会も得て、力を蓄積。ラジオドラマや短編映画の出演が決まるなど、夢実現への歩みを着実に前進させている。

 
釜石初のタレント養成所「C-Zeroアカデミー」の開校式に臨んだ第1期生、講師陣ら=4月20日

釜石初のタレント養成所「C-Zeroアカデミー」の開校式に臨んだ第1期生、講師陣ら=4月20日

 
第一線で活躍する演出家の特別指導を受け演技力に磨きをかける生徒ら=8月31日

第一線で活躍する演出家の特別指導を受け演技力に磨きをかける生徒ら=8月31日

 

まちを支える女性の姿

 
 医療、防災、商いの現場で奮闘する女性たちを取材した。命と向き合う新人看護師は、金沢医大が設けた奨学金制度「釜石枠」を利用して勉学に励んだ1期生。火災や災害から地域を守るため活動する消防団員は「準中型」免許を取得して、いざという時に発揮できる力を蓄える。移住者や子育て中の母親らが立ち上げた団体は、地域で愛された公園を新たな憩いの場として開放。女性たちの活躍が、まちに新たな風を吹き込んでいる。

 
患者に寄り添える看護師を目指す佐藤綺美さん。一つ一つ経験を積み重ねていく=5月

患者に寄り添える看護師を目指す佐藤綺美さん。一つ一つ経験を積み重ねていく=5月

 
消防車両の運転席から顔をのぞかせる小林真由美さん。消防団に入団し3年目となる=10月

消防車両の運転席から顔をのぞかせる小林真由美さん。消防団に入団し3年目となる=10月

 

遊び場、農園、カフェを併設する「ココイロこすもすファーム」を8月に開業した石塚佳那子さん=10月

遊び場、農園、カフェを併設する「ココイロこすもすファーム」を8月に開業した石塚佳那子さん=10月

 

受け継ぐ郷土芸能、つなぐ祭り文化

 
 釜石市平田の館山神社の例大祭では11年ぶりに祭り行列が繰り出した。2011年の東日本大震災で津波被害を受けた同地区。復興事業が完了したまちをみこしや神楽、虎舞団体が練り歩き、久しぶりのにぎわいに住民らが喜びの笑顔を広げた。今年は、各地の祭りで奉納される郷土芸能を次世代につなぐ取り組みも活発化した。少子高齢化で担い手不足が課題となる中、市が体験教室を初めて企画。釜石高生はゼミ活動で人材確保の方策を考えた。ゼミメンバーを中心とする生徒有志は虎舞で国際交流し、地域の伝統文化発信に一役買った。

 
11年ぶりに行われた館山神社(平田)例大祭のみこし渡御。担ぎ手たちが笑顔を見せた=5月11日

11年ぶりに行われた館山神社(平田)例大祭のみこし渡御。担ぎ手たちが笑顔を見せた=5月11日

 
郷土芸能の担い手育成を目指し初めて開かれた体験教室。松倉虎舞、太神楽が演舞を披露し、お囃子などを体験してもらった=8月11日

郷土芸能の担い手育成を目指し初めて開かれた体験教室。松倉虎舞、太神楽が演舞を披露し、お囃子などを体験してもらった=8月11日

 
郷土芸能伝承を考える釜石高ゼミの生徒を中心とした有志が釜石を訪れた外国人観光客に虎舞を披露した=10月10日

郷土芸能伝承を考える釜石高ゼミの生徒を中心とした有志が釜石を訪れた外国人観光客に虎舞を披露した=10月10日

 
■後記
 釜石新聞NewSをご覧いただいている皆様、本年のご愛読ありがとうございました。大きなニュースの陰で、確かに積み重ねられた一年の“輪郭”はいかがでしたか?思い返したり、会話のきっかけになりましたら幸いです。どうぞ穏やかな年末をお過ごしください。そして、新しい年が皆様にとって穏やかで希望に満ちた一年となりますように。

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釜石新聞News 2025年プレーバック<その1>

 2025年は戦後80年を迎え、多くの人が平和の尊さを見つめ直す年となった。全国同様、クマの出没や山火事、津波の脅威に脅かされ、防災への意識が改めて問われた。一方で「橋野鉄鉱山」の世界遺産登録10周年など明るい話題もあった。この1年を象徴する出来事を写真で振り返る。

戦後80年・世代超え伝い続ける

 
 太平洋戦争末期の1945年の7月と8月、釜石市は2度にわたり米英連合軍などの艦隊から艦砲射撃を受けた。終戦から80年の節目の今年、「釜石艦砲」の体験者から話を聞く機会が幾度もあった。一方で、戦禍を知る人たちは高齢となり、年々、体験談を聞くのは難しくなっている。そんな中、戦争の記憶をつなごうと、高校生がまちに残る戦跡を巡るツアーを企画し、小学生は永遠の平和を祈念し建立された女神像の塗り替え作業に協力。若い世代に「地域の歴史を伝え継ぐ」という気持ちが芽吹く。
 
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釜石小児童が参加し塗り直し作業が行われた薬師公園の「平和女神像」=4月28日

 
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防空壕跡を案内する高校生佐藤凛汰朗さん(左)と中澤大河さん=7月21日

 
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体験者や高校生らによる討論会。戦争の悲惨さを共有し、平和を誓った=8月3日

 

明治日本の産業革命遺産 世界遺産登録10周年

 
 釜石市の「橋野鉄鉱山」を含む明治日本の産業革命遺産(8県11市23資産)は、世界文化遺産登録から10周年を迎えた。市内では登録が決まった7月を中心に各種記念行事が開催された。釜石での鉄づくりの成功は日本の近代化を急速に推し進める原動力となった。今年は“近代製鉄発祥の地”釜石の誇りを再認識し、橋野鉄鉱山の世界遺産価値を改めて感じる年となった。
 
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世界遺産登録10周年記念シンポジウムでは歴史作家の河合敦さんが講演した=7月12日

 
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現地の記念イベント「橋野鉄鉱山マルシェ」では地元の橋野鹿踊りが10周年をお祝い=7月13日

 
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23構成資産のガイドが初めて釜石で研修。釜石観光ガイド会が橋野鉄鉱山を案内した=10月23日

 

大船渡市山林火災後方支援

 
 2月下旬に発生した大船渡市の山林火災は平成以降、国内最大規模の被害となり、全国から駆け付けた緊急消防援助隊が連日、消火活動にあたった。釜石市は新潟、茨城、栃木3県の消防隊の宿営地として、鵜住居町の市民体育館を提供。24時間体制で火災現場に向かう隊員らを支えた。避難所運営の応援として市職員も派遣。市民らも義援金募金活動などを行い、被災者に心を寄せた。
 
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約500人の隊員が体育館で寝泊まりしながら交代で現場に出動した=3月3日

 
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釜石中の生徒が感謝を込めて寄せ書きした横断幕。緊急消防援助隊に贈った=3月7日

 
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「困っている人の力に」。市内の児童生徒が募金活動を展開し、思いを託す=5月21日

 

クマ出没続く…市初の緊急銃猟も

 
 岩手県内全域に「ツキノワグマの出没に関する警報」が発表される中、釜石市内でも出没の目撃情報は寄せられ、農作物や人身への被害が懸念されるため注意が必要だ。今年9月に鳥獣保護法が改正され、人の生活圏にクマなどが出没した場合、市町村判断での発砲を可能とする「緊急銃猟」の制度が始まった。11月26日には市街地に長時間居座ったクマ1頭を「緊急銃猟」で駆除した。市内では初めての実施で、県内では2例目となった。
 
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釜石市中心部に出没したクマ。警戒する警察官とのにらみ合いが長時間続き、緊急銃猟で駆除された=11月26日

 

津波警報、初の後発地震注意情報「備えを」

 
 今年、本県沿岸には津波注意報や警報の発表が相次いだ。7月にはロシア・カムチャツカ半島東方沖を震源とする巨大地震で日本の太平洋沿岸などに津波警報、注意報が発表された。避難所が開設された鵜住居小・釜石東中では、今年1月に自主防災組織を立ち上げた釜石東中の生徒らが避難所運営で大きな力を発揮した。12月8日深夜に発生した青森県東方沖を震源とする地震では釜石市で震度4を観測。津波警報が発表された。気象庁などはその後1週間、初の「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表し、日頃の備えの再確認を呼びかけた。
 
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カムチャツカ半島地震による津波警報発表で避難所が開設された釜石東中では、夏休み中の部活動で登校していた生徒らが避難所運営に尽力した=7月30日午前

 
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青森県東方沖地震による津波警報発表で避難所が開設された鵜住居小・釜石東中体育館には多くの地元住民が避難した=12月9日未明

 
■後記
 釜石新聞NewSをご覧いただいている皆様、ご愛読ありがとうございます。今年のまちの話題を振り返り、印象深かったものはありましたか?明日は「その2」として、釜石の2025年をさまざまな視点で振り返ります。

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釜石新聞NewS 年末年始スケジュールのお知らせ

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日頃は釜石新聞NewSをご覧いただき、誠にありがとうございます。
年末年始につきまして、以下の通り休載とさせて頂きます。

 

休載(記事配信休止)期間:2025年12月27日(土)~2026年1月5日(月)

 

・2026年は1月6日(火)からの更新となります
・問合せ対応等につきましては1月5日(月)からとなります

 

引き続き「釜石新聞NewS」をよろしくお願いいたします。

 

2025年12月25日
釜石まちづくり(株)

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釜石SW ホーム初戦の初勝利に歓喜 日野に36-14 激しいディフェンスで失点防ぐ

今季ホーム初戦で日野レッドドルフィンズに勝利し、笑顔を輝かせる日本製鉄釜石SWの選手、スタッフら=21日

今季ホーム初戦で日野レッドドルフィンズに勝利し、笑顔を輝かせる日本製鉄釜石SWの選手、スタッフら=21日

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は21日、今季2戦目を釜石鵜住居復興スタジアムで戦い、日野レッドドルフィンズ(昨季2部5位)に36-14(前半19-0)で快勝した。5季目を迎えるリーグワンで、釜石SWがホーム初戦を勝利で飾るのは初めて。今季就任したトウタイ・ケフヘッドコーチ(HC)も「結果には大変満足している」と喜びを表し、選手らの“仕事ぶり”をたたえた。2試合を終え1勝1敗、勝ち点5で現在4位。次節は27日、福島県いわき市のハワイアンズスタジアムいわきで、九州電力キューデンヴォルテクス(昨季2部6位)と対戦する。
 
 気温22度超えの異例の暖かさの中で始まった試合。序盤からテンポのいい攻撃を見せる釜石は前半6分、ハーフウェイライン付近でボールを受けたフランカー、アンガス・フレッチャーが絶妙なステップとハンドオフで相手をかわし中央に独走トライ。SOミッチェル・ハントがきっちりゴールを決め先制した(7-0)。その後、スクラムで反則を取られるなどし、自陣での防御の時間が続いたが、攻撃の好機は逃さなかった。22分、敵陣22メートルライン内でのラインアウトから右に展開。フレッチャーの背面パスがバウンドし、後方でフォローしていたナンバー8サム・ヘンウッドに渡ると、勢いそのままにトライに持ち込んだ(ゴール成功、14-0)。
 
前半6分、センターを破って独走し先制トライを決めたフランカー、アンガス・フレッチャー

前半6分、センターを破って独走し先制トライを決めたフランカー、アンガス・フレッチャー

 
この日も正確なゴールキックでチームに貢献したSOミッチェル・ハント

この日も正確なゴールキックでチームに貢献したSOミッチェル・ハント

 
 この日の釜石はターンオーバーも光った。前半30分すぎ、釜石のキックボールをキャッチした日野の選手をWTB小野航大が背後から倒し、ヘンウッドがボールを奪取。SH南篤志から3人がつないだパスを受けたフルバック落和史は、右サイドのディフェンスの隙を狙いキックパスでボールを転がし、最後はWTB阿部竜二が拾って余裕のトライ。ハントのキックは惜しくもゴールポストに跳ね返されるが19-0。前半終了間際に自陣深く攻め込まれる場面もあったが、耐えて守り切った。
 
前半36分、フルバック落和史(後)が蹴ったボールをWTB阿部竜二(前)が追いかけて拾い上げ、トライにつなげた

前半36分、フルバック落和史(後)が蹴ったボールをWTB阿部竜二(前)が追いかけて拾い上げ、トライにつなげた

 
前半、自陣に攻め込まれながらも気迫のディフェンスで抑え、ゴールを守った釜石SW

前半、自陣に攻め込まれながらも気迫のディフェンスで抑え、ゴールを守った釜石SW

 
 後半は日野が最初のトライを決めた。釜石は相手ディフェンスラインが整う前にボールを出し、一気に展開する形を継続。18分には相手の反則からPGを選択し22-7。直後の19分には、ハーフウェイライン付近でCTBヘルダス・ファンデルヴォルトがインターセプト。そのまま、右サイドを突破し、チーム4本目のトライを決めた(ゴール成功、29-7)。後半もスクラムで苦戦する場面が多々あったものの、33分には敵陣5メートルラインでのラインアウトからモールを形成しインゴールへ。後半途中出場のフランカー髙橋泰地がねじ込み、ハントは難しい角度のゴールキックを決めて観客を沸かせた。試合終了間際に1トライを返されたが、36-14で待望のホーム勝利を成し遂げた。
 
後半途中出場のフランカー髙橋泰地(写真右下)がモールの中でチーム5本目のトライを決めた(後半33分)

後半途中出場のフランカー髙橋泰地(写真右下)がモールの中でチーム5本目のトライを決めた(後半33分)

 
最も活躍した選手に贈られる「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」は釜石SWのフルバック落和史選手が受賞

最も活躍した選手に贈られる「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」は釜石SWのフルバック落和史選手が受賞

 
 プレーヤー・オブ・ザ・マッチは、前半のトライアシストのキックや前半終了間際の相手の攻撃を抑えたタックルなど、攻守の活躍が光った釜石のフルバック落和史選手に贈られた。
 
 試合後の会見。ケフHCは「セットプレーが良く、いいゲインラインを切れたことで、勢いが生まれていった。この一勝は自信につながる」とチームの今後に期待。課題は「ラインアウトとスクラム」とし、さらなる修正を誓った。フランカー河野良太主将はスクラムの反則を取られるなどうまくいかない場面にも、「常に次の仕事をしようと声がけしていた。ミスを引きずらず、全員が切り替えてプレーできたところが連続失点を防げた要因」と勝利のポイントを明かした。主将としての初白星に「チームを勝利に導くことができ、ほっとしている」と表情を緩める場面も。27日の第3節に向け、ミスや反則が起こった原因を究明し、「次も勝てるように準備したい」と気を引き締めた。
 
チームを率いる河野良太主将。今季リーグ戦初勝利を仲間とともに喜び合った

チームを率いる河野良太主将。今季リーグ戦初勝利を仲間とともに喜び合った

 

国内通算キャリア50キャップ達成 チームの要 ナンバー8サム・ヘンウッド選手

 
国内通算50キャップを達成した釜石SWのサム・ヘンウッド選手。坂下功正総監督(右)から記念の盾が贈呈された

国内通算50キャップを達成した釜石SWのサム・ヘンウッド選手。坂下功正総監督(右)から記念の盾が贈呈された

 
 試合後のピッチで駆け寄った2歳の愛娘を抱き上げ、満面の笑みを広げた釜石SWのナンバー8サム・ヘンウッド選手(34)。この日の試合で、国内キャリア通算50キャップを達成し、自身のラグビー人生の節目を本拠地釜石での勝利で飾った。
 
 ニュージーランド出身で在日6年目。スーパーラグビーを経て、2019-20シーズンにNECグリーンロケッツ(当時トップリーグ)に入団し、20年1月の宗像サニックス戦が初出場。同年7月、釜石SWに移籍した。ボールキャリーとフィジカリティを武器に、昨季はディフェンス突破で2部トップ5に入る活躍を見せた。今季も開幕2試合連続でスタメン出場し、強力な突破力でチームをけん引。この日もパワーあふれるプレーで観客を沸かせた。
 
の日も活躍が光ったサム・ヘンウッド選手。前半22分のトライ

この日も活躍が光ったサム・ヘンウッド選手。前半22分のトライ

 
 「50キャップの記念すべき日に勝てたのはうれしいこと」とヘンウッド選手。チームとしてフォーカスしてきたディフェンスがうまく機能した要因として「自分たちの力を信じる、フィジカルに行こうというマインドセットのスイッチオンが大半の選手でできていたからだと思う」と、相手に立ち向かう気持ちの強さを強調。「今日のようなディフェンスができれば次からの試合も勝てる。うちのアタックは絶対、得点できるようにできているので」と自信をのぞかせた。
 
釜石SWホーム初戦には本県沿岸部の中学生以下の子どもたち先着100人を無料招待した

釜石SWホーム初戦には本県沿岸部の中学生以下の子どもたち先着100人を無料招待した

 
釜石高の生徒有志でつくる「夢団」メンバーは、今季もSWの試合会場となる釜石鵜住居復興スタジアムで東日本大震災の語り部活動を展開

釜石高の生徒有志でつくる「夢団」メンバーは、今季もSWの試合会場となる釜石鵜住居復興スタジアムで東日本大震災の語り部活動を展開

 
会場には本県沿岸市町村のご当地キャラクターが大集合。ハーフタイムには市内の園児らとラグビー体操を踊った

会場には本県沿岸市町村のご当地キャラクターが大集合。ハーフタイムには市内の園児らとラグビー体操を踊った

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言葉がつなぐ学びの場“釜国”!? 初の学園祭で魅力発信 釜石市国際外語大学校

多言語じゃんけん大会で盛り上がる「釜国祭」

多言語じゃんけん大会で盛り上がる「釜国祭」

 
 釜石市国際外語大学校(及川源太学長)の第1回「釜国祭」は20日、同市鈴子町の同校で開かれた。開校2年目で、初の学園祭。外語観光学科の日本人学生と、日本語学科の留学生が協力し、アイデアを凝らした企画を繰り広げ、来校した地域住民らを楽しませた。
 
 同校は2024年4月に開校。日本人向けの外語観光学科(2年制)は英語や観光、ICT(情報通信技術)活用などを学び、外国人対象の日本語学科(1年半と2年制)では日常生活に必要な言葉が分かる程度の習熟を目指す。現在2学科に計60人が在籍。日本語学科ではネパールとミャンマーから留学生を受け入れている。
 
 “釜国”を知ってもらおうと開かれた学園祭のスローガンは「ことばがつなぐ 世界と地域とわたしたち」。日本人学生は、釜石のまち全体を学びの場として地域や人との交流で養う課題解決力、情報発信力などを生かした展示で学校の魅力を紹介した。留学生は民族衣装の試着体験やダンス披露などで自国の文化を伝え、磨いている日本語力を使って来校した人らと積極的にふれ合った。
 
外語観光学科が設けたフォトブースでは笑顔がいっぱい

外語観光学科が設けたフォトブースでは笑顔がいっぱい

 
日本語学科の留学生は民族衣装で伝統の踊りを披露した

日本語学科の留学生は民族衣装で伝統の踊りを披露した

 
 外語観光学科では、市内の観光スポットを題材にしたオリジナルすごろくで遊ぶ体験を提供。挑戦した人たちはサイコロを振り、「世界遺産の橋野鉄鉱山を見学しよう」「甲子柿を食べる」などが書かれたマスにコマを進めて、自分だけの“旅のしおり”をつくった。
 
釜石の観光スポットを巡ってツアーを作るすごろく遊び

釜石の観光スポットを巡ってツアーを作るすごろく遊び

 
 案内役となり体験を促した1年の成田彩華さん(19)は「人が来るか心配したが、たくさん来て、楽しんでもらっているよう。うれしい」と頬を緩めた。少人数のため、学年、学科を超えた連携で学園祭の準備をしてきたことから、仲間と晴れやかな表情を重ねた。学生生活は「常にやることがたくさんある。知らないことをスポンジのように吸収しているところ」と表現。友達という同級生の存在が「助けになっている」と話し、「自分にはできないと思うのではなく、諦めずやってみることが大事。迷ったときは頼ればいいから」と、結束力をアピールした。
 
 サリーを身にまとい、祝祭などで舞うダンスを見せたガレ アクリティさん(26)は、10月にネパールから来釜したばかり。軽快な音楽に合わせ「楽しい気持ち」を込めて踊っていたら、見つめる人たちから盛り上げるように手拍子がわき「とてもうれしかった」とはにかんだ。
 
民族舞踊やボディーアート体験などでネパールの文化を伝えた

民族舞踊やボディーアート体験などでネパールの文化を伝えた

 
 来校した人たちを笑顔でもてなしたネパール出身のバスネト ムスカンさん(21)は、1年半コースの第1期生。「来た頃は分からないことが多くて、(生活するのが)大変だった。アルバイト先の人とか釜石のみんなが教えてくれたから、気持ちよく過ごせている」と話し、「来てくれた人がうれしくなったらいい」と感謝の気持ちを込めた。春には首都圏のビジネス系の専門学校へ進学。釜国から羽ばたき、「夢の実現」へ前進する。
 
 ミャンマーの留学生は、発酵させた茶葉を使ったサラダ「ラペッソー」などの試食も用意し、“心の味(ふるさとの味)”を紹介した。「たくさんの人としゃべるのが楽しい」と活発に動き回っていたシュエー ウェーヤン トゥッさん(20)は、今年4月から釜国に通う。コンビニや菓子製造工場でアルバイトしながら忙しい日々を過ごしているというが、笑顔は絶やさない。ビジネスや自動車整備など学びたいことがいくつかあるようで、「将来、日本で働きたい。だから、言葉を覚えることを頑張る」と向上心を見せた。
 
ミャンマーの特色ある伝統を試食やメーク体験などで紹介した

ミャンマーの特色ある伝統を試食やメーク体験などで紹介した

 
 校内を巡るスタンプラリーもあり、来校者はスタンプを集めながら学生らと交流。ネパール人留学生と一緒に働いていたという市内の佐々木栄子さん(50代)は「明るくて、いろんなことに興味を持っている子たち」との再会を喜びつつ、さまざまな企画を体験し「文化の違いを知ることができて面白かった」と関心を深めた。地元にできた専門学校を歓迎していて、「長く続いてほしい」と期待。地域内外に広く知ってもらうため、「宣伝を考えて、どんどん発信して」と望んだ。
 
スタンプをもらう時は絶好の“おしゃべりタイム”

スタンプをもらう時は絶好の“おしゃべりタイム”

 
 この日はオープンキャンパスも同時開催。進学先にと考えている高校生や保護者らが参加し、外語観光学科の学生が説明する場面もあった。2年の岩間ひなさん(20)は「学校内外でいろんな活動ができるのが魅力」と強調。やりたいことを探せる場所でもあり、「将来のことを悩んでいる人におすすめしたい。人と関わって経験値を高め、人生に役立つ学びがある。『釜国』は楽しい」とPRした。
 
 同校によると、約200人が来場。課外学習や特別授業で関わった人、留学生らのアルバイトの受け入れ先、国際交流に関心のある人のほか、地域イベントとして楽しむ近隣住民や家族連れの姿もあった。「予想を上回った」と関係者。学生や留学生にとっても学校の魅力発信、語学力を高める貴重な機会になったようだ。

 

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洋上風力支える国産CTV 釜石・小鯖船舶工業、技術注ぎ建造 日本郵船発注の1番船、進水

国産化した初の大型CTVの完成を喜ぶ関係者

国産化した初の大型CTVの完成を喜ぶ関係者

 
 釜石市の小鯖船舶工業(本社・同市甲子町、小鯖千年社長)の新浜町造船工場で12日、船の完成を祝う進水式があった。洋上風力発電設備の建設や保守を担う作業員輸送船(CTV)の1番船で、船名は「ALFONSINO ARROW」(アルフォンシーノ アロー)。海運大手の日本郵船(東京都)が発注する初の国産、大型のCTVだ。「アルミ製船舶の高い造船技術を持つ」小鯖船舶が、国内造船所として初めて受注し、建造を進めていた。そして現在、「2番船も造船中」と小鯖社長。さらなる継続受注に意欲を示し、CTV建造の拠点化、地場産業の活性化に前進を続ける構えだ。
 
 釜石港に面した同市新浜町の造船工場で進水式を待つ1番船は全長28メートル、幅9メートル、総トン数145トンで、アルミ軽合金の双胴船。日本郵船グループの欧州子会社ノーザン・オフショア・サービス(スウェーデン)の図面を基に日本仕様に改良し、アルミ鋼材や主要機器を国内メーカーから調達した。
 
日本郵船から受注し、小鯖船舶工業が建造したCTV1番船

日本郵船から受注し、小鯖船舶工業が建造したCTV1番船

 
 小鯖船舶は2024年1月に受注し、造船。日本郵船への引き渡しは25年度末を予定する。その後、1番船は「秋田県男鹿市、潟上市および秋田市沖」の洋上風力発電事業の基礎工事に投入されるもようだ。
 
 1番船を前に行われた進水式には日本郵船の曽我貴也社長、小鯖社長、岩手県の達増拓也知事、釜石市の小野共市長らが出席。神事で玉串をささげ、安全を祈願した。船名の発表後、船をつないでいた支綱(しこう)を切断。くす玉が割られ、出席者が拍手で祝った。この日は強風のため、実際の進水作業は13日に実施した。
 
進水式で神事を行い、運航の安全を祈願した

進水式で神事を行い、運航の安全を祈願した

 
船を支える綱を絶ち切る儀式。達増陽子さん(岩手県知事夫人)が担った

船を支える綱を絶ち切る儀式。達増陽子さん(岩手県知事夫人)が担った

 
国産CTV1番船の完成を喜ぶ(手前から)達増拓也知事、小鯖千年社長

国産CTV1番船の完成を喜ぶ(手前から)達増拓也知事、小鯖千年社長

 
 あいさつに立った曽我社長は、国産CTV建造への思いや発注の背景などに触れながら「(小鯖船舶の)アルミ製の造船に関する卓越した技術にほれ込んだ。日本の洋上風力は長い目で見れば必要になり、CTVの需要はどんどん高まる。日本が誇る技術、オールジャパンのチームで造るCTVが、ここ釜石からでき上がっていくことを期待する」と展望した。
 
CTV1番船の進水式であいさつする日本郵船の曽我貴也社長

CTV1番船の進水式であいさつする日本郵船の曽我貴也社長

 
 小鯖社長は「初の国産化ということで、日本の規則をクリアするのに苦労した。今、2番船を造っているところ。さらに良い船を造れるように努力していきたい」と応えた。
 

苦難乗り越え、熱意重ね進む

 
 CTVは建設や保守、点検などの業務に当たる作業員を運ぶため、軽量で耐久性に優れ、スピードが出ることや、洋上での業務に長時間従事することから安定性といった性能も求められる。適しているとされるアルミ軽合金船舶を建造できるのは全国で十数社しかなく、東北でも限られるという。
 
軽量で高速航行ができ、双胴船で安定性もあるCTV1番船

軽量で高速航行ができ、双胴船で安定性もあるCTV1番船

 
 小鯖船舶は、1964(昭和39)年の創業時は鉄鋼製の船を造っていたが、3代目となる小鯖社長が攻守を備えた先見の明で、アルミ製の造船へ転換。漁船や貨客船、港湾業務艇などを手がけ、30年以上の経験と実績を積み上げる。
 
 2011年の東日本大震災では、津波で大槌町吉里吉里にあった造船工場が被災。12年に釜石・新浜町に新設し、現在は市内2拠点に工場を構える。従業員は約30人。被災地域は人口減、労働力不足が課題となるが、特定技能、実習生といった外国人労働者と地元雇用の従業員が力を合わせ、ものづくりを続ける。
 
 「無からの復帰」。日本郵船の歴史を振り返る中で、曽我社長がそんな言葉を発した。「1945年の太平洋戦争終結時は船、人もいない状態だったが、絶対に復興してやろうと熱い気持ちで成し遂げ、今年で創業140周年を迎えるに至った」。震災復興に尽くす小鯖船舶の不屈の姿に、戦後復興の自社の姿を重ね合わせ、「無からの復帰の中で技術力を維持し、さらに高め、1番船の建造に熱い思いを注いでもらった」と、信頼や感謝の気持ちを寄せた。
 
「オールジャパン」で実現したCTV1番船と記念にパチリ

「オールジャパン」で実現したCTV1番船と記念にパチリ

 
 洋上風力分野は再生可能エネルギーの中核として注目されており、日本郵船は継続的なCTV建造と、国産化を進める方針。1番船の建造にあたり、小鯖船舶に社員を出向させている。技術部長として着任した山口真さんで、品質や納期などの管理を担当する。継続的な建造に向けた体制づくり、人材育成もともに取り組んでいて、「小鯖船舶は、日本郵船にとっても大事なパートナー。ウィンウィンの関係になるよう協力して前に進んでいければ。良い人材をどんどん入れ、良い会社にしていくのも使命」と話した。
 
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国産CTV建造で協力する小鯖社長(右)と山口真さん(日本郵船から出向)

 
 小鯖船舶側もそうした動きに対応する方向で、「50隻でも100隻でも建造を目指したい。釜石をCTV建造の拠点とし、洋上風力関連事業を根付かせたい」と小鯖社長。“エネルギー事業の大転換期”と捉え、今また、攻めて守る態勢をとる。さらに「地場企業が元気なまちでなければ。地元に若者が残る、外から人が戻ってくるための働き先となれればいい。地元の働き手を増やすことは、まちの活性化にもつながる」と熱く語る。

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CINEPIT映画上映会『ふつうの子ども』

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『そこのみにて光輝く』『きみはいい子』の呉美保監督と脚本家・高田亮が三度目のタッグを組んだ最新作『ふつうの子ども』は、子ども同士のリアルな人間ドラマを描く完全オリジナルストーリー。

 
映画『ふつうの子ども』公式サイト

 
いつだって、世界は「好き」でまわってる

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日時/上映スケジュール

2026年1月10日(土)
① 10:00〜11:40
② 13:30〜15:10
※開場は各回30分前となります。

会場

釜石PIT(50席)
(釜石市大町1-1-10釜石情報交流センター)
●発熱・体調の悪い方のご入場はご遠慮下さい。
●可能な限りマスク着用の上(任意です)、上映中の発声はご遠慮下さい。
●入場の際は手指消毒をお願いします。

料金

大人1,000円/小中高生500円
※未就学児無料(保護者同伴)

主催・お問い合わせ

CINEPIT運営委員会(釜石まちづくり株式会社)TEL 0193-22-3607

作品コーディネート・映写担当

NE-PROJECTION 櫛桁 TEL 090-4476-8636

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

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クマによる外傷事案 釜石消防署員が救急活動を検討 県、市の鳥獣担当とも情報共有

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釜石消防署が開いたクマ外傷事案の救急活動事例検討会

 
 釜石消防署(小林太署長)は10日、クマによる人身被害の救急対応を考える事例検討会を開いた。県内では今年、死者が出るなどクマによる負傷事案が増加。負傷者の収容から搬送まで救急活動を担う消防署員は、一連の活動の中でさまざまな状況判断や決断が求められることから、今後の活動に生かすために開催した。同署員約30人のほか、県と市の鳥獣担当部署の職員も参加し情報共有。クマによる人身被害対応では二次被害防止の観点からも関係機関の連携が重要であることを再確認し、協力体制強化へ意識を高めた。
 
 会では大槌消防署の和田泰介救急救命士(消防士長)が、県内の狩猟解禁日(11月1日)に大槌町金沢の山林で発生したクマによる顔面外傷事案について説明した。受傷者(70代男性)は仲間と狩猟中、発砲したクマに倒されたところを、別の1頭に襲われ顔面を負傷した。仲間からの119番通報で、同署の救急隊と現場安全管理のための消防隊が出場した。プレアライバルコール(救急隊が現場到着までの間に電話で通報者から情報収集)で受傷者の状態を聞き取り、通報者に圧迫止血を依頼。現場到着後、顔面の複数の裂創を確認した。受傷者は会話はできたが重症状態で、止血や創の被覆などの応急処置を行って病院へ搬送した。
 
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大槌消防署の救急救命士がクマによる顔面外傷事案の救急出場から搬送までの活動について説明した

 
 出場時に県のドクターヘリを要請したが、暴風警報発令中で対応不能とのことで、最終的に県高度救命救急センター(岩手医大付属病院)への陸路搬送を開始した。釜石道で容体が急変したため、直近の医療機関での安定化が必要と判断し、県立釜石病院へ搬送。受傷者は必要な処置を受けた後、同センターへ転院搬送された。
 
 和田救急救命士は時間経過と活動の流れを振り返り、「状況判断と病院選定に苦慮した。クマ外傷時の活動マニュアルや訓練経験がないので、実際に現場に行くと、想像に欠ける点があった」と話した。二次被害防止策にも言及。署内の話し合いでは▽消防車両上部から周辺を監視する人員の配置▽現場近くに住宅がある場合は車両積載マイクで屋内避難を広報▽ポンプ車などへのクマよけスプレーの常時積載―などの意見が出されたという。
 
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事例発表を聞きながら現場活動のあり方を考える釜石消防署の署員ら

 
 同署の佐藤純平救急隊長(消防司令補)は、救急隊の医療機関選定について話した。消防法の改正を受け、本県では2011年に救急搬送実施基準が定められている。搬送先医療機関の選定基準としては▽傷病者または家族などから申し出のあった、かかりつけ医▽搬送時間が最短▽病院群輪番制の医療機関―があり、症状や病態とともに総合的に判断して搬送する。佐藤救急隊長は今回のクマ外傷の病院選定について考察。質疑応答では救急隊の活動人員や重症時の判断などに関し、実際に現場を経験した2人に考えを聞いた。
 
署員らは市水産農林課の職員からクマ対策の知識も得た

現場での処置や病院選定について発表者に質問も。事例共有でより良い活動を目指す

 
 釜石消防署の小林署長は「県内のほとんどの消防署ではクマ対策にかかる消防活動や救急活動のマニュアルを作成していない」とし、装備を含む課題を指摘。自治体の中にはクマの緊急銃猟実施の際に担当課の要請で救急車を安全な場所に待機させたり、クマが出没した際、小中学校の登下校時に消防車両が巡回を行う体制をとっているところもあるというが、まだまだ課題は多い。会では県や市の鳥獣担当職員とも情報共有。署員らはクマの習性や追い払いの方法、緊急銃猟の実施基準などについても学んだ。
 
署員らは市水産農林課の職員からクマ対策の知識も得た

署員らは市水産農林課の職員からクマ対策の知識も得た

 
 釜石大槌地区では今年、クマ事案での救急出場は釜石市1件(軽傷)、大槌町1件(重傷)。釜石消防署では特異事案があるたびに今回のような署内研修を行い、情報共有や知識習得に努めているが、県や市の関係部署を招いての事例検討会は初めて実施。県沿岸広域振興局保健福祉環境部・釜石保健所環境衛生課の髙橋秀彰課長は「それぞれの組織には強みがある。何より大事なのは連携で、チームで対応することがポイント」と相互協力の必要性を示した。
 
行政職員との意見交換は貴重な機会。互いの活動を知り、今後の連携に生かす

行政職員との意見交換は貴重な機会。互いの活動を知り、今後の連携に生かす

 
 クマ事案での救急活動は現場周辺にクマがひそんでいる可能性もあるため、二次被害を防ぐための安全確保も重要なポイント。小林署長は「署員も危険を伴う対応。関係機関と連携しながら、任務分担して活動することが大事。状況を見極め、あせらず冷静に」と、よりベストな活動を望んだ。

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冬の交通事故、年末年始の犯罪被害を防ごう! 2運動15日からスタート 安全安心なまちへ関係者一丸

交通事故、犯罪被害防止へ―。パトロールに出発する車両を見送る関係者ら=15日、TETTO前広場

交通事故、犯罪被害防止へ―。パトロールに出発する車両を見送る関係者ら=15日、TETTO前広場

 
 冬の交通事故防止県民運動と年末年始地域安全運動が15日から始まった。積雪や凍結で道路環境が悪くなる冬季の交通事故防止、強盗や侵入窃盗などが多発傾向にある年末年始の犯罪被害防止を呼びかけようと展開。釜石市では運動初日の15日、同市と大槌町の交通安全、防犯関係団体などから約180人が参加し、出発式が行われた。交通事故防止運動は24日まで、地域安全運動は来年1月3日まで実施される。
 
 両運動の出発式は同市大町の市民ホールTETTO前広場で行われた。釜石地区防犯協会連合会の岩渕善吉会長は「岩手県では鍵をかけずに泥棒に入られたり、自転車の盗難被害に遭う割合が全国より高い傾向にある」とし、改めて各種防犯活動の徹底を呼びかけた。釜石市交通安全対策協議会(会長:小野共市長)の菊地敏文副会長(県自家用自動車協会釜石支部長)は会長あいさつを代読。今月4日、自転車で登校中の高校生が転倒し死亡した事故に触れ、「尊い命が失われたことは大きな悲しみ。交通安全の取り組みをさらに強化しなければならない」と強い決意を示した。
 
冬の交通事故防止県民運動、年末年始地域安全運動の出発式で啓発活動への意欲を高める参加者

冬の交通事故防止県民運動、年末年始地域安全運動の出発式で啓発活動への意欲を高める参加者

 
 釜石警察署の松本一夫署長は同署管内の治安状況などを説明。「子どもや女性への声かけなどの脅威事案が断続的に発生しているほか、特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺の予兆電話に関する相談が多数寄せられている。警察や公的機関を語った電話が後を絶たないほか、国際電話も多くなってきている」とし、さらなる警戒を呼びかけた。本年の同署の刑法犯認知件数は11月末現在、76件(前年同期比1件増)。約半数が窃盗事案だという。一方、交通事故発生件数は12月14日現在、人身事故が12件(前年同期比5件減)、1人が亡くなり14人が負傷している。物損事故は561件(同比4件増)。
 
主催団体の代表へ“出動宣言”を行う正福寺幼稚園の園児ら

主催団体の代表へ“出動宣言”を行う正福寺幼稚園の園児ら

 
 式には甲子町の正福寺幼稚園(松岡公浩園長、園児24人)の年中、年長児15人も参加し、「地域の安全安心のため、交通事故防止、特殊詐欺被害防止の活動に出動します」と元気いっぱいに出動宣言。警察車両と防犯パトロールを行う青色回転灯車両の出発を見送った後、イオンタウン釜石に移動し、防犯を呼びかけるチラシを配った。
 
 年末年始地域安全運動のスローガンは「なくそう犯罪 ふやそう笑顔 みんな大好き岩手県」。運動の重点に▽特殊詐欺、SNS型投資・ロマンス詐欺の被害防止▽子どもと女性の犯罪被害防止▽住まいと自転車の鍵かけの徹底―を掲げる。
 
園児の応援を受け、防犯パトロールに向かう釜石市防犯協会の青パト車両

園児の応援を受け、防犯パトロールに向かう釜石市防犯協会の青パト車両

 
「詐欺などに気を付けて!」。正福寺幼稚園の園児は防犯チラシの配布もお手伝い

「詐欺などに気を付けて!」。正福寺幼稚園の園児は防犯チラシの配布もお手伝い

 
最後は、事故や事件に遭わないよう気を付けることを誓っておまわりさんとハイタッチ!

最後は、事故や事件に遭わないよう気を付けることを誓っておまわりさんとハイタッチ!

 
 TETTO前の県道沿いでは交通安全団体のメンバーらがハンドポップを掲げ、ドライバーに安全運転を呼びかけた。交通指導隊員らは横断歩道で歩行者の誘導にあたった。冬の交通事故防止県民運動のスローガンは「飲む前に 車じゃないよね? 再確認」。忘年会シーズンを迎え飲酒の機会が増えることから、より一層の「飲酒運転根絶」を目指す。この他、▽スピードダウンの徹底▽高齢者と冬休み中の子どもの交通事故防止▽冬道用タイヤ装着の徹底―も運動の重点に据える。
 
TETTO前の道路ではドライバーや歩行者に交通事故防止をアピール

TETTO前の道路ではドライバーや歩行者に交通事故防止をアピール

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ことば・つなぐ 国際色豊かに 初の学園祭「釜国祭」20日開催 釜石市国際外語大学校

チラシを手に来場を呼びかける「釜国祭実行委員会」メンバー

チラシを手に来場を呼びかける「釜国祭実行委員会」メンバー

 
 釜石市鈴子町の釜石市国際外語大学校(及川源太学長)が20日、初めての学園祭「釜国祭」を開く。テーマは「ことばがつなぐ 世界と地域とわたしたち」。日本語学科の留学生は自国の文化を伝える催し、外語観光学科の日本人学生は学びを生かした多彩な企画を準備。学科を超え工夫を凝らした参加型のゲームも用意し、地域住民に楽しんでもらおうと張り切っている。
 
 時間は午前10時~午後4時まで。外語観光学科では市内の観光スポットを題材に作成したオリジナルすごろくの体験、クリスマスをイメージしたフォトブース「世界とつながる写真館」、非常食に関する展示など防災を考えるコーナーを手がける。まち全体を学びの場として地域や人との交流により磨きをかけている課題解決力、コミュニケーション力、語学力、情報発信力を見せる。
 
 日本語を学ぶ留学生は民族衣装サリー(ネパール)やロンジー(ミャンマー)の試着、伝統的なボディアート「ヘナタトゥー」(ネパール)や化粧「タナカ」(ミャンマー)の体験を提供。それぞれダンスも披露する。ネパールに伝わる遊びも紹介。日本の「スイカ割り」に似たゲームで、目隠しをした参加者に留学生がネパール語で指示を出すという。
 
釜国祭の楽しみ方を紹介するチラシ

釜国祭の楽しみ方を紹介するチラシ

 
 留学生が多い学校ならではの国際色豊かな企画として、多言語じゃんけん大会も催す。校内や学校の敷地を巡るスタンプラリー、SNSを活用したフォト投稿など、一日滞在して楽しめる企画が目白押し。各種体験に参加すると菓子などの景品がもらえる。外部からキッチンカーも出店。から揚げ、お好み焼き、海鮮焼き、飲料などを販売する。
 
 同校への入学や進学先の候補にと考えている人らを対象にした特別オープンキャンパス(午後1時半~)を同時開催。学生と一緒に体験活動をしながら、カリキュラムや学生生活で気になることを聞いたりできる。参加者特典として、キッチンカーで使える「500円券」をプレゼント。当日の申し込みも受け付ける。
 
 開校2年目で、現在2学科に計60人が在籍する。学生たちは実行委員会をつくり、本番に向け準備を着々と進める。「初めての学園祭だから」と熱意を持って取り組んでいるのは、外語観光学科2年の前川亜希さん(20)。学びを生かしたり、留学生の思いを聞きながら企画を練り、「形になっていくのがうれしい」と笑顔を見せる。学生5人を中心に打ち合わせを重ね、「生徒自らが頑張っている。みんなが代表」と強調。多くの来場に期待し、「ことばがつなぐ」というテーマの実践を待つ。
 
初めての学園祭に向けて作戦会議をする学生と教員

初めての学園祭に向けて作戦会議をする学生と教員

 
 日本語学科2年でネパール出身のタマン・プラヂプさん(22)、タパ・サミラさん(20)、ボハラ・パビトラさん(22)は「ふるさとのことを伝える機会になる」と声をそろえる。当日はそれぞれゲーム、スタンプラリー、じゃんけん大会を担当する予定。「ワクワクしている。ぜひ、いらっしゃってください。一緒に楽しんでほしいです」と呼びかける。
 
 釜国祭については学校ホームページ(https://www.kiflc.website)で発信中。事前の申し込みは不要(オープンキャンパスは受付中)。すごろく体験やじゃんけん大会、留学生のダンス披露などは午前、午後の2回実施するが、時間は未定。最新情報は、学校インスタグラム(https://www.instagram.com/kiflc.stagram_mcl/ )で確認を。

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街照らす冬灯り 釜石・青葉通りでイルミネーション 若手事業者が企画「笑顔に」

星形のオブジェがきらめく光のトンネルを進む子どもたち

星形のオブジェがきらめく光のトンネルを進む子どもたち

 
 冬のまちを彩るイルミネーションイベント「かまいし冬灯り」が11日夕、釜石市大町の青葉通りで始まった。「まちを明るく、人を笑顔に」と願いを込め、地元の若者有志が初めて企画。家庭や事業所など市内に眠る明かり(電飾)を集め、高校生らボランティアの力も借りて作り上げられた光の演出が道行く人の心を温めている。
 
 青葉通り緑地帯(ホテルクラウンヒルズ釜石~青葉ビル前)の花壇や樹木が青やピンク、黄色などカラフルに輝く明かりで彩られている。巨大なハートのオブジェや、星形の電飾が施された光のトンネルなども設置。トナカイや雪だるま、雪の結晶をかたどったオブジェを集めたフォトスポットもある。
 
あたたかな光で照らすハートのオブジェ

あたたかな光で照らすハートのオブジェ

 
ツリー、雪だるま、雪の結晶…光のオブジェが集合

ツリー、雪だるま、雪の結晶…光のオブジェが集合

 
クリスマスシーズンを盛り上げるオブジェやメッセージ

クリスマスシーズンを盛り上げるオブジェやメッセージ

 
 初日に現地で点灯式を実施。関係者がボタンを押すと電飾が一斉にともり、集まった親子連れらが「うわぁ~」「かわいいー」などと歓声を上げた。
 
 近くに住む小学生川村奏音(そら)さん(9)は「めちゃくちゃ、きれい」と瞳を輝かせた。母未樹さん(47)は「この場所で、この規模のイルミネーションは初めて見る。まちが明るくなっていい」と頬を緩めた。
 
釜石の冬の夜を静かに彩るイルミネーション

釜石の冬の夜を静かに彩るイルミネーション

 
 イベントは、30代の若手事業者ら5人を中心とする「かまいし灯り実行委員会」が主催。人口減少が進むまちの現状に寂しさを覚えながらも「何とかして変えたい。にぎわいを取り戻そう」と熱い思いを共有する。
 
「釜石を盛り上げたい」。かまいし灯り実行委のメンバー

「釜石を盛り上げたい」。かまいし灯り実行委のメンバー

 
 11月に始動し準備期間や資金などは限られる中、思いに賛同した地元の企業や団体、市が電飾などの資材、装飾場所の提供などで協力。SNSなどで情報を発信し、設置作業では高校生や住民の手も借りた。
 
 代表で美容師の三浦愛美さん(31)は「釜石を明るく、あたたかくしたい。この明かりが暮らす人、帰ってくる人、訪れる人の心を照らすことができたらいい」と目を細める。発案者でもあり、数年前からあたためていた企画が実現し、「やりたいことができるまちだと、子どもたちの希望になれたらうれしい」とも。来年以降も継続するつもりで、「未来につなぐ一歩になった」とうなずいた。
 
青葉通りを彩るイルミネーション「かまいし冬灯り」

青葉通りを彩るイルミネーション「かまいし冬灯り」

 
 来年1月12日まで。午後4時半~翌午前0時に点灯する。12月27日には屋台やハンドベル演奏などを楽しめる催しを予定。期間中にはインスタグラムを活用したフォトコンテストも行う。詳しくは、インスタの実行委公式アカウント(https://www.instagram.com/kamaishi.akari.project/ )へ。

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広報かまいし2025年12月15日号(No.1870)

広報かまいし2025年12月15日号(No.1870)
 

広報かまいし2025年12月15日号(No.1870)

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【P1】
表紙

【P2-3】
JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2025-26

【P4-5】
釜石市×ミネルバ大学 共に学び未来を創る地域に

【P6-7】
市職員を募集します(令和8年4月1日採用予定)
保育所などへの新規入所申込(第2回目)を受け付けます 他

【P8-9】
救急車を呼ぶか迷ったら#7119
こんな時は迷わず救急車【119番】を呼びましょう 他

【P10-11】
まちの話題

【P12-13】
保健案内板
世界遺産登録10周年記念コラム
原田満梨奈のおすすめ本

【P14-15】
まちのお知らせ

【P16】
市民百景

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 オープンシティ・プロモーション室
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8463 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2025120900021/
釜石市

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