さまざまなアイデアが飛び出したSDGsフォーラム。釜石の持続可能性に必要なことは?

持続可能な社会の実現へ、SDGsを身近なところから〜釜石青年会議所 記念フォーラム

さまざまなアイデアが飛び出したSDGsフォーラム。釜石の持続可能性に必要なことは?

さまざまなアイデアが飛び出したSDGsフォーラム。釜石の持続可能性に必要なことは?

 

 一般社団法人釜石青年会議所(佐々木駿理事長、23人)の50周年記念「SDGsフォーラム」は18日、釜石市大町の情報交流センター釜石PITで開かれた。あいおいニッセイ同和損害保険が共催。2015年9月に国連で採択された国際目標「SDGs(エスディージーズ)」を自分事として捉え、持続可能な社会の実現へどう取り組むべきか考えた。

 

 SDGsは英語表記の「Sustainable Development Goals」から取った言葉で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳される。国際社会が2030年をゴールとして取り組むべき17の目標、169の達成基準、232の指標を掲げ、貧困やエネルギー、気候変動など地球規模の優先課題解決を目指す。

 

 フォーラムでは、MS&ADインターリスク総研の産学官公民金連携・特命共創プロデューサーの原口真さんが、中小企業や地方自治体におけるSDGsの取り組みを紹介。再生可能エネルギー100%企業を目指す印刷会社、子育てに特化したまちづくりを推進する自治体、森林資源を活用したウナギ養殖を行う若手起業者などについて説明した。原口さんは「SDGsの道しるべとして釜石が世界に何を提供できるのか。これからの企業はSDGsを考えないと就職でも優秀な人材が来てくれなくなる」と指摘した。

 

 続いて原田さん、お笑いコンビ「ランパンプス」(吉本興業)、釜石地方森林組合の高橋幸男参事、釜石出身の大学生寺崎幸季さん(慶應義塾大3年)、佐々木理事長がトーク。SDGsに関する3つのお題について、自由に考えを述べ合った。

 

 「気軽に始められる第一歩は」との質問に、高橋参事は「自分の生活の中で17の目標にマッチングすることがあるか調べてみる。そこから自分たちができることに発展していけばいいのでは」と提言。ランパンプスの寺内ゆうきさんも「とっつきにくそう、難しそうという印象を払い、煙たがらないことこそが第一歩」と、身近なことから顧みる必要性を示した。

 

 「釜石・大槌地域に本当に必要な18番目のゴールは」との問いに、寺崎さんは「釜石から東京に進学した人たちに『釜石に帰ってきてほしい』とアピールすることが大事。就職を控えた学生らにアクションを起こしてもらえれば」と市に期待した。

 

 この日はランパンプスのSDGsをネタにしたトークライブもあり、約50人の来場者は楽しみながらSDGsについて理解を深めた。

 

(復興釜石新聞 2019年8月24日発行 第818号より)

 

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復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

「復興五輪」へ 世界に発信、被災地ツアーで釜石スタジアムへ〜欧米 アジアの10カ国メディアが参加

「復興五輪」へ 世界に発信、被災地ツアーで釜石スタジアムへ〜欧米 アジアの10カ国メディアが参加

イベントに参加した子どもらを熱心に撮影する海外メディア

イベントに参加した子どもらを熱心に撮影する海外メディア

 

 「復興五輪」を理念に掲げる2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、東日本大震災の復興状況を世界に発信してもらおうと、東京都は18、19の両日、海外メディア向けの被災地ツアーを本県沿岸部で実施した。釜石市では18日、釜石鵜住居復興スタジアムを視察。野田武則市長の話やラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催への取り組みなどについて聞き、被災地の今に理解を深めた。

 

 ツアーには在京海外メディアを中心に、欧米やアジアの10カ国17人が参加した。スタジアムでは、釜石や台湾など国内外の子どもたちが参加するタグラグビーイベント(一般社団法人子どもスポーツ国際交流協会主催)が開催されており、施設見学と合わせ、イベント取材も行った。

 

 各国の記者やカメラマンからは野田市長に対し、1カ月後に迫ったラグビーW杯の準備状況、震災復興を進める中でのW杯の位置付け、W杯後のレガシー(遺産)などについて質問があった。野田市長は「最終目標は被災者一人一人の復興。安心して暮らせるまちへ、ラグビーの精神も大きな礎になると思う」と述べた。W杯のプレゼンテーションでは、新日鉄釜石ラグビー部のV7から始まる〝ラグビーのまち釜石〟の歴史、震災からの復興の歩みを説明し、釜石開催の意義を示した。

 

野田市長へのインタビューではW杯や復興について熱心に聞いた

野田市長へのインタビューではW杯や復興について熱心に聞いた

 

 フランス出身のフリージャーナリスト、ダビッド・マルイユさん(48)は「復興の先にある未来を釜石市がどうしたいのか知りたい」と参加。津波から逃れた小・中学生が通っていた学校跡地にスタジアムが建設されたことにも注目し、「希望を持ち、まちを再生させようと生きているのが分かった。住民がどう関わっているか、直接会って具体的な話を聞いてみたい」と望んだ。

 

 一行は三陸鉄道にも乗車。釜石―盛間を走り、鉄道再開の軌跡を学んだ。翌19日は陸前高田市を訪問し、高田松原津波復興祈念公園などを視察した。

 

 同ツアーは今月2、3日の福島県からスタート。来月14、15日には宮城県で実施される。

 

(復興釜石新聞 2019年8月21日発行 第817号より)

 

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CINEPIT映画上映会「僕とケアニンとおばあちゃんたちと。」

CINEPIT映画上映会「僕とケアニンとおばあちゃんたちと。」

 

「認知症になったら人生終わりだと思ってた。ここに来るまでは―」世界中が注目する介護施設「あおいけあ」に1年間密着したドキュメンタリー映画が、CINEPITに登場です。255インチの大画面スクリーンと高音質サウンドで、話題の映画をぜひお楽しみください。

 

 

上映日時

2019年9月15日(日)
①10:30〜 ②13:30〜
※入場受付は30分前からとなります

入場料金

一般1,000円 中学生以下無料

会場

チームスマイル・釜石PIT(釜石情報交流センター内)
全席自由 90席

主催

CINEPIT運営委員会
(釜石まちづくり株式会社、一般社団法人チームスマイル、釜石市、釜石シネクラブ、みやこ映画生協)

お問い合わせ

釜石まちづくり株式会社 TEL 0193-22-3607
作品に関して:シネマリーン TEL 0193-64-5588

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

お盆野球 世代を超え熱戦〜震災乗り越え 鵜住居に元気、水野旗争奪 66回目

お盆野球 世代を超え熱戦、雨模様の中 6チーム奮闘〜震災乗り越え 鵜住居に元気、水野旗争奪 66回目

接戦となった鵜住居─両石の試合

接戦となった鵜住居─両石の試合

 

 釜石市鵜住居地域のお盆恒例行事「水野旗争奪お盆野球大会」が14日、釜石東中グラウンドで開かれた。震災による中断を経て一昨年復活した大会は今年で66回目。弱雨が降り続く中での試合となったが、なじみの顔触れとの野球の楽しさは悪天候の憂鬱(ゆううつ)を吹き飛ばし、幅広い世代が古里の良さを実感した。

 

 開会式で大里芳章実行委員長は「若い人たちにも“お盆野球”が印象に残りつつある。令和の時代も長く続けていきたい」とあいさつ。釜石東中野球部の佐々木大地(りく)前主将(3年)が「地域の方々と協力し、精いっぱいプレーする」と選手宣誓した。

 

 鵜住居、箱崎、両石の3町から6チーム約100人が参加。7回(コールドなし、80分制限)のトーナメント戦で優勝を競い合った。地区単位のチームは中学生以上の選手で構成。東中野球部も参加チームに名を連ねた。

 

 待望の追加点に大喜びの鵜住居チーム

待望の追加点に大喜びの鵜住居チーム

 

 年に1度の即席チームながら、現役中・高野球部員、元球児、社会人野球経験者ら“野球好き”が集う同大会は、なかなかのレベル。今年は特にも1、2点差の好ゲームが続き、応援に駆け付けた地域住民も見応え十分だった。

 

 両石チームの松本克治さん(43)は高校生のころから参加。「年代関係なく和気あいあい。チーム同士も顔が知れた仲なので冗談も飛び交う。震災後、復活が決まった時はうれしかった」と回顧。震災の津波で母を亡くし、仮設暮らしなどを経て、つい最近、リフォームした両石の自宅に戻った。「海がある地元がやっぱり好き。(8年も)待ったかいがあるぐらいのまちになってきた」と復興の進展を喜ぶ。

 

 戦後の青少年の健全育成を目的に、地元の開業医・水野勇さん(故人)の提案で始まった同大会。過去にはプロ野球選手も輩出している。両石の瀬戸和則さん(故人)は国鉄盛岡からプロの世界へ。ヤクルトや広島で投手として活躍した。瀬戸さんと家が隣で、お盆野球にも一緒に出ていたという久保典男さん(67)は「当時は参加チームも多く、優勝すればパレードをするような盛り上がり。瀬戸さんを筆頭に、この地域からは高校野球で活躍するような実力ある選手が多数出ている」と話す。現在は監督として両石チームを率いる久保さん。「少年野球で指導した子どもたちが今では30~40代に。その子どもたちも中高生になり参加している。大会は地元を離れた子どもたちの成長ぶりを目にする機会でもある」とし、自身も息子、孫との家族3世代での参加を楽しんだ。

 

 熱戦を制したのは鵜住居。3年連続の優勝に輝いた。
大会結果は次の通り。
▽1回戦
両石2―1東中
箱崎2―0日向
▽2回戦
鵜住居4―3両石
箱崎5―3白浜
▽決勝
鵜住居6―5箱崎
最優秀選手賞=菊池健太(鵜住居)
優秀選手賞=萬慎吾(箱崎)

 

(復興釜石新聞 2019年8月21日発行 第817号より)

 

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「ほやバル」

珍しいホヤの缶詰を商品化、津田商店「ほやバル」開発〜酒のつまみ、料理用におすすめ

釜石市内で販売が始まった「ほやバル」

釜石市内で販売が始まった「ほやバル」

 

 釜石市鵜住居町の水産加工業津田商店(津田保之社長)はこのほど、地場産のホヤを使った缶詰「ほやバル」を開発した。9月開幕のラグビーワールドカップ(W杯)開催や三陸鉄道リアス線全線開通で観光客の増加が見込まれており、市場でも珍しいホヤの缶詰で三陸の味覚をアピール。市内の道の駅などの物販コーナーで販売している。

 

 三陸の海で育まれ、古くから食されてきたホヤは、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5つの味を楽しめるといわれている珍しい食材。鮮度が命で、従来は採れたてを刺し身で味わうのが主だったが、近年では調理したものもお目見えし、ホヤの評価が高まっているという。

 

 同社では三陸の海の恵みを食卓に届けようと、地元のホヤを使った缶詰の開発を2017年に始めた。ひと手間加えることでさらにおいしく、手軽に家庭でバル(スペイン語で「食堂」との意)気分を楽しんでもらう「ほやバル」シリーズを商品化。県沿岸広域振興局の地域経営推進費「いわて三陸農林水産物知名度向上・新商品開発事業」を活用した。

 

 ほやバルは塩味のみでシンプルに仕上げた「プレーン」(ホヤ水煮)、ピリ辛トマトソースをからめた「アラビアータ」、スパイスを利かせたオリーブオイルに漬けた「アヒージョ」の3種類。いずれも90グラム入りで税込み500円。道の駅釜石仙人峠、かまいし特産店(シープラザ釜石内)、鵜の郷交流館「汐折」(うのすまい・トモス)で販売している。

 

ほやバル

ほやバル

 

 同社では、酒のつまみとしてそのまま楽しんでもらうのを期待。さらに、プレーンを使った炊き込みご飯やパスタなど料理用としての活用も薦めている。

 

 市内では10日から店頭に並んだ。道の駅釜石仙人峠の佐々木雅浩副駅長は「調理することで食べる年代の幅が広がる。資源の有効活用は三陸にとっていいことで、地元で愛される味になってほしい」と期待。地元の水産加工業者は他社ブランドの缶詰生産などを行っていることが多く、「津田商店の名で商品を届けることで、釜石の製造者が頑張っているとの発信にもなる」と歓迎した。

 

(復興釜石新聞 2019年8月17日発行 第816号より)

関連情報 by 縁とらんす
株式会社津田商店
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「前進前心!」アピール、復興スタジアムにゴール〜よりもと芸人 間寛平さんら「みちのくマラソン」

「前進前心!」アピール〜よしもと芸人 間寛平さんら「みちのくマラソン」、復興スタジアムにゴール

ゴール後、住民らと触れ合った間さん(左から4人目)

ゴール後、住民らと触れ合った間さん(左から4人目)

 

 東日本大震災の被災地に元気を届けようと、タレントの間寛平さん(70)ら吉本興業の芸人がたすきをつなぎ、福島・宮城・岩手3県を駆け抜ける「RUN FORWARD KANPEI みちのくマラソン」が9日、最終日を迎え、ラグビーワールドカップ(W杯)の会場となる釜石市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムにゴールした。

 

 この日は、間さんがトップバッターを務め、陸前高田市の道の駅高田松原(9月にオープン)を出発した。道中、本県在住のお笑いコンビ「アンダーエイジ」の熊谷由輔さん(37)と結城多聞さん(37)にたすきをつなぎ、車での移動も挟みながら大船渡市へ。3月に全線開通した三陸鉄道リアス線に乗車し、車内から復興の様子を見ながら釜石市に入った。

 

 午後0時半近くに鵜住居駅に到着。降り立った間さん、お笑いコンビ「サバンナ」の八木真澄さん(45)、市川こいくちさん(38)らは釜石祈りのパークに立ち寄り、犠牲になった人たちに黙とうをささげた。

 

 その後、間さんと八木さんが、約100人が待つゴール地点・同スタジアムへ出発。最後は、「寛平さんラストー」と声援を受けた間さんが、ラグビーボールを抱えてゴールテープを切り、3県の計約50キロを走破した。

 

 間さんはゴール後、スタジアム内のゴールポストを使い、「かい~の」と自身のギャグを飛ばし、笑いを誘った。2年前にも周辺を訪れていて、「当時は何もなかったのに、立派なのができたな。みんなでW杯を盛り上げよう」と呼び掛け。3県の復興については「年々町並みが変わり、新しいまちをつくろうとしているのが分かる。前向きな心を持って前に進もう。前進前心!来年もできるならやりたい。待っといてください」とエールを送った。

 

 箱崎町で被災し、甲子町に生活の拠点を移した萬真知子さん(44)は、長女陽菜ちゃん(4)とゴールを見守った。「毎年走って元気づけてもらっているので、応援に来た。いくつになっても衰えないチャレンジ精神に感動」と笑顔を見せた。

 

 同マラソンは2012年に始まり、今年で8回目。7月27日に福島県相馬市を出発し、十数人のよしもと芸人がたすきをつないだ。

 

(復興釜石新聞 2019年8月17日発行 第816号より)

 

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いわて‶世界遺産”―パネル巡回展― in 鉄の歴史館

いわて“世界遺産”―パネル巡回展― in 鉄の歴史館

いわて‶世界遺産”―パネル巡回展― in 鉄の歴史館
 

いわて“世界遺産”―パネル巡回展―
岩手県では、県内にある2つの世界遺産と、再来年度の世界遺産登録を目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群(御所野遺跡)」を、世界に誇るいわての遺産として紹介するためにパネル巡回展を実施しております。8月下旬の開催地は、釜石市立鉄の歴史館となります。皆さまの多くのご来館をお待ちしております。

 

展示内容

「平泉の文化遺産」、「明治日本の産業革命遺産」、「北東北の縄文文化」の解説パネル

開催期間

8月21日(水)~30日(金)

開催場所

釜石市立鉄の歴史館1階

開館時間

9時~17時(最終入館:16時)

休館日

火曜日

入館日

大人500円 高校生300円 小・中学校150円

問い合せ

釜石市立鉄の歴史館 TEL:0193-24-2211

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 世界遺産課
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話 0193-22-8846 / FAX 0193-22-2762 / メール
元記事:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/tanoshimu/kanko/detail/1230696_2430.html
釜石市

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上中島地区で暮らす復興住宅の住民が集った夏祭り

上中島復興住宅、夏祭りでにぎやかに交流〜イベントで培う住民サポート

上中島地区で暮らす復興住宅の住民が集った夏祭り

上中島地区で暮らす復興住宅の住民が集った夏祭り

 

 釜石市上中島町の上中島2期復興公営住宅で2日、近くにある1期復興住宅との合同夏祭りが開かれた。三陸防災復興プロジェクトの一環で行われ、それぞれの入居者有志も企画、運営をお手伝い。集った住民らは食や遊び、民謡などを楽しみつつ、もてなし、もてなされながら交流を深めた。

 

 市内で最初に整備され、2013年に入居が始まった1期(54戸)、2年後に完成した市内最大規模の2期(156戸)の初めての合同行事。市内で被災したほぼ全域から被災者が入居した両復興住宅では、それぞれ入居者間の交流を進めていて、さらに地域での顔見知り関係づくりを進めようと、同プロジェクト実行委員会との共催として夏祭りが企画された。

 

 開催に当たり、運営に携わるスタッフを両復興住宅の住民から募集。ホタテやイカなど浜焼きコーナー、地元出身の民謡歌手によるショーなど、同じ集合住宅に暮らす人たちが喜ぶ企画を考え、2カ月前から準備を進めた。

 

 会場の中庭には、焼きそばや綿あめ、ポップコーンなどの屋台、滑り台の形のエア遊具などが並んだ。焼きたてアツアツの海産物を味わえる浜焼きコーナーも人気で、長い列ができた。

 

 鵜住居町出身の民謡歌手佐野よりこさんが県内の民謡仲間らと登場。力の込もった歌と踊りを披露し、盛り上げた。

 

 2期復興住宅の大町健司さんは「にぎやかでいい。見知った人もあれば、久しぶりの顔も。初めての人もいて、近くに住む顔見知りを増やす機会になる」と、缶ビール片手に楽しんだ。

 

 食券を配る受け付けを担当した1期復興住宅の70代の女性は「ぎこちなさがあるけど、いい交流の機会になった。これからだね」とほほ笑んだ。

 

 住民の取り組みをサポートした中妻地区生活応援センターの村上徳子所長は「普段行事に出てこない人も参加してもらえるよう、みんなで考え、作り上げた祭り。来年以降も続くイベントになれば」と期待した。

 

(復興釜石新聞 2019年8月10日発行 第815号より)

 

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釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第7弾『ホラニ 龍シオアペラトゥー選手』

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第7弾『ホラニ 龍シオアペラトゥー選手』

釜石シーウェイブスRFC選手紹介2019 第7弾『ホラニ 龍シオアペラトゥー選手』

 

ホラニ 龍シオアペラトゥー選手(ほらに りゅうしおあぺらとぅー)選手 / 所属先:日本製鉄(株)釜石製鐵所 プロ契約 プロフィール
2018年加入/1982.12.29生(36歳)/187㎝/120㎏/トンガ出身/埼玉工業大学卒
 
●ラグビーを始めたきっかけ:15歳の時、伯父(ノフォムリ・タウモエフォラウさん)に誘われて。
●ポジションの遍歴:FL、LO、No8→PR
●ニックネーム:ソア
●趣味:BBQ、釣り、海で遊ぶ
●好きな食べ物:ラーメンとラム肉丼
●釜石のオススメ:釜石ラーメン、大自然
●出身地のオススメ:豚の丸焼き
●試合前のルーティン:音楽を聴く
●ストロングポイント:セットプレー
●サポーター、ファンへメッセージ:いつも応援していただきありがとうございます。皆さんの声援が大きな力になりますので、これからも応援よろしくお願いします。

 

インタビュー日:2019年7月29日(釜石シーウェイブスRFCクラブハウス)
企画・編集:釜石まちづくり株式会社
取材・文:市川 香織(釜石まちづくり株式会社)
写真:西条 佳泰(株式会社Grafica)

 

奥さんと二人で「釜石行きますか!」って、すぐに決めました

 

ホラニ 龍シオアペラトゥー選手

 

ーー加入の経緯を教えてください。

 

ホラニ選手:

NECが終わった後に、一番早くに声を掛けて下さったのが釜石だったんです。ある日エージェントから「釜石のGMさんが会いたいと言って下さっている」と連絡が来まして。それで、桜庭さんと直接会って話をさせて頂いて、奥さんと二人で「釜石行きますか!」って、すぐに決めました。

 

ーー過去にSWと対戦した事はありましたか?

 

ホラニ選手:

僕は無くて、当然、釜石に来た事も無かったです。でも、前にチームに居たトンガ出身の選手が、SNSに釜石の風景や写真をUPしていたので、それを見て「釜石っていい所だなぁ」って思っていました。
 

でも、僕が入ったらトンガ出身選手が皆いなくなってしまっていて・・・一緒に出来ると思っていたので、それがちょっと寂しかったですね。

 

ーーそうすると、入った当初はチームに知っている人はいましたか?

 

ホラニ選手:

マヘさん(トゥビさん:釜石SW 普及担当)が、高校(トンガの)は先輩です。他には知っている人はいませんでした。だから、トンガの選手たちがみんなSWが終わりって聞いた時、みんなにメールして「頼むから誰か残ってくれー」って(笑)。そしたら、マヘさんがスタッフとして残ってくれて、本当良かったです。

 

ーーチームに合流してどうでしたか?

 

ホラニ選手:

良いチームだなぁって感じました。ただ、練習時間が今までやって来たチームとは違って、夜暗い中でもやるので初めは戸惑いましたけど、今は慣れました。

 

ホラニ 龍シオアペラトゥー選手

 

ーー第4弾でインタビューをお届けした山田選手が、チームに合流してすぐはわからない事も多い中で、「NECで一緒だったソアさんが居てくれてとても助かりました」と言っていました。

 

ホラニ選手:

そうなんですか・・・ありがたいですね。確かに僕も最初の頃は同じで、練習の流れとか他にも色々と分からない事はマヘさんに聞いて、全部教えてもらいました。やっぱり、知っている人がいてくれるだけで全然違います。

 

ーーほとんど知り合いが居ない初めての土地ですもんね。

 

ホラニ選手:

そうですね。だから、こっち来る前に兄さん(ホラニ龍コリニアシさん:パナソニックワイルドナイツFWコーチ)に、「釜石って遠いけど大丈夫?東京のチームの方がいいんじゃない?」って心配されました(笑)。
でも僕は、「東京はもういいです。釜石の大自然の方が自分に合っていると思うんで」って言って、釜石に来ました。

 

ーーこのインタビューシリーズで、海外選手のオススメの場所によく登場する「荒神海岸」はマヘさんがチームのみんなに教えたそうですね。

 

ホラニ選手:

そうですね。去年も結構みんなで泳ぎに行きましたね。海も砂浜もとてもきれいで、BBQも出来るし、すごく良い所です。あとは、すぐそこの松倉の川にも、昨日も一昨日も連続で入りました(笑)。

 

ーー実際に釜石で暮らしてどうですか?

 

ホラニ選手:

イメージ通りでした!自然が好きなので、さっき言ったみたいに、海、川で遊んで、海で釣りをして、最高です。

 

日本に来た時点で、「もう僕にはこの道しかない」って思っていました

 

ホラニ 龍シオアペラトゥー選手

 

ーー日本へ来たのは、何歳の時にどんなきっかけだったんですか?

 

ホラニ選手:

16歳になったばかりの時、伯父さんに「日本でラグビーやってみないか?」と誘われて日本の高校(埼工大深谷高校)に来ました。それまでラグビーの経験は全くなかったんですけど。

 

ーーえ!そうだったんですか?

 

ホラニ選手:

僕の家は母と兄と僕の3人だけなんですけど、母はいつも「勉強、勉強、勉強しなさい!」という感じだったので、勉強ばかりしていました(笑)。
 
でも、僕たちが大きくなって来た頃に母が、「だんだん1人で育てて行くのが大変になってきた」という話を伯父さんにしていて。伯父さんは元々日本でラグビーをしていたんですけど(ノフォムリ・タウモエフォラウさん:三洋電機でプレー。日本代表キャップ15)、トンガに来てくれて「日本の高校でラグビーをさせたいから、僕に任せてくれないか?」と母に言ったんです。母は、相手が伯父さんじゃなかったら、僕たちを日本に行かせなかったと思います。

 

ホラニ 龍シオアペラトゥー選手

 

ーー高校はトンガからラグビー留学生をずっと受け入れていたんですか?

 

ホラニ選手:

僕の兄さんともう一人が1期生で、2期生が僕と、クボタでもチームメイトだったオツコロ カトニでした。当時は毎年2人ずつでした。

 

ーーそうすると、お兄さんが居たから、ちょっと安心でしたね。

 

ホラニ選手:

そうですね、すごく助かりました。言葉もわからない所に行って、いきなり学校に入って、普通のクラスで授業を受けて。当たり前ですけど、目の前で何が行われているのか全然理解出来なくて、“ぼーっ”としているしか無くって(笑)。
 
学校が終わって、兄さんの所に行って「なんで学校に通っているのはわからない・・・」って、よくこぼしていました。兄さんは日本に来て1年経って、少しだけ日本語が話せるようになっていたので、色々と教えてもらってなんとか過ごしていましたね。
だから、たぶん1期生の二人は本当に大変だったと思うんです。僕みたいに聞ける人がいなかったから。

 

ーーそして、ラグビーもそこで始めて・・・。やってみた時はどうでしたか?

 

ホラニ選手:

楽しかったです。厳しいラグビー部だったので、練習はきついし、休みもなかなか無かったですけど(笑)。
授業に出ていても、「早く部活にならないかな・・・」という日々でした。

 

ホラニ 龍シオアペラトゥー選手

 

ーー体はもう今くらい大きかったんですか?

 

ホラニ選手:

いや、高校の時はもっと細くて、80kgくらいでした。FWのポジションはHO以外全部やりましたね。

 

ーーじゃぁ、体を大きくする為に、食事も練習の一環だ!という感じで?

 

ホラニ選手:

そうですね。自分たちで「これはきちんとご飯を食べないとダメだな」って、すぐ思いましたから。
だけど、最初は日本の食事が合わなくて・・・。特に白いご飯が食べられなくて、パンばかり食べていたんですけど、だんだん時間が経つうちに、すごく美味しく感じるようになりました。
今は、白ご飯無しの食事は無理ですね(笑)。

 

ーー大学でもラグビー部に入って、そして、社会人になっても続けるというのは、いつ頃決めたんですか?

 

ホラニ選手:

日本に来た時点で、「もう僕にはこの道しかない」って思っていました。ダメだったら・・・とか、そういう事は考えないようにしていましたね。辛くて帰りたくても、「やるしかない!」と思って。

 

ホラニ 龍シオアペラトゥー選手

 

ーーさっき、休みもほとんどないという話でしたけど、1年に1回くらいはトンガに帰れたんですか?

 

ホラニ選手:

いえ、帰れなかったですね。高校3年間で帰ったのは、卒業した後に一回だけで、大学の時も卒業して社会人になる前に一度だけでした。

 

ーーお母さんが日本に来てくれたりとか?

 

ホラニ選手:

それもほとんどなくて、高校と大学の卒業式に来たくらいでしたね。

 

ーー社会人になって、ラグビー選手になった時は喜ばれたでしょうね。

 

ホラニ選手:

はい、喜んでいましたね。それで、社会人になったし、お母さんを「日本に遊びにおいで」って呼びたいねと兄さんと話したんですけど、クボタでの3年間はプロ選手ではなくて、工場で働きながらラグビーをする社員選手で、独身寮に住んでいたんです。だから、母さんが来ても独身寮に泊める事が出来ないので、プロ選手になって、寮を出て家を借りて、母さんを泊められる様にしたいと思っていました。それに、仕送りをしたくても、社員選手の給料だとあまりそれも出来ないので。
 
そうした事もあって、プロ選手への道を考えて、クボタで働いている時に日本のパスポートを申請して、日本に帰化しました。

 

ホラニ 龍シオアペラトゥー選手

 

ーー日本でラグビー選手として生きて行くと決心されたんですね。

 

ホラニ選手:

そうですね。帰化する前に母さんにも相談したんですけど、「どこの国籍になっても、あなたが私の息子である事に変わりはないから、自分で決めたのならお母さんはそれを尊重するわ」と言ってくれました。

 

あとは自分たちの気持ち、意識だけだと思います

 

ホラニ 龍シオアペラトゥー選手

 

ーー釜石に来て2シーズン目。昨シーズンを振り返っていかがですか?

 

ホラニ選手:

釜石に来てすぐの頃にケガをして、春夏はなかなか試合に出られなかったんですけど、リーグ戦(TCL)が始まった頃に復帰し、たくさん試合に出る事が出来て良かったです。でも、もっと勝ちたかったです。

 

ーー今、チームで最年長でいらっしゃるんですよね。そして、一番下の選手は19歳。

 

ホラニ選手:

そうです、19歳ですね(笑)。もう・・・思ってもいなかったですね、こんなに若い選手と一緒にラグビー出来るなんて!なんか恥ずかしいです、僕がダントツ年上で(笑)。去年までは同い年のメンバーもいたんですけどいなくなりましたし、そういう点でもほんと寂しいですね。
 
若い選手たちには、もっとチームを引っ張って行って欲しいなと思っています。
すごい、シャイなんですよ。シャイというか、自分のやりたい事、自分の意見を言わないんですよね。だけど、もっと積極的にコミュニケーションを取って欲しい、グラウンドの中に入ったら、先輩後輩は関係ないですから。そこがまだ遠慮気味になってしまっているんですよね。

 

ホラニ 龍シオアペラトゥー選手

 

ーーそういう若い選手を見ていて、「まだ理解してないな」と感じた時には、言ってあげる方ですか?

 

ホラニ選手:

はい、僕はみんなに今まで自分が経験して来た事を共有したいと思っているので、出来るだけ言うようにしています。
でも、SWは練習以外で一緒に過ごせる時間が少ないんですよね。働いている選手が多くて時間が合わないですし。でも、そういう中でも出来るだけ時間を見つけて、アドバイスしたり話をするようにしていますね

 

ーー今シーズンはコーチ陣が変わり、チーム作りをしている最中だと思うのですが、カップ戦で久しぶりに三菱重工相模原に勝利するなど、チームの力は上がって来ていると感じます。実際にここまでどうですか?

 

ホラニ選手:

はい、上がっています。あとは自分たちの気持ち、意識だけだと思います。集中して取り組む所、リラックスする所、そういう判断を一人一人が出来たら、もっと良いチームになるんじゃないかって思います。

 

ーーSWがTLに昇格する為に必要だと思うことは何ですか?

 

ホラニ選手:

それこそ、一人一人の意識だと思います。今のチームは若い選手が多いですし、年齢も経歴もバラバラなんですが、練習の時に「みんなでやろう!」と確認した事も、次の日になったら忘れていたりする選手がいるんですよね。そうすると、全体でまた一からやり直しになります。
 
今日の練習をどれだけ良いものに出来るか、そして、次の日は前の日に終わった所からスタートして、そこにさらに積み上げていく練習が出来るかどうかが重要です。そこを全員で意識して出来たら、良いチームになると思います。
 
みんながそうなるまで、一人一人が言い続けなきゃいけないですね!少しの事でも、「忘れているな!」と思ったら、すぐ声を掛けていかないと。“ワンチーム”なんで、キャプテンとかリーダーとか関係なく、気が付いた人が言ってあげる、そこも一人一人の意識ですね。

 

ホラニ 龍シオアペラトゥー選手

 

ーー良いチーム“ワンチーム”になる為に、“もっとこうして行きたい”という事はありますか?

 

ホラニ選手:

プロとか社員とか関係なく、もっと選手同士の交流に時間をかけた方が良いと思います。練習だけではなくて、それ以外の時間も一緒に過ごして、コミュニケーションを取って。そうしたら、もっとそれぞれが遠慮しないで出来るかなと。ラグビー以外の事を一緒に楽しんだりする事が良いかなと思いますね。

 

ーー最後に、今シーズンの抱負をお願いします。

 

ホラニ選手:

今年、TLから落ちて来た強い2チームと、TLに昇格出来なかったSWより上位のチームもいるので、そこをターゲットにして勝ちたいですね!特に、カップ戦で負けたコカ・コーラにはリベンジしたいです!
 
個人的には、コンディションも悪くないですし、昨年ケガした膝も大丈夫です。今年は良い感じなので、カップ戦よりもっと良いプレーが出来れば良いと思いますし、チームとしては、カップ戦で活かしきれなかった点、そういう所を全部修正して臨みたいですね。

 
 
 

今年は秋のラグビーワールドカップ開催後の11月からトップチャレンジリーグが開幕!第1節、第2節は鵜住居復興スタジアムで行われます。日程は以下の通りです。

 

2019 ジャパンラグビートップチャレンジリーグ

第1節 11月16日(土) 11:30 釜石鵜住居復興スタジアム
対 コカ・コーラレッドスパークス
第2節 11月23日(土) 11:30 釜石鵜住居復興スタジアム
対 九州電力キューデンヴォルテクス
第3節 12月07日(土) 11:30 秩父宮ラグビー場
対 栗田工業ウォーターガッシュ
第4節 12月14日(土) 14:00 秩父宮ラグビー場
対 豊田自動織機シャトルズ
第5節 12月21日(土) 13:00 コカ BJI ラグビー場
対 マツダブルーズーマーズ
第6節 01月11日(土) 14:00 ヤンマースタジアム長居
対 近鉄ライナーズ
第7節 01月19日(日) 11:30 秩父宮ラグビー場
対 清水建設ブルーシャークス

 

最新情報、詳細は釜石シーウィブスの公式サイトでご確認ください。
http://www.kamaishi-seawaves.com/

根浜海岸に整備された観光施設「根浜シーサイド」

「根浜観光」本格復旧へ、海岸施設オープン〜キャンプ場、休憩所整備 ラグビーW杯での活用見据え

根浜海岸に整備された観光施設「根浜シーサイド」

根浜海岸に整備された観光施設「根浜シーサイド」

 

 東日本大震災で大きな被害を受けた釜石市鵜住居町の根浜海岸に8日、観光施設「根浜シーサイド」がオープンした。市が、津波で流失したレストハウスを再建したほか、オートキャンプ場、多目的広場なども整備。関係者らは、海と山の豊かな自然に囲まれた観光地としての本格復旧に期待を寄せる。間近に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催での活用も見込んでおり、にぎわいの相乗効果につなげる考えだ。

 

 根浜地区の住民は防災集団移転促進事業で高台に移転し、今回はその住宅跡地などを活用。面積は市有地と私有地を合わせ約4万平方メートルになる。

 

 管理棟となるレストハウスは、海のそばにあった以前の場所から陸側に約200メートルの所に再建された。木造平屋建て、延べ床面積370平方㍍。多目的ホールやシャワー室(男女別・各4)、トイレ、キッチン、洗濯コーナーなどを配置した。

 

 オートキャンプサイト(面積7158平方メートル)は小型車用17区画と中型車用9区画を確保。木造平屋の吹き抜け構造の炊事棟(面積18平方メートル)、トイレ棟(同)も設置した。

 

 青々とした天然芝が広がる多目的広場(面積1万8690平方メートル)も整備。乗用車300台を収容できる駐車場は整備中で、来年2月末の完成を予定している。

 

 全体の事業費は約8億円。災害復旧費補助金や過疎債などを活用した。

 

 かまいしDMC(社長・野田武則市長)が指定管理者となる。開館時間は午前9時から午後7時まで。地元の根浜親交会や根浜MIND(マインド)などと協力しながら、スタッフ1~2人を配置する。

 

 この日、現地でオープニングセレモニーが開かれ、関係者約100人が集まった。野田市長は「今年、震災後初めて海開きをした根浜。今後の利用促進に期待。多くの人に親しまれる施設になってほしい」とあいさつ。「くらぶ海音(うみのおと)」による演奏や餅まきなどで祝った。

 

餅まきでオープンを祝った地域住民ら

餅まきでオープンを祝った地域住民ら

 

 同地区は震災の津波で約80戸あった住宅のほとんどが流失し、約15人が犠牲になった。根浜親交会の佐々木雄治事務局長は「がれきで足の踏み場がなかった地区で、施設オープンというお祝いができ感無量。観光地として、きれいな自然を味わってほしい。来訪者と住民、みんなが笑顔で元気になる場、地域になるよう盛り上げていきたい」と期待した。

 

 キャンプサイトの利用料は小型車1区画が1泊3千円(日帰り2千円)で、中型車1区画は1泊6千円(同4千円)。多目的広場は全面利用で1時間ごと5千~2万円だが、半面での貸し出しも可能とする。レストハウス内の多目的ホールは全面利用で500円(1時間ごと)、キッチン300円(同)などとなっている。

 

 21日まで宿泊が可能で、予約を受け付けている。W杯運営の都合で22日以降はレストハウスが使用できず、9月13日から10月24日まで施設一帯が立ち入り禁止となる。

 

 予約・問い合わせはかまいしDMC(電話0193・27・5455)へ。

 

(復興釜石新聞 2019年8月10日発行 第815号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

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ハヤカワ・テルージ・トリオ スペシャルステージ

ハヤカワ・テルージ・トリオ スペシャルステージ
 
It’s TETTO series 2 ハヤカワ・テルージ・トリオ スペシャルステージ

 

アルゼンチンタンゴ界の巨匠、フアン・ホセ・モサリーニの薫陶を受けた期待の俊英による新世代タンゴ・ユニット。
パリの聴衆を魅了した、伝統と芸術の“コンテンポラリー・タンゴ”

 

ハヤカワ・テルージ・トリオ スペシャルステージ – 釜石市民ホール TETTO 公式サイト

日時

2019年9月21日(土) 14:00〜16:00予定(開場13:30)

会場

釜石市民ホールTETTO ホールA

プログラム

G.M.ロドリゲス作曲/早川純編曲:ラ・クンパルシータ
A.ピアソラ作曲/早川純編曲:リベルタンゴ
L.テルージ作曲:プロセッション(行列)
早川純作曲:岐阜民謡「おばば」の主題による幻想曲
…ほか

※プログラムは変更になる場合がございます。

出演

HAYAKAWA TERUGGI TRIO
©Leonardo Bravo
HAYAKAWA TERUGGI TRIO (はやかわ てるーじ とりお)
日本人バンドネオン奏者の早川純、ピアニストの久保田美希と、アルゼンチン系フランス人ベーシストのレオナルド・テルージによるタンゴ・トリオ。それぞれのフィールドで音楽家としてのキャリアを積んできた3人が、タンゴ界の巨匠フアン・ホセ・モサリーニ氏との縁をきっかけにパリで出会い、互いの音楽性や才能に惹かれあう形で、2015年の春に結成。パリで行われた初のコンサートは、耳の肥えた聴衆を唸らせた。
3人の音楽的なルーツはクラシックにあり、その音楽の深淵さと芸術性の新たな表現の場として「タンゴ」を捉えている。早川とテルージの作・編曲によるレパートリは、タンゴ本来の情感やエネルギーを色濃く湛えながらもモダンであり、伝統的なポピュラー音楽としてのタンゴの枠を超えた、芸術音楽としてのタンゴの再評価を目指している。2017年に発表したアルバム『TANGO NOUVEAU』は、国内外で高い評価を得ており、今後の活動に更なる注目が集まっている。
アルバムリリースから2年。4度目の日本ツアーとなる今回は、新たなレパートリを携え、さらに進化した「芸術タンゴ」の世界を繰り広げる。
 
「彼らのような素晴らしい音楽家たちの成長に携われたことを、私はとても光栄に思う。彼らは必ずや、ブエノスアイレスの音楽“タンゴ”を、更に高い次元に押し上げてくれるだろう。」
フアン・ホセ・モサリーニ(世界最高峰のバンドネオン奏者)

 

【メンバープロフィール】
 
早川 純 (はやかわ じゅん) バンドネオン
早川 純 (はやかわ じゅん) バンドネオン
東京芸術大学音楽学部楽理科卒業。ジェヌビリエ音楽院ジャズDEMを満場一致の一位で取得。様々なスタイル・編成のユニットを主宰し、精力的に活動を続けてきたが、2013年、ドイツのクリンゲンタールで行われた国際バンドネオン・コンクールでの優勝を機に渡仏。J.J.モサリーニ氏にバンドネオンを師事した。同時にパリを拠点として、ヨーロッパ各地で演奏活動を展開。2018年より定期的に、日本人としては初となるバンドネオン・ソロツアーを開催、2019年3月にはヨーロッパ5箇所での公演も行い好評を博した。現在は日本を拠点として、演奏家・作曲家として、バンドネオン、そしてタンゴの可能性を独自のスタイルで追求している。

 

レオナルド・テルージ (れおなるど・てるーじ) コントラバス
©Astrid di Crollalanza
レオナルド・テルージ (れおなるど・てるーじ) コントラバス
現代音楽の大家であるダニエル・テルージ氏を父に持つ。パリ国立高等音楽院コントラバス科を卒業。アルゼンチンの血とフランスのエスプリを兼ね備えた彼は、その正確無比なテクニックと華のある芸術的な表現力で、ヨーロッパの音楽シーンにおいて最も注目されるベーシストの一人となっている。モサリーニ氏からは、演奏家、作曲家、アレンジャーとして、全幅の信頼を寄せられている。活動はタンゴに留まらず、イタリアの歌姫L.ガレアッティのユニット、オルケストラ・ド・コントラバス等にも参加。現在パリとバルセロナを拠点としつつも、世界中の音楽シーンに招かれ精力的に演奏活動を行っている。

 

久保田 美希 (くぼた みき) ピアノ
©mint photo
久保田 美希 (くぼた みき) ピアノ
ロンドン王立音楽院、パリ・エコールノルマル音楽院にてピアノを学ぶ。2012年ブレスト国際ピアノコンクールにて一位メダルを獲得。翌年、マイエンヌ国際ピアノコンクールに出場し、聴衆の支持を受けて入賞。音に対する独自の美意識と繊細な表現で、クラシック・ピアニストとしてキャリアを積んできたが、2013年にJ.J.モサリーニ氏の演奏に出会ったことでタンゴに目覚める。その才能を認められ、2014年、2017年と、モサリーニ氏の来日公演において専属ピアニストを務めた。タンゴピアノというジャンルに、芸術的な感性を投影できる、稀有なピアニストである。

料金

チケット好評発売中
全席自由 一般2,000円(友の会1,600円)/高校生以下500円(友の会400円) 当日各500円増
注)未就学児のお子様のご入場・ご同伴はご遠慮ください。
 
【友の会以外の割引】
まとめ買い割引:10枚以上同時購入で20% off
シルバー割引:65歳以上証明書提示で一般チケット1枚が20% off
 
友の会チケット・まとめ買い割引・シルバー割引は釜石市民ホールのみ取り扱い

プレイガイド

【釜石】釜石市民ホール、東山堂釜石事業センター、イオンスーパーセンター釜石
【大槌】シーサイドタウンマスト
【宮古】宮古市民文化会館
【遠野】とぴあ
【大船渡】サン・リア、リアスホール
【盛岡】岩手県民会館、カワトク
 
【オンラインチケットサービス】
https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=53747&
・ご予約後、セブン-イレブン店頭にてチケットをお受け取りください。
・お支払いは、Webからお申込の際にクレジットカード決済、またはチケット受け取り時にセブン-イレブン店頭でお支払いの、どちらかをお選びいただけます。
・9/11 23:59までの取扱です。
※クレジットカード決済を選択された場合、チケット受け取りはお申込みより4日後からとなります。
※オンラインチケットサービスは一般チケットのみの取り扱いとなります。

お問い合わせ

釜石市民ホールTETTO 0193-22-2266

備考

当ホールには専用駐車場がございません。車でご来場の際は、市営大町駐車場など近隣の有料駐車場をご利用くださいますようお願いいたします。
 
【大町駐車場割引券サービス】
公演当日、ホール総合案内に公演チケットと大町駐車場駐車券を提示いただくと、駐車1時間サービス券2枚を進呈いたします。ぜひご利用ください。

主催等

【主催】釜石市民ホール
【共催】釜石市
【後援】岩手日報社、釜石新聞社
【協力】NPO法人LOCO企画

釜石市民ホール TETTO

釜石市民ホール TETTO

問い合わせ: TEL 0193-22-2266 / FAX 0193-22-3809 / 公式サイト
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-9

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広報かまいし2019年8月15日号(No.1718)

広報かまいし2019年8月15日号(No.1718)
 

広報かまいし2019年8月15日号(No.1718)

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【P1】表紙/もくじ
【P2〜3】ラグビー日本代表 対 フィジー代表
【P4〜5】ラグビーワールドカップ2019推進本部通信・やっぺしVol42/ラグビーワールドカップ交通情報/ボランティア募集/記念ナンバープレート
【P6〜7】岩手県知事・岩手県議会議員・釜石市議会議員選挙
【P8〜9】地震・津波避難訓練/運転免許証の自主返納/水産・海洋研究セミナー/甲子川・鵜住居川水門の現場見学会
【P10〜13】市民のひろば/まちのお知らせ
【P14〜15】まちの話題
【P16〜17】保健案内板/保健だより
【P18〜19】復興情報
【P20】 みちのく潮風トレイル 全線開通

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1230541_2596.html
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