持続可能な社会の実現へ、SDGsを身近なところから〜釜石青年会議所 記念フォーラム
さまざまなアイデアが飛び出したSDGsフォーラム。釜石の持続可能性に必要なことは?
一般社団法人釜石青年会議所(佐々木駿理事長、23人)の50周年記念「SDGsフォーラム」は18日、釜石市大町の情報交流センター釜石PITで開かれた。あいおいニッセイ同和損害保険が共催。2015年9月に国連で採択された国際目標「SDGs(エスディージーズ)」を自分事として捉え、持続可能な社会の実現へどう取り組むべきか考えた。
SDGsは英語表記の「Sustainable Development Goals」から取った言葉で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳される。国際社会が2030年をゴールとして取り組むべき17の目標、169の達成基準、232の指標を掲げ、貧困やエネルギー、気候変動など地球規模の優先課題解決を目指す。
フォーラムでは、MS&ADインターリスク総研の産学官公民金連携・特命共創プロデューサーの原口真さんが、中小企業や地方自治体におけるSDGsの取り組みを紹介。再生可能エネルギー100%企業を目指す印刷会社、子育てに特化したまちづくりを推進する自治体、森林資源を活用したウナギ養殖を行う若手起業者などについて説明した。原口さんは「SDGsの道しるべとして釜石が世界に何を提供できるのか。これからの企業はSDGsを考えないと就職でも優秀な人材が来てくれなくなる」と指摘した。
続いて原田さん、お笑いコンビ「ランパンプス」(吉本興業)、釜石地方森林組合の高橋幸男参事、釜石出身の大学生寺崎幸季さん(慶應義塾大3年)、佐々木理事長がトーク。SDGsに関する3つのお題について、自由に考えを述べ合った。
「気軽に始められる第一歩は」との質問に、高橋参事は「自分の生活の中で17の目標にマッチングすることがあるか調べてみる。そこから自分たちができることに発展していけばいいのでは」と提言。ランパンプスの寺内ゆうきさんも「とっつきにくそう、難しそうという印象を払い、煙たがらないことこそが第一歩」と、身近なことから顧みる必要性を示した。
「釜石・大槌地域に本当に必要な18番目のゴールは」との問いに、寺崎さんは「釜石から東京に進学した人たちに『釜石に帰ってきてほしい』とアピールすることが大事。就職を控えた学生らにアクションを起こしてもらえれば」と市に期待した。
この日はランパンプスのSDGsをネタにしたトークライブもあり、約50人の来場者は楽しみながらSDGsについて理解を深めた。
(復興釜石新聞 2019年8月24日発行 第818号より)
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