タグ別アーカイブ: 地域

愛着のある室浜地区をみんなで盛り上げようと気持ちを高める住民ら

帰還の喜び分かち合う「これからも仲良く」〜片岸町室浜地区、かさ上げ土地造成

愛着のある室浜地区をみんなで盛り上げようと気持ちを高める住民ら

愛着のある室浜地区をみんなで盛り上げようと気持ちを高める住民ら

 

 東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた釜石市片岸町室浜地区。震災から6年4カ月が経過し、住民の帰還が進んだ同地区で16日、室浜町内会(佐々新一会長)による震災後初の住民交流会が開かれた。かさ上げ造成された土地で新たな生活を始めた住民らは、古里の良さを実感しながら、室浜集落の再生に思いを強くした。

 

 交流会は当初、地区内の観世音神社の駐車場で開く予定だったが、雨の予報を考慮して室浜漁港の屋根のある岸壁に場所を移して開催。震災後、住民が譲り受け町内会に託されたこいのぼりで会場を彩り、震災前のにぎわいを再現した。集まった住民25人は酒を酌み交わし、バーベキューを味わいながら楽しい時間を共有した。

 

 震災前、同町内会には69世帯が加入していたが、津波で全戸が流失。住民約20人が犠牲になった。命をつないだ住民らは流失を免れた地元の民宿などに身を寄せ、避難所生活の後、市内各地の仮設住宅に移った。

 

 同地区の復興は防災集団移転促進、漁業集落防災機能強化の2事業が導入され、被災前より6~8メートル高く盛り土造成された宅地が完成。2015年11月から土地の引き渡しが始まった。地区内には市の戸建て復興住宅7戸が整備され、自力再建でこれまでに11戸が完成。現在、42人が暮らしている。

 

新たな姿に生まれ変わった室浜地区

新たな姿に生まれ変わった室浜地区

 

 最も早く自力再建を果たした佐々定三さん(71)は妻と娘の3人暮らし。「当初は街灯もなく夜になると寂しかったが、周りに家が増えてきて安心感がでてきた。少人数の部落なので、みんな仲良くやっていければ」と期待。刺し網漁を続ける現役漁師で、海の仕事ができる喜びもにじませた。

 

 復興住宅に入居してちょうど1年になる山崎邦男さん(78)は「最高だね。海を眺めて暮らせるのがいい。ここで生まれた人間だからね」と地元に戻れたうれしさをかみしめる。震災前まではホタテやカキなどの養殖業に励んだ。「まだ、みんな帰ってきたばかりで落ち着かない。徐々に良いまちになっていくのでは」と地区の未来を思い描いた。

 

 帰還を果たす人がいる一方で、復興事業の遅れや将来の津波への不安、通院や買い物の問題など、さまざまな理由で同地区への帰還を断念した人も多く、現段階の居住戸数は震災前の4分の1程度。子育て世代がおらず、高齢化が顕著となっている。佐々会長(50)は「高齢者も運動がてら出てきて、草刈り作業など町内会活動に無理の無い範囲で参加してもらえれば。顔を合わせることで互いに会話もできる」と、健康で住みよい地域づくりを願った。

 

 今年度中には集会所を併設した新たな消防屯所が地区内に建設される見込みで、防災面の機動力向上も図られる。漁港の周辺は今後、防潮堤建設や道路改良などの復旧工事が進められる予定。

 

(復興釜石新聞 2017年7月19日発行 第606号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

平田災害公営住宅にベンチを贈った伊豆の国市建設業協会「若手の会」会員と住民

世界遺産で釜石と縁、手作りベンチ贈る〜静岡・伊豆の国市建設業協会、県営平田復興住宅へ

平田災害公営住宅にベンチを贈った伊豆の国市建設業協会「若手の会」会員と住民

平田災害公営住宅にベンチを贈った伊豆の国市建設業協会「若手の会」会員と住民

 

 静岡県の伊豆の国市建設業協会(土屋龍太郎会長、40社)の若手事業者らが10日、釜石市の県営平田災害復興公営住宅(126戸)を訪れ、手作りの木製ベンチ1台を寄贈した。一行を迎えた同団地自治会の小林徳夫会長ら住民は、頑丈で立派なベンチに感謝した。

 

 同協会「若手の会」の遠藤浩明代表幹事、事務局の土屋昭さんら10人が訪れ、県建設業協会釜石支部の青木健一理事が同行。沿岸広域振興局土木部復興まちづくり課の及川郷一課長、静岡県からの派遣職員植田勝久総括主査が立ち会った。

 

 集会所で行われた贈呈式で、遠藤代表は「みなさんは大変な思いをされたでしょう。暑い日は、このベンチに座り一息ついてください」とあいさつ。子どもが3人掛けできるサイズに小林会長は「人が集まる機会はまだ少なく、高齢者が多い。ベンチはありがたい」と感謝した。

 

 伊豆の国市の一行は9日から2泊3日の予定で震災の被災3県を視察。この日は世界遺産の橋野鉄鉱山まで足を延ばした。伊豆の国市にも世界遺産「明治日本の産業革命遺産」を構成する資産の一つ「韮山反射炉」があるからだ。釜石産鉄鉱石で生産した「南部産銑鉄」を使った西洋式大砲(18ポンドカノン砲)も鋳造した。それが同反射炉最後の試作品で、幕府に納入された深い縁がある。

 

 同協会は3年前に釜石を訪れ、東海地方でも懸念される大地震と津波、土砂災害などの備えに役立てている。

 

 ベンチの寄贈は伊豆の国市建設業協会の会員事業所が始め、「ベンチがあると人が集まり、コミュニティーづくりの場になる」と評判になり、昨年9月、協会事業に採用した。同市内ではこれまでに店舗や福祉施設に13台を贈った。

 

 土屋さんによると、ベンチは協会への要望を受けて対応。現地に出向いて使用法、サイズ、台数を検討し、製作を引き受ける会員が手を上げるシステム。材料は「廃材」というが、プロの手でデザイン、組み立て、塗装されると、立派なベンチに姿を変える。

 

 一行は釜石市から南下しながら復興状況を視察。11日には宮城県多賀城市の市営復興住宅にもベンチを贈った。

 

(復興釜石新聞 2017年7月15日発行 第605号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

「かまリン」をあしらったポロシャツを着用する発案者の藏本英司さん(後列中)、釜石市職員ら

「かまリン」ポロシャツ販売、釜石の節目記念し作製〜火災の森林再生にも協力呼び掛け、北九州市の派遣職員ら有志

「かまリン」をあしらったポロシャツを着用する発案者の藏本英司さん(後列中)、釜石市職員ら

「かまリン」をあしらったポロシャツを着用する発案者の藏本英司さん(後列中)、釜石市職員ら

 

 今年は釜石市の市制施行80周年、近代製鉄発祥160周年の節目の年。これを記念し、市のマスコットキャラクター「かまリン」をあしらったポロシャツが作製された。鉄というつながりを持つ北九州市からの派遣職員と釜石市職員有志でつくる「かまリンPRポロシャツ制作委員会」が企画。5月に尾崎半島で発生した林野火災復旧へのチャリティー付きで販売を開始し、実行委では「お好みのシャツを着て、釜石、かまリンのPRと山林の再生に協力を」と呼び掛けている。

 

 ポロシャツ作製を発案したのは、北九州市からの派遣職員、藏本英司さん(43)。震災のあった2011年に2回、短期派遣され、避難所の運営などに携わった経験がある。その時に、大変な思いをしているはずの被災者や釜石市職員から掛けられた「来てくれてありがとう」との言葉に感動。「公務員の立場でなく、困っている人のために役立ちたい。つながりを持ち続けたい」と思い、派遣終了後もプライベートで4回、釜石に足を運んでいる。

 

 今年4月から1年間の長期派遣となり、釜石は7回目。水産課に配属され、魚のまちPRに向けた水産振興に取り組む中、「釜石をアピールするグッズがあれば」と考え、北九州市で携わってきたまち、地域づくりの経験を生かし、ポロシャツの作製を企画。賛同した釜石市職員6人で同委員会を立ち上げた。

 

 北九州市でご当地キャラクターグッズを製作、販売している「ネクストマップ」の協力を得て、職員向けに販売したところ、301枚の注文があり大好評。市民向けの販売を決めたところで、尾崎半島での山火事が発生し、チャリティー付きで販売することにした。

 

 ポロシャツは左胸ポケットと背中に、かまリンや「かまいし かまリン」のロゴをプリント。左襟部分には「KAMAISHI」と刺しゅうを入れた。紺、赤、黄など13色で、XSからXXXLの7サイズ。価格2600円(税込み)で、うち100円を山林再生のための寄付金に充てる。

 

 注文受け付けはネクストマップのホームページ(https://nextmap.jp/)で、8月31日までの期間限定。送料が別途かかる。問い合わせは同社(電話093・391・9111)へ。

 

 藏本さんは「山林再生のための苗木1本の費用は200円と聞く。シャツを2枚買えば苗木1本になる」と協力を呼び掛ける。外出時に気軽に来てもらえるよう、シンプルなデザインにしており、「どんどん着て、みんなで釜石を発信しましょう」とも。集まった寄付金は販売終了後、釜石地方森林組合に届けることにしている。

 

(復興釜石新聞 2017年7月15日発行 第605号より)

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

【イベント紹介】あなたの参加が再生につながる尾崎半島トレッキング

あなたの参加が再生につながる尾崎半島トレッキング【イベント紹介】

【イベント紹介】あなたの参加が再生につながる尾崎半島トレッキング

 

2017年5月8日に発生した、釜石市尾崎半島の林野火災。当時の天候が火の勢いを煽り、火災が鎮火に至ったのは、発災から2週間後の5月22日。全国ニュースでくり返し取り上げられるほどの、大規模な火災となりました。

 

尾崎半島で山林火災、強風にあおられ延焼続く〜尾崎白浜・佐須、136世帯に避難指示
「やっとわが家に」尾崎半島山林火災、鎮圧へ〜尾崎白浜・佐須の避難指示解除、尾崎神社「奥宮」は延焼を逃れる

 

その尾崎半島をフィールドに活動している団体「尾崎100年学舎」では、【あなたの参加が再生につながる尾崎半島トレッキング】と題したイベントを開催しています。

 

尾崎100年学舎 Facebookページ
第3弾!あなたの参加が再生につながる尾崎半島トレッキング

 

もともと火災の前から活動の一環として行われていたトレッキング。そのコースが、今回の火災の被害に遭いました。その為、6月4日に初めてメンバーが現地へ。コース上の約4分の3の範囲が被災していましたが、安全に歩ける事が確認できたため、参加費全額を森林復旧費用へ募金する形で6月25日(日)に第1弾としてトレッキングイベントを開催しました。そして、7月16日(日)に第2弾が行われると聞き、縁とらんす取材班も参加してきました。

 

あなたの参加が再生につながる尾崎半島トレッキング 第2弾

 

この日の参加者は14人。市外、県外からの参加者もいらっしゃいました。午前9時に尾崎白浜番屋前に集合。イベントの企画者で案内役の、尾崎100年学舎メンバー 村上浩継(むらかみひろつぐ)さんから企画の趣旨説明の後、参加者の自己紹介タイムがありました。

 

尾崎100年学舎メンバー 村上浩継

 

まず初めに尾崎神社本宮を参拝。(本宮への長い階段が良いウォーミングアップです!)その後、尾崎白浜遊歩道出入り口へ移動し、トレッキングスタートです。

 

尾崎神社本宮を参拝

 

上り始めて約10分、周りの景色が変わり始めます。黒く炭化した杉の木、まだ少し焼けた匂いもしました。良く手入れされ、まっすぐに伸びた立派な木が焼けている様子、山主の方の気持ちを思うと心が痛くなります。

 

黒く炭化した杉の木

 

黒く炭化した杉の木

 

そんな景色の中を進むこと約1時間、青出浜の尾崎神社奥宮に到着。奥宮の裏手が火元の様だという事で、火災当時の対応や被害状況などについて説明を受けました。

 

尾崎神社奥宮付近

 

ここで少し休憩を取り、さらに30分ほど先の尾崎神社奥の院に進みます。この場所も近くまで火が来た場所で、すっかり黒くなっている大木もありました。

 

本来であればここから尾崎灯台を目指すのですが、午後から天候が悪化する予報だった為、今回はここで引き返す事になりました。

 

青出浜に戻ってのお昼休憩の際は、きれいな海とちょうど見頃だった釜石の花「はまゆり」が疲れた体を癒してくれました。

 

青出浜

 

釜石の花「はまゆり」

 

釜石の花「はまゆり」

 

被災木材を使用したオリジナル木製グッズ

 

そして今回は、支援に繋がるオリジナル木製グッズのお披露目もありました。被災木材調査の為にサンプルで伐り出された丸太(杉材)のうち、カットして使わない部分を利用した形が一つ一つ違うキーホルダーで、購入すると植樹など森林再生費用に寄付することに繋がります。ツアーに参加した記念として、また繋がってくれたことへの感謝の形として、手元に置いて頂きたいと願って製作したそうです。

 

被災木材を使用したオリジナル木製グッズ

 

刻まれたメッセージは【NEWLIFE NEWFOREST】
火災の後、時間と共に新しい命を感じている事、新しい森を作っていきたいというメッセージが込められています。購入できるのは、トレッキングツアーに参加した方か、学舎のメンバーと直接やり取りが出来る人のみですが、今後は広く支援に繋がるように販売場所や方法なども考えていくというお話でした。

 

現地の様子が気になっている方。自分の目で見たいという方。このツアーは今後も実施されます!第3弾は、7月23日(日)。そして、8月には少し趣向を変えて開催される予定です。

 

参加の申し込みは、尾崎100年学舎Facebookページ、または村上浩継さんまで。携帯電話 090-7499-0562

 

村上浩継さんからのメッセージ

 

「火災から2ヶ月ちょっとたっていますが、今、現場は落ち着いていて安全に歩ける状態になっています。ニュースを見て心を痛めて、すごく心配されている方がたくさんいらっしゃると思います。そんな想いを寄せて下さる皆さまに、一度現状を見て頂ければと思い企画しました。

 

尾崎半島に何が起こったのか。どんな影響があったのか。どんな対応がなされたのか。把握している範囲でお伝えしたいと思っています。そして、現場を見ていただいて、山火事の怖さを五感で感じていただければと思います。もし興味を持っている方がいたら、これをきっかけに繋がって、仲間になってもらえたら嬉しいです。ぜひ参加して欲しいと思っています。」

 

【尾崎100年学舎について】
「100年先も 人と生業と文化にあふれる 自然豊かな海のふるさとであり続けるために」このビジョンが名前の由来。 2014年9月、尾崎半島を歩きその素晴らしさに心を打たれ、より多くの人にこの場所を訪れてもらおうと、自然歩道の整備やトイレ設備等の修理を志したことがきっかけで活動を始める。
■これまでの活動
 「尾崎半島クルージングツアー」「尾崎半島トレッキング」「佐須研究会」「青出浜クリーンアップ作戦」など。今回のトレッキングコースの環境整備についてもこれから動き出す事が決まっている。
尾崎100年学舎 公式サイト

 

この他、山林の復旧・再生に向けての動きについては、釜石地方森林組合さんのブログをご参照ください。
釜石地方森林組合からのお知らせ

 

縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

第5回開催記念の餅まきは2回に分けて実施。ホタルの里を守り育てる住民らが交流の輪を広げた

ホタルの里を守ろう、中小川地区 環境保全に前向き〜意識醸成へ今年も「まつり」

第5回開催記念の餅まきは2回に分けて実施。ホタルの里を守り育てる住民らが交流の輪を広げた

第5回開催記念の餅まきは2回に分けて実施。ホタルの里を守り育てる住民らが交流の輪を広げた

 

 釜石市内でも有数のゲンジボタルの生息地として知られる小川川流域。ホタルが住める豊かな自然環境を内外に発信し保全意識を共有しようと「ほたるの里まつり」が8日、中小川地区で開かれた。5回目の今年は、恒例の”ほたる娘コンテスト”や歌と踊りのステージに加え、記念の餅まきが行われ、約100人が楽しんだ。

 

 流域の4町内会などで組織する小佐野地域会議同まつり実行委が主催。岩切潤議長が「釜石にもホタルが住める場所があることを次世代の子どもたちに伝えていけるよう、この環境を残していきたい」とあいさつし、餅まきで幕を開けた。

 

 ほたる娘コンテストには、小佐野小5年の川端心さん、濱美由妃さん、河村唯さんが応募。審査員からさまざまな質問を受けた。「ホタルについて知っていることは」との問いに、3人は「ゲンジボタルとヘイケボタルがいる」「卵の時からすでに光っている」「きれいな川に住んでいる」と豆知識を披露し、ほたる娘の資質をのぞかせた。

 

 初めて応募した河村さんは「まだ生でホタルを見たことがないので、今年は見てみたい。地元のホタルを守るため、川のごみを拾うなどできることをしたい」と話した。審査の結果、3人ともほたる娘に認定され、賞状やホタル観察のための捕獲許可証が贈られた。

 

 地元で介護予防活動などに取り組む中小川菜の花会は、2009年から歌い継ぐ「蛍の里」(釜石オリジナル歌謡同好会作詞作曲)を合唱。小川川沿いに自宅がある三浦啓子会長は「ホタルの発光が見えると『今年も飛んだ』とうれしくなる。ピークの09年ごろに比べ数は減っているようだが、先月30日には、ここ数年ではまれに見る光景が広がった。ぜひ多くの方に見てもらいたい」と地元の宝をアピールした。

 

 釜石の歌手、尾崎都さんが佐々木社中と華やかな歌と踊りのステージを繰り広げ、小川鹿踊り保存会が伝統の舞で観客を魅了した。

 

 同まつりは昨年まで中小川集会所前にあった仮設団地の駐車場で行われてきたが、今年5月末で団地が閉鎖され解体工事中のため、地区内の住宅型有料老人ホーム、カサ・デ・ファミリア駐車場に会場を移して行われた。

 

 「祭りは高齢者の閉じこもり予防にもつながる。今後もこういう場を提供できれば」と中小川町内会の佐々木正雪会長。小川川の現状について「ゲンジボタルの幼虫の餌となるカワニナ(巻き貝)が少ないようだ。市などに協力を求め、えさの放流もしていきたい」と生息環境改善に意欲を見せた。

 

 小川川のホタルは旧小川小から下流の小川集会所付近にかけて見られるという。発光の見ごろは間もなく終盤。早めの観察がお勧めだ。

 

(復興釜石新聞 2017年7月12日発行 第604号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

広報かまいし2017年7月15日号(No.1668)

広報かまいし2017年7月15日号(No.1668)

 広報かまいし2017年7月15日号(No.1668)

 

 広報かまいし2017年7月15日号(No.1668)

広報かまいし2017年7月15日号(No.1668)

ファイル形式: PDFファイル
データ容量: 3,965 KB
ダウンロード


 

【目次】
紙:キャンドルナイトinこすもす公園
P02:釜石ローカルベンチャーコミュニティの参加者着任
P03:市職員募集など
P04:国保高齢受給者証の発送など
P05:赤ちゃんの駅がスタート
P06:道路交通規制、トライアスロン開催
P07:ラグビッグドリーム、RWC2019™ミニ通信など
P08:まちの話題
P10:保健案内板
P12:市民の広場
P13:まちのお知らせ
P16:かまいし徒然日記

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1211195_2596.html
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。

ラグビーW杯、絵でエール〜石丸さん(新日鉄釜石OB)岩銀釜石に展示

ラグビーW杯を盛り上げようと、「ラグビー応援画」を描いた石丸昌宏さん

ラグビーW杯を盛り上げようと、「ラグビー応援画」を描いた石丸昌宏さん。絵画展は今月末まで開かれている

 

 新日鉄釜石ラグビー部OBで、趣味で風景画を描き続けてきた石丸昌宏さん(61)が、2年後に釜石市で行われるラグビーワールドカップ(W杯)を応援する絵画展を鈴子町の岩手銀行釜石支店(千葉健司支店長)ロビーで開いている。

 

 いずれもアクリル画で、F2~F10号までの15点。JR釜石線沿線などを描いた風景画を中心に、3点を「ラグビー応援画」とした。

 

 V7時代の名キッカー金野年明選手がゴールを狙ってキックする場面を、洞口孝治選手など故人となったOB6人が天から見守る形をイメージ。鵜住居の復興スタジアムで日本代表やオールブラックス(ニュージーランド代表)が戦う姿も想像。「鉄のスクラム」と呼ばれた釜石V7時代のFWの雄姿も重ねた。

 

 30年余りもキャンバスに向かい続けてきたが、人物を描くのは今回が初めて。「W杯で世界中から多くのラグビーファンや名選手が釜石にやって来る。2年後に向け、何とか盛り上げたい」との思いを込め、絵筆を動かした。「タックルのシーンを抽象的にアレンジした、もっと大きな作品を」と早くも次回の作品展に向け構想を練る。

 

 新日鉄釜石ラグビー部OBとは言え、籍を置いたのは入部した1974年の1年間だけ。「同期入社の森重隆さん(後に同部監督を務め、日本代表としても活躍)と寮が同じで誘われ、イヤイヤ入部。高校(大船渡工)からラグビーを始め、足は速かったが、ともかく下手だった」と苦笑いしながら当時を振り返る。

 

 「現役時代は全然だめだったので、こういう形で貢献できれば」。とは言いながら、1年で退部した後は地元釜石クラブのバックスとして活躍し、県大会で見事9連覇。60歳を過ぎた今も不惑クラブでプレーを続け、「去年もトライを挙げた」と自慢する。

 

 ラグビー仲間が自宅を新築する際には、祝いに自作の絵を贈るなど、楕円(だえん)のボールで培った絆は深い。

 

 大船渡市三陸町の実家が東日本大震災の津波で流され、4年前に遠野市上郷町に両親と隣同士で自宅を新築した。

 

(復興釜石新聞 2017年7月8日発行 第603号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

おまつり男塾

【イベント紹介】おまつり男塾の釜石よいさ練習会に伺いました

かまいし情報ポータルサイト~縁とらんすの独自取材で、釜石市内で開催されるイベントのご案内や、耳寄り情報をお届けします。※毎月2~3本の記事を紹介予定/不定期

 

釜石の夏の風物詩 “釜石よいさ”まで1か月を切り、そろそろ街のあちらこちらから お囃子の音色が聞こえ始める頃になってきましたね。

 

毎年の参加が楽しみ!という方も多いと思いますが、「今年こそは参加したい」、また「参加したいけど、どうすれば・・・」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

今回は、そんな“あなた”にぴったり、“よいさ踊り練習会”を催している団体をご紹介します。

 

その名も “おまつり男塾”。

 

先日、今年1回目の練習会にお邪魔して、代表の東洋平さんにお話を伺って来ました。

 
 

まず、おまつり男塾について教えてください。

 

東さん「釜石○○会議から生まれた団体です。提案者は私で、以前就いていた仕事の関係で岩手県内各地に赴いた時に、「祭りの担い手が減っている」という声を聞いたことがきっかけです。

 

最初は、例えば「釜石の夏祭りに他地域から参加、秋にはその地域に釜石から参加して」という様な地域を越えて助け合い、人手不足を解消していければと考えていたのですが、なかなか調整が難しくて。それで、地域のお祭りに外部から人を集めて参加して、地元の祭りを盛り上げる、また、“参加したいけどどうすればいいのかわからない”、という外部の人の受け皿として活動しています。」

 

よいさ練習会を始めたきっかけは?

 

東さん「自分たちも含めて、参加したいけど踊り方がわからない、という人が多くて、それで3年前から始めました。
1年目は、よいさ小町の方を講師にお迎えして教えて頂き、2年目からはメンバーがお手本になっています。」

 

参加した方々からはこれまでどんな反響がありましたか?

 

東さん「まず、練習会は色々な個性を持つ人が集まるので見ていて楽しいです。すぐ覚える人、何回やっても同じ所で間違える人など様々です。それでも、「ちゃんと踊れる様になった」という声を聞くと嬉しいです。
また、震災前に職場で参加していたが震災後は出来なくなった、という方が個人で参加してくれた事もありました。」

 

最後にメッセージをお願いします。

 

東さん「まだ参加したことが無い方も、踊る事でこの祭りに愛着を持ってもらえると思います。“男塾”というネーミングで女性は参加できないと勘違いされる方も多いようなのですが、女性も大丈夫です。実際、メンバーに女性もいますし、性別年齢は問いません(笑)。ゆる~くやっていますので、お気軽にお越しください。練習会に来られなかった方も、当日の飛び入り参加お待ちしています。
また、よいさの他にも、釜石祭り、鵜住居町や大槌町での神輿担ぎでの参加も予定しています。その都度募集のお知らせをしていますので、ぜひFacebookページをご覧ください。」

 

おまつり男塾

右から2番目(写真奥)が代表の東洋平さん。この日の踊りの先生でした。

 

おまつり男塾による“よいさ練習会”はこの後、2回予定されています。
私も今回参加して来ましたが、東さんのわかりやすい教え方で覚えることが出来ました。
この覚え易さには、実は、東先生の指導方法に秘密が・・・・。
それはぜひ参加してあなたの目で確かめて、実際に体感してくださいね。

 

おまつり男塾

練習終盤の輪踊り。踊るうちに初めて会った人との輪も繋がっていく・・・・。

 
【おまつり男塾 よいさ練習会】

日程

<第2回> 7月13日(木)、<第3回> 7月20日(木) 

時間

18:30~20:00

場所

青葉ビル 活動室2 (釜石市大町3-8-3) 

 

練習会にはどなたでも参加できます。
おまつり男塾として当日の釜石よいさにも参加したい方、別の団体から参加予定だけど練習の機会がない方、本番はどうなるかわからないけどとりあえずよいさを踊りたい方、などなど皆様お気軽にご参加ください。

 

詳しい内容や練習の様子などはこちらからどうぞ。
おまつり男塾 Fecebookページ

 

そして、第29回 釜石よいさは8月5日(土)開催。
もちろん「おまつり男塾」も参加します!
釜石よいさの詳しい情報はこちらから
釜石よいさ公式サイト
釜石よいさ実行委員会 Facebookページ

縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

10月末の竣工に向け建設が進む市民ホール

市民ホール開館へ着々準備〜8月に市民向け利用説明会、10月末に竣工予定

 10月末の竣工に向け建設が進む市民ホール

10月末の竣工に向け建設が進む市民ホール

 

 第5回釜石市民ホール計画検討委員会(岩切潤委員長、委員7人)は6月27日、釜石市教育センターで開かれた=写真。同ホールは10月末に竣工(しゅんこう)予定。12月に開館(プレオープン)し、来年4月にグランドオープンする計画となっている。会議では、市民向けの利用説明会を8月に開催、9月からの利用申し込み受け付け開始を目標に、開館に向けた準備を進めていくことなどを確認した。

 

 同委事務局の市生涯学習文化スポーツ課が同ホール指定管理者の釜石まちづくり株式会社について紹介。利用料金、利用申し込み手続き、運営支援委員会(仮称)設置に関する概要などを説明し、委員の意見を求めた。内容は概ね了承された。

 

 市は管理運営計画を策定し、7月中の指定管理者との基本協定締結を目指す。同ホールの管理運営、事業企画などに市民の意見を反映させるための運営支援委員会(仮称)は8月の設置を目指し、委員の選任方法を検討する。

 

釜石市民ホール計画検討委員会

 

 8月をめどに広報かまいしで料金や申し込み方法について市民に告知。利用説明会を複数回開き、指定管理者の準備が整い次第、9月または10月から申し込みの受け付けを開始する予定。ただし来年3月までは、ホール運営スタッフのトレーニング、施設・設備のスムーズな稼働のためのチェック期間に位置付け、ホール(大・小)とギャラリー(展示スペース)は市の行事など公共利用に限る。和室、会議室、スタジオなどは12月の開館から一般利用を開始したい考え。

 

 6月30日まで募集した同ホールの愛称公募には、市内外から500点以上が寄せられた。愛称は7月中に決定し、愛称に係るロゴデザインを作成する。岩手大の指導で市内の高校生17人がデザイン制作のワークショップを重ね、9月にはロゴデザインを完成させる予定。10月22日に三陸鉄道南リアス線の臨時列車で、愛称とロゴデザインの発表イベントを行う。

 

 大ホールで利用するグランドピアノは、釜石ゆかりの音楽家などに選定に加わってもらい、11月の納品を予定する。

 

 開館行事として12月8日に開館記念式典、10日にこけら落とし公演となる「第40回かまいしの第九」演奏会が開かれる。プレオープン期間のホールでの主な行事は、1月の消防出初め式、成人のつどい、2月の市制施行80周年記念式典、近代製鉄発祥160周年記念フォーラム、郷土芸能祭、3月の東日本大震災追悼式など。

 

(復興釜石新聞 2017年7月8日発行 第603号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

「赤ちゃんの駅」に認定されたホテルフォルクローロ三陸釜石の齊藤支配人(右)、シンボルマークの受賞者ら

「赤ちゃんの駅」第1号〜子育てサポートさまざま気配り、ホテルフォルクローロ三陸釜石を認定

「赤ちゃんの駅」に認定されたホテルフォルクローロ三陸釜石の齊藤支配人(右)、シンボルマークの受賞者ら

「赤ちゃんの駅」に認定されたホテルフォルクローロ三陸釜石の齊藤支配人(右)、シンボルマークの受賞者ら

 

 釜石市は6月30日、子育てサポート拠点「赤ちゃんの駅」の第1号として、鈴子町のホテルフォルクローロ三陸釜石を認定した。同ホテルで認定書交付式が行われ、野田武則市長が齊藤敬次支配人に認定書と、目印として掲げるシンボルマークを交付。併せて公募したシンボルマークの優秀作品者の表彰式も行った。

 

 赤ちゃんの駅は、乳幼児を連れた母親らが気軽に外出できるよう、授乳やおむつ替えの場所、ミルク用のお湯を提供し、育児を応援するまちなか拠点。地域ぐるみの子育てを促そうと、市が認定を進めている。

 

 認定を受けるには、おむつ交換や授乳ができ、ミルクを作るための湯の提供が可能―などの条件がある。認定施設は市の広報誌やホームページで紹介する。一部や全てのサービスを提供する施設管理者からの申請により、同日付で市内4カ所の子育て支援センターなど一部の公共施設や化粧品店など民間の企業・店舗など計12カ所を認定。今後も協力施設を増やしていく予定だ。

 

ホテル内の静かな一角に整備されている授乳室

ホテル内の静かな一角に整備されている授乳室

 

 同ホテルでは開業時から1階に授乳室を整備し、レストラン利用者らが活用していたという。ミルク用のお湯はフロントに依頼すると用意してもらえる。今回の申請にあたり、「においを気にされる人もいる」との女性従業員の意見を取り入れ、授乳室に消臭スプレーを設置。齊藤支配人は「お客さまに利用していただきやすい施設づくりを考える、見返す機会にもなった。釜石市民はもちろん、市外から訪れた方にも安心して、気軽に利用してもらいたい。住みよいまち、滞在しやすいまちづくりに協力できれば」と話した。

 

 シンボルマークは、10代から60代の7人から10点の応募があった。選考の結果、千鳥町の八幡真美さん(26)の作品が最優秀賞に選ばれ、マークとして採用。八幡さんは「駅ということで、釜石にちなみSLを盛り込んだ。ポップでやわらかい感じのイラストにしたので、お子さんや保護者の方に親しみを持ってもらえれば」とデザインの意図を話し、子育て応援の取り組みに協力できたことを喜んだ。

 

 優秀賞には、佐藤裕子さん、黍原里枝さんの作品が選ばれた。

 

(復興釜石新聞 2017年7月5日発行 第602号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

全国の支援者の善意が詰まった野菜を仕分ける会員ら

“トラック野郎” 被災地へ意気なエール〜炊き出し、歌謡ショーで住民と交流

震災から7年目。互いの絆を結び、復興への思いを新たにする全国哥麿会会員と平田第6仮設団地の住民

震災から7年目。互いの絆を結び、復興への思いを新たにする全国哥麿会会員と平田第6仮設団地の住民

 

 ”デコトラ”愛好者で組織する一般社団法人全国哥麿(うたまろ)会(田島順市会長、43支部、500人)の会員が25日、釜石市の平田第6仮設団地を訪れ、炊き出しや歌謡ショーで住民と交流した。米や野菜、日用品も届けられ、住民は大喜び。震災から6年が経過し被災地への関心が薄れていく中、いまだ仮設住宅での生活を余儀なくされている被災者に心を寄せる会員らに団地住民は深く感謝した。

 

平田の仮設団地で支援継続誓う

 

 東北の支部会員を中心に約40人が来釜。団地の屋外スペースに会場設営し、豚汁と焼きそば、冷たい飲み物を振る舞った。トラックの荷台をステージにした歌謡ショーでは、会の活動に賛同する歌手、西夕子さんが懐メロなどを聞かせ、親しみのあるトークで観客を笑いに包んだ。ジャンケンで勝ち残った人に自転車をプレゼントする企画も。会員は住民を楽しませようと奮闘し、会場にたくさんの笑顔を広げた。

 

全国の支援者の善意が詰まった野菜を仕分ける会員ら

全国の支援者の善意が詰まった野菜を仕分ける会員ら

 

 同会は35年前から、自然災害に見舞われた地域に出向き、炊き出しなどで元気づける活動を展開。東日本大震災の被災地訪問は6年間継続し、各地の避難所、仮設住宅を訪れた数は50回にも及ぶ。平田第6仮設には2年ぶり2回目の訪問となった。

 

 会は年に3回、チャリティーイベントも開く。400~500台のデコトラが全国から集結し、愛好者とファンで多い時には1万人もの人が集まるイベントでは、被災者のためにと支援物資や支援金が寄せられるという。これら(支援金は会が物資に替えて)を仮設住宅訪問時に持参。今回は5月に静岡県で開いたイベントで託された物資を届けた。

 

 同団地に暮らす男性(74)は「忘れないで来てくれてうれしい。店が遠いので米や野菜をいただけるのもありがたい」と顔をほころばせた。森谷勲自治会長によると、最大で240世帯が入居した同団地は現在、120世帯ほどに半減。うち30世帯は行政やNPOの支援職員で、実質の被災者は100世帯を下回ると見られる。

 

 「仮設住宅で住民が少なくなってくると、取り残された感じがして精神的に厳しさを増す。仮設がある限りは、この活動を続けていく」と田島会長(69)。岩手・宮城内陸地震を経験している岩渕克志岩手支部長(50)=一関市=は、自身の被災と重ね沿岸住民の気持ちを推し量る。「今、仮設にいる人は高齢者が多い。少しでも生活が楽になるよう手助けできれば。イベントに出向いた一般の方の好意もしっかり届けたい」と気を引き締めた。

 

(復興釜石新聞 2017年6月28日発行 第600号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

釜石と東京の絆を結ぶ花苗を植えた鈴子町内会会員と県職員ら

岩手×東京「花の交流」今年も〜道に咲く、ありがとう

釜石と東京の絆を結ぶ花苗を植えた鈴子町内会会員と県職員ら

釜石と東京の絆を結ぶ花苗を植えた鈴子町内会会員と県職員ら

 

 東日本大震災の被災地と東京都を花苗の育成、植栽活動でつなぐ「岩手×東京 花のみちプロジェクト」が今年で4年目を迎える。18日、プロジェクトに協力する釜石市の鈴子町内会(澤田政男会長、54会員)が、釜石駅周辺の花壇に花苗を植えた。釜石で育てた花を東京に送るためのポットへの植え付けも行われ、両都県の花による交流が今年もスタートした。

 

 花のみちプロジェクトは、「被災地を花のあるまちに」と願う東京都と公益財団法人東京都道路整備保全公社が被災3県と連携し、震災後に始めた活動。本県では2014年から釜石市で始動し、昨年から大船渡市でも実施されている。東京から培養土や肥料などの提供を受け、県が花苗を用意。市内の町内会の協力を得て、道路沿いを花で彩る活動を続けている。

 

 今年は鈴子、大渡の両町内会が合わせて12種類、3300株を植える計画で、3週連続で日曜日に作業を実施。初日は鈴子町内会会員と県職員17人が、ローソン釜石駅前店前と大渡橋手前の交差点付近に8種類を植えた。ローソン前の花壇では、2年後に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)を盛り上げようと、「RWC2019」の文字とW杯のロゴマークが浮き出るようにマリーゴールド、ペチュニア、ニチニチソウの苗を配置した。町内会は今後、水やりや雑草取りも行う。

 

 鈴子町の高橋光子さん(69)は「手入れをしていると、道行く市民から『ありがとう』、『いつも楽しませてもらっている』と声を掛けられ、こちらもうれしくなる」と作業の励みになっている様子。

 

 同プロジェクトでは、被災地で育てた花を東京都庁前に定植したり、8月に新宿駅西口広場で開く都のイベントで展示したりし、被災地から復興支援への感謝の気持ちを発信する。都民に東北への関心を持ち続けてもらう機会にもしている。今年は釜石から350株を東京に送る予定で、鈴子で150株、大渡で200株を受け持ち、8月上旬まで各家庭などで育成することにしている。

 

 県沿岸広域振興局土木部の横澤和志主任は「昨年のイベントには約2万人が来場(主催者発表)。東北へ応援メッセージをくれたり、植栽に協力してくれる人も多かった。都は20年の東京五輪を”復興五輪”と位置付ける。両地域の絆を育む一環として、この活動が継続されれば」と話した。

 

 25日には大渡橋に飾るハンギングバスケット55個を両町内会合同で製作する予定。来月2日に大渡町内会が橋の欄干にバスケットを設置するほか、イオンタウン釜石入り口交差点までの県道沿いに花を植える。

 

(復興釜石新聞 2017年6月24日発行 第599号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3