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県政懇談会に出席した達増知事(中央)、釜石・大槌地域で活動する若者、女性ら

達増知事と県政懇談、釜石・大槌の6人〜地域の未来を語り合う

県政懇談会に出席した達増知事(中央)、釜石・大槌地域で活動する若者、女性ら

県政懇談会に出席した達増知事(中央)、釜石・大槌地域で活動する若者、女性ら

 

 「ともにある三陸~より豊かで希望あふれる三陸の創造」をテーマに、達増拓也知事が地域で活動する市民の声を聞く県政懇談会「がんばろう岩手!」は16日、釜石市鵜住居町の鵜住居公民館で開かれた。震災からの復興を目指し、釜石市や大槌町で地域づくりに取り組む6人が活動内容を紹介し、知事と意見を交わした。

 

 出席したのは、釜石で活動する奥村康太郎さん(浜千鳥醸造部長)、藤井サヱ子さん(創作農家こすもす代表、甲子地区活性化協議会長)、佐々木拓磨さん(釜石シーウェイブス選手、小佐野小教諭)、山崎鮎子さん(ブルーア・シエーロオーナー兼店長)のほか、芳賀光さん(つつみ石材店代表取締役、はまぎく若だんな会代表)、兼澤悟さん(フラワードレス代表)。

 

 冒頭、達増知事は「津波被害が大きいゆえ、復興に時間がかかっている地域だが、復興を成し遂げた暁には地域をリードする場になっていかなければ。声を聞き、県政で役立てたい」とあいさつ。6人が取り組みの課題や地域の未来について語った。

 

 酒づくりに携わりたいと埼玉からやって来た奥村さんは岩手の印象について、「何もないのが魅力。都会のような便利さはないが、人の力の大きさを感じるところ。不便だけど自然豊かで、心のゆとりがある。そんな人の魅力を発信していきたい」と話した。山崎さんはカフェ開店までの経緯を説明し、つながりの大切さを強調。「一人ではできないことも、人や企業、団体が連携することで成し遂げられることが多い。人の力は地域を支える財産。つながりを持てる空間、情報発信できる場を目指していきたい」と展望を語った。

 

 佐々木さんはラグビーを通し子どもたちの地域を誇りに思える気持ちを育てるための学校での取り組みを説明。藤井さんは、地域外から来る若者の中に「この地で頑張りたい」と思う人がいることを紹介し、夢や希望を持つ若者が定住できる環境づくりを要望した。

 

 高速道路網の整備、2019年ラグビーワールドカップ釜石開催による人の流れの変化をチャンスととらえ、地域間連携、広域で考える地域づくりの必要性を指摘する声もあった。

 

(復興釜石新聞 2017年6月21日発行 第598号より)

 

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三陸駒舎の黍原豊さん(右)に教わりながら馬との触れ合いを楽しむ親子ら

親子の交流、馬がアシスト〜こどもの相談室、初の野外イベント

三陸駒舎の黍原豊さん(右)に教わりながら馬との触れ合いを楽しむ親子ら

三陸駒舎の黍原豊さん(右)に教わりながら馬との触れ合いを楽しむ親子ら

 

 釜石市大町の青葉通りこどもの相談室(青葉ビル1階)は10日、馬との出会い・コミュニケーションをテーマとした親子交流会を橋野町の一般社団法人三陸駒舎(寄田勝彦代表理事)で開いた。市内の小学生以下の子どもと保護者22人が参加し、馬との触れ合いを通して心豊かな時間を共有した。

 

 同相談室は震災後の心のケアを目的に、市が昨年11月に開設。事業を委託されたNPO法人日本リザルツ(東京都千代田区)が相談業務のほか、研修、交流会などを行い、子どもの健やかな成長を後押ししている。この日は本年度の親子交流会第1弾。ホースセラピーの体験プログラムを提供する三陸駒舎の協力で、心身を癒やし、思いやりの気持ちを育む時間が設けられた。

 

 改修した築90年の古民家に家族3人で住み、道産子馬2頭の世話をする同駒舎理事の黍原豊さん(40)が、馬の体の特徴や生態をレクチャー。馬と仲良くなってもらおうと餌やり、ブラッシング、引き馬・乗馬の仕方を教えた。「馬毛のブラッシングは人の血圧を安定させる効果も。馬とのコミュニケーションは人との付き合いにもつながる」と黍原さん。子どもたちは代わる代わる雌馬アサツキ(7歳)と親しみ、乗馬では満面の笑顔を輝かせた。

 

 両親、妹と参加した甲子町の水野朱莉(あかり)ちゃん(6)は「お馬さんは温かかった。また乗ってみたい」と大喜び。母智美さん(37)は「馬と身近で触れ合えるのは貴重。お馬さんにちゃんと『ありがとう』って言えたかな。子どもたちにはいろいろな経験をしていってほしい」と愛娘を見守った。

 

 同相談室の相談員を務める鈴木裕子さん(日本リザルツ)は今回の交流会について、「初めての野外イベント。親子が馬を介し、普段しない会話ができたり、注意や禁止が多くなりがちな子育ての中で上手に褒める、成長を見てあげられるきっかけになれば」と期待した。会では古民家で昼食後、クラフトワークとして写真立て作りも行われた。

 

 親子交流会は本年度中にあと2回実施予定で、秋のそば打ちなどを検討している。

 

(復興釜石新聞 2017年6月17日発行 第597号より)

 

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ふるさと釜石を思いながら、「釜石小唄」に合わせて踊る釜石はまゆり会の集い参加者

ふるさと復興へ熱いエール、釜石はまゆり会32回目の集い〜支援継続誓い合う、160人参加

ふるさと釜石を思いながら、「釜石小唄」に合わせて踊る釜石はまゆり会の集い参加者

ふるさと釜石を思いながら、「釜石小唄」に合わせて踊る釜石はまゆり会の集い参加者

 

 首都圏在住の釜石市出身者やゆかりの人々でつくる釜石はまゆり会(石森寛会長)の32回目の集いが3日、東京都荒川区日暮里のホテルラングウッドで開かれた。釜石から駆け付けた野田武則市長らを含め、前回を上回る約160人が参加。6年前の東日本大震災に加え、昨年夏の台風10号災害、さらに今年5月の尾崎半島山火事と”ご難続き”の古里へ「負けずに前を向こう」と熱いエールを送った。

 

 就任から3年目になる石森会長(61)=町田市=は「こんなに大勢集まっていただき、ありがたい。台風、山火事もあったが、2年後にはラグビーワールドカップ(W杯)もある。前向きに頑張ろう」と呼び掛けた。

 

 総会の部では、震災後から取り組む募金活動で、首都圏以外の個人や団体を含め4260万円余りの支援金が寄せられたことも報告。この1年間に寄せられた支援金の中から100万円が石森会長から野田市長に託された。

 

 支援金100万円を野田市長に託す石森会長(右)

支援金100万円を野田市長に託す石森会長(右)

 

 野田市長は「震災被災者の住まいの再建は本年度がヤマ場」と近況を報告。「今年は近代製鉄発祥160周年、市制80周年の大きな節目。これからも釜石を励まし、応援し続けてほしい」と呼び掛けた。

 

 現在も職員3人を釜石に派遣している荒川区の西川太一郎区長も駆け付け、「今後も支援を続けたい」とエールを送った。

 

 釜石出身の映画監督・佐藤雅道さん(67)は制作を進める映画「奇跡の釜石」について報告。釜石出身の民謡歌手で、昨年の郷土民謡全国大会でグランプリに輝いた佐野よりこさん(46)は「釜石小唄」などを自慢ののどで披露した。

 

 会場には、ラグビーW杯に向けて建設が進む「釜石鵜住居復興スタジアム」をパネルで紹介するコーナーも設けられた。

 

釜石の特産品もたくさん並び、競って買い求める

釜石の特産品もたくさん並び、競って買い求める

 

 千葉県市川市に住む宮本信子さん(64)=旧姓結城=は、新日鉄釜石ラグビー部のマネジャーなどを務めた夫政志さん(64)とともにラグビーW杯を心待ちにする。「チケット買えるかなって、夫婦で気をもんでます」と笑った。

 

 釜石市東前町出身で神奈川県横須賀市に住む佐々木幸子さん(76)=旧姓岩間=の夫實さん(82)は尾崎白浜出身。幸子さんは「古里の兄弟たちと仲がいいので、(山火事を)とても心配しました。住宅へ延焼しなくて本当に良かった」と胸をなで下ろしていた。

 

(復興釜石新聞 2017年6月10日発行 第595号より)

 

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広報かまいし2017年6月15日号(No.1666)

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広報かまいし2017年6月15日号(No.1666)

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【目次】
表紙:リッチー・マコウ チャリティーフォーオール
P02:釜石市観光振興ビジョンへの意見を募集します
P04:洪水・土砂災害から身を守るために
P06:釜石市公共施設等総合管理計画を策定しました
P07:復興住宅・市営住宅入居者募集
P08:バスロケーションサービスについてなど
P10:まちの話題
P12:保健案内板
P14:まちのお知らせ
P16:釜石地区山火事警戒宣言を発令、RWC2019™ミニ通信

この記事に関するお問い合わせ
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〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
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釜石市

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バスロケーションサービス「バス予報」の実証実験を行います

バスロケーションサービス「バス予報」の実証実験を行います

バスロケーションサービス「バス予報」の実証実験を行います

 

市は、岩手県交通(株)とアーティサン(株)の三者共同でバスロケーションサービス「バス予報」の実証実験を市内バス路線で行います。

 

「バス予報」とはスマホから近くのバス停や使いたいバス停にあと何分でバスが来るのか確認したり、バス停の位置や時刻表の表示もできるWebサイトです。

 

対象路線

・市内コミュニティバス運行路線
・大槌町方面広域バス運行路線

対象区間

「釜石市役所前」~「上大畑」間

期間

6月15日(木)~9月15日(金)まで

 

「バス予報」操作説明など詳細はこちら

「バス予報」操作説明など詳細はこちら

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問い合わせ先

・全体に関すること: 生活安全課 電話27-8451
・Webサイト「バス予報」に関すること: アーティサン(株) 電話042-444-4815
・バスの運行に関すること: 岩手県交通(株)釜石営業所 電話25-2527

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地域の郷土芸能団体が祝いの演舞を披露し、集いの場の完成を祝った

鵜住居公民館、復旧喜ぶ〜地域住民の集いの場、復興住宅に併設整備

地域の郷土芸能団体が祝いの演舞を披露し、集いの場の完成を祝った

地域の郷土芸能団体が祝いの演舞を披露し、集いの場の完成を祝った

 

 今年1月に開所した鵜住居公民館の復旧を祝う会が4日、釜石市鵜住居町の同館で開かれた。住民らは集いの場の完成を喜び、新しい地域づくりに向けた市民活動充実へ思いを新たにした。

 

 同館は市の出先機関、鵜住居地区生活応援センターを併設する。この2つは震災前、鵜住居地区防災センターに併設されていたが、震災の津波にのまれ、完成から1年余りで流失した。震災後は仮設の施設で出先機関としての業務を行ったが、公民館活動は場所が無く、大幅に縮小した。

 

 新施設は町内中心部の復興公営住宅の建設と合わせて整備。鉄骨造り平屋、延べ床面積は約500平方メートル。多目的室や和室2部屋、調理室などがある。

 

 祝う会は、鵜住居地域会議、同館運営審議会、鵜住居地区復興まちづくり協議会で組織した開催実行委員会が主催。復興途上で、まちびらきにはまだ時間がかかるが、同館や高台への学校の完成を機に、地域の代表者が集い親睦を深め、新しい地域づくりへの機運を高めようと開催した。

 

 地域住民ら約60人が参加。実行委員長の花輪孝吉さん(鵜住居地域会議議長)が「やっと念願の施設が完成。箱崎半島部の公共交通、買い物できる場がないなど悩みはあるが、ここでラグビーワールドカップが開催されることは未来につながるものと期待感もある。この会を連携を深める機会に」とあいさつした。

 

 祝辞に立った野田武則市長は「地域住民が集う核施設が公民館。文化、教養、健康づくりに取り組んでほしい」と期待。同協議会の藤原博会長は「みんなで利用し明るい場所に。住民活動が活発化してほしい」と願った。

 

 乾杯の後、食事を味わいながら歓談。お祝いに駆け付けた田郷鹿子踊、新神町内会大黒舞、日向振興会長月会の手踊り、鵜住居青年会の虎舞を楽しんだ。

 

 同館によると、2010年度の登録自主サークルは18団体あったが、震災後は活動の休止が目立った。場所を変えながら継続した団体もあり、この6年余りで徐々に活動団体は増加。今年4月現在の登録サークルは10団体となっている。鈴木伸二館長は「新たなコミュニティーづくりや、さまざまな生活課題への対応が必要。地域の皆さんと連携し、できる限り、お役に立ちたい」としている。

 

(復興釜石新聞 2017年6月7日発行 第594号より)

 

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鉄友会創立50周年を祝い、佐々木会長(中)らが鏡開き

釜石鉄友会創立50周年祝う〜「友愛と信義」旗印に半世紀、地域貢献へ決意新たに

鉄友会創立50周年を祝い、佐々木会長(中)らが鏡開き

鉄友会創立50周年を祝い、佐々木会長(中)らが鏡開き

 

 新日鉄住金釜石製鉄所のOBで組織する釜石鉄友会(佐々木伸一会長、会員947人)は今年で創立50周年を迎え、50回目の定例総会を兼ねた記念祝賀会を1日、釜石市平田のホテルシーガリアマリンで開いた。「友愛と信義」を旗印に、会員の健康増進と相互交流を継続して半世紀。祝賀会には会員ら約130人が集い、「地域に貢献する鉄友会であり続けたい」との思いを新たにした。

 

 同会は1967(昭和42)年12月、釜石製鉄所の退職者39人で結成。当初は事務局を労働組合に置いた。74年には退職者すべてを会員の対象とするなど会社と組合の連携を深め、事務所も製鉄所構内に置いている。会員数は96年度の2360人をピークに減少を続け、本年度は950人を割り込むが、北海道から大阪まで県外在住者も約60人を数える。

 

 祝賀会で、就任2年目の佐々木会長は「スポーツや文化活動で今なお現役で頑張っている会員も多い。地域に根差し、貢献する会であり続けたい」とあいさつ。来賓の野田武則市長は「釜石製鉄所の協力があって、震災からの復興の形が見えてきた。鉄友会には町内会や地域会議などの役員として釜石を支えている会員も多い。今後も釜石の発展のために支援を」と期待した。

 

会員ら約130人が集い、さらなる地域貢献を誓う

会員ら約130人が集い、さらなる地域貢献を誓う

 

 今年4月に就任したばかりの米田寛・釜石製鉄所長は「鉄友会には釜石の鉄の歴史を次世代につなぐ役割を担ってもらいたい」とエールを送った上で、「当所としても従業員一人一人が新たな歴史を刻む当事者になれるよう日々努力していきたい」と決意を述べた。この後、佐々木会長らが鏡開きを行い、創立50周年の大きな節目を祝った。

 

 祝賀会を前に開いた総会では、在任5年を迎えた幹事4人を表彰。本年度は会員増や経費節減などに取り組み、行事計画では▽ソフトボール大会(6月14日)▽ゴルフ大会(春・秋)▽一泊旅行会(9月/男鹿半島・角館方面)▽囲碁・将棋大会(11月15日)などを予定する。

 

(復興釜石新聞 2017年6月7日発行 第594号より)

 

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三陸地域が誇る名峰「五葉山」について理解を深めたフォーラム

山の魅力、課題を語り合う「大松コース」復活を望む声も〜石楠花荘 早期改修へ、五葉山フォーラムで情報交換

三陸地域が誇る名峰「五葉山」について理解を深めたフォーラム

三陸地域が誇る名峰「五葉山」について理解を深めたフォーラム

 

 五葉山石楠花荘改修促進協議会(市川滋会長=釜石山岳協会顧問)主催の「五葉山フォーラム」が5月28日、釜石市大町の情報交流センター釜石PITで開かれた。五葉山(標高1351メートル)の素晴らしさを再認識し、老朽化する避難小屋「石楠花(しゃくなげ)荘」の早期改修への機運を高めようと初めて企画。登山愛好者ら約80人が参加し、同山の存在意義や登山の課題について意見を交わした。

 

 東北学院大の佐々木俊三学長特別補佐が「山」の歴史的精神的意義について基調講演。五葉山に関わる団体から4人が同山の魅力やこれまでの活動経過、今後の展開などを語り合った。

 

 五葉山自然倶楽部、森の文化塾の中嶋敬治事務局長は四季折々の風景、同山がまたがる大船渡、住田、釜石の3市町から見た姿など大自然の息づかいが感じられる写真を公開。同山自然保護管理員の鈴木一敏さんは、大船渡市の日頃市中による登山道清掃などの奉仕活動を紹介した。同校は石楠花荘改修への募金活動にも協力している。日頃市地区には五葉山神社があり、古くからの信仰が地域の結いの精神も育んでいることを明かした。

 

 釜石勤労者山岳会の足立行雄さんは、長年にわたる五葉登山の思い出を披露。「途中に危険箇所がなく2時間ほどで登れる山。安心して登れるのは石楠花荘の存在が大きい。いざという時の駆け込み寺にも。少しでも早く改築が実現すれば」と期待を込めた。

 

 標高が低く積雪が少ない五葉山は、多様な動植物が生育。里山から山頂にかけヤマツツジやハクサンシャクナゲ、固有種のゴヨウザンヨウラクなど美しい花々が見られ、沢が多く水量に恵まれていることから渓流にはイワナやヤマメ、森にはホンシュウジカ、ツキノワグマ、イヌワシなどが生息する。山頂から望むリアス式海岸、早池峰山など周辺の山々も展望できる雄大な眺望は登山者を引きつけてやまない。1966年に県立自然公園に指定されている。同促進協の市川会長は「石楠花荘付近は湧き水が豊富。山頂から50メートルしか標高差のない所で地下水が出るのは非常に珍しい」と説明した。

 

 意見交換では、倒木で通行止めが続く「大松コース」の復活を望む声が上がった。「ある登山道だけに人が集中すると道が傷んでくる。大松コースは森の景観が格別。再建に向け、みんなで知恵を絞る機会も必要」との助言があった。

 

 同促進協は五葉山山麓の山岳会など3団体により昨年4月に発足。石楠花荘改修に向け署名、募金活動を展開し、3市町で組織する五葉山自然保護協議会(会長=野田武則釜石市長)への要望活動を続けてきた。募金額は300万円に到達し、現在も継続中。今年4月29日の山開きでは、野田市長や3市町の関係職員が山に登り、現状をじかに見た。

 

 促進協の事務局を務める桝澤洋光さん(釜石山岳協会理事)は「視察には建築士も同行し、建物を診断してもらった。今年度中に事業化への道筋がつけば」と願った。

 

(復興釜石新聞 2017年6月3日発行 第593号より)

 

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広報かまいし2017年6月1日号(No.1665)

広報かまいし2017年6月1日号(No.1665)

 

広報かまいし2017年6月1日号(No.1665)

広報かまいし2017年5月15日号(No.1664)

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【目次】
表紙:新しい釜石市魚市場が完成しました
P02:尾崎白浜地区林野火災に伴う災害について
P04:岩手大学釜石キャンパス開設記念フォーラムの開催について、応急仮設住宅などの供与期間のお知らせ
P05:肺がん(結核)検診が始まります
P06:今月のインフォメーション
P08:釜石・大槌地域産業育成センター情報便、釜石地区被災者相談支援センターをご利用ください

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使いなれた食材の普段とは違った調理法の料理が並び、参加者は興味津々

海・山の幸 魅惑のマッチング、生産者と加工者が距離縮め〜地元食材の魅力、試食会で再発見

 使いなれた食材の普段とは違った調理法の料理が並び、参加者は興味津々

使いなれた食材の普段とは違った調理法の料理が並び、参加者は興味津々

 

 地元の海と山の食材を使った料理を紹介する「釜石魅惑の試食会」(釜石市、沿岸広域振興局、釜石・大槌地域産業育成センター主催)は25日、嬉石町のエア・ウォーター物流釜石低温センターで開かれた。地域資源の農林水産物を活用した特産品の開発を目指す地域資源活用研究会の本年度1回目として実施。市内外の生産者、企業、行政関係者ら約50人が参加し、首都圏で活躍する料理研究家が考案した料理に舌鼓を打った。

 

 料理研究家の山崎志保さん(料理山研究所代表)が釜石産の食材を使い、趣向を凝らしたメニューを考案。茎ワカメのかき揚げ、ホタテと茎ワカメを使った酸味と辛みが特徴のスープ、シイタケをパンに見立ててチーズを挟んだフライ、甲子柿シェイク、梅酒で使われた実を使ったスイーツなど計13品が提供された。

 

 参加者は一品一品をじっくりと味わい、地元食材のおいしさや幅広い調理法などを再発見した。

 

 釜石産食材の新たな魅力を引き出そうと、料理研究家が考案したアイデア料理

釜石産食材の新たな魅力を引き出そうと、料理研究家が考案したアイデア料理

 

 オキアミの一種イサダを使った料理に、漁家の松本ミサヲさん(70)は「使わないだけで、いい食材になると分かった。新鮮なものはうまみがあり生臭くなく、加工品として売り出していける」と高く評価。イサダは養殖魚や釣りの餌などになり、地元で揚がっても出回ることは少ないというが、食用としての可能性を認識し期待感を高めた。

 

 橋野町で野菜などの栽培や農家レストランの運営を行っている小笠原静子さん(75)は「主婦と専門家の発想の違いを感じた。紹介された調理法を参考に、自分なりのアレンジを加えた料理を考えたい」と刺激を受けていた。

 

 「地域の中にいると当たり前すぎて良さが分からない。外からの目線で新しい面、素晴らしさを伝える機会になれば」と山崎さん。▽釜石ならではの独自のスタイルを打ち出す▽写真に撮りたくなる、面白いと人の輪が広がる視点からのアプローチ―などメニューづくりも助言。「釜石には魅力ある食材がたくさんあった。どんどん発信してほしい」と参加者に呼び掛けた。

 

 試食会を企画した市農林課の伏見七夫主査は「生産者と調理、加工者、行政の距離を縮め、同じ方向を見て取り組むきっかけになれば」と期待。今後、地元食材の魅力・価値を磨きながら、活用方法について関係機関で検討する予定だ。

 

 また、2019年のラグビーワールドカップ(W杯)に向けたおもてなしとして、食の充実に寄せる期待も大きい。市産業振興部の似内敏行部長は「釜石を訪れた人の胃袋を満たす、満足させる、魅力ある料理づくり、釜石ならではの土産物づくりにつながってほしい」と話していた。

 

(復興釜石新聞 2017年5月27日発行 第591号より)

 

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参加者は市民ホールの完成を待ちわびながら、"大キャンバス"にのびのびと好きな絵を描いた

市民ホール工事現場、絵で飾る〜子どもら楽しく共同作業、目抜き通りに活気

 参加者は市民ホールの完成を待ちわびながら、"大キャンバス"にのびのびと好きな絵を描いた

参加者は市民ホールの完成を待ちわびながら、”大キャンバス”にのびのびと好きな絵を描いた

 

 釜石市大町1丁目に建設が進む「釜石市民ホール」の工事現場の仮囲いを市民の絵で飾る催しが21日、行われた。同ホールの今秋の完成に向け、盛り上げを図るプレイベントの第3弾。新施設誕生への期待が込められたカラフルな絵は、囲いが外される8月ごろまで目抜き通りを行き交う人々の目を楽しませる。

 

 絵が描かれたのは、市民ホール建設現場を囲う工事用外壁のうち主要地方道釜石港線に面した部分。横45メートルにわたるキャンバスに見立てた壁面を使い、参加者が思い思いにペンキで絵を描いた。人物や花、魚、虹など釜石の明るい未来を感じさせる楽しい絵が連なり、通りに心弾む雰囲気を醸し出した。

 

 それぞれの絵には作者の名前や作品についてのコメントが添えられている

それぞれの絵には作者の名前や作品についてのコメントが添えられている

 

 バレエを習っているという大渡町の菊池すずちゃん(5)は、踊っている自分の姿をかわいらしい絵で表現。「新しいホールができたら?」との問いに、「バレエの発表会をやりたい」とにっこり。母真輝さん(42)は「震災時は、この建設現場の敷地内に住まいがあり、建物が津波で被災。この子は震災があった年に生まれた」と特別な思いを寄せ、「(すずちゃんが)このホールの舞台で踊るのを楽しみにしている」と仲良く共同作業を進めた。

 

楽しみながら仮囲いに絵を描く参加者ら

楽しみながら仮囲いに絵を描く参加者ら

 

 大ホールのほか、小ホール、ギャラリー、練習室などを備えた市民ホールは順調に工事が進み、10月末には建物が完成する見込み。12月の「かまいしの第九」演奏会で”こけら落とし”を祝い、来年3月まで設備訓練を兼ねて市の行事を開催していく。一般向けの使用開始は4月からになる見通し。

 

 市生涯学習文化スポーツ課の村上純幸課長は「仮囲いの絵で通りがにぎやかになり、人通りが多くなれば。市民が待ちに待った施設なので、こうしたイベントを通じて完成までの気持ちを高めていけたら」と願った。

 

(復興釜石新聞 2017年5月24日発行 第590号より)

復興釜石新聞

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復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

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満開の八重桜の下で、季節感たっぷりの郷土料理を味わう研究会のメンバー=橋野町青ノ木で

橋野町青ノ木で季節感たっぷり 山菜料理を味わう〜釜石大槌 郷土料理研究会、八重桜 山里の春を満喫

満開の八重桜の下で、季節感たっぷりの郷土料理を味わう研究会のメンバー=橋野町青ノ木で

満開の八重桜の下で、季節感たっぷりの郷土料理を味わう研究会のメンバー=橋野町青ノ木で

 

 八重桜が満開となった釜石市橋野町青ノ木で21日、釜石・大槌郷土料理研究会(前川良子会長、12人)が主催する「郷土料理バイキングを楽しむ会」が開かれた。会員や家族連れなど市内外から約30人が参加。餅つきを楽しみ、手作りの山菜料理を味わうなど、遅れてやって来た「山里の春」を満喫した。

 

 世界遺産「橋野鉄鉱山」のそばで会員の小笠原静子さんが経営する「峠の茶屋」で餅つき。「よいしょ、よいしょ」の掛け声に合わせ、子どもらも元気に杵(きね)を振るった。大槌高でボランティア活動に取り組む藤原さくらさん(18)は「餅つきは初めて。杵がとっても重くって…」と、さわやかに笑った。

 

 一関市大東町出身で大槌町内の老人ホームで暮らす菊池安子さん(88)は家族に伴われて足を運び、あずき餅の作り方を参加者に手ほどき。孫で、釜石市内の病院で看護師を務める柏﨑沙織さん(30)は「おばあちゃんが作るあずき餅の味は格別。おいしそう」と、安子さんの手元を見ながら餅を丸めた。

 

あずき餅づくりを手ほどきする菊池安子さん(左)

あずき餅づくりを手ほどきする菊池安子さん(左)

 

 バイキングで味わう郷土料理は8種類ほど。タラノメ、コゴミ、ウド、シドケにアケビの若芽などを加えた山菜天ぷら、ワラビのおひたし、ワカメのサラダ、手作りのトコロテンも並んだ。八重桜が咲く芝生の広場に移り、お待ちかねの昼食。友人に誘われ大船渡市から参加した公務員、川原和也さん(26)は「どの料理も自然の味そのまま。しかも、こんな桜の下で味わえるなんて、最高」と舌鼓を打った。

 

市内外から参加した若者らも心づくしの郷土料理を満喫

市内外から参加した若者らも心づくしの郷土料理を満喫

 

 同研究会が青ノ木の八重桜が開花する時期に食事会を行うようになったのは、震災後。不自由な避難所生活を送る被災者を招き、餅つきをしたのが始まりだった。苦しい時期に希望の光となった餅つき交流は形を変え、研究会の恒例行事として定着した。 

 

 釜石・大槌地区の農漁家の女性たちが中心となって結成された研究会は今年で13年目。当初から活動する佐々木カヨさん(65)は「ヨモギの天ぷら、おいしいよ」と参加者にすすめた。前川会長(65)は「今年も八重桜の満開と重なり、とても良かった。未来を担う子どもたちと一緒に昔の食べ物を味わい、郷土料理を伝承していきたい。海と山のおかあさんたちと手を携え、頑張っていく」と意欲を示した。

 

(復興釜石新聞 2017年5月24日発行 第590号より)

 

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