「新しい東北 復興・創生顕彰」受賞〜釜石◯◯会議 被災地の可能性育む、世代を超え 夢を形に


2018/03/02
復興釜石新聞アーカイブ #地域

野田市長に受賞の喜びを伝えた「釜石○○会議実行委員会」メンバーら

野田市長に受賞の喜びを伝えた「釜石○○会議実行委員会」メンバーら

 

 震災被災地で支援活動などを展開し、復興後の「新しい東北」の実現に貢献している個人・団体をたたえる復興庁の「新しい東北 復興・創生顕彰」に、「釜石○○(まるまる)会議実行委員会」が選ばれた。よりよいまちづくりについて市民が語り合う場を提供するといった活動が被災地の可能性を育むと評価。20日、同実行委の柏﨑未来実行委員長(32)、幹事の常陸奈緒子さん(33)と古賀郁美さん(26)が野田武則市長を訪ね、受賞を報告した。

 

 同顕彰は、震災から5年が経過し復興・創生期間に入ったことを機に、現在被災地で進む「新しい東北」の実現に向けた取り組みを広く情報発信し、被災地内外への普及・展開を促進するのを目的に昨年度から実施。本年度は全国から228件の応募があり、直近1年間の活動を評価する同顕彰に同実行委など1個人9団体が選ばれた。県内ではほかに1個人1団体が受賞。顕彰式は18日に仙台市で行われた。

 

 同実行委は、2014年に開催された釜石百人会議の後継として、市民有志や市職員らが中心となって15年に設立された。地域、立場、世代を超えてさまざまな人が集まり、出会い、語り合い、釜石を楽しく魅力あるまちにするためのアクションを生み出す場としてワークショップ(WS)を開催。さまざまなテーマや課題を「○○」に当てはめて市民活動を進めている。

 

自由な発想で釜石の未来を語り合う「釜石○○会議」

自由な発想で釜石の未来を語り合う「釜石○○会議」

 

 これまで4期にわたって開かれ、市内外から延べ930人が参加。昨年度までの1、2期では15のチームが結成され、釜石大観音仲見世のリノベーション、さまざまな趣味をテーマにした飲み会を企画するチームなどが活動を続けている。

 

 本年度は3、4期を実施。前半は参加者同士の交流を主にし、後半に共通の「やってみたい」ことを持つ人らでチームを結成。目標の実現に向け、10チームが動き始めているという。今回の特徴は、小中学生、育児中の母親ら、これまで見られなかった層の参加。多様な市民がまちづくりに関わるきっかけ、幅広い層がつながる場となっている。

 

 受賞報告では、顕彰式に出席した常陸さんが「他地域でも展開できるモデルになり得ると評価された」と説明した。会議の参加者から運営する側になった古賀さんは「釜石をもっと好きになるきっかけ、交流を深める場になっている」と意義を強調。柏﨑実行委員長は「(受賞は)参加者のおかげ。市民のやりたいこと、趣味の延長でまちに関わりたいとの思いを形にするという、小さいことをたくさん積み上げた結果。つながったものを大事に、楽しいまちを一緒につくっていきたい」と喜びを語った。

 

 野田市長は「多様な人材が集い、自由な発想でまちづくりを語り合い、主体的な活動が展開されることで、まちが発展することを願う」と継続に期待を寄せた。

 

(復興釜石新聞 2018年2月24日発行 第667号より)

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