にぎわい復活 願い込め、鵜住居みらいシアター〜40年前の記憶よみがえる、祭りや運動会の映像上映

復興釜石新聞2018/03/05

衣装も時代を感じさせる鵜住居保育園の運動会映像

衣装も時代を感じさせる鵜住居保育園の運動会映像

 

 震災前の映像や写真などで地域の良さを再認識し、復興への力とする「第3回鵜住居みらいシアター」(同実行委主催)が25日、釜石市の鵜住居公民館で開かれた。今回は「みらいに伝えたい、マイうのすまい」をテーマとし、過去の映像のほかに今を生きる住民の声を集めたショートムービーを上映。約50人が楽しみ、地域への愛着心を共有した。

 

 ショートムービーには、小学生から高齢者まで約20人が出演。鵜住居の好きなところ、思い出の場所、未来への希望などを聞き、リレー形式でつづった。好きなところとして世代を問わず挙がったのは豊かな自然、住民の人柄や絆の深さ。小学生は学校で取り組む虎舞やあいさつを自慢とし、大人は震災で途絶えたラーメン店の味や孫と遊んだ公園などを思い出に挙げた。「津波がきても頑張っていることを伝えたい」「たくさんの人が戻り笑顔で暮らせるまちに」と、それぞれが描く未来に思いを込めた。実行委は今後も撮影を続け“100人のマイうのすまい”を目指すという。

 

 懐かしい映像は1976(昭51)年の鵜住居保育園運動会と96(平8年)年の鵜住神社例大祭。同保育園は当時、長内橋近くの国道45号沿いにあった。映像には園児の徒競走や踊り、園庭を囲む大勢の家族らが写し出されており、約40年前の光景に来場者がさまざまな記憶をよみがえらせた。

 

鵜住居の懐かしい映像に見入る来場者

鵜住居の懐かしい映像に見入る来場者

 

 69年から同園に勤務した元保育士の佐藤千佳子さん(75)は「園児が多かった時代。運動会で使う道具は手作りし、振り付けも先生たち自ら考えた」と懐古。震災の津波で同町成ケ沢地区の自宅を流され、長年書きためた保育の記録を失った。この日は、がれきの中から奇跡的に見つかった同園の記念写真2枚を持参。偶然、映像と同じ年のもので「縁を感じる」と佐藤さん。元の場所に自宅を再建し、間もなく仮設住宅から移る予定で、7年ぶりの帰還を心待ちにした。

 

 今回の映像2本は町内の復興住宅に暮らす田中健悦さん(76)が提供した。新川原地区にあった自宅2階で津波の浸水を免れたものだという。撮影したのは、ビデオ撮影を趣味にしていた義父の姉帯保蔵さん(故人)。長年にわたり市内の行事などを記録したテープが多数遺(のこ)されていたが、1階にあったものは津波で流されてしまった。田中さんは「思いがけず皆さんに見てもらう機会に恵まれた。父もあの世で自慢しているのでは。復興に向け地元住民も一生懸命。早く映像のようなにぎやかなまちになってほしい」と願った。

 

 会場では鵜住居に残る「屋号」を紹介した展示もあった。商売や出身地、先祖の名前にちなんだものなど、その数64。「○○どん」「○○屋」のほか、ユニークな由来や響きを持つものがあり、鵜住居虎舞が伝承する手踊りの歌詞に出てくる屋号も。この日は新たな情報も寄せられ、住民からは「さらに聞き取りを進め、後世に確実に伝承されるよう記録として残してほしい」との声が上がった。

 

(復興釜石新聞 2018年2月28日発行 第668号より)

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