タグ別アーカイブ: 地域

スギの枝打ち作業に汗を流す参加者。将来、この地に広葉樹の森が広がることを夢見て…

「鉄づくりの森」復元へ、世界遺産 橋野鉄鉱山で枝打ち作業〜広葉樹の侵入を促す

スギの枝打ち作業に汗を流す参加者。将来、この地に広葉樹の森が広がることを夢見て…

スギの枝打ち作業に汗を流す参加者。将来、この地に広葉樹の森が広がることを夢見て…

 

 釜石市橋野町の世界遺産「橋野鉄鉱山」と周辺の森林を、鉄生産が行われていた160年前の林相に近づける取り組みの一環で、13日、スギの人工林の枝打ち作業が行われた。市と林野庁東北森林管理局三陸中部森林管理署(大船渡市)が共催。地元住民や同署管内の林業関係者、自治体職員ら約60人が参加し、当時、燃料となる木炭供給を支えた広葉樹の森再生へ力を貸した。

 

 同事業は「橋野鉄鉱山稼働時代の森づくり育樹祭」と題し、昨年からスタート。一番高炉跡の南東約2ヘクタールの区域内で、樹齢12年のスギの枝打ち作業に約1時間励んだ。のこぎりなどで横に伸びた余分な枝を切り落とすと、目線上にすっきりとした空間が広がった。

 

世界遺産の価値を高める森林の役割も学んだ育樹祭

世界遺産の価値を高める森林の役割も学んだ育樹祭

 

 市と同管理局は、高炉跡の世界遺産登録を目指していた2012年、周辺の国有林を一体的に保存する「橋野鉄鉱山郷土の森」協定を締結。後に制度変更による再締結を経て、資産範囲と周囲の緩衝地帯に広がる約500ヘクタールの国有林が保護対象となった。

 

 同エリアの森林は戦後、高度経済成長に伴う木材供給に対応するため、スギやマツなどの人工造林拡大が図られてきた。世界遺産登録を機に、すでに植えられている針葉樹は間伐を繰り返しながら最終的な伐採段階まで資源を有効活用。間伐で空いたスペースに広葉樹が侵入することで、徐々に鉄鉱山稼働時代の森を復元させていくという。

 

 作業に協力した橋野町の小笠原孝一さん(69)は「多くの人の参加を得て手をかけていけば、森の再生も進んでいくのでは。やはり続けていくことが大事」と実感を込めた。

 

 同管理署の菅野敏裕署長は「鉄鉱山時代の植生を取り戻すには100~200年かかると思うが、少しずつ昔の姿に戻していければ。地域の皆さんと一歩一歩前に進めていきたい」と協力を願った。

 

 同鉄鉱山繁栄の背景には、木炭供給源となったナラやブナなど広葉樹の豊かな森林の存在があった。市世界遺産課の佐々木育男課長は「世界遺産の範囲(高炉場、運搬路、採掘場跡)40ヘクタールのほとんどが森林。橋野鉄鉱山というと高炉に目が向きがちだが、森林も鉄づくりには重要な要素。育樹祭を通じ、その意義を改めて知り、保存への理解をいただければ」と話した。

 

 市は今月27日、二番高炉付近で実施する発掘調査の現地説明会を行う予定。時間は午前10時からと午後2時からで、申し込みは不要。問い合わせは市世界遺産課(電話0193・22・8846)へ。

 

(復興釜石新聞 2018年10月17日発行 第732号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

根浜で草取りや植栽に取り組んだ花巻市シニア大学の受講生ら

根浜で植栽ボランティア〜花巻シニア大学受講者、「憩いの場に」と願い込め

根浜で草取りや植栽に取り組んだ花巻市シニア大学の受講生ら

根浜で草取りや植栽に取り組んだ花巻市シニア大学の受講生ら

 

 花巻市シニア大学の受講者ら約30人は9日、釜石市鵜住居町根浜で植栽のボランティア活動を行った。旅館宝来館の裏山に整備された木製の避難路周辺の草取りをし、花の苗などを植え付けた。

 

 同大学の移動研修プログラム(復興学習)と受講生有志でつくる自治会「花っ子夢クラブ」の活動を融合した取り組みで、2014年から実施。避難路をアジサイで彩り、地域住民、観光客の憩いの場になればと願いを込め、これまでに500株余りを植えた。約120株が根付いており、今回は安定的な成長をサポートするため支柱を設置。避難路の落ち葉も拾い集め、歩きやすい環境を整えた。

 

 避難路そばのあずまや周辺の花壇には、スイセンやチューリップなどを植えた。砂地に合う植物としてヤブラン、ヒマヤラユキノシタ、ハマギクなども植栽。受講生らは「花が咲く頃、見に来ないとね」と、笑顔という花を咲かせながら作業を進めた。

 

 避難路の入り口付近には島倉千代子さんの歌碑があり、この日は関西のファンらも駆け付け、作業に協力。同大学の定期的な活動によって花の彩りが添えられた、きれいな環境が保たれていると感謝を込め、共に爽やかな汗を流した。

 

 同クラブの赤石代司(よし)代表(81)は「アジサイロードとして楽しんでもらえたら」と期待する。受講生有志で年3回ほど訪れていて、今後も成長を見守る考え。同大学社会教育指導員の高橋ひとみさん(59)は「植えた花苗や球根は受講生や地元の人が家で育てているもの。離れた地域でもつながりを感じてもらえたらと思って取り組んでいる。花を見ることで癒やされ、人が集う場になれば。いろんな形の絆がここから広がっていってほしい」と願った。

 

(復興釜石新聞 2018年10月13日発行 第731号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

釜石市立大平中学校 朝のあいさつ運動

【インタビュー】釜石市立大平中学校 朝のあいさつ運動

釜石市立大平中学校 朝のあいさつ運動

 

日本で開催されるラグビーW杯まで1年を切り、開催地の一つである釜石市でも、機運醸成の為の様々な活動が行われています。その中から今回は、釜石市立大平中学校の『朝のあいさつ運動』をご紹介します。

 

生徒会執行部の、佐々木理志(さとし)君(3年)、雁部英恵(はなえ)さん(3年)、猪又萌花(ほのか)さん(3年)、久保悠雅(ゆうが)君(3年)、佐藤蓮太(れんた)君(2年)、岡本莉弥(りみ)さん(2年)、小野寺美菜(みな)さん(2年)の7名にお聞きしました。

 

ーーこの取り組みを始めたきっかけなど教えてください。

 

朝のあいさつ運動自体は、学校内のあいさつ改善の為に昨年の11月から取り組み始めました。
最初は、生徒会のメンバーが学校の昇降口でやっていましたが、その後、全校での話し合いの場で、「限られた人しか取り組みに参加する事が出来ないので、学校全体のあいさつの改善にならないのでは?」とか、「もっとたくさんの人たちにあいさつをした方がいいのでは?」という意見が出て、それなら“地域の人たちに向けてあいさつしよう”という事になりました。

 

それで、今年の4月からバス停付近(岩手県交通「観音入口」バス亭)に立ち、月曜日から金曜日の朝7時45分~8時まで、クラス単位で活動しています。

 

釜石市立大平中学校 朝のあいさつ運動

 

ーーそのあいさつ運動にラグビーW杯のPRを取り入れたのは?

 

昨年から、市内の全小中学校の児童会・生徒会の代表者が集まって、『かまいし絆会議』を開いているのですが、その中で“ラグビーW杯に向けて、自分達の学校で何が出来るか?”という議題がありました。

 

この議題を学校に持ち帰ってみんなで考えた結果、既に取り組んでいた“あいさつ運動”の中で、ラグビーW杯をPRするのがいいんじゃないか、という事になったんです。
執行部担当の先生にお願いして作っていただいた、カウントダウンボードやのぼりを持って立っています。

 

釜石市立大平中学校 朝のあいさつ運動

 

ーー学校を飛び出しての活動。やってみてどうでしたか?

 

始めた頃は、あいさつや反応を返してくれる人が少なかったんですけど、今は、あいさつを返してくれたり、車から手を振り返してくれたり、信号で止まった時に窓を開けて挨拶してくれる人もいて、とても嬉しいです。

 

それから、このあいさつ運動を続けて行くうちに、だんだん声が大きく出るようになり、あいさつし合える回数も増えて来て、学校の中にもあいさつに対しての良い意識を持った人が増えた事が良かったです。

 

ーーあいさつの時に心がけていることはありますか?

 

大平中学校生徒会では、『あいさつ5つのポイント』として ①大きな声で ②相手の目を見て ③笑顔で ④さわやかに ⑤自分から という項目を掲げています。
この5つのポイントを意識しながらやる他に、車の中にいる人には声が届かないので、“礼”をしてあいさつの気持ちを伝えることも心がけています。

 

ーーラグビーW杯開催に向けての今の気持ちは?

 

釜石市立大平中学校 朝のあいさつ運動

 

小野寺さん:私たちのこの活動が、地域の人たちに関心をもってもらうきっかけになればいいと思います。
岡本さん:市内の全小中学校で盛り上げて行きたいです。
雁部さん:「世界に通用するあいさつ」という気持ちで取り組んでいます。
佐々木君:学校の生徒たちだけではなく、釜石全体で盛り上がりたいです。
猪又さん:今自分たちが出来る事をしながら、釜石市の地域全体で関心を高められたらと思います。
久保君:色々な国のあいさつを覚えて、あいさつ運動を発信していけたらと思います。
佐藤君:釜石の魅力を“あいさつ”を通して伝えられたらな、と思います。

 

ラグビーW杯釜石開催の試合には、市内の小中学生が招待される事が発表されています。
きっと、あいさつや応援で世界中から釜石に来る皆さんをおもてなししてくれることでしょう。

 

現在3年生の皆さんは高校に進学していますので、どんな関わり方が出来るのかまだわからないというお話もありました。
開催に向けて色々な想いや考えを持っている地元の生徒さんたちが、様々な形で関わることが出来る柔軟な態勢が整う事を願います。

 

~せっかくなので、釜石での試合が決まっている3ヶ国のあいさつフレーズをご紹介~

 

【フィジー(フィジー語)】
・Yadra(ヤンドラ) = おはよう
・Bula(ブラ) = こんにちは
 
【ウルグアイ(スペイン語)】
・Buenos dias (ブエノス ディアス) = おはよう
・Buenas Tardes (ブエナス タルデス) = こんにちは
・Hola (オラ) = こんにちは(カジュアルなあいさつ)
 
【ナミビア(英語)】
・Good morning(グッドモーニング) = おはよう
・Hello(ハロー) = こんにちは

 

釜石市立大平中学校による『朝のあいさつ運動』

日時:平日月曜日~金曜日 午前7時45分~8時まで(雨天、冬季は活動中止)
場所:岩手県交通 観音入り口バス停付近(国道45号線沿い)

 

縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

広報かまいし2018年10月15日号(No.1698)

広報かまいし2018年10月15日号(No.1698)

広報かまいし2018年10月15日号(No.1698)

 

広報かまいし2018年10月15日号(No.1698)

広報かまいし2018年10月15日号(No.1698)

ファイル形式: PDFファイル
データ容量: 5,204 KB
ダウンロード


 

【表紙】根浜の海を背に駆け上がれ(第24回釜石はまゆりトライアスロン国際大会)
【P2~3】第48回釜石市民芸術文化祭を開催します/岩手大学釜石キャンパス情報/小白浜復興住宅併設店舗事業者を再募集します/いわてで働こう!UIJターン応援面接会
【P4~5】国保特定健診・後期高齢者健診を追加実施します/第16回釜石・大槌地域健康講座/禁煙チャレンジ支援事業/市民のひろば
【P6】ラグビーのまち釜石。ラグビーの聖地へ向けて
【P7】やっぺし!RWC2019TMミニ通信
【P8~11】まちのお知らせ
【P12~13】まちの話題
【P14~15】保健案内板
【P16~19】復興情報
【P20】市営住宅などの入居者を募集します/防災行政無線の戸別受信機を貸し出します

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1222841_2596.html
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
無料配達サービスで「一層の社会貢献を」と千葉店長

運転免許証自主返納者に無料配送、マイヤ釜石店〜高齢者の負担軽減、交通事故の減少願う

無料配達サービスで「一層の社会貢献を」と千葉店長

無料配達サービスで「一層の社会貢献を」と千葉店長

 

 高齢者や障害者が購入した商品を無料で自宅に届ける配送サービスを行っているスーパーマーケット、マイヤ(本社・大船渡市)は1日から、釜石市鈴子町の釜石店(千葉利之店長)で新たに、運転免許証を自主返納した人を配送サービスの対象に加えた。千葉店長はこの日、釜石警察署(石川康署長)を訪ね、「免許返納による買い物の不便さの軽減と、返納の促進が交通事故の危険性減少につながるよう願う」と報告した。

 

 同社は16店舗のうち大船渡店と釜石店で3年前から、高齢者、妊婦、障害者、または5千円以上の購入者の自宅まで無料配送している。千葉店長によると、利用者は着実に増加。曜日によって違いはあるが、1日10~20件。お盆や年末の繁忙期には50件にも上る。利用者の99%はお年寄りで、大船渡店より利用件数が多いという。

 

 「市内全域を対象にするので、効率的にコースを選んでも配送時間は片道1時間半。利用者の増加に対応し、配送車両1台を加え2台体制にした。担当スタッフも増員した。コストは掛かるが、社会貢献の一つと考えている」と千葉店長。

 

 新たに対象に加えた運転免許の自主返納者について、千葉店長は「自分の運転に不安を抱えながら、通院や買い物などに支障が出る不便さからハンドルを握り続ける人の心配が、いくらかでも軽くなればいい」と願う。

 

 石川署長は「交通死亡事故では高齢者の被害とともに、高齢者の運転中も多い。車がないと生活が難しくなる。(この事業は)免許を返納した人への支援の力になる」と期待した。

 

石川署長(左)は「高齢者の事故抑止へ」と激励

石川署長(左)は「高齢者の事故抑止へ」と激励

 

 道交法で自主返納制度を導入したのは1998年4月。4年後、「免許証=身分証明書」の利便性を失う懸念に対応し、返納者の申請による「運転経歴証明書」の発行を開始した。2012年から、銀行などでの本人確認書類として使用可能になった。

 

 マイヤ釜石店で同証明書を提示すると、配送サービスを受けることができる。

 

 なお、県警本部は1日から、運転免許の自主返納申請を交番、駐在所でも受け付けている。従来は受付窓口が運転免許センターや警察署本署に限定されていたが、申請者の利便性を考慮した。

 

(復興釜石新聞 2018年10月6日発行 第729号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

ラグビーW杯を盛り上げる取り組みを展開する岩手銀行釜石支店の行員

ポロシャツ着用、ラグビーW杯盛り上げ〜応援DVDも放映 岩手銀行釜石、中妻支店

ラグビーW杯を盛り上げる取り組みを展開する岩手銀行釜石支店の行員

ラグビーW杯を盛り上げる取り組みを展開する岩手銀行釜石支店の行員

 

 約1年後に迫るラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催を応援しようと、釜石市内の岩手銀行釜石、中妻両支店は今月から、ラグビーW杯のポロシャツを行員全員が着用する取り組みを始めた。釜石管内となる遠野市や大槌町も含めた各支店では応援プロモーションDVDを放映してラグビーW杯をPR。鈴子町の岩手銀行釜石支店(千葉健司支店長)では、新日鉄釜石ラグビー部OBでアマチュア画家の石丸昌宏さん(62)=遠野市上郷町=の絵画ロビー展、応援のぼりの設置といった独自の活動も展開し、「オール岩手・釜石」の一員として、大会本番に向けた盛り上げを後押ししている。

 

 ポロシャツは、週初めの営業日や「350日前」などのカウントダウンデーに着用。9、10月と来年5月からラグビーW杯終了までを予定する。

 

 釜石支店では行員約30人がラグビーW杯の公式マーク入りの紺やオレンジ、ピンクなど色とりどりのポロシャツ姿で業務に臨んでいる。応援DVDはロビー内2カ所で終日放映。のぼりは建物入り口や駐車場などに計20本を設置した。

 

 石丸さんの絵画展は10月まで開催。釜石鵜住居復興スタジアムのゴールポスト、トライやタックルする選手、雨にぬれた芝に楕円(だえん)のボールが跳ね上がる瞬間などを描いたアクリル画9点が並んでいる。

 

 こうした取り組みは、行員らの「機運醸成の一翼を担いたい」との声をくみ取ったもので、千葉支店長は「開幕まで1年を切った。いよいよという感じ。『オール岩手』『オール釜石』の気持ちで、一丸となって盛り上げていきたい」と力を込める。

 

(復興釜石新聞 2018年9月29日発行 第727号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

釜石市新庁舎建設基本設計案を選定、佐藤総合計画東北オフィスに決定〜市民の命をつなぐ防災拠点へ、「みんなのホール」を交流スペースへ

釜石市新庁舎建設基本設計案を選定、佐藤総合計画東北オフィスに決定〜市民の命をつなぐ防災拠点へ、「みんなのホール」を交流スペースへ

釜石市の新庁舎完成イメージ

釜石市の新庁舎完成イメージ

 

 釜石市が天神町の旧釜石小跡地に建設する新市庁舎の基本計画設計業務委託公募の公開プレゼンテーションは26日、大町の情報交流センター釜石PITで行われ、佐藤総合計画東北オフィス(仙台市、早川謙二代表)が最終交渉権者に決定した。同社の提案は、議会・行政棟と会議棟の交点に「みんなのホール」を設け、市民交流スペースとするのが特徴。選定審査では、役所としての機能面、防災拠点としての信頼性などが高く評価された。これを受けて市は、2020年度着工、21年度完成を目指して計画を進める。

 

 同社の提案は、「釜石の絆と命をつなぐ防災庁舎…市庁舎のすべてを災害対応で使いきる」がコンセプト。北側の「東西軸の議会・行政棟」をベースに、南側に向かって市民を迎え入れる「南北軸の会議棟」を配置。その交点に「みんなのホール」「庁議室(災害対策本部)」などを造り、市民の命をつなぐ防災拠点とする。

 

 議会・行政棟は4階建てで、最上階に災害時の一時避難所ともなる議会フロアを配置。市民が一番利用する窓口を1階に置き、2階に事業部門・教育委員会を配置する。壁面の多くはガラス張りとし、市民に開かれた市役所をアピールする。

 

 公開プレゼンテーションでは4者が基本計画設計を提案した。最終的に選定された設計について、業務委託選定委員会の審査委員長を務めた南正昭岩手大教授(新市庁舎建設検討委アドバイザー)は「市民の交流、参加を促すようなコンセプトが高く評価された。交流スペースとするピロティ―は防災対応でも活用できる」とした。

 

業務委託選定委員会の委員長を務めた南正昭岩手大教授(中央)と佐藤総合計画東北オフィスの関係者

業務委託選定委員会の委員長を務めた南正昭岩手大教授(中央)と佐藤総合計画東北オフィスの関係者

 

 佐藤総合計画のプレゼンテーションを担当した飯柴耕一副代表(1級建築士)は「防災拠点として確実に防災力が高まる庁舎を考えた。市民との交流、協働も促すことができる。復興のシンボルとなる新庁舎を一日も早く完成させたい」と思いを込める。

 

 釜石市の新庁舎建設検討委は1986年に設置。同委の報告書をもとに94年には鈴子町に建設用地を取得したが、2010年の市庁舎建設検討懇話会で示された「天神町地区の方がふさわしい」との意見を受けて方針を転換。東日本大震災後の14年に釜石小跡地を適地と決定。16年に新市庁舎建設検討委が設置され、これまで6回にわたる協議が重ねられてきた。

 

(復興釜石新聞 2018年9月29日発行 第727号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

広報かまいし2018年10月1日号(No.1697)

広報かまいし2018年10月1日号(No.1697)

広報かまいし2018年10月1日号(No.1697)

 

広報かまいし2018年10月1日号(No.1697)

広報かまいし2018年10月1日号(No.1697)

ファイル形式: PDFファイル
データ容量: 2,069 KB
ダウンロード


 

【表紙】Meetup Kamaishi Autumn 2018【10月分】
【P2~3】平成31年度4月入園幼稚園児を募集します/毎日がんばる女性のための女子力&暮らし力UPサロン/ワークイノベーション実線セミナー/市道松倉20号線道路改良工事のお知らせ/釜石・大槌婚活企画第二弾!恋の屋形船/ツキノワグマにご注意!
【P4】やっぺしRWC2019TMミニ通信
【P5~7】まちのお知らせ
【P8】戦没者追悼式/市郷土資料館企画展第2弾伊能忠敬没後200年記念事業「葛西昌丕展」/市長のつぶや記

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1222395_2596.html
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
ディーニュ市訪問に向け意欲を示す野田市長(左)ら

友好の絆をより深く、野田市長ら訪問団 フランス・ディーニュ市へ〜支援に感謝 復興状況報告、ラグビーW杯・ジオパーク情報交換

ディーニュ市訪問に向け意欲を示す野田市長(左)ら

ディーニュ市訪問に向け意欲を示す野田市長(左)ら

 

 釜石市は20日、姉妹都市、フランスのディーニュ・レ・バン市に派遣する訪問団の結団式を行った。訪問団は野田武則市長を団長に市職員、市国際交流協会員ら計6人。26日〜10月1日の6日間の日程で、ディーニュ市の幹部職員らと面会し、両市の友好の絆を深める。

 

 両市の交流は、1992年に釜石で開催された「三陸・海の博覧会」で、ディーニュ市にある「アンモナイトの壁」のレプリカを展示したのがきっかけ。その後、レプリカを鉄の歴史館で永久保存することになり、94年に姉妹都市を提携したが、2000年代に入ると関係性は薄れていった。

 

 交流再開に向けた取り組みを進めようとした矢先の2011年3月、東日本大震災が発生。釜石の被害状況を知ったディーニュ市から義援金や応援メッセージが送り届けられ、震災支援をきっかけに新たな関係が動き出した。

 

 釜石からは現状や支援への感謝を伝えるため、11年8月に中学生、12年5月に市国際交流協会員、13年8月には高校生がディーニュ市を訪れている。13年5月にはディーニュ市の代表団が釜石入り。被災地域を視察し、仮設住宅住民や子どもたちと交流した。

 

 今回の訪問は、支援への感謝と復興状況の報告のほか、来年に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催のPR、世界ジオパークに認定されているディーニュ市から三陸ジオパークに関する助言など、情報、意見を交わすのが目的。釜石市が派遣する訪問団で、市長自らが出向くのは初めてとなる。

 

 一行は、26日にフランス入り。27日は、マノスク市にある化粧品メーカー「ロクシタン社」を表敬訪問し、震災で被災した大町の青葉ビル再建に向けた支援などへの感謝を伝える。28、29日はディーニュ市に滞在。歓迎セレモニー、世界ジオパークに関する会議などに出席して友好を深める。30日はパリに移動し、帰国の途に就く。

 

 結団式では、野田市長が「震災後の支援では力強い後押しをもらった。W杯、ジオパークなどさまざま協力したい事案があり、訪問を決めた。短い期間だが大切にし、関係性の深い交流につながるよう見聞を深めたい」とあいさつ。団員の自己紹介、旅行日程の説明などが行われた。

 

 副団長を務める市国際交流協会の丸木久忠会長は「緊張の面持ち。機会をもらったので、しっかり交流を深めたい」、協会員でフランスに留学経験のある岩間幸子さんは「市民としてできる交流をお手伝いしてくる」と意気込みを語った。市からは平松福寿産業振興部長、笹村聡一秘書係長、岩鼻千代美国際交流係長が参加し、「経済、市民間交流の道筋を付けたい」などと意欲を示した。

 

(復興釜石新聞 2018年9月22日発行 第725号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

先輩たちの助言を受け、防災学習への意識を高める釜石東中生

防災意識 先輩から学ぶ、釜石東中で講座〜欠かせない訓練の積み重ね、元同校教諭 森本准教授(岩手大大学院)アドバイス

先輩たちの助言を受け、防災学習への意識を高める釜石東中生

先輩たちの助言を受け、防災学習への意識を高める釜石東中生

 

 主体的、実践的な防災学習に力を入れる釜石東中(佐々木賢治校長、生徒117人)で12日、全校生徒を対象にした防災講話があった。東日本大震災の前年まで同校の教諭だった岩手大大学院の森本晋也准教授(防災教育)と、同校卒業生で震災時に津波から避難した経験を持つ大学生2人が、防災に関する学びや活動を深めるために必要な視点を助言した。

 

 講話のテーマは「当時の中学生に話を聞き、自分たちの防災の学習や活動に生かそう」。2006年4月から10年3月まで同校に勤務した森本准教授は、実際にグラウンドを走って海岸部到達時の津波の速さ(時速36キロ)を感じたり、過去の津波高を校舎に示したりした実践例を紹介しながら当時の防災学習の内容を説明した。

 

 当時を知る卒業生として、現在母校で教育実習をしている古舘のどかさん(岩手県立大総合政策学部4年)、渡辺薫子さん(早稲田大文学部4年)が参加した。古舘さんは「防災学習と関わりがないように感じられる普段の授業にも、実はいざという時に生かせる学びがある」とし、日々の学習の大切さを強調。災害発生時に避難したことを知らせるカード「安否札」の考案・配布、地域の危険箇所の調査など、地域を巻き込んで行った防災活動の重要性も指摘した。

 

後輩に助言する(右から)渡辺さんと古舘さん、森本准教授

後輩に助言する(右から)渡辺さんと古舘さん、森本准教授

 

 震災について、古舘さんは「切羽詰まった状態でどう生き残ればいいのか。自分一人が助かるだけでも大変だった」と振り返り、「どんな災害が起きても命を守れるよう真剣に考え、取り組んでほしい。地域の人たちに自信を持って伝えられるよう、学び続けてほしい」と呼び掛けた。

 

 「あの時、どうして走りだせたのか」。渡辺さんが防災学習を進める上で大事にしていたのは、「災害は自分たちのまちに来る」との意識だという。森本准教授の指導のもと、防災学習に取り組んでいて、「実際の時に動けるかは訓練の積み重ねが欠かせない。『助けられる人から助ける人へ』との精神が擦り込まれていた。どこにいても災害はある。自分のまちのことと思って学びを進めてほしい」と語り掛けた。

 

 後輩たちは、中学生でもできる支援活動などについて質問。先輩の2人は「中学生だから伝わりやすいこともある。地域に出て、今必要なことを聞きながら活動に生かせばいい。地域との関わりを深めてほしい」とアドバイスした。

 

 同校生徒会役員で防災担当の佐々木李(もも)さん(3年)は「普段の授業、生活、訓練がいざという時に役立ったのは、防災意識が習慣づいていたからだと思った。先輩たちのように自分たちが地域につなげられるような取り組みをみんなで考えていきたい」と意識を高めた。

 

 森本准教授は「みんなで命を守るためにできることはたくさんある。当時の中学生の思いに触れ、今できることを考えるきっかけになれば」と期待した。

 

(復興釜石新聞 2018年9月19日発行 第724号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

「にゃんりく鉄道(にゃん鉄)」の運行について

「にゃんりく鉄道(にゃん鉄)」の運行について

「にゃんりく鉄道(にゃん鉄)」の運行について

 

岩手県釜石保健所 環境衛生課では、保護ネコの譲渡を促進するため、「にゃん鉄」を運行します。
※『にゃん鉄』とは、保護ネコとふれあえる貸切列車のことです。

 

にゃん鉄チラシ(683 KB pdfファイル)
にゃん鉄参加申込書(287 KB pdfファイル)

日時

平成30年10月27日(土)
(三陸鉄道釜石駅 9:20集合、12:40頃解散)

行程

釜石駅発(9:40)⇒盛駅(折り返し)⇒釜石駅着(12:30)

募集人員

20名
※応募者多数の場合は抽選

申込期限

9月30日(日)まで

申込方法・問合せ先

「参加申込書」に必要事項を記入の上、FAXまたはメールにてお申し込みください。
○FAX 0193-25-2294  ○メール BI0002@pref.iwate.jp
【沿岸広域振興局保健福祉環境部 岩手県釜石保健所 環境衛生課】
TEL 0193-27-5523(内線249)

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 市民生活部 環境課 環境保全係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8453 / Fax 0193-22-2199 / メール
元記事:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/kurasu/kankyo/oshirase/detail/1222392_2179.html
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
新たな特産品「桑茶」に期待し笑顔で葉の集荷

「桑の葉茶」を目玉商品に〜橋野どんどり広場直売所、11月にも店頭で販売開始

新たな特産品「桑茶」に期待し笑顔で葉の集荷

新たな特産品「桑茶」に期待し笑顔で葉の集荷

 

 釜石市橋野町、橋野地区直売組合(藤原英彦組合長、89会員)が運営する「どんぐり広場直売所」は、桑の葉を原料とする茶を新たな目玉商品にしようと動き始めた。11日には4人が農地にある桑の木から枝を切り取り、どんぐり広場で葉を選別し、合わせて50・7キロを出荷した。早ければ11月にも「橋野産桑の葉ブレンド茶」の店頭販売を開始する。

 

 きっかけは、県内産の桑の葉で茶を製造する一関市大東町、いわいの里、いわて大東屋を経営する佐藤公一さん(63)、職場の同期だった釜石市定内町のマルベリーリング釜石代表工藤和子さん(63)と藤原組合長が昨年8月に直売所で偶然出会ったことだった。

 

 佐藤さんは50歳で銀行を退職。課題の多い農業を応援しようと、村おこし、農家の生きがいにつながる事業を考えた。桑茶は、先進地の福島県から学んだ。養蚕業が盛んな地域では、古くから飲料にもされた。最近はカフェインを含まない成分などが健康志向ブームに乗り、一般にも拡大する。

 

 事業化して順調に実績を伸ばしたが、東日本大震災による福島原発事故で放射性物質の汚染懸念と風評被害の影響が続いた。それもここ数年で盛り返し、さらに原料の供給地や事業を共にする仲間を探していた。

 

 昨年6月、42年ぶりに故郷釜石に帰った工藤さんは家族ぐるみで長年交流がある佐藤さんの考えに賛同し、コンビニ経営の経験を生かして桑茶の販売を引き受けた。事業所名のマルベリーは英語で「桑」、リングは「人をつなぐ」を意味する。

 

 工藤さんは釜石地域の養蚕の歴史を徹底的に調べた。釜石地域では戦後、化学繊維が爆発的に普及するまで、山間地で盛んに養蚕が行われていた。その歴史をたどると、桑の木が残り、原料の供給地になりうる。

 

 家族が収穫した葉の選別にいそしむ橋野町太田林の組合員和田ハマ子さん(85)は「(町内の)横内から嫁いできた。当時、カイコを飼っていて、桑の葉は年に3回ほど刈り取った。桑の葉が茶になるとは知らなかった。喜んでもらえればいい」と期待する。

 

 天然の桑から葉を収穫した藤原組合長(65)は「桑茶は自分も飲んでいたから、佐藤さんの話はよく理解できた。どんぐり広場は今年23年目。世界遺産、来年のラグビーワールドカップ(W杯)も控え、新しい特産品になるといい。事業が順調に進めば何より農家の生きがいになる」と意気込む。

 

(復興釜石新聞 2018年9月15日発行 第723号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3