復興、まちの活性化に新戦力〜震災伝承や特産品開発、地域づくり法人「かまいしDMC」

復興釜石新聞2020/04/14

観光振興に向け意欲を高めるかまいしDMCの新入社員ら

観光振興に向け意欲を高めるかまいしDMCの新入社員ら

 

 観光地域づくりを推進する釜石市の「かまいしDMC」(社長・野田武則市長)は2日、新入社員への辞令交付式を市役所で行った。多彩な経歴を持つ7人の新たな力を加え、16人体制で新年度をスタート。釜石の魅力を伝える体験ツアーの企画や東日本大震災の伝承施設での語り部、地域商社として特産品の開発・販路開拓を進める陣営を整え、まちの活性化に力を注ぐ。

 

 野田市長は「復興の最終段階にある釜石の発展に力を。観光、魅力ある商品づくりはまちの発展に欠かせない。能力を最大限発揮し、生き生きと輝く姿を見せてほしい」と激励した。

 

 7人のうち、釜石出身は2人。鵜住居町の川崎杏樹(あき)さん(23)は釜石東中2年生の時に震災を経験した。自宅や学校が被災し生活が一変したが、支援を通じた多くの交流で「古里を守りたい。復興に関わりたい」との思いを生成。釜石高から都留文科大文学部に進学し、「一度離れたからこそ思いが強まった」とUターンした。同社が指定管理する、いのちをつなぐ未来館で勤務。「防災教育の大切さを実感。生活の違いや防災に対する意識も人それぞれだが、体験したこと、身を守る行動を伝えていきたい」と力を込める。

 

 小久保祐里さん(20)は震災時、唐丹小5年生。自宅に被害はなかったが、中学卒業まで仮設校舎で過ごした。「卒業できたのは多くの支援のおかげ。釜石で頑張る姿を見せることが恩返しになる」と地元就職を決心。釜石商工、盛岡市の専門学校での学びを生かし、同社の本拠地「魚河岸テラス」で経理を担当する。社員の中では最年少。「下から支えられるよう頑張る」とはにかんだ。

 

 同テラスの運営に加わる新沼貴子さん(51)は大船渡市出身で、米国カリフォルニア州ユバコミュニティカレッジ卒。県内で翻訳、通訳などの活動を行う国際化コンサルティング団体に所属し、ラグビーワールドカップ(W杯)の開催準備で釜石市内のインバウンド対応研修に携わった縁で就職を希望した。調理師免許も保有。「ジェラート開発などで地域創生に貢献したい」と展望した。

 

 地域商社事業部に配属された畠山清貴さん(34)は一関市出身。高崎経済大地域政策学部を卒業後、ラーメンチェーン店を運営する会社勤務を経て独立し、県内外で4店を経営する。食を通した地方創生、地域発信に関心があり、釜石へ。ふるさと納税の返礼品開発などを担い、「海の幸を生かした釜石らしい商品開発を手掛けたい」と意気込んだ。

 

 同社が指定管理する根浜海岸キャンプ場、御箱崎の宿の運営管理には、佐藤奏子さん(41)と福田学さん(43)=共に東京出身=が当たる。佐藤さんは震災ボランティアをきっかけに定住。海を活用した体験プログラムの企画・提供などを続けてきた。「海辺の地域を盛り上げる一助に。リピーターを増やしたい」と抱負を語った。

 

 福田さんは3月末で起業型地域おこし協力隊の任期を終えたばかり。これまで取り組んできた観光とサイクリングを結び付けたツアー提供などを継続しつつ、「新たな体験レジャーを開発したい」と意欲を見せた。

 

 経営企画管理部配属の大杉尚也さん(28)は財務省の官僚からの転身。最高財務責任者(CFO)として、同社の戦略的な経営を支える。首都圏から釜石入りし、新型コロナウイルスの感染予防のため、辞令交付式は欠席した。

 

(復興釜石新聞 2020年4月8日発行 第882号より)

 

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