「鵜っ子弁当」で支援、栄養満点 子どもらに笑顔〜麻生三陸 釜石工場、コロナ影響 学童クラブへ無償提供


2020/03/26
復興釜石新聞アーカイブ #地域

“コロナウイルスに負けない弁当”をほおばる児童をやさしく見守る麻生専務(中)

“コロナウイルスに負けない弁当”をほおばる児童をやさしく見守る麻生専務(中)

 

 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う臨時休校の影響を受ける児童や保護者を応援しようと、釜石市片岸町で冷凍加工食品を製造する麻生三陸釜石工場(本社・神奈川県藤沢市、麻生政雄社長)は17日から、鵜住居学童育成クラブに特製の「鵜(うの)っ子弁当」の無償提供を始めた。心待ちにしていた児童は、「おいしい」と笑顔で平らげた。弁当は4月2日までの火・木曜日6日間、メニューを変えながら届けられる。

 

 17日昼前、同工場の麻生昭彦専務らが鵜住居小に併設される同クラブに32食を届けた。児童はテーブルを並べ、弁当を受け取ると、さっそく口に運んだ。メニューはポークジンジャー、肉シューマイ、インゲンとニンジンのソテー、マーボーナスなどに、オレンジ、プチトマト。麻生専務は児童の席を巡り、味やボリュームなど感想を聞いた。

 

 佐々木蒔友(まきと)君(鵜住居小4年)は「お母さんの弁当もおいしいけど、これもいい。全部食べた。クラブでは中で過ごすことが多い。時々鬼ごっこもする。もっと外で遊びたい」と、ややエネルギーを持て余している様子。金野琥珀君(同3年)は弟の天河君(同1年)とクラブに通う。「肉が好きだから、気に入った。サッカー、水泳と空手をやる。量はちょうどいい」と満足した。

 

 同工場は釜石市の誘致企業として2017年5月に稼働。おせち、弁当、通販サイトアマゾン、ふるさと納税の返礼品、最近は白金豚と遠野ホップを使った地場原料の製品を作っている。従業員は25人。

 

 麻生専務によると、児童を持つ女性従業員から臨時休校の影響を聞いており、工場内で応援を検討。得意の製造技術を生かす弁当を地元の学童育成クラブに無償で届けることを決めた。

 

 同クラブの登録児童は約60人。木村宏子主任児童厚生員によると、臨時休校中は5年生以下の30人ほどが利用する。弁当は事前に献立が知らされ、アレルギー表示も行う。学童クラブは弁当の希望者を集計し、麻生に連絡する。初日は29人が希望し、食品アレルギーがある1人を含む児童3人は弁当を持参した。

 

 麻生専務は「工場のスタッフが熱心に取り組んだ。味付けも子どもに合うよう工夫した。6日間だけの活動だが、今後も地域のためにできる貢献を考えたい」と意欲をみせた。

 

(復興釜石新聞 2020年3月18日発行 第876号より)

 

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