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「子」年のネズミも注意を喚起

特殊詐欺被害防止を年賀はがきで〜1万2千通余を郵便局に、釜石・大槌防犯協会と釜石署

「年賀状で新年も詐欺被害の防止を」と郵便局(左)に託した

「年賀状で新年も詐欺被害の防止を」と郵便局(左)に託した

 

 全国で被害が絶えない特殊詐欺被害の防止を呼び掛ける年賀はがきの贈呈式が20日、釜石市只越町の釜石郵便局(川畑智彦局長)で行われた。同事業を推進する釜石市防犯協会(岩渕善吉会長)、大槌町同協会(岩間利夫会長)と釜石警察署(仲谷千春署長)が、はがき1万2085通を郵便局に託した。はがきは来年元日、両市町に配達される。

 

 はがきは両会長と署長が川畑局長、鵜住居郵便局の小笠原博人局長、釜石局外務員の佐々木飛翔(つばさ)さんに託した。

 

 仲谷署長は増加する詐欺被害の現状を説明した上で、「郵便局の皆さんには年賀はがきの配達に合わせ、被害の防止を呼び掛けてほしい」とあいさつ。川畑局長は「詐欺被害で悲しむ人が出ないよう、責任を持って元日に配達する」と決意を述べた。

 

 同はがきの配布事業は両市町の73事業所・団体の協賛を受け、今年で4年目。釜石市には1万6346世帯(11月末現在)のうち約1万世帯、大槌町には約2千世帯を対象に、高齢者が多い地域を重点に配達する。

 

「子」年のネズミも注意を喚起

「子」年のネズミも注意を喚起

 

 はがきの表面には、協賛する約20社を明記。年賀のあいさつ文に加え、「息子をかたる」「お金が戻る」「もうけ話」「身に覚えのない請求」の電話には注意するよう呼び掛けている。イラストは釜石署員が作成し、来年の干支(えと)の「ねずみ(子)」をアレンジした。

 

 釜石署によると、県内の特殊詐欺被害は11月末現在、51件に上り、昨年同期より26件増加。被害額は約1億4292万円で、5600万円増。同署管内では3件で約200万円の被害がある。全国的に高齢者を狙ってキャッシュカードを受け取ったり、すり替える詐欺被害が増えている。同署は「管内でも交通網の整備が進んだことに伴い、同種手口の被害が懸念される」と警戒している。

 

(復興釜石新聞 2019年12月25日発行 第853号より)

 

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サンタもストリートラグビーでラグビーのまちを元気に!

今年も「サンタが100人やってきた」〜年の瀬の街にプレゼント、ストリートラグビーも楽しむ

今年も被災地に「夢」と「希望」を与えたボランティアサンタ

今年も被災地に「夢」と「希望」を与えたボランティアサンタ

 

 東日本大震災から9度目のクリスマスを前に、全国からボランティアサンタ約80人が釜石に集結。被災地支援を行う遠野市のNPO法人遠野まごころネット(佐藤正市理事長)が21日、恒例の「サンタが100人やってきた!」の活動を展開し、釜石、大槌両市町の子どもらにプレゼントを届けて交流した。

 

 釜石市大町広場で開催した出発式で佐藤理事長は、活動を始めたきっかけを改めて紹介。被災した陸前高田市の女児が「(クリスマスに)何が欲しい?」との問いかけに「おうちとママ」と答えたという、あるブログが発端だったことを明かした。事業は企業、団体、個人からの寄付金で成り立っており、今年も式の中で協力企業が目録を贈呈した。寄付金はプレゼントの現地購入などに充てられ、地元経済支援にもつなげる。

 

 2012年から協力を続けるイオングループは、各社の従業員らが寄せた募金など総額約110万円を寄付。サンタとして26人が現地活動にも尽力した。イオン九州の奥田佳奈さん(29)は釜石初訪問。「足を運べてありがたい。九州の元気、明るさを少しでも届けられたら」と願った。イオン九州は16年に発生した熊本地震の被災地で〝まごころサンタ〟活動も展開。「最も被害の大きかった益城町では間もなく仮設団地の集約が始まる。少しずつ復興が進んでいるよう」と両被災地の歩みを重ねた。

 

 サンタは甲子町のこすもす公園、市球技場、大槌町のおしゃっちを訪問。約400個の菓子やミカンのプレゼントを子どもらに手渡し、遊びやサッカーで楽しい時間を共有した。

 

 同NPOで初代理事長を務め、今年7月から4代目として再び指揮を取る佐藤正市さん(70)は「ボランティア自らが企画し事業化してきたことが9年も続いている。全国から駆け付けてくれる皆さんには感謝しかない。子どもたちが夢を見るお手伝いができたら」と思いを新たにした。野田武則市長は「10年目の来年は市も協力して何らかの盛り上げを図りたい」との意向を示した。

 

サンタもストリートラグビーでラグビーのまちを元気に!

サンタもストリートラグビーでラグビーのまちを元気に!

 

 この日はイオンタウン釜石の屋外スペースに設置されている専用フィールドで、関係機関が主催する「サンタとストリートラグビー体験会」も開かれた。〝100人サンタ〟とのコラボイベントで、ボランティアサンタも盛り上げに一役買った。

 

 自前のひげを蓄え、100人サンタに8年連続参加の小林裕さん(68)=東京都中野区=は、ストリートラグビー初体験。「格好だけはつけて…」と見事なトライを決めた。ラグビーワールドカップはテレビで観戦。釜石鵜住居復興スタジアムには建設中の時に見に行った。「釜石がラグビーで元気になってきているのはいいこと。完成したスタジアムにも行ってみたい。復興が進むのを見るのはボランティアの楽しみでもある」と声を弾ませた。

 

(復興釜石新聞 2019年12月25日発行 第853号より)

 

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洞関町内会創立40周年、住みよい町づくり あらためて誓い合う〜転入者急増、地域の風景様変わり

洞関町内会創立40周年、住みよい町づくり あらためて誓い合う〜転入者急増、地域の風景様変わり

洞関町内会の40周年を祝った住民ら

洞関町内会の40周年を祝った住民ら

 

 釜石市甲子町洞泉、関沢の住民らで組織する洞関町内会(菊池秀明会長、320会員)が創立40周年を迎え、15日、洞関地区コミュニティ消防センターで記念式典を開いた。約40人が出席。町内会の功労者らを表彰し、今後の町内会活動の充実、発展を誓い合った。

 

 物故者に黙とうをささげ開会。菊池会長は、新仙人峠道路の開通や東日本大震災後の人口増など40年の地域の変化を振り返り、「転入した新会員が町内会に溶け込めるよう取り組みを続けている。生活環境の整備、高齢化や自然災害の対策などを進め、住みよい町内会づくりにまい進したい」とあいさつした。

 

 功労者表彰では、企業会員として会の発展に貢献してきた五菱工業(千葉護社長)を特別表彰。副会長や会計、監事として長年、町内会活動を支えてきた佐々木貞友さん、佐々木緋紗子さんを表彰し、労をねぎらった。

 

 来賓として出席した野田武則市長は「この地域は(合併前の)甲子村でも中心的役割を担っていた。誇りを持って地域づくりに取り組んでほしい」と祝辞。長年にわたる地域活動の功績をたたえる感謝状を町内会に贈った。

 

野田武則市長から感謝状を受け取った菊池秀明会長(左)

野田武則市長から感謝状を受け取った菊池秀明会長(左)

 

 同町内会は1980年に設立(195会員)。10周年以降、新仙人峠道路建設に伴う用地買収や移転が始まり、地域の風景は大幅に様変わりした。97年には待望のコミュニティ消防センターが落成。地域活動の拠点施設として活用されている。

 

 2011年の東日本大震災では、持ち寄った食材で被災者のために炊き出しを実施。震災後は休耕田や空き地に宅地が造成され、転入者が急増した。町内会は震災前から80増の320会員に拡大。班編成も見直した。今年3月には東北横断道路釜石秋田線が開通し、釜石の西の玄関口としての役割も期待される。

 

 50周年に向け、「生活雑排水処理や未舗装、狭い道路の改良、希薄化した地域コミュニティー再生も課題。住民の協力を得て一つ一つ解決していければ」と菊池会長。

 

(復興釜石新聞 2019年12月18日発行 第851号より)

 

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「ラグビー神社を建立する会」の発足式

「ラグビー神社」釜石に、建立する会が発足〜新しい物語つくる聖地へ、東京・丸の内から無償譲渡で移設

「ラグビー神社を建立する会」の発足式

「ラグビー神社を建立する会」の発足式

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)の試合会場となった釜石市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムの隣接地に「ラグビー神社」が建立されることになり、13日、市民有志による「建立する会」が発足した。W杯大会期間中に東京・丸の内に設置され、ラグビーファンの人気スポットとなった「丸の内ラグビー神社」の社殿を三菱地所から無償で譲り受け、移設。来年4月から参拝できるよう整備する。有志は「W杯釜石開催の感動的なストーリーを継承する聖地となり、来訪者の増加も見込める」と期待を込める。

 

 大町の情報交流センター釜石PITで開かれた「建立する会」の発足式には、趣旨に賛同した市民ら約30人が参加。会の代表を務めることになった中田義仁さん(51)は「ラグビー、釜石を愛する多くのファンと新しい物語をつくっていきたい」と呼び掛けた。

 

来訪者の増加に期待を寄せる「建立する会」の有志

来訪者の増加に期待を寄せる「建立する会」の有志

 

 鵜住居地区復興まちづくり協議会の会長で、会の監事を務める佐々木憲一郎さん(52)は「(W杯が)終わった後が本当の勝負。ぜひ、このプロジェクトを成功させたい」とエールを送った。

 

 「丸の内ラグビー神社」は、ラグビーとゆかりの深い京都「下鴨神社」境内の「雑太社(さわたしゃ)」の祭神をまつり、W杯期間中は国内外から大勢のファンが参拝した。

 

 釜石への移設費用は約300万円を見込み、このうち半分は地元の法人・団体から寄付を募る。残りの150万円はインターネット上で資金を募るクラウドファンディング(https://ishiwari.iwate.jp/user/IswQ0262176)で来年2月上旬までに調達する計画で、今月9日からこれまでに全国から110万円余りが寄せられているという。

 

 寄付について問い合わせは同会(shrine.unostadium@gmail.com)へ。

 

(復興釜石新聞 2019年12月18日発行 第851号より)

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釜石祈りのパークを視察するインドネシア・アチェ州の関係者ら

津波からの復興共有、インドネシア・アチェ関係者 釜石視察〜防災教育に理解深める

釜石祈りのパークを視察するインドネシア・アチェ州の関係者ら

釜石祈りのパークを視察するインドネシア・アチェ州の関係者ら

 

 インドネシア・スマトラ島最北端にあるアチェ州のバンダ・アチェ市にあるアチェ津波博物館の関係者らが7日、釜石市鵜住居町の「うのすまい・トモス」を視察した。アチェ市では来年度から、JICA(国際協力機構)の草の根技術協力事業を活用し、地域住民参加型津波防災活動の導入プロジェクトがスタート。この活動に一般社団法人根浜MIND(マインド)が協力し、釜石での研修が計画されていることから、事前訪問で復興まちづくりへの住民の関わりや防災教育の取り組みについて理解を深めた。

 

 同博物館のハフニダール館長(43)、同州観光文化局のズルキフリ・ダウ次官(48)ら6人は祈りのパーク、いのちをつなぐ未来館を見学。復興事業の着手までに約4年かかっているが、復興まちづくりに市民が関わり協議する場がいくつも設けられたことに関心を示した。

 

いのちをつなぐ未来館も見学した

いのちをつなぐ未来館も見学した

 

 同州は2004年12月のスマトラ沖大地震・インド洋津波で、死者・行方不明者が約24万人に上るなど甚大な被害を受けた。発災から15年を経て、地域住民の防災意識の低下が課題。09年に開館した同博物館も震災伝承や資料のデジタル化などに課題があるという。

 

 日本は地震や津波被害が多いが、同州ではスマトラ沖地震以前の災害は80年前。一部の地域に津波の教訓を盛り込んで歌い継がれている叙事詩「スモン(津波)」があるが、多くの住民は忘れているという。

 

 「だから同じ被害を繰り返す。だからこそ語り継ぐことが大事」。防災市民憲章に明記された「語り継ぐ」の文字の前で、6人は「これ、いいね」と口をそろえた。

 

 ハフニダール館長は「てんでんこ、スモン。短い言葉で人々が思い出し、素早い避難につながるという共通性を感じる。この事業を通じ、教訓伝承、防災を学ぶ場としての機能を充実させたい」と期待した。

 

 同プロジェクトで、同法人は最長3年間、教育現場の取り組みや伝承活動のノウハウを同州の防災関係者に伝える。ズルキフリ次官は「津波に対する意識がしっかりしている釜石と連携し、防災を指導する側への教育や伝承という弱い部分を補いたい。住民の普段の心がけ、防災意識の向上、主体的な取り組みについて学びを持ち帰りたい」と意欲を高めた。

 

(復興釜石新聞 2019年12月11日発行 第849号より)

 

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広報かまいし2019年12月15日号(No.1726)

広報かまいし2019年12月15日号(No.1726)

広報かまいし2019年12月15日号(No.1726)

 

広報かまいし2019年12月15日号(No.1726)

広報かまいし2019年12月15日号(No.1726)

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【P1】表紙/もくじ
【P2〜3】市勢功労者表彰/被災者支援制度/釜石まちづくりセミナー/釜石〇〇会議
【P4〜5】写真で振り返る2019年の釜石
【P6〜7】市職員募集/水道凍結防止/財産区議会/償却資産申告
【P8〜11】釜石大槌地区行政事務組合決算/森林経営管理制度/まちのお知らせ
【P12〜13】まちの話題
【P14〜15】保健だより
【P16〜19】市民のひろば/市民体育館オープン/復興情報
【P20】年末年始の休館情報

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1233940_2596.html
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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
市勢発展に貢献 功労者表彰、さらなる協力を誓い合う〜食生活改善推進協、山﨑さん特別功労

市勢発展に貢献 功労者表彰、さらなる協力を誓い合う〜食生活改善推進協、山﨑さん特別功労

市勢功労者を代表し謝辞を述べる小野寺哲さん

市勢功労者を代表し謝辞を述べる小野寺哲さん

 

 釜石市の2019年度市勢功労者表彰式は3日、大町のホテルサンルート釜石で行われた。児童・保健福祉や交通安全運動、消防防災などで市勢の発展に貢献した市勢功労者として8人、1団体を表彰。特別功労者として2個人・団体をたたえた。

 

 野田武則市長は「行政の力の及ばない課題も数多く、市民の協力がなければ、まちの発展もあり得ない。培ってきた豊かな識見と経験のもと、なお一層の協力を」と式辞。受賞者を代表して小野寺哲(さとし)さん(86)が「周囲の力もあっていただいた栄誉。受賞を契機に市民が安心して暮らし、まちが発展するよう、さらに努力していきたい」と謝辞で応えた。

 

 受賞者は次の通り。(かっこ内は年齢。)

 

【自治功労表彰】
▽小野寺哲(86)=大只越町 釜石愛育会理事長として幼児保育の施設経営に専念し児童福祉の向上に貢献
▽菊地次雄(78)=大平町 交通安全運動に取り組み市民生活の安全・安心の向上に貢献
▽三浦孝(56)=平田 学校歯科医として児童生徒の健康増進と保健福祉の向上に貢献
▽桜庭吉彦(53)=甲子町 釜石シーウェイブスRFCゼネラルマネジャーとしてラグビー競技の普及、ラグビーワールドカップ(W杯)2019アンバサダーとして大会の成功に貢献。今年11月、第72回岩手日報文化賞を受賞した
▽煙山弘見(67)=平田 消防団員として消防防災の任務に精励し民生の安定に貢献
▽野田光利(72)=野田町 消防団員として消防防災の任務に精励し民生の安定に貢献
▽藤井康路(71)=甲子町 消防団員として消防防災の任務に精励し民生の安定に貢献
▽菊池郁夫(64)=橋野町 消防団員として消防防災の任務に精励し民生の安定に貢献
▽五葉山石楠花荘改修促進協議会(2016年発足、市川滋会長) 老朽化した五葉山石楠花荘の改築機運を醸成するため署名活動を行うとともに、多額の金員を寄付し市勢の振興に貢献
 
【特別功労表彰】
▽山﨑長也(83)=上中島町 釜石商工会議所会頭として地域経済の発展に貢献
▽釜石市食生活改善推進員協議会(1979年発足、佐々木ひろ子会長) 食生活改善を通じて市民の健康増進と保健福祉の向上に貢献。今年11月、一般財団法人日本食生活協会「第50回南・賀屋(かや)賞」を受賞した

 

(復興釜石新聞 2019年12月7日発行 第848号より)

 

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市内外のおいしいものを求める人でにぎわった「ひとつの街フェスティバル」

鵜住居を「ひとつの街」に、小中学生「感謝」の歌声〜食と音楽 震災伝承がテーマ、有志が協賛資金集め実現

子どもたちは復興支援への感謝を込め、元気な歌声を響かせた

子どもたちは復興支援への感謝を込め、元気な歌声を響かせた

 

 食と音楽、東日本大震災伝承をテーマにした「ひとつの街~鵜住居トライステーションフェスティバル」(同実行委員会主催)は1日、釜石市鵜住居町の「うのすまい・トモス」で開かれた。ラグビーワールドカップ(W杯)後も人が集い、まちの活気を生み出す場をつくろうと有志が協賛金を集めて企画。市内外のおいしいもの、子どもから大人まで楽しめるステージ、防災ウオークラリーなどの催しを楽しむ家族連れらの笑顔が広がった。

 

 地元釜石のほか、盛岡市や紫波町などの飲食20店が出店。豚汁やイカ焼き、から揚げ、甘酒など各店が〝できたてアツアツ〟のおいしさを提供した。

 

市内外のおいしいものを求める人でにぎわった「ひとつの街フェスティバル」

市内外のおいしいものを求める人でにぎわった「ひとつの街フェスティバル」

 

 特設ステージでは県内外の9個人・団体が演奏を披露した。釜石市内の小中学生約50人は復興支援への感謝を込めた「ありがとうの手紙♯Thank You From KAMAISHI」を合唱。地元鵜住居町出身の民謡歌手佐野よりこさんも力強い歌声で古里を元気づけた。

 

 会場近くに住む前川義博さん(81)は、にぎやかな音に誘われ来場。スタジアムに出向いて体感したW杯の盛り上がりを今回のイベントでも感じ取ったようで、「集まる場はいい。知った顔も知らない人も、みんな笑顔。うれしい。癒やされる。こういうイベントを続け、どんどん広げてほしい」と期待した。

 

 釜石高、釜石東中の生徒が企画した防災ウオークラリーは、いのちをつなぐ未来館で実施。避難時に役立つグッズや災害用伝言ダイヤルの番号「171」をクイズ形式で出題し、解説も添えた。

 

 花輪祐輔君(鵜住居小6年)、志歩さん(同1年)兄妹は「知らないこともあった」とうなずいた。母慶子さん(38)は「防災について中高生が関わるのは、いい発信方法だと思う。命を大切にしながら成長してほしい」と見守った。

 

 李サムエル君(釜石高1年)は香港生まれ、東京育ちで、小学5年生の時に釜石に来た。災害や防災についての意識の低さや知識の薄さを感じ、「身に付く機会になれば」と企画・運営に参加した。一緒の組で活動した佐々木一星君(釜石東中3年)は得た防災の知識を生かし復興に携わりたいと参加。意識や知識の差はあっても「ここにいるから学ぶことがある。知識を深め、伝えたい」との思いは共通だった。

 

 このイベントは有志が協賛金約100万円を集め運営。伊勢央(ちから)実行委員長(39)は「年1回、みんなが集う場を、力を合わせてつくっていきたい」と継続開催に意欲を見せた。

 

(復興釜石新聞 2019年12月4日発行 第847号より)

 

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地中から取り出されたタイムカプセルと手紙。「20歳の皆さん」の元に届くのを待っている

「20歳の自分へ」タイムカプセル、震災当時の小学生 未来へ思い込める〜成人式で それぞれの手へ、県建設業協会釜石支部青年部が手紙保管

地中から取り出されたタイムカプセルと手紙。「20歳の皆さん」の元に届くのを待っている

地中から取り出されたタイムカプセルと手紙。「20歳の皆さん」の元に届くのを待っている

 

 20歳の皆さん。来年の成人式会場で「20歳の自分」に宛てた手紙が待っています―。釜石市鈴子町で11月29日、市郷土資料館裏に埋めたタイムカプセルが掘り出された。2012年2月に市内の小学6年生がつづった手紙を納めたもので、8年後の成人の日の開封を約束していた。掘り出した手紙は、カプセルの埋設を企画した県建設業協会釜石支部青年部(山元一輝部会長、28社)が保管。来年1月12日に予定される成人式の会場で渡すことにしている。

 
 掘り出し作業には同青年部役員ら6人が参加。スコップや重機を使って土を掘り返し、地中に埋められたカプセル(高さ70センチ、直径50センチ)を発見した。中には釜石、双葉、白山、平田、唐丹小の児童ら100人余りの手紙などが入っており、保存状態は良好だった。

 

 同青年部は毎年、児童が重機の操縦などを体験する「授業」を行ってきたが、東日本大震災のあった年は中止した。これに代わる復興支援事業として、卒業を迎える児童・生徒を対象にしたタイムカプセルの埋設を企画。震災で大変な思いをした子どもたちに明るい気持ちで未来を迎えてもらいたいとの思いを込めた。

 

 掘り出し作業に当たった役員らは「無事でよかった。思った以上にいい状態だ」と自分のことのように喜んだ。「震災から8年もたったのか…」と時の移ろいを実感する声も。「20歳のみんな」に確実に手渡す思いも確かめ合った。

 

 山元部会長は「手紙を書いた人たちには当時の自分を思い出してもらいたい。それぞれの夢の実現を目指すうえで、初心に帰る機会に。社会人として成長してほしい」と願った。

 

 小学生と一緒に中学3年生も対象に実施。3年前の成人式の日に開封された。

 

(復興釜石新聞 2019年12月4日発行 第847号より)

 

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スポーツ拠点として幅広い活用に期待が高まる市民体育館

震災復興事業最後の施設、スポーツ新拠点オープン〜鵜住居に市民体育館、14・15日にBリーグ公式試合

スポーツ拠点として幅広い活用に期待が高まる市民体育館

スポーツ拠点として幅広い活用に期待が高まる市民体育館

 

 東日本大震災で被災し、釜石市が鵜住居町に再整備を進めた市民体育館は1日、オープンした。市の震災復興事業としては最後となる公共施設。ラグビーワールドカップ(W杯)の試合会場となったスタジアムとともに新たなスポーツ拠点、イベントなど幅広い活用に期待が高まる。

 

イベントなど幅広い活用に期待

 

 桜木町にあった旧体育館は震災の地震で天井を支える鉄骨部分が壊れるなど被害を受けたのに加え、旧耐震基準で建てられていたこともあり、2013年に解体。鵜住居地区での再整備を決め、昨年7月に着工。新体育館は工期の変更や事業費の増額などもあったが、今年9月に完成した。W杯ではボランティアの休憩所として活用された。

 

鵜住居駅前地区に整備された「うのすまい・トモス」。市民体育館(奥)の開館で復旧が完了した

鵜住居駅前地区に整備された「うのすまい・トモス」。市民体育館(奥)の開館で復旧が完了した

 

 新しい体育館は鵜住居駅西側の敷地に建設された。鉄骨一部鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積は約3550平方メートル。観客席は車いす用6席を含む776席を設けた。多機能トイレやエレベーター、赤ちゃん休憩室を備えるなどバリアフリーに配慮。空調(冷暖房)も備えた。事業費は約24億7千万円。

 

 セレモニーには関係者約40人が出席した。野田武則市長は「鵜住居地区は海、山、川を融合した拠点になり得る。スポーツや観光の拠点として活用してほしい」とあいさつ。テープカットでオープンを祝った。

 

関係者がテープカットしてオープンを祝った

関係者がテープカットしてオープンを祝った

 

 この日は、市民に無料開放。バスケットボール男子Bリーグ3部(B3)岩手ビッグブルズ選手との交流などが行われた。

 

 用意された卓球台で初プレーを楽しんだのは、鵜住居町の両川キヨさん(74)、片岸町の川崎寿子さん(78)。「最高。卓球台が16台あると聞いた。大会ができる」と口をそろえた。

 

思い思いにスポーツを楽しむ市民ら

思い思いにスポーツを楽しむ市民ら

 

 市スポーツ推進委員協議会はニュースポーツ体験を提供。吉田千秋会長(69)は「思いっ切りいろんな取り組みができ、活動の幅が広がる。忙しくなりそう」と笑みをこぼした。

 

 市体育協会の菊池達男理事長(79)は「スポーツを通じ希望が持てる施設であってほしい。釜石のスポーツが発展するよう大いに活用したい」と期待した。

 

 「こけら落とし」として、14、15日に岩手ビッグブルズの公式試合が行われる。

 

(復興釜石新聞 2019年12月4日発行 第847号より)

関連情報 by 縁とらんす
釜石市民体育館 – 釜石市
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達増知事(右から3人目)と意見を交わした釜石・大槌地域の5人

新しい三陸 女性が拓く、達増知事と「作戦会議」〜県政懇談会、地域の未来 5人の女性が語る

達増知事(右から3人目)と意見を交わした釜石・大槌地域の5人

達増知事(右から3人目)と意見を交わした釜石・大槌地域の5人

 

 「新しい三陸の創造に向けて~女性が拓く地域振興の可能性」をテーマに、達増拓也知事が地域で活動する市民の声を聞き、意見を交わす県政懇談会「いわて幸せ作戦会議」は25日、釜石市大町の情報交流センター釜石PITで開かれた。釜石市や大槌町で産業や地域づくりに取り組む5人が活動内容を紹介。地域の未来について思いを語った。

 

 釜石で活動するアシュリン・バリーさん(市国際交流員)はラグビーワールドカップ(W杯)開催に向け、案内板やパンフレットの翻訳、国際交流イベントの企画などに取り組んできた。地域外の人、外国人を積極的に受け入れる雰囲気がW杯で発揮され、「オープンな地域」との印象を世界に発信できたと強調。「外国人が来やすい、暮らしやすい地域を目指す取り組みを期待。自然の豊かさ、歴史と伝統に触れ合える地域性を生かしては。静かにじっくり観光できるところがたくさんある」と提案した。

 

 峰岸有紀さん(東京大学大気海洋研究所国際沿岸海洋研究センター助教)は大槌町でサケの生態に関する研究の傍ら、子どもを対象にした教育プロジェクトにも取り組む。「若いころからまちについて考える視点を持つことも大切。身近にあるものの良さ、美しさ、価値を伝える取り組みが必要」と指摘した。

 

 出身地釜石で起業し、現在は大槌を拠点にレーザー加工機を用いた雑貨の製造販売を手掛ける井上藍さん(NRC取締役企画部長)。「地域にあるものづくりの技術を積極的に発信していきたい」と意欲を見せた。

 

 障害児の子育て、仕事との両立なども話題になり、越田弥美さん(越田鮮魚店)と東梅麻奈美さん(NPO法人ワーカーズコープ大槌地域福祉事務所長)は「母親の生活と現状を見て、体験してもらうことが前進の第1歩。安心して働き、子育てできる地域づくりにつながる」と訴えた。

 

 達増知事は「仕事や暮らしにまつわる、普段感覚の意見を拾うことができた。県の施策に生かす」と述べた。

 

(復興釜石新聞 2019年11月30日発行 第846号より)

 

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入館10万人目となり、野田市長ら関係者の歓迎を受けた(左から)大村森香さん、後藤鮎夏さん

「魚河岸テラス」入場10万人〜オープンから7ヵ月で達成

入館10万人目となり、野田市長ら関係者の歓迎を受けた(左から)大村森香さん、後藤鮎夏さん

入館10万人目となり、野田市長ら関係者の歓迎を受けた(左から)大村森香さん、後藤鮎夏さん

 

 釜石市魚河岸の「魚河岸テラス」の入館者数が22日、10万人に達した。「海、魚のまち釜石」を発信する新拠点として4月にオープンし、約7カ月で達成。同日、セレモニーがあり、10万人目の入館者に指定管理者のかまいしDMC(社長・野田武則市長)から花束や記念品が贈られた。

 

 10万人目となったのは、大阪府大阪市の会社員大村森香さん(29)、東大阪市の会社員後藤鮎夏さん(24)。東日本大震災の被災地を巡る研修ツアーの途中で同館に立ち寄った。

 

 セレモニーでは、くす玉を割ってお祝い。野田市長が記念品の目録を贈った。

 

 2人は前日に釜石入りし、鵜住居町の旅館に宿泊。同館訪問前には「うのスタ」や「うのすまい・トモス」を見学し、震災時の映像や経験談を見聞きした。

 

 被災者の話を聞き、「過去を見つめることが未来につながっている」と感じた大村さん。同館の印象は「おしゃれな空間。おいしい料理が魅力」と味覚も満喫した。

 

 初めて東北を訪れた後藤さんは「釜石の海、潮風を感じることができた。記念、思い出に残る旅になった。被災地を知る貴重な機会を生かし、防災意識を高め、災害に備えたい」と力を込めた。

 

 同館は地元の食材を生かした飲食店や新商品開発の拠点となるキッチンスタジオなどを備える。2階テラスからは釜石湾を一望でき、まちの新名所として4月13日にオープン。9月には港のにぎわい拠点となる「みなとオアシス」に登録され、港湾を生かした観光振興にも期待が高まっている。

 

 かまいしDMCによると、同館には1カ月平均で約1万4千人が来館。盛岡市や北上市など県内陸部からの来訪者も多く、年間の入館者目標7万7千人は9月中旬に達成した。

 

 地元食材を用いた多彩な料理が味わえる飲食店の人気に加え、高速道路網の整備効果もあると分析。野田市長は「順調な入り込みを維持できるよう知恵を出し、港湾を生かした観光の振興にチャレンジしていきたい」と気を引き締めた。

 

(復興釜石新聞 2019年11月27日発行 第845号より)

 

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