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「浜千鳥」東北鑑評会で4年連続のダブル優等賞(吟醸、純米酒)獲得/酒造り体験塾は仕込みへ

東北清酒鑑評会で4年連続の2部門「優等賞」を受賞した浜千鳥。英語の賞状も授与された=写真提供:浜千鳥

東北清酒鑑評会で4年連続の2部門「優等賞」を受賞した浜千鳥。英語の賞状も授与された=写真提供:浜千鳥

 
 釜石市の酒造会社、浜千鳥(新里進社長)は2023年の東北清酒鑑評会(仙台国税局主催)吟醸酒、純米酒の2部門で優等賞を受賞した。12年に奥村康太郎さん(43)が杜氏(醸造部長)に就任以降、同鑑評会での受賞は8回目。ダブル受賞は今年で4年連続6回目となる。全国トップクラスの東北6県の酒蔵が出品する鑑評会は入賞が非常に難しく、2部門での連続受賞はさらなる難関。今年、創業100周年を迎えた同社にさらに大きな喜びが重なった。
 
 同鑑評会は吟醸酒と純米酒の味や香りについて総合的に判断し、製造技術の優劣の観点から品質評価を行う。評価員は国税局鑑定官、管内の醸造に関わる研究機関職員、製造場の技術者などが務める。予審と決審を行い、成績が優秀な酒を「優等賞」として出品した製造場を表彰する。各部で入賞した製造場の上位3場のうち、1位に「最優秀賞」、他2場に「評価員特別賞」を授与する。
 
 本年は148の製造場から吟醸酒の部に125場143点、純米酒の部に118場134点が出品された。10月上旬に行われた審査の結果、吟醸酒の部で47点(45場)、純米酒の部で42点(40場)が優等賞となった。本県からは両部門で7場が受賞。浜千鳥、酔仙酒造大船渡蔵(大船渡市)、南部美人(二戸市)の3場が2部門での受賞を果たした。
 
 吟醸酒の部受賞の「浜千鳥 大吟醸」、純米酒の部受賞の「浜千鳥 純米大吟醸 結の香」は共に、岩手オリジナル酵母「ジョバンニの調べ」で醸造。純米大吟醸は本県最上級のオリジナル酒米「結の香」を使用する。大吟醸の原料は酒米の王「山田錦」。
 
釜石税務署の石亀博文署長(右)から仙台国税局長名の賞状を受け取る浜千鳥の奥村康太郎杜氏=写真提供:浜千鳥

釜石税務署の石亀博文署長(右)から仙台国税局長名の賞状を受け取る浜千鳥の奥村康太郎杜氏=写真提供:浜千鳥

 
 2010年に最年少で南部杜氏の資格を取得、12年に同社醸造部長・杜氏に就任以降、各種鑑評会などでの同社入賞をけん引する奥村さん。今回の連続受賞を「レベルの高い東北で入賞するのは大変なこと。続けて評価をいただいたというのは品質を維持できている根拠になり、お客様にいいものを届けられているという自信にもつながる」と喜ぶ。受賞回数を重ねても「毎年、結果は出てみないとわからない」と難しさを語る奥村さん。「品質を維持しつつ、さらに高められるよう頑張りたい。安定も課題」と今後を見据える。
 
 同社には10日、釜石税務署の石亀博文署長から表彰状が伝達された。「(鑑評会連続入賞で)商品への信頼度が増す。その年の原料米の傾向、対策を捉え、より良いもの、再現性も含め私たちらしい味を造るのが仕事。それが認められるのはうれしいこと」と新里社長。同社の4年連続ダブル受賞は5年連続の1社に次ぐ記録。同社は20年には純米酒の部で初の最優秀賞にも輝いている。
 

今季の仕込み10月始動 酒造り体験塾第3弾で市内外の36人がもろみ造りに挑戦

 
浜千鳥酒造り体験塾「仕込み体験会」=12日

浜千鳥酒造り体験塾「仕込み体験会」=12日

 
 浜千鳥の好評企画、一般向けの酒造り体験塾は11、12の両日、第3弾の仕込み体験会が同社酒蔵で開かれ、市内外から計36人が参加した。もろみ造りのための櫂(かい)入れ作業などを体験し、蔵人の苦労の一端を味わった。最後の工程となるしぼり体験会は12月10日に行われる予定。
 
 酒米の田植えから醸造、製品化まで酒造りの一連の工程を体験できる同塾は今年で25年目。仕込み体験は大槌町の田んぼで育てた岩手オリジナル酒米「吟ぎんが」を使って、清酒「ゆめほなみ(夢穂波)」に仕上げる作業に挑戦する。
 
 12日は参加者13人が4班に分かれ、交代で各作業を行った。60パーセントに精米された約680キロの酒米は高温の蒸気で蒸され、参加者が甑(こしき)から冷却機に移す作業を体験。湯気が立ち上る中、スコップで蒸し米を掘り起こし、機械に乗せるのはなかなかの重労働。暑さと戦いながら頑張った。機械で冷ました米は運搬用の布に受け、2人1組で仕込み場まで運び、酒母が入ったタンクに投入。発酵を促す「櫂入れ」作業で、しっかりかき混ぜた。
 
蒸した酒米を甑から冷却機に移す作業。スコップを持つ手に力が入る

蒸した酒米を甑から冷却機に移す作業。スコップを持つ手に力が入る

 
冷ました米は2人がかりで仕込み場へ運ぶ

冷ました米は2人がかりで仕込み場へ運ぶ

 
タンクに投入された米をかき混ぜる「櫂入れ」

タンクに投入された米をかき混ぜる「櫂入れ」

 
 翌日に使う米を洗う体験も行われた。米の状態に合わせ、吸水時間がきっちり管理されていて、参加者は社員の合図で行動。水を吸った米は白色に輝き、参加者の目を引いた。
 
米を洗って吸水させる。時間は時計を見ながら正確に管理

米を洗って吸水させる。時間は時計を見ながら正確に管理

 
水を吸ってきれいな白色になった米に興味津々

水を吸ってきれいな白色になった米に興味津々

 
 釜石市の会社員千葉勝哉さん(24)は職場の同僚に誘われ初めて参加。「蒸し米掘りは暑いし重いし、汗をかいた。一般向けの体験会をやっているところはなかなかないと思うので貴重な機会。しぼり体験会にもぜひ参加したい」と声を弾ませた。普段は浜千鳥の梅酒をよく飲むということで、参加賞の“漬け梅詰め放題”にもうれしさをのぞかせた。
 
 大船渡市の女性会社員(49)は酒好きの友人と参加。作業の大変さを感じつつ、「酒造りの流れを知ることができて面白かった。櫂入れは甘酒の香りもして…」と大満足の様子。「浜千鳥のお酒は飲みやすい。(作業を体験したことで)次、飲む時、3割増しでおいしくいただけそう」と笑った。
 
 同社の仕込み作業は今季も10月から開始。奥村杜氏によると、今夏の猛暑の影響で原料の米が固く、酒造りには例年にない難しさがあるというが、「いいものを消費者に」と社員一丸となって取り組む。今月29日には新型コロナウイルス禍で中止が続いていた「新酒蔵出し祭り」を4年ぶりに開催予定。奥村杜氏は「対面で商品の感想を聞いたり情報交換したりできるのが楽しみ」と心待ちにする。
 
作業を終え充実感をにじませる参加者。おつかれさまでした!

作業を終え充実感をにじませる参加者。おつかれさまでした!

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震災復興…その先へ 小野共市長が初登庁 目指すは「力強い釜石」 16年ぶりリーダー交代

当選後初登庁し職員の出迎えを受ける小野共市長

当選後初登庁し職員の出迎えを受ける小野共市長

 
 11月12日投開票の釜石市長選で初当選した小野共氏(54)が20日、初登庁した。市政運営のスタートにあたり、職員を前に訓示。「釜石のためになると思うことを自由に思い切ってやってほしい。力強いまちを目指して市民と一致団結し、一直線に進んでいこう」と呼びかけた。
 
 小野氏は午前9時ごろ、職員らが迎えるなか登庁。拍手や花束を受けて本庁舎に入った。市長室のいすに座り、心境を尋ねられると、「市民の大きな負託にこたえる責任の重さが体の中から湧き上がる。身の引き締まる思い」と姿勢を正した。
 
市長室の執務机のいすに座った小野市長

市長室の執務机のいすに座った小野市長

 
 訓示は市役所議場で幹部職員ら約40人を前に行われた。東日本大震災後、これまでの12年間は復興事業の推進が行政の役割だったとした上で、「この先は自治体間の競争がし烈を極める。勝ち抜くための取り組みが必要だ」と指摘。さまざまな重圧の中で震災復興というまちづくりを進めた経験を持つ市職員らの力を高く評価し、「首長の役割は責任を取ること。細かいことは言わない。子どもや孫に最高の釜石を残すという自覚とプライドを持って仕事に臨んでほしい」と求めた。
 
市役所議場で幹部職員を前に初めての訓示

市役所議場で幹部職員を前に初めての訓示

 
 4期16年務めた前市長の任期満了に伴う市長選は5日告示され、小野氏は新人同士の一騎打ちを制して初当選を果たした。掲げた公約は▽地域医療の充実▽産業振興▽子育て支援▽教育の充実―の4つ。「各部署、幹部の声を聞きながら慎重に進めたい」とした。選挙戦となったのは20年ぶりだが、投票率は52.01%と過去最低だった。
 
 小野氏は釜石・唐丹町出身で、米サフォーク大学院修了。商社勤務などを経て2007年に釜石市議に初当選した。1期目途中の10年に県議補選で初当選し、連続4期。21~23年には副議長を務めた。市長の任期は18日から4年間。

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「撓まず屈せず」合言葉に震災復興 釜石・野田武則市長が退任 4期16年…心残りなく

釜石市役所玄関前で退任のあいさつをする野田武則氏

釜石市役所玄関前で退任のあいさつをする野田武則氏

 
 釜石市の野田武則市長(70)は17日、4期目の任期を満了し、退任した。最後の登庁日となったこの日、市職員らを前に訓示。「撓(たわ)まず屈せず―を合言葉に職員、市民とともに歩んだ」と任期の大半を費やした東日本大震災後のまちづくりを振り返り、「多くの努力と思いが一つになったのが釜石の復興。たくさんある可能性に花を咲かせ続けて」と託した。退庁時には市役所本庁舎1階の玄関付近で花束を受け取り、一礼。多くの職員や市民から拍手で見送られ、晴れやかな表情で16年間通った庁舎を後にした。
 
 野田氏は甲東幼稚園(現・甲東こども園)の園長などを経て2003年に県議初当選。2期目だった07年、前市長の死去に伴う市長選に無所属で出馬し、無投票で初当選した。1期目途中に震災が起き、復旧・復興業務に尽力する中で11、15、19年と連続無投票で当選した。
 
 陣頭指揮を執った復興まちづくり事業は震災から12年を経て、今年3月に関連するハード事業が完了。三陸沿岸道路の整備や大型商業施設の誘致、岩手大釜石キャンパスの設置など、まちの再生に力を注いだ。「ピンチをチャンスに。震災前よりもいい街に」と“夢のようなこと”にも挑戦。15年に橋野鉄鉱山の世界遺産登録、19年には新設した釜石鵜住居復興スタジアムでのラグビーワールドカップ開催を実現させた。
 
市職員を前に最後の訓示。4期16年を振り返った

市職員を前に最後の訓示。4期16年を振り返った

 
 この日は庁内各課を回ったり、幹部職員と懇談した後、議場で最後の訓示に臨んだ。「釜石ならではの復興の形はできた」と総括した一方、人口の減少や地域経済の縮小など市民の生活環境は厳しく、「適切に対応できなかったことは反省点」とした。
  
 そして、「悔やんでも悔やみきれない」と無念さをにじませたのは、震災で多くの避難者が犠牲となった鵜住居防災センターでの出来事。「防災センターという名前は簡単につけてはいけない。避難場所ではない所を訓練で使ってはいけない。ハザードマップは100%安全とは言い切れない」と教訓を残した。命の大切さを痛切に実感し、「自分の命、人生を守ることは他人の命、人生も守ること。そんな姿勢であり続ける」のを目指し、つくり上げた防災市民憲章の継承を強く望んだ。
 
 「16年の長い間、ありがとうございます」と協力に感謝した野田氏。懸案となっていた新市庁舎の建設や専門学校の開校も将来の見通しが立ったといい、「心残りなく去ることができる」と肩の荷を下ろした。ただ、課題は残るとし、「次の市長とともに市勢の発展、市民一人一人の幸せのため力を尽くしてほしい」と求めた。
 
多くの市民らに見送られながら市役所を後にした

多くの市民らに見送られながら市役所を後にした

 
 本庁舎前では市民らが待ち構え、花束を渡して「お疲れさまでした」「ありがとう」などの声とともに見送った。

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農作物の恵み 存分に味わう 釜石・橋野 人気の「水車まつり」に市内外から500人

コロナ禍を経て復活2年目の「水車まつり」。市内外から訪れた多くの人たちでにぎわった

コロナ禍を経て復活2年目の「水車まつり」。市内外から訪れた多くの人たちでにぎわった

 
 釜石市橋野町の「水車まつり」が5日、産地直売所・橋野どんぐり広場周辺で開かれた。農作物の収穫を祝う11月初頭の恒例イベントで、17回目の開催。地元産の穀物や野菜を使った各種メニューが提供され、幅広い世代が郷土の食文化に親しんだ。終盤を迎えた山々の紅葉、水車による米つきの実演も楽しみ、同地域の素晴らしさを五感で味わった。
 
 同イベントは橋野町振興協議会(菊池郁夫会長)、栗橋地区まちづくり会議(洞口政伸議長)が共催。地域の魅力を発信しようと季節ごとに開催する、はしの四季まつり(春:八重桜まつり、夏:ラベンダー観賞会、秋:ニジマス釣り大会)の一つに位置付けられる。新型コロナウイルス感染症の影響で2020年以降、全面または一部中止が続いたが、今年ようやく全4イベント開催が実現した。
 
 菊池会長が歓迎の言葉を述べた後、いつも通り餅まきで幕開け。まつり準備にあたった各団体の代表が、紅白餅約1千個を軽トラックの荷台からまいた。もち米は同産直組合員の二本松農園(鵜住居町)が提供。同振興協女性部員が手作りで仕上げた。来場者は放物線を描く餅を目で追い、懸命に手を伸ばした。
 
荷台からまかれる紅白の祝い餅に老若男女が手を伸ばした

荷台からまかれる紅白の祝い餅に老若男女が手を伸ばした

 
子どもも大人も笑顔で餅まきを楽しむ。水車まつり恒例の光景

子どもも大人も笑顔で餅まきを楽しむ。水車まつり恒例の光景

 
 まつり名物のお振る舞いは、地元産野菜がふんだんに入った豚汁。約300食分が用意され、無料で提供された。手打ちそば、きびの焼き団子、雑穀おにぎりは約150~380食分を各100円で販売。開始とともに長蛇の列ができた。そば打ちには鵜住居公民館で定期的に活動する「そばの三たて会」(奥山英喜会長)が18年から協力。地域間連携でまつりを盛り上げている。各メニューは今回も早々に完売した。
 
振興協女性部が作る豚汁は毎回大好評(左)。手打ちそば(右上)、みそだれをかけたきびの焼き団子(右下)も食欲をそそる

振興協女性部が作る豚汁は毎回大好評(左)。手打ちそば(右上)、みそだれをかけたきびの焼き団子(右下)も食欲をそそる

 
お目当てのメニューを求めて長蛇の列ができた

お目当てのメニューを求めて長蛇の列ができた

 
 家族や親族10人で訪れた北上市の岩﨑慎之介君(9)は「手打ちそばが気に入った。ここは来たことがあるけど紅葉の時期は初めて。秋の景色はきれい」と感激。弟隆之介君(7)も「餅を7個拾った。焼いて食べたい。ここに来るとさわやかな気持ちになる」とご満悦。釜石市出身という母静香さん(38)は「具だくさんの豚汁、雑穀おにぎりがおいしかった。豊かな自然の中で子どもたちにはいろいろなことを学んでほしい」と期待した。
 
「どれもおいしい!」笑顔で各種メニューを味わう子どもたち

「どれもおいしい!」笑顔で各種メニューを味わう子どもたち

 
まつり来場者は近年、若い世代の親子連れも多い

まつり来場者は近年、若い世代の親子連れも多い

 
 イベント名にも入る水車は産直隣の親水公園内にあり、同所のシンボル的存在。かやぶき屋根の小屋に併設され、回転の力で中の設備が動く仕組みになっている。同まつりでは普段は公開していない小屋の中を見ることができ、来場者はきねでもみ米をつく様子を見学した。
 
 宮城県の戸田慎治さん(70)は同産直で販売される米粉団子のファンで、妻と共に年に1~2回は同所に足を延ばす。今回は偶然にもまつり開催日と重なり、イベントも楽しんだ。水車小屋では地元の方から「これでついた米はうまい」と教えてもらい、豚汁をはじめ全メニューも堪能。「そばは2杯いただいた。きび団子は素朴な甘さで最高の味わい。こういうイベントは子どもたちの食育にも最適。食の安全への理解、生産者への感謝の気持ちを育む機会になる」と話し、「地域のつながりが感じられる」と継続開催を望んだ。
 
親水公園に建つ水車小屋。まつりでは小屋の中も見学できる

親水公園に建つ水車小屋。まつりでは小屋の中も見学できる

 
小屋の中では水車の力できねを動かす米つきを実演。子どもたちも興味津々

小屋の中では水車の力できねを動かす米つきを実演。子どもたちも興味津々

 
 近年の極端な夏の猛暑や秋になっても続く残暑は、農作物生産者にとって悩みの種。栽培管理の苦労は年々増大する。同産直の藤原英彦組合長は「例年だと9月いっぱいは出るトマトの出荷が今年は早めに終了。米は暑さの影響は多少あったものの、幸い台風の直撃がなく、収量は例年並み。冬野菜のダイコンやハクサイは残暑の影響で成長が遅れている」と話す。野生動物による食害も生産者を悩ます。「今年は全国と同様、クマが異常に多い。クリもかなりやられ、出荷もいつもより少ない」と藤原組合長。猛暑と獣被害への今後の対策に課題を示した。
 
産直「橋野どんぐり広場」には地元産の野菜が並ぶ。これからはダイコンやハクサイが出始める

産直「橋野どんぐり広場」には地元産の野菜が並ぶ。これからはダイコンやハクサイが出始める

 
 同市では3日に最高気温26.6度を記録。同まつり開催時の同所の気温は12度で、来場者は急激な温度変化にも驚きながら、季節の移り変わりを肌で感じていた。

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ターゲットは石!?…近代製鉄発祥の地で宝探し こどもエコクラブ 釜石鉱山周辺の自然体感

釜石鉱山で鉱石探しを楽しむ子どもたち

釜石鉱山で鉱石探しを楽しむ子どもたち

  
 釜石市は、製鉄の町。良質な鉄鉱石が豊富にあることもあって、江戸時代末期には甲子町大橋に建設された洋式高炉で日本初の鉄鉱石を用いた製鉄(連続出銑)に成功し、近代製鉄発祥の地として知られる。が、釜石にあるのは鉄鉱石だけではない。採掘時には別の鉱石に出合うこともあり、中には“宝石”を隠しているものも。その宝を求め、子どもたちがトレジャーハントに挑んだ。
  
 宝探しは3日、発祥の地・釜石鉱山周辺で行われた。子どもたちが身近な自然に親しみながら環境保護の意識を育む「こどもエコクラブ」(市主催)の活動として企画。子ども会員約40人に保護者も加わり、80人ほどのハンターが集まった。
 
宝探しに備えて工藤さん(右)から知識を仕入れる

宝探しに備えて工藤さん(右)から知識を仕入れる

 
 鉱山の歴史に関する資料を展示公開する旧釜石鉱山事務所の見学から開始。施設の管理を担当する工藤淳子さん(市世界遺産課)が案内し、子どもたちは鉱物室に並ぶ産出岩石からターゲットとなる石の特徴を確認した。
  
 さまざまな石が積まれた敷地内の一角に移動して鉱石採取に挑戦。ターゲットは▽鉄鉱石▽銅鉱石▽柘榴(ざくろ)石▽灰鉄輝石▽緑簾(りょくれん)石▽結晶質石灰石-など9種類。ハンターは色や模様、磁石がくっつくかなどの情報を頼りに探し、工藤さんが種類を確認した。
 
鉄鉱石や一緒に採掘された鉱石が積まれた山 

鉄鉱石や一緒に採掘された鉱石が積まれた山

  
「これがいいんじゃない?」鉱石探しにみんな夢中

「これがいいんじゃない?」鉱石探しにみんな夢中

 
「これだ!」と手にした石を自慢する子どもたち

「これだ!」と手にした石を自慢する子どもたち

  
 柘榴石狙いの福士大成君(甲子小4年)は、集めた石を市職員にハンマーで割ってもらい、見事に宝石ガーネットの結晶をゲット。「よし!」と破顔した。もともと石に興味はあったが、エコクラブの活動で視野の広がりを実感。「知らなかったことを学べるし、いろんな人と交流できるから楽しい。鉄の歴史や文化をもっと勉強してみたい」と目を輝かせた。
  
石割り作業を興味深く見つめる子どもたち

石割り作業を興味深く見つめる子どもたち

 
「誰だキミは?」「ガーネットです」。お宝ゲット

「誰だキミは?」「ガーネットです」。お宝ゲット

 
こちらは緑簾石。「エピドートの結晶だ」

こちらは緑簾石。「エピドートの結晶だ」

  
 ほかにも、重みのある石を割ると銅が混じっていたり、白い石が「大理石だね」と確認されたり、参加者はそれぞれ宝を手にした。中には複数の特徴が見られ判断に迷うものがあり、「自分で調べてみる」と探究心をくすぐられた子も。鉱石探しを通じ、鉄とともに歩んできた地域のルーツに触れた。
  
 最後はネイチャーゲーム体験。自然の中に置かれた人工物の数を見極める「カモフラージュ」で、観察の目を養った。伸び伸びと遊びまわる子どもたちの姿を少し離れた場所から見守っていた福士君の父大輔さん(42)は「自然に触れることで、気づきを得られる。言いたいことはあるけど、口は挟まない。自分から行動することで何かを感じてもらえたら」と期待。エコクラブの活動は年に6回ほど計画されるが、「増やしてほしい」と望んだ。
  
人工物(黄色い囲み)を探すネイチャーゲームも体験

人工物(黄色い囲み)を探すネイチャーゲームも体験

 
宝を求めて集ったハンターは秋色も満喫する

宝を求めて集ったハンターは秋色も満喫する

 
 エコクラブサポーターの加藤直子さんは、大橋での鉄づくりの成功にちなんで制定された「鉄の記念日」(12月1日)に触れながら、「たくさんの人が働きながら頑張ってくれた場所。そこで使われたのが、地球の中にある土や石」などと自然環境と人間のかかわりを伝えた。鉄づくりの歴史から地球の成り立ちや、石の生成過程に興味持ってもらうのが狙い。周囲は秋色が増し、色づいた木々の葉が落葉していて、「冬の準備を始めている」と季節の移ろいを感じる楽しさも共有した。
  
 これまで生物や星空の観察を実施。昆虫採集は天候の影響で中止したが、番外編的に市外での屋外活動・キャンプを催した。次回は12月上旬に海の生物観察会(ウニの解剖など)を予定。来年1~2月ごろの活動も計画中だ。
 
 

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「悼む・忘れない・伝える」釜石・片岸町に震災大津波記念碑 待望の完成 教訓を確実に後世へ

片岸町に建立され、4日に除幕された「東日本大震災大津波記念碑」

片岸町に建立され、4日に除幕された「東日本大震災大津波記念碑」

 
 東日本大震災の津波で町内の8割が被災、33人が犠牲になった釜石市片岸町に、住民の思いが詰まった大津波記念碑が建立された。犠牲者を悼み、教訓を伝え、未来の命を守ろうと、片岸町内会(鈴木匠会長、121世帯)が建立実行委(委員長=鈴木町内会長)を組織し、実現に向け取り組んできた。津波で破壊された神社の鳥居、石橋を石材として活用。「人」の形に組んで地域の支え合いを表現するなど、デザインにもこだわった。住民だけでなく多くの人に立ち寄ってもらい、津波の教訓を感じ取ってもらうことを期待する。
 
 4日、記念碑の除幕式が現地で行われ、住民や関係者約80人が出席した。海に向かって黙とうをささげたあと、実行委の鈴木委員長(71)があいさつ。かさ上げを含む土地区画整理事業の長期化、新型コロナウイルス禍の影響で、これまで建立がかなわなかった経緯を説明した上で、「亡くなった人にみんなで手を合わせ、思い出す場が欲しかった。復興の象徴にもしたかった。未来につながる防災の決意をここで示していきたい」と碑に込めた思いを明かし、協力者に深く感謝した。町内の子どもらが除幕。完成した記念碑が姿を現した。
 
式の冒頭、海の方角に向かって震災犠牲者に黙とうをささげる出席者

式の冒頭、海の方角に向かって震災犠牲者に黙とうをささげる出席者

 
片岸町内の子どもたちの手によって記念碑の除幕

片岸町内の子どもたちの手によって記念碑の除幕

 
 同記念碑は片岸稲荷神社への上り口付近の私有地(永年貸与)に建立。横幅6.5メートル、奥行き2.5メートルの台座に据えられた。正面向かって左側に、津波で倒壊した同神社鳥居の笠木部分を組んだ「人」という字のモニュメント(高さ2.5メートル、花こう岩)を設置。中央の2本の石柱は鳥居の柱部分を使ったもので、1本は「東日本大震災大津波記念碑」と刻字、もう1本には町内の中高生6人が考えた未来に伝えたい教訓を名前と共に四方に刻んだ。右側の町民から寄付された石には、被害の概要と記念碑に込めた思いが文章で刻まれた。台座には神社の石橋だったものが使われた。
 
中央の石柱のうち1本には、中高生が考えた未来に伝えたい言葉が刻まれた(写真両端)

中央の石柱のうち1本には、中高生が考えた未来に伝えたい言葉が刻まれた(写真両端)

 
台座の右側に設置された碑文。石材は町民が寄付

台座の右側に設置された碑文。石材は町民が寄付

 
 建立された記念碑の近くには山裾に並ぶ形で、被災後に再設置された明治、昭和の三陸大津波の記念碑、江戸時代の神社関連の石碑群などもある。目の前には市が整備した片岸稲荷公園が広がり、同所は国道45号からも見通せる。
 
 式の中で町内に暮らす藤原菜穂華さん(大槌高1年)は震災の記憶がない、経験していない中高生が考えた言葉について「感慨深い。ぜひ見ていただきたい」と話し、「なぜここに記念碑ができたのか、一人一人が考えてくれたら」と思いを込めた。
 
上段:今回設置した記念碑の近くには昭和と明治の三陸大津波記念碑が並ぶ(右側)下段:記念碑は国道45号からも見える場所にある

上段:今回設置した記念碑の近くには昭和と明治の三陸大津波記念碑が並ぶ(右側)下段:記念碑は国道45号からも見える場所にある

 
左:遺族代表であいさつする山﨑長也さん(前片岸町内会長)右:中高生の言葉について思いを述べる藤原菜穂華さん

左:遺族代表であいさつする山﨑長也さん(前片岸町内会長)右:中高生の言葉について思いを述べる藤原菜穂華さん

 
 片岸町は市の北部に位置し、大槌町に隣接する。同震災で当時の住民662人のうち33人が犠牲になり、家屋252軒中199軒が被災した。前町内会長の山﨑長也さん(87)は妻トシさん(当時73)が行方不明のまま。式で遺族を代表してあいさつし、「(犠牲になった家族を)思い起こすたび心が定まらないが、碑ができたことで亡くなられた方、遺族の方々も幾分、心安らかになるのではないか。通りがかった方々も手を合わせていただければ」と願った。
 
 「間もなく(震災から)13年。これまでみんなでやってきたことがこれに凝縮されたような気持ち。一つのけじめができたと思う」と鈴木委員長。今回、町内5カ所の津波到達地点には「これより高台に逃げろ」と刻んだ石柱も設置した。総事業費は約200万円で、資金は住民や町内の団体からの寄付金で賄われた。
 
記念碑について出席者に説明する鈴木匠実行委員長(右)

記念碑について出席者に説明する鈴木匠実行委員長(右)

 
完成した記念碑に献花する出席者

完成した記念碑に献花する出席者

 
震災犠牲者の冥福を願い、祈りがささげられた

震災犠牲者の冥福を願い、祈りがささげられた

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「魅力ある釜石」へ 社会福祉、郷土芸能継承、防災…各分野で活躍 市勢功労者に12人

市勢の発展に貢献し功労者表彰を受けた市民ら

市勢の発展に貢献し功労者表彰を受けた市民ら

  
 釜石市は10月30日、大町のホテルクラウンヒルズ釜石で2023年度の市勢功労者12人(自治功労9人、特別功労3人)を表彰した。野田武則市長は「行政では力の及ばない課題も多く、市民の協力が不可欠。培ってきた豊かな識見と経験のもと、一層の協力を」と式辞。受賞者を代表して沼澤庸(いさお)さん(88)が「市民が安心して暮らせるまち、より魅力的なまちとなるよう新たな気概で力を尽くす」と謝辞で応えた。
  
代表して謝辞を述べる沼澤庸さん

代表して謝辞を述べる沼澤庸さん

  
まちの発展に尽くす気持ちを新たにする受賞者ら

まちの発展に尽くす気持ちを新たにする受賞者ら

  
功労者と功績は次の通り。
【自治功労表彰】
▽伊藤悦子さん(75)=小川町 2000年から通算22年間、民生委員・児童委員を務める。小佐野地区委員協議会長の要職も務め、社会福祉の増進に貢献
▽岩間久一さん(66)=浜町 1991年に釜石虎舞保存連合会を設立以来、会長を継続。こども園などでも指導し、郷土芸能の発展と継承に貢献市
▽後川司さん(70)=唐丹町 消防団員として47年間にわたり地域防災の任に当たるとともに、市消防団第8分団長の要職を務め、民生の安定に貢献
▽小野寺喜代子さん(76)=鵜住居町 2007年から通算15年間、民生委員・児童委員を務める。鵜住居地区委員協議会長の要職も務め、社会福祉の増進に貢献
▽川﨑喜久治さん(73)=栗林町 消防団員として43年間にわたり地域防災の任に当たる。市消防団第7分団長、市消防団長の要職も歴任し、民生の安定に貢献
▽沼澤庸さん(88)=上中島町 統計調査員として55年間にわたり業務を遂行。2009年から通算13年間、市統計調査員協議会長を務め、行政運営の進展に貢献
▽前川耕一さん(70)=平田町 消防団員として44年間にわたり地域防災の任に当たるとともに、市消防団第3分団長の要職を務め、民生の安定に貢献
▽村上輝子さん(77)=中妻町 06年から通算16年間、行政連絡員を務める。釜石地区会長の要職も務め、行政運営の進展に貢献
▽八幡哲夫さん(74)=橋野町 07年から通算15年間、民生委員・児童委員を務める。栗橋地区委員協議会長の要職も務め、社会福祉の増進に貢献
  
【特別功労表彰】
▽菊地次雄さん(82)=大平町 19~22年まで通算3年間、釜石商工会議所会頭を務め、地域経済の発展と東日本大震災の復旧・復興の推進に貢献
▽木村琳藏さん(76)=唐丹町 19~23年まで通算4年間、市議会議長を務め、地方自治の伸展と市勢の振興発展に貢献
▽丸木久忠さん(75)=大町 03~23年まで通算20年間、市社会福祉協議会長を務め、社会福祉の増進と地域福祉の推進に貢献
 
 

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標高差400メートル 急峻の難コースに243人挑む 復活!かまいし仙人峠マラソン大会

4年ぶりに開かれた「かまいし仙人峠マラソン大会」=10月29日

4年ぶりに開かれた「かまいし仙人峠マラソン大会」=10月29日

 
 第14回かまいし仙人峠マラソン大会(同実行委主催)は10月29日、釜石市甲子町大橋の旧釜石鉱山事務所を発着点に行われた。新型コロナウイルス感染症の影響で2020年から3年間中止されてきたが、今年待望の復活を遂げた。全国から集まった17~89歳の男女243人が出場。雨が降ったりやんだりのあいにくの空模様となったが、見ごろを迎えた美しい紅葉や沿道の声援に力をもらい、日本屈指の難コースを走り切った。
 
 大会はこれまで、大松で折り返す10キロコース(標高差約160メートル)と仙人トンネルまでを往復する峠コース=17.2キロ(同約400メートル)の2コースで行われてきたが、今回は約10キロに短縮した峠コースに絞って実施。エントリーした281人のうち243人が出場した。
 
 開会式で小泉嘉明実行委会長(市体育協会長)、野田武則市長が参加者を歓迎。ゲストランナーとして招かれたマラソン“川内3兄弟”の三男川内鴻輝さん(出場3回目)、山岳ランニングで国内トップの吉住友里さん(同2回目)が同コースの魅力を話し、「一緒に頑張ろう」と呼び掛けた。
 
参加者の憧れ、ゲストランナーの川内鴻輝さん(右)と吉住友里さん(左)

参加者の憧れ、ゲストランナーの川内鴻輝さん(右)と吉住友里さん(左)

 
 午前10時、小泉会長の号砲で一斉にスタート。陸中大橋駅方面へ約1キロ下った後、国道283号に出て約4キロの上り坂へ。遠野市との境、仙人トンネル手前の折り返し地点までひたすら続く坂道を駆け上がった。復路は一転、下り坂へ―。最後の難関はスタート直後に下った坂道。今度はゴールまで上る形となり、参加者は残る体力と精神力で完走を目指した。ゴール付近では、仲間や家族が声援を送り、完走後は共に喜びを分かち合った。
 
午前10時、旧釜石鉱山事務所前を一斉スタート

午前10時、旧釜石鉱山事務所前を一斉スタート

 
大橋トンネルを抜け、仙人峠頂上を目指す参加者

大橋トンネルを抜け、仙人峠頂上を目指す参加者

 
ゴールまであと少し。熱い声援を受け、最後の力を振り絞るランナー

ゴールまであと少し。熱い声援を受け、最後の力を振り絞るランナー

 
釜石市でダンス教室を開く澤田稔さん、美世子さん夫妻は手を取り合ってゴール!

釜石市でダンス教室を開く澤田稔さん、美世子さん夫妻は手を取り合ってゴール!

 
 全参加者中、トップでゴールしたのは宮古市の宇部雄太さん(25)。タイムは39分57秒で、2位と約2分の差をつけた。レース後、男女年齢別6部門で1~6位を表彰した。
 
後続を引き離し、トップでゴールした宇部雄太さん(左)。復路の2位争いはデッドヒート(右)

後続を引き離し、トップでゴールした宇部雄太さん(左)。復路の2位争いはデッドヒート(右)

 
6部門で1~6位を表彰。入賞者には賞状や記念品が贈られた

6部門で1~6位を表彰。入賞者には賞状や記念品が贈られた

 
 最年少参加者で今大会唯一の高校生、遠野高2年の佐々木寧音さん(17)は「思ったよりきつい。今まで走ったことがない難コース」と驚きの初体験。父譲さん(47)の影響で小学校から長距離走を始め、同大会も父の背中を見て応募した。初の親子参加に「感無量。よくゴールした。一緒に完走できてうれしい」と喜ぶ譲さん。自身は今回で3回目の参加だが、峠コースは初挑戦。「足がやられた。でも完走できたので自分を褒めたい」。一緒にトレーニングに励むこともある寧音さんを「心の友」と表し、「東京マラソンに出てみたい」と目標を掲げる愛娘に温かいまなざしを向けた。
 
最年少、唯一の高校生参加者の佐々木寧音さん(左)は選手宣誓も務めた。父譲さんと完走の喜びを分かち合う(右)

最年少、唯一の高校生参加者の佐々木寧音さん(左)は選手宣誓も務めた。父譲さんと完走の喜びを分かち合う(右)

 
 釜石移住の仲間と初挑戦したのは、同市に移住して1年の会社員三浦万侑さん(25)。写真で見た仙人峠の紅葉に魅せられ「楽しめそう」と申し込んだが、「坂、やばいです。折り返し前、中盤ぐらいが一番きつかった」と苦笑い。長距離走自体経験がなく、普段はたまにスポーツジムで汗を流す程度。大会2~3週間前から3~4キロ走るのを繰り返し、本番に臨んだ。「(成果は)出せたと信じたい。制限時間内にゴールできたので」。雨ながら肉眼で見る紅葉は格別で、「感動です。途中で写真も撮りました」と記憶と記録に残した。
 
釜石移住者仲間で参加したこちらのグループは全員完走。喜びの笑顔を輝かせた

釜石移住者仲間で参加したこちらのグループは全員完走。喜びの笑顔を輝かせた

 
 職場の仲間での参加も同大会おなじみの光景。今回、釜石税務署の職員4人は11月11日から始まる「税を考える週間」をPRしようと、そろいのTシャツ姿で初参加した。背中にはQRコードを大きくプリントしてアピール。伊東亮将さん(26)は「想像以上のしんどさ。上り坂で何回も心が折れかけたが、何とか気合いで乗り切った」。大和田純さん(28)は「税の広報もでき、全員完走。かなりの達成感。明日からまたみんなで仕事を頑張れそう」。応援に駆け付けた石亀博文署長(58)は「若い職員が何かできないかと考え、自ら行動してくれた。Tシャツも大会のために準備したもの。税に目を向けるきっかけ作りに頑張ってくれたことに感謝したい」と奮闘をたたえた。
 
「税を考える週間」をPRするTシャツ姿で走る釜石税務署の職員ら

「税を考える週間」をPRするTシャツ姿で走る釜石税務署の職員ら

 
完走した釜石税務署の大和田純さん(左)、安保充さん(中左)、伊東亮将さん(右)と石亀博文署長(中右)

完走した釜石税務署の大和田純さん(左)、安保充さん(中左)、伊東亮将さん(右)と石亀博文署長(中右)

 
 今大会参加者の最年長は花巻市の仙内直衛さん(89)。同大会には所属する花巻走友会の仲間とほぼ毎回参加している。自身のスタイルを「“ずぼら”走だ。自分を追い込まず、完走できればいいという感じ」と屈託なく笑う。マラソンは50歳から始め、72歳までフルマラソンにも出場。「完走すると気分がいい。若い人たちと一緒に走れるのは楽しい」と心を躍らせる。今回も無理なく走り切った。
 
「最高齢者賞」を贈られた花巻市の仙内直衛さん(左)と松岡マヨ子さん(右)。年齢を感じさせない健脚ぶりに拍手!

「最高齢者賞」を贈られた花巻市の仙内直衛さん(左)と松岡マヨ子さん(右)。年齢を感じさせない健脚ぶりに拍手!

 
 仙内さんは、女子の最年長松岡マヨ子さん(77、花巻市)とともに「最高齢者賞」を受賞。最も遠くからの参加者に贈られる「遠来賞」は鹿児島県南さつま市から参加の中村貴子さん(45)が受賞した。
 
 同大会は2010年にスタート。翌11年に東日本大震災が発生したが、「復興への峠を駆け上がれ」の合言葉のもと、大会は途切れることなく続けられた。12年の第3回大会で参加者数1011人と最多を記録している。今大会は3年間のブランクを経ての開催ということで、運営体制などを考慮し規模を縮小した。参加者からは大松コースの復活を望む声もあり、実行委では来年以降の形態を再度、検討していく。
 
ハロウィーン仕様のカラフル衣装で選手を応援。力をもらったランナーが急勾配の坂を駆け上がる

ハロウィーン仕様のカラフル衣装で選手を応援。力をもらったランナーが急勾配の坂を駆け上がる

 
仮装ランナーは今年も健在。沿道の人たちを楽しませた

仮装ランナーは今年も健在。沿道の人たちを楽しませた

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まちをつなぎ“治す” 「社会的処方」取り入れ地域づくり 釜石では?フォーラムで共有

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釜石市民が地域活動で育てた野菜などを並べた物販コーナー

  
 地域で何らかの課題を抱える人たちに、薬を処方するように必要な“つながり”を提案する「社会的処方」と呼ばれる試みがある。その視点を生かした住民の社会参加と地域活動の進め方を考える「かまいし地域づくりフォーラム」(釜石市主催)が10月28日、大町の市民ホールTETTOで開かれた。講演や事例発表に加え、市内8地区にある各生活応援センターの活動紹介・物販を初めて企画。互いの活動を見聞きし、今後の活動のヒントを探った。
 
 地域で暮らす人が社会的に孤立してしまう前に、抱えた課題を解決する薬(地域の活動やサービスなどの資源)を処方(つながりの支援)することで、コミュニティーの維持や個々の幸福度向上を目指すもの。地域に根差した活動を知ることで、参加しやすく相談しやすい、手を伸ばせる環境をつくる狙いがある。
 
 地域活動の盛り上がりを感じてもらおうと、物販を初企画。各応援センターでは住民活動を支える取り組みとして野菜栽培などを行っており、その産物、大根や白菜、ホウレンソウなどを安価で売り出した。小佐野地区は、東日本大震災直後に仮設住宅で暮らす人を支えようと地区住民らが立ち上げた「小川ふれあい産直」、栗橋地区は「みんなで助け合って共同作業」を合言葉に活動するグループ「結い姫」が品物を陳列。鵜住居地区は、復興住宅の入居者がプランターで育てたジャガイモを無料で配った。
 
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市内各地区の生活応援センターがパネルで活動紹介

 
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栗橋地区の「結い姫」は手作りした菓子などを売り出した

 
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釜石地区の子どもたちは育てたサツマイモをプレゼント

 
 釜石地区は、児童を対象にした放課後子ども教室での活動を紹介した。センターがある青葉ビルの敷地内に設けた農園で子どもたちが育てたサツマイモを来場者にプレゼント。「もらってください」と元気に呼び込みをした根元璃玖君(釜石小4年)は「初めてで緊張したけど、頑張った。おいしく、大きくなればとみんなで育てたものを喜んでもらえた」と笑った。
 
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後藤純特任准教授(写真左上)の講演に耳を傾ける釜石市民ら

 
 東海大建築都市学部特任准教授の後藤純さんが「新時代の地域コミュニティー形成」をテーマに基調講演。まちをつなぎ“治す”5つのポイント(子どもの教育への再投資、交流機会の再生など)を伝えた。
 
 事例発表では平田地区の住民交流の場「つながるカフェ」、小佐野地区の認知症サポーターチーム活動が紹介された。後藤さんは「一方が支えてもらいっぱなしにはしない。単発ではなく、活動がつながっていくように新しく生み出していって」「若い世代につなげていくのが課題。減らさず、増やしていくのが大事。そして女性は元気。今度は男性にどう広げるか考えていくことも必要だ」など助言した。
 
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事例発表では高齢者らの交流を促す活動が紹介された

 
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認知症サポーターの活動で取り組む寸劇も披露された

 
 平田いきいきサークルが活動発表。聴講者を巻き込みながら健康体操を披露した。メンバーの西村敏雄さん(85)は「体を動かすのがいい。みんなに会えるのが楽しみで、自然と笑顔になる」と、住み慣れた地域の良さを伝えられたと満足げだった。
 
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「お互い元気で頑張ろう」。フォーラム参加者全員で健康体操

 
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海藻アカモクをPRする釜石湾漁協白浜浦女性部(左)

 
 平田地区は物販で、釜石湾漁協白浜浦女性部が未利用資源の海藻アカモクなどを販売した。釜石は脳卒中死亡率が極めて高く、塩分の排出効果があるカリウムの含有量が多いというアカモクを使って市民の健康を守ろうと精力的に活動。佐々木淳子部長(68)は「部員の生きがいになっている。細々とした取り組みだが、地域の活性化につながれば」と話す。このフォーラムは他地域の取り組みを知る機会と強調。女性部の活動に生かせるヒントを探りつつ、「健康づくりを広げていきたい」と目標も見いだした。

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釜石に「富来旗チアチームを」カラーガード体験会初開催/SWプレシーズンマッチホーム最終戦結果

釜石で初めて開かれた「カラーガード体験会」=TETTO前広場

釜石で初めて開かれた「カラーガード体験会」=TETTO前広場

 
 色とりどりの旗や木製ライフルなどを用いて音楽に合わせて演技する「カラーガード」の体験会が10月22日、釜石市大町の市民ホールTETTO前広場で開かれた。企画したのは、ラグビーの日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)オフィシャルサポーターを務めるモデル、フリーリポーターの葛巻舞香さん(39)。SWの応援でもおなじみの大漁旗=地元では富来旗(フライキ)ともいう=を使った釜石ならではのチアチームを作ろうと、初めて開催した。今後、体験会を重ねながらチーム発足を目指す。
 
 盛岡市を拠点に活動する本県唯一のカラーガードチーム「arbre(アルブル)」から出戸亨子代表とメンバーの小学、高校生4人が来釜。映画やアニメ作品で使われた3曲に合わせて短い演技を披露し、集まった市民らにカラーガードについて紹介した。
 
 カラーガードは軍隊に由来する団体競技。マーチングでフラッグ(旗)、ライフル(銃)、セイバー(剣)などの手具を用いて演技し視覚的効果を担うほか、大会で技を競う。アルブルはマーチングの東北大会出場、地域イベントへの出演、バスケットボールの岩手ビッグブルズのハーフタイムショーでの演技披露など多彩に活動する。
 
岩手のカラーガードチーム「arbre」が音楽に合わせた演技を披露

岩手のカラーガードチーム「arbre」が音楽に合わせた演技を披露

 
指導にあたったarbreの出戸亨子代表(左)と体験会を企画した葛巻舞香さん(右)

指導にあたったarbreの出戸亨子代表(左)と体験会を企画した葛巻舞香さん(右)

 
最初は旗の持ち方や回し方など基本的動作を練習

最初は旗の持ち方や回し方など基本的動作を練習

 
 本体験会は葛巻さんらが進める「釜石富来旗チアチーム発足プロジェクト」の第一歩として開催。カラーガードを知ってもらうところから始め、参加者が簡単な振り付けに挑戦した。30分ほどの練習で旗を回したり掲げたりする一連の動きができるまでに…。最後はアルブルのメンバーと一緒に演技し、2チームに分かれて客観的に演技を見合う体験もした。
 
 昨年11月から同市の地域おこし協力隊として活動する竹中伸明さん(35)は「音楽に合わせて体を動かしたり、みんなの動きがバシッとそろったりするところが楽しい。扱いやすい旗の持ち方も教わり、重さもあまり感じない」と笑顔で体験。ラグビー関連の活動に力を入れていて、「試合の応援だけでなく、こういう演技がスタジアムに足を運ぶ要素になれば。うのスタに新たな景色が生まれるといい」と期待する。
 
 市内で働く会社員女性(36)は「今、体験したぐらいの運動量なら子どもから年配の方までできそう。大勢でやれたら、きっとすごい迫力。釜石SWのいい力にもなれるのではないか。ぜひ、市民の皆さんと一緒にやってみたい」とチーム発足を願った。
 
体験会の最後は全員で短い演技を披露。カラフルな旗が華やかに舞う

体験会の最後は全員で短い演技を披露。カラフルな旗が華やかに舞う

 
うのスタの釜石SW戦での披露を目指し、富来旗チア発足のためのプロジェクトがスタート!

うのスタの釜石SW戦での披露を目指し、富来旗チア発足のためのプロジェクトがスタート!

 
 自身も初めて体験するという葛巻さんは「旗がはためいたり、きれいに開いたりするとすごく気持ちがいい。これが大漁旗だったら、かっこいいだろうなぁ…」。同市で頑張る人たちとのつながりも期待し、「地元のいろいろな踊りともコラボ可能。釜石をさらに盛り上げていければ」とチーム発足へ思いを強くする。来年3月に釜石鵜住居復興スタジアムで行われる釜石SW戦での披露を目標に掲げる。
 

釜石SWプレシーズン第4戦 トヨタヴェルブリッツと 課題のスクラム改善 プレーの質向上目指す

 
プレシーズンマッチでトヨタヴェルブリッツと対戦した釜石SW(赤ジャージー)

プレシーズンマッチでトヨタヴェルブリッツと対戦した釜石SW(赤ジャージー)

 
 ジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は10月21日、釜石鵜住居復興スタジアムで同1部のトヨタヴェルブリッツと対戦した。プレシーズンマッチ4戦目で、ホームでは開幕前最後の試合。21-57の大差で敗れたが、課題のスクラムなどで相手にプレッシャーを与える場面も見られ、着実に力をつけていることをうかがわせた。
 
 釜石は前半、ブレイクダウンでのプレッシャー、速いテンポの攻撃などトヨタの強さに押され、5トライを奪われた。28分にラインアウトモールから認定トライ、36分にもモール攻撃でナンバー8セタ・コロイタマナがトライ(SO落和史ゴール成功)を決め、14-31で折り返した。後半もトヨタ選手の質の高いプレー、堅いディフェンスに阻まれ、苦しい時間が続いた。釜石の得点は14分、後半出場のナンバー8サム・ヘンウッドの中央へのトライ(落ゴール成功)。トヨタにさらに3トライを重ねられた釜石は21-57で敗れた。
 
後半14分、サム・ヘンウッドが相手をかわして走り込み、中央にトライ

後半14分、サム・ヘンウッドが相手をかわして走り込み、中央にトライ

 
後半は一時的に雨と風が強まり、観戦客は屋根のある場所などに避難

後半は一時的に雨と風が強まり、観戦客は屋根のある場所などに避難

 
 試合後、須田康夫ヘッドコーチ(HC)は「負けてしまったが、(強化してきた)スクラムは低さという部分で改善が見られ、今後の自信につながる」。WTB小野航大主将は「セットではある程度ボールを確保できていたが、ラインスピードを上げてプレッシャーをかけたいディフェンスが思うようにできなかった」と反省。自分たちの強み、目指すべきところを明確にする必要性を示した。
 
 プレシーズンマッチは残り2試合が確定。次回は11月11日、NEC我孫子グラウンドでNECグリーンロケッツ東葛と、同18日は夢の島競技場で清水建設江東ブルーシャークスと対戦する。
 
 これまでは昨季、出場機会が少なかった選手、若手選手らを中心に起用し、チームの底上げを図ってきた釜石SW。12月のリーグ開幕に向け、須田HCは「昨季、いいパフォーマンスを見せたメンバーも含め、今後SWとしてのトップチームを作りあげていく予定。コミュニケーション、プレーの質も向上し、一段違うSWが見られるのではないか」と期待。小野主将は「選手にとってはさらに競争意識を高め、トップチームに入っていくことが焦点になる。今年、やろうとしていることをどれだけ表現できるかがポイント。今季の開幕に向け、見通しのたつような試合にしたい」と意気込んだ。
 
 釜石SWの開幕戦は12月10日。釜石鵜住居復興スタジアムで豊田自動織機シャトルズ愛知と対戦する。
 
この日は『黄金の國、いわて。』Presents招待試合として行われ、トヨタチームに県産米などが贈られた

この日は『黄金の國、いわて。』Presents招待試合として行われ、トヨタチームに県産米などが贈られた

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お待たせ!釜石の秋味・甲子柿 生産組合、目揃会 出荷へ気合「まだこれから」

真っ赤に色づいた甲子柿。出荷が始まった

真っ赤に色づいた甲子柿。出荷が始まった

 
 釜石市特産の甲子柿が出荷シーズンを迎え、甲子柿の里生産組合(佐々木裕一組合長、23人5団体)は10月27日、品質を確認する「目揃(めぞろえ)会」を開いた。今年は天候の影響で収穫前に落果したり実の色づきも遅れていたが、出荷量は例年並みとなる見通し。新規就農者が仲間入りという明るい兆しも加わり、組合員らは甘くとろける伝統の味を全国に届けようと意気込む。
 
 甲子町の洞関地区コミュニティ消防センターで開かれ、関係者ら約20人が参加。生産者10人が化粧箱に詰めた柿を持ち寄り、仕上がりを確認した。今年は春先まで霜が降りたり夏場は異常な高温が続いたうえ、収穫を目前にした10月上旬の強風により実が落下。ただ、大きめの実は風に負けず残っていて収量は予想より上向きになる見通しだ。
 
目揃会で出来を確かめる生産者ら

目揃会で出来を確かめる生産者ら

 
 初参加の内舘靖さん(54)は今年、千葉県船橋市からUターンして本格的に甲子柿づくりに取り組む。生産技術者という理系分野からの転身で農業分野の生産は手探りだったというが、「先輩方の足元くらいの出来栄えにはなったかな」とほっと一息。形や色つや、美しさはまだまだと身に染みていて、「追いつけるように」と前を向く。地域を出たことで「当たり前だと思っていた秋の味覚が普通ではない」と認識したのが帰郷のきっかけ。地域の魅力を生かし、「伝統を残したい」と意欲を見せた。
 
新人(右)と先輩生産者が情報交換

新人(右)と先輩生産者が情報交換

 
鮮やかな色とぷるんとした食感が特徴の甲子柿

鮮やかな色とぷるんとした食感が特徴の甲子柿

 
 甲子柿は、小枝柿を「柿室(かきむろ)」と呼ばれる暗室で1週間ほどいぶして渋抜きするのが特徴。完熟トマトのように真っ赤に色づき、“ぷるん”とした食感になる。出荷作業は11月中旬まで続く見込み。佐々木組合長(72)は「厳しい天候が続いたが、おいしく仕上がった。みずみずしい甘さを味わってもらえたら。新規就農もあり、品質の統一を図りながら地域の味を届けていきたい」と力を込めた。
 
 市内の産直や一部スーパーでは昨年より10日ほど遅れて店頭を彩るように。道の駅釜石仙人峠(甲子町)では秋味を待っていた人たちが手に取り、あっという間に「完売」になるという。佐々木雅浩駅長は「まだこれから。地域を発信し、活性化させる味をより多くの方に提供したい」と腕まくり。小型ののぼり旗を用意し、生産者を知ってファンになってもらう取り組みなどで味の伝承を応援する。
 
道の駅釜石仙人峠の店頭に並ぶ甲子柿

道の駅釜石仙人峠の店頭に並ぶ甲子柿

 
 同組合では市外への認知度アップを目指し、▽イオン盛岡店内「もりおかん」販売会(11月4日)▽仙台藤崎百貨店GI産品フェア(10-12日)―への参加を予定する。

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10/31は「ハロウィーン」 平田公民館で子どもらが異文化学ぶ 手形アートや仮装撮影も 

平田公民館でハロウィーンパーティーを楽しむ子どもら=26日

平田公民館でハロウィーンパーティーを楽しむ子どもら=26日

 
 今日10月31日は「ハロウィーン」。米国では祝祭日で、先祖の霊を迎えるとともに悪霊を追い払う日とされる。日本では若者らが仮装して楽しむ姿がクローズアップされがちだが、本来の意味や海外の風習などを知ってもらおうと、釜石市の平田公民館(小笠原達也館長)で26日、講話を交えたイベントが開かれた。
 
 講師に招かれたのは米国出身で、2021年から市の国際交流員として活動するナターシャ・ミリガンさん(26)。同地区の放課後子ども教室を利用する平田小の児童を中心に約30人が集まった。ミリガンさんは母国のハロウィーンの様子を、写真を見せながら紹介。カボチャやカブをくりぬき、目鼻口を施した「ジャック・オー・ランタン」を自宅の周りに飾ったり、魔女やお化けの仮装をした子どもたちが近所の家々を回り、お菓子をもらう風習があることを伝えた。
 
市国際交流員のナターシャ・ミリガンさんが米国のハロウィーンについて説明

市国際交流員のナターシャ・ミリガンさんが米国のハロウィーンについて説明

 
 墓やモンスターを模した飾り、ミイラやお化けに似せた料理など本場のハロウィーンの演出に子どもらは「面白い」「怖すぎる」と声を上げた。「ハロウィーンでキャンディーをもらう時に言う特別な言葉は?」とのミリガンさんの問いには、「トリック・オア・トリート(お菓子をくれないといたずらするぞ)!」と即答。日本でも近年、幼児施設や子ども向けイベントなどでハロウィーンに親しむ機会が増えているだけあって、元気な声が響いた。
 
 ミリガンさんはクイズも出題した。ハロウィーンの起源やランタンを彫るのに昔使っていた野菜、象徴的な4つの色とその意味などを楽しく教えた。答えた子どもには「ハッピーハロウィーン!」と声をかけながらお菓子を手渡した。
 
ハロウィーンに関するクイズに答える子ども

ハロウィーンに関するクイズに答える子ども

 
クイズに正解すると歓声が…。楽しみながら異文化を学んだ

クイズに正解すると歓声が…。楽しみながら異文化を学んだ

 
 講話の後は手形アートの体験。手のひらに絵の具を塗り、2つの手形を紙に押して逆さまにすると、あら不思議、お化けのような形に…。目や口を書いて顔にし、余白に絵を描いたりシールを貼ったりして、自分だけのハロウィーンアートに仕上げた。カチューシャや顔シールでプチ仮装体験も。みんなで記念写真を撮り、楽しい思い出を心に刻んだ。
 
手形アート体験。どんな作品ができるかな?

手形アート体験。どんな作品ができるかな?

 
絵の具を塗った手で手形を押すと…ごらんの表情!

絵の具を塗った手で手形を押すと…ごらんの表情!

 
見本を見てイメージを膨らませる。この後、楽しい作品が続々

見本を見てイメージを膨らませる。この後、楽しい作品が続々

 
 川﨑蒼大君(平田小6年)はミリガンさんの話を聞き、「日本と外国のハロウィーンの文化の違いに驚いた。(家を飾ったりごちそうを食べたり)日本よりすごくお金がかかっていそう」と初めて見る光景に目を丸くした。
 
 「米国人にとってハロウィーンは毎年楽しみな日。釜石の子どもたちにも少しでも教えられたらと思っていたので、今日は交流できて良かった」とミリガンさん。海外に目を向ける機会が増えることを願い、「こういうイベントを通じて米国や英語のことをもっと伝えていきたい。学童(育成クラブ)や学校施設などで活動できれば」と意欲を示した。
 
個性豊かな手形アート作品が完成。“おうちハロウィーン”を盛り上げそう

個性豊かな手形アート作品が完成。“おうちハロウィーン”を盛り上げそう