能登地震支援 物資持ち寄り、搬送準備 釜石ライオンズクラブ「震災の恩返し」


2024/01/19
釜石新聞NewS #地域

支援物資を整理する釜石ライオンズクラブの会員

支援物資を整理する釜石ライオンズクラブの会員

 
 釜石ライオンズクラブ(LC、大和田助康会長、会員48人)は、能登半島地震の被災地支援として石川県に物資を送ることを決め、14日に釜石市只越町の事務所で仕分けや箱詰め作業を行った。東日本大震災の支援への恩返しを込めた取り組み。道路事情などで現地に入るのは難しいことから、同じような支援に乗り出している近隣県の拠点に若手会員らが直接運び込む考えだ。
 
 元日のニュースを見て、会員たちはそれぞれ震災当時のことを思い出した。「とにかく動こう」。中でも、若手会員ら6人でつくる釜石はまゆりクラブ支部(大和田崇士会長)の思いは強く、ベテラン会員に働きかけた。7日にLCの役員会で支援を決めると、翌日から会員らから次々と物資が持ち込まれた。
 
会員たちが寄せた思いも箱に詰め込む

会員たちが寄せた思いも箱に詰め込む

 
 集まったのはミネラルウォーター(2リットル、6本入り)18箱、米10キロ、子ども・大人用のおむつ、カイロ、タオル類、缶詰、カップ麺など。箱詰め作業は6人で行い、品目ごとに段ボール箱にまとめ入れた。
 
 LCの大和田会長は「震災の時は全国から物資だけでなく、応援という気持ちでも支えをいただいた。組織の力、つながり、善意のありがたさを実感した」と振り返り、「その恩返しに」と力を込める。
 
「震災の恩返しをする時」とLCの大和田会長(右から2人目)

「震災の恩返しをする時」とLCの大和田会長(右から2人目)

 
 今回、若手が積極的に行動する。同支部メンバーは釜石商工会議所青年部としても活動していて、そのつながりを生かして現地のニーズを把握。中継基地となる長野県の商議所に物資を運ぶ考えだ。搬送に名乗りを上げた同支部の宍戸文彦さん(48)が15日に受け取り。「微力だが、気持ちで動きたい。3・11でもらったように。今は下を向いているだろうが、外の人が出向くことでプラスの気の流れを届けたい」と気持ちがはやる。
 
30を超える段ボール箱を車に詰め込む

30を超える段ボール箱を車に詰め込む

 
「足を運ばなければ見えないこともある。心に寄り添っていきたい」と現地を思う宍戸さん

「足を運ばなければ見えないこともある。心に寄り添っていきたい」と現地を思う宍戸さん

 
 LCの大和田会長はそんな若手に頼もしさを感じつつ、「もう少し様子を見てから」と気持ちを抑える大切さを伝えた。震災復興と重ね合わせ、「復興にはかなり時間がかかるだろう。いち早く行方不明者の捜索が進み、小規模な避難所や自宅避難者に物資が届いてほしい。一日も早く安心して暮らせるよう願う。みんなで助け合って早く笑顔が見たい」と心を寄せる。今後も「できる範囲、無理をしない形で善意を集めた活動」を続けることにしている。

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