4年ぶりに開かれた小佐野町内会の盆踊り=17日、北銀小佐野支店駐車場
釜石市の小佐野町内会(佐々木喜一会長、340世帯)は17日、新型コロナウイルス感染症の影響で中止していた盆踊りを4年ぶりに再開。地域住民らが踊りや出店、抽選会などを楽しみ、久しぶりの町内会行事で交流の輪を広げた。各種制限が緩和されたこともあり人出は予想以上。休止していた町内会活動復活へ弾みをつけた。
同町内会の盆踊り会場は北日本銀行小佐野支店の駐車場。12日にやぐらを設営し、16日の開催を予定していたが、夕方からの悪天候が予想されたため翌17日に延期された。町内会役員らが午前中からちょうちんを取り付けるなどし会場準備。午後6時半に開会した。
小佐野コミュニティ会館を練習拠点とする釜石民謡クラブが協力し、踊りを先導。「炭坑節」「相馬盆唄」といった盆踊りの定番曲のほか、地元の「釜石小唄」で踊りを楽しんだ。大小の太鼓で盛り上げたのは、町内で病院や介護施設を運営する医療法人楽山会、社会福祉法人楽水会の職員ら4人。地域の盆踊りへの協力は長年続く。
市民に親しまれる「釜石小唄」は盆踊りでも踊られる地元の定番
地元の楽山会、楽水会職員は大小の太鼓で協力。子どもたちにもたたき方を教えた(右上)
会場では同会館で活動するエアロビックダンスグループ・キッズDADAの発表も。幼稚園のころから活動する佐野雪乃さん(8)は「いつもと違って人がいっぱいで慣れない感じ。でもうまく踊れた」と満足げ。初めての盆踊り参加を楽しんだ。民謡クラブは三味線伴奏で「ソーラン節」「大漁唄い込み」などの歌も披露。平田いきいきサークルは「サザエさん」の歌などで簡単な振り付けを披露し、来場者と楽しんだ。
元気いっぱい!!エアロビックダンスを披露するキッズDADA
歌や踊りで協力した釜石民謡クラブのメンバーら
辺りが暗くなり始めると来場者はどんどん増え、踊りの輪も大きくなった。子どもたちは見よう見まねで手を動かし夏の思い出づくり。曲のリズムに合わせて太鼓をたたいてみる子もいて、たくさんの笑顔が広がった。
暗くなると、やぐらの周りには老若男女の踊りの輪ができた
子どもたちも久しぶりの盆踊りを楽しんだ
会場には多くの地域住民が訪れ、お盆の風物詩を満喫した
小佐野町の四宮香蓮さん(9)は「盆踊りに来たことはあるけど踊るのは初めて。踊りは覚えれば簡単で楽しかった」と笑顔。「明日から学校が始まる。夏休み最後のいい思い出になった」と喜んだ。母実佳さん(38)は久しぶりの開催に「活気が出ていいですね。やってもらってうれしい。コロナも明けて子どももすごく楽しんでいたよう」と声を弾ませた。
会場には3店の出店が並び、焼き鳥や焼きそば、かき氷などの屋台メニューを販売。地元小佐野在住で、本場中国の味を再現した「月餅」販売が人気を集める高莉莉さん(リリーズ美食工房)も初の盆踊り出店で地域との交流を深めた。地元商店会の協賛による抽選会では、1~3等で米やタオルギフト、菓子詰め合わせ、ラッキー賞25本は商品券が当たるとあって、来場者は期待しながら番号の発表を待った。
夏祭り気分を上げる飲食の出店には家族連れなどが列を作った
「当たるかな?」抽選会の番号発表に期待を高める来場者
古くから釜石製鉄所の社宅エリアだった小佐野町では、社宅自治会単位で盆踊りを開催してきた経緯がある。21年ほど前、小佐野町内会が発足したのを機に、地元商店会との合同盆踊りがスタート。2夜の開催で、町内会員はもとより周辺の小川町、定内町などからも来場者が訪れる一大イベントとなっていた。
佐々木町内会長(82)は「しばらくぶりだったが、思ったより人が集まった。今年は特にも子どもが多い印象。祖父母の家に帰省中の子もいるのかも。これからもみんなで相談しながらより楽しめる盆踊りにしていきたい」と話した。