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南極観測隊を同行取材 岩手日報社記者が釜石・栗林小で講演 児童ら興味津々「行ってみたい」

栗林小で開かれた第63次南極地域観測隊同行・菊池健生さん(岩手日報社記者)講演会

栗林小で開かれた第63次南極地域観測隊同行・菊池健生さん(岩手日報社記者)講演会

 
 釜石市の栗林小(八木澤江利子校長、児童32人)で9月28日、第63次南極地域観測隊(越冬隊)に同行した岩手日報社報道部記者・菊池健生さん(32)の講演会が開かれた。同校と栗橋地区まちづくり会議(洞口政伸議長)が共催。49次隊(夏隊)に同行した同社報道部第二部長の鹿糠敏和さん(44)も来校し、2人で南極の自然環境や観測隊の任務、昭和基地での暮らしぶりなどを伝えた。全校児童、教職員、地域住民ら約50人が聞き入った。
 
 菊池さんは2021年11月から同隊に同行。1年5カ月にわたる取材活動で現地から記事を発信し、本年3月に帰国した。この日は07~08年に同行取材した鹿糠さんとともに講演。映像や写真を見せながら南極がどういう場所かを話した。
 
 昭和基地で越冬した菊池さんは、氷点下45度の世界を体験。自分が吐く息でまつげや髪の毛が瞬時に凍ること、最も強いレベルのブリザード(猛吹雪)は風速60メートルにも達し、ロープにつかまりながらでないと移動できないことなどを伝えた。鹿糠さんは紫外線の強さや夏季の極度な乾燥に言及。夏には白夜、冬には極夜の時期があることも説明した。厳しい環境が生み出す美しい光景も紹介。「オーロラ」の映像を見せると、児童らは「きれーい」「生き物みたい」と目を輝かせた。
 
氷点下25度の南極空間で熱湯をまいた時に見られた現象「お湯花火」を紹介する菊池健生さん

氷点下25度の南極空間で熱湯をまいた時に見られた現象「お湯花火」を紹介する菊池健生さん

 
南極の厳しい環境が生む各種光景に興味津々

南極の厳しい環境が生む各種光景に興味津々

 
49次隊に同行した鹿糠敏和さん(右)は今回、菊池さんの派遣をサポート。講演では自身の15年前の体験も語った。

49次隊に同行した鹿糠敏和さん(右)は今回、菊池さんの派遣をサポート。講演では自身の15年前の体験も語った。

 
 南極観測隊の任務は大きく分けて2つ。天文、気象、地質などの観測と、基地の設営・保守、物資の運搬。隊には研究者だけでなく電気、通信、車両、調理担当などさまざまな職種の人が参加。土木作業など自分の専門以外の仕事も協力して行っている。同基地には60数棟の建物があり、隊員たちは居住棟で寝泊まり。娯楽が少ないため、自分たちで楽しみを作り出すクラブ活動のようなことをしていたという。カフェ、釣り、野球大会…。菊池さんは基地内で野菜を栽培していたことを明かした。
 
 南極観測の主要目的の一つが地球の気候変動を知るためのデータ収集。日本の観測隊は昭和基地から約1千キロ離れた「ドームふじ」と呼ばれる場所(標高3800メートル)で氷の柱(アイスコア)を掘り、中に入っている空気の成分を比較することで、温暖化解明の手掛かりを得ている。20年前に約3000メートルの深さまで掘った際の一番古い空気は72万年前のもの。菊池さんが同行した63次隊は、世界最古となる100万年前の氷を採取するプロジェクトの第一弾で派遣された。
 
 隊は2~3週間かけて現場にたどり着き、後に掘削にあたる隊員が生活するための拠点(建物)づくりに従事。菊池さんも作業を手伝い、狭い雪上車での生活は2カ月半に及んだ。「観測によって地球の過去、現在、未来が分かってくる。謎を解き明かす鍵が厚い氷の下に眠っているかもしれない」と菊池さん。
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南極観測の報道記録集の表紙を飾ったアザラシの写真についても説明

南極観測の報道記録集の表紙を飾ったアザラシの写真についても説明

 
 鹿糠さんは自身が撮影した写真や映像で南極の動植物も紹介。ペンギンやアザラシに出会った時の様子、湖に潜って目にした貴重なコケの集合体について話した。この他、閉鎖された他国の観測場所に残る金属やガラスが動物に危険を与える可能性も指摘。人間の不注意で持ち込まれた種から南極にはない植物が発芽してしまい、駆除した事例も示し、人間は自然に十分配慮して行動する必要があることを教えた。
 
 児童らは新聞やテレビ、書籍などでしか知ることのなかった南極について、さらに興味をそそられた様子で、2人の話を熱心に聞いていた。小笠原楓真君(6年)は「南極には何千、何万年も前のものが残っていて、氷からも調べられるのがすごいと思った。知らなかった情報がたくさんあって面白かった。いつか行ってみたいな」。小林彩恋さん(5年)は「寒いので生き物は少ないと思っていたけど、意外とたくさんいることが分かった。岩手から観測隊に入っていた人がいたこともびっくり。恐竜とか昔の生き物に興味がある。話にあった化石のことも調べてみたい」と声を弾ませた。
 
南極大陸、観測隊について楽しく学ぶ栗林小児童

南極大陸、観測隊について楽しく学ぶ栗林小児童

 
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児童からはさまざまな感想や質問も出された

児童からはさまざまな感想や質問も出された

 
 1957年に昭和基地ができて以降、南極観測隊には国内の新聞社やテレビ局の記者が同行し代表取材。各社に記事を配信している。今回の菊池さんの派遣は、東日本大震災から10年にあたり、「本県が全国から受けた支援に対し地元新聞社としてできる恩返しを」と、岩手日報社が送り出したもの。地方紙記者としては初の越冬隊同行となった。
 
 菊池さんは帰国後、県内各地に招かれ自らの経験を話している。小学校での講演は栗林小が初めて。同校の学区・橋野町は菊池さんの祖父の出身地ということもあり、「すごく縁を感じる。伝えられたのは南極の一部ではあるが、少しでも興味を広げてもらえたらありがたい」。児童からの「行ってみたい」との声に「将来、この中から観測隊員が生まれたら、ぜひ取材させてほしい」と笑った。鹿糠さんも自分たちの経験を講演で届けられることを喜び、「地球環境の未来を守ることに多少でもつながれば」と期待していた。

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4年ぶり 震災復興の鵜住居を支援のみこしが渡御 祭り文化、郷土芸能継承へ再始動の一歩

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4年ぶりに開催された鵜住神社例大祭みこし渡御=1日、鵜住居町

 
 釜石市鵜住居町の鵜住神社(花輪宗嗣宮司)の例大祭は1日に行われた。新型コロナウイルス感染症の影響で実施が見送られてきたみこし渡御が4年ぶりに復活。約300人の行列が町内を練り歩き、まちは久しぶりの活気に包まれた。東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた同町。人口減、住民の高齢化などで祭典運営は年々、厳しさを増すが、代々続く地域の祭礼、郷土芸能を絶やすことなく後世につないでいこうと、住民らが奮闘する。
 
 同神社は2011年の震災で、みこし、同保管庫、鳥居など本殿以外の建物、設備が津波で流された。全国からの支援で一歩一歩、復興への歩みを進め、新たなみこしが完成した15年に震災後初のみこし渡御を実施。コロナ禍による休止を経て再開された今年は2019年以来、新みこしになってからは5回目の渡御祭となった。
 
 神社でご神体をみこしに移す神事を行った後、行列が出発した。参道沿いの祭り場では地域の代表らがみこしに玉串をささげ、渡御の安全を祈願。鵜住居青年会の虎舞、外山鹿踊が奉納された。
 
高台の神社から下りてくるみこし(右)を迎える郷土芸能団体(左)

高台の神社から下りてくるみこし(右)を迎える郷土芸能団体(左)

 
祭り場で披露された「鵜住居青年会」の虎舞

祭り場で披露された「鵜住居青年会」の虎舞

 
子どもたちの「うさぎ舞」。青年会は手踊りも複数継承する

子どもたちの「うさぎ舞」。青年会は手踊りも複数継承する

 
刀振りとともに勇壮に舞う「外山鹿踊」

刀振りとともに勇壮に舞う「外山鹿踊」

 
 津波でみこしを失った同神社は12年に銀座西七丁目町会(東京都)から、13年には京都府南丹市園部町から、それぞれ子どもみこしの寄贈を受けた。その後、本みこし復活を目指し、有志らが「うのすみ神輿(みこし)つくろう会」を発足。複数のボランティア団体の協力で全国から寄付が集まったほか、日本財団の支援が決まり、異例の速さで新みこしの完成に至った。
 
銀座西七丁目町会から寄贈された子どもみこし。渡御で使う大太鼓(左上)、子どもたちが着用するはんてんも贈られた

銀座西七丁目町会から寄贈された子どもみこし。渡御で使う大太鼓(左上)、子どもたちが着用するはんてんも贈られた

 
京都府南丹市園部町から寄贈されたみこしは古峯神社の新たなみこしに

京都府南丹市園部町から寄贈されたみこしは古峯神社の新たなみこしに

 
 行列は祭り場を出て国道45号を北進。スーパーなどが入る商業施設・うのポートの角を左折し、消防屯所や住宅が立ち並ぶ市道を進んだ。同神社の本みこし、子どもみこし、同じ敷地内に祭られる古峯神社のみこし計3基が、町内の郷土芸能5団体(虎舞1、鹿踊り3、大黒舞1)に囲まれながら練り歩いた。沿道では迎えた住民らがさい銭をあげ、みこしに手を合わせた。
 
国道45号を進むみこし行列。沿道では住民らが見守った

国道45号を進むみこし行列。沿道では住民らが見守った

 
津波被災後、かさ上げ整備された国道での渡御は2019年に続いて2回目

津波被災後、かさ上げ整備された国道での渡御は2019年に続いて2回目

 
行列を出迎える住民ら。みこしが通ると手を合わせ、願いを込めた

行列を出迎える住民ら。みこしが通ると手を合わせ、願いを込めた

 
 みこし行列は、津波で被災し移設安置された金毘羅神の石碑が並ぶ公園(寺前交差点近く)に到着。地区住民が見守る中、神事と芸能奉納が行われた。神之沢鹿子踊、田郷鹿子踊、新神大黒舞などが踊りを披露。集まった人たちが久しぶりのにぎわいに笑顔を広げた。
 
 家族で見に来た地元の藤原英佑君(10)は「楽しい。みんなが喜んでいるのを見るとうれしい気持ちになる」と4年ぶりの祭りに感激。近くのアスレチック公園に親子で遊びに来ていた山田町の福士綾佳さん(37)は、太鼓や笛の音に誘われて足を延ばした。初めて見る鵜住居祭りに「おみこしが複数あってびっくり。幼い子も大勢参加していてすごい」と感心した様子。各地で祭りが復活していることも歓迎し、「子どもたちが土地の文化に触れる機会になる。今日は本当にラッキーでした」と喜びの言葉を口にした。
 
震災後に整備された金毘羅公園で踊る「神之沢鹿子踊」

震災後に整備された金毘羅公園で踊る「神之沢鹿子踊」

 
鵜住居町の西部地区に伝わる「田郷鹿子踊」

鵜住居町の西部地区に伝わる「田郷鹿子踊」

 
金毘羅神が祭られる新神地区に伝わる「大黒舞」

金毘羅神が祭られる新神地区に伝わる「大黒舞」

 
 行列はこの後、震災伝承施設などが建つ駅前エリア「うのすまい・トモス」に到着。地域住民や観光客など大勢の人たちが広場を囲む中、3基のみこしが虎舞に囃(はや)し立てられながら旋回した。全芸能団体が次々に踊りを見せ、集まった人たちから大きな拍手を受けた。
 
 大黒舞、鹿踊り、みこし担ぎなどで家族7人全員が祭りに参加した岩崎すみ子さん(73)。「(震災で)人口が減ってしまったが、いる人たちで何とかまちを盛り上げていかないと」と、家族総出の参加に思いを込める。孫の絢音さん(7)は大黒舞で2回目の参加。「踊るの大好き。楽しい」と祖母、母の背中を追いかける。絢音さんの兄2人は神之沢鹿子踊で今回が祭りデビューとなった。震災の津波で自宅を失い、再建して5年目―。すみ子さんは「仮設住宅にいる間は本当に建てられるのか心配だった」と振り返り、3世代で祭りに参加できるまでになった今の幸せをかみしめた。
 
鵜住居青年会による実りの秋を祝う「豊年舞」

鵜住居青年会による実りの秋を祝う「豊年舞」

 
駅前のうのすまい・トモスには大勢の見物客が集まり、各団体の踊りを楽しんだ

駅前のうのすまい・トモスには大勢の見物客が集まり、各団体の踊りを楽しんだ

 
 まちの復興を後押ししてきた祭りだが、少子高齢化や人口減などでみこしの担ぎ手、郷土芸能の担い手不足が年々顕著に。各団体は近隣のまちからも人員の応援を受け、継承への取り組みを進める。両石町の久保逞さん(17)は友人の母に誘われ、田郷鹿子踊に初参加。「地元では虎舞をやっているが、比にならないきつさ。腰と首と頭にこたえる」と笑い、「祭りはまちの活性化につながる。子どもが少ない時代でもこれだけ集まれるのはうれしいこと」と貢献できる喜びを語った。
 
みこし担ぎには小鎚神社、尾崎神社の担ぎ手衆が協力した

みこし担ぎには小鎚神社、尾崎神社の担ぎ手衆が協力した

 
 震災後、同神社のみこし担ぎには復興工事関係者や大学生ボランティアが協力してきたが、復興の進展とともに人員確保が課題に。今回は約30人の担ぎ手のうち半数近くを小鎚(大槌町)、尾崎(釜石市浜町)両神社の担ぎ手団体から応援を受けた。鵜住神社のみこし担ぎ責任者、藤原輝行さん(61)は「人員不足は鵜住居に限ったことではない。今はどこの神社も同様の課題を抱えていて、互いに支援し合いながらやっている」。震災から12年―。町内はまだまだ空き地が目立ち、大幅な人口増は見込めないが、「それでも伝統は守っていかねばならない。支援をしてくれた人たちに報いるためにも知恵を絞って次世代につないでいきたい」と意を強くする。
 
行列は新川原地区で折り返し神社へ還御。予定通りの行程を終えた

行列は新川原地区で折り返し神社へ還御。予定通りの行程を終えた

 
 鵜住神社氏子総代長で、祭典実行委員長の前川義博さん(85)は「4年、5年と間が空いてしまうと郷土芸能継承にも支障が出てくる。今年は絶対にやろうと、一丸となって準備を進めてきた。皆さんの協力でこれだけの立派なお祭りになった」と感謝。休止からの復活には大きなエネルギーがいる。「大変だっただろうが、実際やってみるとみんな笑顔。これを機にまた、やる気になってもらえたのではないか。今年は渡御ルートを短縮したが、今後また見直しを図っていければ」と話す。

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テレワーク・在宅ワークでお仕事をお探しの方を募集しています

テレワーク・在宅ワークでお仕事をお探しの方を募集しています

 

local hack(ローカルハック)は、釜石・沿岸にいながらテレワーク・在宅ワークができるテレワーク求人を少しでも多く提供し地元にいながらできる仕事を創出していきます。

 

そして、地域企業の皆様にも、テレワークを通してスムーズにITツールの利用ができるテレワーカーの皆様を知っていただき、積極的に副業人材活用していっていただけるように呼びかけていきたいと考えております。

 

テレワーク・在宅案件の募集について

 

弊社ではテレワーク・在宅ワークでお仕事をお探しの方を募集しています。
※弊社は、釜石市が賛同しているLocal FaM Careerコンソーシアム賛同企業です。

募集チラシ表(JPG/216KB)
募集チラシ裏(JPG/201KB)

募集人数

30名(チラシには40としておりますが、現時点で30名の募集枠となっています)
(釜石市を中心として大槌町・山田町など沿岸にお住まいの方)
弊社は、釜石市/沿岸の地域活性化・雇用創出を理念としております。

対象者

・お子さんが小さい方
・専業主婦の方
・在宅で集中して仕事をしたい方
・テレワークしてみたい方
・副業で収入を安定させたいママさん

業務の一例

●集計作業、入力業務
●WEBライティング・記事作成
●WEBコンテンツ作成(画像加工・編集など)
●データ入力(特別なスキル不要の入力作業など)

収入について

月給2万円〜4万円程度
※担当していただく案件によって報酬が異なります。
※データ入力については単価制の場合もあります。

稼働開始予定時期

フォーム(https://forms.gle/c6hwbAHALRaNWPjy8
よりご登録いただきましたら、メールでご連絡いたしますので、オンラインでお顔合わせのうえ稼働開始という流れになります。

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local hack(ローカルハック)

テレワーク・在宅ワークという働き方の推進、デジタル副業人材の育成に注力。地域企業との連携により「新たな雇用創出」を目指しています。

〒026-0042 岩手県釜石市源太沢町1-4-1
問い合わせ:メール / 事業サイト / Facebook

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ふれあい交流「唐丹の日」 住民活動、見せ合い連帯 安寧願う花火も 地域力を発信・釜石

踊りの輪をつくって交流を楽しむ唐丹町の住民ら

踊りの輪をつくって交流を楽しむ唐丹町の住民ら

  
 釜石市唐丹町の住民交流と地域安全を考える「第18回唐丹の日」は1日、唐丹小・中体育館で開かれた。唐丹公民館まつりと合わせて実施し、文化、スポーツの自主活動グループが作品展示や活動紹介を掲示。中学生によるソーラン、釜石警察署の協力で交通安全講話、市内外の芸能団体の演舞もあり、集った約150人は地域の動きを感じながら親交を深めた。8月から延期されていた花火の打ち上げを前日の9月30日に決行。あいにくの雨模様を突いて夜空を彩った約500発が地域に明るさをもたらした。
 
 唐丹の日は10月2日。「とうに」との語呂合わせで設けられ、住民交流イベントを通じて地域の安全意識を高める日となっている。新型コロナウイルス感染症の影響で開催を控えていて、今回は4年ぶり。唐丹駐在所連絡協議会副会長の佐々木啓二さん(79)は「短い時間だが、存分に楽しんでほしい」とあいさつした。
 
 唐丹駐在所の高田敏宏所長は町内の交通事故発生状況などを説明。事故が少ない地域だと強調し、「交通安全活動に携わる人たちの協力のおかげ。これからも安全運転に心がけを」と呼びかけた。
 
地域の催しを力強く盛り上げた「桜舞太鼓」

地域の催しを力強く盛り上げた「桜舞太鼓」

 
 ステージ発表は、地元の創作和太鼓集団「鼓舞桜会(こぶおうかい)」による郷土芸能「桜舞太鼓(おうぶだいこ)」で開幕。「明るい気持ちになってもらえたら」と迫力ある演奏で活気づけた。中学生有志9人は若さあふれる「唐中ソーラン」を披露。県内で活躍する郷土民謡の歌い手や三味線奏者、踊り手らによる演舞もあった。
 
学校で取り組むソーランを披露する唐丹中生有志

学校で取り組むソーランを披露する唐丹中生有志

 
 山岸さんさ踊り保存会(高野文則会長)の公演では、来演した10人が「盛岡伝統さんさ」の一つで400年の歴史を重ねる多彩な演目を披露。幸せを呼ぶという意味のかけ声「幸呼来(さっこら)」に合わせた踊りを住民らが体験する場面もあった。
 
 フィナーレは、100歳体操を楽しむ3団体による「さくら音頭」「ぼけない音頭」の踊り。さんさの踊り手たちも加わって輪をつくり、にぎやかに触れ合いを楽しんだ。
 
「山岸さんさ」の手振りを見よう見まねで体験

「山岸さんさ」の手振りを見よう見まねで体験

 
住民らの輪踊りにさんさの踊り手も加わり楽しんだ

住民らの輪踊りにさんさの踊り手も加わり楽しんだ

 
 作品展示では手芸各種の愛好グループの近作がずらり。洋裁リフォームクラブ(7人)は着物や洋服などの端切れをアレンジしたタペストリーやエプロンなど実用性も兼ね備えた作品を並べた。指導する鈴木富美子さん(81)、会員の磯崎彬(よしこ)さん(86)は「みんな頑張っている。見てもらうことで張り合いになる。ほかの会の活動も知ることができていい」と声をそろえた。
 
作品展示には細やかな針仕事の成果が並んだ

作品展示には細やかな針仕事の成果が並んだ

 
写真を撮る際のかけ声は「と~に~」

写真を撮る際のかけ声は「と~に~」

 

雨空彩る「ゆめあかり」

 
小白浜漁港で打ち上げられた花火

小白浜漁港で打ち上げられた花火

 
 前夜祭的な催しとなったのが花火の打ち上げ。東日本大震災以降、毎年夏に続けるイベント「唐丹ゆめあかり」(同実行委主催)の一環だが、大雨などの影響でお盆の時期から延期されていた。
 
 今回も雨降りとなったが、負けじと打ち上げ。小白浜漁港の岸壁で夜空を見上げ、「きれい」と笑顔を見せたのは唐丹小3年の佐々木心結(みゆ)さん。母の彩雅(さやか)さんも「季節は少しずれたけど、楽しみがあって得した気分。気持ちを晴れやかにするご褒美」と目を細めた。
 
夜空に咲いた花を子どもも大人も喜んだ

夜空に咲いた花を子どもも大人も喜んだ

 
 ゆめあかりは震災犠牲者の鎮魂や地域の安寧を願って継続。近年は地域住民らの協賛金で支えられる。唐丹地域会議長も務める佐々木啓二さんは「快く協力してくれる住民のおかげ。取り組みには若手も加わっていて、続けられるよう一緒に知恵を出したい」と望んだ。
 

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広報かまいし2023年10月1日号(No.1817)

広報かまいし2023年10月1日号(No.1817)
 

広報かまいし2023年10月1日号(No.1817)

広報かまいし2023年10月1日号(No.1817)

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【P1】
釜石まつり 開催案内

【P2-3】
釜石市議会議員紹介
イベント案内 他

【P4-5】
新型コロナワクチン接種のお知らせ
令和6年度幼稚園児を募集します

【P6】
狂犬病予防注射
釜石市働く婦人の家 定期講座

【P7-9】
まちのお知らせ

【P10】
イベント案内

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2023092800028/
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
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「釣れた!釣れた!」4年ぶり ニジマス釣り大会で歓声 橋野・親水公園ににぎわい再び

 「釣れたー!」ピチピチ跳ねるニジマスに目がくぎ付けになる来場者

「釣れたー!」ピチピチ跳ねるニジマスに目がくぎ付けになる来場者

 
 釜石市橋野町の産地直売所「橋野どんぐり広場」隣の親水公園で9月24日、ニジマス釣り大会が開かれた。橋野町振興協議会(菊池郁夫会長)と栗橋地区まちづくり会議(洞口政伸議長)が共催する「はしの四季まつり」の秋のイベント。コロナ禍で中止が続いていたが、今年4年ぶりに復活。家族連れを中心に約400人が楽しんだ。
 
 園内の水車小屋から続く小川に滝沢市の養魚場から仕入れたニジマス約600匹を放流。主催者が用意した手作りの竹ざおを無料で貸し出し、釣りを楽しんでもらった。餌はトウモロコシの粒。来場者は餌をつけた釣り針を魚群の中に落とし、魚がかかるのを待った。
 
 ほとんどが数分もしないうちにヒット!食いつくと同時にさお先を上げると、輝く魚体が姿を現した。勢いよく跳ねる魚に子どもも大人も大はしゃぎ。苦戦しながら体をつかみ、釣り針を外して袋に入れた。大きいものでは体長25センチほどの魚もいて、来場者は釣りの醍醐味(だいごみ)である“引き”の感触を存分に楽しんだ。
 
釣りを楽しむ家族でにぎわう親水公園=橋野町

釣りを楽しむ家族でにぎわう親水公園=橋野町

 
釣り針をはずすのはお父さんにおまかせ。頼もしい助っ人

釣り針をはずすのはお父さんにおまかせ。頼もしい助っ人

 
「パパと釣ったよ!」キラキラ光るニジマスを手にする親子

「パパと釣ったよ!」キラキラ光るニジマスを手にする親子

 
 釣りは全くの初めてという橋野町の中平栞愛さん(9)は11匹を釣り上げご満悦。「コツはビクッとなったらすぐ引き上げること」。早々にタイミングをつかんだ様子で、「今度は川や海でも釣りをしてみたい」と声を弾ませた。見守った母美恵子さん(50)は「田舎ならではの貴重な体験機会。橋野には恵まれた自然環境がある。いろいろな体験を積んで元気にのびのびと育ってほしい」と期待した。
 
 大槌町から足を運んだ小田嶋葵佐さん(12)は「ここでのニジマス釣りはコロナ前にもやったことがある。入れるとすぐに釣れる。いっぱい釣れるので楽しい」と笑顔。釣りが好きで、普段は海で岸壁釣りも。「釣れた時の感覚がすごく面白い」と魅力を語り、この日は双子の弟、いとこらと釣り糸を垂れた。
 
 釣った魚は来場者が1匹200円で買い取り。スタッフらが内臓を取ってくれて、持ち帰りのほか、その場で炭火焼きにしてもらい、さっそく味わう人も多かった。同振興協の菊池会長(68)は「大勢の人に来ていただきありがたい。久しぶりのにぎわいに、うちのメンバーも楽しみながらやっている」と喜んだ。
 
魚が集まる所を狙い、思い思いにさおを繰り出す

魚が集まる所を狙い、思い思いにさおを繰り出す

 
おいしく食べてもらおうと、炭火焼きに汗を流すスタッフ

おいしく食べてもらおうと、炭火焼きに汗を流すスタッフ

 
 「自分で釣ったお魚はおいしいね!」青空の下で焼きたてを味わう

「自分で釣ったお魚はおいしいね!」青空の下で焼きたてを味わう

 
 朝晩はだいぶ気温も下がり、少しずつ秋の気配を感じる今日この頃。市内でも一足早く紅葉を迎える橋野町は、例年だと10月末ごろに木々の葉が色づくが、「今年は記録的猛暑、残暑もあり少し遅めになるかも」と菊池会長。はしの四季まつりのシーズンを締めくくる「水車まつり」は11月5日に開催を予定する。米や雑穀を使ったメニューの販売、餅まきなどで大人気の企画で、農産物の恵みに感謝しながら収穫の喜びを来場者と分かち合う。

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根浜の海岸風景を残そう 釜石東中生、浜の植物再生をお手伝い 息長く、着実に

浜由来の植物を増やそうと根浜海岸で活動する釜石東中生

浜由来の植物を増やそうと根浜海岸で活動する釜石東中生

 
 海岸の原風景を取り戻したい―。釜石市鵜住居町の根浜海岸で19日、地元の釜石東中(佃拓生校長、生徒83人)の2年生31人が、種から育てたハマエンドウやハマヒルガオ、ケカモノハシなどの苗約380株を植えた。東日本大震災の津波で多くの海浜植物が失われた海岸林の再生活動は今年で6年目。先輩たちからつながる取り組みは着実に根付いていて、「たくさんの植物が花咲くきれいな浜に」と願った。
 
 震災後にこの活動を始めたのは、根浜海岸林再生実行委員会。地域に親しまれたかつての風景を取り戻そうと地元住民や行政が連携し、同海岸由来の植物を種から育て現地に植え戻してきた。
 
根浜海岸で進む植物再生活動を知らせる看板

根浜海岸で進む植物再生活動を知らせる看板

 
 同校は2018年から協力し、総合的な学習の一環として続ける。2年生が中心となって毎年春に同海岸について学ぶ座学と種まきを行い、夏には移植地の清掃など全校挙げて環境を整備。秋に育てた苗を植栽して締めくくりとなる。
 
今年は5月に種をまき、水やりや日光管理を行いながら成長を観察。6、7月に移植地の草取りをして準備してきた。
 
移植場所の草取りをする釜石東中の2年生

移植場所の草取りをする釜石東中の2年生

 
先輩たちが植えた苗を残して周辺を除草

先輩たちが植えた苗を残して周辺を除草

  
 旅館「宝来館」前にあるマツ林の海側に作られた再生スペースが活動場所。生徒たちは除草した後、しっかりと根を張るよう願いを込めながら1本ずつ植えていった。現3年生が昨年種まきし育てていたハマボウフウの苗も植栽。定植場所を囲むロープの張り替えも行った。
 
育苗ポットから取り出して植える準備

育苗ポットから取り出して植える準備

 
苗を手に願う「しっかり根付いて」

苗を手に願う「しっかり根付いて」

 
自分たちが育てた苗を丁寧に植え付け

自分たちが育てた苗を丁寧に植え付け

 
 生徒や地元住民らの力によって再生スペースは延長200メートルほどに。先輩たちの取り組みが着実に根を張る。「ここは海辺の植物がたくさんあった貴重な場所。震災前の風景が戻るよう、できることをしたい」と汗をぬぐったのは小笠原早紀さん。“猫じゃらし”のようなケカモノハシが気になっていて、「どんな花が咲くのか、楽しみ。大きくなって、どこを見ても植物でいっぱいなきれいな所になってほしい」と思い描いた。
 
植え方を説明する島田直明教授(左)

植え方を説明する島田直明教授(左)

 
 講師を務める県立大総合政策学部の島田直明教授(植生学、景観生態学)は「作業した場所がどうなっているか、時々見にきてもらえるとうれしい。みんなが手伝って生まれる海岸の風景は地域の人の癒やしになる」と東中生に呼びかけた。育成中の苗は残り、植え替えが継続的、効率的にできるような取り組みも進行。「完成はまだ先だが、一緒に経験値をつくっていきたい」と、学校ぐるみの息の長い活動に期待を込める。

第32回釜石よいさ 開催御礼

9月23日(土)に開催されました「第32回釜石よいさ」は、おかげさまで盛況のうちに終了いたしました。秋晴れに恵まれ、「うのスタよいさ」も「アフターよいさ」も大きな事故やトラブルなく開催出来ましたこと、心よりお礼申し上げます。

 

東日本大震災による中断期間を超える3年間の休止を経ての復活開催に当たっては、時代の趨勢を見据えた新しい形へのチャレンジを決めた中で、賛否を含む様々なご意見や熱い想いをお寄せ頂き、時には不安に苛まれ、時には意欲をかき立てられながら準備に当たって参りました。

 

協賛のお願いに伺うことも憚られるような世情の不安定な折、スポンサー協賛やご寄付など多大なご厚意を頂きましたことは、開催資金としてはもとより、内容を充実させるための大きな推進力となりました。
特にも、子供たちが楽しめるコンテンツの充実は、たくさんのご協賛を頂けたことによるものです。多くのご厚意がたくさんの元気な笑顔に繋がったと思います。ありがとうございます。
 
3年の中断によって参加団体内での引継ぎも難しかったであろう中、待ってました!とご参加下さった馴染みの団体の皆様には、コロナ禍以前と同じように新しい釜石よいさも楽しんで頂けたようですと幸いです。
また、今年初めてご参加下さった皆様や、今回は体制が整わず参加を見送った団体の方々には、開催の形は未定ですが、次回再び参加をご検討頂けますことを願っております。
観に来て下さる方、イベントとして楽しんで下さる方々に喜んで頂きたいのももちろんですが、釜石よいさを誰よりも楽しんで頂きたいのは参加団体の皆様です。ぜひまたみんなで踊りましょう!

 

「4年ぶりのよいさの風景」と「新しいよいさの風景」が一つに重なり合い、“よいさ囃子に心を乗せて 三年溜めた笑顔を放て”のテーマ通り、子供からお年寄りまでたくさんの笑顔が溢れた一日となりました。
あらためまして、ご協賛・ご寄付を下さった皆様、参加団体や飛び入り参加で盛り上げて下さった皆様、会場や配信でご観覧下さった皆様、開催にご協力下さった各方面の皆様に、心より感謝申し上げます。

参加団体

正福寺幼稚園、甲東こども園、上中島こども園、かまいしこども園、五葉寮・三峯の杜・アミーガはまゆり合同有志、沿岸広域振興局チーム、釜石シーウェイブスRFC、かまっこよいさ!、鼓舞櫻会 桜舞颶美(ハナグミ)、(福)陽風会 仙人の里、(同)ZEN PROJECT、日本製鉄グループ、双葉小学校6年1組、釜石市役所有志、UBSグループ有志、救護介護スタッフチーム、ほか飛び入り参加の皆様

協力団体

釜石市、釜石商工会議所、(一社)釜石観光物産協会、岩手県交通(株)、三陸鉄道(株)、釜石市民ホールTETTO、(株)及川工務店

協賛(五十音順)

(株)青紀土木、イオンタウン釜石同友店会、(株)石井建設、(株)井戸商店、岩手缶詰(株)、(一社)岩手県建設業協会釜石支部、岩手ダイハツ販売(株)、(株)エイワ、SMC(株)釜石工場、オオバヤシマサヒデ 様、OZAWA GROUP、(株)かまいしDMC、(一社)釜石医師会、釜石瓦斯(株)、(一社)釜石観光物産協会、釜石鉱山(株)、釜石市役所五月会、釜石商工会議所、釜石まちづくり(株)、釜石旅館ホテル組合、釜石レミコン(株)、釜石ロータリークラブ、釜石ベイシティホテル、(株)木村架設工業、(株)Grafica、ケセン元気玉プロジェクト、(株)小鯖船舶工業、(株)近藤商店、サノヨリコ 様、産業振興(株)北日本事業所、三陸ブロードネット(株)、(宗)正福寺/正福寺幼稚園、セントラル釜石店、(福)陽風会 仙人の里、Senvan(同)、(同)ZEN PROJECT、(株)大同マネジメントサービス三陸支店、(有)ダイワ、(株)津田商店、テヅカサヤカ 様、(株)テツゲン東北支店、東陵総業(株)、中田薬局、(有)仲野石材店、日蓮宗 日高寺、日鉄興和不動産(株)、日鉄テックスエンジ(株)東北支店、日鉄物流釜石(株)、日東自動車工業(株)、日本製鉄グループ、濱幸水産(株)、(株)浜千鳥、東日本旅客鉄道(株)盛岡支社 釜石駅、(有)飛行船、ヒラマツフクヒサ 様、(有)藤倉建設、藤勇醸造(株)、(有)藤原土木、宝来館、北海道NSソリューションズ(株)、ホテルフォルクローロ三陸釜石、マエダツヨシ 様、養老乃瀧釜石店/つぼ八釜石店、三浦設備(株)、焼肉モランボン、(株)八幡建設、(有)ヤマキイチ商店、(株)山長建設、(株)山元、(株)ユアテック釜石営業所、(株)四ツ家建設、Raymond Wong 様

釜石よいさ実行委員会

釜石よいさ実行委員会

釜石よいさは釜石の夏の風物詩として市民から親しまれているお祭りです。

問い合わせ:080-1194-0413 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

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笑顔生む「釜石よいさ」4年ぶり開催 街を活気づける新たな形 継承へ手応え

「よいさ!」。かけ声に合わせて舞うよいさ小町

「よいさ!」。かけ声に合わせて舞うよいさ小町

  
 第32回「釜石よいさ」(同実行委員会主催)は23日、釜石市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続き、屋外での通常開催は4年ぶり。「笑顔を生み出す場」を心待ちにしていた15団体約550人が熱い群舞を繰り広げ、見守る市民らにも“はっちゃけた笑顔”が連鎖した。
   
 よいさは釜石製鉄所の高炉休止を受け、街に活気を取り戻そうと1987年に始まった。東日本大震災で中断したが、2013年に再開。コロナ禍で再び中止され、オンラインで踊りを発信するなど代替企画を催し伝統をつないできた。
  
 近年は経費や交通規制、運営人員不足など課題もあり、継続の形を模索。今回は、会場を市中心部から交通規制のない場所に移した。夏の風物詩として定着していたが、開催時期も猛暑を避けて8月から9月に変更。社会情勢の変化に対応すべく、新たな形を試験的に取り入れた。
  
多くの人でにぎわう釜石鵜住居復興スタジアム

多くの人でにぎわう釜石鵜住居復興スタジアム

  
 「さぁさ、よいやっさー」。午後1時、開会が宣言されると、おはやし隊の笛や太鼓に合わせ威勢のいいかけ声が響いた。13人の「よいさ小町」があでやかに前ばやしを披露し、本番がスタート。企業や団体、学校などが趣向を凝らしたスタイルで踊りの輪を広げた。
   
企業や学校、団体が笑顔を添えて踊りまくる

企業や学校、団体が笑顔を添えて踊りまくる

  
おはやし隊が威勢のいいかけ声と音色で盛り上げる

おはやし隊が威勢のいいかけ声と音色で盛り上げる

  
かわいらしい踊り手ばかりの「こどもよいさ」

かわいらしい踊り手ばかりの「こどもよいさ」 

   
 保育施設の子どもたちによる「こどもよいさ」は元気いっぱいにかわいらしい踊りを披露。双葉小6年生(29人)は保護者らを含め総勢約50人で輪に加わった。宮川友梨香さんは「ソーランの半被と鳴子の音を楽しんでもらえたらうれしい。踊るのはきついけど楽しい。いい思い出になる」とはにかんだ。
  
ソーランの半被、鳴子を手に元気に踊る双葉小6年生

ソーランの半被、鳴子を手に元気に踊る双葉小6年生

  
複数の団体が入り混じってパレードの輪をつくった

複数の団体が入り混じってパレードの輪をつくった

   
 特別養護老人ホーム仙人の里(甲子町)を利用する久保昭三さん(95)は「人がいっぱいでいい感じ。祭り、好きだ」とにこにこ顔。コロナ禍、施設では厳重な感染対策が求められ地域交流は難しかった。5類移行を受け、明るく頑張る姿を発信しようと初参加。生活相談員の佐藤啓祐さん(38)は「たまったものを発散できた。リフレッシュして、これからの力に」と表情は明るかった。
   
「明るく頑張ってます」。にぎやかな仙人の里チーム

「明るく頑張ってます」。にぎやかな仙人の里チーム

  
よいさの熱演に観客は拍手を送ったり、まねしたり

よいさの熱演に観客は拍手を送ったり、まねしたり

   
 山田町の石山健二さん(83)、三恵さん(78)夫妻は、小町として舞う孫3人の姿に「かわいかった。自慢だ」と目じりを下げた。よいさ観賞は初めてで、「踊りが流れているようで面白い。ゆっくり見ることができて良かった」と喜んだ。
   
市中心部に会場を移し行われた「アフターよいさ」

市中心部に会場を移し行われた「アフターよいさ」

   
 もう一つの試みが、大町の市民ホールTETTO前広場で行われた“アフターよいさ”。地元出身のフリーアナウンサー・民謡歌手の佐野よりこさんが「釜石小唄」を歌って盛り上げ、うのスタに行けなかった人らが踊りの輪をつくって楽しんだ。
  
 水産加工技能実習生のゴ・ティ・グェットさん(27)は「ベトナムにはないお祭り。みんなで一緒に踊って楽しい」とほほ笑んだ。コロナ禍前に参加したことのあるホアン・ティ・トゥイさん(26)は「待ってたー」と、うのスタもアフターも満喫。広く開放的なうのスタの印象もよく、「来年も踊りたい」と望んだ。
   
餅まきも大盛況。笑顔あふれる「よいさ」が復活

餅まきも大盛況。笑顔あふれる「よいさ」が復活

   
 実行委によると、うのスタとアフターを合わせた来場者は約4300人。実行委員長の一人、宍戸文彦さん(48)は多くの笑顔に触れ、「地域に祭りは必要だ」と実感した。会場の集約で救護や警備などに効率の良さも感じた様子で、「さらに手法を考え、改善していけば、もっと良くなる」と未来を見据えた。
   
 「はっちゃけた笑顔がたくさん。来年もよいさで会いましょう」

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4年ぶり サンマの塩焼きに長蛇の列 釜石まんぷくフェス 各地の“おいしいもの” 今年も一堂に

焼きたてのサンマを受け取り、笑みを広げる来場者=釜石まんぷくフェス2023

焼きたてのサンマを受け取り、笑みを広げる来場者=釜石まんぷくフェス2023

 
 釜石市内外の味覚を一堂に集めた「釜石まんぷくフェス2023」が16、17の両日、釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。釜石観光物産協会(新里進会長)が主催。17日は同スタジアムで、2019年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催を記念した「釜石絆の日」の交流試合も行われ、多くの来場者が食とラグビー観戦で初秋の休日を楽しんだ。
 
 市内外の食に関する業者など24店が出店。各地で親しまれる麺メニュー、揚げ物、串焼き、デザートなど多彩な味が並んだ。ピザやカレーの有名店のキッチンカーも。来場者は会場内を回りながら好みの商品を買い求め、その場で味わったり持ち帰り用に袋に入れてもらった。
 
 多くの来場者が楽しみにしていたのが、サンマの塩焼きのお振る舞い。新型コロナウイルス感染症の影響によるイベントの中止などがあったため4年ぶりの実施となり、1日500匹の提供に両日とも長蛇の列ができた。
 
午前11時からのお振る舞いを前にサンマ焼きに追われる市職員ら

午前11時からのお振る舞いを前にサンマ焼きに追われる市職員ら

 
ノンアル飲料で乾杯!青空の下で秋の味覚サンマを堪能する来場者

ノンアル飲料で乾杯!青空の下で秋の味覚サンマを堪能する来場者

 
 盛岡市の山崎勇さん(59)は「一番の目当てはサンマ」と妻、友人夫婦と来場。近年、記録的不漁で高値が続くサンマに「大好きなんだけど、もう庶民の食べ物じゃなくなりつつある…」と苦笑い。この日は青空の下で、秋の味覚を存分に堪能した。趣味のオートバイのツーリングで、釜石など沿岸部にはよく足を延ばす。「今日はホタテ焼きもいただいた。肉の無料試食も。いいイベントですね」と声を弾ませた。
 
大勢の人でにぎわうフェス会場=17日昼ごろ

大勢の人でにぎわうフェス会場=17日昼ごろ

 
シイタケ栽培を手がけるマルイ舗装はシイタケのアヒージョ(左下)なども販売

シイタケ栽培を手がけるマルイ舗装はシイタケのアヒージョ(左下)なども販売

 
 県産牛・豚肉の無料試食で人気を集めたのは県食肉事業協同組合連合会。食肉表示指導員の渡辺修司さん(73)は「おいしい国産牛肉、豚肉を知ってもらう機会。舌で覚えた味は忘れない。こういうイベントを機に、スーパーなどでもぜひ手に取ってほしい」とアピール。同連合会は東日本大震災後、同市青葉通り(大町)や魚市場などでお振る舞いを行い、被災者らを助けた。復興が進み、各種イベントを開催できるまでになった釜石に「すごくいいこと」と渡辺さん。
 
県産牛・豚肉を焼いて無料試食の場を提供した県食肉事業協同組合連合会

県産牛・豚肉を焼いて無料試食の場を提供した県食肉事業協同組合連合会

 
 釜石市と交流がある県外市区町からの出店もあった。釜石製鉄所の合理化で2千人以上が移住した愛知県東海市は官民の交流を背景に2007年、釜石市と姉妹都市提携。両市の産業、物産イベントには互いに出店し合っている。今回は東海商工会議所が同市の特産品を販売し、上々の売れ行きを見せた。
 
 同商議所中小企業相談所係長の秋元美穂さん(59)は、製鉄所で働く父の転勤で1970年に東海市に移住。古里釜石のイベント出店には9回同行し、両市の深いつながりを実感している。「釜石への出店希望者は多い。また、東海市に釜石の物産を持っていくと釜石出身者は『懐かしい』と喜んでくれる」。両市は災害時の相互応援協定(2003年)も結ぶ。「東海市もいつ大規模地震災害に見舞われるか分からない。平時からの助け合いは災害時にもきっと役立つと思う」と秋元さん。「定年後はプライベートで」と、引き続きの釜石訪問を望んだ。
 
えびせんべい、知多コーラ、ふところ餅…など東海市の名物を販売した東海商工会議所のブース

えびせんべい、知多コーラ、ふところ餅…など東海市の名物を販売した東海商工会議所のブース

 
たくさんのシャボン玉に子どもたちは大喜び!「うのスタメモリアルリバース」=16日

たくさんのシャボン玉に子どもたちは大喜び!「うのスタメモリアルリバース」=16日

 
 会場内では、農産物などを販売する「かまいし軽トラ市」も同時開催。自衛隊、警察、消防車両を展示公開する「働く自動車展」(17日開催)、シャボン玉マシンによる場所の記憶再生プロジェクト「うのスタメモリアルリバース」(16日同)も行われた。

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岩手が誇る3世界遺産を学ぶ 釜石・大平中1年生 県職員の出前授業で興味倍増

大平中1年生を対象に行われた県職員による世界遺産出前授業

大平中1年生を対象に行われた県職員による世界遺産出前授業

 
 釜石市の大平中(髙橋信昌校長、生徒80人)で13日、本県の世界遺産について学ぶ授業が行われた。県文化振興課が県内の小中高生を対象に開く出前授業で、同校では初開催。1年生19人が同市の「橋野鉄鉱山」を含む3遺産の概要や登録理由などを学び、その価値に理解を深めた。
 
 同課主任主査の濱守豊司さん(49)が講師を務め、クイズ的要素を交えながら楽しい授業を行った。本県の世界遺産は「平泉(の文化遺産)」(2011年登録)、「橋野鉄鉱山」(15年同)、「御所野遺跡」(21年同、一戸町)の3つ。橋野鉄鉱山は明治日本の産業革命遺産(8県11市23資産)、御所野遺跡は北海道・北東北の縄文遺跡群(4道県13市町17資産)の構成資産の一つとして登録された。いずれも世界文化遺産。
 
 濱守さんは「現在、登録されている世界遺産は1157件。日本では25件。世界遺産が3つあるのは岩手、鹿児島、奈良の3県だけで国内最多」と説明。本県の注目点として、時代が分かれている(御所野:約5000年前、平泉:約800年前、橋野:約160年前)ことを挙げた。3遺産の概要、登録理由についても解説した。
 
県文化振興課の濱守豊司さんが岩手の世界遺産について教えた

県文化振興課の濱守豊司さんが岩手の世界遺産について教えた

 
三択のクイズで正解と思うものに手をあげる生徒

三択のクイズで正解と思うものに手をあげる生徒

 
 「御所野遺跡」は縄文時代中期後半の集落跡とされ、竪穴住居跡などが残る遺跡。調査で土屋根だったことが証明されており、全国的にも珍しい形態だという。住居のそばにクリの木があり、実は食料に、木は家の柱に使うなど「自然の恵みを上手に活用して暮らしていたのが縄文人」と濱守さん。出土した土器も見せ、自然と共生した定住集落の構造がよく分かることを登録理由に挙げた。御所野を含む同遺跡群は国内最古の世界文化遺産。
 
 「平泉」は有名な中尊寺、毛越寺のほか無量光院跡など3資産を含む5つの構成資産から成る世界遺産。平安時代、奥州藤原氏4代にわたって造られた平泉は、初代清衡の「争いのない理想郷を」との願いから、仏教の「浄土」を参考に国づくりが進められていった。唯一現存する「中尊寺金色堂」、柱跡だけが残る「無量光院」は、当時の首都・京都から優秀な技術者を呼んで造らせたとされる。濱守さんは「当時の平泉はそのぐらい力があり、栄えていた土地だったことが分かる」と説明した。
 
 「橋野鉄鉱山」は国内で現存する最古の洋式高炉跡を有する場所。3基の高炉の石組みが残り、(鉄鉱石の)採掘場跡、運搬路跡とともに世界遺産になっている。「洋式高炉の稼働で、丈夫な鉄を一度にたくさん作れるようになった。今の豊かな生活があるのは、洋式高炉での製鉄に成功した釜石のおかげ」と、歴史的価値を示した。 
 
縄文土器、かわらけ(平安)など3遺産の時代の出土品にも触れた

縄文土器、かわらけ(平安)など3遺産の時代の出土品にも触れた

 
土器のかけらの手触りや重さを確かめる生徒

土器のかけらの手触りや重さを確かめる生徒

 
 生徒らは濱守さんの問いに積極的に受け答えしながら授業に臨み、本県が誇る世界遺産について理解を深めた。生徒らは8月末には、同市の製鉄の歴史を学ぶ一環で、手作りのミニ高炉での鉄づくりも体験している(市主催)。
 
 授業中、熱心にメモを取っていた照井心陽さんは、まだ行ったことがない御所野遺跡に興味を持った様子。「クリの木の近くに竪穴住居を作っていたのは初耳。よく考えて暮らしていたんだなと思った」。復元した土屋根の住居があると聞き、「中に入ってみたい。面白そう」と縄文文化の体験に期待を膨らませた。
 
 積極的に発言していた菊地優也さんは「平泉の金色堂が日本で最初に国宝(建物)に指定されたことや世界遺産が日本に25件しかないことなど、知らなかったことが知れた。岩手に3つも世界遺産があるのはすごい。他の遺跡のことも調べてみたい」と、知的好奇心をくすぐられていた。
  
生き生きとした表情で世界遺産授業に臨む生徒

生き生きとした表情で世界遺産授業に臨む生徒

 
生徒らは興味深げに濱守さんの話に聞き入った

生徒らは興味深げに濱守さんの話に聞き入った

 
 県による世界遺産出前授業は毎年、希望校が多い人気の講座。今年度は約120校から応募があり、うち30校で実施されている。

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釜石市議会、改選後初の臨時会 新人5人を含む全18議員 顔をそろえ、議長など選出

改選後初めて開かれた釜石市議会の臨時会

改選後初めて開かれた釜石市議会の臨時会

 
 任期満了に伴う釜石市議選(岩手県)は9月3日投開票され、定数18に対し21人が立候補、現職13人、新人5人が当選した。党派別では、公明2、共産1、無所属15で、女性は2人。改選後初となる釜石市議会の臨時会は15日に開かれ、正副議長選が行われた。投票の結果、議長に千葉栄氏(70)=21世紀の会=、副議長には佐々木聡氏(55)=令和クラブ=が選ばれた。既存の創政会、令和クラブ、21世紀の会、公明党に加え、新たに民政クラブが結成されるなど会派の再編も固まった。
  
 議長選には千葉氏と古川愛明氏(76)=創政会=が立候補。千葉氏は「議員活動の活性化、議会の監視機能や政策立案機能を充実、強化していく。市民のための議会として健全な運営に誠心誠意取り組む」と訴えた。一方、古川氏は「議会のワンチーム化」など4つの取り組みを挙げ、「市政課題について議員が徹底的に討議し、結論を導き出す環境を整える。市民に開かれた議会を目指す」と支持を呼びかけた。
 
 全議員18人が単記無記名式で投票。千葉氏が11票、古川氏が7票で、千葉氏が新議長に決まった。
 
 副議長選は佐々木氏がただ一人立候補。15票を獲得し、広く支持を得た。「議長を支え、議会の活性化や発展を着実に進めたい。市当局、市議会、市民の3つの連携、連動を重点に置いて頑張っていく」と所信を述べた。
 
議長の千葉栄氏(上)、副議長の佐々木聡氏

議長の千葉栄氏(上)、副議長の佐々木聡氏

  
 会派再編では、改選前と同数の5会派が結成を届け出た。既存の創政会(磯﨑翔太代表)と令和クラブ(菊池秀明代表)がそれぞれ4人、21世紀の会(佐々木義昭代表)は3人となった。公明党(山﨑長栄代表)は2人のまま。新会派の民政クラブ(三浦一泰代表)には3人が所属する。改選前は5人の最多会派があったが、今回は中小規模が横並びの状態となった。
 
 新人5人のうち、井筒健太郎氏(49)と菊地広隆氏(40)は創政会、工藤聡一郎氏(29)は令和クラブ、佐藤憲弘氏(50)は民政クラブに所属。村田信之氏(57)、2期目の深澤秋子氏(66)はそれぞれ単独で活動する。
 
 臨時会の合間には議員協議が行われ、総務、民生、経済の3常任委員会(各6人)、議会運営委員会(7人)の構成も決まった。
 
 釜石市議会の会派、委員会構成は次の通り。
 ◆会派構成(◎は代表者)
 ▽創政会(4人)◎磯﨑翔太、古川愛明、井筒健太郎、菊地広隆
 ▽令和クラブ(4人)◎菊池秀明、佐々木聡、高橋松一、工藤聡一郎
 ▽21世紀の会(3人)◎佐々木義昭、千葉栄、野田忠幸
 ▽民政クラブ(3人)◎三浦一泰、遠藤幸徳、佐藤憲弘
 ▽公明党(2人)◎山﨑長栄、細田孝子
 ◆委員会構成(◎は委員長、〇は副委員長)
 ▽総務常任委(6人)◎磯﨑翔太、〇深澤秋子、山﨑長栄、遠藤幸徳、井筒健太郎、千葉栄
 ▽民生常任委(6人)◎三浦一泰、〇工藤聡一郎、細田孝子、佐々木義昭、村田信之、佐々木聡
 ▽経済常任委(6人)◎野田忠幸、〇佐藤憲弘、菊池秀明、古川愛明、高橋松一、菊地広隆
 ▽議会運営委(7人)◎菊池秀明、〇古川愛明、細田孝子、遠藤幸徳、佐々木義昭、高橋松一、菊地広隆