大型連休 久しぶりのにぎわい 釜石駅前の春まつり 観光客ら海の幸、市内外の味覚堪能
天候にも恵まれ、市内外から客が訪れた「かまいし春まつり」=4日
新型コロナウイルス感染症の5類移行後、初めて迎えた春の大型連休。釜石市内は連休後半、晴天が続き、絶好の行楽日和となった。鈴子町の釜石駅前が会場となる恒例の「かまいし春まつり」は4日、シープラザ釜石、サン・フィッシュ釜石の両施設で行われた。来場者は市内外の出店者によるさまざまな味覚やステージイベントを楽しみ、釜石の春を満喫した。
同まつりはこれまで駅前広場を主会場としていたが、今回初めて、駅に隣接する観光物産施設シープラザ釜石の西側駐車場に出店ブースを設けた。市内外からキッチンカーを含む19店舗が出店。地元釜石からは各事業者がホタテ焼きやジェラート、海宝漬、ラスクなどを販売。釜石湾漁協釜石女性部はワカメやメカブの加工品を販売し、地元ならではの味をアピールした。
釜石湾漁協釜石女性部はワカメやメカブの加工品を販売。ご飯のお供、おつまみに…
釜石の春を盛り上げようと市外からの出店も多数
ラグビー「日本製鉄釜石シーウェイブス」の試合会場となる釜石鵜住居復興スタジアムでの出店が縁で、本まつりに出店した市外の事業者も。宮城県気仙沼市の大島から来たのは、飲食店&ゲストハウス「大漁丸」を経営する菊地幸江さん(63)。別店舗「GO-HEI」を構える娘夫婦と菓子などを販売した。三陸沿岸道路の開通で釜石までは車で約1時間。「つながりができてうれしい。地元以外の出店は新たな出会いがあって楽しい」と喜ぶ。13年前の震災津波、直近のコロナ禍で大島の観光、飲食業者も大きな打撃を受けた。「釜石も気仙沼も素晴らしい海が魅力。再び多くの人が訪れるようになるといい」と今夏に期待を寄せた。
気仙沼市・大島から出店した菊地幸江さん(左)家族。釜石との縁を喜ぶ
塩蔵ワカメの詰め放題企画。子どもたちは丸めて入れたり工夫も
正午のメカブ汁のお振る舞いには長い列ができた
会場内では塩蔵ワカメの詰め放題企画、昼には先着200人限定のメカブ汁のお振る舞いもあり、人気を集めた。シープラザの建物内ではステージイベントも。釜石市出身の民謡歌手佐野よりこさんや同市の柳家細川流舞踊などが出演し、来場者を楽しませた。
宮城県石巻市から親族4人で訪れた佐藤美智子さん(65)は新聞広告で同まつりを知り、初めて釜石市に足を延ばした。「ホタテやツブ、途中の道の駅ではホヤもいただき、海鮮づくしの一日。どれもおいしかった」と満足そう。今の三陸沿岸の景色に「(被災後の整備で)まちそのものはきれいになったが、家屋が少なくなったのはちょっと寂しい」。新型コロナの制限がない久しぶりの大型連休に「明日は孫、子どもたちとバーベキューです」と声を弾ませた。
シープラザ釜石では民謡や舞踊のステージイベントも
肉の串焼きやかき氷はボリューム満点(左)。好みのものを買い求め飲食を楽しんだ
駅前橋上市場サン・フィッシュ釜石は3~5日まで、三陸の海産物を堪能できる企画を用意。各店で購入した好みの魚介の刺し身でオリジナル丼を楽しめる「のっけ丼」、貝類やエビ、イカなどをその場で焼いて食べられる「浜焼き」を提供した。隣のシープラザでイベントがあった4日は午前10時ごろをピークに大勢の客が訪れた。
神奈川県横浜市の高橋広也さん(49)は家族3人で花巻市の実家に帰省。めい2人、母と連れ立って同まつりに足を運んだ。「新鮮な海産物のおいしさは格別」とのっけ丼、浜焼きを堪能。時間も場所もゆったりと食事を楽しんだ。三陸名物の“牛乳瓶入り”ウニを目当てに来たが、この日はあいにく水揚げがなく「後日、注文します」と楽しみは先延ばしに。コロナ禍でかなわなかった帰省は昨年から解禁。「子どもの顔を見せられるし、親族で集まれるのはすごく幸せ」と笑顔を輝かせた。
サン・フィッシュ釜石でのっけ丼や浜焼きを楽しむ家族ら
サン・フィッシュ会場では、かまいしDMCが開発した「うにしゃぶ」鍋スープをお試しサイズ(2~3人前)で味わえる企画も。スープ、ワカメ、ご飯をセットにして、3日間限定20食を販売した。
釜石新聞NewS
復興釜石新聞を前身とするWeb版釜石新聞です。専属記者2名が地域の出来事や暮らしに関する様々なNEWSをお届けします。取材に関する情報提供など: 担当直通電話 090-5233-1373/FAX 0193-27-8331/問い合わせフォーム