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遠隔操作のクレーンでごみを溶融炉に投入する作業を見学

沿岸南部 クリーンセンター一般公開〜55人見学 ごみ減量へ意識高める

遠隔操作のクレーンでごみを溶融炉に投入する作業を見学

遠隔操作のクレーンでごみを溶融炉に投入する作業を見学

 

 釜石市、大船渡市、陸前高田市、大槌町、住田町のごみ処理を担う釜石市平田の「岩手沿岸南部クリーンセンター」は5日、一般向けの施設見学会を開いた。6月の環境月間に合わせ2012年から実施。55人が見学に訪れ、工場棟や展示物の説明を聞きながら、施設の役割やごみ減量化への意識を高めた。

 

 見学者は施設紹介のDVDを見た後、職員の案内で工場棟へ。コンピューターで全設備の運転を24時間管理する中央操作室、遠隔操作を行うごみクレーン運転室、ごみを貯留し撹拌(かくはん)処理後、溶融炉に投入するごみピットなどを見学し、ごみ処理の過程を学んだ。

 

 展示室では、ごみの排出量など各種データを示すグラフや溶融炉から産出されるスラグ(砂)、メタル(金属)の利用法などが説明された。熱エネルギーを活用する浴場も開放された。

 

 鵜住居町の仮設住宅に暮らす男性は「風呂にはたまに来るが、施設見学は初めて。広域のごみ処理は復興にも役立っているのでは」と関心を深めた。

 

 同センターは沿岸南部の5市町が共同で建設し、ガス化溶融炉2炉を有する。11年4月1日から稼働予定だったが、3月に震災が発生。津波による大きな被害は免れたが、電気設備の復旧のため11日からの本格稼働となった。家庭や事業所のごみに加え、14年8月まで被災4市町の災害廃棄物処理を行い、3万トン余りの災害廃棄物を処理した。

 

 現在は1日に約130トンのごみを処理する。余熱を利用した蒸気タービン発電で施設の電力をまかない、余剰電力は売電。余熱で沸かす風呂は月~金曜日の昼間に無料で開放され、年間2万人以上が利用する。熔融物のスラグは道路の路盤材や建築骨材、メタルは重機のカウンターウエートなどに活用され、循環型社会に適応する環境に配慮した施設になっている。

 

 センターを運営管理する岩手沿岸南部広域環境組合(管理者・野田武則釜石市長)の岩間成好事務局長は「見学で施設を身近に感じ、日ごろからごみを減らすなどの意識づけにつなげてもらえれば」と期待。6月の見学会以外にも学校の社会見学や行政視察などを受け入れており、昨年は管内の10小学校から245人の児童が訪れたという。

 

(復興釜石新聞 2016年6月8日発行 第493号より)

関連情報 by 縁とらんす
岩手沿岸南部広域環境組合 – 釜石市
復興釜石新聞

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復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

復興釜石新聞500号発行記念企画

復興釜石新聞500号発行記念企画〜「復興釜石新聞へメッセージを届けよう」

復興釜石新聞500号発行記念企画

 

復興釜石新聞500号の広告枠及び縁とらんすの地域情報ページに掲載する皆さまからのメッセージを募集しています

 

2011年3月11日に発生した東日本大震災から3ヶ月後となる6月11日。「釜石を愛し、住み続けてほしい」という大きな見出しがつけらた『復興釜石新聞』の創刊号が市内全戸に配布されました。

 

そして本日、2016年6月11日、復興釜石新聞は創刊から5年を迎えます。更に、来月7月2日には500号目が発行されます。

 

復旧ままならない時期から、この地域とここで生きる人々の今を伝え残してきた復興釜石新聞の5年、そして500号という節目を記念し、”かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす”を運営する釜石まちづくり株式会社では、復興釜石新聞への応援メッセージを広く募集いたします。

 

皆様からお預かりした全てのメッセージは復興釜石新聞を発行する釜石新聞社へお届けいたします。また、釜石まちづくり会社による選定のうえ、復興釜石新聞500号の広告枠(3段通しを予定)での掲載のほか、かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんすでの地域情報記事としても掲載させて頂きます。

 

市内の方はもちろん、市外県外の方からも広く募集しております。皆さまからのメッセージを心よりお待ちしております。ご協力よろしくお願いいたします。

 

※広告枠及び縁とらんすにてメッセージを掲載する際、レイアウトの都合により文面を調整する場合があります。
※本企画は釜石まちづくり株式会社の主催企画であり、釜石新聞社の企画ではありません。

 

応募方法

以下の応募フォームより必要事項とメッセージを入力のうえご応募ください。

 

復興釜石新聞へのメッセージ

復興釜石新聞へのメッセージ – Google フォーム

応募フォームは、PCやスマートフォン等からどなたでもご利用できます。
リンク


 

募集期間

2016年6月11日(土)〜18日(土)

お問い合わせ

釜石まちづくり株式会社(電話 0193-22-3607)

 

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

大船渡方面の坑口から、建設中の唐丹第1高架橋を望む

吉浜釜石道路 荒川トンネル貫通〜唐丹小児童 祝いのソーラン、18年度開通へ見通しも明るく

大船渡方面の坑口から、建設中の唐丹第1高架橋を望む

大船渡方面の坑口から、建設中の唐丹第1高架橋を望む

 

 「復興道路」として整備が進む三陸沿岸道路・吉浜釜石道路(大船渡市三陸町吉浜―釜石市甲子町14キロ)の荒川トンネル(1169メートル)が貫通し、1日、現地で式典が行われた。工事関係者や唐丹小の児童ら約150人が参加。節目の貫通に、関係者は「目標とする2018年度開通も見えてきた」と喜んだ。

 

 貫通発破のスイッチを押す野田市長や唐丹小の児童ら

貫通発破のスイッチを押す野田市長や唐丹小の児童ら

 

 貫通式典は、工事を請け負う大林・富士ピーエス特定建設工事共同企業体が主催。野田武則市長と唐丹小の児童代表らが発破のスイッチを入れると、ドドンという大きな音とともにトンネルの穴をふさいでいた幕が落とされた。作業員らが樽(たる)みこしを繰り出し、唐丹小の5・6年生20人が「よさこいソーラン」を披露。最後に参加者全員で万歳三唱し貫通を祝った。

 

万歳三唱で荒川トンネルの貫通を祝う関係者

万歳三唱で荒川トンネルの貫通を祝う関係者

 

 野田武則市長は「震災で亡くなった多くの犠牲者があって整備が進む”尋常ならざる道路”ということに思いをはせ、一日も早い完成を願う」とあいさつ。工事を発注した国土交通省南三陸国道事務所の金ケ瀬光正所長は「トンネルは工期内で貫通した。18年度開通も見えてきたのではないか」と述べた。

 

 荒川トンネルは、釜石南インターチェンジ(IC)と釜石唐丹IC(共に仮称)の間にあり、14年9月から掘削が進められてきた。事業費は約103億円。吉浜釜石道路に建設されるトンネルのうち2番目の貫通で、道路全体の完成は18年度を見込む。

 

 吉浜釜石道路には5本のトンネルと3つの橋が建設されるが、1千メートルを超えるトンネルは荒川トンネルなど3本。工事は約75%まで進んでおり、新鍬台トンネル(3330メートル)は今秋、唐丹第3トンネル(2998メートル)は来春の貫通を見込む。

 

(復興釜石新聞 2016年6月4日発行 第492号より)

 

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作業前にハートのマグネットで彩られた仮設住宅の前で記念撮影する参加者

団地を彩るマグネット取り外し〜6月撤去へ中妻町仮設住宅(昭和園)、感謝のお別れイベント

作業前にハートのマグネットで彩られた仮設住宅の前で記念撮影する参加者

「ありがとう、昭和園」。作業前にハートのマグネットで彩られた仮設住宅の前で記念撮影する参加者

 

 津波ですべてを流されて5年余り。釜石市では復興公営住宅の整備とともに、仮設住宅の集約が本格化し、被災者の住環境が大きく変わる時期を迎えた。6月に撤去されることが決まっている中妻町仮設団地(昭和園)では5月28日、お別れイベントを開催。同団地の壁を彩るハートマークをあしらったカラフルなマグネットが役目を終えることから、元住民らが生活の場だった仮設住宅に感謝しながら取り外した。

 

 マグネットの装飾は同団地に住んでいた寺崎幸季さん(釜石高3年)が発案。「仮設」を「家」と呼べる雰囲気を作り、愛着を持って暮らしてもらえたら―との思いに共感した市内外の支援者が製作した6千枚を昨年9月に住宅の壁に飾り付けた。

 

 この約8カ月後、集約により寺崎さんは上中島町の仮設住宅に転居。「5年間の思い出が詰まっている。生活する中で課題を発見して、どうにかしようと行動するようになり、自分が成長できた場所でもある。寂しい気持ちもあるが、楽しくやりたい」と、この日の作業に取り組んだ。

 

 ありがとう、昭和園――。イベントには寺崎さんのような元住民、近隣住民、マグネット製作にかかわった人ら約50人が集まった。約4年を過ごした60代と40代の女性の親子は「最後だから見納めに」と参加。昨年春に上中島町の復興住宅に移って新しい生活をスタートさせたが、「ここ(仮設)での生活が長かったので、復興住宅より落ち着く。帰る場所を間違えている気になることも。寂しさがある」としみじみ話した。

 

 取り外したマグネットは水洗いして保管。寺崎さんによると、釜石情報交流センターやほかの仮設住宅での活用を検討しているという。「先月、地震があった熊本にも仮設ができると思うので、飾り付けに行きたい。同じ被災地の思いを共有できれば」とも。だが、「仮設はいつまでもあり続けてはいけないもの。違った形の活動もしていきたい」と前を向いた。

 

 昭和園グラウンドにある同団地(118戸)は震災1カ月半後の2011年4月下旬に入居が始まった。現在市内では復興住宅の整備など徐々に進んでいるものの、閉鎖時期の今年5月末までに多くの復興住宅や移転地が未完成のまま。集約先となる別の仮設住宅への転居を余儀なくされる世帯もあり、数世帯を残して退去済み。団地は近く解体予定で、跡地は津波で全壊した釜石警察署などの再建地になるという。

 

(復興釜石新聞 2016年6月1日発行 第491号より)

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作業を終え、笑顔を見せる飛行船関係者と仮設住宅住民ら

仕分け作業が絆つなぐ、移行期迎えた桜木町仮設団地〜栃木から今も届く支援物資

届いた野菜を手分けして箱詰めする桜木町仮設団地の住民ら

届いた野菜を手分けして箱詰めする桜木町仮設団地の住民ら

 

 東日本大震災から5年がたち、釜石市では東部地区などで整備中の復興公営住宅の完成が相次ぎ、仮設住宅からの引っ越しがこれから本格化する。仮設住宅の集約も始まり、被災した人たちの住環境が大きく変わる時期を迎えており、桜木町仮設団地でも来月以降、新住宅への入居などで退去者が増える見込み。そんな中、同団地に月に一度届けられる支援物資の仕分け作業が26日にあり、住民らはこれまでつないだ絆を生かした連携プレーで作業に取り組んだ。

 

 ワゴン車いっぱいに積み込まれた大根や雪菜、シュンギク、トマト、甘夏……。栃木県鹿沼市のリサイクルショップ「飛行船」(桶田正信社長)が震災直後から釜石や大槌の仮設団地などに届けている支援物資で、今回で109便になる。野菜は自社農場で採れたものや地元農家の差し入れ、果物などは全国の支援者から寄せられたもの。同団地には2013年春ごろから届けられるようになった。

 

 この日は楽しみにしていた同団地の住民、近くで暮らすみなし住宅の住民ら約20人が談話室前の広場に集合。届いた野菜や果物の取り分け作業を分担し、希望のあった41世帯分の物資を箱に詰めた。

 

作業を終え、笑顔を見せる飛行船関係者と仮設住宅住民ら

作業を終え、笑顔を見せる飛行船関係者と仮設住宅住民ら

 

 最大約110世帯あった同団地は昨年北側の約50戸が撤去され、現在は60戸に約50世帯が暮らす。山本理悦子自治会長によると、同団地から新しい住宅に移り住むのは8月までに10世帯ほどが予定しているという。一方、同団地は「拠点集約地」となる見通しで、仮設団地の集約により新しい住民の入居も見込まれる。

 

 今回が、これまで参加していた住民の転居が始まる前の最後の作業。来月初めに大町の復興住宅に移る70代の女性は「月に一度の贈り物が楽しみで、本当にありがたかった。普段あまり外に出なくとも、この日に集まって顔を合わせる人もいて交流も楽しめた。つながったものがなくなるのかなと、寂しさもある」と名残惜しそうだった。

 

 物資を届けた同社の桶田博信専務(37)は「この物資支援活動をレクリエーションの一つに感じてもらえれば」と願う。昨年9月に関東などで発生した記録的な大雨で鹿沼市も大きな浸水被害がありながら活動を続けており、「お互いさま。だからこそ頑張れる」と博信専務。「必要とされる限り続ける。コミュニケーションの場として活用してもらえたら、いい」と、移行期の被災地に通い続ける思いを話した。

 

 山本自治会長は「長く続けることは簡単じゃない。離れていても見守る人がいて、心をつなぐことができるのはうれしいこと」と感謝。今後も届く物資の仕分け作業には、「せっかくつないだ絆だから大切にしたい」と、同団地を離れた住民も参加できるようにするという。

 

(復興釜石新聞 2016年5月28日発行 第490号より)

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広報かまいし2016年6月1日号(No.1641)

広報かまいし2016年6月1日号(No.1641)

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広報かまいし2016年6月1日号(No.1641)

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【目次】
表紙:市営住宅の入居者を募集します、市長のつぶや記
P02:洪水・土砂災害から身を守るために緊急避難場所を確認しましょう
P04:肺がん(結核)検診が始まります!
P05:住宅関係の助成事業を行っています、国民健康保険のお知らせ
P06:今月のインフォメーション、おもいをつむぐはなみずき
P08:都市計画の変更案の説明会・縦覧を行います、釜石地区被災者相談支援センターをご利用ください、ごきんじょぶ釜石市板

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-22-2111 / 0193-22-2686 / メール
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抽選に臨む入居者ら

顔合わせ交流 新生活へ一歩〜大町1号復興公営住宅、入居者の部屋決め抽選会

抽選に臨む入居者ら

若い番号が出るよう願いを込め、抽選に臨む入居者ら。求めていた落ち着ける住まいに希望が膨らむ

 

 釜石市大町3丁目の旧市営駐車場跡地に市が建設した「大町1号復興公営住宅」の入居が始まるのを前に22日、入居者の部屋決め抽選会が情報交流センター釜石PITで開かれた。2~6階に配置された44戸(1LDK12戸、2LDK32戸)に入る世帯が全て決定。入居者らは居住階ごとに集まり、顔合わせ交流で新生活の一歩を踏み出した。

 

 抽選会には入居者本人のほか、付き添いや代理の家族ら約80人が参加。入場時の整理券の番号順に予備抽選を行い、本抽選の順番を決めた。抽選は、番号の入ったカプセルを箱の中から引く形で行われた。

 

 本抽選で手にした番号順に、希望する部屋を決めていった。ペット飼育世帯用に4戸、優先世帯(75歳以上のみ、重度障害者、要介護度3~5のいずれかに該当)用に19戸が設定されており、各世帯の事情に応じて選んだ。1階部分の駐車場23区画の抽選も行われた。

 

 市と市社会福祉協議会が連携し、抽選後、居住階ごとに交流の場を設けた。入居者は互いに自己紹介し、顔と名前を知り合った。市は、課題となっている復興住宅のコミュニティー形成に力を入れる。地域づくり推進課の見世健一課長は「まずは隣近所だけでも顔を覚えてもらいたい。段階を踏んで交流会も重ねていく」とし、今後につながる顔合わせの重要性を示した。

 

居住階ごとに入居者が自己紹介し、顔合わせをした交流会

居住階ごとに入居者が自己紹介し、顔合わせをした交流会

 

 この日は担当課から、入居手続きや仮設住宅の退去、引っ越し補助金などについての説明もあった。

 

 入居者の谷澤泰夫さん(86)、八重さん(84)夫妻は、浜町で被災後、盛岡市にある八重さんの実家の貸家で避難生活を送ってきた。「私としては生まれた土地だからね。何としても老後はここ(釜石)でと思っていた」と泰夫さん。部屋が決まり安堵(あんど)した様子で、5年ぶりに古里で暮らせる喜びをかみしめた。八重さんは「盛岡でもそうだったが、与えられた所で上手に過ごそうと思って。近所の顔も分かり心強い」と、新しい環境にも不安より期待のほうが大きい。子や孫は独立しており、「まあ、何とか夫婦2人でやっていこう」と顔を見合わせ、ほほ笑んだ。

 

(復興釜石新聞 2016年5月25日発行 第489号より)

 

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竣工式であいさつする野田武則市長

暮らしを支える ライフライン〜災害時の拠点施設に建て替え、釜石市水道事業所 新庁舎完成、窓口業務23日から開始

以前と同じ場所に建て替えられた市水道事業所の新庁舎

以前と同じ場所に建て替えられた市水道事業所の新庁舎

 

 釜石市が建て替えを進めていた新町の市水道事業所庁舎が完成し、17日に竣工(しゅんこう)式が行われた。新庁舎は災害時に拠点施設として機能できるよう耐震性を強化したほか、多目的トイレの設置や窓口など来客スペースを広くするなど快適な利用に配慮。水道料金の支払いなど窓口業務を含む水道関連業務は23日から開始する。

 

 旧庁舎は1971年度に建設された。老朽化が進む中、東日本大震災の激しい地震の揺れで内壁や外壁、基礎部分などに著しいひび割れや損壊が生じ、建て替えを決定。昨年8月に着工し、業務は上中島町の仮設事業所で行ってきた。建て替え事業費は約2億2千万円。

 

 新庁舎は鉄骨造り一部2階建てで、延べ床面積は613平方メートル。災害時の拠点となる施設にするため耐震構造を採用。停電時は隣接する中央管理棟の自家発電設備から電気の供給ができるようになっている。

 

 主な施設は1階に事務室や来客窓口など、2階には会議室、大書庫などを配した。旧庁舎より多少狭くなったが、職員(臨時を含め16人)が迅速、的確に業務を進め、災害などの緊急時においても効率的に対応できるよう配慮。窓口などの来客スペースは以前より広くし、来客用駐車場も6台分を確保した。車いすのまま入れるスペースなどを備えた多目的トイレを建物の入り口近くに設置。気軽に利用してもらえるよう配慮した。

 

 施工の八幡建設(八幡康正社長)が主催する竣工式には、工事を発注した野田武則市長ら関係者約30人が出席。神事で野田市長らが玉串をささげ、完成を祝った。

 

 市の水道事業は1949年に創設して以来、区域拡張や未普及地域解消を進め、現在ではほとんどの地区で水道を利用できるようになっている。震災では多くの水道施設が被災したが、水道工事業者らの支援により早期に復旧。現在の復旧事業にも遅滞なく取り組んでいるが、今後の水道事業は老朽化した施設が急速に増える一方で、収益が減少するという厳しい事業運営が予想される。

 

竣工式であいさつする野田武則市長

竣工式であいさつする野田武則市長

 

 野田市長はあいさつで「将来にわたり安心して利用していただける水道を実現していくため、サービスの向上と事業運営の効率化により市民の信頼に応えていきたい。一日も早く復興を果たすため、今後も変わらぬ支援と協力をお願いする」と期待。祝辞を述べた市水道工事業協同組合の佐野雅弘常務理事は「水道は暮らしと仕事を支える重要なライフライン。支える一翼を担う団体として技術向上に励んでいく」と気持ちを新たにした。

 

(復興釜石新聞 2016年5月21日発行 第488号より)

関連情報 by 縁とらんす
水道事業所の移転のお知らせ | 釜石市
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釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)

【意見募集】釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)整備基本設計(案)

意見募集案件

 

案件名:釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)整備基本設計(案)

 

東日本大震災で市内のスポーツ施設が不足したため、市民がスポーツやレクリエーション活動、交流を楽しめる場、及び、災害時の避難・応急生活支援の拠点として、また、平成31(2019)年に当市で開催されるラグビーワールドカップ2019の試合会場として、市は、旧鵜住居小・釜石東中跡地に鵜住居地区復興広場を整備し、同広場内に釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)を建設することとしています。

 

地域コミュニティの再生、市民の健康保持増進、にぎわいや交流人口の増大、そして、ラグビーワールドカップ2019の成功とその後の有効利用を見据え、平成29年度末(仮設施設は同31年度)の完成を予定しています。

 

平成27年度において、プロポーザル審査委員会を経て設計業者を選定の上、これまで同スタジアム整備基本設計を行ってきましたが、有識者やスポーツ関係者等との協議を経て、このほどとりまとめた基本設計案について、広く市民の皆さんの意見を募集します。

 

募集期間:平成28年5月25日(水曜日)から平成28年6月24日(金曜日)まで
担当部署:総務企画部総合政策課 電話0193-22-2111(内線105)

 

資料

https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/public/boshu_anken/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/05/23/gaiyou.pdf

釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)整備基本設計(案)概要

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https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/public/boshu_anken/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/05/23/sutajiamu.pdf

釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)整備基本設計(案)

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意見を提出できる方

■市内に住所がある方
■市内に事務所または事業所を持っている個人、法人または団体
■市内の事務所または事業所に勤務している方
■市内の学校に通学している方
■意見募集手続きに係る事案に利害関係を有する人

記載内容

意見を提出する際は、次の内容を必ず記載してください。
■提出する意見とその理由(案のどの部分に対する意見かを記載のこと)
■氏名(法人、団体の場合はその名称)
■住所
■電話番号(連絡先)
※市外の方は、次の項目も記載していただきます。
●勤務先または通学先

意見の提出方法

■郵送…<平成28年6月24日必着>〒026‐8686釜石市只越町3‐9‐13 市広聴広報課あて
■ファックス…0193-22-2678
■電子メール…koutyou@city.kamaishi.iwate.jp
■「みんなの声の箱」への投かん…(設置場所=市役所、各生活応援センター、市教育センター、市図書館、市保健福祉センター)
■直接持参…市広聴広報課へ

 

※皆さんの意見や提言が「文字」となっていることを前提としますので、電話での意見は受けません。皆さんからいただいた意見につきましては、取りまとめの上、意見に対する考え方を付して公表するとともに、検討する際の参考とします。公表にあたっては、個人情報の公表は一切行いません。なお、意見に対する個別の回答はいたしかねますので、あらかじめご了承願います。

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 ラグビーワールドカップ2019推進室
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-22-2111(105) / 0193-22-6040 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/public/boshu_anken/detail/1201641_2968.html
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120年前からのメッセージ〜明治三陸大津波写真展、釜石市郷土資料館

120年前の津波被害や人々の様子をとらえた写真が並ぶ

120年前の津波被害や人々の様子をとらえた写真が並ぶ

 

 釜石市鈴子町の市郷土資料館(菊池清太館長)で、企画展「明治三陸大津波写真展―120年前からのメッセージ」が開かれている。陸に打ち上げられた大型船、全壊した家屋、広範囲に散らばる流木、ぼうぜんとする人々など、明治三陸大津波(1896年=明治29)が発生した後の釜石市内を鮮明にとらえた写真を展示。当時の津波被害の大きさを克明に伝える写真は、東日本大震災の被災状況と重なる。6月19日まで。

 

 写真は、東京都在住の古写真収集家、石黒敬章さんが保存。石黒さんの父親が、明治時代を代表する写真師・中島待乳(なかじま・まつち/1850-1915)の遺品として入手したアルバムの中にあった。石黒さんから提供された48点のうち、120年前の惨状をとらえた27点を同資料館入り口と津波資料コーナーの一角に展示。デジタル・フォト・フレームでも紹介する。

 

 関連展示として、「大海嘯(かいしょう)極惨状之図」2点、「三陸東海岸大海嘯被害図」1点、旧釜石鉱山事務所所蔵の風俗画報(大海嘯被害録)1冊、両石・唐丹・石応禅寺の津波記念碑の写真3点と解説パネルも。周辺には今回の震災の記録や資料も並んでいる。

 

 菊池館長は「いつ、どこで、どんな形で災害が発生するか誰にも予想つかないが、沿岸部に住む者として、津波に関する危機意識を常に持つことは誰も避けて通れない。そのことが家を守る、家族を守ることになる。親から子へ、子から孫へ受け継いでほしい」と企画展開催への思いを話した。

 

 開館時間は午前9時半から午後4時半まで。火曜休館。

 

(復興釜石新聞 2016年5月21日発行 第488号より)

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菜種油「油いっこ」を前に思いを語る山田代表(中)

「菜の花プロジェクト」収益を復興に〜雇用、交流拡大に貢献、ユナイテッドグリーン推進

菜種油「油いっこ」を前に思いを語る山田代表(中)

菜種油「油いっこ」を前に思いを語る山田代表(中)

 

 東日本大震災で被災した釜石市内の土地や周辺の耕作放棄地に菜の花を植え、景観づくりや塩害などの土壌改良、菜種油の製造・販売などに取り組む一般社団法人ユナイテッドグリーン(山田周生代表)は11日、「復興のために役立てて」と、市に15万円を寄付した。同法人が推進する「菜の花大地復興プロジェクト」では地元雇用やボランティアとの交流も広がっており、寄付金を受け取った野田武則市長は「生活の場からの復興発信につながる」と感謝した。

 

山田代表「釜石は理想の地」

 

 山田代表(58)はバイオディーゼル燃料で世界一周走行を果たしたフォトジャーナリスト。震災を機に「循環型地域づくり」を発信しようと釜石に移り住み、13年3月に同法人を設立した。

 

 菜の花畑は鵜住居町から栗林町にかけての県道釜石遠野線沿いなどに点在し、広さは約1・5ヘクタールに及ぶ。菜の花には除塩効果があるとされ、土壌改良が期待できるほか、黄色に染まった美しい景観は仮設住宅などで暮らす被災地の住民の心も癒やしている。鵜住居川流域を中心に世界遺産の橋野鉄鉱山までを「菜の花ロード」にする計画も進んでいる。

 

 収穫した菜種は一関市の業者に依頼して搾油。13年から「油いっこ」(180グラム入り、1瓶税込み1200円)の商品名で、橋野町の産直「どんぐり広場」などで販売。「無農薬栽培で健康にもいい」と好評で、昨年度は約100万円の売り上げがあった。これまでに約3千本を売り上げ、益金はラベル貼りなどを手伝った地域住民への賃金として支払われている。

 

 畑の石拾いや草取りなどで年間約1500人のボランティアが市外から訪れるなど、市が人口減対策の柱に掲げる”交流人口”の拡大にも貢献。昨年からスタートした「オーナー制度」には日本郵船など企業や個人から7区画(約0・3ヘクタール)に応募があり、畑の管理を地元住民に依頼することで働く場と収入の確保にもつながっている。

 

県道沿いに広がる菜の花畑

県道沿いに広がる菜の花畑。一帯を「菜の花ロード」にとの計画も

 

 山田代表は「釜石には海と山の両方があり、豊かな水、風、太陽光を自然エネルギーとして活用できる。山間部の橋野地区には電気のない暮らしの知恵も残っており、釜石は自然との共生を具現化できる理想的な場所」と指摘。「菜の花プロジェクトを組み合わせ、もっと地域を元気にしたい」と思いを膨らませる。

 

(復興釜石新聞 2016年5月14日発行 第486号より)

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スペシャルゲストの「climbgrow」は岩手県初上陸で注目を集めた

おお!まちミュージックフェスタ〜街ににぎわいロックのリズム、東部地区商業者は「青葉マルシェ」

出演バンドの熱いライブにこぶしを突き上げ応える観客ら

出演バンドの熱いライブにこぶしを突き上げ応える観客ら

 

 被災した中心市街地のにぎわい再生を目指す音楽イベント「Oh!マチ Music Festa(おお!まちミュージックフェスタ)」(同実行委主催)が3日、釜石市大町の青葉通りで開かれた。昨年に続き2回目。今年は野外ステージでの演奏に加え、東部地区の商業者らによる「青葉マルシェ(市場)」も開かれ、街の顔となる新たな商店街形成に向け弾みをつけた。

 

 市内外の応募者24組から実行委の審査で選ばれた10組が出演。

 

 通り沿いの2ホテルの前に設けたステージで、それぞれロックやアコースティックなどの演奏パフォーマンスを繰り広げた。

 

 スペシャルゲスト2組も招かれた。滋賀県大津市出身の男性4人組バンド「climbgrow(クライムグロウ)」は、10代限定のロックフェス「閃光ライオット2014」で、1万組を超える応募の中で準グランプリを獲得した実力派。熱いライブで観客を引きつけた。

 

スペシャルゲストの「climbgrow」は岩手県初上陸で注目を集めた

スペシャルゲストの「climbgrow」は岩手県初上陸で注目を集めた

 

 専門学校の同級生だった山崎春紫(つくし)さん(21)=遠野市出身=と菊池結衣さん(21)=釜石市出身=は、通りがかりにイベントに出会い、「街の中心で音楽イベントがあるのは魅力的。(被災した青葉通りが)ここまで復興したのは素直にうれしい」と楽しい空間に笑顔を見せた。

 

 マルシェでは、東部コミュニティ共同出店テントに23事業者が商品を提供。被災し再建を果たした店や本設を目指し仮設店舗で営業中の店が、グルメ、美容、雑貨など自慢の一品を持ち寄った。タウンポート大町の共同出店やかまいしキッチンカー、市民らによるフリーマーケットなどもあり、幅広い年代の購買意欲をかき立てた。

 

さまざまな店舗が出店し青葉通りににぎわいを生んだマルシェ

さまざまな店舗が出店し青葉通りににぎわいを生んだマルシェ

 

 新里耕司実行委員長(大町商店街振興組合理事長)は「マルシェ効果もあり青葉通り内に人の流れが生まれ、昨年より人出が多い」と効果を実感。中心商店街について、「被災店舗の再建も少しずつ進んでいるが、商店街の街並みが出来上がるまでには時間がかかりそう。復興住宅が完成し住民が戻ってくれば、商業者の再建もさらに進むのでは」と期待し、目抜き通りだけではない広域での商店街展開を未来の姿として描いた。

 

 会場では熊本地震の義援金募金活動も行われた。

 

(復興釜石新聞 2016年5月11日発行 第485号より)

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