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沿岸初「B-1」食で地域発信、ご当地グルメ一堂に〜地元釜石からは「ラーメン」「バーガー」

2日間で1万人余りを集めた「三陸ぐるっと食堂」

2日間で1万人余りを集めた「三陸ぐるっと食堂」

 

 食をテーマにした地域づくりイベント「三陸ぐるっと食堂in KAMAISHI×B―1グランプリ」(同実行委員会主催)が8月29、30の両日、釜石市鈴子町のシープラザ遊で開かれた。食による地域づくりに取り組む地元の8団体や、全国B―1グランプリに出展経験のある県内外の7団体などが料理を提供。個性あふれるご当地グルメが味わえるとあって多くの家族連れなどでにぎわい、2日間で延べ1万1千人(主催者発表)が訪れた。会場に設けられたステージでは釜石や大槌町の郷土芸能団体やバンドによるパワフルな演舞や演奏もあり、食と合わせ元気な三陸をアピールした。

 
かまいしこども園の園児は元気な虎舞を披露し、会場を盛り上げた

かまいしこども園の園児は元気な虎舞を披露し、会場を盛り上げた

 

 「B―1グランプリ」を各地で開く一般社団法人愛Bリーグ本部の公認イベントで、本県沿岸部では初の開催。静岡県富士宮市の富士宮やきそば、山形県河北町のかほく冷たい肉そば、北上市の北上コロッケなどが集結し、全国で愛される味を提供した。

 
ご当地グルメを求めて訪れた人に、出来たてをおいしく食べてもらおうと腕を振るう「富士宮やきそば学会」のスタッフ

ご当地グルメを求めて訪れた人に、出来たてをおいしく食べてもらおうと腕を振るう「富士宮やきそば学会」のスタッフ

 

 地元からは釜石、宮古、大船渡、岩泉、大槌、住田の6市町にある地域づくり団体が参加した。釜石ラーメン、甲子柿を使ったスムージー、ホルモン、鶏ハラミから揚げなど多種多様なメニューを提供。自慢の味を紹介しながらそれぞれのまちを売り込んだ。

 
地元から出展した「釜石ラーメン」にも長蛇の列

地元から出展した「釜石ラーメン」にも長蛇の列

 

 ふだんは食べられないご当地グルメを楽しめるのはもちろんだが、もうひとつの見所が各参加団体によるPR合戦。緑色のマスクをかぶった「キャベツマン」、作業着やヘルメットを装着した炭鉱マン、甲冑(かっちゅう)姿の火縄銃鉄砲隊員など人目を引くユニークな衣装で地元愛をアピールしながら、「おいしいよ」「揚げたて、あつあつだよ」などと掛け声を響かせていた。

 
「いわてまち焼うどん」をPRするキャベツマンは子どもたちに人気
 

 初日のステージでは、唐丹町の桜舞太鼓が見事なばちさばきで勇壮な演奏を披露。市内の幼稚園児らもかわいらしい虎舞で会場を盛り上げた。

 

 野田町の山本カツ子さん(75)は「いろんな味を楽しめるのがいい。調理したてなのでおいしい。活気があって、うれしい」と会場の雰囲気を楽しんだ。盛岡市の村上和央さん(26)は、3カ月ほど前に釜石に転勤した坂井美香子さん(28)と足を運び、「三陸の味を知る機会。おなかが許す限り食べたい」と話した。

 
「おいしいよ」の掛け声が響く中、老いも若きもグルメを満喫

「おいしいよ」の掛け声が響く中、老いも若きもグルメを満喫

 

 地元の釜石はまゆりプロジェクトは、ハマユリ由来の酵母を活用したパンに大豆のハム「タンパッキー」を挟んだ「釜石バーガー」を出展した。初日に用意した150人分を約2時間で売り切る人気ぶり。バーガーを商品化した鵜住居町のパン製造販売「あんでるせん」の小笠原泰樹さん(32)は「地元の食材を使った商品を多くの人に知ってもらえるチャンスの場。『釜石ならこれ』という商品にできれば、今後予想される多くの観光客へのおもてなしにつながる。頑張らなきゃという思いが強まった」と意欲を新たにした。

 

 本県初登場で、B―1グランプリで準優勝経験もある「勝浦タンタンメン」を提供した千葉県勝浦市の「熱血!!勝浦タンタンメン船団」の磯野典正船団長(41)は「まちおこしは人おこし。人づくりはまちづくり。とにかく人を巻き込み、地域をPRすることがまちづくりにつながる」と活動への思いを語った。

 

 前日の28日には、食によるブランド・地域づくりフォーラムを開いた。富士宮やきそば学会会長で愛Bリーグ本部代表理事の渡邉英彦さんが「市民主導による地域ブランド確立戦略」と題して講演。B―1グランプリ出展団体、地元のまちづくり会社の代表者らを交えたパネルディスカッションでは三陸地域の活性化、可能性について意見を交わした。

 

 来場者数は初日が5千人、2日目は6千人と主催者見込み(6千人)を上回った。実行委は来年以降も継続して沿岸部で開催したい意向で、担当者は「食を通じてそれぞれのまちを売り込むことができ、三陸がつながったようだった。三陸を盛り上げるイベントになるよう、このネットワークを生かしていきたい」と話した。

 

(復興釜石新聞 2015年9月2日発行 第415号より)

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ベトナムから受け入れた水産加工技能実習生と記念写真

ベトナムから水産加工実習生〜人手不足解消期待 中国から切り替える

ベトナムから受け入れた水産加工技能実習生と記念写真

ベトナムから受け入れた水産加工技能実習生と記念写真

 

 釜石地区の水産加工業者で組織する協同組合シーテック(小野昭男理事長、14社)は25日、ベトナムから受け入れる水産加工技能実習生9人の開講式を釜石・大槌地域産業育成センターで行った。これまでは中国・山東省から技能実習生を受け入れてきたが、第17期の本年度からベトナムに切り替えた。小野理事長は「ベトナムの実習生は向学心に燃えており、人手不足解消、地域活性化にもつながる」と期待する。

 

 技能実習生はハノイ周辺の21歳から28歳の若い女性で、実習期間は2018年8月までの3年間。小野食品(小野昭男社長)が6人、近藤商店(近藤利明社長)は3人を受け入れる。

 

 開講式で小野理事長は「有意義な技能実習に取り組み、帰国後の活躍を期待する」と激励。山崎秀樹副市長は「みなさんがベトナムと日本の懸け橋になれるよう、全力で応援したい」と述べた。

 

 これに応え、実習生代表のファム・ティ・ホァイさん(24)が「日本で働くことは私の夢だった。日本の歴史や文化を学び、仕事を早く覚えられようがんばりたい」と決意を述べた。実習生らは今後3週間、日本語や地元の習慣などを学んだあと、受け入れ先の2社に配属される。

 

 同組合は1998年から、中国・山東省から延べ約800人の水産加工技能実習生を受け入れてきた。しかし、経済成長に伴う中国の賃金上昇に加え、技能実習生の希望者が減少していることなどから、ベトナムにシフトすることにしたという。

 

 小野理事長が昨年11月にベトナムを訪れ、ベトナムの声放送局(国営)の子会社で人材育成事業も手掛けているエミコ(EMICO)に実習生の送り出しを要請。9人の実習生の中には、学校の教師や貿易の仕事を目指す学生もいるという。小野理事長は「中国に帰った実習生の多くがビジネスリーダーとして活躍している」とし、ベトナムの実習生にも成長を期待する。

 

(復興釜石新聞 2015年8月29日発行 第414号より)

 

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餅まきで出港を祝う浜幸水産の「第38欣栄丸」=17日午前10時50分、新浜町の魚市場で

浜幸水産 30年ぶりサンマ漁〜17日釜石出港、リスク分散へ 中古船で操業

餅まきで出港を祝う浜幸水産の「第38欣栄丸」=17日午前10時50分、新浜町の魚市場で

餅まきで出港を祝う浜幸水産の「第38欣栄丸」=17日午前10時50分、新浜町の魚市場で

 

 世界の海で遠洋マグロ漁を行っている釜石市の浜幸水産(浜川幸雄社長)が30年ぶりにサンマ漁を手掛けることになり、17日、今季の初操業に向かうサンマ船の出港式を新浜町の魚市場で行った。1933年の創業から80年余、遠洋マグロ漁一筋に経営してきた同社は2012年、近海で操業するトロール船2隻を新造し、近海にも目を向け始めた。年々厳しさを増す遠洋マグロ漁を取り巻く環境の変化が背景にあるが、新たにサンマ漁を加え、グローバル化によるリスク分散を目指す。

 

 サンマ船は、北海道稚内市から中古で購入した「第38欣栄丸」(176トン、小野一漁労長)。サンマ漁の漁業権もセットで手に入れ、17人の乗組員は全員を新規採用した。福島県いわき市から漁労長など8人、県内から9人。

 

 出港式には関係者や地域住民ら約50人が集まり、神事に続き浜川社長(73)が「漁労長を中心に目標を達成してほしい」とあいさつ。浜川幸三専務(40)は「本腰を入れ、さらに強い漁業を目指したい」と決意を述べた。船から餅をまき、操業の安全と豊漁を祈った。

 
出港式であいさつする浜川社長(右)。30年ぶりにサンマ漁を再開する

出港式であいさつする浜川社長(右)。30年ぶりにサンマ漁を再開する

 

 同社は現在、遠洋マグロ船11隻と近海トロール船2隻を所有している。30年前にもサンマ船1隻を所有したことがあったが、うまく行かず撤退した。

 

 「最近では沖合から近海へと漁業の形態も変わってきた」と浜川専務。三陸産の海産物の評価が世界的に高まり、中でもサンマは魚価が震災前の1キロ当たり80円前後から震災後は100円以上と高値で安定していることなどから、サンマ漁を再開することにしたという。

 

 船は建造から27年もたつ中古。大型サンマ船の国内枠が55隻と限定されていることから、「まず漁業権を手に入れたい」(浜川専務)とセットでの購入を決めた。

 

 サンマ漁は北海道のロシア海域から三陸沖にかけて今月から12月中旬まで行う。釜石を出港した船は北海道・根室に向かい、20日に出漁。今季は約3億円の水揚げを目指す。

 

 釜石市浜町に本社がある同社は震災の津波で被災。事務所の修繕を終え12年3月に戻ったが、事務所や倉庫などの被害額は約3億円にのぼった。3年前にトロール船の新造に踏み切った浜川専務は「サンマ漁も加え、リスク分散につなげたい」と意気込む。

 

(復興釜石新聞 2015年8月22日発行 第412号より)


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ウメを新たな特産品に、浜千鳥 生産者後押し 摘み取り体験で認知拡大

たわわに実ったウメの実を丁寧に摘み取る体験会の参加者ら
たわわに実ったウメの実を丁寧に摘み取る体験会の参加者ら

 

 釜石市のA&Fグリーン・ツーリズム実行委員会(佐々木章夫会長)は5日、市内で生産拡大への取り組みが進むウメの収穫体験を栗林町で行った。同実行委の公募による体験プログラムの今年度第1弾。子どもから大人まで約20人が参加し、収穫時期を迎えたウメの実の摘み取り、ヘタ取りを体験した。

 

 体験場所を提供したのは同町沢田の農家、菊池一夫さん(85)。約300坪の農地に白加賀など3品種のウメを35本ほど栽培している。参加者は菊池さんから、ウメの木のせん定、花芽をつける時期、病害虫の駆除など収穫までの過程を教わった後、樹齢約15年の若木についた実を収穫した。

 

 友達同士で平田から参加した女性2人は「幼少時からウメの木は身近にあったが、こんなに大量に収穫するのは初めて。夢中になって採った。家庭で梅酒やシロップ漬けも作る。ウメはいろいろ活用できる」と作業を楽しんだ。

 

 菊池さんら釜石・大槌地区のウメ生産者と梅酒を製造する小川町の酒造会社、浜千鳥(新里進社長)などは昨年7月、釜石地方梅栽培研究会(前川訓章会長)を設立。良質なウメの生産、安定的な原料供給を目指し、生産技術向上や生産量拡大への取り組みを始めた。

 

 菊池さんは「研究会ができて専門的な指導も受けられるようになった。今年の実は近年でも良い出来で、収穫量も昨年より増えている」と手応えを実感。最終的に800キロ以上を同社に提供できる見込みだという。

 

 浜千鳥は2010年から地元産ウメを日本酒で漬け込む梅酒製造を開始。当初の販売本数(720ミリリットル入り)は3千本ほどだったが、今年は9千本まで拡大した。7日から発売された梅酒は、昨年収穫したウメを漬け込み約1年熟成させたもの。昨年は地元生産者11人から約2トンのウメが提供された。今年のウメは7月中に漬け込み、10月には実を引き揚げて来年まで熟成させる。

 

 新里社長と体験会に駆け付けた奥村康太郎醸造部長(34)=研究会事務局=は「一般の人たちに生産現場を体験してもらうことで、新しい釜石の特産として認知が広まれば。生産者の拡大にも期待」と貴重な機会を喜んだ。研究会には水産加工、製菓業者も加入。梅酒で使われた実はサケの加工品にも活用されており、今後のウメ商品開発の可能性も広がる。

 

 同実行委の一般向け体験プログラムは今後、7月25日にブルーベリー収穫・スムージー作り、8月1日に海の教室(海図の見方、ロープの結び方など)が予定されている。

 

(復興釜石新聞 第401号より 2015年7月11日発行)

 

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釜石と大船渡の人気の味を詰め込んだ13種類の「シェフズ弁当」を説明する小澤社長

人気の味「シェフズ弁当」に 釜石・大船渡 13店が届ける

釜石と大船渡の人気の味を詰め込んだ13種類の「シェフズ弁当」を説明する小澤社長
釜石と大船渡の人気の味を詰め込んだ13種類の「シェフズ弁当」を説明する小澤社長

 

 釜石市内でスーパーと法人向けの弁当販売を展開している丸和(小澤伸之助社長)は、釜石、大船渡両市で人気を集める飲食店13店の味を弁当にして届けるプロジェクトを始めた。カレーやカツサンド、激辛ホルモン煮込み、懐石料理など地元で愛される味を「シェフズ弁当」と名付け、1日から販売を開始した。小澤社長は「両地域の味を知ってもらい、各店を訪れるきっかけになれば」と期待を込める。

 

 弁当は釜石8店、大船渡5店の計13種類で、和洋中、多国籍の幅広いメニューをそろえた。仮設店舗と移動販売車で営業している「あんでるせん」(釜石)の「釜石バーガー」の400円から、海の幸をふんだんに使った「活魚すごう」(大船渡)の「三陸の旬彩御膳」の3千円までと価格もさまざま。基本的に各店が製造するが、店の看板メニューを弁当に合うように材料とレシピの提供を受けて丸和が調理するものもある。

 

 予約制で、事前に電話で注文を受け丸和が各店に取り次ぐ。注文が10個以上の場合は地域限定で宅配。10個未満は、両市に1カ所ずつ設ける販売所で受け取ってもらう。

 

 丸和は震災の前日、平田にスーパーをオープン。震災後には弁当販売も始め、工事現場からの注文が多いという。小澤社長が「被災地の飲食店は客の伸び悩みが課題。復興需要はいつまでも続かない。その備えとして、同じような課題を抱える飲食店と連携した新たな市場開拓ができないか」と考える中、昨年12月に参加した人材育成塾で同プロジェクトを企画提案。今年3月から飲食店に参加を打診、オリジナル弁当の開発を進めてきた。

 

 6月30日に浜町の料亭幸楼で開かれた試食会で、小澤社長は「弁当が各店の知名度を高め、収益の新たな柱になれば。『おいしい』と思ってもらうだけでなく、実際にお店に行ってもらう仕組みを作りたい。始まったばかりだが、その輪を広げていければ、地域経済の活性化につながる」とあいさつ。「楽味御膳」(3千円)を提供する幸楼の金澤敬専務は「地域の食材のサポート、新しい顧客の確保など利点があり、店の活性化の基本になる大事なつながり。他の商品開発にも生かしたい」と意欲を見せた。

 

 同プロジェクトは今後、気仙沼、仙台市でも事業展開を予定している。

 

 注文や問い合わせは窓口(電話0800・800・1408)へ。釜石の販売所は大町のマルワセントラルキッチン、大船渡は復興大船渡プレハブ横丁内のKAIZAN。

 

 参加店は次の通り。
 【釜石】▽洋食のあべ▽cafe・assam▽あんでるせん▽キッチンコリンズ▽新来軒▽料亭幸楼▽魚貞食堂▽マルワマート
 【大船渡】▽Kojika▽ルポゼ▽KAIZAN▽活魚すごう▽鮨・季節料理ささき

 

(復興釜石新聞 2015年7月4日発行 第399号より)

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釜石プレミアム商品券

地元消費喚起、地域活性化へ 「釜石プレミアム商品券」発行

釜石プレミアム商品券
7月1日から発売される「釜石プレミアム商品券」。販売店(右)、取扱加盟店(左)ののぼりが目印となる

 

 釜石市は7月1日から、1万円で1万2千円分の買い物ができる「釜石プレミアム商品券」=写真=を発売する。発行総額は2億7600万円。国の交付金を活用し、市民の購買意欲を高めるとともに、地元消費を促し地域経済の活性化につなげるのが狙い。販売事業は釜石商工会議所に委託する。釜石市ではこれまで2回、プレミアム付き商品券が発行されているが、今回のプレミアム率(割り増し分)20%は過去最高。これまでにない”お得感”もあり、発売初日は商品券を購入する人が販売店に殺到しそうだ。

 

 商品券は、釜石商議所が委託する▽かまいし特産店(鈴子町)▽スーパーマイヤ釜石店(同)▽同野田店(野田町)▽キクコーストア釜石松倉店(甲子町)▽イオンスーパーセンター釜石店(港町)▽みずかみ平田店(平田)▽ホーマック釜石鵜住居店(鵜住居町)の7カ所で7月1日から販売する。

 

 このほか▽橋野地区多目的集会施設(橋野町)▽唐丹地区生活応援センター(唐丹町)の2カ所でも1日から3日(午前9時~午後4時)まで出張販売する。

 

 発行される商品券は2万3千冊で、1人5冊まで購入できる。

 

釜石プレミアム商品券

 

 商品券を利用できる取扱店は市内の小売業、飲食業、サービス業など約250店で、店に掲げるポスター、のぼりが目印となる。

 

 昨年3月に開業した大型店、イオンタウン釜石の各テナントでも利用できる。有効期限は12月31日。ただし、税金や各種公共料金の支払い、有価証券やタバコの購入などには利用できない。

 

 釜石市では2009年にプレミアム率10%の商品券が発売され、発売からほぼ1カ月で1億2千万円分を完売する人気となった。翌10年にも釜石商議所が独自にプレミアム率5%の商品券1億円を販売したが、割り増し分が減ったこともあり、約4割が売れ残った。取扱店の換金手数料も負担になり、改善を求める声が上がった。

 

 今回はこの反省を踏まえ、消費者が買い物のついでに商品券を買うことができるよう、各地区のスーパーなどでも購入を可能にした。また、原則的に取扱店が申請した日に口座入金するとともに、換金手数料も無料にするなど改善した。

 

 取扱店の中には、▽各商品10%引き▽プレミアム商品券利用者のポイントを2倍に▽記念品贈呈―などの特典を設け、利用を呼びかける店もある。

 

 プレミアム商品券について、問い合わせは釜石商議所(電話22・2434)へ。

 

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「釜石プレミアム商品券」を発売します

― 地元で買い物をして街を元気に ―

 

釜石商工会議所では、1万円で1万2,000円分(1,000円券×12枚)の買い物ができる「釜石プレミアム商品券」を7月1日(水曜日)から発売します。
この商品券は市内にある取扱店で現金と同様に使うことができます。ただし、つり銭は出ませんのでご注意ください。

 

商品券の概要

  • 販売価格…1組1万円(1,000円券×12枚)
  • 発 行 数…2万3,000組(1人5組まで購入できます)
  • 対  象…市内に在住または通勤、通学している方
  • 有効期限…平成27年12月31日(木曜日)まで

 

取扱店

市内の小売業・飲食業・サービス業など。店に張られたポスター・のぼりが目印です。詳しくは、商品券購入時にお渡しする「取扱店一覧」をご覧ください。

 

販売期間

7月1日(水曜日)から発行数に達するまで

 

商品券が利用できないもの

  • 税金など国や地方公共団体への支払い、各種公共料金の支払い
  • 有価証券、商品券、ビール券、切手、印紙、プリペイドカードなど換金性の高い商品の購入
  • タバコの購入
  • 換金や金融機関への預け入れ
  • 土地・家屋の購入
  • 商品の仕入れなど、自分で行っている事業上の取り引き

など

 

商品券販売場所

店舗名 所在地
かまいし特産店 鈴子町22-1 シープラザ2階
スーパーマイヤ釜石店 鈴子町8-1
スーパーマイヤ野田店 野田町2-3-1
キクコーストア釜石松倉店 甲子町10-483
イオンスーパーセンター釜石店 港町2-1-1 イオンタウン2階
みずかみ平田店 平田3-23-6
ホーマック釜石鵜住居店 鵜住居町8-36-1

 

※次の2か所でも、日付限定(7月1~3日 9時~16時)で出張販売します。

店舗名 所在地
橋野ふれあいセンター(橋野地区多目的集会施設) 橋野町34-13-12
唐丹地区生活応援センター 唐丹町小白浜61

 

購入者アンケート

購入者を対象に、抽選で賞品が当たるアンケートを実施します。
アンケート用紙は、商品券購入時にお渡しします。

 

取扱店を継続募集中

釜石商工会議所では、プレミアム商品券を利用できる取扱店を引き続き募集しています。
詳しくは、こちらをご覧ください。

 

申込・問い合わせ先

釜石商工会議所
〒026-0021釜石市只越町一丁目4番4号
TEL(0193)22-2434 FAX(0193)22-1600

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 商工労政課 商業振興係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-22-2111(内線 367・327) / FAX 0193-22-2762 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/kurasu/shogyo/detail/1194091_2287.html
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新釜石魚市場の魚河岸地区荷さばき施設の建設予定地

新釜石魚市場 起工、「魚のまち」復活へ拠点整備

新釜石魚市場の魚河岸地区荷さばき施設の建設予定地
新釜石魚市場の魚河岸地区荷さばき施設の建設予定地

 

 釜石市が水産業の新たな拠点として整備する新釜石魚市場の魚河岸地区荷さばき施設の起工式は2日、現地で行われた。2016年度内の完成、供用開始を予定。13年4月に再開した新浜町地区の施設と共に「魚のまち」復活を目指す。

 

 起工式には関係者ら約30人が出席。神事でくわ入れなどを行い、工事の安全を祈った。

 

16年度内の完成目指す 新浜町施設と機能分担

 

 野田武則市長は「新浜町の荷さばき施設と機能を分担し、相乗効果で水揚げの回復につながる。『魚のまち』復活の拠点、新しい釜石の魅力を発信していく施設にしていきたい」とあいさつした。

 

水産業の新たな拠点となる施設の完成を待ち望み、神事でくわ入れして工事の安全を願う野田市長
水産業の新たな拠点となる施設の完成を待ち望み、神事でくわ入れして工事の安全を願う野田市長

 

 魚河岸地区の施設は鉄骨造り2階建て、延べ面積約6300平方メートル。定置網を中心とした地元漁船による沿岸漁業に対応する。陸揚げから計量、陳列・販売、搬出の一連の作業をスムーズにできるようライン化するなど衛生管理に配慮した構造、積み込みスペースはトラック荷台に合わせたプラットホーム型にするなど用途に応じた空間を確保。工事費は約35億円で、2分の1は国の水産流通基盤整備事業の補助を受ける。

 

 釜石魚市場の年間水揚げ額は、最盛期の1980年代前半に100億円を超えていたが年々減少。魚のまちを復活させるため魚河岸地区と2場体制にしようと、震災前から新浜町地区に大型漁船の水揚げ拠点として荷さばき施設の整備を進めていた。完成間近だったが、震災の津波で両施設とも被災。比較的被害が少なかった、市漁連が運営する第2魚市場を11年8月に再開、代替えとして活用しながら、新浜町地区の魚市場も再開させた。

 

 震災前の旧市場の水揚げは年間約1万7千トン、30億円で、現在は新浜町地区のみで年間26億円と8割ほどまで回復している。市は、魚河岸地区が完成すれば、年間2万トン、36億円の水揚げを見込んでいる。

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酒造りのスタートとなる田植えに精を出す参加者

酒造り 田植えで理解、県内外から過去最高110人参加

酒造りのスタートとなる田植えに精を出す参加者
酒造りのスタートとなる田植えに精を出す参加者

 

 釜石市小川町の酒造会社、浜千鳥(新里進社長)が一般向けに開く「酒造り体験塾」が今年も始まった。5月31日、第1弾の田植え体験会が大槌町で開かれ、過去最高の約110人が参加。泥田での慣れない作業に汗を流しながら、酒米作りに理解を深めた。

 

 体験会場は、同社に岩手県オリジナルの酒米「吟ぎんが」を提供している大槌酒米研究会(8人)の佐々木重吾会長(58)の田んぼ。田植え神事の後、合わせて約15㌃の田んぼ2面に参加者が分かれ、1列になって苗を植えた。ロープの印を目安に、約15㌢に成長した苗を5本ぐらいずつ手植えした。

 

 今年は、遠くは宮城、秋田県から参加者が集まった。釜石市からはボーイスカウト釜石第2団の団員と保護者ら約30人が初参加。同団の高木海里君(釜石小5年)は2時間弱の作業を終え、「まだ腰が痛い。泥に足が埋まって大変だったけど楽しかった。収穫もやってみたい」とさわやかな表情を見せた。

 

 同団と一緒に夫婦で参加した、米国出身で上平田在住のコービ・ワイン・ホーフさん(32)は、震災復興支援で3年前に釜石に来たNPO職員。「お米は日本の基本。浜千鳥の酒も飲んだことがあり、酒造りにも興味がある。田植えは初めて。一番面白いのは泥の感触」と日本の伝統文化を満喫していた。

 

大槌町の農家、着々増産

 

 同社が大槌産の酒米で酒造りを始めて13年目。研究会の作付面積は順調に増え、今年は約15ヘクタールにまで拡大した。20ヘクタールになれば、佐々木会長の地元集落の田んぼの半分近くが酒米栽培になる勢いだという。

 

田植えの記念写真は塾参加者が最後に手にする酒のラベルになる
田植えの記念写真は塾参加者が最後に手にする酒のラベルになる

 

 米生産量の増加に伴い、大槌産吟ぎんがで仕込む酒の種類、醸造量も増加。昨年秋のロンドン酒チャレンジでは純米大吟醸で金賞、5月22日に発表された南部杜氏協会の今年の鑑評会では純米酒の部で2位(出品数約150)を獲得するなど、大槌の米で造った酒が高い評価を受けている。杜氏の力が試される同鑑評会で上位5位に入るのは至難の業で、2位は同社にとって平成の初頭以来25,6年ぶりの快挙だという。こうした動きに佐々木会長は「ありがたいこと。(会社も農家も)互いに励みになれば」と喜ぶ。

 

 同社が使う吟ぎんがの中で大槌産は約9割を占めるようになった。新里社長は「研究会の皆さんからは非常に品質のいい酒米を提供していただいている」と感謝。体験塾の意義について「米造りから一連の流れを体験してもらうことで、〝自分たちの酒〟という気持ちが生まれ、ファンづくりにもつながっている」と話した。体験塾の第2弾は稲刈りで、例年並みに推移すれば9月下旬に収穫する。

復興釜石新聞

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