地元素材(コバルト合金オノオレカンバ)で夢の印鑑〜釜石・大槌新製品研究会、限定200本 予約受け付け


2016/06/07
復興釜石新聞アーカイブ #産業・経済

合金コバリオンと木材オノオレカンバを組み合わせて製品化した印鑑「夢結歩」

地元素材の合金コバリオンと木材オノオレカンバを組み合わせて製品化した印鑑「夢結歩」

 

 釜石市と大槌町を中心とした企業12社でつくる「三陸テカルデ(釜石・大槌新製品研究会)」は、釜石産のコバルト合金と地場産木材を組み合わせて作ったオリジナル印鑑「夢結歩(ゆめゆい)」を商品化。希少素材を使用していることから200本に限定し、5月27日から予約販売の受け付けを始めた。開発に携わったメンバーは「地元素材の活用にこだわった。震災に負けない、ものづくり魂を感じてほしい」とアピールする。

 

 夢結歩の印面は直径1・65センチで、側面には手塗りで花々がデザインされている。絵柄は桜や椿、バラ、ユリなど12種類。同研究会の5社と絵付けを担当する盛岡の1社が共同製作。印面に使用するコバルト合金「コバリオン」は釜石市で金属製造を手掛けるエイワが提供し、軸木には大槌産の木材「斧折れ樺(オノオレカンバ)」を使用した。

 

 コバリオンは生体材料のインプラント用に開発された”夢の合金”。耐熱性に優れ、腐食にも強く、強度も非常に高い。オノオレカンバはその名の通り、斧(おの)が折れるほど硬くて丈夫。水に沈むほど重いため、漁具などの素材に使われるという。削るなどの加工が難しいことから製品化まで約1年2カ月もかかったというが、硬く強い素材を組み合わせることで、重量感があり押印しやすいハンコに仕上がった。

 

 同研究会は2013年に発足。釜石・大槌地域産業育成センターの支援を受け、大学や研究機関などと連携しながら地域の製品開発力向上を目指して取り組んでいる。夢結歩は、宝剣「輝の御剣」、酒器「JOIN」に続く新製品第3弾。今回のプロジェクトリーダーとなった籠谷睦美さん(52)=北上市・オフィスキャドムス代表=は「研究会の仲間が夢を結んで一緒に歩みたい、との思いを込めた。ぜひ地元の人たちに使ってもらいたい」と願う。

 

 印面の文字は行書と楷書体から選べるが、他の書体も相談に応じる。価格は3万9800円(税込み)。予約はイオンタウン釜石などで受け付けているが、受注から納品まで1カ月ほどかかるという。

 

(復興釜石新聞 2016年6月1日発行 第491号より)

 

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