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「令和3年度 水産・海洋研究フォーラムin釜石~未来へつなぐ三陸の海を考える~」 参加者を募集します

「令和3年度 水産・海洋研究フォーラムin釜石~未来へつなぐ三陸の海を考える~」 参加者を募集します

水産による教育・研究・他地域での取組みの紹介を通じて、魚のまち釜石復活に向けた新たな取組みの可能性を考えることを目的として海洋環境、経済、養殖と広く相互理解を促進し、釜石市、さらには三陸沿岸の水産業を考えるフォーラムを開催します。

日程

開催日:令和4年2月25日(金)
時間:13時30分~17時00分

場所

会場:チームスマイル釜石PIT(釜石市大町1丁目1番10)
オンライン参加可能

定員

会場50名、オンライン200名

申込方法 (※事前申込制 令和4年2月21日〆切)

・FAXでお申込みの方
申込用紙に必要事項をご記入のうえ、申込先のFAX番号にご送信ください。
・メールでお申込みの方
申込用紙と同様の事項をメール本文に記載のうえ、申込先のアドレスにご送信ください。

申込用紙について

申込用紙は下記の場所に設置しております。
・下記のURLでダウンロード
・生活応援センター(※2月1日から設置します)
・漁業協同組合事務所(※2月1日から設置します)

申込用紙

申込用紙[PDF:1.28MB]

新型コロナウイルス感染拡大防止対策について~会場参加希望者の皆様へお願い~

■当日はマスク着用をお願いいたします。
■当日は会場の入り口で検温を行います。
■当日、体調の悪い方は参加をご遠慮ください。

※新型コロナウイルス感染症の発生状況によっては、オンライン開催のみに変更となります。会場希望で申し込まれた方におかれましても、オンライン視聴での参加をお願いする場合がございます。

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 水産農林課 水産振興係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8427 / Fax 0193-22-1255 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2022012600045/
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
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東北電力、「電力ビル釜石」完成 新社屋で三陸沿岸の安定供給守る

地域共生をコンセプトに建設された岩手三陸営業所(右)と釜石電力センター

地域共生をコンセプトに建設された岩手三陸営業所(右)と釜石電力センター

 

 東北電力岩手三陸営業所(熊谷啓一所長)と東北電力ネットワーク釜石電力センター(田中誠所長)の新社屋が釜石市中妻町に完成し、20日に竣工(しゅんこう)式が行われた。東日本大震災で被災し、仮社屋を経て待望の本設施設。地域共生をコンセプトに、鉄とラグビーをイメージさせるデザインを取り入れた建物で、3月1日に完全移転、業務を開始する予定だ。

 

 建物名は「電力ビル釜石」。軽量鉄骨造り平屋建ての三陸営業所(面積272平方メートル)と鉄骨造り2階建ての電力センター(延べ床面積1473平方メートル)からなり、2つの建物は渡り廊下でつながる。三陸営業所は「ラグビーボール」をイメージした茶系の色を使った外観が特徴。グレーを基調にした電力センターは、「鉄」をイメージした黒色をアクセントに入れている。鉄骨平屋の車庫倉庫(面積515平方メートル)も整備した。

 

 竣工式には関係者約50人が出席。神事の後には内覧会があり、執務室や共有フリースペースなどが披露された。立地場所の周辺には警察署やファミリーレストランなどがあり、市民や事業者らは生活を支えるインフラの安定稼働を歓迎した。

 

完成した新社屋を見学する関係者ら

完成した新社屋を見学する関係者ら

 

 大町にあった旧釜石営業所は津波で全壊し、2011年11月からは甲子町のプレハブの仮社屋で業務を続けてきた。旧営業所は18年7月、販売業務などを担う岩手三陸営業所と送配電業務を担当する釜石電力センターに再編された。

 

 社屋の整備に当たっては当初、元の場所での再建を考えていた。市が商業とにぎわいの拠点として大町地区の土地利用を計画したことから売却。現在は市民ホールが建ち、市民の憩いの場になっている。代替えとして、現地の利用を提案され、同社で取得。19年11月に着工し、2年以上に及ぶ再建工事を経て竣工した。

 

 三陸営業所は田野畑村から陸前高田市までをカバーする。従業員は16人。熊谷所長は「やっと竣工を迎え、感慨深い。『寄り添う力』のスローガンの下、安定供給と暮らしに役立つサービスを提供していく」と気を引き締めた。電力センターは釜石、大槌町エリアを担当し、従業員は37人。田中所長は「地域のシンボル的な事業所になるよう、住民のニーズを聞きながら業務を展開する」と力を込めた。

釜石市魚市場に初水揚げする定置網漁船の乗組員ら

「虎の力を借りて元気なまちに」 釜石市役所や魚市場で仕事始め

釜石市魚市場に初水揚げする定置網漁船の乗組員ら

釜石市魚市場に初水揚げする定置網漁船の乗組員ら

 

 2022年の仕事始めとなった4日、釜石市魚河岸の釜石市魚市場で初売り式が行われた。主要魚種の不振に苦しんだ昨年からの挽回を期し、漁業関係者が鏡開きや手締めで豊漁を願った。市内の官公庁や企業も本格始動。新型コロナウイルスの感染収束は依然見通せないが、各現場では引き続き感染対策に当たり、東日本大震災からの復興完遂、産業振興に向けた地域づくりへの決意を共有した。

 

釜石魚市場で初売り式 「創意工夫で魚のまち復活を」好転願う

 

水揚げされた魚を見定め、競りに臨む買い受け人ら

水揚げされた魚を見定め、競りに臨む買い受け人ら

 

 市魚市場では、朝日を受けた定置網漁船の乗組員が白い息を吐きながら水揚げを進め、買い受け人らの威勢のいい掛け声が響いた。この日はサバ・イワシの混在約5トン、タラ約1トンなどが水揚げされ、次々と競りにかけられた。

 

 同市場の21年の取り扱い実績は、昨年末時点で数量が6700トン(前年同期比26%減)、金額は9億6000万円(同28%減)だった。このうち、巻き網船の水揚げが同比で2700トン減り、金額も2億円減。サンマは数量が同比で31%、金額も58%にとどまった。秋サケ漁は水揚げが同比の5%、金額7%と大幅な減産。過去10年間で最低の実績となった。

 

水揚げ増の期待を込めて鏡開きをする関係者

水揚げ増の期待を込めて鏡開きをする関係者

 

 初売り式で、市漁業協同組合連合会の小川原泉会長は厳しい現状を報告した上で、「巻き網船やサンマ船の誘致に力を入れ、水揚げ増強に取り組む。創意工夫、質の高いサービスで地域経済の発展に貢献していく」と力を込めた。

 

 市場開設者の野田武則市長は海洋環境の変化や二酸化炭素排出実質ゼロに向けた取り組みに触れながら、「令和4年は世界が大きく変わるスタートの年。課題を共有し、乗り越えていかなければ。『魚のまち釜石』復活のため、養殖にも力を入れたい。虎の手を借り、水産業が元気になってほしい」と願った。

 

「今年こそ」。漁業関係者は漁の好転に期待を込める

「今年こそ」。漁業関係者は漁の好転に期待を込める

 

 今年の出だしは例年に比べると、「少ない方だ」とこぼす市漁連の佐々木敏行参事。自然環境が相手という漁業の難しさをあらためて感じつつ、「今は獲る漁業から育てる漁業に変わりつつある。ギンザケ、サクラマスの養殖に取り組んでいて、いい感触もある。育てるのも大変なことだが、できることを工夫していきたい」と前を向いた。

 

釜石市役所で仕事始め式 「新しいまちづくりへ奮起を」野田市長

 

野田市長(右)の訓示に聞き入り、気持ちを引き締める市職員ら

野田市長(右)の訓示に聞き入り、気持ちを引き締める市職員ら

 

 野田武則市長は約40人の幹部職員を前に訓示した。「コロナ対応、復興完遂が市政の最重要課題。心の復興に全力を尽くしたい」と強調する一方、「震災の教訓、これまでの10年を踏まえたまちづくりができるような組織、体制を構築すべき年。千里行って必ず千里戻る―という虎の力を心にとどめ、奮起してほしい」と述べた。

 

 2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」という国の方針に触れ、「物事の見方、考え方、生活が一変する、新たな時代づくりの始まり。まちの将来像を描いていかなければ」と指摘。AI(人工知能)の導入などで業務の負担軽減を図るDX(デジタルトランスフォーメーション)化と合わせ、「ゼロカーボン推進」を強化する考えを示し、「次の10年を目指し、さらにパワーアップしていこう」と呼び掛けた。

釜石銘菓にと、小島製菓が売り出した「かまもっち」

釜石の食文化「かまもっち」で発信、小島製菓 地域活性化起業人が開発協力

釜石銘菓にと、小島製菓が売り出した「かまもっち」

釜石銘菓にと、小島製菓が売り出した「かまもっち」

 

 釜石市上中島町の菓子製造販売・卸業「小島製菓」(菊地広隆社長)は、釜石地方の郷土菓子として知られる「かまだんご」から着想を得た新商品「KAMA MOCCHI(かまもっち)」を発売した。地域活性化起業人として総合食品メーカー江崎グリコ(大阪市)から釜石市に派遣されている大窪諒さん(31)が開発に協力。餅という和の伝統食文化を生かしつつ、発酵バターを使って洋風の要素も取り入れ、「どこか懐かしいけど新しいお菓子」とPRする。

 

 かまもっちは、クルミと黒蜜のジュレを求肥(ぎゅうひ)で包み、さらに発酵バターを練り込んだ生地でくるんだ焼き菓子。バターの風味が香る、モチモチとした食感が特徴だ。クルミや黒砂糖を練ったあんを小麦粉などの皮で包んでゆで上げた「かまだんご」をモチーフにした。

 

完成報告を受け、かまもっちを試食する野田市長ら

完成報告を受け、かまもっちを試食する野田市長ら

 

 13日、菊地社長(39)と大窪さんが釜石市役所を訪れ、商品完成を市関係者に報告。試食した野田武則市長は「面白い食感。おいしい。釜石銘菓として定着するよう販売に力を入れてほしい」と期待した。

 

 餅を味わう岩手の食文化を生かした新しい商品をつくろうと考えたのは、今年3月ごろから。5月、本格的に開発を始めたが、モッチリとした求肥をモチモチ食感の生地で包むことや、ジュレの中に固形物のクルミを入れるのが難しく試行錯誤を重ねたという。菊地社長は「自社が持つ性質を生かし、新しいものを生み出す機会になった。しっかり売っていきたい」と力を込めた。

 

開発の経緯を伝える大窪さん(左)と菊地社長

開発の経緯を伝える大窪さん(左)と菊地社長

 

 明るい黄色を基調としたパッケージデザインも目を引く。開発を支援した大窪さんは「家族のティータイム、大切な方へのお土産など、幅広い年代の人に楽しんでほしい」とアピールする。

 

 同起業人として20年7月に着任した大窪さんは、地元企業と釜石の魅力を伝える商品開発に取り組み、イカを丸ごと味わえる晩酌セットや海の幸たっぷりの冷凍パエリア、三陸ジオパークをPRする弁当などを手掛けた。グリコ製品を活用した子どもたちへの食育活動も展開。今月末で任期を終えるため、かまもっちが最後の共同開発品となった。「地域のさまざまな人と関わり、いろんな業務に携わることができた。食を通し、たくさんの笑顔に出会えた」と充実した表情を見せた。

 

バターが香るモチモチ食感の生地でぎゅうひ、黒蜜、クルミを包んだ焼き菓子「かまもっち」

バターが香るモチモチ食感の生地でぎゅうひ、黒蜜、クルミを包んだ焼き菓子「かまもっち」

 

 かまもっちは1箱5個入で1080円。道の駅釜石仙人峠、盛岡市の大地館(盛岡駅2階)、東北めぐり・いろといろ盛岡店(JR盛岡駅ビル・フェザンおでんせ館1階)などで販売しているほか、年明け以降は「岩手釜石オンラインショップ」でも注文を受け付ける。 

県社交飲食業生活衛生同業組合釜石支部 年末年始に向け会合=6日、ヴィヴィアン(鈴子町)

コロナ禍の窮状に応援の手を 社交飲食業組合釜石支部 市民に来店呼び掛け

県社交飲食業生活衛生同業組合釜石支部 年末年始に向け会合=6日、ヴィヴィアン(鈴子町)

県社交飲食業生活衛生同業組合釜石支部 年末年始に向け会合=6日、ヴィヴィアン(鈴子町)

 

 新型コロナウイルス感染症の影響で、釜石市内の夜営業の飲食店は客足が戻らず、厳しい経営状況が続く。県社交飲食業生活衛生同業組合釜石支部(山﨑公平支部長、17店)は、県が感染防止対策の基準を満たす店に交付する「いわて飲食店安心認証」を全店舗が取得。利用者の理解と協力を求め、「苦しい状況に置かれる飲食店に市民の応援を」と来店を呼び掛ける。

 

 ワクチン接種が進み、県内の新規感染者数も連日ゼロが続くが、酒を提供する市内の飲食店は来店客がまだまだ少なく、経営者の頭を悩ませている。料理店、居酒屋、スナック、カラオケ店などが加盟する同組合釜石支部は6日、年末年始の利用促進へ共通認識を図る会合を開き、感染対策の徹底や客の理解を得るための方策に意見を交わした。

 

 組合員ら15人が出席。盛岡市に拠点を置く同組合から西部邦彦理事長が訪れ、県組合として行った県知事や盛岡市長に対する要望内容を紹介。県内他市の支援策についても情報提供した。県生活衛生営業指導センターの元指導員で、現在も消毒講習などの専門家として活動する赤沼柳子さんは、感染の仕組みや対策の正しい知識を伝授。認証店として客の信頼を得られるようアドバイスした。

 

「正しい知識で感染症対策を」と呼び掛ける赤沼柳子さん(中央)

「正しい知識で感染症対策を」と呼び掛ける赤沼柳子さん(中央)

 

赤沼さんの話に耳を傾ける組合加盟の飲食店店主

赤沼さんの話に耳を傾ける組合加盟の飲食店店主

 

 山﨑支部長によると、釜石では昨春と今秋の2回にわたり飲食関係3団体で救済策を市に陳情。家賃補助などの手厚い支援策と市長名での飲食店応援メッセージ発出を要望したが、窮状改善には至っていない。

 

 東京商工リサーチが10月上旬に行った企業へのアンケートで、年末年始に「忘・新年会を開催しない」と答えた企業は本県で79パーセントに上り、市内の職場や団体も開催を控える傾向が見られる。山﨑支部長は「コロナ前なら予約で埋まる時期だが、今年はゼロ。大人数は期待できないが、何とか少数単位でも来店いただき、地元飲食店を助けてほしい」と訴える。

 

 同組合理事で、かまいし親富幸通り飲食店会会長を務める久保秀俊さんは「これまで市内の飲食店からは1件も感染者が出ていない。それだけ各店とも(対策を)頑張っている。他地域から来た人も釜石の対策徹底に感心している」と話し、店と客双方の協力で地元経済回復に向けた人の流れを生み出したいと願う。

 

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「いわて飲食店安心認証」を受けた店は入り口などに認証マークを掲げる

 

 「いわて飲食店安心認証」は、県が定める28項目のコロナ対策を実践し、現地調査ですべての項目が基準を満たしていると認められた店に交付。認証店は店の入り口や店内に認証マークを掲示している。認証店のスタンプを3つ集めると、抽選で150人にオリジナル県産品ギフトをプレゼントするキャンペーンも実施中(来年2月14日まで)。

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大切な人に釜石の特産品を贈ろう!釜石で初のお歳暮市 12業者が出店

初開催のお歳暮市=写真:釜石観光物産協会撮影

初開催のお歳暮市=写真:釜石観光物産協会撮影

 

 一般社団法人釜石観光物産協会(澤田政男会長)主催の「釜石お歳暮市」は11月28日、釜石市大町の市民ホールTETTOで開かれた。新型コロナウイルス禍で人的交流がままならない世情を踏まえ、「地元の味を贈答品に」と初めて企画。開店前から列ができるなど期待が高く、市内のほか県内陸部からの来場者の姿も見られた。

 

 市内を中心に12業者が出店。海産物や水産加工品、菓子、調味料など多彩な商品を持ち寄り、来場者の希望を聞きながらお歳暮用ギフトを提案した。当日発送のほか、後日の注文発送にも対応。複数の店から好みの商品を選び、オリジナルギフトとして送ることも可能で、選択の幅が広がり好評だった。

 

市内の各業者がお薦めの贈答用商品を提案、販売

市内の各業者がお薦めの贈答用商品を提案、販売

 

 松坂商店は水槽に入れた新鮮アワビで旬の海の幸をアピール。麻生三陸釜石工場は自慢の西京漬け(浜千鳥の酒粕使用)を盛り込んだ二段重の豪華おせちを提案。ジェラート販売で人気のかまいしDMCは贈答用に開発した新商品、釜石の味を素材にした三陸氷菓(9種)詰め合わせを販売。栗林町に養鶏農場を建設中のオヤマ(一関市)は鶏肉加工品ギフトで注目を集めた。

 

かまいしDMCの三陸氷菓詰め合わせなど新商品も並び、来場者はじっくりと品定め

かまいしDMCの三陸氷菓詰め合わせなど新商品も並び、来場者はじっくりと品定め

 

良質な鶏肉加工品ギフトなどを販売したオヤマ

良質な鶏肉加工品ギフトなどを販売したオヤマ

 

 甲子町の60代女性は兄弟や友人に贈るギフトを求めて来場。「いろいろ見て比べられるのがいい。せっかくだから釜石の物を送ろうと思って。相手の好みや日持ち、お正月のことも考えて決めたい」と会場内を回った。

 

 今回の企画は、コロナ禍で売り上げ低迷が続く事業者らの応援にも一役買った。販売店舗を持たない大渡町の永野商店は、干物などの贈答セットのほかアウトレット品の格安販売も実施。永野和槻専務(30)は「地元客へのギフト販売の機会はあまり無いので、ありがたい。昨年来の新型コロナの影響で市外の物産展なども中止が相次ぎ、販路が減った。今回は地元への還元もでき、いい機会になった」と喜んだ。

 

I商品の種類や注文方法を丁寧に説明する永野商店

商品の種類や注文方法を丁寧に説明する永野商店

 

 同協会の佐々木一伸事務局次長は「コロナ禍で帰省しにくい状況が続いてきただけに、ふるさとの味を求める人は多い。地元の商品を送って少しでも釜石を感じてもらえたら」と話し、「来年以降も継続開催できれば」と今後を見据えた。

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勤労感謝 19人を表彰 地域産業の振興に貢献

地域産業の振興発展に貢献し、表彰された中小企業優良勤労者ら

地域産業の振興発展に貢献し、表彰された中小企業優良勤労者ら

 

 釜石市中小企業優良勤労者表彰は11月24日、大町のホテルサンルート釜石で行われ、地元企業に長く務めてきた19人が受賞した。この表彰は地域産業の振興発展に寄与することなどを目的に、釜石市、釜石商工会議所、釜石職業訓練協会が主催。毎年、「勤労感謝の日」の前後に行われている。

 

 本年度の受賞者はいずれも永年勤続者で、1号表彰(同30年以上40年未満)4人、2号表彰(同20年以上30年未満)2人、3号表彰(同10年以上20年未満)13人。

 

 表彰式には受賞者や勤務先の事業主ら関係者約30人が出席した。野田武則市長が「豊富な経験を生かし、さらに研さんを積んで企業の発展、次世代に誇りうる地域産業の振興に向け、力を発揮してほしい」とあいさつ。受賞者に表彰状や記念品を贈った。

 

謝辞で地域産業発展の戦力として活躍を誓う受賞者ら

謝辞で地域産業発展の戦力として活躍を誓う受賞者ら

 

 受賞者を代表し、1号表彰を受けた澤藤幸喜さん(51)=山元=が謝辞。「表彰は仲間のおかげ。激励を忘れることなく、会社や地域のため一層努力をする」と誓った。

 

 受賞者は次の通り。
【1号表彰】臼澤輝男、平澤繁幸(五菱工業)中村稔、澤藤幸喜(山元)
【2号表彰】萬寛(青紀土木)伊藤由広(エイワ)
【3号表彰】中田晴人、猪又裕司、小松慎一(エイワ)野田奈津子(コンフォートライフ)佐々洋子、小松ルリ子(津田商店)川﨑恵、倉田悦子、三浦光子、川﨑智子、阿部さと子(橋野製作所)柏舘新也、太田代龍(山元)

東北清酒鑑評会の吟醸酒、純米酒両部門で優等賞を受賞した浜千鳥(釜石市小川町)の社員ら

釜石の浜千鳥 味や香り高評価 東北清酒鑑評会で吟醸、純米酒ダブルで優等賞

東北清酒鑑評会の吟醸酒、純米酒両部門で優等賞を受賞した浜千鳥(釜石市小川町)の社員ら

東北清酒鑑評会の吟醸酒、純米酒両部門で優等賞を受賞した浜千鳥(釜石市小川町)の社員ら

 

 釜石市の酒造会社、浜千鳥(新里進社長)は2021年の東北清酒鑑評会(仙台国税局主催)吟醸酒、純米酒の2部門で優等賞を受賞した。2年連続のダブル受賞。春の全国新酒鑑評会(独立行政法人酒類総合研究所主催)で群を抜いた金賞受賞率を誇る東北6県の酒蔵が出品する鑑評会は、非常に高レベルで入賞が難しいとされる。新里社長は「各蔵とも年々、技術が上がってきている中での連続受賞はうれしい。今後も品質向上に励んでいく」と意気込む。

 

 東北清酒鑑評会は、吟醸酒と純米酒の味や香りについて総合的に判断し、製造技術の優劣の観点から品質評価を行う。予審、決審を行い、決審の成績が上位の出品酒を「優等賞」とする。部門ごとに優等賞の製造場の中から決審の成績上位3場を選定。1位に「最優秀賞」、他2場に「評価員特別賞」を授与する。評価員は国税局鑑定官、管内の指導機関職員、製造場の技術者など。

 

 本年は144の製造場から吟醸酒145点(121場)、純米酒127点(111場)の出品があり、10月上旬に行われた評価の結果、吟醸51点(45場)、純米41点(38場)が優等賞を獲得した。本県からは両部門で7製造場(社)が受賞したが、ダブル受賞は浜千鳥のみが成し遂げた。

 

釜石税務署の霜崎良人署長から表彰状を受け取る浜千鳥の新里進社長(左)

釜石税務署の霜崎良人署長から表彰状を受け取る浜千鳥の新里進社長(左)

 

 今月17日、同社で表彰式が行われ、釜石税務署の霜崎良人署長が表彰状を伝達。新里社長、奥村康太郎杜氏(とうじ)・醸造部長が受け取り、社員らと喜びを分かち合った。霜崎署長は「東北清酒鑑評会には全国トップクラスの杜氏、蔵人らが醸造、管理してきた酒が出品される。その中でのダブル受賞はまさに皆さんの努力のたまもの」とたたえ、「岩手の酒がどんどん世に出て飲まれるといい」と期待した。

 

新里社長、霜崎署長、奥村康太郎杜氏(右から)

新里社長、霜崎署長、奥村康太郎杜氏(右から)

 

酒造りの現場で働く社員らも受賞の喜びを共有

酒造りの現場で働く社員らも受賞の喜びを共有

 

 吟醸酒の部受賞の「浜千鳥 大吟醸」、純米酒の部受賞の「浜千鳥 純米大吟醸 結の香」は、共に岩手オリジナル酵母「ジョバンニの調べ」で醸造。純米大吟醸は本県最上級のオリジナル酒米「結の香」を原料とする。「岩手の香りが認められた」と新里社長。結の香で仕込んだ酒は県内他社も入賞し、「県酒造組合としても非常にうれしいこと。結の香は使い始めて来年で10年。徐々に入賞率も上がり、岩手の米の優秀さが認められてきている」と喜んだ。

 

 鑑評会ではインバウンド消費や輸出促進に役立ててもらうため、受賞者に英語の賞状も授与している。18年からは評価員に外国人専門家も加えた。

 

 同社は2012年に奥村杜氏(41)が就任以降、東北鑑評会8回(今年含む)の出品中、吟醸酒で6回、純米酒で4回の優等賞を受賞。このうち4回がダブル受賞で、昨年は純米酒で東北1位の栄誉となる最優秀賞に初めて輝いた。

参加者は環境やエネルギー問題を楽しみながら学んだ

海の環境問題、廃プラアートで考えよう~釜石湾で始まる波力発電も紹介

プラスチックを使ったアート作品づくりに取り組む親子ら

廃プラスチックを使ったアート作品づくりに取り組む親子ら

 

 廃プラスチックを使ったアート制作で環境問題や再生可能エネルギーについて学ぶワークショップが3日、釜石市新浜町の釜石波力発電観測所で開かれ、市内の小学生と家族ら約30人が参加した。釜石青年会議所(菊地裕理事長)が企画し、波の力を利用する発電システムの技術開発を進める平田のマリンエナジー(泉修一社長)が実施。身近にある海を活用した新たな取り組みをPRしながら、海に関わるさまざまな問題を知る機会を提供した。

 

 参加者は持続可能な開発目標(SDGs)や海洋プラスチックごみに関する動画を見た後、工作に挑戦。回収し破砕されたプラスチック片をカラースプレーで色付けし、瓶に詰め、造花で彩りを添えたインテリア作品を完成させた。

 

参加者は環境やエネルギー問題を楽しみながら学んだ

参加者は環境やエネルギー問題を楽しみながら学んだ

 

 えい船での釜石湾口防波堤の見学、釜石商工高生が作った波力発電システム(模型)の実演もあり、子どもたちは興味津々。青木結惟さん(甲子小4年)と稜征君(同1年)姉弟は「いろんな体験ができて楽しかった。海の環境が危険な感じがした。プラスチックごみを出さないよう、買い物するときはマイバックを使う」と学びを深めた。

 

エネルギーの地産地消を目指し、湾口防波堤で波力発電開発中

 

波力発電の実証実験に向け設置された新浜町の観測所

波力発電の実証実験に向け設置された新浜町の観測所

 

 マリンエナジーは、市内にある及川工務店、小鯖造船工業、アイ・デン、エイワの4社が出資する株式会社。釜石湾の湾口防波堤を舞台に、波の力で発電してエネルギーを地産地消する仕組みづくりに向けた実証実験を始める準備を進めている。

 

釜石湾口防波堤で実施する波力発電のイメージ図

釜石湾口防波堤で実施する波力発電のイメージ図

 

 構想では、防波堤の上に発電装置を設置し、波の上下や斜めの揺れなどでダクトを通った空気の動きを利用してタービン発電機を回す。AI(人工知能)を使って波の強さを予測、制御しながら効率よく発電機を回転させる。年間発電量の見込みは33万2000キロワット時で、一般家庭約80世帯分の使用量にあたる。小規模だが、蓄電して漁港施設など水産業に役立つ機器で活用する。

 

観測所に展示されている波力発電システムの模型

観測所に展示されている波力発電システムの模型

 

 環境省の「二酸化炭素(CO2)排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」に採択され、東京大学先端科学技術研究センターなどと事業を開始。来年6月に発電装置1台を設置し、9カ月間運転させる。技術開発と実証実験を進めながら、装置を5台に増やす予定。低コスト化や改良を進めて量産化を図り、漁港などへの普及を目指す。

 

 泉社長は「震災で失ったものは大きいが、再生した地域を再生可能エネルギーで盛り上げたい。小規模だが、実用化できれば全国、世界の漁港でも活用できる」と可能性を強調。催しを通じ市民が事業を知り、エネルギーや環境問題を一緒に考え、取り組んでもらえるよう期待している。

FSC森林認証の認定証を手にする久保知久会長(左)と平野公三町長

地域木材ブランド化への好機に 釜石地方森林管理協が「FSC認証」取得

FSC森林認証の認定証を手にする久保知久会長(左)と平野公三町長

FSC森林認証の認定証を手にする久保知久会長(左)と平野公三町長

 

 釜石地方森林組合と大槌町で構成する釜石地方森林管理協議会(久保知久会長=同組合代表理事組合長)は、適正な森林経営で環境保全に貢献していることを証明する国際認証「FSC認証」を取得した。県内では4事例目。認証森林から産出される木材の付加価値が高まり、購入者の選択や環境保護意識向上につながるものと期待される。

 

 同認証制度は、ドイツに本部を置く独立非営利団体FSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)が運営。森林破壊の加速化を背景に1994年、関係団体、企業などにより同協議会が設立され、責任ある森林管理を制度で後押しする。

 

 釜石地方協議会は、脱炭素社会の実現と国連の持続可能な開発目標(SDGs)への貢献を視野に同認証を申請。国内提携先企業によって審査が行われ、8月2日付けで取得した。対象としたのは大槌町有林の一部、約856ヘクタール。

 

 認証を取得するには、FSCが定める10の原則を満たさねばならない。環境のほか合法性、労働者の権利、地域社会との関係、管理計画などについて70の基準が設けられており、厳しく審査される。取得した森林から出される木材には認証を示すマークを付けることができ、差別化が図られる。

 

 10月15日、釜石市片岸町の同組合事務所で行われた発表会で、久保会長は「FSCの考え方は今後、世界的に普及していくと思う。認証が近隣の市町村にも広がっていけば、沿岸の木材価値が上がるのでは」と期待。平野公三大槌町長は「町が森林環境を保全し、地域の社会的利益にかない、経済的にも持続可能な森林管理を行っていく決意表明。認証の活用検討を進め、最終的には認証材の生産から加工までを釜石大槌管内の事業者で行う体制を作りたい」と述べた。

 

 FSC認証には、森林管理と加工・流通管理に対する2種の認証があり、最終製品として認証品を消費者へ届けるには、生産、加工、流通に関わる全ての組織が認証を受ける必要がある。釜石地方協議会は当面、認証を取得している宮城、秋田両県の木材加工業2社と提携し、認証材を供給する予定。

釜石の秋の味覚「甲子柿」出荷開始 ブランド力向上で全国から注目

釜石の秋の味覚「甲子柿」出荷開始 ブランド力向上で全国から注目

組合員らによる今季の目揃え会=18日

組合員らによる今季の目揃え会=18日

 

 釜石の秋を代表する味覚「甲子柿」の今季の出荷が始まった。甲子柿の里生産組合(藤井修一組合長、24組合員)によると、全体の収量は例年より少ないものの、糖度が高く味の良さは抜群。18日は組合員が品質を確認する「目揃(めぞろ)え会」が、21日は消費者目線で出来栄えを評価する審査会が開かれた。同柿は今年、国の2つの制度で特性が認められ、全国から問い合わせが相次ぐ。生産者はさらなるブランド力強化に期待し、安定生産、品質向上へ意欲を高めている。

 

 甲子柿は、小枝柿(渋柿の一種)をおがくずなどを燃やした室(むろ)で1週間ほどいぶし、渋を抜く地域伝統の製法で作られる。完熟トマトのような色味とぷるんとした食感、凝縮された甘味が特長。近年は豊富な栄養素も注目される。今年3月、農林水産物などの地域ブランドを守る国の「地理的表示(GI)保護制度」へ登録されたほか、8月には機能性表示食品の届け出が受理された。

 

3月に取得した地理的表示(GI)の登録証

3月に取得した地理的表示(GI)の登録証

 

 出荷前恒例の目揃え会は甲子町の洞関地区コミュニティ消防センターで開かれ、関係者15人が出席。生産者7人が化粧箱に詰めた柿を持ち寄り、色つやや大きさなど出来栄えを見比べたほか、品質や階級(重量)区分、価格、容器へのGIマークシール貼り付けなど出荷規格を確認した。

 

持ち寄った甲子柿の品質などを確認する組合員

持ち寄った甲子柿の品質などを確認する組合員

 

完熟トマトのような色つやが目を引く甲子柿

完熟トマトのような色つやが目を引く甲子柿

 

 同町松倉地区で約10年前から生産に励む佐野朋彦さん(41)は「天候不順で心配だったが、病気もなく収穫できた。糖度が高く、今で19度ぐらい。今後20度以上にはなりそう。昨年(糖度15)よりおいしさも期待できると思う」と自負。GI登録などを好機と捉え、「若手の挑戦が増え生産拡大できれば、もっと全国に広められる」と期待感を示した。

 

 一方で、課題となっているのが収穫量。昨年、今年と収穫前の自然落果が多く、生産者を悩ませている。春先の低温、夏の猛暑、長雨など気象変動の大きさも要因の一つとみられる。「農業改良普及センターと原因、対策を見いだし、安定生産できるようにしたい。瞬間冷凍により通年出荷も可能なので、十分な数量確保に向け努力していく」と藤井組合長(78)。

 

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やわらかく、凝縮された甘さが魅力の甲子柿。見るからに食欲をそそる

 

生産者が持ち込んだ甲子柿が並ぶ道の駅釜石仙人峠=写真:同駅撮影

生産者が持ち込んだ甲子柿が並ぶ道の駅釜石仙人峠=写真:同駅撮影

 

 組合では今年の市外出荷を、化粧箱12個入りを基準に300~500箱を目標とする。出荷シーズンは例年11月中旬ごろまでだが、今年は数量が少ないため、若干早まりそうとのこと。市内では道の駅釜石仙人峠(甲子町)、産直、スーパー、小売店などで販売される。

 

2年目の甲子柿審査会 委員12人が5品を「出品可」と評価

 

12人の委員が見た目、味などを審査=21日

12人の委員が見た目、味などを審査=21日

 

 昨年から新たな試みとして始まった甲子柿審査会は、大町の市民ホールTETTOで開かれ、食や農業に関わる企業、団体から12人の審査委員が参加。組合員から出品された5品について、▽見た目(色、つや、傷の多少)▽味(甘さ、いぶし風味の有無、脱渋具合)▽食感―を点数で評価した。

 

 審査の結果、5品全てが地方発送や各種販売会への出品に値する品質と判断され、見た目や味、総合ランキングも発表された。審査委員長の佐々木かよさん(市農政推進協議会委員、県食の匠)は「生産量が少ない中から出品されたが、色、形、食味、どれも大きな差はなく、良品質が保たれていた。後継者を育成し、組合がさらに発展することを願う」と総評した。

 

審査結果の発表を聞く委員。高校生委員の姿も

審査結果の発表を聞く委員。高校生委員の姿も

 

総評を述べる佐々木かよ審査委員長(左)

総評を述べる佐々木かよ審査委員長(左)

 

 片岸町の食品加工業「麻生」三陸釜石工場専務付の菅原信好さん(61)は「甲子柿は子どものころから食べているなじみの味。最近は見た目も随分立派で、認証を受けたり、開店前から道の駅に並ぶ客を見たりするとうれしく思う。釜石の特産品として自信を持って薦められる」と話した。

 

 藤井組合長は「審査会の順位は出品組合員に個別に伝える。ランクを競うことは品質、生産意欲向上にもつながる。さらに出品者を増やしたい」と会の意義を示した。

釜石港に今季初水揚げされたサンマ=21午前6時11分

「やっときたな」サンマ初水揚げ 釜石で23トン

ようやく届いた秋味サンマに頬を緩める水産関係者=21日午前5時57分

ようやく届いた秋味サンマに頬を緩める水産関係者=21日午前5時57分

 

 8月10日のサンマ漁解禁からおよそ2カ月。釜石市の新浜町魚市場に21日朝、今季初のサンマが水揚げされた。昨年より2週間ほど遅い初水揚げとなったが、量は約23トンと若干上向きに。全国的に苦戦が続く中、水産関係者は今後の漁模様の回復に期待を込める。

 

 水揚げしたのは富山県魚津市の「第八珠(す)の浦丸」(199トン、猟田雄輔漁労長、16人乗り組み)。北太平洋の公海で漁獲し、釜石まで約850キロを32時間かけて運んだ。同船は6年連続で釜石港のサンマ水揚げ第1船となった。

 

釜石港に今季初水揚げされたサンマ=21午前6時11分

釜石港に今季初水揚げされたサンマ=21午前6時11分

 

 大きさは1匹100~140グラムの中小型が中心で、価格は1キロ当たり1000~1100円で取引された。猟田漁労長(67)は「(魚影が)かなり薄い気がしている。サンマは少ない。見えない。このまま終わったら大変だが、11月中旬ごろから姿が見えるようになるのでは」と望みをかける。

 

 ほぼ全量を買い取った新浜町の水産加工会社「平庄」の平野隆司代表取締役(45)は「やっときたという感じ。去年より型は良さそうだが、量的には全然だめ。(水揚げ時期が)遅くなっている感じもあり、今後、潤沢に取れるのを期待するしかない」と前向きに捉える。サンマは関東方面に出荷するという。

 

 昨年10月6日の初水揚げは15トンだった。今年は量的には上回っているものの、出だしとしては低調で、釜石魚市場(市漁連)関係者らの実感は厳しいものになった。主力の定置網漁、サケ漁の回復が見通せない中、変わる魚種としてサンマに寄せる期待は少なくない。「今後、サンマの群れが南下し漁場が近くなることで、サンマ船の入港が増えてほしい」

 

サンマの初水揚げに活気づく新浜町魚市場=21日午前6時37分

サンマの初水揚げに活気づく新浜町魚市場=21日午前6時37分

 

2020年の全国のサンマ漁獲量は2万9566トンで、前年と比べ27%減。最低記録だった19年の4万517トンを大きく下回った。本県は約7500トンで、前年の7%減にとどめた。釜石港では昨年、サンマ船35隻が入港し、水揚げは812トン、約3億5397万円。前年の16隻、793トン、 約2億2472万円から増やしている。