タグ別アーカイブ: 文化・教育

「立派だね、良かったね」と地域の住民から声をかけられる唐丹中生中

唐丹小中、新校舎 完成を前に公開〜高台から浜を一望、木造のぬくもり 住民に好評

普通教室に隣接して配置されたワークスペース。明るい開放感と懐かしい木の香りが心地良い

普通教室に隣接して配置されたワークスペース。明るい開放感と懐かしい木の香りが心地良い

 

震災から6年 仮設からやっと本設へ

 

 東日本大震災で大きな被害を受けた唐丹小・中を併設して建設する新校舎がほぼ完成。仮設校舎からの引っ越しを前に11日、地域住民に公開された。震災から仮設校舎で授業を続け、6年を経て、やっと本設の校舎へ。高台から唐丹の町並み、唐丹湾を一望する木造の校舎は、震災で大きな痛手を負った地域の希望のランドマークとなる。新年度からの新校舎での授業に向け、今週末の18、19日に引っ越し作業が行われる。

 

 唐丹小中併設校は、現在合同仮設校舎が立つ唐丹中の敷地と西側斜面を切り崩して建設。約2万平方メートルの敷地に2階建ての木造校舎5棟を整備する。当初は鉄筋コンクリート造りを計画したが、全国的なコンクリート不足などを受けて木造に変更。仮設校舎を使用したまま国道45号側から順次新校舎を建設。今年4月に部分開校した後、児童館が入る棟1、プール、グラウンドを整備し、来年3月までの工事完了を目指す。設計見直しにより事業費は約60億円から45億円に縮小した。

 

 新校舎は高低差約25メートルの敷地に建物を分棟、1階分ずつ高さをずらしながら市松状に配置。棟間の外部を利用した経路は、地域の避難ネットワークを強化する。また、天井や柱には木造のぬくもりが感じられ、普通教室に隣接し、廊下のようなワークスペースを配置。他学年や小中の交流の場とする。

 

高低差25メートルの敷地に建物を分棟、市松状に配置された唐丹小中の新校舎

高低差25メートルの敷地に建物を分棟、市松状に配置された唐丹小中の新校舎

 

 新校舎の公開には地域住民約180人が訪れ、「予想した以上に立派」「木の香りが懐かしい」と喜びの声を上げた。

 

 ラグビー釜石シーウェイブスの元選手で震災前から唐丹に住む津田康太さん(38)は「広くて迷子になりそう。木造の校舎から海も見えて素晴らしい」と高評価。長女の紗良さん(唐丹小1年)は「エレベーターもあるよ」と声を弾ませた。

 

「立派だね、良かったね」と地域の住民から声をかけられる唐丹中生中

「立派だね、良かったね」と地域の住民から声をかけられる唐丹中生中

 

 友達と2人で訪れた大坂凛さん(同4年)は「ずっと工事を見ていて、やっと中に入れた。早くここで勉強したい。新しい体育館で空手の練習もしたい」と思いを広げた。

 

 唐丹中同窓会の会長で地元漁協組合長も務めた上村勝利さん(73)は「少ない数の児童生徒には、もったいないぐらいの校舎。これを機に、唐丹に人が戻ってきてくれれば」と願う。

 

学校が入る棟4の外観。棟と棟は渡り廊下でつながれる

学校が入る棟4の外観。棟と棟は渡り廊下でつながれる

 

 校舎の前でたばこ店を営む千葉陽一さん(82)は妻妙子さん(76)と連れ立って訪れ、「もう一度、学校に入り直したい」と興奮。店舗を兼ねた自宅1階が津波で壊れ、母親も亡くしたが、地域の希望の光に感慨を深くした。

 

 震災後に立ち上げた「本郷シニアの会」で活動する山崎静子さん(74)は「幸せだよ、今の子どもたちは」と言いつつも、「学校がなくなれば唐丹もへき地になってしまう。ありがたいね」と感謝。

 

 いずれも唐丹小、中卒業生の尾形節子さん(77)、砂野桂子さん(77)は「私たちもこの場所で学んだが、昔の校舎とは全然違う。開放感があって、とてもいい」と、子どもたちをうらやんだ。

 

(復興釜石新聞 2017年2月15日発行 第563号より)

 

復興釜石新聞

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心に響く口笛の音色で観客を楽しませた柴田晶子さん(右) 

口笛やさしく、心地よく〜柴田晶子さんコンサート、鵜住居公民館 あふれる詩情、心を癒やす

心に響く口笛の音色で観客を楽しませた柴田晶子さん(右) 

心に響く口笛の音色で観客を楽しませた柴田晶子さん(右) 

 

 国内外で活躍する口笛奏者の柴田晶子さんによる「くちぶえコンサート」が5日、釜石市鵜住居町の鵜住居公民館で開かれた。国際口笛コンクールで優勝経験を持ち、演奏会やコマーシャル、ドラマなどのBGMで、その手腕を発揮する柴田さん。釜石での演奏は初めてで、詩情あふれる、やさしく心地よい音色が地域住民ら約20人の心を癒やした。

 

 秋田市出身で現在は、福島県郡山市在住の柴田さんは、震災後の復興イベントを機に演奏活動を共にするピアニストの藤野恵美さんと同公民館を訪れた。口笛演奏に興味津々の観客を前に「口笛吹きと犬」、国際コンクールで優勝を果たした「カルメン・ファンタジー」などを演奏。オルゴールや映像、マリオネットを用いた独自のパフォーマンスでは、「星に願いを」やオリジナル曲で観客をメルヘンの世界にいざなった。「川の流れのように」など有名曲も聞かせ、口笛の豊かな表現力が新鮮な感動を広げた。

 

 同公民館に隣接する復興住宅から足を運んだ女性(73)は「低音から高音まで幅広い音域に驚いた。すごくすてきな音色ですね」と感激。家族4人でコンサートを楽しんだ戸張聖子さん(38)は「高音域も耳にやさしく心地よい響き。口笛を聞くと楽しい気持ちになる」と、幼い子どもたちと顔を見合わせ、ほほ笑んだ。

 

観客は柴田さんの演奏技術に感心しながら、口笛音楽の世界を堪能した

観客は柴田さんの演奏技術に感心しながら、口笛音楽の世界を堪能した

 

 柴田さんは、口笛の音に誘われて頭上に野鳥が姿を見せたエピソードや、息を吸っても吐いても音を出せることなどを紹介。簡単な吹き方を教え、観客も挑戦した。

 

 民間企業勤務時代に口笛の世界大会があるのを知り、10年ほど前から本格的に始めたという柴田さん。2010、12年の2度、国際コンクールの女性成人部門で総合優勝を果たし、14年には大会審査員を務めた。国内のほかヨーロッパやアジアでも演奏し、各地で高い評価を受ける。口笛教室で指導も行う。

 

 「体から直接出る音で表現でき、身近で、すぐ試せるのが口笛の魅力。これを知ってから人生が楽しくなった。いろいろな人に知ってもらえれば」と柴田さん。本県ではこれまで、岩泉町の龍泉洞や一関市の猊鼻渓でコンサートを開いてきた。今回は震災後、音楽などで釜石の子どもたちを支援し続ける埼玉県さいたま市のNPO法人子ども文化ステーション(武藤定明代表理事)が縁をつなぎ、同公民館のほか鵜住居幼稚園など幼・保3施設で演奏した。

 

(復興釜石新聞 2017年2月11日発行 第562号より)

 

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ミュージカル出演者募集・参加無料!

ミュージカル出演者募集・参加無料!

 

子どもたちで創るミュージカルに参加してみませんか?

 
釜石市民ホールの完成が、いよいよ今秋に迫ってきました!
 
■釜石市教育委員会では子どもたちに釜石市民ホールのステージに興味をもってもらうために、釜石こどもミュージカル ~明けない夜はないから~ を開催いたします。
■プロの役者さん指導による3日間の練習と、チームスマイル・釜石PITでの出演が参加費無料で体験できます。
■5歳から高校生までの方であればどなたでも参加できます。下記申込方法をご覧になり、申込書にてお申込みください。みなさまのご応募をお待ちしています。

 

こどもミュージカル

 

練習日時

3月1日(水)~3日(金) 9~12時(未就学児)、15時30分~20時(小学生以上)

公演日時

3月4日(土) 集合9時 開場15時 公演15時30分~17時

会場

チームスマイル・釜石PIT(練習、公演)、青葉ビル(練習)

主催

釜石市教育委員会(生涯学習文化課)
【制作】 プランニング開(かい)

申込方法

①各生活応援センター、釜石市図書館、釜石情報交流センター等にあるチラシ裏面の申込書に記入、保護者同意のうえ、申込先まで郵送・FAX・e-mailのいずれかでお送りください。
②申込書はこのページからダウンロードすることもできます。
③申込書同意欄へのチェック(レ点)がないと応募を受け付けできませんのでご注意ください。
チラシ申込書はこちらから↓(クリックしてください。)
釜石こどもミュージカルチラシ(352 KB pdfファイル)
スケジュール・申込書(389 KB pdfファイル)

申込先およびお問い合わせ

プランニング開(釜石こどもミュージカル公演事務局)
〒981-0931 仙台市青葉区北山1丁目5-22
TEL/FAX:022-276-8840 e-mail:kai@jupiter.plala.or.jp
ホームページ: https://p-kai.com 担当:小坪(こつぼ)

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 教育委員会 生涯学習文化課 文化係
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町15番2号
電話:0193-22-8835 / 0193-22-3633 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/tanoshimu/shisetsu/shimin_hall/detail/1207490_2466.html
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
「金太郎」の歌を漁火の会バージョンのおらほ弁替え歌で楽しませるメンバーら

方言の力 復興に生かす、民話の世界 観客魅了〜「おらほ弁で昔話を語っぺし」南部弁さみっとin釜石

「金太郎」の歌を漁火の会バージョンのおらほ弁替え歌で楽しませるメンバーら

「金太郎」の歌を漁火の会バージョンのおらほ弁替え歌で楽しませるメンバーら

 

 「おらほ弁で昔話を語っぺし」南部弁さみっとin釜石は21日、釜石市大町の情報交流センター釜石PITで開かれた。被災地の方言の保存・継承、方言の力を活用した復興への取り組みを支援することで、方言の再興や地域コミュニティー再生につなげる文化庁の事業で、3年目の開催。岩手大が事務局を務める「おらほ弁で語っぺしプロジェクト」が主催した。

 

 釜石で民話を語り伝える漁火の会(須知ナヨ会長)の7人と青森県、盛岡市、遠野市からのゲスト6人が出演。漁火の会は新年にちなんだ「十二支の始まり」の話や釜石、遠野に伝わる民話を地元の方言で語った。釜石の話は「長ぇ長ぇ綱っこ」(両石)、「釜石のお産婆さま」(東前)など4話。同会がこの日初めて披露する演目もあり、約50人の観客は興味をそそられながら物語の世界に引き込まれた。

 

 青森県のゲストは、江戸時代に南部藩の領域で、岩手とは”南部弁仲間”の関係にある「八戸童話会」メンバーと、津軽弁で民話を語る「北の会」メンバーの計4人。それぞれに特徴ある方言で地元の昔話を聞かせた。釜石・遠野の昔話の締めの言葉「どんどはれ」は、八戸では「どっとはれ」、津軽弁では「とっちぱれ」と言うそう。他にも地域独特の言葉が飛び出し、方言の魅力を際立たせた。

 

 北の会の千葉涼子さん(66)=弘前市=は「私たちはとにかく津軽弁が好きで、旅行してもほとんど津軽弁で通している。今回のように方言で他地域の人とつながれるというのもいいですね」と地元の言葉に愛着を見せた。

 

 NHK盛岡放送局のラジオ番組「まじぇ5時」のパーソナリティーを務めるシンガーソングライター田口友善さんは、「クラリネットこわしちゃった」の盛岡弁版を弾き語りで披露。「どうしよう」という歌詞を「なじょするべ」と置き換えるなどユーモアあふれる”なまり歌”で楽しませた。

 

 須知会長(85)のめいで、遠野市で語り部の活動を行う菊池栄子さん(76)は、「まめっこの話」「そば屋のかまり代」などを披露。遠野民話を広める源となった「菊池力松一族」の語り術を見せ、観客を喜ばせた。

 

遠野の昔話語りの名手「菊池力松一族」について話す須知ナヨさん(中左)と菊池栄子さん(中右)

遠野の昔話語りの名手「菊池力松一族」について話す須知ナヨさん(中左)と菊池栄子さん(中右)

 

 このほか観客も一緒に、おらほ弁ラジオ体操(釜石バージョン)で体を動かすなど、全身で方言の素晴らしさを感じた。只越町の復興住宅に暮らす大河内静子さん(65)は「方言は自分も使った覚えがあり懐かしい。初めて聞く話ばかりで面白かった。今は方言や昔話に触れる機会も減ったので貴重な時間だった」と振り返った。

 

(復興釜石新聞 2017年1月25日発行 第557号より)

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昇降口に最後の飾り付けを行う唐丹小OBら。テーマは「春夏秋冬」

仮設校舎に最後の飾り付け、唐丹小の卒業生ら〜2月に新校舎へ「いい思い出に」と願い込め

昇降口に最後の飾り付けを行う唐丹小OBら。テーマは「春夏秋冬」

昇降口に最後の飾り付けを行う唐丹小OBら。テーマは「春夏秋冬」

 

 今年2月に仮設校舎から新校舎に移る唐丹小(一條直人校長、児童53人)で18日、同校の卒業生らが昇降口に最後の飾り付けを行った。「仮設校舎での生活に少しでも彩りを添えたい」と2年ほど前に始まった取り組みで、最後のテーマは「春夏秋冬」。飾り付けを発案した下村達志さん(41)=唐丹町花露辺=は「ここでいろんな季節を過ごした子どもたちには、それぞれいろんな思い出があると思う。仮設校舎という環境に負けずに、元気で健やかに学び続けた子どもたちの新しい生活の節目の一つになれば」と願いを込めた。

 

 この日は下村さんら3人が作業した。桜、ヒマワリ、魚、モミジ、雪だるま―。ガラス窓や鏡などに何度も貼り付けられるジェル状のシールを、子どもたちに喜んでもらおうと配置やデザインを考えながら、一つ一つ丁寧に貼り付けた。

 

 作業をしていると、休み時間に児童がやって来て「かわいい」と歓声。香川彩夏さん(2年)は「きれいなところがいい。いろいろ変わって楽しいし、うれしい」と喜んだ。

 

 同校は震災後、平田小を間借りし、仮設校舎で生活が始まったのは2012年1月。小・中併設の新校舎建設は資材の高騰・不足などにより計画見直しを余儀なくされ、15年に工事は始まったが、完成は17年4月と当初の計画から1年延びた。

 

 現6年生は平田小で入学式を行い、1年生の3学期から仮設校舎で生活。建設計画がずれ込んだことで下村さんは「仮設校舎しか知らない学年が出てしまうのでは。せめて仮設を彩っていい思い出にしてもらおう」と、知人らの協力を得て、14年12月から昇降口の飾り付けを始めた。

 

 年に5回ほど模様替えをしてきたが、新校舎の完成が今年2月になり、今回の貼り替えで最後にすることに。「役目を終えたというすがすがしさがある。活動が終わることは、本校舎ができて移れるということなので、うれしい気持ちの方が強い」と下村さん。「新しい校舎に移っても、これまでと変わらず元気に明るく学校生活を楽しんで。頑張れ、唐丹っ子」とエールを送る。

 

 新校舎への初登校は2月20日を予定。仮設校舎で5年を過ごした6年生の卒業式は新校舎で行われる。

 

(復興釜石新聞 2017年1月21日発行 第556号より)

 

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観客と一緒に健康体操を楽しんだステージ。曲は水戸黄門の主題歌「ああ人生に涙あり」

新春彩る歌と踊り、新しい振り付けでパワフルに〜釜石民謡クラブ、新会員4人迎え

観客と一緒に健康体操を楽しんだステージ。曲は水戸黄門の主題歌「ああ人生に涙あり」

観客と一緒に健康体操を楽しんだステージ。曲は水戸黄門の主題歌「ああ人生に涙あり」

 

 釜石民謡クラブ(会員20人)の第11回新春民謡お楽しみ会が15日、釜石市鈴子町のシープラザ釜石イベントステージで開かれた。今年は新入会員4人を迎え、さらにパワーアップした歌と踊りのステージで観客を楽しませた。

 

 友情出演の3人を含む総勢16人が約30のプログラムを披露。「南部俵積み唄」「花笠音頭」「沢内甚句」など東北を代表する民謡を中心に、三味線伴奏で自慢ののどを響かせた。踊りや健康体操を交えたステージもあり、観客は手ぶりをまねながら一緒に体を動かした。

 

 同クラブは釜石に伝わる歌にも力を入れる。広く知られる「釜石小唄」「釜石浜唄」のほか、「くろがね音頭」「釜石鉱山音頭」「釜石行進曲」「釜石音頭」と、今ではあまり耳にしなくなった名曲を機会あるごとに聴かせている。この日は新たに振り付けした踊りも披露し注目を集めた。

 

 新春のステージ初出演となる4人は歌と踊りで大活躍。昨年8月から民謡を習う小川町の佐々木裕海さん(小佐野小4年)と、裕海さんに刺激を受け一緒に習い始めた妹の玲海さん(同1年)は「みんなと歌ったりするのが楽しい。もっと大きな声を出せるようになりたい」と民謡の魅力にすっかり引かれた様子。

 

 同クラブ事務局の藤沢静子さん(75)は「最初は蚊の鳴くような声だったが、どんどん成長している。みんなで育てていきたい」と2人を温かく見守る。

 

 駒木町の及川美代子さん(77)と平田の小池テル子さん(66)は、息子が利用する障害者自立支援施設に同クラブが慰問した際のステージに感激し、昨年11月に入会。「こんなに人を喜ばせるんだ」と心を動かされた及川さんは、意気投合した小池さんを誘って未知の世界に飛び込んだ。

 

 「民謡を始めて自分も明るくなったし、眠っていた着物を着る機会も増え、楽しくてしょうがない」と及川さん。唐丹町で被災した小池さんは、仮設住宅を経て平田で新たな生活をスタートさせた。「手芸のしすぎで首などに痛みがあったが、歌や踊りをやるうちに病まなくなった。皆さんにも良くしてもらい本当に入ってよかった」と声を弾ませた。

 

 友情出演した上中島町の瀬田政広さん(86)は「体調を崩して2年ほど民謡から遠ざかっていたが、最近また歌い始めた。皆さんのステージも楽しみで、元気をもらう」と顔をほころばせた。

 

 震災後、仮設住宅や福祉施設などへの慰問活動を精力的に行う同クラブ。昨年は1年間で59回も慰問に訪れた。

 

(復興釜石新聞 2017年1月18日発行 第555号より)

 

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顔に墨を浴び、イカの鳴き声を発して繁栄と健康のお告げを伝える子ども

さお振って大漁祈願〜尾崎白浜で「するめっこ釣り」

顔に墨を浴び、イカの鳴き声を発して繁栄と健康のお告げを伝える子ども

顔に墨を浴び、イカの鳴き声を発して繁栄と健康のお告げを伝える子ども

 

 漁師にふんした子どもたちが家々を回って大漁を祈願する浜の小正月行事、「するめっこ釣り」が15日、釜石市の尾崎白浜地区で行われた。幼児から小学生までの男児16人が地区(92世帯)内の20軒ほどを訪ね、イカの疑似餌を付けた釣りざおを振りながら「キュッ、キュッ」とイカの鳴く声をまねし、大漁や家内安全を祈った。

 

 この伝統行事は、子どもがイカ釣り船の漁師、家主が船主という想定で、イカを釣った漁師に船主が手当てをやる様子を演じる。地域の宝、子どもの成長ぶりを住民が確かめ、喜び合う意味が込められている。

 

 ねじり鉢巻きをした子どもらが釣りざおを持ち、尾崎本宮神社を出発。気温3度以下の寒気を突き、来訪を待つ家々を巡った。子どもの世話役は地区PTAの父親らが務めた。

 

 子どもは、大漁旗を掲げた家々の玄関や神棚を飾った床の間で釣りの動作を繰り返す。家主が成果を問うと、「満船(まんせん=大漁)」と応じ、家主は手当てを弾む。子どもたちの顔はイカの墨にまみれ、「大漁」と書かれた文字が増えていく。

 

 4回目のするめっこ釣りという佐々木隆正君(8)=平田小2年=は「面白い。やり方の順序は覚えたけど、するめの鳴き声がうまくできない。家に帰ると必ず鏡を見る。本当は、(筆で)書かれるのは気持ち悪い」と少々渋い顔。

 

 まだ4歳の久保海翔(かいと)君=平田幼稚園=には高校生以上の姉3人がいるものの、漁業の父秀孝さん(44)にとっては一家の「するめっこ釣りデビュー」となった。「いっぱい食べて、早くお父さんのように大きくなりたい」と、秀孝さんが箸で運ぶおでんにかぶりついた。

 

 長年にわたり世話役を引き受けてきた漁業箱石忠男さん(61)は「息子2人が男孫3人と一緒に回っているので留守番。小正月に、家でゆっくり飲めるのは久しぶりだ。震災もあって地域の行事は少ない。するめっこ釣りはみんなを楽しませる。続けてほしい」と願った。

 

(復興釜石新聞 2017年1月18日発行 第555号より)

 

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「三鉄お絵かき列車」で入賞した林野黎さん(右)と岡本あいるさん(左)

三鉄に夢を乗せ、お絵かき遠足列車〜林野さん、岡本さん(小佐野保育園)入賞

「三鉄お絵かき列車」で入賞した林野黎さん(右)と岡本あいるさん(左)

「三鉄お絵かき列車」で入賞した林野黎さん(右)と岡本あいるさん(左)

 

 三陸鉄道が沿線の幼稚園児や保育園児などを対象に募集した「お絵かき遠足列車」の表彰式は7日、釜石市のイオンタウン釜石で行われ、いずれも小佐野保育園の園児で、釜石市特別賞を受賞した林野黎(れい)さん(6)と、釜石市さんてつくん賞を受けた岡本あいるさん(5)にそれぞれ賞状が贈られた。昨年6月から10月まで運行された同列車には、釜石市内から保育園、保育所、こども園の5つの施設から園児72人が乗車。海沿いを走る三鉄の絵を描き、「マイレール」に親しんだ。

 

 2人の入賞作はいずれも、青い空と海を背景に、気持ちよさそうに走る列車を表現。三鉄の車両を象徴する赤と青のライン、窓からのぞく乗客の笑顔を子どもらしく、元気なタッチで描いた。友達と仲良く三鉄に乗った2人は「とっても楽しかったよ」と口をそろえた。

 

 家族や保育園、三鉄の関係者が見守る中、野田武則市長が入賞の2人に賞状を贈呈。三鉄南リアス線の吉田哲運行部長は、作品を寄せた全園児に贈る参加賞を各園の職員に託した。

 

 野田市長は「みなさんの絵で三鉄の素晴らしさをアピールしてもらえた。沿線住民がマイレール意識を高め、もっと三鉄を利用してもらいたい」と期待。吉田運行部長は「三鉄は地域のみなさんに支えられる鉄道。子どもたちに今後も継続して乗ってもらえるような鉄道にしたい」と話した。

 

 2人が通う小佐野保育園(勝又和子園長)は昨年10月、年長児10人が三鉄に乗車。車窓を流れる外の景色を食い入るように眺め、トンネルに入るたびに大きな歓声を上げたという。引率した職員は「こどもたちの目がキラキラと輝いていた」と喜んだ。

 

 三鉄の「お絵かき列車」は1995年から運行。応募作品は南、北の各線の車内で公開するほか、表彰は沿線の各自治体で行っている。釜石市内の応募作品は昨年12月24日から今月10日までイオンタウン釜石のイベントスペースに展示された。

 

(復興釜石新聞 2017年1月14日発行 第554号より)

 

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「かまっこまつり」で交流する地域住民と子どもたち

鵜住居「子どもひろば」文科大臣表彰~地域とつながる学びの場

「かまっこまつり」で交流する地域住民と子どもたち

「かまっこまつり」で交流する地域住民と子どもたち

 

 鵜住居小(村上清校長)、栗林小(菊池信男校長)の釜石市放課後子供教室「鵜住居子どもひろば」が、地域と学校が一体となり、子どもの成長を支える活動をたたえる2016年度の「地域学校協働活動」で文部科学大臣表彰を受けた。「子どもが輝けば地域も輝く」をテーマに、震災で遊び場が減った子どもたちの居場所づくりや、豊かな自然環境を生かした体験活動による学びの場の創出に努め、地域とのつながりを生み出す取り組みが評価された。

 

 同ひろばは2007年度に開始。震災のあった11年度は会場もなく運営する人も被災するなど活動の休止を余儀なくされ、学校や家庭から再開を求める声があったものの難しい状況だった。そんな中、鵜住居、栗橋地区を拠点に活動する一般社団法人三陸ひとつなぎ自然学校が、仮設住宅など限られた環境でも子どもらしく生活してもらおうと、12年度に放課後の居場所づくりを再開。コミュニティー活性化の一つとして、子どもが企画・運営する「かまっこまつり」の開催や、地域住民から借りた土地を「森あそび」の場として整備するなど、地域との協働による居場所と学びの場づくりを進めた。

 

 仮設住宅での活動では当初、苦情も寄せられたというが、「子どものため」と大人の力を結集しようと13年度に仮設住宅住民や保護者、専門家、行政などで構成する「子ども安全安心検討委員会」を発足。子どもの現状と課題を共有するとともに、地域とより良い関係性を築くための工夫として、子どもと大人の共有体験の場「かまっこまつり」「森あそび」を継続している。

 

 活動の効果として、「かまっこまつり」では子どもたちが自己の力で実現、表現することにより主体性を育み、多くの地域住民の参加によって顔が見える関係が生まれ「地域ぐるみで子どもを育んでいこう」との動きが強まっているという。「森あそび」では開放的に遊ぶことで発想力や新しい物事に取り組む力の向上につながっている。

 

 本年度は市から一部業務を請け負って同法人が同ひろばを実施。鵜住居・栗林の両仮設団地談話室を拠点に週3回活動している。

 

 同表彰は今年度、全国135の活動が受けた。岩手県内では釜石のほか、盛岡市、宮古市、平泉町の活動が表彰された。

 

表彰状を手にする柏﨑未来さん

表彰状を手にする柏﨑未来さん

 

 8日に都内の同省で表彰式が行われ、同ひろばコーディネーターを務める同法人の柏﨑未来さん(31)が代表して出席。「子どもたちのために地域の人と一緒に考え、形を作り上げ、行動したことが今回の表彰につながった。街並みが変わり続ける今の鵜住居では住みにくさもあるが、これからも連携して過ごしやすい場所を作っていきたい」と意欲を新たにした。

 

(復興釜石新聞 2016年12月31日発行 第551号より)

 

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渡辺さんの教えを胸にクリスマスソングを歌うノイホフクワィアーのメンバー

没後20年 渡辺顕麿さんをしのび、クリスマスに響く歌声~ノイホフクワィアー「継続は力」の教えかみしめ

渡辺さんの教えを胸にクリスマスソングを歌うノイホフクワィアーのメンバー

渡辺さんの教えを胸にクリスマスソングを歌うノイホフクワィアーのメンバー

 

 釜石市の「親と子の合唱団ノイホフ・クワィアー」(小澤一郎代表)は23日、小佐野コミュニティ会館で第134回ファミリー・コンサート「ノイホフ・イン・パープルクリスマス2016」を開き、小学1年生から70代まで幅広い年代のメンバー11人がやさしい歌声を届けた。

 

 同団は39年の歴史を誇り、クリスマスコンサートは5月の「母の日コンサート」と並ぶ団の代名詞だった。団員の減少などでしばらく途絶えていたが、昨年十数年ぶりに復活。今年は同団創設者で1996年に他界した渡辺顕麿さん(宝樹寺元住職)の没後20年に当たり、「東洋のひびき・西洋のひびき」と題した1部で渡辺さんをしのんで仏教聖歌や典礼聖歌など9曲を厳かに響かせた。

 

 2部が始まる前、高尾緑香子さん(46)が渡辺さんとの思い出を紹介。メンバーは渡辺さんを親しみを込めて”おっきい先生”と呼び、「入団したてだろうが容赦なかったが、温かく大きかった。歌う喜び、楽しさ、希望といった先生の教えを引き継いでいきたい。その思いを共有する仲間、見守り応援してくれる方々と力を合わせ一歩ずつ進みたい。おっきい先生が指揮してくれると思って歌います」と思いを伝えた。

 

 2部では同団が古くから親しんできた合唱組曲「日記のうた」を披露した。関西弁の軽快な曲調が特徴で、喜びや悲しみの感情を声のトーンや振り付けで豊かに表現。歌詞の一部を「おっきいせんせ、どないしてるやろ?どんな顔してるやろ?」と歌い、渡辺さんに見守られ、教えが続いているとの思いを込めた。

 

 3部は「赤鼻のトナカイ」などおなじみのクリスマスソング、ウインターソング18曲を披露。客席が歌声を重ね、一緒にクリスマスを楽しむ場面もあった。

 

 渡辺さんの指導を受けたことがある甲子町の50代の女性は「知っている曲ばかりで懐かしい。(渡辺さんの)指導は人それぞれの可能性を引き出し、厳しいが愛情が伝わるものだった」と懐かしんだ。現在は指揮者として団を引っ張る小澤代表が団員だったころから交流もあり、「受け継いで何十年と続いているのがすごい。まさに継続は力なり。これからも親と子で声を合わせる貴重な時間を楽しんでほしい。歌声を聴いて癒やされ、ほっとする時間だった」と感激していた。

 

 入団して3年ほどになる石山友里花さん(甲子中1年)は「歌が大好き。年の幅が広い人と歌を楽しめるのが魅力。心に響くような歌を届け続けたい」と目を輝かせた。

 

 この日は渡辺さんが指導していた東京隅田川少年少女合唱隊のOGも加わり、演奏を盛り上げた。

 

(復興釜石新聞 2016年12月28日発行 第550号より)

 

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「食の匠」に認定された植田栄子さん

植田さん(箱崎町)食の匠に〜母親の味を伝承、ワカメの中芯を佃煮に

「食の匠」に認定された植田栄子さん

「食の匠」に認定された植田栄子さん

 

 郷土食などの優れた技術を持ち、伝承に取り組んでいる人を県が認定する「食の匠(たくみ)」に釜石市箱崎町の植田栄子さん(74)が認定され、16日、野田武則釜石市長に報告した。

 

 植田さんが伝承する料理は「わかめの中芯の佃(つくだ)煮」。塩蔵ワカメの茎の部分となる中芯をざらめや黒砂糖、玉砂糖、水あめ、しょうゆ、南蛮などで甘辛く煮たもので、甘さや色、保存期間などを考えながら工夫を重ねた。湯を使った塩抜きの方法、こだわった砂糖の使い方、火にかける時間の調整などが技の伝承ポイントとして評価されたという。

 

 「浜周辺では中芯を煮物、漬物にして味わっているが、あまり加工されず注目されて来なかった残り物だった」と植田さん。母親の味を長持ちさせようと考えながら作り上げた料理で、「地域に根付いた食材を一番おいしく食べられるようにと取り組んできた。年はとっても頑張らなきゃ。これからもいろんなことに挑戦したい」と意欲満々。今回の認定には、中芯の活用促進への期待感も込められている。

 

 佃煮を試食した野田市長は「おいしい。これはごはんが進む。釜石を代表する味になる。釜石の味に磨きをかけ、喜ばれる取り組みを続けてほしい」と期待した。

 

 植田さんは釜石東部漁協女性部副部長、箱崎町内会副会長として地域活動、郷土料理の普及活動に取り組んでいる。同女性部では植田さんの佃煮の商品化を検討。ボイルしたホタテなど5品を詰め合わせたものをお歳暮用に販売する準備を進めている。

 

 食の匠は、「岩手ならではの食文化」の発信と地域活性化を目的にしており、本年度は8人が認定された。釜石では7人目(うち1人は故人)。県内全体では259人が認定されている。

 

(復興釜石新聞 2016年12月21日発行 第548号より)

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6年ぶりに定期演奏会を開いた釜石混声合唱団

釜石混声合唱団、震災後初6年ぶりに定演〜渡辺さん(没後20年)の教えかみしめ

6年ぶりに定期演奏会を開いた釜石混声合唱団

6年ぶりに定期演奏会を開いた釜石混声合唱団

 

 「めぐりあいこんさあと」と題した釜石混声合唱団(菊池征毅団長)の定期演奏会は11月23日、釜石市大町の日本キリスト教団新生釜石教会で開かれた。東日本大震災後初の定演で、2010年に開いて以来6年ぶり。同団の元指揮者で団員が人生の師と仰ぐ渡辺顕麿さん(宝樹寺前住職、1931~96)の没後20周年にも当たり、合唱活動を通して多くの教えを受けたメンバーらは師の思いをあらためてかみしめていた。

 

 指揮者の小浜和子さんを含め15人が出演。4部構成で、鈴木憲夫作曲の「三つの聖母マリア賛歌」などに続き、東日本大震災復興祈念作品として作られた「永遠の花」などを演奏。最後のステージでは、渡辺さんと親交があった高田三郎作曲の合唱組曲「水のいのち」「心の四季」の中から5曲を抜粋して締めくくった。

 

 1960年代から活動を始めた同団は77年、東京荒川少年少女合唱隊の指揮者として全国に知られた渡辺さんの帰郷を機に再発足。高田三郎、清水脩、間宮芳生、石井歓、武満徹など名だたる作曲家の作品に次々と挑み、釜石の合唱活動をけん引してきた。

 

 しかし、転勤などで釜石を離れるメンバーが相次ぎ、20年以上前から毎月盛岡でも練習を行うなど、県内各地に散らばったメンバーが心をつなぎながら活動を維持してきた。

 

 定演を通して重ねた「めぐりあい」は33回目。今回は新たに外国人のメンバーが加わり、同団が長い時間をかけて醸成してきた濃密なハーモニーに新鮮な響きを加えた。

 

 アメリカ・オレゴン州出身で、今年4月から気仙地域の小中学校でALT(外国語指導助手)を務めるダニエル・クルーズさん(27)。日本語の歌詞もしっかりと理解し、全ステージの曲を歌いあげた。

 

 「すばらしいコーラスに加わることができ、とてもうれしい」とクルーズさん。環境の変化やメンバーの高齢化などで「今回の定演が最後になるかも」と覚悟していた菊池団長は、青い目の新しい力に後押しされ、「また、やれるかも」と思い直した。

 

(復興釜石新聞 2016年12月14日発行 第546号より)

 

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