渡辺さんの教えを胸にクリスマスソングを歌うノイホフクワィアーのメンバー
釜石市の「親と子の合唱団ノイホフ・クワィアー」(小澤一郎代表)は23日、小佐野コミュニティ会館で第134回ファミリー・コンサート「ノイホフ・イン・パープルクリスマス2016」を開き、小学1年生から70代まで幅広い年代のメンバー11人がやさしい歌声を届けた。
同団は39年の歴史を誇り、クリスマスコンサートは5月の「母の日コンサート」と並ぶ団の代名詞だった。団員の減少などでしばらく途絶えていたが、昨年十数年ぶりに復活。今年は同団創設者で1996年に他界した渡辺顕麿さん(宝樹寺元住職)の没後20年に当たり、「東洋のひびき・西洋のひびき」と題した1部で渡辺さんをしのんで仏教聖歌や典礼聖歌など9曲を厳かに響かせた。
2部が始まる前、高尾緑香子さん(46)が渡辺さんとの思い出を紹介。メンバーは渡辺さんを親しみを込めて”おっきい先生”と呼び、「入団したてだろうが容赦なかったが、温かく大きかった。歌う喜び、楽しさ、希望といった先生の教えを引き継いでいきたい。その思いを共有する仲間、見守り応援してくれる方々と力を合わせ一歩ずつ進みたい。おっきい先生が指揮してくれると思って歌います」と思いを伝えた。
2部では同団が古くから親しんできた合唱組曲「日記のうた」を披露した。関西弁の軽快な曲調が特徴で、喜びや悲しみの感情を声のトーンや振り付けで豊かに表現。歌詞の一部を「おっきいせんせ、どないしてるやろ?どんな顔してるやろ?」と歌い、渡辺さんに見守られ、教えが続いているとの思いを込めた。
3部は「赤鼻のトナカイ」などおなじみのクリスマスソング、ウインターソング18曲を披露。客席が歌声を重ね、一緒にクリスマスを楽しむ場面もあった。
渡辺さんの指導を受けたことがある甲子町の50代の女性は「知っている曲ばかりで懐かしい。(渡辺さんの)指導は人それぞれの可能性を引き出し、厳しいが愛情が伝わるものだった」と懐かしんだ。現在は指揮者として団を引っ張る小澤代表が団員だったころから交流もあり、「受け継いで何十年と続いているのがすごい。まさに継続は力なり。これからも親と子で声を合わせる貴重な時間を楽しんでほしい。歌声を聴いて癒やされ、ほっとする時間だった」と感激していた。
入団して3年ほどになる石山友里花さん(甲子中1年)は「歌が大好き。年の幅が広い人と歌を楽しめるのが魅力。心に響くような歌を届け続けたい」と目を輝かせた。
この日は渡辺さんが指導していた東京隅田川少年少女合唱隊のOGも加わり、演奏を盛り上げた。
(復興釜石新聞 2016年12月28日発行 第550号より)
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