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県大会出場目指し選手ら全力プレー 釜石大槌地区中総体7競技で 女子バレーに地域クラブ初参戦

7競技で熱戦が繰り広げられた釜石大槌地区中学校総合体育大会=14日

7競技で熱戦が繰り広げられた釜石大槌地区中学校総合体育大会=14日

 
 2025年度釜石大槌地区中学校総合体育大会(中総体)は14日、釜石市と大槌町の公共体育施設や学校体育館で7競技が行われた。「部活動の地域移行化」推進の中で、日本中学校体育連盟(中体連)主催大会に地域クラブチームの参加が認められるようになって3年目。同地区では本年度、バレーボール女子に1クラブが初参戦。地域クラブの参加はこれで3競技3クラブとなった。
 
 同地区中総体は本来、9競技で実施されるが、生徒数の減少が続く近年は団体競技を中心に対戦に必要な人数がそろわず、試合を断念するケースが出ている。本年度は軟式野球、柔道で試合ができず、練習や計量のみの実施となった。複数の学校で合同チームを結成して出場するケースも。今大会ではバレーボール女子で、甲子と釜石東が合同チームで出場した。
 
 サッカーは2022、23年度は試合ができなかったが、昨年度から地域クラブの大槌サッカークラブが参戦。2年連続で釜石東中との対戦カードとなった。大槌、吉里吉里両学園の中学生が所属する同クラブは23年に結成。この2年で着実に力をつけ、本大会ではゴールを量産。昨年の同大会で逃した県大会出場権を獲得した。
 
サッカーは昨年同様、釜石東中(青)と大槌サッカークラブ(赤)が対戦

サッカーは昨年同様、釜石東中(青)と大槌サッカークラブ(赤)が対戦

 
 バスケットボールには男子4校、女子3校が出場。男子はトーナメント戦、女子はリーグ戦で優勝を競った。新型コロナ感染症対策で22年度まで制限されていた保護者観戦も23年度から可能となっていて、2階ギャラリーでは選手の保護者らが声援を送った。男子は新人戦県大会優勝経験のある釜石中が高い競技力を維持し続けており、本大会でも他校の追随を許さず、地区代表の座を手にした。
 
バスケットボール男子1回戦。大槌学園と戦う釜石中(白)は技ありのシュート

バスケットボール男子1回戦。大槌学園と戦う釜石中(白)は技ありのシュート

 
 卓球団体戦は男子3校、女子2校がそれぞれトーナメントで戦った。個人戦はシングルスで、男子28人、女子26人が出場。トーナメント戦で頂点を目指し、男女ともにベスト4(3位以上)が県大会出場権を得た。ソフトテニス団体戦は男子2校が直接対決。女子は3校によるリーグ戦が行われた。ダブルスの個人戦は男女ともにトーナメント戦。団体、個人戦いずれも大槌学園の男女が大会を制した。
 
卓球男子個人戦では28選手がトーナメントで優勝を競い合った

卓球男子個人戦では28選手がトーナメントで優勝を競い合った

 
卓球女子個人戦には地区内7校のうち6校の選手が参加

卓球女子個人戦には地区内7校のうち6校の選手が参加

 
ソフトテニス男子の団体戦。釜石中と大槌学園が直接対決

ソフトテニス男子の団体戦。釜石中と大槌学園が直接対決

 
 バレーボール男子は吉里吉里、釜石2校の直接対決を吉里吉里が制した。女子4チームのトーナメント戦には地域クラブの「釜石ヤングバレーボールクラブ」が初めて参加した。同クラブは部活動地域移行化の流れを受け、2023年11月に結成。現在、小学4年~中学3年まで17人が所属する。中体連の大会出場メンバーは13人。初の地区中総体に緊張もあったが、決勝では甲子・釜石東中合同チームとの接戦を制し、初優勝を飾った。
 
バレーボール女子に初めて参加した「釜石ヤングバレーボールクラブ」

バレーボール女子に初めて参加した「釜石ヤングバレーボールクラブ」

 
決勝は点の取り合い。甲子・釜石東中の合同チームが釜石ヤングと熱戦

決勝は点の取り合い。甲子・釜石東中の合同チームが釜石ヤングと熱戦

 
 谷藤結香主将(釜石中3年)は「最初はかみ合わない部分もあったが、“みんなでつなぐ”という自分たちの持ち味を生かし、最終的に勝つことができた」と喜びの表情。同クラブとして臨む初の県中総体に向け、「自分たちのバレーができるよう日々の練習に励み、目標のベスト4達成へ頑張っていきたい」と意気込む。
 
 今年3月からクラブを指導する蛸島茂雄監督(62)は「基本に戻ってレシーブ、ブロックを強化してきた。ボールが床に落ちなくなってきた」と成長を実感。サーブ力の強さもチームの武器で、本大会でも遺憾なく発揮された。一方で、「スパイク、サーブで力んだミスが多かった」とも。平常心での戦いに課題を残した。「まだまだ伸びしろはある。上を目指し、レベルアップを図っていく」と県大会への準備を見据える。県中総体は7月19~21日に県内各競技会場で行われる予定。
 
磨きをかけてきたブロックで相手スパイクを止めにかかる釜石ヤング

磨きをかけてきたブロックで相手スパイクを止めにかかる釜石ヤング

 
地区中総体で初優勝に輝いた釜石ヤングバレーボールクラブ。喜びの笑顔満開!

地区中総体で初優勝に輝いた釜石ヤングバレーボールクラブ。喜びの笑顔満開!

 
 2025年度釜石大槌地区中学校総合体育大会成績一覧表

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磨く!救助技術、仲間と共に 釜石大槌地区消防本部が訓練披露 岩手県大会前に

消防救助技術訓練の効果測定でロープブリッジ救出に挑む署員

消防救助技術訓練の効果測定でロープブリッジ救出に挑む署員

 
 釜石大槌地区行政事務組合消防本部では、第48回消防救助技術岩手県大会(6月26日、矢巾町・県消防学校)に向け、出場する職員らがそれぞれ鍛錬を重ねている。5月の大型連休明けに始まった訓練は、いよいよ終盤戦。11日には、釜石市鈴子町の釜石消防署で大会前最後となる効果測定があり、出場者らが訓練の成果や課題を確かめた。
 
 同本部が県大会でエントリーするのは、陸上の部5種。水平に張った長さ20メートルのロープを渡って対面する塔上の要救助者を助け出す「ロープブリッジ救出」(4人一組)や、高さ15メートルの「はしご登はん」、8メートルの煙道をくぐって要救助者を救出・搬送する「ほふく救出」(3人一組)などで、釜石、大槌の2署から計18人が出場する。
 
要救助者を助け出すためロープを渡る署員

要救助者を助け出すためロープを渡る署員

 
 11日の効果測定は駒林博之消防長や幹部職員らが見守り、本番さながらの緊張感が漂う中で行われた。日々の職務をこなしながら厳しい訓練に臨んできた出場者らは、その努力を発揮しようと競技に集中。いずれの種目も速さのほか、▽安全の確認ができているか▽機材を確実に操作しているか―など実際の救助で役立てられるレベルまで習熟しているかが評価されることから、「タイムは?」「減点はないか」と現時点の力量、修正点を見つけ出していた。
 
はしごを勢いよく登る大会出場者を先輩署員らが見守る

はしごを勢いよく登る大会出場者を先輩署員らが見守る

 
ほふく救出は煙道をくぐって要救助者を助け出す

ほふく救出は煙道をくぐって要救助者を助け出す

 
 2人一組でロープを使って高さ15メートルまで登る「ロープ応用登はん」は、同本部から5年ぶりにエントリーした種目。出場を強く望んだ釜石署の長野凌太さん(28)はこの日、ロープを瞬時に右足に巻き付け、両手で手繰り寄せながら駆け上がるようにして登っていった。「訓練でやってきたことを、実際の現場で生かせればいい」と言いつつ、挑戦には別の理由も。以前、出場した際に結果を残せず、「リベンジ」に燃えていた。
 
器具を使わずロープを登る長野凌太さん。補助者と息を合わせるのが鍵

器具を使わずロープを登る長野凌太さん。補助者と息を合わせるのが鍵

 
 効果測定を終え、長野さんは「失敗。ゴール手前で失速した」と悔しがった。現状を確かめられたと前向きに捉え、「スピードを保てるよう体力を」と上を向く。応用登はんは、ロープをさばく足の柔軟性と引っ張る腕力が必要な上、地上でロープを引っ張る補助者とのコンビネーションも重要になるという。補助者の篠原優斗さん(26)=釜石署=は「タイミングを合わせるのがポイント。磨きをかけたい」と後押しに熱を込める。
 
 「引揚救助」(5人一組)に出場する大槌署の細田智之さん(29)もリベンジ、再挑戦という思いを持つ一人。昨年まで2年連続で県大会上位に入り、東北大会への切符を手にした。ただ、昨年は山形県などで発生した豪雨災害の影響で東北大会が中止となったため、「今年こそ」との気持ちが強い。この日は雨が降っていたため、「減点なし」を意識して競技に集中。安全確実性、タイムも「かなり良かった」と手応えを感じた。
 
引揚救助はチームワークがポイント。左上写真の右側が細田智之さん

引揚救助はチームワークがポイント。左上写真の右側が細田智之さん

 
 地下などでの災害を想定した引揚救助は、空気呼吸器を装着して下降しロープを用いて要救助者を引き上げる団体種目。細田さんは「いろんな人と関われるが、思いやりを持ってやらないと結果が出ない。団体行動の消防業務、救助活動と同じで、技術だけでなく気遣いが大事」と話す。メンバーには訓練を始めて2年目の職員もいて、「大会には慣れていないが、ポテンシャルはある」と仲間を信頼。「全員のメンタルをケアしながら本番に臨みたい。県大会は1位を目指す。そして、確実に東北大会へ」と意気込む。
 
 救助活動に必要な体力や精神力、技術力を鍛えることが目的の大会。駒林消防長は「訓練での努力は現場、あらゆる仕事でプラスになる。体調やメンタルをしっかり整え、ベストなパフォーマンスを」と激励した。
 
消防長の激励を受け、県大会に向け気を引き締める署員

消防長の激励を受け、県大会に向け気を引き締める署員

 
 同本部の出場者らが目指す東北地区支部指導会は7月29日に宮城県仙台市で、全国大会は8月30日に兵庫県三木市で開かれる。同指導会には水上の部(7月16日・新潟県新潟市)もあり、同本部から「溺者救助」(3人一組)に出場する。

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川面の群舞復活に期待! 小川川支流水路にホタルの幼虫の餌「カワニナ」放流 中小川地区住民ら一丸

旧小川小敷地内に整備された水路にホタルの餌「カワニナ」を放流する親子=15日

旧小川小敷地内に整備された水路にホタルの餌「カワニナ」を放流する親子=15日

 
 釜石市内有数のゲンジボタル生息地である小川川流域。東日本大震災後、周辺環境の変化などでその数は激減したが、地域住民らが再び光を取り戻そうと奮闘している。今年もホタルの幼虫の餌となる巻き貝「カワニナ」の放流が行われた。流域の中小川町内会(佐々木正雪会長)が行う4年目の取り組み。個体数増へ少しずつ成果が表れ始めていることに手応えを感じつつ、間もなく見られる成虫の発光に期待を寄せる。
 
 カワニナの放流はこれまで、小川川本流の通称「ワッカラ淵」と呼ばれる中流域で行われてきたが、大雨の影響などで土砂が堆積。増水でカワニナが流され、定着しにくい状況もあったため、今年から放流場所を変更した。新たな放流地は、閉校した旧小川小の敷地の一角を市から借りて、同町内会が2023年に整備した“ホタル水路”。田んぼに水を引いていた農業用水路から流れを分岐し、長さ約30メートル、幅約1.5メートルの繁殖場所を確保した。
 
4年目の放流会には地域住民を中心に約30人が参加した

4年目の放流会には地域住民を中心に約30人が参加した

 
ホタルが生息できるように2023年に整備された“ホタル水路”きれいな水が流れる

ホタルが生息できるように2023年に整備された“ホタル水路”きれいな水が流れる

 
 15日に行われた放流会には子どもから大人まで約30人が参加。始めに、釜石ホタル友の会の臼澤良一会長(76)がカワニナやホタルについて説明した。臼澤会長によると、日本に生息するカワニナは18種。水中の石の表面に付着しているコケや藻を食べ、3.5センチほどに成長する。水辺の草に産み付けられたホタルの卵は1カ月ほどでふ化し、幼虫は約10カ月間、水中で生活する。その過程で餌とするのがカワニナ。消化液を注入して肉を溶かして食べる。ふ化したばかりの幼虫は1.5ミリほどで、生まれたばかりの1ミリにも満たないカワニナの稚貝を食べて成長していくという。「カワニナはきれいな水の指標生物になっている。ゲンジボタルもきれいな水がないと生きていけない」と臼澤会長。
 
カワニナやホタルの生態について教える釜石ホタル友の会の臼澤良一会長

カワニナやホタルの生態について教える釜石ホタル友の会の臼澤良一会長

 
小川川上流で採集したカワニナに参加者も興味津々

小川川上流で採集したカワニナに参加者も興味津々

 
 この日は、前日に町内会員ら17人が小川川上流の繁殖地から採集したカワニナ約1200匹を放流。参加者は小さなバケツにカワニナを分けてもらい、水路の岸からまんべんなく放した。
 
 家族で訪れた同市の小学生、川﨑仁遥さん(10)は以前にも放流会に参加。同所で発光するホタルの成虫も見たことがあるといい、「とてもきれいだった」と、その光景を思い浮かべた。この日も臼澤会長の話に熱心に聞き入り、「放流したカワニナをホタルの幼虫が元気に食べて成長し、来年も卵を産んで、見られるホタルがもっと増えてほしい」と願った。
 
「たくさん食べて大きくな~れ」 水路の広範囲にカワニナを投入

「たくさん食べて大きくな~れ」 水路の広範囲にカワニナを投入

 
カワニナを手に「はい、ポーズ!」

カワニナを手に「はい、ポーズ!」

 
貴重な体験に笑顔を広げながら放流を楽しむ参加者

貴重な体験に笑顔を広げながら放流を楽しむ参加者

 
 同水路では整備後すぐにホタルが見られるようになり、昨年は、田んぼ周辺で見られていたヘイケボタルも出現。ゲンジとヘイケ、2種のホタルが一カ所で見られるという新たな魅力も加わった。昨年は町内会主催の観察会も開いたという。自宅でカワニナの養殖にも取り組んできた佐々木会長(75)は「子どもたちも関心を持ってくれてうれしい。今後もカワニナの放流を続けながら、昔のようにたくさんのホタルが飛び交う環境を取り戻したい」と話す。同町内会には昨年11月、長年にわたる小川川流域の水環境整備やホタルの生育環境保全への功労で県知事感謝状が贈られていて、この日の放流会で報告された。
 
「これからもホタルが見られるように」と願いを込める子どもら

「これからもホタルが見られるように」と願いを込める子どもら

 
昨年11月に贈られた県知事感謝状を披露する中小川町内会の佐々木正雪会長(左)

昨年11月に贈られた県知事感謝状を披露する中小川町内会の佐々木正雪会長(左)

 
 同水路周辺では昨年、6月20日ごろにはゲンジボタルが飛ぶ姿が見られ始めた。例年6月下旬から7月中旬が発光が見られる時期で、今年はさらに数が増えるかどうか注目される。

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「生き続ける震災遺構」 坂口奈央氏(岩手大准教授)が出版 釜石でトークイベント

トークイベントで著書に込めた思いを語る坂口奈央さん(左)

トークイベントで著書に込めた思いを語る坂口奈央さん(左)

 
 釜石市大町の桑畑書店で14日、「生き続ける震災遺構―三陸の人びとの生活史より」(ナカニシヤ出版)を著した岩手大学准教授の坂口奈央さん(50)のトークイベントが開かれた。元民放アナウンサー兼記者として東日本大震災を取材し、その後に災害社会学者に転身した坂口さん。研究者として調査を続け、そこに住まう人々の思いを見つめ考察した一冊を手に、「三陸の方たちへの感謝を込めた。今だから向き合えることもあると思うので、大切な人を思い浮かべながら懐かしんだり、いろいろな思いをはせてもらえたら」と願った。
 
 著書「生き続ける震災遺構」(3月11日発刊、税抜き3600円)は▽「いま、ここ」を動的に捉える▽「震災遺構」めぐる動き▽船―漁業に翻弄された生活と生産▽公的機関を遺す難しさ▽「おらほの遺構」―回復する自然地物▽震災遺構論の新たな地平を拓く-の6章構成。大槌町赤浜や、大船渡市越喜来、宮城県気仙沼市鹿折地区などを取り上げ、遺構を通して「その土地で生きる意味」を見いだそうとする人々の姿を浮き彫りにする。
 
本「生き続ける震災遺構」を出版した坂口さん

本「生き続ける震災遺構」を出版した坂口さん

 
 イベントは、坂口さんの取材活動などに協力する大槌町・安渡町内会長の佐々木慶一さん(63)との対談形式で行い、ライターとして活動する釜石在住の手塚さや香さん(46)が進行。書籍の表紙に掲載された写真などを提供した釜石在住の写真家小澤はなさん(72)=活動名・hana=も加わり、著書で多く取り上げる大槌町の住民とのエピソードなどを話題にした。
 
写真などを紹介しながらトークを繰り広げた

写真などを紹介しながらトークを繰り広げた

 
 震災の津波で被災した建物などの「遺構」をめぐり、被災地では保存か解体かで葛藤。大槌町でも、民宿の上に乗り上げた釜石の観光船「はまゆり」や、当時の町長を含む職員ら多数が犠牲になった旧役場庁舎をめぐって町が二分された。アナウンサー時代にさまざまな思いに触れたことをきっかけに坂口さんは「震災復興とは…。防災や減災には限りがある。災害にどう対処し、悩み苦しみながらも新たに生き直すのが復興ではないか」と自問自答。「災害復興学を確立したい」と一念発起し、研究者として道を進む。
 
 「たとえ隣り合った地域でも考え方は違う。歴史的な背景、なりわい、生活、地域を運営するリーダーによっても捉え方は変わる」と坂口さん。大槌町では防潮堤の高さをめぐっても住民たちの思いは揺れた。佐々木さんが暮らす安渡地区は水産業の拠点が集積し、防潮堤は高さ14.5メートルで整備。震災前は6.4メートルだったことから倍以上の高さとなった。一方で隣り合う赤浜地区は、震災前と同じという選択をした。著書でも記した地域性をあらためて佐々木さんとひもといた。
 
記憶をつなぎ合わせながら話す坂口さん(左)と佐々木慶一さん

記憶をつなぎ合わせながら話す坂口さん(左)と佐々木慶一さん

 
 坂口さんの視点について、「今までにない切り口で遺構を反映させている」と表した佐々木さん。見る人や角度、考える時間によっても変化しうるため結論を出すのが難しかった問題を「過去を含めその土地に生きる人、その生き方や経験、気持ちのあり方という目で見ているのが新鮮」だったという。
 
 「船がかわいそう」「恥の場」…そう住民が捉えた船や庁舎は残らなかったが、安渡地区には旧防潮堤が一部残った。「震災の出来事を伝える遺構なのかもしれない」と佐々木さん。「ダイレクトに教訓を与えるものだけでなく、震災を考えるきっかけ、忘れない1つのツールになりうるのが遺構だ」と、新たな「価値」を見いだしていた。
 
 坂口さんはそうした被災地の声を丁寧にじっくりと聞きながら、本という形にまとめた。「この14年、いろいろな思いを紡がせてもらった。100人以上の方に人生を語ってもらい、生活者の視点にこだわって書いた。あの時を振り返り、新たな人生や思いが生まれる今だからこそ、誰かの背中を押すことができる一冊になればいいな」と望んだ。
 
本にサインを書いたりして聴講者と交流した坂口さん

本にサインを書いたりして聴講者と交流した坂口さん

 
 耳を傾けた大渡町の竹中伸明さん(37)は「地域や暮らす人の背景を知ったうえで、色濃く伝えられている」と感想。自信も「伝える」活動を始めていて、「たくさんの人の話を聞いて、いろんなことに込められた思いを発信していきたい」と刺激を受けていた。
 
hanaさん(左・手前)の写真作品を囲む坂口さん(右)、手塚さや香さん

hanaさん(左・手前)の写真作品を囲む坂口さん(右)、手塚さや香さん

 
桑畑書店にはhanaさんが撮影した震災関連の写真が展示されている

桑畑書店にはhanaさんが撮影した震災関連の写真が展示されている

 
 イベントに関連し桑畑書店では、hanaさんの震災写真展を6月いっぱい開催中。被災直後の大槌、釜石のまちを写した記録が15点ほど並ぶ。

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広報かまいし2025年6月15日号(No.1858)

広報かまいし2025年6月15日号(No.1858)
 

広報かまいし2025年6月15日号(No.1858)

広報かまいし2025年6月15日号(No.1858)

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【P1】
表紙

【P2-3】
「明治日本の産業革命遺産」橋野鉄鉱山世界遺産登録10周年記念

【P4-5】
戸籍の氏名に記載する予定の振り仮名が通知されます!
海上自衛隊多用途支援艦「すおう」一般公開 他

【P6-7】
まちの話題

【P8-9】
保健案内板
世界遺産登録10周年記念コラム
移動図書館車「しおかぜ号」7 月巡回日程

【P10-11】
まちのお知らせ

【P12】
市民百景

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 オープンシティ・プロモーション室
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8463 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2025061100047/
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
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自然、電気、ごみ分別… 身近なことから環境を考えよう 6月「環境月間」に合わせ市がイベント

手回し発電で魚釣りを楽しむ親子=7日、釜石市自然・生活環境展

手回し発電で魚釣りを楽しむ親子=7日、釜石市自然・生活環境展

 
 6月の「環境月間」に合わせ、釜石市は7、8の両日、港町のイオンタウン釜石で自然・生活環境展を開いた。各種体験や情報提供を通して、日々の暮らしが地球環境に直結していることを広報。地球温暖化の影響による異常気象で、世界各地で風水害被害が頻発するなど環境問題への対応は待ったなしの状態。日常生活での意識、行動変容につなげるきっかけにと、親しみやすいコンテンツで来場者を迎えた。
 
 環境月間は、国連が定める6月5日の「世界環境デー」(日本では環境の日)に由来。この日は1972年にストックホルムで「国連人間環境会議」が開かれた日で、日本がセネガルと共同で、環境への意識啓発の日として提案したことによる。
 
 釜石市では毎年、市民に環境への理解を深めてもらう催しを実施。今年も楽しみながら学べる企画を用意した。釜石の動植物にスポットを当てた展示では、市の花「ハマユリ」、同木「タブノキ」、同鳥「オオミズナギドリ」を写真で紹介。釜石で見られる生き物の幼虫クイズもあった。県環境学習交流センター(盛岡市)は県産間伐材の積み木広場、さまざまな樹木の実を段ボールの台紙に貼り付けてオブジェを作る工作コーナーを開設。ドングリや松ぼっくりは樹木によって大きさや形が異なり、解説パネルで名称も紹介した。
 
釜石市の花、木、鳥を紹介する展示コーナーで豊かな自然をPR

釜石市の花、木、鳥を紹介する展示コーナーで豊かな自然をPR

 
県環境学習交流センターが開いた「森の工作館」

県環境学習交流センターが開いた「森の工作館」

 
さまざまな木の実を台紙に配置してオリジナル作品を作る。発想は無限大!

さまざまな木の実を台紙に配置してオリジナル作品を作る。発想は無限大!

 
完成した作品を手にする子どもたち。「お家のどこに飾ろうかな?」

完成した作品を手にする子どもたち。「お家のどこに飾ろうかな?」

 
 電気について学べるコーナーでは、手回し発電機で電気をつくる体験が行われた。来場者は白熱灯、蛍光灯、LED(発光ダイオード)を点灯させるのにどれだけの電力が必要かを実体験。発光する時に熱が出ないLEDは無駄なエネルギーを使わないため、消費電力が少なく長寿命であることなども学んだ。釣り糸の先端に取り付けた電磁石で魚のぬいぐるみを釣る体験も。竿の手元にはリールの代わりに手回し発電機が取り付けられていて、回す手を止めると電流が切れ、磁力が失われるしくみ。挑戦した子どもたちは、発電機のハンドルを懸命に回し、電気を生むことは簡単ではないことを実感した。
 
手回し発電機で白熱灯、蛍光灯、LEDを点灯させてみる。「一番、電気が必要なのは?」

手回し発電機で白熱灯、蛍光灯、LEDを点灯させてみる。「一番、電気が必要なのは?」

 
魚の頭の先に付いた金属に釣り糸の先端の電磁石を合わせてから手回し発電機を回す

魚の頭の先に付いた金属に釣り糸の先端の電磁石を合わせてから手回し発電機を回す

 
「釣れた、釣れた!」 電気をつくる大変さも感じた電磁石による魚釣り体験

「釣れた、釣れた!」 電気をつくる大変さも感じた電磁石による魚釣り体験

 
 同市で4月から始まったプラスチックごみの分別収集にちなんだクイズもあり、挑戦者には景品をプレゼント。会場では親子で各種体験を楽しむ姿が多く見られ、地球環境にやさしい生活へ意識を高めた様子だった。
 
 同市の今野莉心さん(6)は電磁石の魚釣りを体験。「楽しかった。(発電機のハンドルを)回すの、大変だった」と言いつつ、釣り上げたチンアナゴとサバににっこり。「ゲームセンターよりも熱中しているかも!?」と笑う父幸輝さん(30)は「電気のことを子どもでも分かるようにという配慮がうれしい」と歓迎。家庭では使わない部屋の照明を消す、テレビを見ていない時は確実に消す…など、家族で省エネを実践する。プラごみ分別も「ガイドブックを見ながらやれば難しいことはない」とし、「環境のためになるのであれば、子どもと一緒にどんどん取り組んでいきたい」と話した。
 
 市生活環境課環境保全係の佐々木歩主任は「環境というと複合的な問題が絡み、難しいとか興味がないという方もいるかもしれないが、多くは私たちの生活に密着したこと。まずは足元の部分を見直し、(省エネやごみ分別など)自分たちでできることから取り組んでほしい。こうしたイベントが環境について考えるきっかけにもなれば」と期待した。

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釜石市消防団消防演習 各種点検、放水訓練で機材操作再確認 防火、防災へ士気高める

震災後初の点検などで消防団活動への意欲を高める団員ら=8日、消防演習

震災後初の点検などで消防団活動への意欲を高める団員ら=8日、消防演習

 
 釜石市消防団(菊池録郎団長、団員513人)は8日、鈴子町の釜石消防庁舎駐車場など2会場で2025年度の消防演習を行った。東日本大震災以降、実施を見送っていた機械器具点検などの訓練が再開され、団員らは消防車両の基本操作や隊としての行動を再確認した。本年度は新たに男女10人が入団。先輩団員から各種技術や団精神を受け継ぎ、市民の生命、財産を守る活動にまい進していく。
 
 団員、消防署員、来賓ら474人、車両39台が参加。統監の小野共市長は、全国的に自然災害や火災が頻発している近年の情勢に触れ、地域防災体制強化の重要性を指摘。「消防団員は地域に根差した防災の要。より一層の火災予防啓発活動や日ごろの訓練に精励されるよう願う」と訓示した。
 
統監の小野共市長(写真右上)が訓示。日ごろの活動への感謝と激励の言葉を送った

統監の小野共市長(写真右上)が訓示。日ごろの活動への感謝と激励の言葉を送った

 
 災害現場や火災予防で任務遂行に尽力し、優秀な活動が他の模範となる団員や部をたたえる「釜石市長表彰」では、第3分団第1部の香川果代子班長ら団員15人を功績表彰。第1分団第1部など4つの部に「竿頭綬(かんとうじゅ)」を授与した。在職3年以上で職務精励、消防技能に優れた団員に贈られる「釜石市消防団長表彰」では、第6分団第3部の岡道雄斗団員ら7人を精勤表彰としてたたえた。
 
釜石市長表彰、釜石市消防団長表彰を受ける団員と部

釜石市長表彰、釜石市消防団長表彰を受ける団員と部

 
 本年度の新入団員10人を代表し、第3分団第1部の鈴木佑太郎さん(22)が菊池団長から辞令を受け、「良心に従って誠実に消防の義務を遂行する」と声高らかに宣誓。「地域のために役に立ちたい」と入団を決意した鈴木さんは「先輩たちの動きを見て一つ一つ丁寧に学び、消火活動などを行っていけたら」と気を引き締めた。
 
新入団員を代表し、宣誓する鈴木佑太郎さん(中央)

新入団員を代表し、宣誓する鈴木佑太郎さん(中央)

 
 統監、団長らによる観閲後、第1小隊(第7、8分団)が通常点検、第2小隊(第1~4分団)が機械器具点検に臨んだ。指揮者の号令のもと、隊列の移動、消防車両の点検など職務遂行に必要な行動を実践。消防本部の駒林博之消防長らが点検官として、隊の規律や動きを確認した。
 
 千鳥町の甲子川河川敷では放水訓練が行われた。各部のポンプ車が一列に並び、川の水を水利に一斉放水。団員らは訓練で身に付けた技能を発揮し、火災発生時の迅速な消火活動へ意識を高めた。会場周辺では一般市民も訓練の様子を見守り、地域を守る消防団へ理解を深めた
 
機械器具点検で基本行動を実践する団員ら

機械器具点検で基本行動を実践する団員ら

 
消防ポンプ車を使った放水訓練。各車両から水柱が上がる

消防ポンプ車を使った放水訓練。各車両から水柱が上がる

 
県の防災ヘリコプターによる救助救出訓練。消防団員らが見守る

県の防災ヘリコプターによる救助救出訓練。消防団員らが見守る

 
 この日は、県の防災ヘリコプターによる救助救出訓練も行われた。大雨や津波による浸水で建物屋上に要救助者がいるとの想定で、消防庁舎訓練棟上空から航空隊員がロープで降下し、要救助者をヘリに引き上げた。周辺では消防団員らが見守り、実際の災害現場をシミュレーションした。
 
 菊池団長(73)は「久しぶりの点検訓練に緊張する様子も見られたが、一生懸命取り組む姿勢を感じた」と評価。人口減、少子高齢化で団員数は右肩下がりだが、本年度は新たに10人が入団するという明るい話題も…。来年は遠野、釜石、大槌3地区の消防操法競技会が釜石市で開催される。「震災やコロナ禍でしばらく遠ざかっていた操法訓練にも精進し、若手への技能継承、組織の充実強化に団員一丸となって励んでいく」と菊池団長。
 
気を引き締めて演習に臨む菊池録郎団長(前列中央)以下、各分団員

気を引き締めて演習に臨む菊池録郎団長(前列中央)以下、各分団員

 
 釜石市では、4月に唐丹町で発生した建物火災で住人1人が亡くなった。今年1月からの火災発生はこの1件のみ。団では火災予防の警戒活動も行いながら、市民の安心安全のため、力を尽くしていきたいとしている。同市の昨年1年間の火災発生件数は7件だった。

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夏を満喫!釜宴会キャンペーン(第3弾)について

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市は、エネルギー・原油価格や物価高騰の影響を受ける市内飲食事業者等の持続的な経営を支援するため、2人以上で飲食店等を利用した場合の飲食代金を割引するキャンペーンを開催します。
皆様のご利用が地元の飲食店等の支援につながります!釜宴会で、友達や家族、会社の同僚などと一緒に釜石の冬の味覚を楽しみましょう!

割引条件(いずれかを適用)

①2人以上で対象店舗を利用し、人数×3,000円以上(税込)の利用金額の場合
1人当たり 1,000円 割引
②2人以上で対象店舗を利用し、人数×1,500円以上(税込)の利用金額の場合
※7~14時の間に入店し飲食店を利用した場合に限る
1人当たり 500円 割引

割引期間

令和7年6月20日(金)~8月8日(金)
※予算額に達し次第、終了します。

対象店舗

市内飲食・宿泊事業者のうち、当キャンペーンに参加している店舗
※詳しくは釜石商工会議所のホームページでご確認下さい。

利用手順

①飲食店等を予約(キャンペーンを利用することを伝えて下さい。)
②会食実施の14日前から5日前の15時までに利用予定のお店の名称、利用日、利用人数、1人当たりの予算額などを、申込フォームまたは釜石商工会議所へ申請書にて申請してください。
③利用当日、飲食店に申請完了メールまたは飲食店利用確認書を提示
 
※年齢、居住地等問わず、対象店舗をご利用する全ての方が本キャンペーンの割引対象となります。
※未就学児は、対象人数に含めずに割引額を計算することができます。
 割引額の計算に未就学児を含める場合は、利用申請時に申請フォームまたは申請書の確認欄へ「✔」の記入をお願いします。
例)夫婦2人、小学生1人、未就学児1人の計4人で夕食時に飲食店を利用する場合
・未就学児を含む4人で利用申請⇒割引上限額4,000円(1,000円×4人) ※合計12,000円以上のご利用が条件
・未就学児を含めない3人で利用申請⇒割引上限額3,000円(1,000円×3人) ※合計9,000円以上のご利用が条件

注意事項

・上記の利用申請がない場合、割引の適用ができません。
・利用申請の前に、必ず飲食店への予約を済ませてください。
・利用店舗、日時、人数等に変更があった場合は、釜石商工会議所へご連絡ください。
・実際の利用人数が増えた場合、申請時の人数を越える割引適用はできません。
・実際の利用人数が減った場合、割引額は実際の利用人数に応じて減額されます(2人未満となった場合は割引対象外となります)。

事務局(お問い合わせ先)

釜石商工会議所 TEL:0193-22-2434

この記事に関するお問い合わせ
産業振興部 商工観光課 商工業支援係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-22-2111 / Fax 0193-22-2762 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2025052800031/
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
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スマホ・ゲーム利用の約束、親子で考えよう 釜石・白山小で情報モラル教室

インターネット利用について学ぶ白山小の児童と保護者

インターネット利用について学ぶ白山小の児童と保護者

 
 釜石市嬉石町の白山小(鈴木慎校長、児童33人)で7日、インターネットを正しく安全に使うための情報モラル教室が開かれた。スマートフォンやオンラインゲームなどインターネットを介した情報のやりとりが増える中、利用の仕方を親子で考える機会にしてもらおうと、授業参観日に合わせて実施。全校児童と保護者ら約60人が参加した。
 
 教室は、釜石市とソフトバンク(東京)が2020年に締結した地方創生に関する連携協定の一環で、釜石公民館事業として行われた。これまで、市内の3つの小学校で実施してきたが、白山小では初開催。他校では高学年児童が対象だが、同校ではスマホ所有の有無や学年、年齢にかかわらず「みんな何かしら触れている」うえ、国が推進する「GIGAスクール構想」で、児童1人に学習用のタブレット端末が1台ずつ配られていることもあり、使い始めの1年生にも学んでもらおうと全校児童を対象にした。
 
 講師は、同社の北海道・東北地域CSR部の鈴木利昭参与(64)。「小学生では高学年になると半数がスマホを持っている。最近は6~7割と増加傾向」と全国的な動向を紹介したうえで、参加者にスマホやゲーム機の所有、利用の時間帯を聞いた。白山小ではスマホ所有は半数ほどだが、ゲーム機はほぼ全員が持っていると意思表示。深夜2時くらいまで使っている子もいた。
 
SNSのリスクなどを解説した鈴木利昭参事(右上の写真)

SNSのリスクなどを解説した鈴木利昭参事(右上の写真)

 
クイズや質問に意思表示しながらネット利用を学ぶ児童ら

クイズや質問に意思表示しながらネット利用を学ぶ児童ら

 
 ネットの世界で起こることすべてが自分のせきにん―。「交通ルールがあるようにネットにもルールがあり、守るから安全。ただ、ネットの言葉は難しいものが多いから、無理せず分かること、できることから始めて」と鈴木参与。「簡単で便利、そして無料。使う人が多いから、トラブルも多い」と話した上で、交流サイト(SNS)を取り上げて使い方や注意点を解説した。
 
 事例に挙げたのは「LINE(ライン)」でのやりとり。会話でよくないところを考えてもらい、▽急がず、きちんと伝える(文字だけで伝えようとすると誤解が生じることも。絵文字を使ったり工夫する)▽守ろう、時間!(長時間は迷惑になることも。相手がいることを忘れない)▽やめよう!人を傷つける発信(ネットに書き込んだ言葉は良いことも悪いことも一生消えないと思って。発信する前に読み返す。見る、受け取る相手の気持ちを考える)―との守ってほしいルールを伝えた。
 
児童も保護者も講師の話にしっかりと耳を傾ける

児童も保護者も講師の話にしっかりと耳を傾ける

 
 また、ネットにひそむ危険性も説明。手軽に世界とつながり便利な反面、顔が見えないことで怖い面もあるとし、他人が見ることを考えて写真の位置情報や、個人を特定できるような写真は投稿しないよう強調した。災害発生など非常時にデマが流れたり、うそや思い込みの話題も多いとし、見極めの大切さや大人への相談の必要性を指摘。より正しく楽しく使うため、「1日に○時間だけにするなど家族でルールを決めてほしい」と呼び掛けた。
 
 終わりに、親子で「スマホデビュー検定」に挑戦。オンラインゲーム中にしてはいけない行動や、「スマホ依存(スマホの使用がやめられなくなってしまう状態)」にならないよう気を付けることなど、使い方を振り返ったり、話し合いながら知識を深めた。
 
「スマホデビュー検定」に挑戦する親子

「スマホデビュー検定」に挑戦する親子

 
正しい?間違っている?問いに向ける視線は真剣

正しい?間違っている?問いに向ける視線は真剣

 
 小山琉世さん(6年)は「知らない人とつながってしまうのが怖いから、オンラインゲームはやっていない。スマホを持つようになったら気を付けて使いたい」と話し、妹の結凪さん(4年)もうなずいた。父親の純平さん(36)は「うちは厳しい方」と言うが、「中学生になったらスマホを」と思案中。「子どもたちを信頼しているけど」と母親の美紀子さん(36)と顔を合わせ、「親が口うるさく言うことを分かってもらえただろう」と、教室の開催を歓迎した。「ネットは自己責任」とは言え、子どものことはやはり親に責任があるとの考えで、「親も一緒に学んで理解して使えば、子どもも正しく安全に使ってくれるだろう」と話した。
 
 鈴木校長は「危険にあってから知るのでは遅い。今の利用の仕方を見直す機会に。ルールづくりに親子で取り組んでほしい」と求めた。
 
楽しそうに話し合いながら情報モラルについて学んだ

楽しそうに話し合いながら情報モラルについて学んだ

 
「水、くださーい」。力を合わせたプール掃除も楽しそう

「水、くださーい」。力を合わせたプール掃除も楽しそう

 
 親子で学習した後は、プール清掃でも協力。大変なことも「一緒に楽しく」取り組んで、子どもたちの成長を見守り、支えていく。

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土砂災害を知る!釜石・甲子中、工事現場見学 「地域の守り手に」岩手県沿岸振興局、期待込め

工事現場で活用されるドローンの操作を体験する生徒ら

工事現場で活用されるドローンの操作を体験する生徒ら

 
 釜石市甲子町の甲子中(山蔭深思校長、生徒112人)の2年生39人は6日、地元で進められている砂防工事現場を見学し、防災対策や建設業へ理解を深めた。土砂災害に関する出前授業もあり、座学と模型実験を行って有事に身を守る意識を高めた。
 
 建設業の担い手確保などを狙いに、岩手県沿岸広域振興局(土木部)が主催。沿岸振興局が手掛ける「大松砂防堰堤(えんてい)改築工事」(同町大松地内)の現場見学では、土木部の職員や工事を担う山長建設(大只越町)、建設機械レンタル会社イブキ産業(本社・宮古市)の社員らが講師を務め、「土石流などの災害から地域住民の命や財産を守るため」に進める工事の概要を説明した。
 
砂防工事の現場見学で建設業に理解を深めた甲子中2年生

砂防工事の現場見学で建設業に理解を深めた甲子中2年生

 
 もともとあった砂防堰堤は1961(昭和36)年に築造された石積みのもので、60年以上経ち老朽化していた。水漏れや土砂の堆積などにより崩壊し災害につながる恐れがあることから、2023年3月から補強する工事に着手。鋼製の型枠を設置し元の堰堤との間にコンクリートを流し込んで固める作業は数日前に終え、堤長約93メートル、堤高11.5メートルの堰堤本体が完成した。工期は今年8月末までで、今後は原状復旧などを進める。
 
もともとあった砂防堰堤を補強する形で改築工事を進めた

もともとあった砂防堰堤を補強する形で改築工事を進めた

 
砂防堰堤の上流部に堆積する土砂(手前)。大小さまざま

砂防堰堤の上流部に堆積する土砂(手前)。大小さまざま

 
 生徒は、工事の計画づくりや進捗(しんちょく)確認などに使うドローンや土砂を掘削するのに使うバックホーの操作に挑戦。安全教育として仮想現実(VR)で落下物の事故に遭う体験、高所作業車にも試乗した。講師らは「建設現場では未来の形という最新技術をうまく利用している」とアピール。その形を生徒たちがつないで「建設業の未来をつくってほしい」と思いを伝えていた。
 
現場の地形を把握するのに活躍するドローンの操作体験

現場の地形を把握するのに活躍するドローンの操作体験

 
高所作業車に乗って工事現場を見渡す生徒ら

高所作業車に乗って工事現場を見渡す生徒ら

 
VRでの事故体験は建設業の安全教育に活用する

VRでの事故体験は建設業の安全教育に活用する

 
 座学は学校で行い、土木部の職員が土砂災害の発生状況や土石流、地滑り、崖崩れの特徴を写真や映像で解説した。模型実験で生徒たちは、堰堤などの砂防施設が上流から流れる土砂を受け止め、勢いを弱める様子を見て、その役割を認識。安心感を得た生徒らに、講師は「必ず砂防堰堤があるわけではなく、あったとしても災害は想定を上回ることもある。大丈夫と思わず、逃げることを考えてほしい」と強調した。
 
模型を使った実験で、砂防施設の役割を学ぶ生徒

模型を使った実験で、砂防施設の役割を学ぶ生徒

 
土砂災害についても学び、身を守る意識を高めた

土砂災害についても学び、身を守る意識を高めた

 
 建設業についての説明も。座学の講師を務めた沿岸振興局河川港湾課技師の三浦賢太郎さん(26)は大槌町の出身で、小学6年生の時に経験した東日本大震災とそこからの復旧、復興の歩みを見つめ建設業や土木関係の仕事に興味を持った。「地元のために役立てる仕事をと選んだ道。自分たちが計画した事業が形になった時の喜びは大きい。中学生に建設業に触れてもらってうれしいし、きっかけは何でもいいので興味を持ってほしい」と望んだ。
 
 建設現場で働く姿を想像しながら、さまざまな体験活動に取り組んだと話すのは、小林悠人さん。「重機の操作は難しいけど、楽しかった。いろいろ覚えられるのもすごい。(建設業は)楽しさだけじゃない、どこかで事故が起きるかもしれない厳しさもあると感じた。知らなかった職業を知る機会になったのは良かった」と視野を広げた。
 
重機の操作は真剣に、高所作業車の試乗は楽しく

重機の操作は真剣に、高所作業車の試乗は楽しく

 
工事関係者と触れ合い笑顔を見せる生徒たち

工事関係者と触れ合い笑顔を見せる生徒たち

 
 佐々木ひよりさんは「災害があったとしても生きていられるのは、こうした構造物をつくる活動のおかげで、感謝しながら生活したい。地域のことを考えて仕事をしていることが分かった。災害への備えも大事だと改めて感じた。防災マップを確認したり、家族が別々の場所にいた時の避難とか対策を考えてみる」とうなずいた。
 
 中高生ら若い世代に建設業界の魅力を伝えようと実施する出前授業や現場見学会は本年度、計6回予定する。沿岸振興局調整課の本間健一郎課長(技術特命参事)は「楽しみながら体験することで、一人でも多く興味を持ってもらい、将来の選択肢に考えてほしい。地域、地元の守り手になってもらえたら」と期待する。

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漬梅×しょうゆ×鶏肉 釜石産食材で新商品誕生 未利用資源活用へ4社がタッグ

「梅ぇ鶏(うめぇどり)プロジェクト」新商品発表会=6日、TETTO

「梅ぇ鶏(うめぇどり)プロジェクト」新商品発表会=6日、TETTO

 
 釜石市の酒造会社、浜千鳥(新里進社長)の梅酒製造で出る「漬梅(つけうめ)」を活用した新商品が誕生した。漬梅ペーストとしょうゆで味付けした鶏肉の冷凍加工品で、その名も「むね肉の漬梅焼き」。同市で操業する食品加工の麻生三陸釜石工場(本社・神奈川県平塚市)、鶏肉生産加工販売のオヤマ(本社・一関市)、みそ、しょうゆ製造販売の藤勇醸造(釜石市)が協力して開発した。生産者と事業者の連携、SDGs(持続可能な開発目標)を意識した取り組みで、地域農畜産業の活性化、地元食材の発信につなげていく。
 
 「梅の日」の6日、同市大町の市民ホールTETTOで新商品の発表会が開かれ、市内飲食店、宿泊業者を含む関係者約50人が出席した。商品開発に関わった4社の代表と梅生産者がこれまでの経緯を説明。解凍して加熱した商品が振る舞われた。試食した人たちからは、肉のやわらかさに感激する声が。鼻から抜ける梅のさわやかな香りも好評だった。
 
新商品開発について話すプロジェクトメンバーら

新商品開発について話すプロジェクトメンバーら

 
新商品「むね肉の漬梅焼き」を試食する発表会の出席者ら

新商品「むね肉の漬梅焼き」を試食する発表会の出席者ら

 
 平治旅館(中妻町)の平松正浩代表(65)は「むね肉のパサつき感がなく食べやすい。梅の香りもあり、しょうゆとの風味のバランスもいい」と話し、「焼き鳥みたいに串に刺したり、提供の仕方も工夫すれば(旅館の食事にも)使えそう。客に『これが食べたい』と思わせるようなストーリー的アピールがあればなお良い」と発信力に期待した。
 
 原材料には、オヤマが釜石市の養鶏農場などで生産するブランド鶏「奥州いわいどり」が使われる。漬梅の種を取りペースト状にしたのは、数年前から研究を重ね、加工技術を確立してきた麻生。味付けには漬梅ペーストとともに、釜石市民なじみの味、藤勇のかけしょうゆが使われた。オヤマ独自の技術で“しっとりやわらか”な口当たりを実現。一口サイズの適度な薄さのカットで、火が通りやすく家庭でも消費しやすいよう配慮した。
 
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写真左:浜千鳥が販売する梅酒 同中:(上から)梅酒製造に使う地元産青梅、製造後の漬梅、麻生が加工した「漬梅ペースト」 同右:藤勇醸造の「かけしょうゆ」

 
解凍後、加熱した「むね肉の漬梅焼き」

解凍後、加熱した「むね肉の漬梅焼き」

 
 商品化に向け一番の課題だったのは梅のえぐみの解消。オヤマの開発チームが試行錯誤の末、ベストな味バランスにたどり着いた。同社の小山達也常務取締役は「鶏のイノシン酸、しょうゆのグルタミン酸、梅のクエン酸と3つの掛け合わせが、うまみの相乗効果を生み、まさに『最高傑作』ができた」と太鼓判。クエン酸には疲労回復、抗酸化作用による美肌効果があるとされ、高タンパク、低脂質の鶏むね肉とともに健康食材としてもアピール。「自由にアレンジしてもらい、飲食店や子ども食堂、学校給食など幅広く活用してもらえれば」と望んだ。
 
新商品を熱くPRするオヤマの小山達也常務取締役(左)

新商品を熱くPRするオヤマの小山達也常務取締役(左)

 
 浜千鳥は地元産青梅を使った梅酒製造のため、2010年に生産者からの一括集荷を開始。当初は1トン程度の集荷で、梅酒販売も夏限定だったが、14年に生産者らによる釜石地方梅栽培研究会(前川訓章会長)を立ち上げたことで栽培技術が向上。年に約2~3トン集まるようになり、通年販売も可能となった。生産拡大に伴い、会では梅酒製造後に廃棄されていた漬梅の活用策も模索してきた。これまでに県外業者への販売、地元ジェラート店での活用、ジャムやサイダーの商品化が実現しているが、継続的な廃棄量ゼロには至っていなかった。
 
釜石地方梅栽培研究会の青梅集荷会=昨年6月、栗林町

釜石地方梅栽培研究会の青梅集荷会=昨年6月、栗林町

 
 会の事務局を務める浜千鳥の奥村康太郎醸造部長は、「なかなか利活用が進まなかった」漬梅の新商品開発について、「オヤマさんの技術の結集で、すごくおいしい商品に仕上がった。梅の香りが後からフワッとくる」と絶賛。オヤマの養鶏農場は栗林町にあり、同町には梅生産者も多いことから、「業種の違うものが同じ地区でコラボできたのは喜ばしい。釜石の農畜産物の新たな連携の形として、今後にも期待したい」と話した。
 
 釜石市は地形的に広い農地の確保が難しく、耕地面積は市の総面積の1.7%。23年産の農業産出額は1億5千万円で、県内最下位となっている。畜産業を含む課題解決に乗り出す市は、収益性の高い農畜産物の生産、地産地消の推進を掲げ、他産地との差別化、市内での購入機会増、事業者による利活用促進を図る。今回の新商品開発もそうした取り組みの一環。市の声掛けにオヤマなどが賛同し、昨年12月にプロジェクトが発足。約半年という短期間で商品販売にこぎ着けた。
 
新商品の試食に先立ち、釜石市の農畜産業の現状と課題解決への取り組みが説明された

新商品の試食に先立ち、釜石市の農畜産業の現状と課題解決への取り組みが説明された

 
 「むね肉の漬梅焼き」は内容量300グラムで、希望小売価格600円。店頭販売は道の駅釜石仙人峠、かまいし特産店(シープラザ釜石内)で実施。通信販売はオヤマのネットショップ「奥州いわいネット」で購入可能。今後、同市のふるさと納税の返礼品としても活用される予定。

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「集落孤立、停電も」災害時を想定し訓練 釜石港で海保と電力会社、資機材の海上輸送

巡視船の搭載艇に乗って災害時の動きを確認する参加者

巡視船の搭載艇に乗って災害時の動きを確認する参加者

 
 釜石海上保安部(尾野村研吾部長)と送配電事業を担う東北電力ネットワーク釜石電力センター(似内勝之所長)は3日、災害復旧に携わる人員と必要な資機材を海上輸送する共同訓練を行った。地震で陸路が寸断されたうえ、孤立した集落で停電が起きたと想定。釜石港に係留する海保の巡視船「きたかみ」(650トン)の搭載艇を使い、荷物を積み込んだり、降ろしたりして対応を確認した。
 
 釜石海保が所属する第2管区海上保安本部(宮城県塩釜市)と、東北電力、東北電力ネットワークは2022年3月に「災害時における相互協力に関する協定」を結んでいる。訓練は協定に基づいたもので、有事の際の対応力向上や連携強化が目的。釜石での実施は昨年に続き2回目だが、実際に搭載艇を走らせての訓練は初めて。
 
釜石海上保安部と釜石電力センターによる共同訓練の参加者

釜石海上保安部と釜石電力センターによる共同訓練の参加者

 
 訓練には約40人が参加。「近年は自然災害の激甚化、頻発化が目に見えるような形で進んでおり、有事への備えがますます重要になってきた。実際の対応に即した手順、要領で連携方法を確認し、問題点あれば修正、改善を図りながら、協定の実効性を高めてほしい」などと、尾野村部長、似内所長が激励した。
 
 岩手県沿岸を震源とする地震が発生し、釜石市内では震度6弱の揺れを観測。津波の恐れはないものの、唐丹町花露辺地区と平田尾崎白浜地区を結ぶ県道249号が土砂崩れや道路の陥没などで不通となり、孤立した尾崎白浜地区で停電が起きたとの想定。電力センターでは復旧作業に向かうも、陸上からは困難な状況で、協定に基づき海路による搬送の協力を要請し、釜石海保が引き受け、作業員と資機材を巡視船で被災地まで運ぶという流れで訓練をした。
 
復旧作業に必要な資機材を巡視船に積み込む参加者

復旧作業に必要な資機材を巡視船に積み込む参加者

 
安全帯などが入ったリュックの重さは1つ約20キロ

安全帯などが入ったリュックの重さは1つ約20キロ

 
 電力センター配電課の4人は、巡視船の乗組員らと連携し、復旧作業に必要な電線や工具、高所作業時の安全帯など計約120キロの資機材を船に積み込んだ。その後、搭載艇(定員10人)に資機材を移し替え、乗り込んだ搭載艇で釜石湾内を走行して波による揺れなどを確認。岸壁に着くと荷物を積み降ろし、海から活動の現場に向かう手順を確かめた。
 
巡視船の搭載艇に資機材を移し替える参加者

巡視船の搭載艇に資機材を移し替える参加者

 
電力センターの作業員を乗せた搭載艇を降下

電力センターの作業員を乗せた搭載艇を降下

 
岸壁に着いて資機材を積み降ろす作業員ら

岸壁に着いて資機材を積み降ろす作業員ら

 
 搭載艇での移動を体験した電力センター配電主査の加賀谷聡さん(51)は「波は穏やかだったが、走行中に水しぶきが上がることがあった。波をかぶらないよう資機材を箱に入れたのは良かった」としながら、1箱20キロの資機材について「予想外に岸壁が高く、積み降ろすのが大変だった。小分けにしたり軽くして持ち上げやすくする必要がある」と改善点を見つけた。万一の時に海路を使って早く現場に行ける体制、情報を知る面でも有意義な訓練だったといい、「(災害は)なければ一番いいが、経験を社内で共有して動けるようにしたい」と見据えた。
 
手渡し、網の使用…重さのある資機材の陸揚げは工夫が必要

手渡し、網の使用…重さのある資機材の陸揚げは工夫が必要

 
訓練を終えて手応えや問題点を伝え合う参加者

訓練を終えて手応えや問題点を伝え合う参加者

 
 搭載艇を操舵(そうだ)した釜石海保航海士補の千葉彩湖(さこ)さん(21)は「普段より船の揺れが少なくなるよう気を付けた。こうした想定の訓練は初めてだったが、全体の流れが想像できたので、精度を上げ、実働時には安全に人員、資機材を届けられるようにしたい」と気を引き締めた。
 
 訓練の責任者として見守った釜石海保警備救難課の池田隆課長(51)は「搭載艇からの荷物の陸揚げ、受け入れる漁港などへの連絡方法など検討が必要だと感じたが、全体的には協力し合いながらスムーズにいった訓練」と評価。災害発生時にはいち早く救援、救助に向かうことから、こうした訓練を継続したい考えで、「場所や想定を変えながらレベルアップしていきたい」と話した。