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一針に心込め、小さなピースつなぐ 釜石の愛好グループ パッチワークキルト展

ずらりと並んだパッチワークキルトの力作に見入る来場者

ずらりと並んだパッチワークキルトの力作に見入る来場者

 
 釜石市でパッチワークキルトを楽しんでいる「キルトハウスドリームパッチワークキルト教室」(植田貴美子代表)の作品展示会が21~23日、大町の市民ホールTETTOで開かれた。一針一針にさまざまな思いを込めて丁寧に作り上げたタペストリーや、バッグといった日用使いができる小物など約100点を展示。カラフルでバラエティー豊かな力作で来場者の目を楽しませた。
 
 同教室は、市働く婦人の家(小川町)の自主グループとして活動し、10年ほどになる。現在の会員は60代から80代までの14人。月2回(第1、3土曜日)、市内で教室を主宰する関政子さん=公益財団法人日本手芸普及協会パッチワークキルト講師・指導員=の指導を受けながら、作品づくりに取り組んでいる。
 
 作品展示は年に1回、同家の発表会で行ってきたが、新型コロナウイルス禍の影響でここ数年は開催できない状態が続く。「みんな頑張っている。すてきな作品が目に触れないのは寂しい」と感じていた関さんが、展示会を提案。5年ぶりとなる発表の機会に会員たちのやる気も高まり、活動拠点を飛び出し、より多くの人に手仕事の様子を知ってもらうことにした。
 
展示会を開いたキルトハウスドリームパッチワークキルト教室のメンバーら

展示会を開いたキルトハウスドリームパッチワークキルト教室のメンバーら

 
 会員の作品を中心に約2メートル四方のベッドカバーや大小さまざまなタペストリーを展示。バッグ、ポーチ、立つペンケースなどの小物作品も並び、手作りのぬくもりを感じさせた。関さんは、自宅の庭をモチーフにしたタペストリー「MY flower garden」(キルト時間フェスティバル2020入賞作品)など大作3点を含めた十数点を紹介。来場者は迫力と細やかな技、大胆な色彩に足を止めてじっくりと見入っていた。
 
デザインや色合いが華やかな作品が並んだキルト展

デザインや色合いが華やかな作品が並んだキルト展

 
小さな作品も丁寧な手仕事の様子を感じながら鑑賞

小さな作品も丁寧な手仕事の様子を感じながら鑑賞

 
 「かわいい孫ちゃんへ楽しい夢、そして、幸せな未来へ」。そんな作品説明文が添えられていたのは、日よけ帽をかぶり、ワンピースにエプロンという姿をしたキャラクターをモチーフにしたかわいらしいベッドカバー。3人きょうだいの末っ子の女児を思いながら、坂元恵子さん(75)が一針一針縫い進めた作品だ。「東日本大震災で家族や親族を亡くしたが、乗り越えて今がある。これからは楽しく暮らし、平凡に、何事もなく育ってほしい」。離れて暮らす、その子に手渡せる日を待っている。
 
坂元恵子さんの出品作。一針に込めた思いを伝えた

坂元恵子さんの出品作。一針に込めた思いを伝えた

 
 キルトは、表布にキルト綿を挟み、裏布を重ねた状態で縫う手法。そして、パッチワークとは、さまざまな布切れを縫い合わせて一枚の布に仕上げる手芸のこと。カットした布(ピース)をつないで四角形にまとめた「ピースワーク」、さまざまな形にカットした布を土台となる布にのせて縫い付ける「アップリケ」という2つのスタイルがあり、同教室ではそれを応用する。同じ布を使っても組み合わせによって仕上がりは千差万別。展示会でもデザインが同じものがあったが、色合いが違っていて作り手の個性がにじみ出た“一点もの”になっていた。
 
デザインは同じでも色合いの違いで作品に個性が出る

デザインは同じでも色合いの違いで作品に個性が出る

 
植物とキルト。一風変わった組み合わせが新鮮

植物とキルト。一風変わった組み合わせが新鮮

 
 植田代表(72)は「小さいものがつながって大きな作品になっていくのが楽しみ」と笑顔を見せる。一辺1.5センチの六角形を丹念に縫い合わせた大作「フラワー」(縦約1.9メートル、横約1.5メートル)などを出品。「魅力に取りつかれた仲間」との交流も継続の力になっているという。「失敗はあっても、出来栄えはみんな素晴らしい」と、久々の発表の機会に満足げ。「別のデザイン、大きな作品を作りたい」と刺激ももらった。
 
植田貴美子代表が出品した「フラワー」(手前)

植田貴美子代表が出品した「フラワー」(手前)

 
六角形はいくつある?…植田代表「分からない」

六角形はいくつある?…植田代表「分からない」

 
 関さんは「好きなものを好きなように好きなだけ作ってもらう」よう指導する。そうしてつくり上げた作品をたくさんの人に「すてきだなと思ってもらえたらうれしい」と見守る。見てもらうことは「自分のためになる」と強調。気づきを得たり、意欲を高める会員らをこれからも後押しし続ける考えだ。

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浜千鳥 創業100年記念し新地酒「源水・純米大吟醸」発売 米、水の産地大槌でお披露目パーティー

源水のすべてを楽しむパーティーで新地域おこし酒「源水・純米大吟醸」の誕生を祝う関係者ら=三陸花ホテルはまぎく

源水のすべてを楽しむパーティーで新地域おこし酒「源水・純米大吟醸」の誕生を祝う関係者ら=三陸花ホテルはまぎく

 
 釜石市小川町の酒造会社、浜千鳥(新里進社長)は創業100周年を記念した新商品「源水・純米大吟醸(720ミリリットル)」を21日から発売している。同社の酒造りを支える大槌町産酒米“吟ぎんが”と、良質で豊富な湧水で知られる同町源水地区の地下水で仕込んだ「地域おこし酒」の第2弾。発売日、町内のホテルで記念パーティーが開かれ、地域が誇る資源と同社の醸造技術で生まれたこだわりの地酒がお披露目された。
 
 関係者や一般客55人が参加。新里社長は22年前に始まった大槌町での酒米生産、地元発案で3年前から取り組む地域おこし酒「源水」のプロジェクトについて説明。「創業100周年にあたり、地酒メーカーとして『ひとつの柱になるものを』と考え、より品質の高い源水“純米大吟醸”の醸造に至った。皆さんの協力でできた自信作」と新商品を紹介した。
 
 「地域おこし酒 源水の魅力」と題し、関係者4人がトークセッション。古くから町内各地で見られた湧水を「地域おこしの一助に」と考え、酒の仕込み水としての活用を提案した地域商社ソーシャル・ネイチャー・ワークスの藤原朋代表取締役(39)は「住民の生活と密接だった湧水だが、震災で自噴する場所が減ってしまった。今回のプロジェクトで、大槌町の財産である湧水がいかに特別で尊いものかを知ってもらえれば」と期待。浜千鳥の奥村康太郎杜氏(43)は「源水の水はミネラルバランスなどが酵母の活動に適していて、発酵がよく進む。業界でも有名な酒所の水に近い。香りが非常に華やかに出る」と水質の良さを実感。上流の田んぼで生産される酒米との“水つながり”の相性も好要素に挙げた。
 
これまでの取り組みも紹介しながら源水の魅力について語ったトークセッション

これまでの取り組みも紹介しながら源水の魅力について語ったトークセッション

 
良質で豊富な湧水で知られる大槌町の源水川。希少種「淡水型イトヨ」の生息地

良質で豊富な湧水で知られる大槌町の源水川。希少種「淡水型イトヨ」の生息地

 
 新たな地酒の誕生を祝い乾杯。テーブルには2年前に発売した「源水・純米吟醸」、大槌産米の先駆け酒「ゆめほなみ本醸造」なども並び、参加者が飲み比べをしながら味わいを確かめた。
 
 宮古市の渡辺千津子さん(80)は“大吟醸”の味わいに「これはヒットしそう。さすが浜千鳥さん。いいのを出しましたね」と絶賛。地域資源に着目した取り組みにも触れ、「苦労もあったと思うが、若い人たちが地域のために積極的に頑張っているのは素晴らしい」と感心した。採水地の地元、源水自治会の佐藤孝夫副会長(51)は「昔から町民にはなじみの場所だったが、そこの水で酒が造られるとは思いも寄らなかった。これを機に全国に『源水』の名が広まっていけば」と願った。
 
 「源水・純米大吟醸」の“船出”を祝うパフォーマンス。商品を小舟に載せて会場を一周

「源水・純米大吟醸」の“船出”を祝うパフォーマンス。商品を小舟に載せて会場を一周

 
参加者全員で乾杯!

参加者全員で乾杯!

 
 プロジェクトでは、商品の売り上げの一部が源水地区の水辺環境保全、子どもたちの自然体験学習などに役立てられる。同パーティーで新里社長は、源水・純米吟醸の2022年11月の発売開始から本年3月までの売り上げの一部(1.8リットル=1本につき40円、720ミリリットル=同20円)計12万7780円を、NPO法人おおつちのあそびの大場理幹事務局長(理事)に手渡した。同町の東京大大気海洋研究所の施設で学ぶ院生でもある大場事務局長(27)は、源水川に生息する絶滅危惧種「淡水型イトヨ」の研究にも関わっていて、「市街地近くにこれだけの湧水地があるのは珍しい。生物進化の研究対象にもなっていて、世界に誇れる場所。地元の人にもっと知ってもらえるような活動をしたい」と意気込む。
 
浜千鳥の新里進社長(左)がNPO法人おおつちのあそびの大場理幹事務局長に寄付金を贈呈

浜千鳥の新里進社長(左)がNPO法人おおつちのあそびの大場理幹事務局長に寄付金を贈呈

 
 地酒「源水」は純米吟醸、純米大吟醸ともに、源水地区の地下40メートルの深井戸からくみ上げた水、大槌酒米研究会(佐々木重吾会長)栽培の吟ぎんがを原料に、本県オリジナルの酵母、こうじ菌で仕込む。大吟醸は精米歩合50%まで高めたことで、より洗練された味に仕上がり、バナナのような果実の香り、優しい甘みが感じられるという。奥村杜氏は「発酵が順調に進むことで適度な日数で酒をしぼることができ、雑味も抑えられる。大吟醸はボトルデザインもクール。今までにない当社のラインアップになるのではないか」と話す。
 
初めて「源水・純米大吟醸」を味わう参加者。お味は?

初めて「源水・純米大吟醸」を味わう参加者。お味は?

 
福を呼ぶにぎやかなアトラクションもパーティーを盛り上げた

福を呼ぶにぎやかなアトラクションもパーティーを盛り上げた

 
 プロジェクトの調整役を担うソーシャル・ネイチャー・ワークスの藤原代表は「地域おこし酒はハレの日がコンセプト。大事な人への贈り物、自分への特別なご褒美にもぴったり」と新商品の誕生を歓迎。今後は「源水川をより身近に感じられるようなしくみづくりにも取り組んでいきたい」と夢を描く。

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング in 釜石PIT 大宮アルディージャ戦

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング in 釜石PIT 大宮アルディージャ戦

DAZN presents いわてグルージャ盛岡 パブリックビューイング in 釜石PIT  大宮アルディージャ戦

 

\ いわてグルージャ盛岡を一緒に応援しよう! /

 

DAZN Presents パブリックビューイング in 釜石PIT
いわてグルージャ盛岡の応援企画として、アウェイ戦を中心にパブリックビューイングを開催します!

対象試合

2024明治安田生命J3リーグ 第19節(AWAY)
いわてグルージャ盛岡 vs 大宮アルディージャ

日時

2024年6月29日(土) 19:00 キックオフ
開場 18:30

場所

釜石PIT(岩手県釜石市大町1-1-10)

 

【駐車場について】
・斜向かいにある釜石大町駐車場または周辺の有料駐車場をご利用ください。
・自転車およびバイクは、釜石PITに隣接する駐輪駐車スペースをご利用ください。

参加費(運営協力費)

大人300円/高校生以下無料
※運営協力費は、本パブリックビューイング開催のための運営費の一部として使用いたします。会場でお支払いください。

その他

・いわてグルージャ盛岡公式グッズを会場にて販売!
・PV会場限定 オリジナルLEDキーホルダーも販売!
・ソフトドリンク/ノンアルドリンクを会場で販売!

主催

釜石まちづくり株式会社

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

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存在感増す!?釜石港 国際コンテナ定期航路が新設 週3便態勢で取扱量、回復期待

釜石港に新たな国際定期航路が開設され、初入港したコンテナ船

釜石港に新たな国際定期航路が開設され、初入港したコンテナ船

 
 釜石市の釜石港に22日、京浜港(東京・神奈川)を経由して海外へコンテナを輸送する「国際フィーダーコンテナ定期航路」が新たに開設された。運航船社は「横浜コンテナライン」(本社・横浜市)。中国海運大手「COSCO(コスコ)」の日本総代理店「コスコシッピングラインズジャパン」(本社・東京)が輸出入サービスで利用する。今回の新設により、釜石港には外貿コンテナ航路週1便、国際フィーダー航路週2便の計週3便の定期航路が就航。トラック運転手の残業規制強化による「2024年問題」で海上輸送への転換が見込まれており、関係者らはコンテナ取扱量の増大と港の存在感アップに期待を膨らませる。
 
 最初のコンテナ船「公龍丸」(749トン)が午前9時15分ごろ、ガントリークレーンが設置された釜石港公共ふ頭に着岸した。全長97メートル、全幅13.5メートルで、189TEU(20フィートコンテナ換算)を積載できる。今回は、中国で製造した量販雑貨や肥料の原料となる鉱石類が入ったコンテナ5個を陸揚げ。欧米向けに輸出するパルプ、除雪機などを収納したコンテナ8個を積み込んだ。
 
 新航路は苫小牧港(北海道苫小牧市)と横浜港(横浜市)を結ぶコスコの既存フィーダー(支線)航路に釜石港を加えた形で運航される。八戸を経て釜石には毎週土曜日に寄港。仙台を経て横浜港で貨物を積み替え、コスコが拠点とする京浜港から世界各国へ運ばれる。
 
釜石港公共ふ頭で国際定期航路の開設記念式典が行われた

釜石港公共ふ頭で国際定期航路の開設記念式典が行われた

 
 同日、開設を記念した式典が釜石港公共ふ頭であり、関係者約50人が出席した。小野共市長(釜石港湾振興協議会会長)は「堅調に推移していたコンテナ取扱量が新型コロナウイルス禍の影響で乱高下する事態に直面している。先行き不透明な社会経済情勢、2024年問題が顕在化する中、市や岩手県の経済発展の礎になると確信している」とあいさつ。関係者ら12人がテープカットして祝った。
 
荷主ら関係者を前に小野共市長(左上写真)らがあいさつした

荷主ら関係者を前に小野共市長(左上写真)らがあいさつした

 
釜石港に入港したコンテナ船の前で関係者がテープカットした

釜石港に入港したコンテナ船の前で関係者がテープカットした

 
 コスコシッピングラインズジャパンの喜多正樹取締役は「2024年問題への対応、脱炭素に向けて海上輸送へかじを切る荷主が増える中、釜石港と国内外の港をつなぐ我々のサービスに可能性を感じている。岩手は盛岡からの鉄道輸送サービスという環境もあり、十二分に生かすことで荷主の期待に応えることができる」と強調。横浜コンテナラインの菱沼昌祐営業部長は「6月はジューンブライド、釜石港と結ばれることになり、感無量。釜石、コスコ、横浜港、弊社がワンチームとなって盛り上げていきたい」と意欲を示した。
 
記念品の盾を手にする喜多正樹取締役(右)と菱沼昌祐部長

記念品の盾を手にする喜多正樹取締役(右)と菱沼昌祐部長

 
 釜石港は今年1月に開港90周年を迎えた。東日本大震災以降、県内に工場がある自動車メーカーの完成車物流は休止されたままだが、新たにコンテナ物流に活路を見いだし、誘致を進めた。11年7月に井本商運(神戸市)が香港の海運会社と連携して国際フィーダー航路を開設。17年11月には韓国船社による中国の主要港と韓国・釜山を結ぶ外貿コンテナ定期航路が新設された。新航路の開設は7年ぶり。今回はコスコ側からの提案を受け、市側も荷主探しに奔走した。
 
 同港のコンテナ取扱量は19年の9292TEUが最多。コロナ禍、中国による海産物の禁輸措置などの影響があり、23年は6444TEUに減った。今年は5月末現在で3168TEUとなっていて、今回の国際定期航路就航でさらに取扱量の上積みが見込まれる。

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紙芝居と写真で伝える郷土の先人&自然 「つみしの会」が“知る楽しみ”提供

 「つみしの会」紙芝居上演&写真公開イベント=16日、鵜の郷交流館

「つみしの会」紙芝居上演&写真公開イベント=16日、鵜の郷交流館

 
 釜石市の歴史や自然に詳しい元観光ガイド3人で結成する「つみしの会」が、地域の魅力を伝える新たな活動を始めた。その第1弾のイベントが16日、鵜住居町の鵜の郷交流館で開かれ、郷土の先人を題材にした手作り紙芝居の披露、豊かな自然を捉えた写真の展示で集まった市民らを楽しませた。
 
 先人の紙芝居を披露したのは藤井静子さん(74、小佐野町)。栗林村(現栗林町)出身で、国内最大級とされる三閉伊一揆の指導者としてその名を残す三浦命助(1820-64)、唐丹村(現唐丹町)出身で医師、村長、県議として活躍、明治、昭和の三陸大津波で住民の救済、復興に尽力した柴琢治(1865-1947)の生涯を語った。
 
藤井静子さんが三浦命助と柴琢治の紙芝居を披露(写真上段)。郷土の先人に理解を深める来場者(同下段)

藤井静子さんが三浦命助と柴琢治の紙芝居を披露(写真上段)。郷土の先人に理解を深める来場者(同下段)

 
 藤井さんは遠野市出身。高校卒業後、釜石市を拠点に家電メーカーの営業織を長く続け、その間、職場の改善提案発表で全国大会にも出場した。52歳の時、観光ガイド養成講座の受講者仲間で立ち上げた釜石観光ボランティアガイド会(現釜石観光ガイド会)の一員に。同市の歴史や文化を旅行客や市民らに伝える活動を昨夏まで続けてきた。
 
 紙芝居の活動は15年前から。縁あって、宮沢賢治の童話「風の又三郎」の紙芝居制作を依頼され、釜石鉱山のイベントで披露したのが始まりだった。その後、鉄のまち釜石の礎を築いた大島高任など郷土の先人を題材にした紙芝居も制作。作品はガイド活動にも生かされた。郷土の民話も含め、これまでに約20作品を制作。ストーリー構成から絵まで全て自分で手掛ける。
 
最初に制作した宮沢賢治の「風の又三郎」の紙芝居も披露した

最初に制作した宮沢賢治の「風の又三郎」の紙芝居も披露した

 
手作り紙芝居(写真左)を見せながら来場者と交流する藤井静子さん(同右)

手作り紙芝居(写真左)を見せながら来場者と交流する藤井静子さん(同右)

 
 営業職時代に培った話の“起承転結”、人前での“しゃべり”と、自分の言葉で話すことには慣れていた藤井さんだが、絵の制作はほとんど経験が無かった。「絵は下手だが思いを込めて…」と場面に応じた描写をひねり出す。「絵があると話の内容も印象に残りやすい。自分自身が伝えたいことを整理するのにも役立つ」と紙芝居のメリットを話す。
 
 この日は最近、作り始めた大槌町に関わる紙芝居も上演。江戸時代の豪商、前川(吉里吉里)善兵衛の功績を紹介した。紙芝居の前には、出身地遠野の民話「おしらさま」なども語った。会場には紙芝居10作品を展示。今後は「遠野物語も紙芝居にして伝えられたら」と制作意欲は尽きない。自身いわく、紙芝居は「生きがい対策」。できるだけ続けていきたい意向を示した。
 
 上演は午前と午後の2回行われ、午前の部は子どもから大人まで21人が楽しんだ。野田町の小笠原信行さん(74)は「三浦命助も柴琢治も名前は知っていたが、こうして物語にしてもらって聞くと非常に分かりやすい。絵も人物の表情が豊かで素晴らしい。来て良かった」と喜びの笑顔を広げた。
 
 会の仲間、三浦勉さん(72、野田町)は出身地橋野町の豊かな自然を記録した写真106点を公開。20年以上にわたる趣味の山歩きで撮影した巨木、滝、奇岩など、未知の絶景が来場者の目を引き付けた。
 
三浦勉さん(写真上段左から3人目)は橋野の自然写真を展示

三浦勉さん(写真上段左から3人目)は橋野の自然写真を展示

 
三浦さんが山中で発見した巨木や岩(写真左)。クマの写真も多数(同右)

三浦さんが山中で発見した巨木や岩(写真左)。クマの写真も多数(同右)

 
 メンバーの名前が語源という「つみしの会」。好きなことや得意なことで郷土の魅力を発信する藤井さんと三浦さんは「町内会や学校、地区のイベントなどにも呼んでもらえれば。これまで積み重ねてきたものを地域に還元したい」と今後の活動に意欲を見せる。

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ホタル、集まれー!餌のカワニナ放流 釜石・中小川町内会「生息地守る」 地道に活動中

釜石市の小川川にカワニナを放流する子どもたち

釜石市の小川川にカワニナを放流する子どもたち

 
 ゲンジボタルの生息地として知られる釜石市の小川川で16日、地域住民が、ホタルの幼虫の餌になる巻き貝「カワニナ」を放流した。中小川町内会(佐々木正雪会長、約280世帯)が地域の豊かな自然を守ろうと実施し、今年で3回目。今回も中流域の「ワッカラ淵」と呼ばれる河川敷から、親子連れら約40人が手分けして約1000匹を水中に放った。
 
放流は小川川の中流域「ワッカラ淵」の河川敷で行われた

放流は小川川の中流域「ワッカラ淵」の河川敷で行われた

 
 放流の前に、釜石ホタル友の会の臼澤良一会長(75)がカワニナとホタルの生態や自然とのつながりを紹介した。カワニナはきれいな水が流れる川や用水路に住み、それを食べるホタルの生息にも良好な水質の河川環境が欠かせない。「ホタルの光を見て自然保護の大切さをアピールする場は地域の財産」などとし、保全活動の重要性と協力を呼びかけた。
 
 参加者は水槽に入ったカワニナを触って観察しながらバケツに投入。川辺に並んで、流れの緩やかな場所に放った。近くに住む外川啓翔君(9)は「初めて参加した。生き物は苦手だけど、やってみたら楽しかった。ホタルが増えるといい」と期待。父直樹さん(51)は「以前はすごくホタルが飛んでいた。その風景を子どもに見せたい。川で遊ぶ機会も減っているが、自然に触れるいい機会になった」と目を細めた。
 
臼澤良一さん(左下写真)の話を聞いて興味深そうにカワニナ(右下写真)を触る子どもたち

臼澤良一さん(左下写真)の話を聞いて興味深そうにカワニナ(右下写真)を触る子どもたち

 
「ほーたる来い」。子どもらは流れが穏やかな場所にカワニナを放った

「ほーたる来い」。子どもらは流れが穏やかな場所にカワニナを放った

 
「原風景を子どもたちに残したい」。地域の大人たちは願う

「原風景を子どもたちに残したい」。地域の大人たちは願う

 
 同川にはホタルが自生しており、初夏にはワッカラ淵で観察会も開かれる。無数のホタルが飛び交い、多くの人の目を楽しませていたが、東日本大震災後は仮設住宅整備など環境変化の影響を受けたのか、生息数が減少。台風や豪雨による川の増水などの影響もあって、カワニナ自体が減っていることも分かった。
 
 「美しい風景を再び」と考えた住民らは、ホタルを増やすためにカワニナを探し、2022年に同川の上流域で発見。採集して、佐々木会長(74)が自宅で育ててきた。昨年からは旧小川小の校庭の一部を市から借り受け、水路を整備。繁殖させる環境を増やして放流数を確保し、息の長い活動を見据えている。
 
カワニナの繁殖地として旧小川小敷地に整地された水路

カワニナの繁殖地として旧小川小敷地に整地された水路

 
「ホタルの里」を守るため地域ぐるみで活動を続ける佐々木正雪会長

「ホタルの里」を守るため地域ぐるみで活動を続ける佐々木正雪会長

 
 ホタルの見頃は例年6月下旬~7月中旬。放流の成果が分かるのは数年先だが、住民たちは「カワニナは少しずつ増えている」と感じている。そして、今年はすでにいくつかの淡い光を確認。佐々木会長は「震災前の光景を復活させたい。もっと多くの若い世代に関わってもらい、みんなで自然環境を守り続けられるような取り組みにしたい」と望んだ。
 
 小川地区の豊かな自然環境を次世代につなぐのを狙いに継続する「第9回ほたるの里まつり」は7月7日に開催する予定。ワッカラ淵すぐそばの中小川集会所前にステージを設け、地元の芸能団体による歌や踊り、餅まきなどが行われる。

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9競技で熱戦! 釜石大槌地区中総体 サッカー、バドミントンに地域クラブチーム初参戦

3年ぶりに対戦が実現した釜石大槌地区中総体サッカー競技=大槌町営サッカー場

3年ぶりに対戦が実現した釜石大槌地区中総体サッカー競技=大槌町営サッカー場

 
 2024年度釜石大槌地区中学校総合体育大会(中総体)は15日、地区内の公共スポーツ施設や学校体育館で9競技が行われた。日本中学校体育連盟(中体連)が主催大会に学校外の地域クラブ活動団体の参加を認め、各都道府県、地区中体連も同様の措置を取って2年目となる本年度。釜石大槌地区中総体には今回初めて、サッカーとバドミントン競技に地域クラブ各1チームが参加した。
 
 少子化、人口減による生徒数の減少で近年、団体競技の合同チームでの参加や地区予選なしでの県大会出場が顕著になっている同地区中総体。本年度は軟式野球で4校合同、バスケットボール女子で2校合同チームが結成され、地区大会での対戦が行われた。
 
 対戦可能な人数がそろわず、22、23年度と試合ができなかったサッカーは、3年ぶりに競技が行われた。昨年結成された大槌サッカークラブ(9人)が釜石東中(21人)と対戦。地区代表の座をかけて熱い戦いを繰り広げた。同クラブは、地元サッカースポーツ少年団で活動した子どもたちが中学生になっても競技を続けられる環境を作ろうと、地域の指導者らが設立。大槌、吉里吉里両学園の中学生が所属する。試合は互角の戦いとなったが、前半に1点を先取した釜石東中が守り切り、1対0で県大会への切符を手にした。
 
地区中総体に初めて参加した「大槌サッカークラブ」。大槌、吉里吉里学園の生徒で結成

地区中総体に初めて参加した「大槌サッカークラブ」。大槌、吉里吉里学園の生徒で結成

 
釜石東中と大槌サッカークラブの対戦。初夏の日差しが照りつける中、熱戦を繰り広げた

釜石東中と大槌サッカークラブの対戦。初夏の日差しが照りつける中、熱戦を繰り広げた

 
 同クラブの飛田駿丞さん(大槌学園9年)はフルメンバーで挑んだ今大会に「少ない人数でもここまで頑張ってこられた」と仲間に感謝。「負けた悔しさを次のリーグ戦にぶつけたい」と中学最後の大会を見据えた。コーチの古川英紀さん(52)は「少子化の中でも、子どもたちがやりたいスポーツをできる環境をいかに作っていくか。そこはやはり大人の責任」と学校、地域双方の受け皿充実を望む。今後もメンバーの獲得に努め、新人戦への出場を目指す意向を示した。
 
 釜石東中のキャプテン木村翔さん(3年)は中学最後の地区総体で初めて試合ができたことについて、「地区内に切磋琢磨できる仲間がいるのはうれしいこと。相手はみんな経験者で、人数が少なくてもうまいと感じた。県大会はもっとレベルが高いと思うので、次のステージに行けるように練習していきたい」と気を引き締めた。
 
優勝した釜石東中サッカー部。地区代表として県大会に出場する

優勝した釜石東中サッカー部。地区代表として県大会に出場する

 
 バドミントン競技に初参戦したのはKBF(釜石バドミントンフレンズ、12人)。学校部活動の「地域移行」の流れを酌み、「釜石の先駆けに」と市内で活動してきた3団体が合併して、今年4月に発足させた。中学生メンバーは釜石、大平、釜石東の3校から集まる。今大会では女子団体戦、男女の個人戦(シングルス、ダブルス)にエントリー。試合の結果、女子団体戦で1位、女子個人戦ではシングルスで2人、ダブルスで2組が3位以上に入り、県大会出場を決めた。
 
地区中総体バドミントン競技に初めて参加した釜石市のチーム「KBF」

地区中総体バドミントン競技に初めて参加した釜石市のチーム「KBF」

 
小学生から競技に励む選手が実力を発揮=釜石市民体育館

小学生から競技に励む選手が実力を発揮=釜石市民体育館

 
 小学4年からクラブチームで競技を続けてきた平舘杏奈さん(釜石中1年)は中総体初参加。「初めて団体戦をやって楽しくプレーできた。3年生の先輩は最後の中総体なので、いい結果を残せて良かった」と満足そう。個人戦ダブルスでも2位に入った。小学生の時には東北大会出場も経験。「中学3年間の目標は団体、個人の県大会優勝」と意欲を高めた。
 
KBFは女子団体で1位、女子個人シングルスで2,3位、同ダブルスで1,2位を獲得(写真提供:KBF)

KBFは女子団体で1位、女子個人シングルスで2,3位、同ダブルスで1,2位を獲得(写真提供:KBF)

 
 少子化の影響で部員を確保できない部活動の存続、顧問を務める教員の負担軽減などを目的とした「部活動の地域移行」。国は2023~25年度を改革推進期間と定め、実現への取り組みを促すが、実際には課題も多い。地域クラブの中総体参加について、KBFの久保勝幸代表(48)は「学校に部がない生徒が大会への出場機会を得られる、メンバーの対戦経験を増やせる一方、学校の部と地域クラブ双方で活動する生徒がどちらの所属で参加するか判断に迷う部分もある。特に3年生は卒業アルバム掲載の問題も…」と、参入によるメリット、デメリットを指摘。県内では地域クラブの参入が確実に増えている状況もあり、「今大会への試行参加を基に、子どもたちにとってより良い方向性を見いだしたい」と語る。
 
 今大会は各競技とも予定通り行われ、地区代表として県大会に出場する学校、選手が決まった。県大会は7月13~15日に県内各会場で行われる。
 
バドミントン男子の団体戦。大槌学園と対戦する唐丹中(手前)

バドミントン男子の団体戦。大槌学園と対戦する唐丹中(手前)

 
ソフトテニス女子の団体戦。釜石中と対戦する甲子中

ソフトテニス女子の団体戦。釜石中と対戦する甲子中

 
ソフトテニス男子の個人戦。大槌学園と対戦する釜石中

ソフトテニス男子の個人戦。大槌学園と対戦する釜石中

 
2024年度釜石大槌地区中学校総合体育大会成績一覧表

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味わって!うにしゃぶ 釜石でお振る舞いイベント 「新名物にな~れ」期待込め 魚屋応援にも

海の恵みがたっぷり詰まった「うにしゃぶ」を味わう親子

海の恵みがたっぷり詰まった「うにしゃぶ」を味わう親子

 
 釜石の新名物に-と期待される「うにしゃぶ」。ウニが香るスープで三陸の魚介を味わう料理だ。この海の“味力”たっぷりの逸品を知ってもらおうと、地域の魅力発信に取り組む若者がイベントを企画。16日、釜石市鈴子町の駅前橋上市場サン・フィッシュ釜石で市民や観光客らに無料で振る舞った。
 
 うにしゃぶは、焼いたりペースト状にしたりして香りを引きたてたウニを加えた貝だしのスープを温め、白身魚や貝類など三陸の海の幸と野菜を湯通していただく。地元の観光地域づくり会社かまいしDMCが食品加工会社と協力して2020年に開発。その“うにスープ”はDMCが指定管理する魚河岸テラスで販売する。市内では一部の飲食店や宿泊施設で提供されるが、事前の予約が必要。市のふるさと納税返礼品として取り扱われているが、市民の目に触れる機会は多くない。
 
 「名物にするには市民から。おいしさを知ってもらおう」と立ち上がったのが、市地域おこし協力隊として魚食普及活動に取り組む清原拓磨さん(26)と、観光地域づくりコーディネーターの横木寛裕さん(23)の2人。5月の大型連休中にもPRイベントを実施しスープを有料で提供したが、今回はDMCの厚意もあって“お振る舞い”という形でサービスした。
 
サン・フィッシュ釜石で開かれたお振る舞いイベント

サン・フィッシュ釜石で開かれたお振る舞いイベント

 
 市場内の飲食スペースが会場。テーブルにはスープが入った鍋、箸休めのレタス、締め用のご飯が用意された。そして、“しゃぶしゃぶ”する具材の刺し身などは市場内の店舗で調達。「地元の海産物をよく知る魚屋さんとの触れ合いも楽しむ」という仕組みにした。
 
「うにスープに合うのは?」。店員が具材選びをお手伝い

「うにスープに合うのは?」。店員が具材選びをお手伝い

 
新鮮な刺し身を手に笑顔の参加者、企画した清原拓磨さん(右)

新鮮な刺し身を手に笑顔の参加者、企画した清原拓磨さん(右)

 
 タコ、ホタテ、エビ、カンパチ、サーモン、エンガワ、ワカメ…。家族連れらが訪れ、スープに合いそうな魚介類をお好みで選んで鍋にサッとくぐらせ、口に運んだ。「うんま!」「ウニの香りがすごい」「濃厚」。スープのうまみが絡んだ味わいに箸が進み、締めの雑炊までしっかりと堪能した。
 
お好みの具材を濃厚「うにスープ」にくぐらせて味わう

お好みの具材を濃厚「うにスープ」にくぐらせて味わう

 
魚介のうまみが加わったスープで雑炊も!最後までうまい

魚介のうまみが加わったスープで雑炊も!最後までうまい

 
 魚介が好きな山田光葉(みつよ)さん(7)は「おいしい。海の味がする」とうれしそうに頬張った。母親の春葉(はるよ)さん(40)は「ウニの香りがふわっと広がる。ぜいたく感があって映(ば)えるから、名物料理になると思う。食材の組み合わせとか特色のあるメニュー化、提供の仕方、見せ方を工夫したりするといいのでは」と期待を込めた。
 
 今回のイベントでは、市場内の店舗を利用してもらうことで売り上げ増にもなり、事業者から歓迎の声が聞かれた。
 
“魚屋さん”との触れ合い促進もイベントの目的

“魚屋さん”との触れ合い促進もイベントの目的

 
新名物にと「うにしゃぶスープ」をPRする横木寛裕さん(右)

新名物にと「うにしゃぶスープ」をPRする横木寛裕さん(右)

 
 清原さんは「うにしゃぶを初めて食べる人が多かった印象。発信するという意味では達成できたと思う」と肩の力を抜いた。魚のさばき方教室と銘打つ食育活動(月1回)や海にまつわる事業者支援などに携わる中で、魚種の豊かさや鮮度の良さなどから「魚のまち釜石」の魅力を実感。魚を売る人たちの情報の多さにも驚き、「気楽に魚屋に行く仕掛けをつくりたい」と考えて形にした。
 
 企画の発案者でうにしゃぶスープのおいしさを知る横木さんも、「これ、合いますよ」と訪れた人に説明しながら、おもてなし。「飲食店で提供が広がるにはまず客となる地元の人が知って、食べたいと思ってもらわないと。おいしいものは食べに行くし、買うし、人にも勧める」という考えは2人とも共通で、今後も企画を考え発信していく。

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「シナノキ」の“新”巨木 橋野町和山で確認 関係者が市文化財指定の可能性探る

橋野町和山で確認されたシナノキの巨木=6日

橋野町和山で確認されたシナノキの巨木=6日

 
 釜石市北西部、橋野町の和山高原で新たなお宝発見―。これまで“知る人ぞ知る”巨木で、地元の人でもほとんど見たことがなかったという「シナノキ」の大木を、このほど市文化財保護審議会(川原清文会長、委員15人)の委員らが視察した。同高原には1969(昭和44)年に市の文化財(天然記念物)に指定された「和山のシナノキ」があるが、今回確認した“新”シナノキは幹周り、樹高ともそれを上回る大きさ。審議会では今後、新たな文化財指定の候補物件として検討を進めていく予定。
 
 視察には川原会長、同審議会第3専門部会(史跡、名勝、天然記念物)委員、市文化振興課職員ら7人が参加。同地を所有する一般社団法人栗橋地域振興社(菊池録郎代表理事会長)の小笠原明彦監事(釜石観光ガイド会事務局長)が現地を案内した。
 
現地に向かう釜石市文化財保護審議会の委員と市文化振興課の職員ら=林道入り口

現地に向かう釜石市文化財保護審議会の委員と市文化振興課の職員ら=林道入り口

 
 シナノキの巨木があるのは、風力発電事業者ユーラスエナジー釜石の事務所から南西方向に位置する標高761メートルの高原地帯。市道から約3キロの林道を車で上り、終点から歩いて現地に向かった。かつての放牧場に隣接する雑木林を進むと、見えてきたのは周囲の樹木よりはるかに幹が太い1本の大樹。近づくにつれ、参加者はその迫力に驚きの声を上げた。
 
県が整備した林道を車両で進む

県が整備した林道を車両で進む

 
終点からは歩いて現地へ。広葉樹林の斜面を上っていく

終点からは歩いて現地へ。広葉樹林の斜面を上っていく

 
元放牧場沿いに進んでいくと、ひときわ大きな木が目に飛び込んできた

元放牧場沿いに進んでいくと、ひときわ大きな木が目に飛び込んできた

 
 市職員が計測したところ、幹周りは7.3メートル(根元から高さ1.3メートル部分)、根元周りは8.29メートル。大人6人が両手をつないで周る太さだ。根元から1.8メートルほどの高さで4本に枝が分かれ、最も太いものは3.32メートル。樹高は目測で約20メートル、枝幅は約27メートルと推定される。一部に枝の欠損があるが、樹勢の衰えは感じられない。新緑の季節を迎え、枝先には葉が生い茂り、この時期ならではの樹姿を見せている。専門家による年輪調査がないと詳細は分からないが、樹齢は「300年以上ではないか」と推定。
 
市の職員がシナノキの大きさを計測しデータ収集

市の職員がシナノキの大きさを計測しデータ収集

 
周りの木よりはるかに太い幹が年数を重ねてきたことを感じさせる

周りの木よりはるかに太い幹が年数を重ねてきたことを感じさせる

 
幹周りは驚きの7.3メートル(胸元高)

幹周りは驚きの7.3メートル(胸元高)

 
幹周りは大人6人が両手をつないだ長さ!本当に太い

幹周りは大人6人が両手をつないだ長さ!本当に太い

 
 現場は風通しが良く、日光もたっぷり降り注ぐ場所で、樹木の生育にも適しているとみられる。参加者からは「想像以上の大きさ」「立派だ」「勢いがある」など絶賛の声が聞かれた。また「他の木のつるが絡まると弱っていく可能性もある。手入れをして守ったほうが寿命が延びるのでは」という意見もあった。
 
 同委員で、環境省の環境カウンセラーでもある佐々木光壽さん(74)は「和山の(寒冷な)環境で、これだけ太く大きくなったのはすごい。シナノキでここまでの大きさのものは市内では他に確認されていないのではないか」と驚嘆。「間違いなく価値あるものの部類に入る。市の文化財指定の可能性はあると思う」と話した。
 
木の上部には日光がたっぷり降り注ぐ。横に伸びた枝ぶりも見事!

木の上部には日光がたっぷり降り注ぐ。横に伸びた枝ぶりも見事!

 
見上げると木の高さにもびっくり!

見上げると木の高さにもびっくり!

 
 案内した小笠原監事(67、橋野町)は振興社の人から情報を聞き、今年4月に初めて現地を確認。「自分も最初に見た時は感激した。力強さがあり、元気をもらえる木」と地元の宝を誇る。森林資源が豊富な同地域では古くから木炭生産が盛んで、世界遺産になっている「橋野鉄鉱山」でも製鉄の燃料に木炭が使われた。「この辺も木を切り出す人が入っていたと思われるが、地元の人たちは土地の守り神(御神木)としてこのシナノキだけは残したのではないか。先人の思いが詰まっているのでは…」と小笠原監事。
 
写真左:小笠原監事が4月に訪れた時のシナノキ。まだ冬枯れの景色(小笠原監事提供)わずか2カ月で写真右の姿に…

写真左:小笠原監事が4月に訪れた時のシナノキ。まだ冬枯れの景色(小笠原監事提供)わずか2カ月で写真右の姿に…

 
木の全体像を一枚の写真に収めるのもなかなか難しい!?

木の全体像を一枚の写真に収めるのもなかなか難しい!?

 
 和山高原はかつて肉牛の放牧が盛んで、昭和の時代には高原を活用した大規模イベントの開催、市内の学校や町内会の遠足地としての利用などがあり、多くの人が訪れていた。時代の変遷とともに放牧事業は縮小化。人口減も相まってレジャー客も激減した。同振興社は近年、新たな土地利用策の一環で、市指定文化財のシナノキ周辺にサクラやレンゲツツジの植樹を進め、市民や観光客の憩いの場創出に努めている。
 
 振興社の菊池会長(72)は今回注目された“新”シナノキについて、「和山のシンボルが増えた。ぜひ多くの人に知ってほしい」と文化財指定に期待。「現場までの林道を整備すればハイキングコースにもいい」と活用策に考えを巡らす。和山の自然が育んだ2大巨木「シナノキ」、植樹したサクラやツツジ…。「7年後には発電用の新しい風車も完成予定と聞いている。新たな景観を生かし、皆さんに訪れてもらえる和山にしていきたい」と今後を見据える。
 
和山の“新”シナノキを視察した参加者は貴重な光景を目に焼き付けた

和山の“新”シナノキを視察した参加者は貴重な光景を目に焼き付けた

 
シナノキ周辺に広がる景色も絶景。雪の残る早池峰山も見える

シナノキ周辺に広がる景色も絶景。雪の残る早池峰山も見える

 
 市指定文化財(天然記念物)の巨木は現在8件。栗橋地区では「和山のシナノキ」のほか、▽古里の御神楽スギ(1969年指定、橋野町)▽明神かつら(1973年同、栗林町)▽上栗林のサクラ(2007年同、栗林町)が指定されている。

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小川有紀子ヴァイオリン・コンサート~やさしいバロック、音楽の父バッハを中心に~

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演奏家本人による解説付きで気軽に楽しめる「やさしい作曲家シリーズ」第6弾!
“音楽の父”とも云われるJ.S.バッハのほか、ヴィヴァルディやヘンデルなどバロック音楽の代表選手にスポットを当てます。
 
小川有紀子ヴァイオリン・コンサート~やさしいバロック、音楽の父バッハを中心に~ – 釜石市民ホールTETTO 公式サイト
 
ご来場される皆様へ【ご協力お願い】
・発熱や体調不良時には来館や来場をお控えください。
・施設内でのマスク着用は個人の判断となります。混雑時や継続的な発声を伴う公演等、必要に応じて着用してください。
・施設内での咳エチケットや手洗いの励行を推奨します。

日時

2024年7月13日(土)14:00〜16:00予定(開場13:30)

会場

釜石市民ホールTETTO ホールB

プログラム

パッヘルベル:カノン
J.S.バッハ:G線上のアリア
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータより
ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ第3番
J.S.バッハ:フランス組曲第5番(ピアノソロ)
コレルリ:ラ・フォリア
~休憩~
ヴィヴァルディ:「四季」全曲
曲目は都合により変更となる場合があります。予めご了承ください。

出演

小川 有紀子 Yukiko Ogawa ヴァイオリン
大阪府箕面市出身。4歳よりヴァイオリンを始める。
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校卒業。東京藝術大学首席卒業、英国王立音楽院の大学院を首席卒業。第36回全日本学生音楽コンクール西日本大会中学校の部第1位。第58回日本音楽コンクール入選。第1回東京現代音楽祭室内楽コンクール第1位、併せて第1回朝日現代音楽賞を受賞。第7回東京国際音楽コンクール室内楽部門第2位、併せてルフトハンザ賞を受賞。
英国王立音楽院の大学院へ留学、英国王立音楽院コンチェルトコンクール第1位、ハイドントリオ賞を受賞、メンデルスゾーン協奏曲コンクール第2位、当時の音楽院院長で世界的なチェリストでもあるリン・ハレル氏と数回にわたって室内楽を共演。朝日現代音楽賞受賞記念リサイタル。第28回ティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリンコンクール第4位、ジュネーブにて受賞者コンサートに出演。ロンドン・セント・ジェイムズチャーチにてリサイタル。京都アマティホール、四日市四郷地区文化センター等にてリサイタル、NHK-FMリサイタル、竹ノ塚レクチャーコンサート出演。東京文化会館小ホールにて東京でのデビューリサイタル。ヴェルディ文化振興財団より年間最優秀演奏者賞「マイスター」を受賞。日本演奏連盟 山田康子奨励・助成を得て』カザルスホールにてリサイタル。
2001年仙台フィルハーモニー管弦楽団入団。セレーノ弦楽四重奏団で原村音楽セミナー「緑の風音楽賞」受賞。緑の風音楽賞受賞記念リサイタル。2017年『小川有紀子リサイタルシリーズ』スタート。
これまでに、ヴァイオリンを東儀幸、矢嶋佳子、日高毅、澤和樹、ジョルジュ・パウクの各氏に師事、室内楽の指導を岡山潔氏に受ける。
筑波大学附属盲学校高等部特別非常勤講師を1999年~2003年まで、オホーツク紋別音楽セミナー講師を2016年まで務めた。また、2008年~2016年まで東京藝術大学非常勤講師を務めた。現在、仙台フィルハーモニー管弦楽団第2ヴァイオリン副首席奏者。紀尾井ホール室内管弦楽団メンバー。
ハナミズキ音楽アカデミー主宰。ハナミズキ室内合奏団主宰。
株式会社ハナミズキ音楽事務所共同代表。
 
中居 瑞葉 Mizuha Nakai ピアノ
宮城県出身。仙台第一高等学校、宮城教育大学教育心理学コースを卒業。宮城学院女子大学学芸学部音楽科ピアノ専攻研究生修了。修了リサイタルを開催。桐朋学園大学音楽研究科修士課程ピアノ専攻修了。邦人作曲家の武満徹のピアノ曲を研究し、論文執筆と研究演奏を行った。八巻淑子、両口紗智子、手塚真人、植木由利子、鶴園紫磯子の各氏に師事。春季海外音楽マスタークラス派遣助成オーディションに准合格し、ドイツ国立シュトゥットガルト音楽大学教授によるマスタークラスを受講。上田晴子、Jean-Marie Cottet各氏の公開レッスンを受講。第二回ドビュッシー国際ピアノコンクール第4位。第40回JPTAピアノ・オーディションE部門地区大会優秀賞及び東北支部特別賞、全国大会優良賞を受賞。これまでに、仙台と東京にて多数のコンサートに出演。
現在、ピアノソロやアンサンブルによる演奏活動のほか、音楽の指導にあたっている。島村楽器音楽教室ピアノ科講師。石巻商業高等学校音楽非常勤講師。宮城学院女子大学音楽リエゾンセンター認定演奏員。

料金

全席自由 一般:1,500円 高校生以下:500円 当日各200円増
 
◎割引 各20%引/各割引チケットはTETTOのみ取扱い
友の会:会員証提示で2枚まで割引
シルバー:65歳以上証明書提示で一般チケット1枚まで割引
親子セット券:一般と高校生以下の1セットにつき割引
 
※未就学児入場不可

プレイガイド

前売券販売中
 
プレイガイド窓口
釜石市民ホール
 
電話予約<受付開始 6/8(土) 13:00~>
〇釜石市民ホールTETTO 0193-22-2266へお電話ください。
 
お取り置き申込<申込受付期間 6/8(土) 13:00〜7/12(金) 17:00>
下記QRコードまたはリンクからお申込みいただけます。
https://forms.gle/C1oodeXBhhGxFQhX7

〇お申込いただいた後チケットが確保でき次第、登録のメールアドレスへお知らせいたします。迷惑メール設定や受信設定等のご確認をお願いいたします。お知らせは下記お問合せメールアドレスより送付いたします。
〇チケット引換・代金のお支払は、釜石市民ホールTETTO総合案内にて現金でお願いいたします。当日精算もできます。
〇友の会、シルバー、親子セット券割引をご希望の場合は、チケット引換の際にお申し出ください。

お問い合わせ

釜石市民ホールTETTO 0193-22-2266
mail:daihyo*tetto-kamaishi.jp *を@に変えて送付お願いします

備考

【駐車場について】
当ホールには、専用駐車場がございません。車でご来場の際は、市営大町駐車場など近隣の有料駐車場をご利用くださいますようお願いいたします。
 
【大町駐車場割引券サービス】
公演当日、ホール総合案内にチケットと大町駐車場券を提示いただくと、駐車1時間サービス券を2枚進呈いたします。ぜひご利用ください。

主催等

【主催】釜石市民ホール
【共催】釜石市
【後援】釜石市教育委員会
 

釜石市民ホール TETTO

釜石市民ホール TETTO

問い合わせ: TEL 0193-22-2266 / FAX 0193-22-3809 / 公式サイト
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-9

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「いいな」を撮り続け50余年 釜石の鈴木哲さん「これが最後かな…」 “総決算”の写真展

鈴木哲さんの多彩な写真表現を釜石市民らが楽しんだ

鈴木哲さんの多彩な写真表現を釜石市民らが楽しんだ

 
 釜石市只越町のアマチュアカメラマン、鈴木哲(さとし)さん(75)の写真展が14日から3日間、同市大町の市民ホールTETTOで開かれた。東日本大震災以降に撮りためた作品約100点を紹介。写真仲間や友人らが足を運び、身近なモチーフを多様な視点で切り取った写真にじっくりと見入っていた。
 
 個展は2020年以来、4年ぶりの開催。今回は釜石港、三陸海岸の生活、祭り、花、動物、旅の思い出など多様なモチーフの作品を並べた。昨年6月に惜しまれながら定期運行を終えた「SL銀河」の雄姿を残す作品も多数。撮影場所や季節、アングルを複合的に捉えた。作品のほとんどはA4サイズ。大きさをそろえることで統一感を持たせた。
 
鈴木さんの作品がずらりと並んだ釜石市民ホールギャラリー

鈴木さんの作品がずらりと並んだ釜石市民ホールギャラリー

 
旅のスナップや空模様などを題材にした作品に見入る来場者

旅のスナップや空模様などを題材にした作品に見入る来場者

 
JR釜石線を走る「SL銀河」は心引かれるモチーフだった

JR釜石線を走る「SL銀河」は心引かれるモチーフだった

 
 鈴木さんが本格的にカメラを手にしたのは20歳代。市内の印刷会社で働く中、社内に多かった写真愛好者の影響を受けた。同じ頃、職場近くにあったデパートで催された撮影会の写真コンテストに参加、出品したところ、思いかげず入選。「よし!次はもっと上位の賞を」と、撮る楽しさにハマった。
 
 ボーリングに野球、登山、スキーなどもともと趣味が多く、体を動かすことも好きだったが、50年以上たった今でも残る趣味はカメラ。その楽しみが「終わりかな」と思う時期があった。2011年の震災。津波で鵜住居町の自宅を失い、カメラも全て流された。先が見通せない中、「気分転換に」との誘いに乗って親族がいる愛知県名古屋市近隣を周遊。「出かけるなら、カメラが必要だ」と、すぐに新たな“相棒”を迎えた。
 
写真展を開いた鈴木さん。カメラを楽しむ生活は50年を超える

写真展を開いた鈴木さん。カメラを楽しむ生活は50年を超える

 
津波の猛威と、負けない人々の姿を捉えた写真もあった

津波の猛威と、負けない人々の姿を捉えた写真もあった

 
 津波の痕跡を残す震災後のまちを写した数点も並べた。避難所、仮設住宅での生活を経て、復興住宅で暮らす今、日課のようにレンズを向けるのは月。部屋のベランダから目に入る夜空、月明かりがつくり出す高層の建物や構造物の影など、身近な風景をモチーフにする。ふと見上げた空に浮かぶ雲の造形を切り取った作品も。「目に焼き付けるより、記録に残したい」とシャッターボタンを押した。
 
鈴木さんは展示会場でもカシャ。「いいね」と心動いた瞬間

鈴木さんは展示会場でもカシャ。「いいね」と心動いた瞬間

 
 展示会場でも“愛機”を手にファインダーをのぞいていた鈴木さん。「撮りたいと思ったらすぐ!」と瞬間を逃さない。長いキャリアの中で、「そうできるようになった」と頬を緩める。「カメラを向けた時の被写体は無口で何も言ってこないが、シャッターを切ると声が聞こえてくる」と独自の見解。「もっときれいに撮れるよ」「こっちから見て」と話しかけてくるとか。そんな対話ができるのが写真の魅力だという。
 
 「さとちゃんらしい、優しい写真だね」。親しい間柄の来場者から聞こえてきた声に、鈴木さんは照れ笑い。「見たり見られたりすることでレベルアップになる。自分だったら、こう撮る…と考えたり、自分にないものを求める」。カメラを楽しむ仲間とは写真談義を交わした。
 
写真を通じてたくさんの笑顔と会話が生まれた展示会場

写真を通じてたくさんの笑顔と会話が生まれた展示会場

 
「総決算」の個展で来場者にプレゼントされた作品たち

「総決算」の個展で来場者にプレゼントされた作品たち

 
 意欲的な鈴木さんだが、個展は「最後になるだろう」とのこと。3回目の今回を「総決算」とし、会場に並べた作品のうち、過去の展示で公開した作品40点ほどを最終日に希望した来場者にプレゼントした。
 
 保有するカメラは4台。独自の“撮影日和”にカメラを肩に歩いたり、自転車や路線バス、鉄道に乗って「いいな」と思うものを探す生活スタイルは変わらない。写真好きの友人との外出も継続。市内のグループ展での作品公開を続ける。

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広報かまいし2024年6月15日号(No.1834)

広報かまいし2024年6月15日号(No.1834)
 

広報かまいし2024年6月15日号(No.1834)

広報かまいし2024年6月15日号(No.1834)

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【P1】
表紙

【P2-7】
子育てを頑張るパパママを全力応援!

【P8-9】
地域活性化起業人の池井戸葵さんの活動を紹介します 他

【P10-11】
土砂災害に備えましょう

【P12-13】
まちの話題

【P14-17】
保健案内板
まちのお知らせ

【P18】
市民百景

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2024061100019/
釜石市

釜石市

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