gadagoto1

井上マスさん(作家井上ひさしさん母)のミュージカル2年ぶりに 昭和の釜石の活気 舞台で再び

パートⅡとして約2年ぶりに上演されたミュージカル「人生はガタゴト列車に乗って」=市民ホールTETTO

パートⅡとして約2年ぶりに上演されたミュージカル「人生はガタゴト列車に乗って」=市民ホールTETTO

 
 作家井上ひさしさん(故人)の母マスさん(1907-91、神奈川県出身)の激動の半生を描いたミュージカル「人生はガタゴト列車に乗って」が21日、親子ゆかりの釜石市で上演された。同市のNPO法人ガバチョ・プロジェクト(山﨑眞行理事長)が主催。2021年10月の初演に次ぐ舞台は新たな顔ぶれも加わり、より音楽色の濃いものに。市内外から約400人が鑑賞し、マスさんの人生をたどるとともに昭和の釜石繁栄の時代を懐かしんだ。
 
 同ミュージカルは、井上マスさんが76歳の時に執筆した同名の自叙伝(1983年刊行)を基にした作品。井上ファミリーの記念館建設を目指す同NPOの山﨑理事長(73)が自ら脚本を書き、劇中歌も手掛けた。震災10年を機に「芸術で釜石を元気に。自分たちの力でできることを」と取り組んだ。
 
 マスさんは若くして夫を亡くし、女手一つで3人の息子を育て上げた。家族の生活を支えるため、薬店や美容室、土建業の経営などさまざまな仕事に従事。事業の失敗、息子たちとの別れなど数々の困難を乗り越えながら、最終的にたどり着いた釜石で焼き鳥屋台を繁盛させ、飲食業での成功を遂げた。釜石は製鉄や漁業で栄え、最も隆盛を極めた時代。
 
釜石へ働きに行くため三男修佑と別れるマス(写真左)。偶然出会った工員が「鉄のまち釜石」について教えてくれた(同右)

釜石へ働きに行くため三男修佑と別れるマス(写真左)。偶然出会った工員が「鉄のまち釜石」について教えてくれた(同右)

 
最初に働いた飲食店では、まちの景気を反映し金払いのいい客が…

最初に働いた飲食店では、まちの景気を反映し金払いのいい客が…

 
 パートⅡとした今回の公演は、子どもから大人まで16人が登場人物を演じた。オーケストラは同市出身の指揮者瓦田尚さんが主宰するムジカ・プロムナード(東京)、釜石市民吹奏楽団員ら地元演奏家計19人で結成。コーラス、舞踊、ダンスで、市内の活動グループから42人が協力した。
 
劇中歌は市内3つのコーラスグループが歌声を響かせた

劇中歌は市内3つのコーラスグループが歌声を響かせた

 
ダンスホールのにぎわいは市内の社交ダンス愛好者が再現

ダンスホールのにぎわいは市内の社交ダンス愛好者が再現

 
女形舞踊で人気の尚玉泉さんも舞台を盛り上げた(写真右)。観客も大喜び(同左)

女形舞踊で人気の尚玉泉さんも舞台を盛り上げた(写真右)。観客も大喜び(同左)

 
 来場者は演劇と音楽で繰り広げられる舞台を存分に楽しみ、たくさんの笑顔を広げた。花巻市から訪れた70代女性は「マスさんの本も読んだ。こういう形でミュージカルってできるんだなあと思って」と感心。市民手作りの舞台に「ほのぼのとしていい。特に小さい子どもたちがかわいくてね」と目を細めた。釜石市の米澤英敏さん(81)は「昔の釜石を思い出すよう。30代のころ、仲間とマスさんの店(バー)にも行ったことがある。活気があり、にぎやかだった時代が劇と音楽で再現され、とても楽しめた。懐かしさでいっぱい」と声を弾ませた。
 
劇中歌「夢の街かまいし」を歌とセリフで…。子どもも大人も心を躍らせる

劇中歌「夢の街かまいし」を歌とセリフで…。子どもも大人も心を躍らせる

 
当時のまちの活気をほうふつとさせる満面の笑顔も!

当時のまちの活気をほうふつとさせる満面の笑顔も!

 
gadagoto9

次男ひさし役(成年)は前回に続き柳谷雄介さんが演じた。歌(写真右上)では美声を響かせ、母マスや女衆との掛け合いも…

 
 舞台には夫婦、親子、兄弟での出演も。次男ひさし(子役)を演じた近藤橘平君(6、小佐野小1年)は、オーケストラにバイオリンで参加した兄一葵君(8、同3年)と兄弟初共演。前回公演では一葵君が同役を演じたが、「今回はオケで」と希望した兄に代わり、弟橘平君が同役に手を挙げた。ひさしの歌(作詞・曲:山﨑眞行)で独唱も披露した橘平君は「最初はドキドキしたけど、一歩ずつ自分なりに頑張ってみたら、ちゃんとできた」。難しかった音程も克服し、「出来栄えは500万99点!?」と胸を張った。
 
「ひさしの歌」を元気いっぱいに歌う近藤橘平君(写真左)。兄一葵君はバイオリンでオーケストラに参加(同右)

「ひさしの歌」を元気いっぱいに歌う近藤橘平君(写真左)。兄一葵君はバイオリンでオーケストラに参加(同右)

 
 4歳からバイオリンを習う一葵君は、今回のオケメンバー最年少で唯一の小学生。「みんなで演奏をつくるのを目標に練習を重ねてきた。『頑張れた』とは言えるけど、もう少し上手に弾けると思う」と向上心満々。ミュージカルは「協力して歌ったり演奏したりするのが楽しい」という。弟橘平君もバイオリンを習っており、兄弟に「次は?」と聞くと「オケで(参加したい)」と口をそろえた。
 
公演を終え、はじける笑顔を見せる(右から)近藤一葵君、橘平君兄弟

公演を終え、はじける笑顔を見せる(右から)近藤一葵君、橘平君兄弟

 
 主人公マス役を演じたのは、東京を拠点に活動するオペラ歌手あすみ和希さん。イタリアオペラで役を演じることが多く、今回は和服での足さばきに苦労したという。母親役も初めてで、「3児の母に見えるよう貫禄を出すのが難しかった」と新たな挑戦を振り返る。マスさんを知る人からも話を聞き、役作り。「マスさんは心(しん)が強く、とても明るい方。本番で私なりのマス像が出来上がった」と明かした。初めての釜石市民との共演も喜び、「エネルギーをもらい支えられた。被災されたが、皆さん本当に強い」と称賛した。
 
マス役を演じたオペラ歌手あすみ和希さん(右)。釜石とつながった縁を喜ぶ

マス役を演じたオペラ歌手あすみ和希さん(右)。釜石とつながった縁を喜ぶ

 
ミュージカルの前には、あすみさんとムジカ・プロムナードのステージも

ミュージカルの前には、あすみさんとムジカ・プロムナードのステージも

 
 今回の公演ではミュージカルに先立ち、主演のあすみさんとムジカ・プロムナードによる歌と演奏のステージもあった。あすみさんは宮澤賢治の「星めぐりの歌」、ジャコモ・プッチーニの「私の愛しいお父さん」など4曲を歌った。ムジカもオケ単体で2曲を披露した。
 
ラストは井上ひさしさんの代表作の一つ「ひょっこりひょうたん島」の歌でお別れ

ラストは井上ひさしさんの代表作の一つ「ひょっこりひょうたん島」の歌でお別れ

tsunagarucafe1

歌に踊りに、餅つき!釜石平田地区・つながるカフェ 高齢者と中学生 心通わす

つながるカフェでは高齢者も中学生もみんな笑顔

つながるカフェでは高齢者も中学生もみんな笑顔

 
 釜石市平田地区の住民は22日、大平町の大平中(髙橋信昌校長)の1年生(19人)と交流し、餅つきや合唱などを楽しみながら心を通わせた。
 
 市(平田地区生活応援センター)と、地区内の特別養護老人ホームあいぜんの里を運営する社会福祉法人清風会が主催する「つながるカフェ」の一環。心身の健康維持や孤立予防などにつなげるのを狙いに継続し、17回目。
 
 上平田ニュータウン集会所に高齢者ら約30人が集まり、きねと臼を使った餅つきに挑戦。住民と生徒が2人一組になってきねを持ち、調子を合わせて振り上げた。周囲で見守る人たちは「よいしょー、よいしょー」と掛け声を上げて応援。つき上げた餅は小さく切り分け、お汁粉に入れて味わった。
 
餅つきで交流する大平中生と平田地区の住民ら

餅つきで交流する大平中生と平田地区の住民ら

 
「よいしょ」の掛け声と手拍子で餅つきを応援

「よいしょ」の掛け声と手拍子で餅つきを応援

 
 住民を楽しませようと、生徒たちは合唱を披露。「地域の支えで学校生活を送ることができる」と感謝を込めて選曲した「ふるさと」では住民も歌声を重ねた。“腹ごなし”に住民らが取り組む100歳体操を体験したり、「釜石小唄」に合わせて踊ったり。みんな笑顔で、気持ちを一つにして触れ合いを楽しんだ。
 
歌声を重ねる曲は「ふるさと」で決まり

歌声を重ねる曲は「ふるさと」で決まり

 
「釜石小唄」では自然に踊りの輪が広がった

「釜石小唄」では自然に踊りの輪が広がった

 
 孫世代との交流を喜ぶ佐藤清さん(80)は「若いパワーをもらって、より元気になった。孫たちは遠方にいて、子どもと交わる機会は少ないから、こういう場を設けてもらってありがたい。こうした時間を共有することで、地域に愛着を持ってもらえたら」と目を細めた。
 
みんなで元気に100歳体操も楽しむ

みんなで元気に100歳体操も楽しむ

 
 同校では総合的な学習の時間を活用し、3年間、福祉について学ぶ。同法人の支援を受け、介護の現場見学や技術体験、認知症サポーター養成講座などに取り組む。6年目の今年度、1年生はコミュニケーションについての座学で高齢者との関わり方などを学習。同ホームでの実践を予定していたが、感染症の影響で見送っていた。
 
準備や運営も住民と中学生が力を合わせる

準備や運営も住民と中学生が力を合わせる

 
つながるカフェで触れ合いを楽しんだ参加者

つながるカフェで触れ合いを楽しんだ参加者

 
 中島優南さんは、隣り合わせた高齢者に自分から声を掛けた。心がけたのは「ゆっくり、大きな声で話すこと」。家族以外の高齢者と触れ合う機会は少ないが、座学で福祉の大切さを実感。今回の実践は地域の人を知る場になり、「見かけたら、あいさつしたい」と笑顔を見せた。見守る教諭は「つながるカフェは実践の場。子どもたちが主体となって企画、運営できるようになれば」と先を見据えた。

「冬の星空観察会」を開催します

「冬の星空観察会」を開催します

h「冬の星空観察会」を開催します

日時

令和6年2月9日(金)18:30~20:00
予備日:令和6年2月16日(金)18:30~20:00
当日延期または中止の場合は、申込時の連絡先へ電話連絡します。

場所

集合場所:根浜シーサイド≪レストハウス≫(現地集合・現地解散)
駐車場:根浜シーサイド駐車場
観察場所:根浜シーサイドキャンプ場

募集定員

30名(先着順)
申込期限:令和6年2月7日(水)まで
※参加費は無料です。
※小学生のお子様は必ず保護者同伴でお願いします。

申込方法

電話(0193-27-8453)またはFAX(0193-22-2199)でお申し込みください。
FAXの場合、添付の申込用紙をご使用ください。
冬の星空観察会チラシおよび申込用紙[PDF:802KB]
※電話でのお問合せ・お申し込みは平日8:30~17:17のみ

持ち物

筆記用具、懐中電灯、防寒具
※双眼鏡は貸し出せますが数に限りがあります。

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 市民生活部 生活環境課 環境保全係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8453 / Fax 0193-22-2199 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2022111400010/
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
taketourou1

東日本大震災追悼、防災啓発 市民手作り竹灯籠 今年も根浜避難階段に 2/11~点灯へ準備着々

竹灯籠づくりを行った体験会の参加者=20日、根浜シーサイド・レストハウス

竹灯籠づくりを行った体験会の参加者=20日、根浜シーサイド・レストハウス

 
 東北太平洋沿岸に甚大な津波被害をもたらした「東日本大震災」から間もなく13年-。被災した釜石市鵜住居町根浜地区では、犠牲者を追悼する竹灯籠の製作が始まっている。2021年に完成した地区内の津波避難階段に設置するもので、3年目の取り組み。今年は、今月1日に発生した能登半島地震の犠牲者鎮魂、早期復興への祈りも込める。20、27の両日は一般向けの製作体験会が開かれた。市民の思いが詰まった竹灯籠は2月11日から点灯を開始する。
 
 市が整備した観光施設「根浜シーサイド」の指定管理者かまいしDMC(河東英宜代表取締役)が、震災犠牲者の追悼、避難意識の啓発などを目的に実施する。同施設内のキャンプ場と高台の市道箱崎半島線をつなぐ避難階段(111段)に竹灯籠55本を設置予定。同地区を訪れる人に階段の場所を知ってもらうのにも役立てる。
 
キャンプ場から高台の市道に上がれる津波避難階段(左)。昨年の竹灯籠の点灯(右)

キャンプ場から高台の市道に上がれる津波避難階段(左)。昨年の竹灯籠の点灯(右)

 
 20日、レストハウスで行われた午前の体験会には、市内の家族連れのほかJICA海外協力隊の派遣前訓練で同市に滞在中の隊員計13人が参加した。根浜の間伐竹材を長さ1メートル弱に切り分けたものに、明かりが漏れるよう穴を開ける作業を行った。参加者は模様が描かれた型紙を竹に貼り、電動ドリルで大小の穴を開けた。
 
竹灯籠づくりに挑戦する参加者。電動ドリルを使って作業

竹灯籠づくりに挑戦する参加者。電動ドリルを使って作業

 
模様が描かれた型紙を竹に貼り、ドリルの刃を替えながら大小の穴を開けた

模様が描かれた型紙を竹に貼り、ドリルの刃を替えながら大小の穴を開けた

 
 栗林町の竹山凜乙ちゃん(4)は「かわいい模様になった。出来栄えは100点。海の近くの階段に飾る」とにっこり。13年前に被災した凜乙ちゃんの母親(34)は震災後に生まれた2人の子どもに日ごろから防災の話をしており、「(関連行事への参加で)津波の怖さ、人は(誰かに)助けられて生きていることを感じてもらえれば。他で起きている災害も決して人ごととは思ってほしくない」と話した。
 
 昨年3月から震災伝承活動を始めた同市最年少語り部の佐々木智桜さん(9、鵜住居町)は2回目の参加。同避難階段について「ここが道しるべ。(高台の)避難場所に続く道ということを知ってほしい」と願う。自身は“伝える”ことの大切さを実感。「大人になったら防災士の資格を取る。英語で伝えられるように英会話の勉強も始めた」と明かした。
 
同市最年少語り部の佐々木智桜さん(右)も熱心に作業

同市最年少語り部の佐々木智桜さん(右)も熱心に作業

 
完成した竹灯籠に明かりを入れると美しい模様が浮かび上がった。母智恵さん(右)と笑顔を見せる智桜さん

完成した竹灯籠に明かりを入れると美しい模様が浮かび上がった。母智恵さん(右)と笑顔を見せる智桜さん

 
 かまいしDMCで11日から研修を始めたJICA海外協力隊の川口泰広さん(61、山口県出身)は、地域住民から話を聞くなど同震災について勉強中。「学校の命を守る教育、住民の合意形成による地域復興など釜石ならではの取り組みに感心する」。8月から派遣されるラオスでは、これまでの知見を生かし、飲料水の水質改善に携わる予定。「東南アジアも津波被害がある地域。釜石での学びを何らかの形で生かせれば」と願い、今回のような地域貢献活動の経験も糧とする。
 
 竹灯籠は2月11日午後5時に点灯式を行った後、3月まで土日祝日に明かりをともす予定(3月11日も)。竹の中のLED電球は、廃食油を精製したバイオディーゼル燃料による発電で点灯する。同DMC地域創生事業部の佐藤奏子さんは3年目の活動に「追悼の気持ちを共にしながら、震災の記憶をつないでいく機会となっている。各地で災害が多発しており、有事の際はすぐ逃げられるような意識づくりが必要。今年は能登半島地震被災地への思いも皆さんで同じくしたい」と話す。
 
竹灯籠は2月11日から点灯開始。3月まで土日祝日の午後5時~同7時点灯。震災命日の3月11日(月)も同様

竹灯籠は2月11日から点灯開始。3月まで土日祝日の午後5時~同7時点灯。震災命日の3月11日(月)も同様

otanigrove1

夢詰まった贈り物“大谷グローブ”釜石にも届く 栗林小児童、やる気スイッチ刺激される

大谷翔平選手から贈られたグローブを喜ぶ栗林小児童

大谷翔平選手から贈られたグローブを喜ぶ栗林小児童

 
 「野球しようぜ!」。話題のグローブが釜石市内にも届いた。同じ岩手県出身、投打「二刀流」で活躍する憧れのメジャーリーガー、大谷翔平選手(奥州市出身)からの“すてきでかっこいい贈り物”に子どもたちは、にこにこ顔。栗林町の栗林小(八木澤江利子校長、児童32人)では23日に贈呈式を行い、キャッチボールで使い始めをした。
 
 大谷選手は2023年、子どもたちに野球に興味を持ってもらおうと、全国の小学校約2万校に計約6万個のジュニア用グローブを贈ることを発表。釜石では同年12月25日に市教育委員会に届けられた。すぐに全9小学校に引き渡したが、冬休み期間中だったため、3学期の始業式に合わせ各校で披露された。
 
大谷選手が小学校に贈ったグローブやメッセージ

大谷選手が小学校に贈ったグローブやメッセージ

 
 栗林小でも始業式(1月17日)で紹介した。大谷選手のメッセージを伝え、職員室前の廊下にグローブを展示すると、児童は「わー」と駆け寄って触ったり、はめてみたりと大喜び。「話題の青だね」とドジャースへの移籍を意識した言葉もあったという。
 
 贈呈式で、「大谷選手はなぜ、このグローブを贈ったか」と児童に問いかけた八木澤校長。添えられたメッセージを引用し、「野球を楽しんでほしいという願いはもちろん、これからを生きる皆さんに夢を与え、勇気づけるためのシンボルになることを望んでいるから。そして、野球こそが大谷さんに充実した人生を送る機会を与えてくれたものだから」と伝えた。グローブを手にするたびに夢について考えたり、何かを頑張ろうという思いを持つことを期待している、と贈り主の気持ちを推察。「すてきでかっこいいグローブを大事に、みんなで楽しみながら使っていきましょう」と呼びかけた。
 
八木澤江利子校長(左上の写真)が児童会長にグローブを手渡した

八木澤江利子校長(左上の写真)が児童会長にグローブを手渡した

 
 「やるぞー!」。5年の藤原大叶(ひろと)君と小林彩恋(あこ)さんが“始球式”ならぬ“使い始めキャッチボール”を行い、ほかの児童は「おぉ~」と歓声を上げながら見つめた。小林さんは「なんか軽い。使いやすかった」と感想。児童会長の小笠原実紅(みく)さんは、贈ってくれた大谷選手への感謝を口にした。
 
使い始めのキャッチボールを見守る栗林小の児童

使い始めのキャッチボールを見守る栗林小の児童

 
憧れの人からの贈り物に笑顔を見せる野球少年

憧れの人からの贈り物に笑顔を見せる野球少年

 
 贈られた“大谷グローブ”は、それぞれ大きさの違う右利き用2個と左利き用1個の計3個。いずれも小指の内側の部分に大谷選手のサインが刻まれている。野球に打ち込む藤原君は、憧れの人からの贈り物に感激。「大谷翔平さんみたいに夢をどんどんかなえていきたい」と“やる気スイッチ”を入れた。
 
大谷選手が送るメッセージ「野球しようぜ!」

大谷選手が送るメッセージ「野球しようぜ!」

 
 同校ではグローブに触れたことがない児童もいて、体育の授業で活用して慣れてもらうことからスタート。ボールを真っすぐに投げたり、キャッチできるようになったら、学年ごとに使う順番を決めて、休み時間などでも楽しむことにしている。

sennin1001

読書楽しみ満100歳! 釜石・仙人の里で生活中の山﨑ミツさん 多くの祝福に「おしょすようだぁ」

満100歳のお祝いに笑顔を輝かせる山﨑ミツさん=22日、仙人の里

満100歳のお祝いに笑顔を輝かせる山﨑ミツさん=22日、仙人の里

 
 釜石市甲子町の特別養護老人ホーム仙人の里(千葉敬施設長/長期利用66人、短期同14人)で生活中の山﨑ミツさんが20日、満100歳を迎えた。22日、施設内で祝う会が開かれ、出席した家族らとともに祝福を受けた。同施設利用者で100歳以上は山﨑さんを含め3人(最高齢103歳)となった。
 
 山﨑さんの100歳を祝う会は多くの利用者、職員が集まって行われ、長女の中北やす子さん(73、千葉県在住)ら娘3人も駆け付けた。千葉施設長は「満100歳、おめでとうございます。これからも変わらず、ミツさんらしく暮らしていただきたい」と祝福。住民登録のある大槌町から届いた平野公三町長の手紙を職員が読み上げ、千葉施設長が同町からの祝い金を山﨑さんに手渡した。施設からは祝いの花とバースデーケーキが贈られた。
 
大槌町からの100歳の祝い金を千葉施設長が贈呈した

大槌町からの100歳の祝い金を千葉施設長が贈呈した

 
施設や家族から祝いの花を贈られる山﨑ミツさん(上段)。利用者や職員も拍手でお祝い(下段)

施設や家族から祝いの花を贈られる山﨑ミツさん(上段)。利用者や職員も拍手でお祝い(下段)

 
 姉妹を代表し中北さんがあいさつ。「母は激動の時代を生き、父が病弱だったこともあり苦労も多かったと思うが、大らかで細かいことを気にしない性格。私たちも自由に育った」と感謝。「今は人生110年時代とのこと。まだまだ元気で長生きしてほしい」と願った。
 
 山﨑さんは1924(大正13)年1月20日生まれ。大槌町金沢出身で、8人きょうだいの2番目。戦後、25歳で釜石製鉄所に勤務していた同郷の夫(他界、享年82)と結婚し、3女を授かった。同市中妻、上中島町の社宅に暮らし、パート勤めもしながら家族の生活を支えた。和裁が得意で、仕立てを頼まれることも。100歳を祝う会で着用した着物も自分で縫い上げたもの。東日本大震災の津波被害に遭いながらも、奇跡的に無事だった一着だ。
 
母ミツさんのお祝いに駆け付けた(左から)長女中北やす子さん、次女小澤房子さん、三女山﨑由紀子さん

母ミツさんのお祝いに駆け付けた(左から)長女中北やす子さん、次女小澤房子さん、三女山﨑由紀子さん

 
 若いころから読書が好きで、社宅では新聞3紙を購読した。新聞は隅から隅まで読み、漢字の知識も豊富。「読めない字を聞くとすぐに教えてくれた」(長女やす子さん)という。読書欲は今も尽きることはない。小説、雑誌、新聞…。施設職員が手渡すと自らページをめくり、文章を声に出して読むことも。祝う会後、居室に戻った山﨑さんは平野町長の祝い状も流れるように読み上げ、娘たちや職員を驚かせた。
 
平野公三町長の手紙を声に出して読む山﨑さん

平野公三町長の手紙を声に出して読む山﨑さん

 
 生活相談員の佐藤啓祐さん(38)によると、山﨑さんは2022年6月から同施設を利用。施設内は車いすを自分でこいで移動する。食事は好き嫌いなく食べ、おやつの“甘いもの”も大好き。「食べることが長生きの秘訣」と自ら話しているといい、この日の昼食では誕生祝いのケーキとカレーライスを平らげた。「体調も安定している。これからも(長寿の)記録を延ばし続けるのでは」と佐藤さん。
 
 たくさんのお祝いを受けた山﨑さんは「おしょす(恥ずかしいの意)ようだぁー。こんな格好(着物姿)も」と照れ笑い。「みんなのおかげでここまで生きてこられた」と話し、この日は何度も手を合わせ、感謝の気持ちを表した。孫は4人、やしゃごが2人いる。
 
100歳のバースデーケーキに手を合わせ喜びの表情!

100歳のバースデーケーキに手を合わせ喜びの表情!

 
 長女のやす子さん、次女の小澤房子さん(70、釜石市在住)、三女の山﨑由紀子さん(68、大槌町同)は「母はいつも『何とかなるさ』と明るく前向きだった。子どもから見る限り、悩んでいる姿は見たことがない。私たちものびのびと育てられた」と口をそろえる。やす子さんは古里を離れて45年―。「母親というのは、幾つになっても心の支え。自分の中に心配し思う人がいると、人間は頑張って生きていける」。コロナ禍で面会ができなかった期間はとても寂しい思いをしたという。
 
施設職員が向けたタブレットに、手を挙げて「はい、ポーズ!」

施設職員が向けたタブレットに、手を挙げて「はい、ポーズ!」

 
 13年前の震災津波で、大槌・桜木町の自宅は大規模半壊。山﨑さんは一緒に暮らしていた由紀子さんと裏山に避難し、命をつないだ。由紀子さんは避難所生活を続けながら、「早く帰りたい」という母の願いをかなえるべく自宅修繕に奔走。その間、房子さんが母を預かり、古里に帰れる日を待った。地元に暮らす2人は「コロナも乗り越え、元気に100歳を迎えられて感無量」と施設職員に深く感謝。「これからもできるだけ会いにきて、来年、再来年と誕生日をお祝いできれば」と願いを込めた。

aat11omotethum

art at TETTO vol.11「MIRAI」illustrator 西川真央

art at TETTO vol.11「MIRAI」illustrator 西川真央
 
釜石のアーティストの展示会を開催します
 
<art at TETTO(アート アット テット)とは>
釜石・大槌在住の作家さんの作品展示と、交流の場を組み合わせたシリーズです。
ここで紹介する作家さんは、それぞれの方法で表現を楽しみ、日常に彩りを添えています。
作家さんや作品と出会い、日常がより楽しくなる事を心より願っています。
 
art at TETTO vol.11「MIRAI」illustrator 西川真央

message

すべての人の心の中には時間とかお金とかの
概念が侵入できない無垢な部分があって、
そこには小さなこどもが住んでいるのではないかと思っています。
みなさんの心に住む子どもたちがひょっこりと顔を出して
楽しくおしゃべりできるような展示になっていたら嬉しいです。
 
友達のお家に遊びに行くような感覚で
お気軽に見にきていただけると嬉しいです。
 

ワークショップ「水彩画の似顔絵を描きます!」

来てくださった方が纏っている雰囲気やカラーに合わせて、maoさんが描きます。
【開催日】2月3日(土)、4日(日)
【時間】①11:00- ②13:00- ③14:00-
【所要時間】約30-45分程度
【料金】1,000円 ※ 各回1組 (最大2名まで)
【お申込み】釜石市民ホール 0193-22-2266

 
aat11ura-1022x1024

日時

2024年2月2日(金)〜2月11日(日)
10:00〜18:00(最終日16:00)

会場

釜石市民ホールTETTO ギャラリー

料金

無料
※2月5日(月)は保守点検のため営業を休止いたします。

お問い合わせ

釜石市民ホールTETTO 0193-22-2266

主催

釜石市民ホールTETTO

釜石市民ホール TETTO

釜石市民ホール TETTO

問い合わせ: TEL 0193-22-2266 / FAX 0193-22-3809 / 公式サイト
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-9

mizubekansatsu5

探す、見つける、知る喜び「今年は何種類?」野鳥の宝庫・釜石で水辺の観察会 自然散策のススメ

釜石・片岸公園に飛来しているオオハクチョウ=13日、水辺の鳥観察会

釜石・片岸公園に飛来しているオオハクチョウ=13日、水辺の鳥観察会

 
 県沿岸有数の野鳥生息地、釜石市片岸町の鵜住居川河口周辺で13日、恒例の水辺の鳥観察会(市主催)が開かれた。東日本大震災の津波で大きな被害を受けた同所。2021年に減災機能を兼ね備えた水辺環境として整備された片岸公園には、今年もオオハクチョウが多数飛来。参加者の目を楽しませた。河口周辺では他にも、大小さまざまな色とりどりの野鳥を確認。フィールドスコープや双眼鏡で見ると、各個体の特徴がよく分かり、参加者は野鳥観察の面白さを体感した。
 
 子どもから大人まで32人が参加。釜石野鳥の会(臼澤良一会長、7人)の5人が講師を務めた。始めに片岸公園駐車場で、同会会員が周辺で見られる野鳥を写真で見せながら紹介。体色や鳴き声など判別のポイントを教えた後、片岸公園から釜石鵜住居復興スタジアム前の鎧坂橋付近までを歩きながら野鳥を探した。
 
釜石野鳥の会の会員が周辺で見られる鳥を紹介

釜石野鳥の会の会員が周辺で見られる鳥を紹介

 
沼地に憩う野鳥の姿を探す参加者(上段)。双眼鏡やフィールドスコープで確認(下段)

沼地に憩う野鳥の姿を探す参加者(上段)。双眼鏡やフィールドスコープで確認(下段)

 
 駐車場から沼地に向かうと、聞こえてきたのは「オオハクチョウ」の鳴き声。羽が灰色の幼鳥を含む群れが見られた。同会の菊地利明事務局長は「ハクチョウは天敵に襲われないよう水面に浮いたまま寝る。朝早く飛び立ち、田んぼにこぼれた米を食べたり、岸辺に生える草の根を食べる。日本で見られる鳥の中では体重が重いほう」と説明。観察時の注意点として、距離を保つことや餌を与えないことを挙げた。周辺を定期的に散歩している方によると、これまでに最大で42羽が確認されたという。沼地ではこの他、頬が白い「ホオジロガモ」や頭が茶色い「ホシハジロ」なども見られた。
 
さまざまな種類の野鳥が集まる片岸公園の沼地

さまざまな種類の野鳥が集まる片岸公園の沼地

 
公園を散歩する人たちの目を楽しませているオオハクチョウの群れ

公園を散歩する人たちの目を楽しませているオオハクチョウの群れ

 
 鵜住居川の中州では「アオサギ」や「クロガモ」、「イカルチドリ」などを確認。鵜片橋上流に目をやると石の上で憩う「マガモ」の雄(頭が緑)、橋の下に広がるヨシ原では「ホオジロ」も見られた。参加者が楽しみにしていたのは“飛ぶ宝石”と称される「カワセミ」。ここ数年、鎧坂橋付近で確認されており、この日は一瞬だが、飛ぶ姿が見られた。特徴である頭から背中にかけての青色が見え、参加者を喜ばせた。
 
鵜住居川水門の近くで見られたアオサギ。体色のコントラストが美しい。下段奥の右側はマガモの雄(緑色の頭が特徴)

鵜住居川水門の近くで見られたアオサギ。体色のコントラストが美しい。下段奥の右側はマガモの雄(緑色の頭が特徴)

 
左上:ダイサギ。右上:イカルチドリ。下段:ヒドリガモ。公園内の草地で餌をついばむ

左上:ダイサギ。右上:イカルチドリ。下段:ヒドリガモ。公園内の草地で餌をついばむ

 
 約1時間の観察後、駐車場に戻ると…。道路沿いに並ぶ電柱の上に鎮座していたのは、タカの仲間「ノスリ」。トビよりも一回り小さく、短めの尾は開くと先が丸みを帯びているのが特徴。獲物を見つけると急降下し、野を擦るように飛んで捕まえることから、この名がついたといわれる。
 
 最後は見た鳥を確認する「鳥合わせ」。見られたのは29種類で、昨年並みだった。鵜住居町の町田音和ちゃん(5)は鳥と恐竜が大好き。保育園の帰りにほぼ毎日、ハクチョウを見に来るほどで、「鳥見るの楽しい。びっくりしたのはカワセミ。パパが買ってくれた図鑑に載っている鳥をもっと見てみたい」と興味津々。母理美さん(41)は「名前を知らなかった鳥も見られた。釜石は自然が豊か。娘にはここでしか見られないものをいっぱい見せてあげたい」。「また来ようよ」と話す音和ちゃんを温かく見守った。
 
 今回の観察会では子どもの参加も増えた。菊地事務局長は「興味を持ってくれて感激。生で見られる場所があるのが釜石の良さ。本物を見ることは子どもたちにとってもいい経験になる」と観察会の継続を願う。
 
子どもから大人まで楽しめる野鳥観察。名前が分かるとさらに面白い!

子どもから大人まで楽しめる野鳥観察。名前が分かるとさらに面白い!

 
夢中でカメラをのぞき込む子に笑顔を見せる臼澤会長(左)。右上:電柱に止まるノスリ。右下:街中でもあまり見られなくなったスズメの群れ

夢中でカメラをのぞき込む子に笑顔を見せる臼澤会長(左)。右上:電柱に止まるノスリ。右下:街中でもあまり見られなくなったスズメの群れ

 
 同観察会は市生活環境課が1977年から継続。悪天候や震災の影響で中止された年もあるが、蓄積されたデータは同所の自然環境の推移を知る一助にもなっている。鵜住居川河口周辺は震災前、野鳥が営巣できる樹木も多く、観察会では50種前後が確認できた。津波で河口の位置が変わり、堤防内外の自然環境も大きく変化したことで、被災後数年間は、見られる野鳥の種類、数ともに激減したが、観察会が再開された直近の過去3年間は30種ほどで推移している。
 
 「さらに草木が増えてくれば、野鳥の生息、飛来数も増える可能性はある。最も重要なのは鳥が餌を食べられる環境。食物連鎖がうまくいくことで、より多くの鳥が生息できるようになる」と野鳥の会の臼澤会長。近年はサケの遡上が減ったことで、産卵後のサケなどを餌とするワシの姿が見られなくなっているという。
 
鵜住居川周辺は絶好の野鳥観察スポット。皆さんもぜひ楽しんでみては?

鵜住居川周辺は絶好の野鳥観察スポット。皆さんもぜひ楽しんでみては?

kyodogeinosai26thum

第26回釜石市郷土芸能祭

第26回釜石市郷土芸能祭

 

市内に伝わる郷土芸能を皆様にご覧いただき、広く知っていただくとともに、郷土芸能の次代への伝承・継承者育成のため、市と市教育委員会が2年に1度開催しているものです。
 
26回目となる今回は、令和3年7月に世界遺産登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」に含まれる「御所野遺跡」がある一戸町から岩手県指定文化財の「一戸の山伏神楽~高屋敷神楽~」をお招きしています。
 
入場は無料です。皆様のご来場をお待ちしております。

 

第26回釜石市郷土芸能祭[PDF:2.36MB]

市内出演団体(出演順)

「八雲神楽」「小川しし踊り(市指定)」「松倉太神楽」「桜舞太鼓」「神ノ沢鹿踊(市指定)」「丹内神楽(市指定)」「両石虎舞(市指定)」「南部藩壽松院年行司支配太神楽(県指定)」
 
特別出演
「一戸の山伏神楽~高屋敷神楽~(県指定)」

日時

令和6年2月4日(日)
開会10:00~(開場9:30/終了14:30)

会場

釜石市民ホールTETTO ホールA (釜石市大町1-1-9)
入場無料

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 文化スポーツ部 文化振興課 文化財係
〒026-0003 岩手県釜石市嬉石町1丁目7番8号
電話 0193-27-7567 / FAX 0193-27-7568 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2024010500044/
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
mukashikko1

五穀豊穣、子どもの健やかな成長…新たな年に願い込め 鵜住居地区でみずき団子作り

鵜住居公民館 郷土風習伝承事業「お~い!むかしっ子教室」=12日

鵜住居公民館 郷土風習伝承事業「お~い!むかしっ子教室」=12日

 
 釜石市鵜住居町の鵜住居公民館(松下隆一館長)で12日、小正月の風習「みずき団子」を次世代に伝える行事が行われた。「お~い!むかしっ子教室」と銘打った郷土風習伝承事業として同館が企画。地域の高齢者が小学生に団子作りを教え、ミズキ(水木)に飾り付けた。参加者は「良い年に…」と願いを込めながら世代間交流を楽しんだ。
 
 昨年に続いての開催で、鵜住居学童育成クラブの小学1~3年生18人と地域住民13人が参加した。団子作りを前に同館職員の植田優子さんがみずき団子について説明。五穀豊穣を祈る小正月の伝統行事で、ミズキが用いられるのは木の特徴にちなんだ3つの願いが込められているからだと伝えた。▽水辺に生え、水をよく吸い上げる=「火事にならないように」▽芽が上を向いている=「運が上を向くように」▽育ちが早い=「子どもが早く育つように」―。四色の団子は四季を表しているという。
 
地域の高齢者に教わりながら鵜住居小の子どもたちが団子作り

地域の高齢者に教わりながら鵜住居小の子どもたちが団子作り

 
「どんな形にしようかな?」出来上がりを想像しながら手を動かす

「どんな形にしようかな?」出来上がりを想像しながら手を動かす

 
 説明を聞いた参加者は4グループに分かれて団子作りを開始。団子の粉におからを混ぜて練り上げ、食紅で色づけ。小さくちぎって、丸形や好きな形に仕上げた。団子は、同館が開く「男の手料理教室」のメンバー7人がゆで上げ、子どもたちが2本のミズキに飾り付けた。
 
 団子がゆで上がるまでの間、参加者は市内で方言による民話の伝承活動を行う「漁火の会」の昔話を聞いた。会員3人が地元に伝わる民話などを披露。遠野物語に収録される同市橋野地区の14話から「一の権現大杉とせの木」も語った。正月のわらべ歌や岩手弁の方言カルタも楽しんだ。
 
男の手料理教室のメンバーが団子をゆでる。おみやげ用のおから団子も作った

男の手料理教室のメンバーが団子をゆでる。おみやげ用のおから団子も作った

 
「漁火の会」による民話披露。橋野町太田林に伝わる話も紹介

「漁火の会」による民話披露。橋野町太田林に伝わる話も紹介

 
4色の団子をミズキに飾る。「今年1年良いことがありますように…」

4色の団子をミズキに飾る。「今年1年良いことがありますように…」

 
 澤本芽依さん(鵜住居小1年)は初めてのみずき団子作り。「丸めたり、いろいろな形にするのが楽しかった。来年も来たい」とにっこり。小笠原皐太君(同2年)は2回目の参加。「教えてもらったので、とても丁寧にできた。出来栄えは100点。昔はこんなのをやっていたんだと勉強になった」と喜んだ。
 
 鵜住居町の駒林ユウ子さん(74)はみずき団子について「うちでは小正月には必ず作る。団子は亡くなった夫に供え、県外にいる娘にも送る。古里の味を覚えているようで」と、子どものころからの風習を今に受け継ぐ。浜育ちで、「昔はスルメを吊るしたり豪華だった。今はあまりやらなくなったもんねぇ。今日聞いた正月のわらべ歌も母が歌ってくれていた記憶がある」と懐かしんだ。
 
 子どもたちは教えてもらったお礼に、みんなで手作りした今年のえと「辰」の飾りを参加住民にプレゼント。地域の風習、地域の人を知る交流を通して、冬休みの楽しい思い出を胸に刻んだ。
 
みずき団子作りで交流を深めた参加者

みずき団子作りで交流を深めた参加者

第13回全国虎舞フェスティバル

第13回全国虎舞フェスティバル

 

今年も全国虎舞フェスティバルを開催します。虎舞フェスティバルは県外からも虎舞団体が参加する虎舞の祭典です。
今年は、市内9団体(こども虎舞含む)、市外1団体、県外1団体の11団体が参加します。皆様のご来場をお待ちしております。

日時

2024年2月25日(日)
開場9:30 開演10:00 終演14:00(予定)

場所

釜石市民ホールTETTO

入場料

無料

虎舞体験会

時間:フェスティバル終了後
内容:虎舞の踊り方や太鼓さばき体験など
料金:1人1,000円
チラシはこちら

 

<舞体験会お申込み・問い合わせ先>
釜石観光総合案内所
電話 0193-22-5835
受付時間 9:00~18:00

かまいし宿泊キャンペーン

「第13回全国虎舞フェスティバル」に併せ「かまいし宿泊キャンペーン」を実施します。
釜石市外からお泊まりで虎舞フェスティバルを観覧に来られる方は1人1泊あたり2,000円の助成と、虎舞体験会が半額で体験出来ます。
各施設定員に達し次第終了となりますので、詳しくは こちらのページ をご確認ください。

かまリン

(一社)釜石観光物産協会

釜石市内の観光情報やイベント情報をお届けします。

公式サイト / TEL 0193-27-8172 / 〒026-0031 釜石市鈴子町22-1 シープラザ釜石

survival-project02thum

サバイバルマスター 1DAYチャレンジ!

survival-project02
 

災害時に役立つスキルを手に入れろ!
 
2月3日(土) ナイフ編
2月4日(日) ファーストエイド編
 
/// 人の手助けができるサバイバルマスター®️に ///
 
全国の子どもたちにお願いです。
災害時は、大人たちだけでは対応できないことが次々に起こります。
そんな時のために一緒に学び続けよう。

8つのサバイバルプログラム

講習を受けると修了証、実技・筆記試験に合格するとワッペンがもらえます。
スキルが身についているか?学んだことを理解しているか?が合格の基準。
8つのプログラムすべてのワッペンがそろうと「サバイバルマスター」として認定されます。
 

サバイバルマスター 1DAYチャレンジ!チラシ(PDF/529KB)

スケジュール

9:30 受付開始
 
10:00 講習開始
このスキルを身に着けたら、どういった場面で役にたつか、学びながら練習しよう!
 
12:00 昼食
 
13:30 実技試験
スキルが身についているかテスト!
 
14:00 筆記試験
知識がしっかり身についているかテスト!
 
14:50 ふりかえり
 
15:00 解散

定員

15名(先着順)※最小催行:3名

インストラクター

伊藤 聡
さんつな 代表
釜石高等学校 探求学習講師「防災ゼミ」
72時間サバイバル教育協会 認定ディレクター
 
釜石生まれ釜石育ち。
東日本大震災で自身も被災したものの、生まれ育ったまちを取り戻すため、ボランティアコーディネートを中心とした活動からスタート。
 
自然と災害という二つの要素を織り交ぜながら、子どもたちの生きる力を高めるために、様々な体験機会のコーディネートを行っています。
 
<<主な資格>>
防災士、防災検定2級、JVCAボランティアコーディネーション力検定2級、MFAメディック・ファーストエイド チャイルドケアプラス

お申し込み

予約フォームよりお申し込みお願いします!
https://reserva.be/santsuna
 
日程:2023年2月3日(土)〜4日(日)
料金(税込):各回3,000円/一人あたり
対象:小学3年生以上
会場:根浜レストハウス多目的ホール (釜石市鵜住居町第21地割23番地1外)
料金に含まれるもの:
※プログラム費、検定費、保険代など含みます
※助成金により、通常の参加費(5,500円)より割安になっています
※子ども向けの内容ですが大人も参加大歓迎です
注意事項:
●参加費は当日受付でお支払いお願いします(現金、PayPay、かまいしエール券)
●保護者や、対象年齢以外のご家族も付き添い(見学のみ)可能です

主催・お問い合わせ

さんつな(三陸ひとつなぎ自然学校)
LINE https://lin.ee/RvMUVBk
TEL 0193-55-4630 / 090-1065-9976
mail hitotsunagi.main@gmail.com

協力

72時間サバイバル教育協会
Tri4JAPAN

さんつな

さんつな

自然と災害という二つの要素を織り交ぜながら、若者の生きる力を高めるための体験機会を提供しています。

問い合わせ:0193-55-4630 〒026-0301 岩手県釜石市鵜住居町29-17-20
メール / LINE / 公式サイト / Facebook