カンパンを使った菓子作りを通じ防災食への理解を深めた参加者

カンパン使い菓子作り、鵜住居公民館「わんぱく子ども教室」〜楽しみながら防災食の調理実習

カンパンを使った菓子作りを通じ防災食への理解を深めた参加者

カンパンを使った菓子作りを通じ防災食への理解を深めた参加者

 

 釜石市鵜住居町の鵜住居公民館(笹村聡一館長)で14日、防災食について理解を深める調理実習が行われた。同公民館事業「わんぱく子ども教室」の一環で、市内の小学生と保護者ら12人が参加。自然災害発生時の避難後の限られた生活の中でも元気に過ごすための食の大切さを再認識した。

 

 講師は三陸ひとつなぎ自然学校の柏﨑未来さん(35)で、同公民館の村田奈々さん(37)がサポート。子どもたちは、釜石高の生徒が考えたカンパンを使った菓子作りに挑戦した。

 

 細かく砕いたカンパンに豆乳とチョコレートを加えて混ぜ、シュガーパウダーをからめて丸いボール型に整えると完成。密閉できる透明の袋や紙コップを用いて簡単にでき、子どもたちは楽しんで取り組んでいた。「甘いにおいがする。食べたーい」との声もあったが、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮して試食は行わず、持ち帰りにした。

 

 座学の講師は、地域おこし企業人として江崎グリコ(大阪市)から釜石市に派遣されている大窪諒さん(30)。防災食の種類や普通食との違い、消費期限と賞味期限の違い、食品の劣化などを解説した。

 

 鵜住居小1年の佐々木智桜(ちさ)さんは「丸くするのが難しかったけど、できたから良かった。訓練はしたことがあるけど、実際に避難したら、教えてもらったことを生かしたい」とうなずいた。母智恵さん(38)は「親子で学ぶいい機会に。自宅でも備蓄している。期限を確認し、子どもたちと家で再挑戦したい」と意識を高めた。

「しごと・くらしサポートセンター」イオンタウン釜石内に開所〜就業支援や定住促進を強化、魅力発信の連携拠点に

「しごと・くらしサポートセンター」イオンタウン釜石内に開所〜就業支援や定住促進を強化、魅力発信の連携拠点に

就業と移住定住の促進に向けたサポートセンターの開所を祝ってテープカットする関係者

就業と移住定住の促進に向けたサポートセンターの開所を祝ってテープカットする関係者

 

 釜石市は15日、雇用・就業支援や移住定住促進の取り組みを強化するため、港町のイオンタウン釜石内に「しごと・くらしサポートセンター」を開所した。相談窓口としての機能充実に加え、まちの魅力などの情報発信、関係機関との連携の拠点として運営。新年度には市役所内にある移住定住支援センターも移転させ、体制強化のもとで一体的な取り組みを進める。

 

 東日本大震災から間もなく10年、市内で進む復興事業は一定のめどが付けられる段階。復興期間が終盤を迎えるにあたり、人口の流出とそれに伴う経済の縮小、加速する少子高齢化が課題となっている。さらに新型コロナウイルス感染症の影響も加わり、震災後、一時改善傾向を示していた雇用状況が急速に悪化し、地域経済は厳しい状況に置かれている。

 

 こうした背景を受け、市では就業や企業の人材育成の支援など雇用の改善を図り、地域への移住定住を促進する取り組みの強化を重要な施策として挙げる。人口減少時代の持続可能なまちづくりを図るべく、集客力のある商業施設にセンターを設けて窓口機能を分かりやすく、効果的に情報を発信していく。

 

 開所式には関係者ら約20人が出席。野田武則市長が「コロナ禍で大変厳しい経営を余儀なくされている事業者、仕事に不安を抱えている労働者にも適切に応えながら雇用・就業状況、人口動態の改善に向けた施策を積極的に展開。より一層住みよく魅力的なまちづくりを進めていく」とあいさつし、テープカットした。

 

 イオン釜石2階にオープンした施設(広さ315平方メートル)には個別相談ブースやセミナールーム、会議室、キッズスペースなどを配置。市内を拠点に人材育成やまちづくり支援事業を手掛けるパソナ東北創生が運営し、3人体制で担う。事業費は3千万円。国のコロナ対策の臨時交付金も活用した。

 

 就業支援窓口は「ジョブカフェかまいし」と位置付け、求職者の就職相談や適性診断のほか、受け入れ側となる事業者向けに採用や職場環境改善の相談、人材育成・定着支援なども行う。

 

 4月には市商工観光課内にある移住定住相談センターも移転させ、仕事・住宅・暮らしに関する情報提供や空き家の利活用など幅広い相談に対応。多様な人が働きがいのある仕事で活躍し、住み続けるまちづくりを進める。

 

 利用無料。開所時間は午前10時~午後6時、休所日は木曜と年末年始。問い合わせは同センター(電話0193・27・6177)へ。

「きれいだね」。カラフルに飾り付けられたミズキを見上げる園児たち

「コロナに負けるな」と思い込め〜健康願う みずき団子、かまいしこども園

「きれいだね」。カラフルに飾り付けられたミズキを見上げる園児たち

「きれいだね」。カラフルに飾り付けられたミズキを見上げる園児たち

 

 釜石市天神町のかまいしこども園(藤原けいと園長、園児84人)で12日、小正月の伝統行事が行われ、4、5歳児約40人が今年一年の健康を願って「みずき団子」を作った。

 

 子どもたちは、団子粉で作った赤、白、緑、黄、だいだい色の団子をミズキの枝先に一つ一つ丁寧に飾り付け。色鮮やかな出来栄えに、笑顔の輪を広げた。

 

 中村妃那ちゃん(6)はカラフルな飾りの完成に「きれい。みんなと一緒につくって楽しかった」とうなずいた。

 

 例年は地域の住民も招いて交流を楽しむ機会にしていたが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し自粛。作ったミズキ飾りの一部は隣接する復興住宅に届け、触れ合いをつないだ。

 

 藤原園長は「子どもも大人も、地域のみんなの健康が守られる一年に。こういう世の中だが、行事を減らすのではなく、子どもたちに伝統や季節を感じてもらえるよう、できる形を考え続けていきたい」と見守った。

笑いで元気に!三遊亭楽大の「正座の限界60分落語会」

笑いで元気に!三遊亭楽大の「正座の限界60分落語会」(鵜住居公民館)

笑いで元気に!三遊亭楽大の「正座の限界60分落語会」

 

落語による心の復興事業 笑いで元気に!三遊亭楽大の「正座の限界60分落語会」

新型コロナウィルスの感染拡大により、三遊亭楽大さんはリモート出演となります。

 
近隣の住民の方々や災害公営住宅の住民の方々のコミュニティの形成の一助となることを目的に落語会を開催致します。
 

感染症拡大防止対策ご協力について
●新型コロナウィルス対策として、入場する際には皆様にマスクの着用、手指の消毒、体温の計測等へのご協力をお願い致します。
●入場に関しまして体調の悪い方及び体温が37.5度以上の方の入場をお断り致します。

 

日時

令和3年1月28日(木)11:30〜

場所

鵜住居公民館

入場料

無料

主催・お問い合わせ

釜石まちづくり株式会社
TEL 0193-22-3607

 

※落語による心の復興事業は「令和2年度岩手県被災者の参画による心の復興事業の補助を受けて実施しています。

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

【釜石×オーストラリア】コラボジェラートの名称を募集します!

【釜石×オーストラリア】コラボジェラートの名称を募集します!

【釜石×オーストラリア】コラボジェラートの名称を募集します!

 

釜石市はオーストラリアを相手国とし、2017年11月に復興「ありがとう」ホストタウンとして登録され、青少年を中心に継続的に交流活動を実施してきております。
 
このたび、市民のみなさまにオーストラリアの食や文化をもっと身近に感じていただくため、オーストラリアと釜石の食材を使ったコラボジェラートを開発しました。魚河岸テラスジェラート部では、3月13日(土)からの販売開始に合わせ、その名称を現在募集しております。両国の交流がますます盛んになるよう、みなさまのご応募のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

応募方法

① 用紙:応募用紙を魚河岸テラス窓口に提出(応募用紙[PDF:551KB]
② 郵送:ジェラートの名称、氏名、電話番号、住所、性別、年齢をはがきに記入の上、下記宛先まで送付
 
<送り先>
〒026-0012 岩手県釜石市魚河岸3-3
魚河岸ジェラート部 宛
 
③ WEB:インターネットで応募する場合は、こちら よりご応募ください。
 
※応募締切:令和3年2月28日(日)までとなります。お早めにご応募ください。

特典

採用された方は、3月31日(日)まで毎日1個ジェラートを無料でお召し上がりいただけます。
 
※その他、詳細については こちら をご覧ください。

問い合わせ先

株式会社かまいしDMC
住所:釜石市魚河岸3-3 電話:0193-27-5260

 

●ホストタウンとは?
 日本の自治体と、2021年に延期となった東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に参加する国・地域の住民等がスポーツ、文化、経済などの多様な分野で交流することを通じて、地域の活性化等に活かし、東京大会を超えた末永い交流を実現することを目的とした取組です。

 

●フレンズ・オブ・オーストラリアとは?
 オーストラリア政府はスポーツ外交キャンペーン「AUS+RALLY」(オーストラリー)を展開しており、スポーツを通じて各自治体・団体とオーストラリアとの交流を深めています。2020年3月に釜石市はオーストラリアと親交を深めている自治体・団体「FRIENDS OF AUSTRALIA」(フレンズ オブ オーストラリア)の一員として、登録されています。

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 文化スポーツ部 国際交流課
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町22番1号 シープラザ釜石2F
電話 0193-27-5713 / FAX 0193-31-1170 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2021012500065/
釜石市

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地吹雪模様の中、創作を両手に持って集団登校する白山小児童

マスク姿で元気に再開〜市内小中学校 3学期始業

地吹雪模様の中、創作を両手に持って集団登校する白山小児童

 

 釜石市内の小中学校は19日までに、3学期を迎えた。新型コロナウイルス感染拡大の懸念が一層高まり、例年にない寒さが続く中で、学びやに児童生徒の明るい声が戻った。

 

 19日は小学校5校で始業式が行われた。嬉石町の白山小(熊谷直樹校長、児童37人)では、早朝まで降った粉雪が強風に舞う中、自由研究や作品を抱えた児童が集団登校した。

 

 始業式は体育館で行われ、熊谷校長が「今年は丑年(うしどし)。心と体の健康を守り、牛のように粘り強く、あきらめない気持ちと、優しい心遣いで学校生活を送ろう」と呼び掛けた。

 

 川﨑新士君(5年)は「3学期は算数をがんばる。児童会活動では気持ちのいいあいさつを続け、ラストスパートを全力で駆け抜けたい」と意気込んだ。

 

 教室に戻り、健康チェック。冬休み中の出来事を語り合い、自由研究などの作品を披露した。

「失敗の鉄学」謎を解き明かす〜「背景には政治的理由も」鉄の歴史館 小野寺名誉館長

「失敗の鉄学」謎を解き明かす〜「背景には政治的理由も」鉄の歴史館 小野寺名誉館長

講演する小野寺英輝名誉館長

講演する小野寺英輝名誉館長

 

 近代製鉄発祥の地・釜石で明治時代に操業した官営釜石製鉄所は、なぜ、わずか3年で廃止されたのか―。その謎を解き明かす講演会が9日、釜石市大平町の市立鉄の歴史館で開かれた。同館の小野寺英輝名誉館長(岩手大理工学部准教授)が鉄の記念日行事として講演。市民ら約20人が聴講した。

 

 昨年は同製鉄所の創業140周年にあたり、市は同館で特別企画展「失敗の鐵(てつ)学」を開催。さらなる学びの場として「官営製鉄所の操業挫折―過失?故意?」と題した講演会が企画された。

 

 同製鉄所は明治政府工部省が行った全国の鉱山の官営化に伴い、現釜石市鈴子町、日本製鉄構内に建設され、1880(明治13)年から操業を開始した。

 

 沿岸部への立地は大橋採掘場、小川製炭場から釜石港までを結ぶ「工部省鉱山寮釜石鉄道(26・3キロ)」が整備されたことで実現。山間部から鉄鉱石、木炭などを大量輸送でき、製造した鉄を船で搬出しやすい場所が選ばれた。大橋、橋野高炉は建物が木造だったのに対し、官営はれんが造り。近代化の先駆けが釜石にあったことをうかがわせる。

 

 官営の25トン高炉は平均一日約15トンを出銑し、操業自体に大きな問題はなかったが、製炭場や山林の火災で木炭供給ができなくなり、1年余りにわたり操業を休止。木炭の準備が整った後再操業するが、炉内の「鉱滓凝結」で湯口が閉塞して出銑できなくなり、そのまま廃業の道をたどる。

 

 小野寺名誉館長は複数の報告文書から、同製鉄所の失敗原因を考察。「高炉形状の不適合、鉱石の焙焼(ばいしょう)不足、粗悪な品質のコークス使用が原因とされる鉱滓凝結」は廃業の主因ではなく、背景に4つの外的要因▽鉱床調査が不十分▽木炭供給場所が狭小▽鉄需要の僅少▽人件費、輸送費の高騰(野呂景義らの「釜石鐵山調査報告」から)―があることを示した。

 

 当時、国内の鉄需要は増加しつつあったが、鉄鋼製品の完成品輸入が多く、原材料としての鉄需要はわずか。政府は当初、鋼材やレールの製造工場を釜石につくり、国内のインフラ整備を進める計画だったが、製造技術が未成熟で社会的要請も十分ではなかったため実現不能に。釜石の鉄は大砲鋳造用程度の用途しかなく、多額の経常経費を要し、割高な製品しか造れない同製鉄所の継続は莫大な欠損を生むとし、廃業が決まる。高炉の再開判断時に工部省が行った鉱石の埋蔵量調査で、資源枯渇の見通しが示されたことも要因となった。

 

 興味深いのは、廃業は故意ではないかということ。検討のきっかけとなった凝結の一因は生鉱石の投入によるもので、「経費削減のためとされた焼鉱の省略は、実は事業破壊のためだった」と記された文書がある。小野寺名誉館長は「事業見通しの責任問題を回避するため、意図的に起こした失敗(政治的事件)ではないか」と指摘する。廃業の「過失」を資源埋蔵量の事前調査の不備と計画性の甘さ、「故意」を事業休止への誘導(高炉の停止)―とし、技術的な原因とともに政治的理由が推測されることを明かした。

 

 83年の廃業後、設備の払い下げを受けた商人・田中長兵衛は、釜石鉱山田中製鉄所を設立。日本の工業化の急激な進展に伴い、国内製鉄業の中心となった。釜石の技術は後に大きな発展を遂げる官営八幡製鉄所にも伝えられている。

前向きに生き抜いて満100歳〜特養ホーム仙人の里で百歳を祝う会

前向きに生き抜いて満100歳〜特養ホーム「仙人の里」で百歳を祝う会

桃色のちゃんちゃんこと帽子を身に着けた100歳の菊池さん(中)、孫の荒田さん(右)

桃色のちゃんちゃんこと帽子を身に着けた100歳の菊池さん(中)、孫の荒田さん(右)

 

 釜石市甲子町の特別養護老人ホーム仙人の里(大久保孝信施設長)を長期利用する菊池キサさんが4日、満100歳となり、同施設で「百歳を祝う会」が開かれた。施設利用者や職員が長寿に温かい拍手を送ると、菊池さんは「ありがとうね」と笑みを返した。

 

 大久保施設長が「1世紀、激動の厳しい時代を懸命に生き抜いてきた。ここでゆったりと明るく楽しく過ごしてほしい」とあいさつ。市の特別敬老祝い金や記念品の羽毛掛け布団などが贈られた。

 

 菊池さんは1921(大正10)年、花巻市の農家に生まれた。遠野市出身で製鉄所勤めの故良助さんと結婚し、釜石で3女を育てた。

 

 同施設は昨年1月から長期利用。それまで野田町の自宅で一緒に暮らした荒田成隆(しげたか)さん(46)が、孫7人を代表して駆け付けた。

 

 ガーデニングが趣味で、四季折々の花を育て楽しんできた菊池さん。よく寝て、よく食べ、自分のリズムを持ち、前向きな性格。控えめだが人と話すことが好きで、コミュニケーション力もあるという。

 

 隣の部屋から流れてきた「釜石小唄」に合わせ、菊池さんは「チャンチャリンコ、チャンチャン」と口ずさみながら手踊り。会場が和やかな空気に包まれた。荒田さんは「本当に元気。もっと長生きしてほしい。年を聞くと、答えはいつも『92歳』。精神的に若い」と目を細めた。

 

 市内の100歳以上は菊池さんで29人となった。

溶解した鉄が流れ出る高炉の前での作業風景=「湯口前働之図」

「紙本両鉄鉱山御山内並高炉之図」公開〜幕末の操業初期の姿に注目、鉄の歴史館

溶解した鉄が流れ出る高炉の前での作業風景=「湯口前働之図」

溶解した鉄が流れ出る高炉の前での作業風景=「湯口前働之図」

 

 日本近代製鉄の原点となった釜石市の橋野、大橋両鉄鉱山の操業を記録した絵図絵巻「紙本両鉄鉱山御山内並高炉之図(しほんりょうてっこうざんおやまうちならびにこうろのず)」2巻が8、9の両日、大平町の市立鉄の歴史館で公開された。昨年11月、日本製鉄から同市に寄贈され、初の一般公開。1974(昭和49)年に県指定文化財となったもので、幕末の操業初期の設備、製造工程などが色鮮やかに描かれている。

 

 「設備編」は幅27センチ、長さ869センチ。19図(大橋3、橋野16)が収録されており、両鉄鉱山の鳥瞰(ちょうかん)図、高炉やフイゴ、水車などの構造が描かれる。鳥瞰図は高炉場のほか採掘場、運搬路を山中の高所から俯瞰(ふかん)して描かれ、高炉場内の設備や建物、各採掘場の位置関係が見てとれる。高炉は断面図や平面図もあり、詳細な構造を知ることができる。

 

 「作業編」は幅26センチ、長さ606センチ。10図が収録され、鉄鉱石の採掘から運搬、高炉の操業、出荷まで一連の工程が描かれる。作業員の表情、動きも生き生きとしていて、当時の鉱山労働の様子が伝わってくる。

 

 見学した甲子町の伊藤雅子さん(61)は「パンフレットなどでは見たことがあるが、本物は重々しい感じ。人力の作業は大変だったろう。製鉄の歴史の古さを感じる」と話した。

 

鉄の歴史館で行われた絵巻の一般公開

鉄の歴史館で行われた絵巻の一般公開

 

 作業の様子や鳥瞰図は盛岡藩お抱えの絵師、設備図面は高炉作業に従事していた技師が藩への業務報告として描いたと見られ、内容から1861~64(文久元~元治元)年作と推測される。かつては盛岡藩主南部家が所蔵し、後に富士製鉄に寄贈された。これまで釜石製鉄所で保管されてきたが、橋野鉄鉱山世界遺産登録5周年の昨年、市に寄贈された。

 

 市世界遺産課の森一欽課長補佐は「橋野に残る高炉の石組みだけではイメージしにくい製鉄の現場、高炉の構造がよく分かる。絵巻のおかげで、当時のまま残されていることが証明された。近代製鉄を知る上で鍵になる資料といえる」と価値を示す。

 

 市は今後、12月1日の「鉄の記念日」前後など年1回程度の公開を予定する。

笑いで元気に!三遊亭楽大の「正座の限界60分落語会」

笑いで元気に!三遊亭楽大の「正座の限界60分落語会」(釜石PIT)

笑いで元気に!三遊亭楽大の「正座の限界60分落語会」

 

落語による心の復興事業 笑いで元気に!三遊亭楽大の「正座の限界60分落語会」

近隣の住民の方々や災害公営住宅の住民の方々のコミュニティの形成の一助となることを目的に落語会を開催致します。岩手県沿岸で落語を生で楽しむことができる貴重な機会になるかと思います。是非この機会に皆様お誘いあわせの上、ご来場下さい。

 

感染症拡大防止対策ご協力について
●新型コロナウィルス対策として、入場する際には皆様にマスクの着用、手指の消毒、体温の計測等へのご協力をお願い致します。
●入場に関しまして体調の悪い方及び体温が37.5度以上の方の入場をお断り致します。

 

日時

令和3年1月20日(水)11:00〜

入場料

無料

主催・お問い合わせ

釜石まちづくり株式会社
TEL 0193-22-3607

 

※落語による心の復興事業は「令和2年度岩手県被災者の参画による心の復興事業の補助を受けて実施しています。

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

金びょうぶの前で笑顔を輝かせる新成人

晴れ姿に笑顔咲く、成人のつどい 参集開催断念も コロナに負けず〜二十歳の誓い ネットで配信、震災から10年 教訓も忘れず

金びょうぶの前で笑顔を輝かせる新成人

金びょうぶの前で笑顔を輝かせる新成人

 

 新型コロナウイルス感染拡大で、中止や延期、オンライン開催とさまざまな措置がとられた各地の成人式。釜石市では例年行っている「成人のつどい」を、感染症対策を講じた上で開催する予定だったが、全国の感染状況を踏まえ、参集開催を断念。出席者を限定した式典の模様をウェブ配信する形に変更した。式典会場の市民ホールTETTOには、記念撮影用のフォトスポットが設けられ、出席がかなわなかった新成人らが晴れ着姿で訪れた。

 

野田市長らがお祝いの言葉を贈った式典

野田市長らがお祝いの言葉を贈った式典

 

 10日午後、ホールAで開かれた式典には、新成人2人と主催者、来賓8人が出席。野田武則市長は震災から10年となる年に新たな門出を迎えた新成人に向け、「震災の教訓を決して忘れてはならない。一人一人が命を大切にし、周りの人たちとの関係の中で自分があるという自覚を持って人生を歩んでほしい」と呼び掛けた。

 

 釜石高、釜石商工高の恩師からのメッセージ、高校時代に参加した釜石コンパスのキャリア教育授業の様子などがビデオ上映された。

 

 新成人代表の留畑梨恩さん(20)=一関高等看護学院2年=が抱負を発表。「コロナの感染拡大で不安になる人も多いと思うが、困った時には手を差し伸べ、優しく笑顔で支えてくれる釜石の仲間がいることを忘れないでほしい。多くの方々に感謝し、成人として生活していくことを誓う」と決意を述べた。

 

コロナ禍でも前を向いて人生を歩む決意を示した新成人代表の留畑梨恩さん

コロナ禍でも前を向いて人生を歩む決意を示した新成人代表の留畑梨恩さん

 

 半屋外仕様のホールBには、金びょうぶとラグビースタジアムの背景を施したフォトスポットが設けられた。振り袖やスーツに身を包んだ新成人らは、久しぶりに会う友人らと再会を喜び合い、笑顔で記念写真に納まった。

 

ラグビーのまちならではのフォトスポット

ラグビーのまちならではのフォトスポット

 

 訪れた新成人からは「残念だけど仕方がない」「仲のいい友達に会えただけでも良かった」「できれば式典を延期してもらい、みんなで集まりたかった」など、さまざまな受け止めの声が聞かれた。

 

 宮城学院女子大2年の山﨑佳歩さん(20)は「着付けしてもらえるか不安だったが、振り袖を着られて本当にうれしい。将来は栄養士の資格を取って働きたい」、明和学園短期大2年の山﨑沙恵さん(20)は「子どもの気持ちに寄り添える保育士になりたい。手洗い、体調管理などコロナ対策をしっかりし、社会人の一歩を踏み出せたら」と夢を描く。2人は鵜住居小4年時に震災にあい、自宅が全壊。被災から10年を迎える古里に「新しい家も建ってきているが、まだ点々。まちが元のようにはならなくても、住民が気軽にあいさつを交わす人とのつながりを感じられる地域になってほしい」と願った。

 

 日鉄テックスエンジで働く篠原拓馬さん(20)は釜石商工高時代の仲間と再会し、「高校のころを思い出す」と懐かしげ。「お酒はほどほどに。大人になったことを実感しながら行動していきたい」と自覚を高める。津波で被災した只越町の自宅は最近再建を果たし、家族と暮らす。「釜石のために少しでも貢献できるよう仕事をしていきたい」と決意を新たにした。

 

 本年度の釜石市成人のつどいの対象者は319人。記念品(釜石出身アーティスト小林覚さんデザイン・エコバッグ)は郵送された。式典の模様は31日まで視聴できる。

広報かまいし2021年1月15日号(No.1752)

広報かまいし2021年1月15日号(No.1752)

広報かまいし2021年1月15日号(No.1752)

 

広報かまいし2021年1月15日号(No.1752)

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【表紙】
【P2-3】
税の申告
【P4-5】
しごと・くらしサポートセンター オープンのお知らせ
灯油購入費助成 他
【P6-7】
市政懇談会中止のお知らせ 
復興情報 他
【P8-9】
岩手大学釜石キャンバスだより
コラム教育魅力化コーディネーター 他
【P10-11】
こどもはぐくみ通信
まなびぃ釜石
【P12-13】
まちのお知らせ
【P14-15】
保健案内板
【P16】
釜石の歴史 よもやま話

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
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