「みちのく潮風トレイル」の釜石市コースの案内板をお披露目したセレモニー
東京都千代田区の一般社団法人日本旅行業協会(JATA)=会長・田川博己ジェイティービー会長)=は10月29日、環境省が東北地方太平洋沿岸地域に設定する「みちのく潮風トレイル」(青森県八戸市~福島県相馬市、約700キロ)を活用した旅行商品の開発などを目指し、釜石市内のトレイルコースを視察した。JATAは市内のコースの案内板を市に寄贈。訪問先の大平町、鉄の歴史館で除幕式が行われた。
釜石を訪れたのは、JATAに加盟する首都圏や仙台市の旅行会社の企画担当者ら62人。前日に視察した大船渡市から三陸鉄道で釜石入りし、唐丹町本郷の桜並木や星座石、津波石碑などを視察後、鉄の歴史館に到着した。
セレモニーでJATAの戸川和良副会長(KNTーCTホールディングス社長)は「ご当地には、歴史や景観など注目すべき観光素材が多い。視察をし、全く新しい東北観光を作り出していかねばと決意を新たにしている。1人でも多くのお客さまをご案内できるよう力を合わせていきたい」とあいさつ。野田武則市長は「潮風トレイルは、釜石にも大きな宝があることを全国に発信できるチャンス。案内板を活用し、釜石に来られる方を迎えたい」と歓迎の気持ちを示した。
東日本大震災津波の陸地への到達を遅らせた湾口防波堤について説明を受けるJATAの会員ら=鉄の歴史館で
JATA、釜石市、環境省の8人で案内板を除幕。野田市長はJATAに感謝状を贈った。寄贈された案内板は縦150センチ、横110センチ。釜石市区間の▽宝来館~両石バス停(約27・4キロ)▽釜石駅~唐丹駅(約13・5キロ)―の2コースが立ち寄りスポットの写真や標高、所要時間を示すグラフ、歩く際の装備やルールなどとともに紹介されている。案内板は当面、釜石駅周辺施設への設置を予定する。
一行はセレモニー終了後、鉄の歴史館を見学。バスで両石町から鵜住居町の根浜海岸まで足を延ばし、ラグビーW杯の競技場建設予定地や津波浸水地域の復興状況などについて、同行した釜石観光ボランティアガイドから説明を受けた。
JATAは東北復興支援事業として、2014年4月から震災発生10年後の21年3月までの7カ年計画で、みちのく潮風トレイルを活用した「JATAの道プロジェクト」を実施。毎年1回、トレイルコースが設定されている東北沿岸を訪れ、復興状況の視察や新しい旅行素材の発掘、自然環境整備などを行っている。14年は八戸市、階上町、15年は相馬市、新地町を訪問。3年目の今年は大船渡、釜石両市の訪問が実現した。各地で同様の案内板を寄贈しているという。
(復興釜石新聞 2016年11月5日発行 第535号より)
環境省 みちのく潮風トレイル
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