地域産材を使った木製品の贈呈式。橋野地区で活用される
農林中央金庫(農林中金、東京都千代田区、河野良雄理事長)と釜石地方森林組合(佐々木光一組合長)は8日、東日本大震災の復興支援として、地域産材を使ったテーブルやベンチ、商品陳列棚などを釜石市に贈った。木製品は、世界遺産に登録された橋野鉄鉱山・高炉跡がある橋野地区で地域振興に取り組む2団体に引き渡され、地元農産品などの販売体制の充実に役立てられる。
農林中金が2011年4月に創設した「復興支援プログラム」の一環。本年度は岩手県に約2千万円分を配分し、5自治体の7施設に贈る。釜石・大槌地区では釜石森林組合と連携し、地域のニーズに応じた製品を届けており、今回は製作費450万円を助成した。
橋野地区直売組合(藤原英彦組合長)に贈られたのは、釜石産スギを使った組み立て式テーブル3基とベンチ6基。同組合が橋野鉄鉱山インフォメーションセンター前で開館期間中の土、日に行っている「出前産直」など移動販売に活用できるようにと、軽トラックの荷台に備えられる商品陳列棚2基も加えられた。
馬と共に暮らす生活文化と「南部曲り家」の再生を通した地域振興やホースセラピーに取り組む一般社団法人「三陸駒舎(こましゃ)」(寄田勝彦代表理事)には、県産アカマツを使った商品陳列棚1基が贈られた。木製品のデザインは、いずれも県森林組合連合会が担当した。
贈呈式が釜石市役所で行われ、農林中金仙台支店の長井信介副支店長が「橋野鉄鉱山には多くの人が来場していると聞いた。周辺で活用してもらい、地域と各団体の取り組みに役立てば。今後も被災地の農林水産業の振興を通じ、復興に寄与したい」とあいさつ。釜石森林組合の佐々木組合長は「地元特産品のPR、木材の需要拡大につながれば」と期待した。
直売組合の藤原組合長は「橋野鉄鉱山を訪れるお客さんのおもてなしにつながるよう、有効に活用したい」と感謝。野田武則市長は「新たな道筋を展開しようとしている団体への支援に感謝。木製品の良さをアピールしてもらうとともに、市としても地域の豊富な木材の良さを伝えていきたい」と述べた。
(復興釜石新聞 2016年3月12日発行 第469号より)
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