地域産材を使った木製品の贈呈式。橋野地区で活用される

地域産材 橋野の振興に活用〜テーブルやベンチ 木製品寄贈、農林中央金庫 釜石地方森林組合

地域産材を使った木製品の贈呈式。橋野地区で活用される

地域産材を使った木製品の贈呈式。橋野地区で活用される

 

 農林中央金庫(農林中金、東京都千代田区、河野良雄理事長)と釜石地方森林組合(佐々木光一組合長)は8日、東日本大震災の復興支援として、地域産材を使ったテーブルやベンチ、商品陳列棚などを釜石市に贈った。木製品は、世界遺産に登録された橋野鉄鉱山・高炉跡がある橋野地区で地域振興に取り組む2団体に引き渡され、地元農産品などの販売体制の充実に役立てられる。

 

 農林中金が2011年4月に創設した「復興支援プログラム」の一環。本年度は岩手県に約2千万円分を配分し、5自治体の7施設に贈る。釜石・大槌地区では釜石森林組合と連携し、地域のニーズに応じた製品を届けており、今回は製作費450万円を助成した。

 

 橋野地区直売組合(藤原英彦組合長)に贈られたのは、釜石産スギを使った組み立て式テーブル3基とベンチ6基。同組合が橋野鉄鉱山インフォメーションセンター前で開館期間中の土、日に行っている「出前産直」など移動販売に活用できるようにと、軽トラックの荷台に備えられる商品陳列棚2基も加えられた。

 

 馬と共に暮らす生活文化と「南部曲り家」の再生を通した地域振興やホースセラピーに取り組む一般社団法人「三陸駒舎(こましゃ)」(寄田勝彦代表理事)には、県産アカマツを使った商品陳列棚1基が贈られた。木製品のデザインは、いずれも県森林組合連合会が担当した。

 

 贈呈式が釜石市役所で行われ、農林中金仙台支店の長井信介副支店長が「橋野鉄鉱山には多くの人が来場していると聞いた。周辺で活用してもらい、地域と各団体の取り組みに役立てば。今後も被災地の農林水産業の振興を通じ、復興に寄与したい」とあいさつ。釜石森林組合の佐々木組合長は「地元特産品のPR、木材の需要拡大につながれば」と期待した。

 

 直売組合の藤原組合長は「橋野鉄鉱山を訪れるお客さんのおもてなしにつながるよう、有効に活用したい」と感謝。野田武則市長は「新たな道筋を展開しようとしている団体への支援に感謝。木製品の良さをアピールしてもらうとともに、市としても地域の豊富な木材の良さを伝えていきたい」と述べた。

 

(復興釜石新聞 2016年3月12日発行 第469号より)

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釜石市片岸町に開所した東北王子運送の釜石営業所

釜石に営業所を開設、福山通運の子会社 道路の利便性向上に期待

釜石市片岸町に開所した東北王子運送の釜石営業所

釜石市片岸町に開所した東北王子運送の釜石営業所

 

 貨物運送業大手の福山通運(広島県福山市、小丸成洋社長)の子会社、東北王子運送(福島県須賀川市)の釜石営業所が7日、釜石市片岸町の国道45号沿いに開所した。「復興道路」に位置づけられる三陸沿岸道路の整備に伴い、同道路と東北横断道との結節点に当たる釜石の利便性が大きく向上すると期待して立地。同社の県内5カ所目となる営業拠点で、配送センターは18日から稼働する。

 

 同営業所は三陸沿岸道の釜石インターチェンジに近い約6千平方メートルの敷地に建設された。鉄骨平屋で、延べ床面積1028平方メートル。トラックなど車両19台を配置し、運転手など地元から20人を新規採用した。

 

 開所式では関係者30人余りが仏式で配送センターの完成を祝った。

 

 営業エリアは釜石、遠野、大槌、山田、宮古の5市町。復興工事の建設資材など当初は1日20トン前後の取り扱いを見込む。関東や東北エリアからの配送が半日程度、釜石からの発送は1日早くなるという。

 

 同社はこれまで、県内は盛岡、北上など内陸部にしか拠点がなく、沿岸部の貨物は他社に委託していた。沿岸部には釜石と同時に久慈市にも拠点を開設。東日本営業部長の小林哲平常務は「沿岸2カ所の拠点が一体となった営業展開が可能になり、三陸沿岸道が無料なこともメリット。コスト削減で競争力アップが期待できる。被災地の早期復興も手伝いたい」と強調する。

 

 同社の誘致に取り組んできた釜石市の関末広企業立地課長は「タテ、ヨコの道路の結節点に当たる釜石港のサービス充実に努め、さらなる企業誘致を進めていきたい」としている。

 

(復興釜石新聞 2016年3月12日発行 第469号より)

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全線開通へ大きく前進〜吉浜釜石道、唐丹第2トンネル着工

全線開通へ大きく前進〜吉浜釜石道、唐丹第2トンネル着工

唐丹第2トンネルの着工式でくわ入れする野田武則市長ら

唐丹第2トンネルの着工式でくわ入れする野田武則市長ら

 

 「復興道路」として整備が進む三陸沿岸道路(仙台市―八戸市)のうち大船渡市三陸町の吉浜インターチェンジ(IC)と釜石市甲子町の釜石ジャンクション(JCT)を結ぶ吉浜釜石道路(14キロ)の唐丹第2トンネル(仮称、521メートル)が9日、着工した。国土交通省南三陸国道事務所(佐藤和徳所長)が管轄する山田南IC以南の18本のトンネルはこれですべて本格着工したことになり、関係者は全線開通に向けて大きく前進すると喜んだ。

 

全線開通へ大きく前進〜吉浜釜石道、唐丹第2トンネル着工

 

南三国事務所、管内18トンネルすべて着工

 

 吉浜釜石道路は、2014年8月に着工した三陸沿岸道路最長の新鍬台トンネル(3330メートル)など5つのトンネルと2つの高架橋で構成し、構造物が区間の約3分の2を占める。主に山間部を通るルートで工事の規模も大きく、難工事が予想されることから、大林・富士ピー・エス特定建設工事共同企業体に一括発注。18年度の完成を予定し、総事業費は102億円余りを見込む。

 

 このうち唐丹第2トンネルは釜石市唐丹町小白浜と大曾根地区を結び、釜石南ICの南側約500メートルに位置する。予定ルート内にあった民家の移転に時間がかかったことから着工が最後になった。貫通は今秋を見込む。

 

 着工式には工事関係者や地元住民など約70人が出席。唐丹小の児童代表も加わりくわ入れを行い、工事の安全を祈った。

 

 野田武則市長は「三陸沿岸道路は地域経済の活性化や地方創生に大きな役割を果たす。早期完成を祈る」とあいさつ。発注者の佐藤所長は「流通系の企業進出が盛んに行われ、経済界からも大きな期待が寄せられている。地域の期待に応え、一日も早い開通を誓う」と述べた。

 

(復興釜石新聞 2016年3月12日発行 第469号より)

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広報かまいし2016年3月15日号(No.1636)

広報かまいし2016年3月15日号(No.1636)

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広報かまいし2016年3月15日号(No.1636)

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【目次】
表紙:相手をよく見て「えいっ、やあ~」
P02:東日本大震災から5年を迎えて
P04:復旧・復興の足どり
P06:復興住宅の入居者を再募集します、3月23日からう回路を廃止します
P07:4月1日から市の組織機構の一部が変わります、商業者に事業用地を売却します
P08:まちの話題
P10:市民のひろば
P12:保健案内板
P14:まちのお知らせ
P16:かまいし徒然日記

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-22-2111 / 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/koho/backnumber/detail/1200093_2596.html
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釣りバカ日誌6上映会&栗山監督トークショー

釣りバカ日誌6上映会&栗山監督トークショー

釣りバカ日誌6上映会&栗山監督トークショー

 

釜石PIT映画上映会 釣りバカ日誌6

お正月映画として国民的な人気映画だった「釣りバカ日誌」。2010年に公開された”釣りバカ日誌20 ファイナル”まで通算22作品が制作されました。1993年公開のパート6では、釜石市がその舞台となりまちをあげたロケが行われました。

 

3月26日(土)、255インチの大型スクリーンと高輝度プロジェクターを完備する「チームスマイル・釜石PIT」にて、釣りバカ日誌6の上映会が行われます。東日本大震災で発生した津波による甚大な被害により、街並みががらりと変わってしまった釜石市ですが、映画の中には23年前の懐かしい風景やエキストラとして参加した地元の人々が様子が収められています。

 

上映終了後には、実際に釣りバカ日誌6のメガホンを持たれた栗山富雄監督のトークショーもございます。

 

https://en-trance.jp/wp-content/uploads/2016/03/tsuribaka6.pdf

釣りバカ日誌6上映会&栗山監督トークショー

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日時

2016年3月26日(土) 開場14:00 上映開始14:30

会場

会場:チームスマイル・釜石PIT 120席
釜石情報交流センター内(住所:釜石市大町一丁目1番10号)

入場料

無料(先着受付120名)

主催

釜石まちづくり株式会社
共催:釜石市
協力:みやこシネマリーン

お問い合わせ

釜石まちづくり株式会社
電話:0193-22-3607

 

※栗山富雄監督のトークショーは、釜石創生アカデミーとして実施するものです。

 

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

釜石高校 甲子園 パブリックビューイング

釜石高校 甲子園 パブリックビューイング

釜石高校 甲子園 パブリックビューイング

 

釜石南高校時代から20年ぶりの甲子園!応援も悔いのないように、遠く離れた釜石からも球児たちに熱い声援を!

 

釜石情報交流センター内のチームスマイル・釜石PITでは、3月20日(日)の開会式、翌21日(月・祝)の小豆島高校戦を、パブリックビューイングで中継いたします。

 

255インチの大画面スクリーンと迫力のサウンドで、みんなで応援しましょう!ご来場の方には、応援をさらに盛り上げる「スティックバルーン」もお配りいたします!

 

第88回選抜高校野球大会 開会式

日時

2016年3月20日(日)9:00〜(開場 8:30)

日時

釜石情報交流センター内 チームスマイル・釜石PIT
住所:岩手県釜石市大町1-1-10

入場料

無料
※開会式終了後に、釜石高校応援特番(提供 IBC岩手放送)も上映いたします

 

2日目 第1試合 釜石高校 対 小豆島高校

日時

2016年3月21日(月・祝)9:00〜(開場 8:30)

日時

釜石情報交流センター内 チームスマイル・釜石PIT
住所:岩手県釜石市大町1-1-10

入場料

無料

 

※天候等により試合が順延となった場合は、本イベントも試合日程に合わせ順延します。
※会場に駐車場はございません。お車の方は近隣の釜石大町駐車場をご利用ください。

 

主催:釜石まちづくり株式会社(お問い合わせ 0193-22-3607)

 

フェリアス釜石

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釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

震災から5年。釜石の現状に理解を深める「応援サミット」の参加者

ふるさと復興にエール〜釜石応援団 東京で5回目のサミット

震災から5年。釜石の現状に理解を深める「応援サミット」の参加者

震災から5年。釜石の現状に理解を深める「応援サミット」の参加者

 

 東日本大震災から5年目を迎える「ふるさと釜石」の復興にエールを送ろうと、第5回「釜石応援サミット」が2月27日、東京都千代田区の明治大学紫紺館で開かれた。首都圏在住の釜石出身者などでつくる有志団体、釜石応援団あらまぎハート(松田哲大代表)が主催。釜石を応援する有志や震災後に釜石でボランティア活動に取り組んだ人など80人余りが集い、釜石の現状に理解を深めた。

 

 会場では、震災後の釜石をさまざまな角度からカメラで追い続ける菊地信平さん(67)=釜石市只越町、菊地写真館=がミニ写真展を開催。震災直後から撮影し続けた写真約70点を示しながら現状を報告した。釜石の街と人、5年間の歩みをつぶさに見てきた菊地さんの話に、参加者は熱心に耳を傾けた。

 

 続いて釜石応援団のメンバー下村達志さん(40)=釜石まちづくり株式会社事業課長=が、まちづくりの現状や可能性について報告。ハード、ソフト両面から分かりやすく説明した。

 

 交流会では、釜石の高校生らが取り組む「マグネット塗り絵プロジェクト」が紹介され、ワークショップも行われた。また、釜石情報交流センター釜石PITで開催中の「てっぱんフェスタ」の会場とインターネットで中継。3月11日に釜石で行われるタイムカプセルに入れるメッセージカードの作成も行われた。

 

 鹿児島市在住のため今回が初参加となった松田代表(40)は「震災から5年がたち、釜石から遠く離れた人たちは具体的な支援、応援をどうしたらいいか難しい現状がある。釜石応援団ができることは、釜石の状況を少しでも知ってもらい、頑張っている人を紹介し、応援する対象を案内することだと思う」と話す。松田代表に代わり同サミットをまとめてきた及川健智副代表(40)は「支援者に求められる役割は変わり続けていると思うが、年に一度、懐かしい顔が集まり、震災の犠牲者を追悼する。その一点だけでも意義がある」と強調した。

 

(復興釜石新聞 2016年3月9日発行 第468号より)

昨日27日、第5回釜石応援サミットを無事開催することができました。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました!菊地写真館の菊地さんの写真を見ながらお話をお伺いし、あの頃の気持ちがよみがえりました。この長いような早かったような5年間…

釜石応援団あらまぎハート(釜石を想う ふるさとプロジェクト)さんの投稿 2016年2月28日

 

復興釜石新聞

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施政方針を述べる野田市長

本格復興推進へ投資的経費70%〜16年度当初予算757億円(前年度比26.5%減)釜石市議会3月定例会で提案

施政方針を述べる野田市長

施政方針を述べる野田市長

 

 釜石市議会3月定例会は2月29日に開会し、2016年度一般会計当初予算案、15年度一般会計補正予算案など61議案を提出した。野田武則市長は「16年度は本格的な宅地の引き渡しや復興公営住宅の完成が集中する。加速する事業の進ちょく管理を徹底し、復興の歩みが実感できる年になるよう全力を傾けたい」などと施政方針を述べた。会期は3月17日までの18日間。一般質問は7日から4日間で、13氏が登壇する。

 

 新年度の一般会計当初予算案は総額757億5400万円で、前年度当初と比べ26・5%減。16年度は復興まちづくり基本計画「中期」の最終年度と位置付けるが、事業の進展によって当初予算はピークを過ぎ、13年度当初以来3年ぶりに1千億円を下回った。このうち投資的経費は537億円で予算額の70・8%を占め、前年度当初比では30・7%減となったものの、本格復興推進のため積極予算とした。

 

 一般会計予算のうち震災対応は580億円。震災対応の主な歳出では、鵜住居など10地区の復興公営住宅建設に121億円、土地区画整理に66億円、鵜住居や唐丹地区の学校建設に78億円、佐須や平田など6漁港の海岸施設復旧に35億円を計上。この4事業で300億円となり、震災対応予算の半分以上を占める。ラグビーワールドカップ(W杯)の競技場整備には5705万円を盛り込んだ。

 

 震災対応以外の通常予算には、市土地開発公社が実施する用地の取得造成に対して費用の一部を助成し、用地分譲を円滑に進める工場用地取得支援事業に3億円、世界遺産登録を契機とした鉄の歴史館大規模改修事業に1億800万円、いわて国体開催事業に1億5600万円などを計上する。

 

 さらに、子育て支援対策として、県下一斉に8月から就学前児童と妊産婦に対する窓口払いを軽減するのに加え、現在は小学生までを対象とする医療費助成を10月から中学生まで拡充する。

 

 歳入は市税が41億4384万円(15年度当初比3・4%増)、地方交付税141億288万円(同41・3%減)、繰入金368億8545万円(同29・7%減)、市債28億8560万円(同1・8%増)など。

 

 16年度末の市債残高は前年度比で9億7300万円、4・6%増の219億1400万円を見込む。住宅使用料で全額償還する公営住宅債が大きく、野田市長は施政方針で「これを除くと市債発行額は元金償還額の75・7%まで抑制され、財政の硬直化は緩和される」と見通しを示した。

 

 15年度一般会計補正予算案は災害公営住宅建設事業のずれ込みなどで48億5200万円減額し、累計1049億1800万円とした。

 

(復興釜石新聞 2016年3月5日発行 第467号より)

 

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野球部OBらが贈呈した「鋼鐵の意志」の横断幕を

「鋼鐡(はがね)の意志(こころ)」アルプススタンドへ〜選抜出場OB 横断幕贈呈

野球部OBらが贈呈した「鋼鐵の意志」の横断幕を

野球部OBらが贈呈した「鋼鐵の意志」の横断幕を手に決意を新たにする釜石高ナイン=6日

 

 20日開幕する第88回選抜高校野球大会に21世紀枠で出場する釜石高野球部に6日、20年前の釜石南高時代にセンバツに出場したOBらから横断幕が贈られた。横断幕には、校歌の一節にある「鋼鐵(はがね)の意志(こころ)」と大きく記された。甲子園のアルプススタンドに掲げられ、釜石から駆け付ける応援団と共に釜高ナインに熱いエールを送る。

 

 贈られた横断幕は縦1.2メートル、横12メートル。スクールカラーの紫紺の生地に「鋼鐵の意志」の文字が鮮やかな深紅で染め抜かれた。20年前の甲子園出場メンバーで釜石高野球部OB会長の小国晃也さん(37)=大槌町職員=らが、当時監督を務めた佐藤隆衛さん(74)=大船渡市在住=に依頼。これを快諾した佐藤さんは気合を込めて筆を走らせ、勢いのある文字に仕上げた。

 

 この日は小国さんのほか、20年前に投手の二本柱としてセンバツ出場に貢献した萬(よろず)大輔さん(37)=釜石市職員=、県立釜石病院の理学療法士として活躍する小国忍さん(37)らOB6人が母校のグラウンドに足を運び、センバツまで10日余りと迫った後輩に横断幕を手渡した。

 

 OB会長の小国さんは「OB一同の気持ちが入っている。甲子園は特別なところ。緊張したら、この横断幕を見て伸び伸びプレーしてほしい」とナインを激励。大槌町で塗装工芸店を営み、横断幕の製作を担当した倉本武樹さん(35)は「優勝を目指し、精いっぱいがんばってほしい」とエールを送った。

 

 菊池智哉主将は「『鋼鐵の意志』はみんなの生活にも生きている。目標は21世紀枠で最高のベスト4だが、決勝でも横断幕を掲げたい」と決意を新たに。佐々木偉彦監督(32)は「佐藤先生(隆衛さん)からは『思うようにやれ』とアドバイスもいただいた。横断幕は甲子園でアレだと思える目標になる」と喜んだ。

 

 釜石での最後の練習日となったこの日は、推薦で釜石高への入学を決めた三浦友聖君(大平中3年)、栗沢宏輔君(釜石東中3年)も見学に訪れ、熱い視線を送った。

 

 釜高ナインはOBらの熱い思いを胸に、11日に甲子園へ向けて出発する。これを前に、7日から9日にかけて茨城県へ遠征、土浦日大などと練習試合をする。奇しくも東日本大震災から5年となる11日には、大阪市の毎日新聞大阪本社で組み合わせ抽選会があり、初戦の相手が決定。翌12日には天理などと練習試合をする。その後、京都外語大西、東洋大姫路などの強豪校と練習試合を重ね、甲子園の大舞台に臨む。

 

(復興釜石新聞 2016年3月9日発行 第468号より)

 

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在校生と最後のエール交換をする釜石高の卒業生(

希望を胸に高校卒業〜震災乗り越え、今後の活躍が復興の後押しに

在校生と最後のエール交換をする釜石高の卒業生(

在校生と最後のエール交換をする釜石高の卒業生

 

 釜石高(互野恭治校長、生徒530人)の卒業式は1日、釜石市甲子町の同校で行われた。全日制の卒業生177人(普通科147人、理数科30人)が夢や目標を胸に、3年間を過ごした学び舎(や)を巣立った。

 

 卒業生は文武両道を実践し、多くの友情を育んだ。2年生の時に迎えた創立100周年では記念行事で活躍。今月下旬に野球と空手道の全国選抜大会が控えており、卒業生の3年間の頑張りが今回の出場につながった。

 

 保護者や在校生らが見守る中、卒業生はしっかりとした足取りで入場。一人一人に卒業証書を授与したあと、互野校長は「厳しく困難な環境の中で前向きに生きてきた諸君に感謝する。故郷の復興はまだこれからだが、みなさんの今後の活躍が復興の後押しとなると信じる」と、はなむけの言葉を贈った。

 

 卒業生を代表して平松航大君が「新しい希望を胸に、夢に向かって進んでいきたい。自分なりに未来を切り開いていくので、温かく見守ってほしい」と答辞を述べた。

 

 「岩手の山川 太平洋の…」。校歌を斉唱したあと、在校生、卒業生が最後のエール交換をし、式を締めくくった。

 

 作業療法士を目指し、仙台市の短大に進学する及川史佳さん(釜石市中妻町)は「父が義足で、そういう人を手伝いたい。医療で地元に貢献できたら」と夢を膨らませた。「野球一色だった」と振り返る前川柊哉君(大槌町吉里吉里)は千葉市の消防局に就職。「早く消防士として活躍したいので、就職を選んだ。いろんなことを学び、地元に戻って復興の力になりたい」と意気込む。

 

 釜石商工高(千葉尚校長、生徒367人)の卒業式は1日、釜石市大平町の同校体育館で行われ、4科の121人が巣立った。釜石工高と釜石商高が統合して7回目の卒業式。一人一人に卒業証書が贈られ、3年間皆勤賞22人、精勤賞9人を在校生や保護者らが拍手でたたえた。

 

保護者に感謝の気持ちを伝える釜石商工高の卒業生

保護者に感謝の気持ちを伝える釜石商工高の卒業生

 

 千葉校長は式辞で「みなさんの3年間にわたる活躍、挑戦は心と体の財産となる。釜石商工ブランドを色濃くしてくれて、ありがとう。東日本大震災から間もなく5年。生徒諸君に感謝の芽が育っていると実感する。きょうは社会人となる自覚、決意を固める出発の日。種をまく社会人になってほしい」と、はなむけの言葉を贈った。

 

 生徒会長の石川凱生君(2年)が送辞。卒業生の大瀧美輝さんは「仲間に支えられた3年間だった。家族に感謝し、先生の教えを思い、社会に貢献できる大人になる。1、2年生は笑顔あふれる学校にしてほしい」と答辞を述べた。

 

 退場する生徒はクラスごとに教職員に一礼。保護者席の前では、「これまで育ててくれて、ありがとうございました。これからも、よろしくお願いします」などと感謝の思いを伝えた。

 

 東京の企業に就職する岩井大悟君(電子機械科)は「震災の時は釜石東中1年で、小学生を連れて避難した。高校3年間の一番の出来事は卒業できたこと。ぎりぎりだったから。これからは親孝行できるようにがんばりたい」と、最後のホームルームに向かった。

 

 卒業生の8割は就職する。そのうち地元は62%、県内外38%で、就職者の2割は関東の企業に内定している。

 

(復興釜石新聞 2016年3月5日発行 第467号より)

 

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HEART TO HEART FES IN TOHOKU

HEART TO HEART FES IN TOHOKU

HEART TO HEART FES IN TOHOKU

 

アーティスト日比野克彦さんがナビゲーターを務める東京のFMラジオ局の番組『Hitachi Systems HEART TO HEART』がプロデュースする複合イベントが、3月12日(土)チームスマイル・釜石PITにて開催されます。

 

ハートのマグネット作りのワークショップのほか、デビュー15周年を迎えた人気女性ミュージシャン矢井田瞳さんのライブ、ハイキングウォーキングのお笑いライブ、トークショー、さらには釜石餅まきなど、内容盛りだくさんのイベントです。

 

開催日時

2016年3月12日(土)11:00〜16:00

会場

チームスマイル・釜石PIT(釜石情報交流センター内)
住所:岩手県釜石市大町1-1-10

入場料

無料
ハートのマグネットを作ってくれた方が入場できます。
マグネット作りに必要な材料や道具などはご用意しております。

注意事項

※入場多数の場合、入場規制になる場合があります。また、餅まきなどのお振る舞いには、数に限りがあります。ご了承ください。
※会場には専用駐車場はありません。お車でお越しの方は、近隣の市営大町駐車場をご利用ください。

企画・制作等

企画:日比野克彦
制作:株式会社J-WAVE
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被災地代表としての決意を新たにした釜石高野球部

被災地代表 決意新たに、待ち遠しい入場行進〜釜石高に輝く選抜旗、初戦相手は11日に決定

被災地代表としての決意を新たにした釜石高野球部

選抜旗授与式で、被災地代表としての決意を新たにした釜石高野球部=2月29日、釜石高で

 

 今月20日に開幕する選抜高校野球大会に21世紀枠で出場する釜石高(互野恭治校長、全日制530人)野球部に2月29日、選抜旗が贈られた。輝く校章が入った選抜旗は、開会式で菊池智哉主将が掲げ、堂々の入場行進をする。甲子園出場のシンボルを手にした部員らは「被災地の代表として恥じない試合を」と決意を新たにした。

 

 大会を主催する毎日新聞社から贈られた選抜旗は、スクールカラーの紫紺を地に、石楠花をデザインした校章がくっきりと浮かび上がる。授与式は同校体育館で行われ、全校生徒が見守る中、毎日新聞盛岡支局の柿沼秀行支局長から互野校長へ、さらに菊池主将へしっかりと手渡された。

 

 壇上に整列した24人の部員を前に、柿沼支局長は「岩手だけではなく被災地の代表としてがんばってきてほしい」、県高野連の真岩一夫会長は「甲子園で全国のみなさんに感動と感謝の気持ちを伝えてほしい」と激励した。

 

 互野校長は「センバツ出場は文武両道で努力する全校生徒へのご褒美。甲子園では伸び伸びと試合をし、校歌を歌おう」とエール。菊池主将は「全国各地から応援されていると実感する。釜石高の歴史をつくる甲子園初勝利を挙げ、ベスト4を超えて21世紀枠の歴史を塗り替えたい」と決意を表明した。

 

 このあと壮行会が行われ、生徒会長の佐々木希さん(2年)が「堂々と、感謝の気持ちを忘れずプレーしてほしい」とエール。佐々木偉彦監督は「一緒に甲子園に行こう。応援をよろしくお願いします」と生徒に呼びかけた。

 

 選抜旗が授与される模様は、翌日に卒業式を控えた3年生も見守った。3年間サッカー部で活動し、野球部と同じグラウンドで汗を流した菊池要君は「震災で祖父を亡くした。センバツ出場が少しでも復興への希望の光になってくれれば」と期待を込めた。

 

 釜石高ナインは21日から1週間にわたる愛知県東海市での合宿を終え、28日にバスで13時間をかけ釜石に帰ってきたばかり。佐々木監督は「体、心、頭づくりと、すべての面で成果があったが、走攻守どれを取っても力不足。甲子園で勝てるようになるにはまだまだ、これから」と気を引き締める。

 

 組み合わせ抽選は東日本大震災からちょうど5年となる3月11日に行われるが、菊池主将は「東北大会がそうだったように、相手が強ければ強いほど燃えるのが、うちのチーム。大阪桐蔭とか、できれば強いところと当たり、夏の大会にもつなげたい」と意気込む。

 

 釜石高ナインは組み合わせ抽選が行われる11日に甲子園に向けて出発する予定だ。

 

(復興釜石新聞 2016年3月2日発行 第466号より)

 

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