安倍晋三首相(中央)らが出席し、テープカットとくす玉開きで盛大に開通を祝った式典(

復興加速へ広域連携促進、遠野ー宮守間が開通 東北横断道釜石秋田線

安倍晋三首相(中央)らが出席し、テープカットとくす玉開きで盛大に開通を祝った式典(

安倍晋三首相(中央)らが出席し、テープカットとくす玉開きで盛大に開通を祝った式典

 

 東日本大震災の「復興支援道路」と位置付け、国が整備を進める東北横断自動車道釜石秋田線の遠野インターチェンジ(IC)から宮守ICまでの区間(9キロ)が5日、開通した。釜石―花巻間(80キロ)のうち、今回の開通で約8割の62・5キロが通行可能となり、2018年度の全線開通へ期待が膨らむ。釜石港の利用拡大など横断道整備の大きな効果を実感する釜石市の野田武則市長は「被災地の復興だけでなく県全体の振興につながる。三陸沿岸と内陸を結ぶ重要な路線として大いに活用し、効果を十分出せるよう沿線市町と連携し取り組んでいきたい」と決意を新たにする。

 

 午後3時の一般開放を前に午前10時過ぎから宮守IC付近で行われた開通式典には関係者約160人が出席。安倍晋三首相、江島潔国土交通大臣政務官がテープカットなどで地域住民らと盛大に開通を祝った。

 

 遠野IC(遠野市綾織町新里)~宮守IC(同宮守町下鱒沢)間は2007年度に着工。11年の震災を受け釜石―花巻間が復興支援道路とされたことで、事業が加速化された。構造物はトンネル(311メートル)1本、橋4カ所(最大141メートル)。総事業費は237億円。同区間の整備に合わせ、県は遠野ICと国道283号を結ぶ一般県道遠野住田線新里工区(0・7キロ、同24億円)を整備。この日、同時開通を迎えた。

 

 今回の開通で4分ほどの走行時間短縮が見込まれる。達増拓也県知事は「速達性や定時性、災害時の信頼性向上で物流の円滑化、観光振興などが図られるものと期待される。来年の岩手国体のアクセスにも心強い」と喜びを表した。

 

 同横断道整備が進展したことで、釜石港の利用企業数は順調に伸び、内陸や県外企業の利用が増加。11年の国際フィーダーコンテナ定期航路の開設も後押しし、コンテナ取扱量は約10倍に激増した。全線開通を見越した設備投資や企業進出の動きは釜石だけでなく沿岸各地で活発化している。

 

 残る整備区間は遠野IC~遠野住田IC間(11キロ)、釜石西IC(仮称)~釜石ジャンクション(同)間(6キロ)で、共に18年度開通予定。東和IC以東は通行無料となる。全線開通すれば釜石―花巻間の移動は約20分の時間短縮が期待される。

 

(復興釜石新聞 2015年12月9日発行 第443号より)

 

釜石市

釜石市

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かまいしの第九

思いは一つ「第九」響き渡る、大平中生は校歌を高らかに

かまいしの第九

県内外から集った約150人の合唱愛好者らが「歓喜」の声を上げ、師走の釜石を彩る=6日、釜石高

 

 師走の釜石に今年もベートーベンの「第九」が響き渡った。6日に釜石高校体育館で行われた「かまいしの第九」演奏会(同実行委員会主催、釜石市、市教委共催)。東日本大震災で釜石市民文化会館が被災した後も会場を移して途切れず続き、今年で38回目。県以外から集まった合唱愛好者や釜石高の生徒など約150人が震災からの復興を願い、高らかに声を上げた。「オーケストラと歌おう」のコーナーには大平中(高橋亨校長)の全校生徒124人が出演。最後に客席を埋めた約400人の市民と共に「歓喜の歌」の声を上げ、復興への思いを一つにした。

 

 演奏会は大平中生の歌声で幕開け。同校の校歌のほか、復興支援ソング「花は咲く」をさわやかに響かせた。客席には父母らも詰め掛け、晴れの舞台に大きな拍手を送った。

 

心一つに「校歌」などを歌い上げた大平中の全校生徒

心一つに「校歌」などを歌い上げた大平中の全校生徒

 

 そして、「第九」。約50人編成のオーケストラが第2楽章までを奏でた後、第3楽章から4人のソリストが入場。第4楽章の途中から合唱団が立ち上がり、「歓喜の歌」でクライマックス。150人が一つになり、壮大なハーモニーを響かせた。

 

 大手ゼネコンの熊谷組から派遣され、2年前から嬉石・松原地区のかさ上げ工事など復興事業の現場代理人を務める相見秀毅さん(50)は「みんなの気持ちを一つにする音楽の力に感動した。今後の仕事にも励みになる」と感激に浸った。

 

 鳥取県出身で、釜石に来るまでは音楽とは全く無縁の生活。第九メンバー募集の新聞記事を目にし、「まちの歴史や市民の思いを少しでも知りたい」と昨年から活動に飛び込んだ。しかも、2年目の今年はバスからテノールに転向。見事に歌い切り、「怖いもの知らずです」と大きな体で笑い飛ばした。現場の仲間も舞台づくりなど裏方として全面的に協力した。

 

 相見さんは「(釜石での復興事業は)最低でもあと4年はかかりそう。仕事に区切りが付くまで、まだまだ釜石のみなさんと感動の日々を重ねたい」と意を新たにした。

 

 初めてオーケストラに合わせて歌った大平中2年の堀切友裕君(次期生徒会長)は「最初は合わせるのが大変でしたが、自分たちの思いは届けることができた」と胸を張る。高橋校長は「生徒たちの一生の思い出になる」と感謝した。

 

 6年前の長男に続き二男の今井宙翔君(2年)がステージに立った平田の今井沙織さん(38)は「ちょうど私が生まれた38年も前から続く第九は、その歴史がすごいと思う。その演奏会を2人の息子が体験できて、とてもうれしい」と拍手を送った。

 

(復興釜石新聞 2015年12月9日発行 第443号より)

 

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三陸の「食」と「農」お披露目交流会、加工業者ら意見交わす〜新メニュー開発へ情報交換

三陸の農と食

「食とワインで三陸地域を活性化させよう」とアピールする宝来館女将の岩崎さん

 

 三陸の海の幸などの味を引き立てる地元産ワインを造ることで三陸の魅力発信や地域振興、活性化につなげようとブドウ栽培に取り組む釜石市鵜住居町根浜の宝来館は1日、「いわて三陸の新しい『農』と『食』お披露目交流会」を開いた。三陸地域の農産物や海産物生産者、加工・販売に取り組む業者や支援機関の関係者ら15人が参加。アワビや甲子柿など地元産の食材を生かした多彩な料理を堪能しながら、新しいメニューの開発に向けて情報や意見を交わした。

 

 この日のメニューはドンコの和え物、カキのスモーク、ブリ大根、アワビのやわらか煮など、いずれも三陸産の食材を生かしたもの。健康野菜として注目を集めるアピオスの素揚げや塩麹(こうじ)漬け和牛のにぎり、甲子柿のソルベなど斬新なメニューも並んだ。

 

 交流会は、宝来館のブドウ栽培の取り組みに関心を持った公益社団法人岩手県農業公社農業参入アドバイザーの佐藤広昭さんらが視察に訪れたのがきっかけ。交流会を企画した佐藤さんは「三陸地域では農業の拠点化を目指す意欲的な生産者と、農産物の加工・販売業者が共鳴・交流し、地域の復興に取り組む動きが活発化している。今はまだ点にとどまっている動きを線から面へと広げよう」と参加者に呼びかけた。

 

 宝来館がブドウ栽培を始めたのは2013年から。花巻市大迫町の高橋喜和さん(高橋葡萄園代表)の技術指導を受け、鵜住居地区復興まちづくり協議会が運営する「にこにこ農園」などに約400本の苗木を植え、生育を見つめる。

 

 交流会には、高橋さんも自慢の白ワインなどを持参して参加。「釜石でも来年あたりから収穫できそうだ。ラグビーワールドカップ(W杯)開催時に地元産ワインを提供できるよう、これからもしっかりとお手伝いしていきたい」と熱い情熱を伝えた。

 

 宝来館女将(おかみ)の岩崎昭子さんは「これからがスタート。この動きを力強い流れに変え、食とワインで三陸地域を活性化させよう」とアピール。県沿岸広域振興局の小菅裕明農林部長は「せっかくの食材がありながら、ブランド化がいま一つうまく進んでいない。食を盛り上げ、支援していきたい」とエールを送った。

 

(復興釜石新聞 2015年12月5日発行 第442号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

岸谷香コンサート

【釜石在住・在勤者優先販売枠のご案内】岸谷香コンサート〜釜石発、PITがつなぐ心の復興〜

チームスマイル・釜石PIT 岸谷香コンサート

 

本チケットは完売致しました

 

「チームスマイル・釜石PIT」のオープニング記念公演として、2016年1月10日(日)に「岸谷香コンサート~釜石発、PITが繋ぐ心の復興~」が開催されます。

 

元プリンセス プリンセスのヴォーカルとして数々のヒット曲を生み、震災後は復興支援にご尽力する岸谷香さんが、チームスマイル・釜石PITのステージに登場します!

 

釜石PITオープニング記念公演となる今回は、釜石市に在住または在勤の方限定の優先販売枠をご用意いたしました。期間限定での先行販売となりますので、貴重な公演をぜひお楽しみ下さい。(予約販売数に達した時点で受付終了となります)

 

「釜石市民優先枠」先行発売について

販売対象
本チケットは完売致しました
釜石市内に在住及び在勤の方
受付期間
受付中〜12月12日(土)23時59分 まで
予約受付電話番号
0570-02-9960
自動音声ガイダンスが流れます。音声に従ってお進み下さい。
販売に関しての注意事項

  • 3歳よりチケットが必要となります(3歳未満でも座席が必要な場合はチケットが必要)
  • チケットはお一人様4枚までとなります
  • 予約販売数に達し次第受付終了となります

予約完了後のチケット引換えについて
全国のチケットぴあ店舗、セブン-イレブン、サークルK・サンクスにて、電話予約時のガイダンスが案内する有効期間内に引換え可能です。

 

公演

「岸谷香コンサート ~釜石発、PITが繋ぐ心の復興~」

日程

2016年1月10日(日)

会場

チームスマイル・釜石PIT
住所:岩手県釜石市大町1-1-10

開場/開演

開場 14:00 / 開演 14:30

チケット価格

全席指定 3,800円(消費税込み)
※3歳よりチケットが必要となります
※岩手県在住の高校生以下の方は、当日学生証を提示頂くと1,000円キャッシュバック

一般発売日

2015年12月13日(日)10時〜

お問い合わせ

キョードー東北
TEL 022-217-7788(平日10時~19時・土曜10時~17時)

フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

釜石水産物商業協同組合の新しい事務所用地

浜の拠点 新事務所着工、釜石水産物商業協同組合〜一般向け販売コーナーも 来年3月完成予定

釜石水産物商業協同組合の新しい事務所用地

釜石水産物商業協同組合の新しい事務所用地。奥の海側に魚市場が建設される

 

 東日本大震災で旧釜石魚市場内の事務所が全壊した釜石水産物商業協同組合(赤崎光男理事長、組合員32人)の新しい施設が浜町2丁目に建設されることになり、新築工事の地鎮祭が1日、水産業共同利用施設復興整備事業でかさ上げ、造成された現地で行われた。新事務所は来年3月の完成を見込む。来年10月の完成に向けて建設中の新魚市場に隣接し、新生「水産釜石」の拠点の一つとして期待される。 

 

地鎮祭には組合員、施工関係者ら約20人が出席。神事で赤崎組合長がくわ入れし工事の安全を祈った。野田武則市長は「浜町、新浜町、東前町一帯は水産振興の拠点地域に位置づけている。水産加工団地が早期に形成されるよう、市も努める」と期待を述べた。

 

地鎮祭でくわ入れする赤崎光男理事長

地鎮祭でくわ入れする赤崎光男理事長

 

 新事務所は鉄骨造り平屋建て、延べ床面積198平方メートル。事務所、加工場、倉庫と販売スペースを配置する。総事業費6400万円で、うち5600万円は、国と市が8分の7を負担する水産業共同利用施設復興整備事業の補助を受ける。

 

 同事業は、建設中の魚市場に隣接する浜町一帯の計画面積約3万2千平方メートルで実施。全体で5区画のうち、同組合の用地は2区(1550平方メートル)で、公募により同組合と来年9月の竣工(しゅんこう)を見込む民間事業所1社が承認された。区画内には、自力再建した地元の1社がすでに操業している。

 

 同組合は1971年、中小企業等協同組合法により、釜石市、大槌町、山田町の組合員で設立。地元の海産物、加工品の購入、地域外からの搬入品を扱ってきた。昭和50年代には組合員が100人を超え、販売額は10億円以上にのぼったが、震災直前には組合員50人、販売額も3億円に縮小していた。震災でさらに10人が廃業。現組合員32人のうち3分の1は休業状態にある。

 

 組合事業は震災の4カ月後、大渡町に仮店舗を借り再開した。しかし、魚市場から離れた立地や販売環境の変化など課題が重くのしかかった。組合の経営基盤を強化するため、新魚市場に隣接して新事務所を構えることにした。

 

 赤崎理事長(60)は「浜町一帯は商店も被災。残る住民は”買い物難民”になっている」と指摘。新設する事務所には、一般消費者向けの販売コーナーも設ける考えだ。「来年には完成する魚市場と一体で、『海の駅』的な観光資源にもしたい」と意欲を見せる。

 

(復興釜石新聞 2015年12月5日発行 第442号より)

 

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テープカットし吉浜道路の開通を祝った式

三陸道「吉浜道路」開通 復興加速に期待、釜石ー大船渡 距離縮む

テープカットし吉浜道路の開通を祝った式

テープカットし吉浜道路の開通を祝った式典。地元住民や三陸道沿線市町の関係者が喜びに包まれた

 

 東日本大震災の「復興道路」として国が整備を進める三陸沿岸道路の一部、大船渡市三陸町越喜来から吉浜を結ぶ「吉浜道路」(3・6キロ)が11月29日に開通した。これまで利用されてきた急カーブ、急勾配が続く国道45号に比べ約6分の走行時間短縮が見込まれ、安全な通行とともに医療、物流、観光など復興を後押しする多方面での整備効果が期待される。開通式典に出席した釜石市の野田武則市長は「釜石と大船渡の連携が一層強まり、次の吉浜釜石道路につながる非常に大きな一歩。道路整備は地域経済の活性化、特にも震災で大きなダメージを受けた三陸にとっては欠かすことができないもの。引き続きの加速をお願いしたい」と期待を込める。

 

 午後3時の一般車両通行開始を前に、午前10時から吉浜地区で開通式典が行われた。石井啓一国土交通大臣が「吉浜道路は安全、安心な命の道として沿岸地域の再生と振興に大きく寄与するものと期待される。復興まちづくりの希望の光になるよう、一日も早い全線の完成に向け最大限の努力をしていく」とあいさつ。達増拓也県知事、戸田公明大船渡市長が完成までの経過を紹介し、整備による地域への波及効果に大きな期待感を示した。テープカットや地元地権者の親子三代渡り初め、車両パレードが行われ、出席者約300人が念願の開通を盛大に祝った。

 

 同道路は片側1車線の自動車専用道路。越喜来高架橋(584メートル)、吉浜トンネル(1644メートル)、吉浜高架橋(373メートル)と3つの構造物が区間内の約7割を占める。越喜来側はすでに供用されている「大船渡三陸道路」に、吉浜側は2018年度完成予定の「吉浜釜石道路」につながる。三陸、吉浜両インターチェンジ(IC)で国道45号と結節する。今回の開通で大船渡市内すべてのICが完成し、本県南部は陸前高田市竹駒町から大船渡市三陸町までの28・7キロ区間が通行可能となった。

 

 吉浜道路と並行する45号区間は交通の難所とされる羅生峠があり、正面衝突などの事故も多い。今回の開通で、峠越えの回避による重大事故の削減、迅速で安定した救急搬送、海産物輸送の鮮度保持―など生活や産業の質向上に期待が高まる。

 

 県沿岸南部の高度救命救急、周産期医療を担う県立大船渡病院の伊藤達朗院長は「救急、ハイリスク分娩患者の搬送時間の短縮で早期治療、救命率向上が期待でき、患者負担も軽減される。高規格道路は医療資源の少ない沿岸部にとって貴重なインフラ」と歓迎。釜石ロード女性の会の岩切久仁会長は「うれしいですね。(大船渡)病院も近くなるし、これが早く釜石までつながればと切に願う。道路は人の往来を生む。都会からも(地方に)どんどん訪れるようになるのでは」と明るい未来を描いた。

 

(復興釜石新聞 2015年12月2日発行 第441号より)

 

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釜石SW TC進出決定

釜石TC進出決定 栗田を逆転開幕8連勝、嫌な流れも勝ち切る強さ

ナンバー8須田康夫主将が駆け抜けトライ

後半34分、ナンバー8須田康夫主将が駆け抜けトライ。粘る栗田工業を突き放す=11月28日、神奈川県相模原市の相模原ギオンスタジアム

 

 ラグビートップイーストリーグの釜石シーウェイブス(SW)RFCは11月28日、神奈川県相模原市で栗田工業と対戦し、26―19(前半7―14)で逆転勝ちした。釜石は開幕から8連勝で勝ち点を38に伸ばし、1試合を残して2位以内が確定。2年連続で、トップリーグ昇格につながるトップチャレンジ(TC)進出を決めた。釜石は前半、WTB小野航大のトライで先制。その後、敵陣ゴール前でのミスから2トライを奪われ逆転を許したものの、後半メンバーを入れ替えて勢いを取り戻す。スクラムを押し込んでナンバー8須田康夫主将が同点トライ。WTB村井佑太朗のトライで勝ち越し、さらに須田主将がトライを加え、粘る栗田を振り切った。5日に東京・秩父宮ラグビー場で行われる最終戦では、リーグ初制覇とTC1進出を懸け、全勝で首位を走る三菱重工相模原と対戦する。

 

 2年連続で手にしたトップチャレンジ進出にも、11年ぶりだった昨年のような興奮はない。全勝対決となる三菱重工相模原との最終戦へ向け、三浦健博ヘッドコーチ(HC)は「新しい歴史をつくろうとやってきた。全勝で優勝したい」と当たり前のことのように言ってのけた。

 

 栗田工業には昨季、苦杯を喫している。「苦手意識があった」と三浦HC。敵陣ゴール前まで迫りながらもパスミスからカウンターを食らうという、同じような形で2トライを許し逆転された。

 

 だが少しも慌てることなく、後半開始早々、切り札のFBジェームス・カマナら3人を一気に投入。積極的なライン参加でかく乱し、逆転勝利に結びつけた。

 

 「相手が思ったほど前に出て来ないので、積極的にボールを動かそうとしたところを突かれた。後半はラインを深くし、すぐに修正できた」。三浦HCは冷静に試合を振り返った。

 

 2トライで勝利に貢献した須田主将も嫌な流れに動じなかった。「ミスからトライを取られはしたが、くれてやるというぐらいの気持ちだった」と強気。後半11分、スクラムを押し込み、サイドを突いてトライ。34分には豪快な突進から相手の守りをぶっちぎり、インゴールに飛び込んだ。

 

 「昨季は気持ちにムラがあったが今季はぶれない。フィジカルを鍛え、新戦力もしっかり融合できている。精神的にも強くなった」。須田主将は、昨季までだったら落としたかもしれない難しい試合も今季は勝ち切る強さをアピールした。

 

 開幕から8連勝はチーム初。須田主将は「いい立ち位置で(三菱重工に)チャレンジできる。序盤からプレッシャーをかけられれば」と全勝優勝を頭に描く。

 

ルーキー村井 殊勲の勝ち越しトライ

 

 明大卒のルーキーWTB村井佑太朗(23)が殊勲の勝ち越しトライを決めた。後半22分、FBカマナからパスを受けると、タックルを振り切ってインゴールに飛び込んだ。

 

後半22分、勝ち越しトライを決める村井佑太朗

後半22分、勝ち越しトライを決める村井佑太朗

 

 社会人リーグでは2つ目のトライになるが、トップチャレンジ進出が懸かる重要な試合だけに喜びは格別。左太ももを打撲で傷め、ここ2試合は欠場していただけに、安堵(あんど)の表情も見せた。

 

 持ち味は広い視野。「いつでも冷静に判断できるように」と心がける。「しっかりと自分の役割をこなし、全勝優勝に貢献したい」

 

(復興釜石新聞 2015年12月2日発行 第441号より)

関連情報 by 縁とらんす
釜石シーウェイブスRFC公式サイト
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森林資源活用研究会

地産地消へ流通システム構築〜薪を安価に安定的に調達 さまざまな波及効果期待、森林資源活用研究会

森林資源活用研究会

釜石地方森林組合の原木置き場で9月に開かれた「薪づくりまつり」

 

 釜石地方森林組合と連携し、薪(まき)燃料流通システムの構築に取り組んでいる「森林資源活用研究会」は、薪が手に入りやすくなったとしてストーブユーザーなどに利用を呼びかけている。山林所有者などから丸太材を買い取り、薪燃料として販売する仕組み。市販価格より格安で販売するが、その代わり購入した材木は自分の手で割るなど燃料用として加工するのが原則。研究会は、この試みからさまざまな波及効果を期待する。薪ストーブ生産者で研究会事務局を担当する石村工業の石村真一社長(62)は「薪の地産地消を進めたい」と思いを膨らませる。 

 

 再生可能エネルギーの一つとして普及が期待される薪は、販売する所が少ない上、石油などと比べ割高なのがネック。釜石市内には現在、薪を売っている所はない。石村工業が生産する薪ストーブは木質ペレットも使用できるが、入手が困難で、現在は秋田県の業者から仕入れているという。デザイン性にも優れた同社の薪ストーブはヒット商品となり、これまで全国に2300台余りが売れているが、釜石市内では50台程度にとどまる。

 

 そこで、薪を安価で安定的に供給するシステムはできないかと、昨年6月に任意団体の森林資源活用研究会を発足。釜石地方森林組合の協力で原木の置き場を敷地の一角に確保。ストーブや風呂、給湯などに用いる薪を、ここで購入できるシステムを整えた。

 

 1キロ当たりの販売価格は、薪割りと運搬を自分で行う場合、ナラ類11円、広葉樹10円、針葉樹8円。市販価格の5分の1程度という。購入者はここで薪を割り、自宅まで自分で運搬するのが原則。この試みには低質材の流通促進、林内の美化、薪利用の普及などのメリットがあるほか、薪ユーザー同士の交流促進にも期待も込める。

 

 薪流通の仕組みを知ってもらおうと、今年9月と今月の2回、「薪づくりまつり」を開催。参加は10人足らずと少なかったが、石村社長は「薪流通システムの周知に努め、少しずつ利用者を拡大して軌道に乗せたい」と意欲を見せる。

 

 薪は月~土曜日に販売しており、薪を割る機材は森林組合が貸してくれる。原木を提供してもらえる山林所有者からの買い取りも行う。申し込み・問い合わせは石村工業(電話0193・22・3641)へ。

 

(復興釜石新聞 2015年11月28日発行 第440号より)

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翳った太陽を歌う会

再び歌える日を願い 震災で中断も、本格練習を開始〜戦争体験に耳傾ける 「翳った太陽」を歌う会

翳った太陽を歌う会

戦争体験者の話を聞き、語り継ぐとの思いを新たに歌声を響かせる翳った太陽を歌う会の会員ら

 

 釜石市の合唱グループ「翳(かげ)った太陽を歌う会」(菊地直美会長、会員17人)は26日、「戦争体験者の話を聞く会」を小川町の働く婦人の家で開き、米英軍による2度の釜石艦砲射撃(1945年)を経験した甲子町の佐々木郁子さん(86)が語る戦争の悲惨さに耳を傾けた。

 

 佐々木さんは、鈴子町にあった釜石製鉄所病院に看護師として勤務していた16歳の時に艦砲射撃を経験。爆撃の始まりから患者を防空壕(ごう)へ避難させる様子、2時間に及ぶ爆撃のあとの変わり果てた街や負傷者が次々運ばれる病院の様子などを生々しく語った。

 

 「苦しい、助けて」。夜間の巡回時、病院に響く患者のうめき声が耳に残り、「ゆっくり治療すると約束したのに、命をなくした人も多く、悔しさ、悲しさでいっぱいだった」と声を詰まらせた。終戦を告げる玉音放送は「無条件降伏で絶望、不安がある一方、解放される喜びや希望も湧いてきた」と、猛勉強し資格を取得した助産師としての活躍についても語った。

 

 佐々木さんは「想像できますか。今は本当に平和。天災は自然なので防げないが、戦争は人災で起こること。体験者でなくても悲惨さを繰り返さないため、戦争は絶対しない、平和国家を守ってほしい」と願った。

 

 同グループは2005年に活動を始め、今年で11年目。市戦没者追悼式での献歌、小学校でのコンサートなどを行ってきた。その中で歌い継いできた合唱組曲「翳った太陽」は、市内の戦争体験者2人の短歌や絵手紙を元に創作されたもの。会員のほとんどが戦争を体験していない世代で、曲への理解を深めようと同様の会をこれまで4回行い、体験者の心に触れながら戦争について学んできた。

 

 震災で活動場所の同家が避難所になるなど活動が中断。戦争の愚かさ、平和の尊さを訴えるこの組曲も、戦災の生々しい惨状が震災直後の情景と重なり、歌えなくなった。「震災の悲しい記憶を呼び起こすようで」と、同グループ講師で作曲者の最知節子さん(72)は振り返る。

 

 計6曲の組曲は全17分。戦後70年を迎えた今年、追悼式で短い前奏曲だけ披露した。市民ホールが完成した際、全曲披露できるよう、10月から本格的な練習を開始。これに合わせ、話を聞く会も再開することにした。

 

 震災当時会長を務め、今は大渡町のみなし仮設住宅で暮らす種市誓子さん(68)は「戦争は普通の当たり前の生活を奪う。混乱期の中を気丈に生き抜いた佐々木さんの姿を見聞きし、若い人に伝えていかなければとの思い、平和への願いが強まった」と感動。最知さんは「全曲歌える日が来るよう、一歩ずつ歩みを進めていきたい」と意欲を見せた。

 

 同グループでは会員を募集している。申し込みは婦人の家(電話23・2017)へ。

 

(復興釜石新聞 2015年11月28日発行 第440号より)

 

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虎舞フェスティバル 箱崎虎舞

躍動虎舞 復興鼓舞〜釜石でフェス 大槌、気仙沼からも

虎舞フェスティバル 箱崎虎舞

被災を乗り越え、心を1つに力強い舞を見せる箱崎虎舞

 

 第6回全国虎舞フェスティバル(釜石観光物産協会主催)は22日、釜石市のイオンタウン釜石第2駐車場特設会場で開かれた。市内外の10団体が出演。震災以降、地域住民らに希望を与え復興への大きな心の支えとなってきた各地の虎舞が、伝統の舞で観客を魅了。古里再生へ一歩一歩進むまちに活力と元気をもたらした。

 

 オープニングを飾ったかまいしこども園は、前身の釜石保育園が津波で被災し、仮園舎での保育を経て今春からこども園として再出発。震災後に始めた虎舞は5年目を迎え、かわいらしい子虎が観客の笑顔を誘った。

 

 昨年から活動を始めた釜石小虎舞クラブは同フェス初出演。1~6年生の有志39人が初めての大舞台に挑戦した。児童らは釜石虎舞保存連合会の指導を受けている。リーダーの新沼誠太朗君(6年)は「少し緊張しているけど、激しく迫力ある舞を見せたい。練習を重ね、みんなうまくなってきたので本番が楽しみ」と出番を待った。

 

 市内各地区からは只越虎舞、尾崎青友会、鵜住居青年会、錦町青年会、箱崎虎舞保存会、白浜虎舞好友会が出演。被災後の多くの支援に感謝しながら魂の込もった舞を見せ、盛んな拍手を浴びた。

 

 市外から招かれたのは大槌城山虎舞(大槌町)と浪板虎舞保存会(宮城県気仙沼市)。トリを務めた浪板虎舞は300年以上の歴史を誇り、気仙沼市の無形民俗文化財に指定されている。この日は小学生から60代まで37人が来釜。大人数の太鼓の囃子(はやし)で、虎が高さ6メートルのはしごを登る勇壮な演舞を披露し観客を驚かせたほか、虎頭で客の頭をかんで無病息災や航海安全を祈った。

 

虎舞フェスティバル 浪板虎舞

客席を回り観客の健康や幸福を祈願する浪板虎舞

 

 同市浪板地区は230世帯余りの集落で、震災の津波で住民約25人が犠牲になった。震災直後の5月、落ち込む子どもたちを元気づけたいと虎舞の復活を決意。国内外からの支援に対する感謝を込め演舞の場を設けた。

 

 以来、横浜市など各地で恩返しの舞を披露している。「虎舞の縁で全国の皆さんから力をもらった。(支援と恩返しの関係から)新たな交流の形も生まれている」と同保存会の小野寺信義幹事長(70)。舞い手の一人、吉田和也さん(45)は「お客さまが喜んでくれると私たちもうれしくなる。釜石地域の虎舞も見られて面白かった。互いに楽しい時間を過ごしながら復興へ歩んでいければ」と願った。

 

 遠野市から家族4人で訪れた阿部さくらさん(31)は「いろいろな虎舞があって楽しかったし、お祭り気分が味わえた。2人の息子は浪板虎舞に頭をかんでもらいました」とほほ笑んだ。

 

(復興釜石新聞 2015年11月25日発行 第439号より)

本日はちょっと肌寒い一日でしたが、イオンタウン釜石特設会場では「第6回全国虎舞フェスティバル」が開催されました幼稚園児、小学生から大人の団体まで10団体の勇壮な演舞が披露され市外からは大槌城山虎舞、県外からは宮城県気仙沼市の浪板虎舞保…

Posted by 釜石の観光 on 2015年11月22日

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

戦場のアリア

映画上映「戦場のアリア」@釜石PIT

戦場のアリア フライヤー

 

-その聖なる日、銃声が止んだ- 真実を元に描いた至高のクリスマス映画

 

《あらすじ》
1914年、第一次大戦下。フランス・スコットランド連合軍と、ドイツ軍が連日砲弾を鳴り響かせているフランス北部の村。クリスマスだけは家族のもとへ帰りたいと兵士の誰もが願っていたが、戦況はますます熾烈さを極めていた。やがて訪れたクリスマスの夜。ドイツ軍には10万本のクリスマス・ツリーが届けられ、スコットランド軍の塹壕からはバグパイプの音色が聞こえてくる。そして、奇跡は起こった。

 

これは、大戦下のクリスマス・イブに、互いに敵対する者たちが、クリスマス・キャロルの歌声をきっかけに、戦闘の最前線で歩み寄り、挨拶をし、フランスのシャンパンで乾杯したという信じられない本当の物語。これが長編2作目となるクリスチャン・カオリン監督は、軍の正式発表には残されていないが、ヨーロッパ各地に今も語り継がれる戦場の奇跡を忠実に映画化した。

 

映画上映「戦場のアリア」フライヤー(表)
映画上映「戦場のアリア」フライヤー(裏)

 

イベント名

映画上映「戦場のアリア」 ※字幕版(上映時間117分)

開催日

2015年12月27日(日)

開演

14:00(開場 13:30)

会場

チームスマイル釜石PIT(釜石情報交流センター内)

入場料

500円(未就学児無料)

定員

120名:全席自由 ※満員の際は入場出来ない場合がございます

特典

ご来場の方に ドリンクプレゼント

問い合わせ先

シネマエール東北・岩手担当(シネマリーン) 0193-64-5588


フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト

アナと雪の女王

映画上映「アナと雪の女王」@釜石PIT

アナと雪の女王

 

あの人気作品を「チームスマイル釜石PIT」の250インチ大型スクリーンで!ご来場の方に、ドリンク&ポップコーンのプレゼントも!

 

《あらすじ》
王家の姉妹、エルサとアナ。触れたものすべてを凍らせてしまう”禁断の力”を隠し続けてきた姉エルサは、その力を制御できずに王国を冬にしてしまう。雪や氷から大切な妹と王国を取り戻すために、妹アナは山男のクリストフとスヴェン、”心温かい雪だるま”のオラフと共に、エルサの後を追って雪山へ向かう。アナの思いは凍った心をとかし、凍った世界を救うことができるのか?そして、すべての鍵を握る”真実の愛”とは…?

 

映画上映「アナと雪の女王」フライヤー(表)
映画上映「アナと雪の女王」フライヤー(裏)

 

イベント名

映画上映「アナと雪の女王」 ※日本語吹替え版(上映時間102分)

開催日

2015年12月26日(土)

開演

14:00(開場 13:30)

会場

チームスマイル釜石PIT(釜石情報交流センター内)

入場料

500円(未就学児無料)

定員

120名:全席自由 ※満員の際は入場出来ない場合がございます

特典