躍動虎舞 復興鼓舞〜釜石でフェス 大槌、気仙沼からも
被災を乗り越え、心を1つに力強い舞を見せる箱崎虎舞
第6回全国虎舞フェスティバル(釜石観光物産協会主催)は22日、釜石市のイオンタウン釜石第2駐車場特設会場で開かれた。市内外の10団体が出演。震災以降、地域住民らに希望を与え復興への大きな心の支えとなってきた各地の虎舞が、伝統の舞で観客を魅了。古里再生へ一歩一歩進むまちに活力と元気をもたらした。
オープニングを飾ったかまいしこども園は、前身の釜石保育園が津波で被災し、仮園舎での保育を経て今春からこども園として再出発。震災後に始めた虎舞は5年目を迎え、かわいらしい子虎が観客の笑顔を誘った。
昨年から活動を始めた釜石小虎舞クラブは同フェス初出演。1~6年生の有志39人が初めての大舞台に挑戦した。児童らは釜石虎舞保存連合会の指導を受けている。リーダーの新沼誠太朗君(6年)は「少し緊張しているけど、激しく迫力ある舞を見せたい。練習を重ね、みんなうまくなってきたので本番が楽しみ」と出番を待った。
市内各地区からは只越虎舞、尾崎青友会、鵜住居青年会、錦町青年会、箱崎虎舞保存会、白浜虎舞好友会が出演。被災後の多くの支援に感謝しながら魂の込もった舞を見せ、盛んな拍手を浴びた。
市外から招かれたのは大槌城山虎舞(大槌町)と浪板虎舞保存会(宮城県気仙沼市)。トリを務めた浪板虎舞は300年以上の歴史を誇り、気仙沼市の無形民俗文化財に指定されている。この日は小学生から60代まで37人が来釜。大人数の太鼓の囃子(はやし)で、虎が高さ6メートルのはしごを登る勇壮な演舞を披露し観客を驚かせたほか、虎頭で客の頭をかんで無病息災や航海安全を祈った。
客席を回り観客の健康や幸福を祈願する浪板虎舞
同市浪板地区は230世帯余りの集落で、震災の津波で住民約25人が犠牲になった。震災直後の5月、落ち込む子どもたちを元気づけたいと虎舞の復活を決意。国内外からの支援に対する感謝を込め演舞の場を設けた。
以来、横浜市など各地で恩返しの舞を披露している。「虎舞の縁で全国の皆さんから力をもらった。(支援と恩返しの関係から)新たな交流の形も生まれている」と同保存会の小野寺信義幹事長(70)。舞い手の一人、吉田和也さん(45)は「お客さまが喜んでくれると私たちもうれしくなる。釜石地域の虎舞も見られて面白かった。互いに楽しい時間を過ごしながら復興へ歩んでいければ」と願った。
遠野市から家族4人で訪れた阿部さくらさん(31)は「いろいろな虎舞があって楽しかったし、お祭り気分が味わえた。2人の息子は浪板虎舞に頭をかんでもらいました」とほほ笑んだ。
(復興釜石新聞 2015年11月25日発行 第439号より)
本日はちょっと肌寒い一日でしたが、イオンタウン釜石特設会場では「第6回全国虎舞フェスティバル」が開催されました幼稚園児、小学生から大人の団体まで10団体の勇壮な演舞が披露され市外からは大槌城山虎舞、県外からは宮城県気仙沼市の浪板虎舞保…
Posted by 釜石の観光 on 2015年11月22日
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