食、遊びを楽しむ人でにぎわった「うのすまい・トモス」3周年記念イベント

街ににぎわいを!鵜住居・トモス3周年記念イベント 食、郷土芸能で人をつなぐ

食、遊びを楽しむ人でにぎわった「うのすまい・トモス」3周年記念イベント

食、遊びを楽しむ人でにぎわった「うのすまい・トモス」3周年記念イベント

 

 釜石市鵜住居町の「うのすまい・トモス」の3周年記念イベントが3月26日、開かれた。地元の海と山の恵み、市外のおいしいものを販売する店が集合。鵜住居虎舞の演舞、釜石シーウェイブス(SW)RFCによるラグビー体験もあり、家族連れらが食、郷土芸能、遊びを楽しんだ。

 

 指定管理者のかまいしDMCが主催。地元産の海産物や野菜、そば・うどん、から揚げ、パン、和菓子、ジェラートなど多彩なメニューを売る市内外の約20店が並んだ。この日の朝に水揚げしたホタテ焼きが人気で、調理に精を出した三浦紘子さん(77)は「浜のもののおいしさを分かってもらいたい。女性陣も水産業を支え、復興につなげていけたらいい」と思いを込めた。

 

人気のホタテ焼き。網焼き作業では浜の女性たちが力を発揮した

人気のホタテ焼き。網焼き作業では浜の女性たちが力を発揮した

 

 両手いっぱいに買い物袋を持つ小川町の中村友治さん(68)、洋子さん(74)夫妻は「いろんな店を見て、欲しいものを選べるのが楽しい」と喜んだ。そんな2人のお目当ては「釜石と言ったら、虎舞でしょ」。鵜住居虎舞の保存継承活動を続ける鵜住居青年会の勇ましい演舞と威勢のいい掛け声に大きな拍手を送っていた。

 

力強い虎舞を披露した鵜住居青年会。地域住民に元気を届けた

力強い虎舞を披露した鵜住居青年会。地域住民に元気を届けた

 

 野田結月さん(小佐野小6年)と宮川友梨香さん(双葉小4年)はラグビー体験に「楽しい」と声をそろえた。三陸鉄道を利用して来場。「震災で被害を受けた地域だけど、こういうイベントをやって頑張っているのがすごい」と、まちの熱気を感じ取った様子だった。

 

会場ではラグビー体験を楽しむ人の姿も見られた

会場ではラグビー体験を楽しむ人の姿も見られた

 

 イベントは新型コロナウイルス感染症の影響で客足、活動の場、外出の機会が減る飲食業や生産者、郷土芸能などの団体、地域住民をつなぎ、にぎわいを作るのが狙い。うのすまい・トモス事務局管理責任者の佐々学さん(42)は「コロナの収束が見通せず難しい時期だが、気を付けながらできることをやろうと考えた。人との触れ合い、新しいつながりが生まれ、根付き、釜石を好きになってくれる人が増えるといい」と期待した。

台風19号で崩落 釜石・市道箱崎半島線 排水機能強化し2年半ぶり復旧開通

台風19号で崩落 釜石・市道箱崎半島線 排水機能強化し2年半ぶり復旧開通

崩落箇所の復旧工事がほぼ終わり、3月31日午後5時に開通した市道箱崎半島線

崩落箇所の復旧工事がほぼ終わり、3月31日午後5時に開通した市道箱崎半島線

 

 2019年10月の台風19号豪雨で盛り土が崩壊、3人が死傷した釜石市鵜住居町の市道箱崎半島線の復旧工事がほぼ終了し、3月31日から通行可能となった。復旧にあたっては、災害発生要因となった地中浸透水の排水機能を強化する対策を講じたほか、異常をいち早く察知するために水圧や水位、流量などの計測機器を設置した。津波など災害発生時の半島集落孤立を防ぐ道路機能の復活に、住民からは安堵(あんど)の声が聞かれた。

 

 同路線は東日本大震災の被害を教訓に、箱崎半島部と鵜住居町を走る国道45号を高台通行で結ぶ道路として、山を切り開いて整備。2018年10月に全線開通した(総延長2・8キロ)。翌19年10月13日に発生した台風19号による豪雨被害で、路線の一部が長さ約20メートル、幅約12メートルにわたって崩落。通行中の車2台が転落し1人が死亡、2人がけがを負った。

 

台風19号の記録的豪雨で崩落した現場=2019年10月

台風19号の記録的豪雨で崩落した現場=2019年10月

 

 市は崩落原因の調査、検証を地盤工学の専門家に依頼。検証の結果、崩落は「路面下の盛り土に排水能力を超える多量の浸透水が流入し、限界状態に達した盛り土が崩壊したことによる」との結論が示された。流出した土砂は約2600立方メートルに及ぶ。

 

 検証結果を受け復旧工事では、山から盛り土内へ流入する水量を低減させるため、排水施設に集水井、集排水ボーリング工法を採用。盛り土内には最深部の基盤排水層のほか、2段の中間排水層を整備し、管や砕石で排水効果を高めた。盛り土自体の安定を図るため、地中に網状の補強材を5段にわたって設置した。この他、道路変状の確認や異常時の対応ができるよう水圧、水位計などを埋設。今後、地表に設置する雨量計、水路の流量監視カメラと合わせ、リアルタイムの監視による危険回避策も講じた。

 

山から流れ出る雨水や地中の水を集め、安全に流せるようにした排水施設

山から流れ出る雨水や地中の水を集め、安全に流せるようにした排水施設

 

排水機能を高めた盛り土から水を流すための水路などが敷設された道路脇斜面

排水機能を高めた盛り土から水を流すための水路などが敷設された道路脇斜面

 

4月中の復旧工事完了を目指す。右が鵜住居方面、左が箱崎半島方面

4月中の復旧工事完了を目指す。右が鵜住居方面、左が箱崎半島方面

 

 復旧工事は昨年7月に着工。工事区間55メートルを含め約2キロを通行止めとし、進められた。路盤の安定性を考慮し、路面の本舗装は4月下旬に行う予定。総工費は約2億8千万円。

 

 沿線の鵜住居町根浜地区に暮らす50代自営業男性は「高台の道路はまちの基本線。通ることができないなら意味がない。災害はいつ来るか分からず、避難するのに必要な道路は通すのが先決だと思っていた。通行再開で、ひとまず安心」と歓迎。

 

 箱崎町内会の高橋道夫事務局長(71)は「市中心市街地に出るには、この道路が便利。箱崎と鵜住居を結ぶにこにこバスも通行を再開した。箱崎町は東日本大震災で孤立したので、低地を通らず移動できる道路はありがたい。アップダウンがあるので、冬場の路面凍結への対策も必要」と話した。

SL銀河の前で記念撮影する子どもたち=3月26日、釜石駅

乗って楽しい!SL銀河 JR盛岡 感謝込め、沿線住民を招待

SL銀河の前で記念撮影する子どもたち=3月26日、釜石駅

SL銀河の前で記念撮影する子どもたち=3月26日、釜石駅

  

 JR東日本盛岡支社は3月26日、釜石線(花巻―釜石間)で運行している蒸気機関車「SL銀河」に、沿線市町に住む家族らを無料招待した。2014年度から運転する同列車を歓迎し、大漁旗を振った出迎えなどで盛り上げを後押ししている沿線の住民に感謝を示そうと企画。車内ではさまざまな催しがあり、多くの親子連れが〝のってたのしい列車〟の旅を楽しんだ。

 

 釜石、花巻、遠野、大槌、住田の5市町在住の小学生がいる家族を対象に募集し、約200人を招待。釜石からは約50人が乗車した。花巻駅を出発し、釜石駅に向かい走る車内ではSLクイズ、子ども用制服を着用して写真撮影などの催しを用意。道中の遠野駅ではヘッドマークとナンバープレートが展示された。釜石駅では、実際の運行に使われている石炭をプレゼント。趣向を凝らしたもてなしで乗客たちの笑顔を誘った。

 

多くの家族連れが蒸気機関車の走りを楽しんだ=3月26日、釜石駅

多くの家族連れが蒸気機関車の走りを楽しんだ=3月26日、釜石駅

 

 降車後に蒸気機関車の前で記念撮影を楽しんでいたのは、米澤心優(こころ)さん(甲子小6年)、悠真(ゆうしん)君(同4年)姉弟。「汽笛の音を汽車の中で聞いたら、響いていてすごかった」「初めて乗った。かっこいい」と目を輝かせた。父健人さん(42)、母美紀さん(45)は「2年以上旅行していない。久しぶりの旅が娘の卒業旅行、いい思い出になった」とにっこり。ステンドグラスやカーテンなどしゃれた内装の非日常空間、車窓から景色を眺めて過ごすゆったりとした時間を満喫し、「地元で楽しめるのが最高」と喜んだ。

 

 SL銀河は、東日本大震災からの復興支援や地域活性化を目的に運行。これまでに約5万7000人が乗車し、鉄道ファンに愛されているが、旅客車の老朽化などに伴い来年春の運行後に終了することが決まっている。

 

s煙を吐きながら鉄橋を進むSL銀河=3月27日午前10時3分、第三甲子川橋梁

煙を吐きながら鉄橋を進むSL銀河=3月27日午前10時3分、第三甲子川橋梁

 

 9年目となる今年上期は4月9日から9月25日まで、土日・祝日を中心に上下計52本の運行を予定。釜石駅の吉田正樹駅長(59)は「鉄道の旅の楽しさを広めてもらえたら。再度乗って、音、匂いを感じてほしい。コロナに負けないような元気、復興の力になる走りを届けたい」と意気込む。

SL銀河が4月9日(土)から本年度の運行を開始します

SL銀河が4月9日(土)から本年度の運行を開始します

SL銀河が4月9日(土)から本年度の運行を開始します

 

SL銀河が4月9日(土)から本年度の運行を開始します。
市民の皆さん、沿線で手を振ってお出迎え・お見送りしましょう。

 

▼JR東日本 SL銀河ページ(運行スケジュール・列車紹介など)
https://www.jreast.co.jp/railway/joyful/galaxysl.html
 
▼釜石観光物産協会 SL銀河運行ページへ(YouTube動画「SL銀河を楽しもう」は必見!です)
https://kamaishi-kankou.jp/news/5958/

 

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 商工観光課 観光物産係
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電話:0193-27-8421 / Fax 0193-22-2762 / メール
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釜石市

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黄色く染まったハンカチを掲げ、「春色だね」とほほ笑む参加者

きれいな春色!タマネギの皮で「草木染」 釜石・鵜住居公民館で体験講座

黄色く染まったハンカチを掲げ、「春色だね」とほほ笑む参加者

黄色く染まったハンカチを掲げ、「春色だね」とほほ笑む参加者

 

 草花や野菜など自然由来の素材を使って布を染める「草木染(くさきぞめ)」を楽しんでもらう体験講座が3月25日、釜石市鵜住居町の鵜住居公民館で開かれた。使ったのは、料理の際には捨ててしまう「野菜くず」のタマネギの皮。参加者はタマネギを煮出した染料に綿のハンカチ(28センチ四方)を浸し、オリジナル作品を完成させた。

 

 同館が不定期に開催する鵜住居交流講座の一環。新型コロナウイルスの影響で外出機会が減る中、ものづくり体験で地域住民の親交を深めようと企画し、住民5人が参加した。前日に、染まりを良くするための下準備「呉汁」(ごじる=大豆を水に浸し、すりつぶしたもの)処理を体験。今回は豆乳(無調整)と水を混ぜたもので代用し、液にハンカチを浸し、絞って陰干ししていた。

 

出来上がりを想像しながら輪ゴムや割りばしを使って模様付けした

出来上がりを想像しながら輪ゴムや割りばしを使って模様付けした

 

 25日の染色作業は染料となるタマネギの皮むきから開始。皮をゆでて染料を抽出す作業を3回繰り返した。最初は透明だった水が次第に黄色く色づいてくると、参加者は「スープみたいで、おいしそう。飲みたい感じ」と興味深そうにのぞき込んだ。煮出している合間に、ハンカチに模様を付けるための「絞り」に挑戦。ペットボトルのキャップや碁石などを輪ゴムで留めたり、布を折り畳んで割り箸で挟んだり、思い思いに手を動かした。

 

「きれいになーれ」。タマネギの皮でつくった染料に布を浸す女性たち

「きれいになーれ」。タマネギの皮でつくった染料に布を浸す女性たち

 

 タマネギの皮から抽出した染料に、模様付けたしたハンカチを約20分間浸した。待つ間に、染料の色落ちを防ぐために必要な「媒染(ばいせん)剤」づくり。今回はミョウバンを使い、ぬるま湯で溶かした媒染液に、さらに20分間浸した。明るい黄色に染まったハンカチに、参加者は「こんなにきれいな色が出るなんて」「春が来た感じ」と歓声。水洗いしながら輪ゴムなどを外すと、白い輪の模様などができていて、「いいね。かわいい」と笑顔を広げていた。

 

 町内の復興住宅で暮らす紺野眞知子さん(67)は、初めての染め物体験を楽しんだ様子。「タマネギの皮でこんなことができるなんて考えもしなかった。きれいな色に仕上がった。違った模様を作ってみたいと意欲が湧く。いろんな人と話ができるのもいいね」と目を細めた。

 

タマネギの皮をゆでている合間に、身を使った料理作りに取り組んだ

タマネギの皮をゆでている合間に、身を使った料理作りに取り組んだ

 

 同館では現在、染め物について研究を重ねている。ナスやアボカド、サクラやウメの枝などを使った方法を試行錯誤し、今回は家庭にあるもので手軽に使うことができるタマネギの皮を選んだ。講師役を務めた主任の村田奈々さん(38)は「食材を使い切る、あるものを上手に活用するのは大事なこと。SDGsや食品ロス、廃棄物の再利用、環境について考えるきっかけになれば。気軽に家庭でも染め物体験をして、世界に一つの自分だけのものを作ってみてほしい」と期待する。

広報かまいし2022年4月1日号(No.1781)

広報かまいし2022年4月1日号(No.1781)

広報かまいし2022年4月1日号(No.1781)

 

広報かまいし2022年3月15日号(No.1780)

広報かまいし2022年4月1日号(No.1781)

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【P1】
鈴子広場の整備完了
【P2-3】
機構改革
市職員の給与状況
【P4-5】
SDGsの取り組み
【P6-9】
【特集】高校卒業後の進路
【P10-11】
市道箱崎半島線の復旧
市民農園の使用者募集 他
【P12-13】
固定資産税のあらまし
【P14-15】
まちのお知らせ
【P16】
釜石シーウェイブスの試合情報 他

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