ヘルダス・ファンデンボルト選手(所属先:日本製鉄(株)釜石製鉄所)プロフィール
2019年加入/1995.4.2生(24歳)/184㎝/100㎏/南アフリカ出身/ヨハネスブルグ大学卒
●ラグビーを始めたきっかけ:5歳から。父が教えてくれた。
●ポジションの遍歴:CTB ※その他にもBKで出来るポジションはあります。(ユーティリティープレイヤー)
●ニックネーム:Dus(ダス)
●趣味:BBQ
●好きな食べ物:BBQ
●釜石のオススメ:Aragami Beach(荒神海岸:山田町)
●出身地のオススメ:ヨハネスブルグ:クルーガーズドープ
●試合前のルーティン:音楽を聴く、リラックスして過ごす
●ストロングポイント:アタッキング
●サポーター、ファンへメッセージ:いつも応援、サポートありがとうございます。毎試合ベストを尽くして、チームと釜石の為に頑張ります。
企画・編集:釜石まちづくり株式会社
取材・文:市川香織(釜石まちづくり株式会社)
写真:西条佳泰(株式会社Grafica)
釜石はラグビーに理解があって素晴らしいまち
(写真:釜石シーウェイブスRFC)
ーー入団の経緯を教えてください。
ファンデンボルト選手:
ヤマハに所属している時に、なかなか試合に出場する機会を掴めずにいました。そんな時、釜石からオファーが来て、すごく良いチャンスを頂いたと思い、オファーを受けました。釜石でラグビーが出来る機会を頂いた事、とても感謝しています。
ーー昨年8月に行われた、鵜住居復興スタジアムオープニングマッチの時には釜石にいらしていましたか?
ファンデンボルト選手:
いいえ、実は、ヤマハはあのオープニングマッチの前々日にも試合があって、僕はそちらの試合に出場したので、残念ながら釜石での試合のメンバーには入っていませんでした。
ーー釜石で暮らして、まちの印象などどうでしょうか?
ファンデンボルト選手:
良いまちですね!自然も美しいですし、市民の皆さんはとても親切で、そして応援してくださる方も多くて素晴らしいまちです。
休みの日もリラックス出来る環境ですし、ラグビーだけではなくて、普段の暮らしも良い時間を過ごしています。
2019年3月28日に行われた新規加入選手発表記者会見での一枚(@釜石PIT)
ーー奥様と一緒にいらしていますよね?
ファンデンボルト選手:
はい、そうですね。1人暮らしだとラグビーへのチャレンジもハードルが上がるというか、やっぱり色々と大変ですから。その点一緒だと、家事の面だけではなくて色々と助けてもらって、ラグビーにも打ち込むことが出来るし、僕もさらに頑張ることが出来ますので。
ーー釜石はラグビーしやすい環境ですか?
ファンデンボルト選手:
そうですね。どこに行っても、釜石SWのポスターやステッカーなどが貼られているのを目にします。このまちのみなさんはラグビーにとても理解があるので、今年は良いシーズンになりそうです。
2019年3月28日に行われた新規加入選手発表記者会見での一枚(@釜石PIT)
ーーうのすまい・トモス『いのちをつなぐ未来館』をチームで見学されたそうですね。その時の感想を聞かせてください。
ファンデンボルト選手:
施設を見学して、釜石に起きた事、大きなダメージを受けた事を初めて知り、最初はとても悲しかったです。
チームで見学した後に、もう一度、妻を連れて行って、教えてもらった内容を説明しました。
大きなダメージを受けた後に釜石の人たちは、一歩一歩復興に向かって進み、ここまでの姿になった。みなさんが一生懸命、まちをリカバリーする為にここまで歩んできた事を知って素晴らしいと思いました。
ーーラグビーの強豪国、南アフリカのご出身。なぜ日本でラグビーをプレーしようと?
ファンデンボルト選手:
高校2年生の17歳の時に、宗像サニックスのユーストーナメント(サニックス2012ワールドラグビーユース交流会)に、南アフリカのモニュメントハイスクールの一員として大会に参加する為に、初めて日本に来ました。その時に、“日本はとても良い国だな”という印象を持ちました。
高校卒業後も、南アフリカの大学、そして社会人チームでプロ選手としてラグビーを続けていましたが、ヤマハからオファーをもらった時に、その17歳の時の日本に対する良い印象がありましたから、「日本に行きます!」と即決しました。迷いはなかったです。
ーー南アフリカと日本のラグビーは、どういう所が違うと感じますか?
ファンデンボルト選手:
日本に来て2年ですが、日本に来て初めてフィットネスや走る練習をしているので、そういうトレーニング強度の面は南アフリカと大きく違うと思います。
それから、南アフリカの選手は体も大きいですし、フィジカルを前面に出したゲームプランが多いと思います。
一方で、スピードは日本人の方があるのではないかと思います。だから、日本人の方がボールを良く動かすゲームプランが得意ですよね。
今年のラグビーワールドカップでも、そういうスピードとかパス回しとか日本が優位に立てそうなプレーで、日本代表がどんなゲーム、プレーを見せてくれるのか楽しみですね!
ーーラグビーは何歳の頃から始めましたか?
ファンデンボルト選手:
覚えている限りで言うと、たぶん5歳くらいから始めたと思います。でも、もしかしたらもう少し早かったかも?
南アフリカでは、4,5歳からラグビーを始めるのがポピュラーです。
ーーそれから、ここまでずっとラグビー一筋ですか?
ファンデンボルト選手:
いいえ、高校の時には、テニスとかクリケットとか色々とやっていました。ラグビー1本に絞ったのは、高校を卒業してからです。
南アフリカは、スポーツと言えばやはりラグビーがメインだと思います。パッションというか、想いが特に強いです。さっき言ったように、小さい頃からみんなラグビーが身近にあって、僕も将来を考えた時に、ラグビー選手になりたいと思っていましたから。
みんな“チームメイト”というより“家族”という感じです
ーー釜石のチームはどうですか?
ファンデンボルト選手:
周りのチームメイトも良い人ばかりですし、最初から溶け込みやすかったです。今年はこのメンバーで、とても良いシーズンになりそうだと感じています。
ーー海外出身選手も多いですし、年齢も近いですよね。
そうですね、海外出身選手は、僕より2,3歳年上のメンバーが多いですね。
同い年の選手は日本人選手に多いです。加賀(亮太郎選手)とかですね。
最初に日本に来た時には日本語が全然わからなかったので、こうしてチームにたくさん海外出身選手がいる事は本当に助かります。それから、フィサー(ユーゲン選手)は同じ南アフリカの出身なので、英語ではなくて南アフリカの言葉、母国語で話せます。みんな、“チームメイト”というより“家族”という感じです。
ーー昨シーズン、海外出身選手のみなさんが日本語を勉強していると伺いました。今年も勉強会はやっていますか?
ファンデンボルト選手:
はい、週に2回火曜日と木曜日に、チームメイトと一緒に日本語の勉強をしています。
最初は本当に日本語は難くて・・・だからなかなか大変ですけれど、普段からコミュニケーションを取るため、少しでも話せるよう、理解出来るよう勉強したいと思っています。
グラウンドの上でのコミュニケーションでも、オスカ(村田選手)がいる時は言葉の面はだいぶカバーしてくれるんですけど、いない時もあるので、やっぱり自分で理解出来るようにならないといけないですからね。
ーー好きな日本語の言葉はありますか?
ファンデンボルト選手:
1つじゃなくても良いですか? 1つ目の言葉は・・・ここでは言えない言葉です(笑)。
チームメイトの中で、特に加賀と仲がいいんです、友達で。その加賀に、その言葉をしょっちゅう言っています(笑)。
もう一つは『なんだろう?』です。どうしてこの言葉かというと、日本人のチームメイトが一生懸命に英語で伝えようと話をしてくれる時に、でも英語が上手く出てこなくて分からない時に、「ん~なんだろう?」って良く言うんです(笑)。その言葉を良く耳にするので、『なんだろう?』です(笑)。
ーーそういう時はお互いに「なんだろう?」って思っているんでしょうね (笑)。じゃあ、「なんだろう?」が「分かった!」になれば良いですね。
ファンデンボルト選手:
そうですね!早くそうなりたいですね!
どんな形でも自分に出来る事をしてチームに貢献したい
ーー春シーズン、ここまで。ご自分の仕上がりは順調ですか?
ファンデンボルト選手:
まだまだ、これからですね。釜石のシステム、プレースタイルにもっと慣れながら、自分をもっと良くしていかなくてはならないと思っています。だから、まだまだ課題はたくさんありますね。
ーーチームの中での自分の役割は?
ファンデンボルト選手:
これが自分の役割、というのがなかなかすぐには出て来ないんですけど・・・。やっぱり、チームの為にたくさんトライを取ることはもちろんですけど、自分に出来る事はどんな形でも何でもして、チームに貢献したいです。
ーーチームに貢献する為のプレーに徹して・・・という事ですね。
ファンデンボルト選手:
そうですね、今年もTLからTCLへ落ちて来るチームがありますし、リーグ全体のレベルは高いと思います。釜石にとって良いシーズンになるように、昨シーズンよりも良い成績を残せるように、チームの為に何でもしたいと思います。頑張ります!毎試合、自分のベストのパフォーマンスを出して行けるシーズンにしたいです!
ーー大型センターのファンデンボルト選手の加入に、ファンのみなさんは大きな期待を寄せています!
ファンデンボルト選手:
そうなんですね!ありがとうございます!そのみなさんの想いは、僕にとってとても良い事です!毎試合、会場まで足を運んで応援してくれるファンのみなさんの為にも、良いラグビーをしたいです。
ーー6月からは、TL、TCLのカップ戦がスタート。そこへ向けてどんな思いを持っていますか?
ファンデンボルト選手:
TLのチームと対戦出来るという事は、チームにも自分にとっても、とても良い機会だと思います。僕も楽しみです!
ジャパンラグビートップリーグカップ2019(カップ戦)は早くも後半戦に突入しています。
これからのスケジュールは以下の通りです。
第4節 7月13日(土) 16:30 対 三菱重工相模原ダイナボアーズ:秩父宮ラグビー場
第5節 7月20日(土) 18:30 対 コカ・コーラレッドスパークス:えがお健康スタジアム(熊本県)
最新情報、詳細は釜石シーウィブスの公式サイトでご確認ください。
http://www.kamaishi-seawaves.com/