和歌山国体出場権獲得を喜ぶラグビー岩手・成年のメンバー
第42回東北総合体育大会ラグビーフットボール競技・成年男子(7人制)は22、23の両日、釜石市甲子町松倉の市球技場で行われ、釜石シーウェイブス(SW)RFCを主体にした岩手は代表決定戦で秋田に24―12(前半12―12)で逆転勝ちし、10月に和歌山県で行われる国体への出場を決めた。今年の東北総体は、来年に迫った「希望郷いわて国体」のリハーサル大会を兼ねる。ライバル秋田を下しての国体切符獲得に、県ラグビー協会国体強化委員長の桜庭吉彦さん(48)=釜石SWディビジョンマネジャー=は「来年の国体成功へ弾みが付く」と喜ぶ。
7人制ラグビーの試合時間は前後半各7分と短く、ゲームマネジメントが難しい。
秋田との代表決定戦では前半4分、FWタウファタフィアイバハ優のトライで岩手が先制。しかし、このあと秋田が連続トライ。岩手は5―12と劣勢に立たされ、スタンドに詰めかけた地元ファンを心配させた。
前半終了直前にFW佐藤雄太が独走トライ、ゴールも決まり同点に。後半開始早々、バックス関東伸峻が相手を振り切り、タッチライン沿いを走り切って逆転トライ。さらに途中交代の高城良太がトライ、ゴールも決め24―12と突き放した。
「夕べは眠れなかった」と選手兼任の細川進監督(36)。予選の組み合わせから代表決定戦は宮城との対戦を想定していたが、結局、相手は力のある秋田に。「7人制では秋田の方が格上。勝った記憶がない」という悪いイメージが頭をよぎったという。
地元開催のプレッシャーも加わった。「しかし選手は重圧を感じさせず、リラックスし、楽しんでやってくれた」と細川監督。「空いたスペースにボールを運び、一人一人が前に出る」というゲームプランが見事にはまり、難敵を逆転で下した。
ベテランの域に入った菅野朋幸主将(30)は「ほっとした。前半は少し受け身に立ってしまったが、チャンスが来ると信じ一人一人が前に出続けた」と、劣勢を跳ね返す粘り勝ちを喜んだ。春から重ねてきたチーム練習では、主将として「若手のメンバーが伸び伸びプレーできるよう」心を砕いてきたという。「外部から加わったメンバーも力を発揮し、一体感のある非常にいいチームができた」と国体本番へ向け手応えも膨らむ。
ラグビー成年代表決定戦 岩手─秋田 後半1分、岩手のバックス関東伸峻が相手を振り切り、逆転トライ=23日、釜石市球技場
2年前は東北総体で敗れ、昨年の長崎国体では予選ブロックで敗退。岩手の指揮を執って6年目となる細川監督は来年の国体優勝を見据え、「今年は最低でもベスト4には入りたい」と目標を掲げる。「フィジカル、フィットネスなどの強みに加え、スキルも上積みすればいけるのではないか」と、さらなる強化へ思いを描く。
(復興釜石新聞 2015年8月26日発行 第413号より)
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